JP2006265026A - 透光性セラミック構造体およびその製造方法ならびにマイクロレンズアレイの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型化が可能で、均質で寸法精度が高く、光学部品への適用が最適な透光性セラミック構造体およびその製造方法ならびにこのような透光性セラミック構造体からなるマイクロレンズアレイの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の透光性セラミック構造体は、透光性セラミック粉末と有機バインダーからなる混練物を粉末射出成形により成形した後、焼結することにより得られるものである。この場合、透光性セラミック粉末は平均粒径(X)が0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)の範囲内の粉末を用いて、最小粒径が0.2Xで、最大粒径が5Xの範囲内になるように分級された粉末により構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の透光性セラミック構造体は、透光性セラミック粉末と有機バインダーからなる混練物を粉末射出成形により成形した後、焼結することにより得られるものである。この場合、透光性セラミック粉末は平均粒径(X)が0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)の範囲内の粉末を用いて、最小粒径が0.2Xで、最大粒径が5Xの範囲内になるように分級された粉末により構成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、透光性セラミック粉末と有機バインダーからなる混練物を粉末射出成形により成形した後、焼結することにより得られた透光性セラミック構造体およびその製造方法、ならびに透光性セラミック構造体からなるマイクロレンズアレイの製造方法に関する。
従来より、高屈折率で、高透過率を有する透光性セラミック構造体を製造するための種々の製造方法が提案されている。例えば、溶融石英法においては、石英をカーボン製の治具内で溶融させて成形するものである。これによれば、石英を溶融させて成形する必要があるため、成形型での成形が困難で、複雑な形状に成形できないという欠点があった。また、ガラス転移点の低いガラスを金型成形にて製造するモールド成型法も提案されている。このモールド成型法においては、精密に加工された金型に一次プリフォーム(鏡面状態を有する光学ガラス素材)を供給し、この一次プリフォームと金型をガラスが変形する温度に加熱した後、適度の圧力でプレス成形することで金型の面形状をガラス素材に転写して、精密光学ガラスを製造するものである。
ところで、上述したモールド成型法においては、金属型で成形が可能となるが、ガラスの溶融粘度が高いため、溶融したガラスの急激な変化を伴う形状に成形ができなく、金型への転写性が悪いという問題を生じた。また、光学ガラスのモールドレンズの成形は通常高い温度で行われるため、超硬合金やセラミックスなどの高価な耐熱用の金型材料を使用する必要があるので、金型が高価になるという問題を生じた。また、耐熱用の金型は加工が困難で形状も制約されるという問題も生じた。さらに、プレス成形作業中の加熱と冷却の繰り返しによる金型の劣化が速いために、金型の寿命も短いという問題も生じた。さらにまた、通常の光学ガラスよりも低温度でプレスできるモールドレンズ用光学ガラスも市販されているが、成形温度が370〜400℃程度と高温にする必要があるため、製造設備も高価になるという問題も生じた。
そこで、セラミック粉末(例えば、石英やガラスなど)と水とバインダーからなるスラリーを型に流し込み、乾燥させた後、焼結して成型物を得るという泥奬鋳込み法が、特許文献1(特開平12−103630号公報)や特許文献2(特開平15−270486号公報)で提案されるようになった。この場合、この泥奬鋳込み法を用いれば、上述したモールド成型法の問題点を解消できるようになる。
特開平12−103630号公報
特開平15−270486号公報
しかしながら、上述した泥奬鋳込み法においては、比較的大きなもの(例えば、直径が10mm以上のもの)の成形には適しているが、10mm未満の小型の部品には適さないとともに、寸法精度も50μm程度であって、光学レンズなどの寸法精度が要求される光学部品には適用できないという問題があった。
そこで、本発明は上記の如き問題点を解消するためになされたものであり、小型化が可能で、均質で寸法精度が高く、かつ光学部品への適用が最適な透光性セラミック構造体およびその製造方法ならびにこのような透光性セラミック構造体からなるマイクロレンズアレイの製造方法を提供することを目的とするものである。
そこで、本発明は上記の如き問題点を解消するためになされたものであり、小型化が可能で、均質で寸法精度が高く、かつ光学部品への適用が最適な透光性セラミック構造体およびその製造方法ならびにこのような透光性セラミック構造体からなるマイクロレンズアレイの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、透光性セラミック粉末と有機バインダーからなる混練物を粉末射出成形により成形した後、焼結することにより得られた透光性セラミック構造体であって、上記目的を達成するため、透光性セラミック粉末は平均粒径(X)が0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)の範囲内の平均粒径を有する粉末を用いて、最小粒径が0.2Xで、最大粒径が5Xの範囲内になるように分級された粉末により構成されていることを特徴とする。
