上記特許文献1に提案された電磁ブレーキ装置は、制動を付加する機構は二組あるが、この制動を解除する機構は一組であり二組の制動付加機構に対して共通に用いられている。すなわち、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成でない。したがって、制動機としての機能を二組必要な場合には適用できないという問題点があった。
また、上記特許文献2で提案されたブレーキ装置は、駆動綱車の内周面を制動面とし、二組の制動腕、制動片及び制動ばねと制動を解除する一組の電磁装置とで構成されると共に、制動片及び制動ばねが駆動綱車の内側に配置され、制動腕の一端が駆動綱車の内側に枢持されて制動腕の他端が駆動綱車の外側に配置され、電磁装置が駆動綱車の外側に配置されたものであるが、制動ばねが回転体である駆動綱車の内側に設置されている。このため特許文献1の提案と同様に、制動機としての機能を二組必要な場合には適用できないという問題点があった。
更に、上記特許文献3に提案されたエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置においては、制動機が制動腕方式であり、制動腕の一端を支持板にピン支持し、制動腕の中間に制動片を具備する可動鉄片としてのアーマチャを配置し、制動腕の回動端と支持板間に制動ばねを配置して、このアーマチャを電磁吸引するように電磁石が配置されている。すなわち、制動腕、制動ばね及び電磁装置としての電磁石など、制動機としての構成部品が回転体である椀状回転体の内側に設置されている。このため限られた場所に高密度に設置されてコンパクトであるが、制動機としての部品の組立て、制動片のストローク調整、アーマチャと電磁石のストローク調整、ばね力の調整など、組立て、調整作業に時間を要するという問題点があった。
更にまた、上記特許文献4で提案されたエレベーター用巻上機は、回転体の内側に回転子と固定子を配置し、被制動体としての回転体の外周面を制動面とし、二組の制動腕、制動片及び制動ばねと一組の電磁装置とで構成される、いわゆるブレーキドラム外周面制動式の制動機が回転体の外に対象形態配置されたものである。
本発明の目的は、制動機としての機能が二組必要な場合にも適用可能な電磁ブレーキ装置を提供するにある。
また、本発明の他の目的は、組立て、調整作業の容易な電磁ブレーキ装置を提供するにある。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1では、被制動体の制動面に配置される制動片を備え一端部が回転支持される第一及び第二の制動腕と、上記制動片が上記制動面を押圧し上記被制動体を制動するように上記第一及び第二の制動腕の他端部に設けた制動ばねと、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に動作するように配置し、継鉄及び電磁コイルからなる電磁石と、この電磁石の磁極面に対向して設けられた鉄片とからなり、上記電磁石への通電時の電磁吸引力により上記制動ばねのばね力に対抗して上記第一及び第二の制動腕を駆動し、上記制動片の押圧力を解除して上記被制動体の制動を解除する電磁装置とで構成される電磁ブレーキ装置において、上記電磁装置は電磁石と鉄片から構成されるものを2組備え、この電磁石又は鉄片の一方を固定し他方を可動に設けるとともに、可動側の電磁石又は鉄片を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動するようにしたことを特徴とする
これにより、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られる。
また、請求項2では、上記制動面は、被制動体としてのブレーキドラムの内周面又は外周面としたを特徴とする。
これにより、請求項1同様に、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、制動面をブレーキドラムの内周面又は外周面に設ける場合に有効となる。
また、請求項3では、上記電磁装置は1個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と1個の固定鉄片又は2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片で構成するとともに、これらの可動側の鉄片又は可動側の電磁石を介して上記第一及び第二の制動腕をそれぞれ駆動したことを特徴とする。
これにより、請求項1同様に、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、電磁装置は1個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と1個の固定鉄片又は2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片で構成する場合に有効となる。
また、請求項4では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の内又は外側に設けたことを特徴とする。
これにより、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、電磁装置は上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の内又は外側に設ける場合に有効となる。
また、請求項5では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して引込む方向又は押出す方向に電磁吸引力を出力するようにしたことを特徴とする。
これにより、請求項1同様に、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、電磁装置は上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して引込む方向又は押出す方向に電磁吸引力を出力する場合に有効となる。
また、請求項6では、上記制動ばねは、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の内又は外側に設けたことを特徴とする。
これにより、請求項1同様に、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、制動ばねは上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側内又は結ぶ側の外側に設ける場合に有効となる。
また、請求項7では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の内側に配置し、1個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片のいずれかで構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して引込む方向に電磁吸引力を出力し、かつ、非反転の回転レバーを設けて、この非反転の回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。
また、請求項8では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側内に配置し、2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片のいずれかで構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して押込む方向に電磁吸引力を出力し、かつ、反転の回転レバーを設けて、この反転の回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。
また、請求項9では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の外側に配置し、2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片のいずれかで構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して引込む方向に電磁吸引力を出力し、かつ、非反転の回転レバーを設けて、この非反転の回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。
また、請求項10では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の外側に配置し、2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片のいずれかで構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して押込む方向に電磁吸引力を出力し、かつ、反転の回転レバーを設けて、この反転の回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。
また、請求項11では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の内側に配置し、1個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と1個の固定鉄片のいずれかで構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して押込む方向に電磁吸引力を出力する出力ロッドを設け、かつ、反転の回転レバーを設けて、この反転の回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。さらに、制動解除機構としての電磁装置の出力ロッドが電磁吸引力を発生する磁極面内に設けられる穴を貫通しないため、有効磁極面積が減少せず、出力としての電磁吸引力が減少しない。
また、請求項12では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側内に配置し、1個の固定電磁石と2個の可動鉄片で構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して押込む方向に電磁吸引力を出力する出力ロッドを設けて、この出力ロッドを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、制動解除機構としての電磁装置の出力ロッドが電磁吸引力を発生する磁極面内に設けられる穴を貫通しないため、有効磁極面積が減少せず、出力としての電磁吸引力が減少しない。
また、請求項13では、非反転の回転レバーを設けて、上記出力ロッドからこの非反転の回転レバーを介して、上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動するようにしたことを特徴とする。
これにより、請求項1同様に、制動片を備えた制動腕、制動片に押圧力を与え制動力を付加する制動ばね及び制動力を解除する電磁装置で構成され、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置が得られ、とくに、非反転の回転レバーを設けて、上記出力ロッドからこの非反転の回転レバーを介して、上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動する場合に有効となる。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。さらに、制動解除機構としての電磁装置の出力ロッドが電磁吸引力を発生する磁極面内に設けられる穴を貫通しないため、有効磁極面積が減少せず、出力としての電磁吸引力が減少しない。
また、請求項14では、上記電磁装置は上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の内側に配置し2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片のいずれかで構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して押込む方向に電磁吸引力を出力し、かつ、非反転の回転レバーを設けて、この非反転の回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。
また、請求項15では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側内に配置し、1個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片のいずれかで構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して引込む方向に電磁吸引力を出力し、かつ、反転の回転レバーを設けて、この反転の回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。
また、請求項16では、上記電磁装置は、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の外側に配置し、2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片のいずれかで構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して押込む方向に電磁吸引力を出力し、かつ、非反転の回転レバーを設けて、この非反転の回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。
また、請求項17では、上記電磁装置は上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ側の外側に配置し2個の固定電磁石と2個の可動鉄片又は2個の可動電磁石と2個の固定鉄片のいずれかで構成すると共に、上記第一及び第二の制動腕の他端部を結ぶ方向に対して引込む方向に電磁吸引力を出力し、かつ、反転の回転レバーを設けて、この反転の回転レバーを介して上記第一及び第二の制動腕の他端部をそれぞれ駆動したようにしたことを特徴とする。
これにより、電磁装置の動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置の出力を低減する場合に有効となる。
また、請求項18では、上記出力ロッドは、上記電磁石の外側に配置したことを特徴とする。
これにより、制動解除機構としての電磁装置の出力ロッドが電磁吸引力を発生する磁極面内に設けられる穴を貫通しないため、有効磁極面積が減少せず、出力としての電磁吸引力が減少しない。
また、請求項19では、開口縁部を有し略凹状断面でこの底面の中心部から延在して設けられ中空穴を有する電動機の主軸を片持ち支持する基体と、開口縁部を有し略凹状断面でこの底面の中心部から延在して設けられ中空穴の回転軸を有し、この回転軸の中空穴部が上記主軸に軸受を介して回転支持される回転体と、主索が巻き掛けられ、上記回転体の凹状底面の外側面に着脱可能に取付けられる駆動綱車とを備え、上記回転体の開口縁部の外形寸法は上記基体の開口縁部の内形寸法よりも小さい直径を有し、上記回転体の開口側と上記基体の開口側が対向するように、上記基体の凹状断面内に上記回転体が配置され、上記回転体の開口縁部の外周面に支持された回転子は上記基体の開口縁部の内周面に支持された固定子の内側に対向して配置されると共に、上記固定子と回転子間の空隙部の直径寸法Dmよりも上記駆動綱車の主索中心径Dsを小さく形成し、上記回転体の開口縁部の内周面を押圧する制動片、この制動片を中間部に備え、一端部を上記基体の凹状底面に回動支持し、他端部を上記基体の凹状底面からこの基体の外部に延在して配置した制動腕、この制動腕の他端部に作用する制動付加要素としての制動ばね及び制動解除要素としての電磁装置からなる電磁ブレーキを二組設けたことを特徴とする。
これにより、ブレーキドラムの内周面制動方式の電磁ブレーキにおいて、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置を備えるとともに、組立作業が簡単で、かつ、調整作業が容易にできるエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置が得られる。
また、請求項20では、開口縁部を有し略凹状断面でこの底面の中心部から延在して設けられ中空穴を有する電動機の主軸を片持ち支持し、上記凹状断面の底面部材が延在する基体と、開口縁部を有し略凹状断面でこの底面の中心部から延在して設けられ中空穴の回転軸を有し、この回転軸の中空穴部が上記主軸に軸受を介して回転支持される回転体と、主索が巻き掛けられ、上記回転体の凹状底面の外側面に着脱可能に取付けられる駆動綱車とを備え、上記基体の開口縁部の外形寸法は上記回転体の開口縁部の内形寸法よりも小さい直径を有し、上記基体の開口縁部の開口側と上記回転体の開口側が対向するように、上記回転体の凹状断面内に上記基体の開口縁部が配置され、上記回転体の開口縁部の内周面に支持された回転子は上記基体の開口縁部の外周面に支持された固定子の外側に対向して配置されると共に、上記固定子と回転子間の空隙部の直径寸法Dmよりも上記駆動綱車の主索中心径Dsを小さく形成し、上記回転体の開口縁部の外周面を押圧する制動片、この制動片を中間部に備え、一端部を上記基体の一方部に回動支持し、他端部を上記基体の他方部に延在して配置した制動腕、この制動腕の他端部に作用する制動付加要素としての制動ばね及び制動解除要素としての電磁装置からなる電磁ブレーキを二組設けたことを特徴とする。
これにより、ブレーキドラムの外周面制動方式の電磁ブレーキにおいて、制動付加及び解除機構を有し制動機として独立に機能するものが二組の構成の電磁ブレーキ装置を備えるとともに、組立作業が簡単で、かつ、調整作業が容易にできるエレベーター用巻上機の電磁ブレーキ装置が得られる。
また、請求項21では、少なくとも、上記基体の主軸の中空部に配置され、上記回転体の凹状底面の外側端面に設けた回転接続部材を介して上記回転体の回転速度を検出するエンコーダ又は、上記基体の凹状底面の外側から上記軸受への潤滑油注入孔及び排出孔又は、上記回転体の開口縁部と上記基体との間、及び上記回転体の回転軸の反底面側と上記基体の底面との間にシール部又は、上記基体の底面に油受け及び点検窓のいずれかを設けたことを特徴とする。
これにより、とくに回転体の回転を検出する場合、又は上記基体の主軸の軸受けへの潤滑油注入及び排出する場合、又は上記基体の開口縁部の内周面と上記回転体の底部の外周面との間、及び上記基体の底面と上記回転体の回転軸の反底部側との間をシールする場合、又は上記軸受の潤滑油漏れを受止め、点検する場合に有効となる。
本発明によれば、制動機として独立に機能するものが二組の制動付加及び解除機構を備えた電磁ブレーキ装置を提供することができる。
以下本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の第1の実施形態になる内周面制動式電磁ブレーキの正面図、図2、3は図1に示した電磁装置のそれぞれ別々の電磁装置を示す正面図、図4は図1に示した制動腕の駆動方法と別方法を示す図1相当の正面図、図5は図1に示した制動ばねのばね力の異なる付加方法示す図1相当の正面図である。
図1において、1は被制動体としてのブレーキドラムで、このブレーキドラム1の内周制動面1aにはそれぞれ制動片2a、2bが当接するようになっている。3a、3bは一対の制動腕で、上記制動片2a、2bを備え一端部3cを可回転的に支持されている。4a、4bは制動ばねで、上記制動片2a、2bが制動面1aに押圧力を付加するように制動腕3a、3bの他端部3dに配置される。この制動ばね4a、4bは制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に配置され、結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して押出す方向にばね力が付加される。