このように平均粒径(X)が0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)の範囲内の粒径のものが、分級により、最小粒径が0.2Xで最大粒径が5Xの範囲内になるように選別されたものを透光性セラミック粉末として用いると、粒径の不均一性が解消されることにより、内部欠陥が減少した透光性セラミック構造体が得られることとなる。これにより、屈折率が均一で透過性に優れるとともに、小形で寸法精度にも優れた透光性セラミック構造体を得ることが可能となる。
この場合、透光性セラミック粉末は、硼珪酸ガラス、シリカ(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、カルシア(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、硼酸(B2O3)、酸化カリウム(K2O)、アルミナ(Al2O3)、酸化鉛(PbO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化バリウム(BaO)、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、フッ化カルシウム(CaF2)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)から選択される少なくとも1種からなるのが望ましい。また、透光性セラミック粉末は合成石英ガラスからなり、光の透過率が紫外から赤外の波長領域で80%以上であるのが望ましい。
ここで、上述した透光性セラミック構造体を製造するには、平均粒径(X)が0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)の範囲内の粉末を用いて、最小粒径が0.2Xで、最大粒径が5Xの範囲内になるように分級する分級工程と、分級された透光性セラミック粉末に有機バインダーが添加された混練物を粉末射出成形により所定の形状の成形物に成形する射出成形工程と、射出成形物を焼結する焼結工程とを備えるようにすればよい。
このような分級工程を備えることにより、内部欠陥が減少した透光性セラミック構造体を得ることが可能となる。そして、射出成形によるため、生産性が高いとともに、成形型に用いる成形体を薄膜法により成形することが可能であるため、低コストで成形型を得ることができる。また、射出成形の温度も低温度(例えば、150〜180℃)で行えることから、高価な耐熱用成形型材料を用いる必要もなくなるとともに、成形型の寿命も長くなる。
ついで、本発明の透光性セラミック構造体の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。なお、図1は、本発明の透光性セラミック構造体に用いられる原料粉末の分布を示す図であり、図1(a)は原料粉末の粒径分布の一例を示す図であり、図1(b)は分級後の原料粉末の粒径分布の一例を示す図である。図2は合成石英からなる透光性セラミック構造体を製造する際の脱バインダ処理および焼結処理の昇温パターン、降温パターンを示す図である。図3は300〜1700nmの波長領域での透過率を示す図である。図4は合成石英からなる透光性セラミック構造体の300〜1700nmの波長領域での透過率を示す図である。
図5は光学ガラスからなる透光性セラミック構造体を製造する際の脱バインダ処理および焼結処理の昇温パターン、降温パターンを示す図である。図6は実施例1のマイクロレンズアレイを模式的に示す図であり、図6(a)は平面図であり、図6(b)は側面図である。図7は実施例2のマイクロレンズアレイを模式的に示す図であり、図7(a)は平面図であり、図7(b)は側面図である。図8は実施例3のマイクロレンズアレイを模式的に示す図であり、図8(a)は平面図であり、図8(b)は側面図である。図9はマイクロレンズアレイを成形するための成形板の作製工程例を模式的に示す断面図である。図10は、図9の成形板を用いた成形型の一例を模式的に示す断面図である。
1.合成石英からなる透光性セラミック構造体の作製
まず、シリコン(Si)粉末を2000℃以上に加熱してSiをガス化状態にし、このガス化状態のSiを酸化させてSiO2とした後、このSiO2を冷却させた。ここで、SiO2を冷却すると、表面張力により球状化して所定の平均粒径(X)を有する球状のSiO2粉末が得られる。そして、球状のSiO2粉末の平均粒径(X)が0.1μmのものを採取して原料粉末α1とした。また、平均粒径(X)が0.5μmのものを採取して原料粉末α2とし、平均粒径(X)が1.0μmのものを採取して原料粉末α3とし、平均粒径(X)が3.0μmのものを採取して原料粉末α4とし、平均粒径(X)が5.0μmのものを採取して原料粉末α5とし、平均粒径(X)が7.0μmのものを採取して原料粉末α6とし、平均粒径(X)が10.0μmのものを採取して原料粉末α7とした。
まず、シリコン(Si)粉末を2000℃以上に加熱してSiをガス化状態にし、このガス化状態のSiを酸化させてSiO2とした後、このSiO2を冷却させた。ここで、SiO2を冷却すると、表面張力により球状化して所定の平均粒径(X)を有する球状のSiO2粉末が得られる。そして、球状のSiO2粉末の平均粒径(X)が0.1μmのものを採取して原料粉末α1とした。また、平均粒径(X)が0.5μmのものを採取して原料粉末α2とし、平均粒径(X)が1.0μmのものを採取して原料粉末α3とし、平均粒径(X)が3.0μmのものを採取して原料粉末α4とし、平均粒径(X)が5.0μmのものを採取して原料粉末α5とし、平均粒径(X)が7.0μmのものを採取して原料粉末α6とし、平均粒径(X)が10.0μmのものを採取して原料粉末α7とした。
ついで、得られた原料粉末α3(平均粒径(X)が1.0μmのもの)を用いて、これを高性能超微粉分級機(この場合は、日本ニューマチック工業(株)製 マイクロスピンとした)に投入し、分級風量が15m3/minで、圧縮空気消費量が1.0Nm3/minとなるようにして分級して、分級粉末a3を得た。なお、原料粉末α3(平均粒径(X)が1.0μmのもの)の粒度分布を測定すると、図1(a)に示すような粒径(粒度)分布が得られた。また、得られた分級粉末a3の粒径分布を測定すると図1(b)に示すような粒径(粒度)分布が得られた。
ここで、図1(a)においては、平均粒径(X=1.0μm)のところに度数の最大値が現れ、これよりも粒径が大きく(あるいは小さく)なると急激に度数が低下する正規分布であることが分かる。また、図1(b)においては、分級により粒径の最小値は0.2μm(0.2X)となり、粒径の最大値は5.0μm(5.0X)となることが分かる。即ち、平均粒径(X)が1.0μmの原料粉末α3を分級することにより、その平均粒径の分布の範囲は0.2X(最小粒径)以上で、5.0X(最大粒径)以下になることが分かる。
ついで、得られた分級粉末a3および原料粉末α3をそれぞれ用いて、これらに熱可塑性樹脂とワックス等の数種類の有機バインダーを加えてフィードストック(懸濁液)とし、その後、ペレタイザーによりペレット化した。この場合、熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリル、POM系樹脂などを用いるのが望ましい。また、ワックスとしては、パラフィンワックス、密蝋などを用いるのが望ましい。そして、これらの有機バインダーの添加割合は全粉末の容積に対して35〜50体積%となるように添加した。
ついで、得られたペレットを射出成形機のホッパ内に投入した後、所定の形状に形成された成形型(なお、成形型については後述するが、その温度が150〜160℃になるように加熱されている)を用いて射出成形した。この後、成形型を冷却して射出物を固化させて、外形寸法が15mm(幅)×35mm(長さ)×2.5mm(厚み)となる平板形状の射出成形体をそれぞれ得た。この後、得られた射出成形体をそれぞれ非酸化性雰囲気(真空またはN2ガスあるいはArガスの雰囲気)中で、図2に示すような脱バインダー処理の昇温パターン(この場合は、1℃/分の昇温速度とし、最高温度500℃を2時間保持するようにした)で脱バインダー処理を行った。
また、図2に示すような焼結処理の昇温パターンで、即ち、還元ガス雰囲気で、5℃/分の昇温速度とし、最高温度が1400℃になるまで昇温し、この最高温度を2時間保持して焼結した。この後、10℃/分の降温速度で室温まで冷却して焼結体をそれぞれ作製し、これを合成石英構造体A3(分級粉末a3を用いたもの)および合成石英構造体Ax(原料粉末α3を用いたもの)とした。なお、この場合は、平均粒径(X)が1.0μmの原料粉末α3を用いているので、焼結最高温度を1400℃としているが、焼結最高温度は原料粉末の平均粒径により最適化する必要があり、例えば、下記の表1に示すような焼結最高温度に設定するのが望ましい。なお、原料粉末の平均粒径がいずれであっても、焼結最高温度が1500℃以上になるとクリストバライト結晶が析出して失透するので、焼結最高温度の上限値は1500℃未満にする必要がある。
ついで、得られた焼結体(合成石英構造体)A3,Axを稀沸酸等のエッチング液に30分間浸漬してエッチングしたり、あるいは反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング装置を用いたドライエッチングをすることにより、表面に存在する微少な凹凸を除去して表面を平滑化した。
2.光学特性の測定
ついで、表面が平滑化された得られた焼結体(合成石英構造体)A3,Axを12mm(幅)×30mm(長さ)×2.0mm(厚み)になるように加工して試料用の合成石英構造体A3,Axとした。この後、分光光度計を用いて、これらの試料用の合成石英構造体A3,Axの透過率を求めると、図3に示すような結果が得られた。この場合、比較のために、市販の溶融石英ガラス基板(飯山ガラス製)を用いて作製した合成石英構造体Zの透過率も同様に求めた。