5は電磁装置で、上記制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石6と2個の可動鉄片7a、7bとで構成される。上記電磁石6は2個の電磁コイル9a、9bとこの電磁コイル9a、9bに対して共通的に用いられる継鉄8からなり、この継鉄8は2箇所に磁極面10a、10bを有し、各々の磁極面10a、10bに対して電磁コイル9a、9bが配置され、電磁石としての機能は実質2個有する。また、この磁極面10a、10bに対向して2個の可動鉄片7a、7bが配置され、この可動鉄片7a、7bは上記制動腕3a、3bの他端部3dに連結されて駆動するようになっている。
この電磁ブレーキ装置の動作は次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1aを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面に可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1aから離間し制動が解除される。すなわち、上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して矢印Y1の引込む方向に上記電磁石6の電磁吸引力が出力されるようになっている。
要するに、制動片2a、2b、制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、共通的に用いられる継鉄8、電磁コイル9a、9b、可動鉄片7a、7bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
なお、図2に示すように、上記電磁装置5は図1の2個の電磁コイル9a、9bを まとめて1個の電磁コイル9としても良い。
また、図3に示すように、上記電磁装置5は2個の可動電磁石6a、6bと1個の固定された鉄片7とで構成しても良い。図1と同様に、上記電磁装置5は、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、上記電磁石6a、6bは継鉄8a、8bと電磁コイル9a、9bからなり、電磁石6a、6bの磁極面10a、10bに対向して固定鉄片7が配置される。上記電磁石6a、6bに通電すると磁束を発生し、上記固定鉄片7に電磁吸引力が作用し電磁石6a、6bが吸引される。上記可動電磁石6a、6bによって上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して矢印Y1の引込む方向に上記電磁石6a、6bの電磁吸引力が出力されるようになっている。
また、図4に示すように、図1において、非反転形の回転レバー11aを付加設置した構造である。すなわち、上記制動腕3a、3bは非反転形の回転レバー11aが枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5の出力がこの回転レバー11aを介して、電磁装置5の出力と同方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5の動きと制動片2a、2bの押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置5の出力を低減する場合に有効である。
また、図5に示すように、制動ばね4a、4bは制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の外側に配置され、上記図1と同様に、ばね力は結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して押出す方向に付加される。この場合、制動腕3a、3bに連結したばねロッド13を固定支持台14を貫通して配置し、制動ばね4a、4bがこのばねロッド13と固定支持台14間に設けられ、ばね押え15及び締結部材16で固定される。とくに、制動ばね4a、4bが制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の内側に配置できない場合に有効である。
なお、上記図5で説明した制動ばね4a、4bの配置構造は上記図1乃至図4の実施形態においても同様に適用できる。
図6〜図12は、本発明の第2の実施形態を示し、図6は、内周面制動式電磁ブレーキの正面図で、上記第1の実施形態の図1相当図であり、図1とは電磁装置の構成が異なる。なお、第1の実施形態と同一部分については同一符号を付して必要に応じて説明を省略する。
図6において、5a、5bは電磁装置で、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に設けられ、それぞれの制動腕3a、3bを個別に駆動するように2組設けられる。制動ばね4a、4bは制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に配置され、結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して押出す方向にばね力が付加される。上記電磁装置5a、5bはそれぞれ個別に固定された電磁石6a、6bと可動鉄片7a、7bとで構成され、この電磁石6a、6bはそれぞれ個別に電磁コイル9a、9bと継鉄8a、8bとからなり、磁極面10a、10bを有する。可動鉄片7a、7bがこの磁極面10a、10bに対向して配置され、上記制動腕3a、3bの他端部3dに連結され、上記制動ばね4a、4bのばね力に抗して駆動するようになっている。
この電磁ブレーキ装置の動作は上記第1の実施形態の図1と同様であり、次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1aを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面10a、10bに可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1aから離間し制動が解除される。すなわち、上記電磁装置5a、5bは上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向の内側から見て矢印Y1方向の引込む方向に上記電磁石6a、6b6の電磁吸引力が出力されるようになっている。
要するに、制動片2a、2b、制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、継鉄8a、8b、電磁コイル9a、9b、可動鉄片7a、7bからなる制動解除機構としての電磁装置が2組あって、それぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
なお、図7に示すように、上記電磁装置5a、5bは図6の鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、図8に示すように、図6において、非反転形の回転レバー11aを付加設置した構造である。すなわち、第1の実施形態の図4と同様に、回転レバー11aが枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5a、5bの出力がこの回転レバー11aを介して、電磁装置5a、5bの出力と同方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5a、5bの動きと制動片2a、2bの押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置5a、5bの出力を低減する場合に有効である。
また、図8において、上記図7と同様に、鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、図9に示すように、上記電磁装置5a、5bは、上記図6と同様に、電磁装置5a、5bは制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に、それぞれの制動腕3a、3bを個別に駆動するように2組設けられる。すなわち、上記電磁装置5a、5bの電磁吸引力は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向の内側から見て矢印Y2の押込む方向に出力され、反転形の回転レバー11bを設け、制動腕3a、3bを個別に駆動するようになっている。この回転レバー11bは枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5a、5bの出力が回転レバー11bを介して、電磁装置5a、5bの出力と反対方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5a、5bの動きと制動片2a、2bの押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置5a、5bの出力を低減する場合に有効である。
また、図9において、上記図7と同様に、鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、図10に示すように、上記電磁装置5a、5bは制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ外側に設けられ、それぞれの制動腕3a、3bを個別に駆動するように2組設けられる。すなわち、上記電磁装置5a、5bは上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向の内側から見て矢印Y1の引込む方向に上記電磁石6a、6bの電磁吸引力が出力され、制動腕3a、3bを個別に駆動するようになっている。