ついで、表面が平滑化された得られた焼結体(合成石英構造体)A3,Axを12mm(幅)×30mm(長さ)×2.0mm(厚み)になるように加工して試料用の合成石英構造体A3,Axとした。この後、分光光度計を用いて、これらの試料用の合成石英構造体A3,Axの透過率を求めると、図3に示すような結果が得られた。この場合、比較のために、市販の溶融石英ガラス基板(飯山ガラス製)を用いて作製した合成石英構造体Zの透過率も同様に求めた。
図3の結果から明らかなように、平均粒径(X)が1.0μmの原料粉末α3を分級して得られた分級粉末a3を用いた合成石英構造体A3の300〜1700nmの波長領域での透過率は、市販の溶融石英ガラス基板を用いて作製した合成石英構造体Zと比較してほぼ同等な値が得られていることが分かる。一方、平均粒径(X)が1.0μmの原料粉末α3を分級することなくそのまま用いた合成石英構造体Axにおいては、合成石英構造体A3と比較して各波長領域で透過率が低いことが分かる。特に、700nm以下の短波長領域において、透過率の低下が顕著である。これは、平均粒径(X)が1.0μmの原料粉末α3を分級することなくそのまま用いた合成石英構造体Axに無数の気孔が存在することによる、光の散乱が原因であると考えられる。
以上のことから、平均粒径がXμmの原料粉末を分級することにより、その粒度(粒径)が0.2X(最小粒径)以上で、5.0X(最大粒径)以下の範囲に分布した分級粉末を用いることにより、各波長領域で透過率が優れた合成石英構造体が得られることが分かる。したがって、各波長領域で透過率が優れた合成石英構造体が得るためには、平均粒径がXμmの原料粉末を分級して、その粒径(粒度)が0.2X(最小粒径)以上で、5.0X(最大粒径)以下の範囲に分布した分級粉末を用いる必要があるということができる。
3.原料粉末の平均粒径(X)の検討
ついで、上述のような分級粉末に適した原料粉末の平均粒径(X)について検討した。そこで、上述のようにして得られた球状のSiO2粉末からなる原料粉末α1(平均粒径(X)が0.1μmのもの)、原料粉末α2(平均粒径(X)が0.5μmのもの)、原料粉末α4(平均粒径(X)が3.0μmのもの)、原料粉末α5(平均粒径(X)が5.0μmのもの)、原料粉末α6(平均粒径(X)が7.0μmのもの)、原料粉末α7(平均粒径(X)が10.0μmのもの)をそれぞれ用意した。
ついで、上述のような分級粉末に適した原料粉末の平均粒径(X)について検討した。そこで、上述のようにして得られた球状のSiO2粉末からなる原料粉末α1(平均粒径(X)が0.1μmのもの)、原料粉末α2(平均粒径(X)が0.5μmのもの)、原料粉末α4(平均粒径(X)が3.0μmのもの)、原料粉末α5(平均粒径(X)が5.0μmのもの)、原料粉末α6(平均粒径(X)が7.0μmのもの)、原料粉末α7(平均粒径(X)が10.0μmのもの)をそれぞれ用意した。
そして、これらの原料粉末α1,α2,α4,α5,α6,α7をそれぞれ用いて、上述同様に0.2X(最小粒径)以上で、5.0X(最大粒径)以下の範囲になるように分級して、分級粉末a1,a2,a4,a5,a6,a7を得た。ここで、原料粉末α1を用いたものを分級粉末a1とした。同様に、原料粉末α2を用いたものを分級粉末a2とし、原料粉末α4を用いたものを分級粉末a4とし、原料粉末α5を用いたものを分級粉末a5とし、原料粉末α6を用いたものを分級粉末a6とし、原料粉末α7を用いたものを分級粉末a7とした。
ついで、これらの分級粉末a1,a2,a4,a5,a6,a7を用いて上述同様に焼結して、得られた焼結体をそれぞれ合成石英構造体A1(分級粉末a1を用いたもの)、合成石英構造体A2(分級粉末a2を用いたもの)、合成石英構造体A4(分級粉末a4を用いたもの)、合成石英構造体A5(分級粉末a5を用いたもの)、合成石英構造体A6(分級粉末a6を用いたもの)、合成石英構造体A7(分級粉末a7を用いたもの)とした。ついで、これらの合成石英構造体A1,A2,A4,A5,A6,A7を用いて、試料用の合成石英構造体A1,A2,A4,A5,A6,A7とした後、分光光度計を用いて、これらの試料用の合成石英構造体A1,A2,A4,A5,A6,A7の透過率を求めると、図4に示すような結果が得られた。なお、図4においては、上述した合成石英構造体A3,Zの結果も併せて示している。
図4の結果から明らかなように、合成石英構造体A1〜A5の300〜1700nmの波長領域での透過率は、市販の溶融石英ガラス基板を用いて作製した合成石英構造体Zと比較してほぼ同等な値が得られていることが分かる。これに対して、合成石英構造体A6,A7においては、合成石英構造体A1〜A5と比較して各波長領域で透過率が低いことが分かる。特に、700nm以下の短波長領域において、透過率の低下が顕著であることが分かる。これは、原料粉末の平均粒径が5μmより大きくなると焼結密度が低下して、焼結処理をした後も未焼結の微小粒子が存在するようになる。このため、Mie散乱の影響が大きくなって、透過率が低下したと考えられる。ここで、Mie散乱とは、ある波長の光が粒子に当たることによって粒子内部で反射・屈折・干渉が生じて、これに起因して生じる散乱現象を意味する。この場合、光の波長が粒子のサイズよりも小さいと、Mie散乱が起こるようになる。一方、原料粉末の平均粒径が0.1μmより小さいと原料粉末の凝集が起こり、2次粒子になりやすい。また、原料粉末の平均粒径が小さくなると粉末の流動性が悪くなるため、射出成形するためには流動性を確保するためのバインダー量を多くする必要がある。ところが、バインダー量を多くすると、脱バインダー時に欠陥が生じやすくなる。これらのことから、原料粉末の平均粒径(X)は0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)であることが望ましいということができる。
4.光学ガラスからなる透光性セラミック構造体の作製
ついで、光学ガラスからなる透光性セラミック構造体について検討した。そこで、市販の光学ガラス(この場合は一般的な硼珪酸ガラスとした)のインゴットを粉砕した。この後、粉砕した光学ガラスをボールミルに投入し、これにアルコールを加えて、10rpmの回転数で48時間撹拌した。このような湿式粉砕法により、粉砕した光学ガラスを平均粒径が1μmになるまで微粉化して、原料粉末β1を得た。ついで、得られた原料粉末β1(平均粒径(X)が1.0μmのもの)を用いて、上述と同様な高性能超微粉分級機を用いて分級して、分級粉末b1を得た。なお、原料粉末β1(平均粒径(X)が1.0μmのもの)の粒度分布を測定すると、図1(a)と同様な粒度(粒径)分布が得られた。また、得られた分級粉末b1の粒度分布を測定すると図1(b)と同様な粒度(粒径)分布が得られた。
ついで、光学ガラスからなる透光性セラミック構造体について検討した。そこで、市販の光学ガラス(この場合は一般的な硼珪酸ガラスとした)のインゴットを粉砕した。この後、粉砕した光学ガラスをボールミルに投入し、これにアルコールを加えて、10rpmの回転数で48時間撹拌した。このような湿式粉砕法により、粉砕した光学ガラスを平均粒径が1μmになるまで微粉化して、原料粉末β1を得た。ついで、得られた原料粉末β1(平均粒径(X)が1.0μmのもの)を用いて、上述と同様な高性能超微粉分級機を用いて分級して、分級粉末b1を得た。なお、原料粉末β1(平均粒径(X)が1.0μmのもの)の粒度分布を測定すると、図1(a)と同様な粒度(粒径)分布が得られた。また、得られた分級粉末b1の粒度分布を測定すると図1(b)と同様な粒度(粒径)分布が得られた。
ついで、得られた分級粉末b1を用いて、これらに熱可塑性樹脂とワックス等の数種類の有機バインダーを加えてフィードストック(懸濁液)とし、その後、ペレタイザーによりペレット化した。この場合、熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリル、POM系樹脂などを用いるのが望ましい。また、ワックスとしては、パラフィンワックス、密蝋などを用いるのが望ましい。そして、これらの有機バインダーの添加割合は全粉末の容積に対して35〜50体積%となるように添加した。
ついで、得られたペレットを射出成形機のホッパ内に投入した後、所定の形状に形成された成形型(なお、成形型については後述するが、その温度が150〜160℃になるように加熱されている)を用いて射出成形した。この後、成形型を冷却して射出物を固化させて、外形寸法が15mm(幅)×35mm(長さ)×2.5mm(厚み)となる平板形状の成形体をそれぞれ得た。この後、得られた成形体をそれぞれ非酸化性雰囲気(真空またはN2ガスあるいはArガスの雰囲気)中で、図5に示すような脱バインダー処理の昇温パターン(この場合は、1℃/分の昇温速度とし、最高温度500℃を2時間保持するようにした)で脱バインダー処理を行った。
また、図5に示すような焼結処理の昇温パターンで、即ち、還元ガス雰囲気で、5℃/分の昇温速度とし、最高温度が1100℃になるまで昇温し、この最高温度を2時間保持して焼結した。この後、10℃/分の降温速度で室温まで冷却して焼結体をそれぞれ作製し、これを合成石英構造体B1(分級粉末b1を用いたもの)とした。なお、この場合は、平均粒径(X)が1.0μmの原料粉末β1を用いているので、焼結最高温度を1100℃としているが、焼結最高温度は原料粉末の平均粒径により最適化する必要があり、例えば、下記の表2に示すような焼結最高温度に設定するのが望ましい。
ついで、得られた焼結体(光学ガラス構造体)B1を稀沸酸等のエッチング液に30分間浸漬してエッチングしたり、あるいは反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング装置を用いたドライエッチングをすることにより、表面に存在する微少な凹凸を除去して表面を平滑化した。
そして、上述と同様に、得られた焼結体(光学ガラス構造体)B1の光学特性(透過率)を測定すると、300〜1700nmの波長領域での透過率は上述した合成石英構造体A3とほぼ同等な結果が得られた。このことから、平均粒径がXμmの原料粉末を分級することにより、その粒度(粒径)が0.2X以上で、5.0X以下の範囲に分布した分級粉末を用いることにより、各波長領域で透過率が優れた合成石英構造体が得られることが分かる。したがって、各波長領域で透過率が優れた光学ガラス構造体を得るためには、平均粒径がXμmの原料粉末を分級して、その粒度(粒径)が0.2X以上で、5.0X以下の範囲に分布した分級粉末を用いる必要があるということができる。