なお、図10の鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、図11に示すように、上記図10において、非反転形の回転レバー11aを付加設置した構造である。すなわち、上記図8と同様に、回転レバー11aが枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5a、5bの出力がこの回転レバー11aを介して、電磁装置5a、5bの出力と同方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5a、5bの動きと制動片2a、2bの押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置5a、5bの出力を低減する場合に有効である。
また、上記図11の鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、図12に示すように、上記電磁装置5a、5bは上記図10と同様に、電磁装置5a、5bは制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に、それぞれの制動腕3a、3bを個別に駆動するように2組設けられる。すなわち、上記電磁装置5a、5bの電磁吸引力は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向の内側から見て矢印Y2押込む方向に出力され、反転形の回転レバー11bを設け、制動腕3a、3bを個別に駆動するようになっている。この回転レバー11bは枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5a、5bの出力が回転レバー11bを介して、電磁装置5a、5bの出力と反対方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5a、5bの動きと制動片2a、2bの押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置5a、5bの出力を低減する場合に有効である。
また、上記図12において、鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片を固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
なお、上記図6乃至12は、制動ばね4a、4bが制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に配置される場合で説明したが、第1の実施形態の図5で示したように、制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の外側に配置され、ばね力が結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して押出す方向に付加するようにしてもよい。
図13〜図15は、本発明の第3の実施形態を示し、図13は内周面制動式電磁ブレーキの正面図で、第1の実施形態の図1相当図ある。図14、15は図13に示した電磁装置のそれぞれ別々の電磁装置を示す正面図で、第1の実施形態の図2、3相当図ある。なお、第1の実施形態と同一部分については同一符号を付して必要に応じて説明を省略する。
図13において、5は電磁装置で、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石6と2個の可動鉄片7a、7bと出力ロッド15a、15bとで構成される。制動ばね4a、4bは制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に配置され、結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して押出す方向にばね力が付加される。上記電磁石6は2個の電磁コイル9a、9bとこの電磁コイル9a、9bに対して共通的に用いられる継鉄8からなり、この継鉄8は2箇所に磁極面10a、10bを有し、各々の磁極面10a、10bに対して電磁コイル9a、9bが配置され、電磁石としての機能は実質2個有する。また、この磁極面10a、10bに対向して2個の可動鉄片7a、7bが配置され、この可動鉄片7a、7bは出力ロッド15a、15bと連結される。この出力ロッド15a、15bは電磁石6の外側を迂回して設けられ、可動鉄片7a、7bの動作がそれぞれ反対側の可動鉄片7b、7a側に出力される。すなわち、上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して矢印Y2の押込む方向に上記電磁石6の電磁吸引力が出力されるようになっている。そして、出力ロッド11b、11aはそれぞれ枢持ピン12で回動支持される反転形の回転レバー11bを介して、電磁装置5の出力と反対方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。
この電磁ブレーキ装置の動作は次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1aを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面10a、10bに可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、出力ロッド15a、15b、回転レバー11bを介して、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1aから離間し制動が解除される。
要するに、制動片2a、2b、制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、共通的に用いられる継鉄8、電磁コイル9a、9b、可動鉄片7a、7b、出力ロッド15a、15b、回転レバー11bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
なお、上記電磁装置5は、図14に示すように、図13の2個の電磁コイル9a、9bを まとめて1個の電磁コイル9としても良い。
また、上記電磁装置5は、図15に示すように、2個の可動電磁石6a、6bと1個の固定された鉄片7とで構成しても良い。そして、図13と同様に、上記電磁装置5は、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、上記電磁石6a、6bは継鉄8a、8bと電磁コイル9a、9bからなり、電磁石6a、6bの磁極面10a、10bに対向して固定鉄片7が配置される。上記電磁石6a、6bに通電すると磁束を発生し、上記固定鉄片7に可動電磁石6a、6bが電磁吸引される。上記可動電磁石6a、6bは出力ロッド15a、15bと連結され、この出力ロッド15a、15bは可動電磁石6a、6bの外側を迂回して設けられる。そして可動電磁石7a、7bの動作がそれぞれ反対側の可動電磁石6b、6a側に出力され、反転形の回転レバー11bを介して上記制動腕3a、3bの他端部3dを駆動する。上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して矢印Y2の押込む方向に電磁石6a、6bの電磁吸引力が出力されるようになっている。
なお、上記図13乃至15は、制動ばね4a、4bが制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に配置される場合で説明したが、第1の実施形態の図5で示したように、制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の外側に配置され、ばね力が結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して押出す方向に付加するようにしてもよい。
図16〜19は、本発明の第4の実施形態を示し、図16は外周面制動式電磁ブレーキの正面図で第1の実施形態の図1及び第3の実施形態の図13相当図、図17は図16において、回転レバーを付加した構造の正面図、図18,19は図16に示した制動ばねの配置構造と別の配置構造を示す正面図である。なお、第1、3の実施形態と同一部分については同一符号を付して必要に応じて説明を省略する。
図16において、5は電磁装置で、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石6と2個の可動鉄片7a、7bと出力ロッド15a、15bとで構成される。上記制動ばね4a、4bは上記制動片2a、2bがブレーキドラム1の外周制動面1bに押圧力を付加するように制動腕3a、3bの他端部3dに配置されて、制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ外側に配置され、結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して引込む方向にばね力が付加される。上記電磁石6は2個の電磁コイル9a、9bとこの電磁コイル9a、9bに対して共通的に用いられる継鉄8からなり、この継鉄8は2箇所に磁極面10a、10bを有し、各々の磁極面10a、10bに対して電磁コイル9a、9bが配置され、電磁石6としての機能は実質2個有する。また、この磁極面10a、10bに対向して2個の可動鉄片7a、7bが配置され、この可動鉄片7a、7bは出力ロッド15a、15bと連結される。この出力ロッド15a、15bは電磁石6の外側を迂回して設けられ、可動鉄片7a、7bの動作がそれぞれ反対側の可動鉄片7b、7a側に出力される。そして、出力ロッド15a、15bはそれぞれ上記制動腕3a、3bの他端部3dに連結されて駆動するようになっている。