なお、光学ガラスとしては、上述した硼珪酸ガラス以外に、シリカ(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、カルシア(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、硼酸(B2O3)、酸化カリウム(K2O)、アルミナ(Al2O3)、酸化鉛(PbO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化バリウム(BaO)、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、フッ化カルシウム(CaF2)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)から選択される1種あるいはこれらの複数種を混合して用いるようにしてもよい。この場合も、これらの原料粉末の平均粒径(Xμm)は0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)であるのが望ましい。
5.応用例(マイクロレンズアレイ)
ついで、上述のように作製される合成石英からなる透光性セラミック構造体あるいは光学ガラスからなる透光性セラミック構造体の応用例としてのマイクロレンズアレイを図6〜図9に基づいて説明する。なお、図6は実施例1のマイクロレンズアレイを模式的に示す図であり、図6(a)は平面図であり、図6(b)は側面図である。図7は実施例2のマイクロレンズアレイを模式的に示す図であり、図7(a)は平面図であり、図7(b)は側面図である。図8は実施例3のマイクロレンズアレイを模式的に示す図であり、図8(a)は平面図であり、図8(b)は側面図である。さらに、図9は、図6〜8のマイクロレンズアレイを製造するためのマイクロレンズアレイ用成形型の作製工程を模式的に示す断面図である。
ついで、上述のように作製される合成石英からなる透光性セラミック構造体あるいは光学ガラスからなる透光性セラミック構造体の応用例としてのマイクロレンズアレイを図6〜図9に基づいて説明する。なお、図6は実施例1のマイクロレンズアレイを模式的に示す図であり、図6(a)は平面図であり、図6(b)は側面図である。図7は実施例2のマイクロレンズアレイを模式的に示す図であり、図7(a)は平面図であり、図7(b)は側面図である。図8は実施例3のマイクロレンズアレイを模式的に示す図であり、図8(a)は平面図であり、図8(b)は側面図である。さらに、図9は、図6〜8のマイクロレンズアレイを製造するためのマイクロレンズアレイ用成形型の作製工程を模式的に示す断面図である。
(1)実施例1
図6に示すように、実施例1のマイクロレンズアレイ10は、例えば、上述のように作製された合成石英構造体A2〜A5のいずれかからなる。そして、1500μm(幅)×6000μm(長さ)×500μm(厚み)の大きさの基底部11を備え、直径が240μmで基底部11から最大で60μmだけ半球状に突出する凸状レンズ12の6個が1列に配列された片凸レンズ形状のマイクロレンズアレイである。この場合、このマイクロレンズアレイ10には、2個の取り付け用の貫通孔(図示せず)が設けられている。このように構成される実施例1のマイクロレンズアレイ10は、電子ボードに実装される光回路や光コネクタ等の用途に用いられるのが最適である。
図6に示すように、実施例1のマイクロレンズアレイ10は、例えば、上述のように作製された合成石英構造体A2〜A5のいずれかからなる。そして、1500μm(幅)×6000μm(長さ)×500μm(厚み)の大きさの基底部11を備え、直径が240μmで基底部11から最大で60μmだけ半球状に突出する凸状レンズ12の6個が1列に配列された片凸レンズ形状のマイクロレンズアレイである。この場合、このマイクロレンズアレイ10には、2個の取り付け用の貫通孔(図示せず)が設けられている。このように構成される実施例1のマイクロレンズアレイ10は、電子ボードに実装される光回路や光コネクタ等の用途に用いられるのが最適である。
(2)実施例2
図7に示すように、実施例2のマイクロレンズアレイ20は、例えば、上述のように作製された合成石英構造体A2〜A5のいずれかからなる。そして、3000μm(幅)×6000μm(長さ)×3000μm(厚み)の大きさの基底部21を備え、幅が400μmで基底部21から最大で80μmだけ半棒状(蒲鉾状)に突出する27個の凸状レンズ22,22が両面に配列された両凸レンズ形状のマイクロレンズアレイである。このように構成される実施例2のマイクロレンズアレイ20は、高出力レーザーバーのビーム整形の用途に用いられるのが最適である。
図7に示すように、実施例2のマイクロレンズアレイ20は、例えば、上述のように作製された合成石英構造体A2〜A5のいずれかからなる。そして、3000μm(幅)×6000μm(長さ)×3000μm(厚み)の大きさの基底部21を備え、幅が400μmで基底部21から最大で80μmだけ半棒状(蒲鉾状)に突出する27個の凸状レンズ22,22が両面に配列された両凸レンズ形状のマイクロレンズアレイである。このように構成される実施例2のマイクロレンズアレイ20は、高出力レーザーバーのビーム整形の用途に用いられるのが最適である。
(3)実施例3