この電磁ブレーキ装置の動作は次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1bを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面10a、10bに可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、出力ロッド15a、15bを介して、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1bから離間し制動が解除される。すなわち、上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して矢印Y2の押出す方向に上記電磁石6の電磁吸引力が出力されるようになっている。
要するに、制動片2a、2b、制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4b4による制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、共通的に用いられる継鉄8、電磁コイル9a、9b、可動鉄片7a、7b、出力ロッド15a、15bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
また、図17に示すように、上記制動腕3a、3bは非反転形の回転レバー11aが枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5の出力がこの回転レバー11aを介して、電磁装置5の出力と同方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5の動きと制動片2a、2bの押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置5の出力を低減する場合に有効である。
また、図18に示すように、上記制動ばね4a、4bは制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に配置され、上記図16と同様に、ばね力は結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して引込む方向に付加される。この場合、制動腕3a、3bに連結したばねロッド13は固定支持台14を貫通して配置し、制動ばね4a、4bがこのばねロッド13と固定支持台14間に設けられ、ばね押え15及び締結部材16で固定される。とくに、制動ばね4a、4bが制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の外側に配置できない場合に有効である。
また、図19に示すように、上記図16及び17で説明した上記制動ばね4a、4bの具体的構造である。すなわち、制動ばね4a、4bは制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の外側に配置され、上記図18と同様に、ばね力は結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して引込む方向に付加される。この場合、固定支持台14に連結したばねロッド13は制動腕3a、3bを貫通して配置し、制動ばね4a、4bがこのばねロッド13と制動腕3a、3b間に設けられ、ばね押え15及び締結部材16で固定される。とくに、制動ばね4a、4bが制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の内側に配置できない場合に有効である。
図20〜25は本発明の第5の実施形態を示し、図20は外周面制動式電磁ブレーキの正面図で、上記第4の実施形態の図16相当図であり、図16とは電磁装置の構成が異なる。また、この図20は第2の実施形態の図10相当図でもあり、図10とは制動周面の位置、制動ばねの配置、電磁装置の配置と電磁吸引力の出力位置が異なる。なお、第4の実施形態及び第2の実施形態と同一部分については同一符号を付して必要に応じて説明を省略する。
図20において、5a、5bは電磁装置で、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に、それぞれの制動腕3a、3bを個別に駆動するように2組設けられる。上記電磁装置5a、5bはそれぞれ個別に固定された電磁石6a、6bと可動鉄片7a、7bとで構成され、この電磁石6はそれぞれ個別に電磁コイル9a、9bと継鉄8a、8bからなり、磁極面10a、10bを有する。可動鉄片7a、7bがこの磁極面10a、10bに対向して配置され、上記制動腕3a、3bの他端部3dに連結され、上記制動ばね4a、4bのばね力に抗して駆動するようになっている。すなわち、上記第4の実施形態と同様に、上記制動ばね4a、4bのばね力は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向の内側から見て引込む方向に付加される。
この電磁ブレーキ装置の動作は上記第4の実施形態の図16と同様であり、次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1bを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面10a、10bに可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1bから離間し制動が解除される。すなわち、上記電磁装置5a、5bは上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して矢印Y2の押込む方向に上記電磁石6の電磁吸引力が出力されるようになっている。
要するに、制動片2a、2b制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、継鉄8、電磁コイル9a、9b、可動鉄片7a、7bからなる制動解除機構としての電磁装置5a、5bが2組あって、それぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
なお、上記図20の鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、図21に示すように、図20において、非反転形の回転レバー11aを付加設置した構造である。すなわち、第4の実施形態の図17と同様に、回転レバー11aが枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5a、5bの出力がこの回転レバー11aを介して、電磁装置5a、5bの出力と同方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5a、5bの動きと制動片2a、2bの押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置5a、5bの出力を低減する場合に有効である。
また、図21の鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、上記電磁装置5a、5bは図22に示すように、電磁装置5a、5bは制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に、それぞれの制動腕3a、3bを個別に駆動するように2組設けられる。すなわち、上記電磁装置5a、5bの電磁吸引力は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向の内側から見て矢印Y1の引込む方向に出力され、反転形の回転レバー11bを設け、制動腕3a、3bを個別に駆動するようになっている。この回転レバー11bは枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5a、5bの出力が回転レバーを介して、電磁装置5a、5bの出力と反対方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5a、5bの動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置5a、5bの出力を低減する場合に有効である。
また、図22の鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、図23に示すように、上記電磁装置5a、5bは、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ外側に設けられ、それぞれの制動腕3a、3bを個別に駆動するように2組設けられる。すなわち、上記電磁装置5a、5bは上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向の内側から見て矢印Y2の押し出す方向に上記電磁石6a、6bの電磁吸引力が出力され、制動腕3a、3bを個別に駆動するようになっている。
なお、図23の鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、図24に示すように、図23において、非反転形の回転レバー11aを付加設置した構造である。すなわち、回転レバー11aが枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5a、5bの出力がこの回転レバー11aを介して、電磁装置5a、5bの出力と同方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5a、5bの動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、押圧力を拡大する場合に有効である。
また、上記図24の鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
また、図25に示すように、上記電磁装置5a、5bは制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の外側に、それぞれの制動腕3a、3bを個別に駆動するように2組設けられる。すなわち、上記電磁装置5a、5bの電磁吸引力は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向の内側から見て矢印Y1の引込む方向に出力され、反転形の回転レバー11bを設け、制動腕3a、3bを個別に駆動するようになっている。この回転レバー11bは枢持ピン12で回動支持され、電磁装置5a、5bの出力が回転レバー11bを介して、電磁装置5a、5bの出力と反対方向に上記制動腕3a、3bの他端部3dが駆動される。とくに、電磁装置5a、5bの動きと制動片の押圧部間のレバー比、すなわち、減速比を大きくして、電磁装置5a、5bの出力を低減する場合に有効である。
また、図25の鉄片7a、7bと電磁石6a、6bの可動、固定を逆にして、鉄片7a、7bを固定し、電磁石6a、6bを可動にしても良い。
なお、上記図20乃至25は制動ばね4a、4bが制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の外側に配置される場合で説明したが、第4の実施形態の図19で示したように、制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側に配置され、ばね力が結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して引込む方向に付加するようにしてもよい。
図26は、本発明の第6の実施形態になる外周面制動式電磁ブレーキの正面図で、第4の実施形態の図16相当図である。図16とは電磁装置の構造、制動腕の駆動構造が異なる。なお、図16と同一部分については同一符号を付して必要に応じて説明を省略する。
図26において、5は電磁装置で、制動ばね4a、4bの押圧力を解除するように、上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石6と2個の可動鉄片7a、7bとで構成される。上記制動ばねは上記制動片2a、2bが制動面1bに押圧力を付加するように制動腕3a、3bの他端部3dに配置されて、制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ外側に配置され、結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して引込む方向にばね力が付加される。上記電磁石6は2個の電磁コイル9a、9bとこの電磁コイル9a、9bに対して共通的に用いられる継鉄8からなり、この継鉄8は2箇所に磁極面10a、10bを有し、各々の磁極面10a、10bに対して電磁コイル9a、9bが配置され、電磁石としての機能は実質2個有する。また、この磁極面10a、10bに対向して2個の可動鉄片7a、7bが配置され、この可動鉄片7a、7bは反転形の回転レバー11bに係合し、この回転レバー11bがそれぞれ上記制動腕3a、3bの他端部3dに係合されて駆動するようになっている。
この電磁ブレーキ装置の動作は次の通りである。制動時は、制動ばね4a、4bで制動腕3a、3bを介して制動片2a、2bがブレーキドラム1の制動面1bを押圧して制動状態になっている。制動解除時は、電磁コイル9a、9bに通電し磁束を発生させて、磁極面10a、10bに可動鉄片7a、7bを電磁吸引すると、回転レバー11bを介して、制動ばね4a、4bのばね力に抗して制動腕3a、3bが駆動され、制動片2a、2bが制動面1bから離間し制動が解除される。すなわち、上記電磁装置5は上記第一及び第二の制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ方向に対して矢印Y1の引込む方向に上記電磁石6の電磁吸引力が出力されるようになっている。
要するに、制動片2a、2b制動腕3a、3bを介して制動ばね4a、4bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、共通的に用いられる継鉄8、電磁コイル9a、9b、可動鉄片7a、7b、回転レバー11bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、制動機として独立に機能するものが2組構成となっている。
なお、上記電磁装置5は本発明の第1の実施形態の図2のように、2個の電磁コイルをまとめて1個の電磁コイルとしても良い。また、上記電磁装置5は本発明の第1の実施形態の図3のように、2個の可動電磁石と1個の固定された鉄片とで構成しても良い。
また、上記図26は制動ばねの配置が制動腕3a、3bの他端部3dを結ぶ側の外側に配置される場合で説明したが、第4の実施形態の図18で示したように、制動ばね4a、4bを結ぶ側に配置され、結ぶ側から見て制動腕3a、3bに対して引込む方向にばね力が付加するようにしてもよい。
図27〜図30は本発明の第7の実施形態を示し、図27は本実施形態になる内周面制動式電磁ブレーキを備えたエレベーター巻上機の正面図、図28は図37のA−A視断面図、図29は図37でとくに回転体の内周面に位置する制動片を示す一部断面図、図30は図27の電磁ブレーキの平面図である。
図27〜図30において、21は開口縁部22を有する略凹状断面形状の基体で、この凹状断面の底面23の中心部から延在して中空穴24を有する電動機25の主軸26が片持ち状に設けられ、下側に形成された脚部27、この脚部27の吊設孔28を貫通して主索29が設けられている。30は開口縁部31を有する凹状断面の回転体で、この回転体30凹状断面の底面32の中心部から延在して中空穴33の回転軸34を有し、上記主軸26に軸受35を介してこの回転軸34が支持され、回転体30が回転支持される。36は上記回転体30の反開口側の外側面30aに着脱可能にボルトなどの締結部材37で取付けられる駆動綱車であり、この駆動綱車36には図示を省略するが、一方側にエレベーターの乗かご、他方側につり合おもりを懸架した上記主索29が巻き掛けられており、電動機25でこの駆動綱車36が駆動され乗かご及びつり合おもりが昇降運転される。
上記回転体30の開口縁部31の外形寸法は上記基体21の開口縁部22の内形寸法よりも小さい直径を有し、上記回転体30の開口側と上記基体21の開口側が向い合うように、上記基体21の凹状断面内に上記回転体30が配置される。41は電動機25の固定子で上記基体21の開口縁部の内周面に設けられる。42は電動機25の回転子で上記回転体30の開口縁部31の外周面に設けられ、この固定子41の内側に上記回転子42が対向して配置される。一般に、上記固定子41は巻線で構成され、上記回転子42は永久磁石あるいは巻線で構成される。電動機25は上記固定子41と回転子42とで構成され、回転トルクが発生するようになっている。 この電動機25を小型化するには電動機25の所要トルクを小さくすることであり、このために、電動機25のトルク発生部である固定子41と回転子42間の空隙部の直径寸法Dmよりも上記駆動綱車36の主索中心径Dsを小さく形成するのが良好である。すなわち、電動機25の負荷となる駆動綱車36トルクはこの駆動綱車36の主索中心径Dsが小さいほど小さくなるからである。
43は上記回転体30の回転速度を検出するエンコーダで、上記基体21の主軸26の中空部24に配置され板ばね43aで弾性支持されて、この回転体30回転軸34の反開口側端面30bに設けた回転接続部材44を介して回転接続される。45a、45bは上記基体21の凹状底面23の外側21aから前軸受33部に挿通した潤滑油注入、排出孔で、一方が潤滑油注入孔となり、他方が潤滑油排出孔となる。46はオイルシールで軸受33部を封じ、軸受33部に注入した潤滑油の漏れを防止する。47a、47b、47cはシール部材で基体21と回転体30間に設けられ、基体21の底面23と回転体30の開口側回転軸34端及び開口側縁部31端との間、基体21の開口縁部22内周と回転体30の開口縁部31外周間に設けられ、この開口縁部31の内周制動面30c及び電動機25の固定子41、回転子42部への油、塵埃などの進入を防止する。
48は軸受33部からシール部材47aを通して漏れた油を受ける油受で、シール部材47aの外周部に基体21の凹状底面23から設けられる。この油受48はシール部材47aを全周を囲むように設けてもよく、図27に示すようにシール部材47aの下部外周に部分的に設けてもよい。また、49は上記基体21の油受48部の点検窓で、油漏れを目視点検できるようになっている。
50a、50bは上記回転体30の開口縁部31の内周制動面30cを押圧するように配置された制動片、51a、51bは上記制動片50a、50bを支持する制動腕で、この制動腕51a、51bの一端部51cを上記基体21の凹状底面に設けた凸部52に回動支持し、他端部51dを上記基体21の底面部に設けた開口部53からこの基体21の外部に延在して配置されている。そして、この制動腕51a、51bの他端部51dに作用する制動付加機構としての制動ばね54a、54b及び制動解除機構としての電磁装置55が設けられている。56は制動機としての電磁ブレーキで、主軸26を中心に左右対称形態に二組配置され、互いに反対方向に動作する。57は基体21の開口部53の上部と制動腕51a、51bの隙間をカバーするゴム等の柔軟な弾性体からなるカバー部材であり、塵埃などの混入防止用である。
58は制動片50a、50b部分の点検、調整を行うために上記基体21の底面に設けた開口部で、59はこの開口部58を塞ぐカバーである。また、60は上記制動腕51a、51bが延在する開口部53を塞ぐカバーである。上記制動片50a、50bは、上記制動腕51a、51bの中間部に球面支持されるとともに、この制動片50a、50bの上下両端部あるいはいずれか一方で支持ロッド61及び支持ばね62により支持されている。上記支持ロッド61及び支持ばね62は制動片50a、50bの傾きを調整し、制動面30cとの隙間を調整するものである。
上記制動ばね54a、54bはこのばね力が制動面30cを押圧するように配置される。例えば、本発明の第1の実施形態の図5で説明したように、制動ばね54a、54bは制動腕51a、51bの他端部51dを結ぶ側の外側に配置され、結ぶ側から見て制動腕51a、51bに対して押込む方向にばね力が付加される。すなわち、制動腕51a、51bの他端部51dにばねロッド63a、63bが係合し、基体21に設けられる支持台64の穴65を貫通して中心側から外方向に配置され、この支持台64とばねロッド63a、63b間に制動ばね54a、54bを装着してナット66とばね押え67で固定する。