図8に示すように、実施例3のマイクロレンズアレイ30は、例えば、上述のように作製された合成石英構造体A2〜A5のいずれかからなる。そして、6000μm(幅)×6000μm(長さ)×1200μm(厚み)の大きさの基底部31を備え、直径が240μmで基底部31から最大で30μmだけ半球状に突出する凸状レンズ32の1列が16個で16列に配列された片凸レンズ形状のマイクロレンズアレイである。このように構成される実施例3のマイクロレンズアレイ30は、光通信ネットワーク内の光スイッチにおけるファイバー間の光結合の用途に用いられるのが最適である。
図8に示すように、実施例3のマイクロレンズアレイ30は、例えば、上述のように作製された合成石英構造体A2〜A5のいずれかからなる。そして、6000μm(幅)×6000μm(長さ)×1200μm(厚み)の大きさの基底部31を備え、直径が240μmで基底部31から最大で30μmだけ半球状に突出する凸状レンズ32の1列が16個で16列に配列された片凸レンズ形状のマイクロレンズアレイである。このように構成される実施例3のマイクロレンズアレイ30は、光通信ネットワーク内の光スイッチにおけるファイバー間の光結合の用途に用いられるのが最適である。
(4)マイクロレンズアレイ用成形型の作製
上述のように構成される実施例1〜3のマイクロレンズアレイ10,20,30は、薄膜法により作製されたマイクロレンズアレイ用成形板を用いた成形型により製造されるが、このようなマイクロレンズアレイ用成形型に用いられる成形板の作製法を図9に基づいて以下に説明する。なお、図9においては、実施例1のマイクロレンズアレイ10を作製するに適した成形板を作製する例について示しているが、他の成形板もこれとほぼ同様であるので、その説明は省略する。
上述のように構成される実施例1〜3のマイクロレンズアレイ10,20,30は、薄膜法により作製されたマイクロレンズアレイ用成形板を用いた成形型により製造されるが、このようなマイクロレンズアレイ用成形型に用いられる成形板の作製法を図9に基づいて以下に説明する。なお、図9においては、実施例1のマイクロレンズアレイ10を作製するに適した成形板を作製する例について示しているが、他の成形板もこれとほぼ同様であるので、その説明は省略する。
まず、図9(a)に示すように、ガラス基板41の上にレジスト42を塗布した後、所定のレジストパターンに形成する。この場合は、レジスト42は6個の円形のパターンとした。なお、このようなレジストパターンの形成工程においては、縮小投影露光装置を用いて行った。そして、後の工程におけるレンズ材料の線膨張に対応するため、このレジストパターン形成時にスケーリング調整するのが望ましい。ついで、レジスト42を加熱リフローして、レジスト42の角部を図9(b)に示すように丸める。この後、この上にSiO2をスパッタしてSiO2膜43を形成する。このときレジスト42,42間の平坦部がなくなる程度までSiO2膜43を形成する。
ついで、この上にクロム(Cr)を膜厚が300Åになるようにスパッタした後、さらに、この上に銅(Cu)を膜厚が3000Åになるようにスパッタして、図9(c)に示すようにCr/Cuメッキ下地膜44を形成する。ついで、この上に膜厚が100μm程度になるまでNiFeメッキを施して、図9(d)に示すように、NiFeメッキ膜45を形成した。この後、図9(e)に示すように、この上に接着剤からなる固定層46を形成した後、この上にステンレス(SUS)等の補強板47を接着した。ついで、ガラス基板41をエッチング等で除去した後、べークしたレジスト42もアミン系の剥離液あるいは酸素アッシングで除去した。ついで、SiO2膜43をエッチング(このエッチングにおいては、フッ酸等のエッチング液を用いたり、フルオロカーボン系のエッチングガスを用いたりする)により除去することにより、図9(f)に示すような成形板(この場合は、上成形板となる)40が得られることとなる。
ついで、上述のようして作製された上成形板40を用いて、実施例1のマイクロレンズアレイ10を作製するに適した成形型について図10に基づいて説明する。この場合、他の成形型も用いる成形板以外はこれとほぼ同様であるので、その説明は省略する。まず、上述の上成形板40と同様の薄膜プロセスにより形成された下成形板50を用意する。この場合、下成形板50は、平板状のCr/Cuメッキ下地膜およびNiFeメッキ膜からなるメッキ膜51がステンレス(SUS)等の補強板53に接着剤からなる固定層52により固定されている。
ついで、相対向する一方の側壁に注入孔63が設けられ他方の側壁に空気孔64が設けられた成形板ホルダー61と、この成形板ホルダー61を密閉する上蓋62とからなる成形型60を用意する。この後、成形板ホルダー61の底部に下成形板50をメッキ膜51が上になるように配置し、この上部に図示しないスペーサを介して上成形板40をメッキ下地膜44が下成形板50のメッキ膜51に対向するように配置する。これにより、上成形板40と下成形板50との間の空間部にレンズアレイ成形空間60aが形成されることとなる。なお、メッキ下地膜は上述のように残存させてもよいし、あるいはエッチング液やイオンミリング等により除去するようにしてもよい。