なお、上記制動ばね54a、54bは第1の実施形態の図1に示すように、制動腕51a、51bの他端部51dを結ぶ側に配置され、結ぶ側から見て制動腕51a、51bに対して押込む方向にばね力が付加するようにしても良い。
上記電磁装置55の構成及び制動腕51a、51bの他端部51dを駆動する方法は本発明の第1乃至3の実施形態の図1乃至図15で説明したものが用いられる。
すなわち、例えば図1で説明したように、上記電磁装置55は上記制動ばね54a、54bの押圧力を解除するように、上記制動腕51a、51bの他端部51d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石69と2個の可動鉄片70a、70bとで構成される。上記電磁石69は基体21上部に直接あるいは支持台71を介して設置される。また上記電磁石69は2個の電磁コイル72a、72bとこの電磁コイル72a、72bに対して共通的に用いられる継鉄73からなり、この継鉄73は2箇所に磁極面74a、74bを有し、各々の磁極面74a、74bに対して電磁コイル72a、72bが配置され、電磁石69としての機能は実質2個有する。この磁極面74a、74bに対向して2個の可動鉄片70a、70bが配置され、この可動鉄片70a、70bはそれぞれ個別にロッド75a、75bに螺結され止ナット76で固定される。このロッド75a、75bの一端は制動腕51a、51の他端部51dに結合し、ロッド75a、75bの他端は電磁石69中心部に設けた軸受77に摺動支持される。78は保持ばねで上記ロッド75a、75bのガタツキを防止する。上記電磁石69に通電すると磁束を発生し、上記可動鉄片70a、70bに電磁吸引力が作用し可動鉄片70a、70bが吸引される。上記可動鉄片70a、70bによって上記制動腕51a、51bの他端部51dが駆動される。すなわち、上記電磁装置55は上記制動腕51a、51bの他端部51dを結ぶ方向に対して引込む方向に上記電磁石69の電磁吸引力が出力されるようになっている。
制動ばね54a、54bのばね力の調整はナット66を回して制動ばね54a、54bのたわみを調整して行う。また、可動鉄片70a、70bを回転することにより、可動鉄片70a、70bが電磁石69方向に移動し、可動鉄片70a、70bと電磁石69間のストロークを調整できると同時に、制動片50a、50bと制動面30c間のストロークの調整ができる。
要するに、制動片50a、50b、制動腕51a、51b、制動ばね54a、54bからなる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、電磁石69、可動鉄片70a、70bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、電磁ブレーキ56として独立に機能するものが2組構成となっている。
上記のように構成されたエレベーター用巻上機において、基体21の脚部27を介してエレベーター昇降路の固定部に据付けられ、また主索29が吊設孔28に挿通されて駆動綱車36に巻掛けられて吊設される。そして、電磁石69が付勢されて制動ばね54a、54bの押圧力に抗して可動鉄片70a、70bが吸引され、制動腕51a、51bを介して制動片50a、50bが回転体30の制動面30cから離間して駆動綱車36の制動が解除され、固定子41と回転子42によって構成された電動機25が付勢されると、駆動綱車36が回転して摩擦力により主索29が駆動され、図示が省略してあるが乗かご及びつり合いおもりを互いに反対方向に昇降させる。
また、電磁石69が消勢されて制動ばね54a、54bの押圧力によって制動片50a、50bが回転体30の制動面30cに押圧されて駆動綱車36が制動され、図示が省略してあるが乗かご及びつり合いおもりが停止保持される。
また、上記のように構成されたエレベーター用巻上機は、電磁ブレーキ56が、上記回転体30の凹所内に配置され上記制動面30cを押圧する制動片50a、50bと、この制動片50a、50bを支持し一端部51cが上記基体21に枢持される制動腕51a、51bと、この制動腕51a、51bの他端部51dを押圧する制動ばね54a、54bと、この制動ばね54a、54bの力に対抗する電磁装置55とで構成され、制動腕51a、51bの他端部51d、制動ばね54a、54b及び電磁装置55が上記基体21の外部に配置される。
これにより、制動腕51a、51bの他端部51d、制動ばね54a、54b及び電磁装置55が上記基体21の外部オープンスペースに設置されるため、また、回転体30の内側には制動片50a、50b及び制動腕51a、51bの一端部51cが配置されるだけで作業スペースが広くなるため、制動機56としての部品の組立作業、制動片50a、50bのストローク調整作業、可動鉄片70a、70bと電磁石69間のストローク調整作業、ばね力の調整作業が容易になる。
図31〜図36は、本発明の第8の実施形態で、主に第3の実施形態の図13に示した電磁装置の具体的構造を説明するものである。図31は内周面制動式電磁ブレーキを備えたエレベーター巻上機の電磁装置及び制動ばね部分の正面図で図27相当図、図32は図31の平面図、図33は図31の電磁装置部分を示す正面図、図34は図33の側面図、図35は図34のC−C視図、図36は図35のD−D視図である。
図31〜図36びおいて、56は電磁ブレーキで、制動ばね54a、54b、制動腕51a、51b、制動片50a、50bによる制動力付加機構は上記第7の実施形態と同様であるので必要に応じて説明を省略する。
ばねロッド63a、63bの一端部は基体21上部に設けた支持台81に枢持ピン82で枢持されると共に、この支持台81及び制動腕51a、51bの他端部51dを貫通して外方向から中心側に配置され、上記記制動腕51a、51bとばねロッド63a、63b間に制動ばね54a、54bを装着してナット66とばね押え67で固定される。すなわち、制動ばね54a、54bは制動腕51a、51bの他端部51dを結ぶ側に配置され、この制動ばね54a、54bは制動腕51a、51bの他端部51dを結ぶ側から見て制動腕51a、51bに対して押出す方向にばね力が付加され、制動片50a、50bが制動面30cを押圧するようになっている。
電磁装置55は、基本的に第3の実施形態の図13〜図15で説明したものが設置される。すなわち、上記電磁装置55は上記制動ばね54a、54bの押圧力を解除するように、上記制動腕51a、51bの他端部51d近辺に設けられ、1個の固定された電磁石69と2個の可動鉄片70a、70bと出力ロッド84a、84bと押し板85a、85bとで構成される。上記電磁石69は基体21上部に直接あるいは支持台83を介して設置される。また上記電磁石69は2個の電磁コイル72a、72bとこの電磁コイル72a、72bに対して共通的に用いられる継鉄73からなり、この継鉄73は2箇所に磁極面74a、74bを有し、各々の磁極面74a、74bに対して電磁コイル72a、72bが配置され、電磁石69としての機能は実質2個有する。この磁極面74a、74bに対向して2個の可動鉄片70a、70bが配置され、この可動鉄片70a、70bは電磁石69の外側を迂回して設けられる出力ロッド84a、84bの一端と連結され、この出力ロッド84a、84bの他端が押し板85a、85bに結合され、可動鉄片70a、70bの動作がそれぞれ反対側の可動鉄片70b、70a側に出力される。86は支持台81に枢持ピン86aで回転支持される反転形の回転レバーで、一端部には接触ロッド87を螺結して止ナット88で固定し、接触ロッド87が上記押し板85a、85bに連接する。この回転レバー86の他端部は上記制動腕51a、51bの他端部51dに連接する。すなわち、押し板85a、85bはそれぞれ回転レバー86を介して上記制動腕51a、51bの他端部51dに連結されて駆動するようになっている。
89は保持ばねで、可動鉄片70a、70bを結合するロッド84a、84bのガタツキ防止のためのもので、支持台83との間に装着される。90は上記支持台に設けられる支持ロッドで、上記可動鉄片70a、70bはこの支持ロッド90に摺動支持される。上記電磁石69に通電すると磁束を発生し、上記可動鉄片70a、70bに電磁吸引力が作用し可動鉄片70a、70bが吸引され、出力ロッド84a、84b、押し板85a、85b、回転レバー86を介して上記制動腕51a、51bの他端部51dが駆動される。すなわち、上記電磁装置55は上記制動腕51a、51bの他端部51dを結ぶ方向に対して押出す方向に上記電磁石69の電磁吸引力が出力されるようになっている。
制動ばね54a、54bのばね力の調整はナット66を回して制動ばね54a、54bのたわみを調整して行う。また、接触ロッド87の長さを調整することにより、可動鉄片70a、70bと電磁石69間のストロークを調整できると同時に、制動片50a、50bと制動面30c間のストロークの調整ができる。
要するに、制動片50a、50b、制動腕51a、51bを介して制動ばね54a、54bによる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、電磁石69、可動鉄片70a、70bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、電磁ブレーキ56として独立に機能するものが2組構成となっている。
上記のように構成された電磁装置を用いたエレベーター用巻上機は、上記第7の実施形態と同じ効果が得られる。
なお、上記説明では電磁装置55で電磁コイル72a、72bを2個有する電磁石69を固定し、鉄片70a、70bを可動に配置したが、上記第3の実施形態の図19で説明したように2個の電磁コイル72a、72bを まとめて1個の電磁コイルとしても良い。