ついで、成形板ホルダー61の上に上蓋62を配置し、固着してこの内部を密閉し、その温度が150〜160℃になるように加熱した。この後、上述した分級粉末b1に有機バインダーを加えてフィードストック(懸濁液)とし、ペレット化された原料が射出成形機の射出孔(図示せず)より、成形板ホルダー61の側壁に設けられた注入孔63に射出させる。これにより、上成形板40と下成形板50の形状に応じた射出成型物が得られ、この射出成型物を焼結することにより、実施例1のマイクロレンズアレイ10が形成されることとなる。
10…マイクロレンズアレイ、11…基底部、12…凸状レンズ、20…マイクロレンズアレイ、21…基底部、22…凸状レンズ、30…マイクロレンズアレイ、31…基底部、32…凸状レンズ、40…上成形板、41…ガラス基板、42…レジスト、43…SiO2膜、44…Cr/Cuメッキ下地膜、45…NiFeメッキ膜、46…固定層(接着剤)、47…補強板、50…下成形板、51…メッキ膜、52…固定層(接着剤)、53…補強板、60…成形型、60a…レンズアレイ成形空間、61…成形板ホルダー、62…上蓋、63…注入孔、63…空気孔
Claims (5)
- 透光性セラミック粉末と有機バインダーからなる混練物を粉末射出成形により成形した後、焼結することにより得られた透光性セラミック構造体であって、
前記透光性セラミック粉末は平均粒径(X)が0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)の範囲内の粉末を用いて、最小粒径が0.2Xで、最大粒径が5Xの範囲内になるように分級された粉末により構成されていることを特徴とする透光性セラミック構造体。 - 前記透光性セラミック粉末は、硼珪酸ガラス、シリカ(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、カルシア(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、硼酸(B2O3)、酸化カリウム(K2O)、アルミナ(Al2O3)、酸化鉛(PbO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化バリウム(BaO)、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、フッ化カルシウム(CaF2)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)から選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1に記載の透光性セラミック構造体。
- 前記透光性セラミック粉末は合成石英ガラスからなり、光の透過率が紫外から赤外の波長領域で80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の透光性セラミック構造体。
- 透光性セラミック粉末と有機バインダーからなる混練物を粉末射出成形により成形した後、焼結する透光性セラミック構造体の製造方法であって、
平均粒径(X)が0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)の範囲内の粉末を用いて、最小粒径が0.2Xで、最大粒径が5Xの範囲内になるように分級する分級工程と、
前記分級された透光性セラミック粉末に有機バインダーが添加された混練物を粉末射出成形により所定の形状の成形物に成形する射出成形工程と、
前記射出成形物を焼結する焼結工程とを備えたことを特徴とする透光性セラミック構造体の製造方法。 - 透光性セラミック粉末と有機バインダーからなる混練物を粉末射出成形により成形した後、焼結するマイクロレンズアレイの製造方法であって、
平均粒径(X)が0.1〜5.0μm(0.1μm≦X≦5.0μm)の範囲内の粉末を用いて、最小粒径が0.2Xで、最大粒径が5Xの範囲内になるように分級する分級工程と、
前記分級された透光性セラミック粉末に有機バインダーが添加された混練物を薄膜プロセスにより形成されたレンズ形成面を少なくとも一方に有する一対の成形板間に射出して所定のマイクロレンズアレイ形状の成形物に成形する射出成形工程と、
前記射出成形物を焼結する焼結工程とを備えたことを特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
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JP2005084456A JP2006265026A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 透光性セラミック構造体およびその製造方法ならびにマイクロレンズアレイの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018168002A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | クアーズテック株式会社 | 焼結シリカ部品の製造方法 |
CN117805948A (zh) * | 2024-03-01 | 2024-04-02 | 河南百合特种光学研究院有限公司 | 一种石英复眼透镜的高温烧结方法 |
-
2005
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