また、上記第3の実施形態の図15に示すように、この第8の実施形態の図31乃至36において、可動鉄片70a、70bと電磁石69とを逆配置して、2個の可動鉄片70a、70bを1個の鉄片として固定し、1個の電磁石69を2個にして可動に配置しそれぞれに電磁コイルを備えるようにしても良い。
図37〜図38は本発明の第9の実施形態で、図37は本実施形態になる外周面制動式電磁ブレーキを備えたエレベーター巻上機の正面図で上記第7の実施形態の図27相当図、図38は図37のB−B視断面図で上記第7の実施形態の図48相当図ある。なお、図37、38と同一部分については同一符号を付して必要に応じて説明を省略する。
図37〜図38において、21は開口縁部22を有する略凹状断面形状の基体で、この凹状断面の底面23の中心部から延在して中空穴24を有する電動機25の主軸26が片持ち状に設けられ、また、凹状断面の底面部材が延在し、一方部に形成された脚部27、この脚部27の吊設孔28を貫通して主索29が設けられている。30は開口縁部31を有する凹状断面の回転体で、この回転体30凹状断面の底面32の中心部から延在して中空穴33の回転軸34を有し、上記主軸26に軸受35を介してこの回転軸34が支持され、回転体30が回転支持される。36は上記回転体30の反開口側の外側面30aに着脱可能にボルトなどの締結部材37で取付けられる駆動綱車であり、この駆動綱車36には図示を省略するが、一方側にエレベーターの乗かご、他方側につり合おもりを懸架した上記主索29が巻き掛けられており、電動機25でこの駆動綱車36が駆動され乗かご及びつり合おもりが昇降運転される。
上記基体21の開口縁部22の外形寸法は上記回転体30の開口縁部31の内形寸法よりも小さい直径を有し、上記基体21の開口側と上記回転体30の開口側が向い合うように、上記回転体30の凹状断面内に上記基体21の開口縁部22が配置される。41は電動機25の固定子で上記基体21の開口縁部22の外周面に設けられる。42は電動機25の回転子で上記回転体30の開口縁部31の内周面に設けられ、この固定子41の内側に上記回転子42が対向して配置される。一般に、上記固定子41は巻線で構成され、上記回転子42は永久磁石あるいは巻線で構成される。電動機25は上記固定子41と回転子42とで構成され、回転トルクが発生するようになっている。 この電動機25を小型化するには電動機25の所要トルクを小さくすることであり、このために、電動機25のトルク発生部である固定子41と回転子42間の空隙部の直径寸法Dmよりも上記駆動綱車36の主索中心径Dsを小さく形成するのが良好である。すなわち、電動機25の負荷となる駆動綱車36トルクはこの駆動綱車36の主索中心径Dsが小さいほど小さくなるからである。
43は上記回転体30の回転速度を検出するエンコーダで、上記基体21の主軸26の中空部24に配置され板ばね43aで弾性支持されて、回転体30回転軸34の反開口側端面30bに設けた回転接続部材44を介して回転接続される。
45a、45bは上記基体21の凹状底面23の外側21aから前軸受33部に挿通した潤滑油注入、排出孔で、一方が潤滑油注入孔となり、他方が潤滑油排出孔となる。46はオイルシールで軸受33部を封じ、軸受33部に注入した潤滑油の漏れを防止する。47a、47b、47cはシール部材で基体21と回転体30間に設けられ、基体21の底面23と回転体30の開口側回転軸34端及び開口側縁部31端との間、基体21の開口縁部22端と回転体30の底面32間に設けられ、電動機25の固定子41、回転子42部への油、塵埃などの進入を防止する。
48は軸受33部からシール部材47aを通して漏れた油を受ける油受で、シール部材47aの外周部に基体21の凹状底面23から設けられる。この油受48はシール部材47aを全周を囲むように設けてもよく、上記第7の実施形態の図27に示したように、シール部材47aの下部外周に部分的に設けてもよい。また、49は上記基体21の油受48部の点検窓で、油漏れを目視点検できるようになっている。50a、50bは上記回転体30の開口縁部31の外周制動面30dを押圧するように配置された制動片、51a、51bは上記制動片50a、50bを支持する制動腕で、この制動腕51a、51bの一端部51cを上記基体21の一方部である脚部27に回動支持し、他端部51dを上記基体の他方部に延在して配置されている。そして、この制動腕51a、51bの他端部51dに作用する制動付加機構としての制動ばね54a、54b及び制動解除機構としての電磁装置55a、55bが設けられている。
56は制動機としての電磁ブレーキで、主軸26を中心に左右対称形態に二組配置され、互いに反対方向に動作する。上記制動片50a、50bは上記制動腕51a、51bの中間部に球面支持されるとともに、この制動片50a、50bの上下両端部あるいはいずれか一方で支持ロッド61及び支持ばね62により支持されている。上記支持ロッド61及び支持ばね62は制動片50a、50bの傾きを調整し、制動面30cとの隙間を調整するものである。
上記制動ばね54a、54bはこのばね力が制動面30dを押圧するように配置される。例えば、制動ばね54a、54bは制動腕51a、51bの他端部51dを結ぶ側の内側に配置され、結ぶ側から見て制動腕51a、51bに対して引込む方向にばね力が付加される。すなわち、制動腕51a、51bの他端部51dにばねロッド63a、63bが係合し、基体21に設けられる支持台64の穴65を貫通して外側から中心方向に配置され、この支持台64とばねロッド63a、63b間に制動ばね54a、54bを装着してナット66とばね押え67で固定する。
なお、上記制動ばね54a、54bは第4の実施形態の図19に示すように、制動腕51a、51bの他端部51dを結ぶ側の外側に配置され、結ぶ側から見て制動腕51a、51bに対して引込む方向にばね力を付加するようにしても良い。
上記電磁装置55a、55bの構成及び制動腕51a、51bの他端部51dを駆動する方法は本発明の第4〜6の実施形態の図16乃至図26で説明したものが用いられる。
すなわち、例えば図20で説明したように、上記電磁装置55a、55bはそれぞれ上記制動ばね54a、54bの押圧力を解除するように、上記制動腕51a、51bの他端部51d近辺に設けられ、2個の固定された電磁石69a、69bと2個の可動鉄片70a、70bとで2組構成される。上記電磁石69a、69bは基体21上部に直接あるいは支持台71を介して設置される。また上記電磁石69a、69bはそれぞれ電磁コイル72a、72bと継鉄73a、73bからなり、この継鉄73a、73bは磁極面74a、74bを有し、各々の磁極面74a、74bに対して電磁コイル72a、72bが配置される。この磁極面74a、74bに対向して2個の可動鉄片70a、70bが配置され、この可動鉄片70a、70bはそれぞれ個別にロッド75a、75bの一端に結合され、このロッド75a、75bは電磁石69a、69bの軸受77で摺動支持される。このロッド75a、75bの他端は制動腕51a、51の他端部51dに接触ロッド91を螺結して止ナット92で固定される。78は保持ばねで上記ロッド75a、75bのガタツキを防止する。
上記電磁石69a、69bに通電すると磁束を発生し、上記可動鉄片70a、70bに電磁吸引力が作用し可動鉄片70a、70bが吸引される。上記可動鉄片70a、70bによって上記制動腕51a、51bの他端部51dが駆動される。すなわち、上記電磁装置55は上記制動腕51a、51bの他端部51dを結ぶ方向に対して押込む方向に上記電磁石69a、69bの電磁吸引力が出力されるようになっている。
制動ばね54a、54bのばね力の調整はナット66を回して制動ばね54a、54bのたわみを調整して行う。また、調整ロッド91を回転することにより、可動鉄片70a、70bが移動し、可動鉄片70a、70bと電磁石69間のストロークを調整できると同時に、制動片50a、50bと制動面30d間のストロークの調整ができる。
要するに、制動片50a、50b、制動腕51a、51b、制動ばね54a、54bからなる制動付加機構が2組あって、この2組の制動付加機構に対して、電磁石69a、69b、可動鉄片70a、70bからなる制動解除機構がそれぞれに対応し、電磁ブレーキ56として独立に機能するものが2組構成となっている。
上記のように構成されたエレベーター用巻上機において、基体21の脚部27を介してエレベーター昇降路の固定部に据付けられ、また主索29が吊設孔28に挿通されて駆動綱車36に巻掛けられて吊設される。そして、電磁石69a、69bが付勢されて制動ばね54a、54bの押圧力に抗して可動鉄片70a、70bが吸引され、制動腕51a、51bを介して制動片50a、50bが回転体30の制動面30dから離間して駆動綱車36の制動が解除され、固定子41と回転子42によって構成された電動機25が付勢されると、駆動綱車36が回転して摩擦力により主索29が駆動され、図示が省略してあるが乗かご及びつり合いおもりを互いに反対方向に昇降させる。
また、電磁石69a、69bが消勢されて制動ばね54a、54bの押圧力によって制動片50a、50bが回転体30の制動面30dに押圧されて駆動綱車36が制動され、図示が省略してあるが乗かご及びつり合いおもりが停止保持される。
このように構成されたエレベーター用巻上機は、電磁ブレーキ56が、上記回転体30の外部に配置され上記制動面30dを押圧する制動片50a、50bと、この制動片50a、50bを支持し一端部51cが上記基体21に枢持される制動腕51a、51bと、この制動腕51a、51bの他端部51dを押圧する制動ばね54a、54bと、この制動ばね54a、54bの力に対抗する電磁装置55a、55bとで構成され、制動腕51a、51bの他端部51d、制動ばね54a、54b及び電磁装置55a、55bが上記基体21の外部に配置される。
これにより、制動腕51a、51bの他端部51d、制動ばね54a、54b及び電磁装置55a、55bが上記基体21の外部オープンスペースに設置されるため、電磁ブレーキ56としての部品の組立作業、制動片50a、50bのストローク調整作業、可動鉄片70a、70bと電磁石69a、69b間のストローク調整作業、ばね力の調整作業が容易になる。