JP2006264915A - 重送検知装置および方法 - Google Patents

重送検知装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
搬送媒体に付与された磁性ワイヤーからの出力信号を検知して、搬送媒体の重送を検知する重送検知装置を提供する。
【解決手段】
用紙20が正常に搬送された場合の検知コイル32からの出力信号をメモリ45に記憶し、搬送される用紙20に配列付与された磁性ワイヤー21からの出力信号を検知コイル32で検知し、搬送される用紙20から検知した出力信号とメモリ45に記憶した信号との比較に基づき搬送される用紙20の重送を判断する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、搬送媒体の重送の有無を検知する重送検知装置および方法に関し、特に、搬送媒体に付与された磁性ワイヤーからの出力信号を検知することにより、搬送媒体の重送を検知する重送検知装置および方法に関する。
近年の複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置には、用紙を給紙トレイから画像形成部へ搬送する為の給紙装置や、原稿を連続して読み取る自動原稿送り装置が備えられている。
そして、これらの給紙装置や自動原稿送り装置は、2枚以上の用紙が重なって搬送されるいわゆる重送を防止することが必要となる。
また、重送の防止が必要になるのは、画像形成装置に限らず、一枚一枚搬送媒体を搬送して処理が行われる装置、例えば、検札装置、検印装置、発券装置等にも必要となる。
重送の防止には、重送を検知する必要があり、搬送媒体の重送を検知する技術として、例えば特許文献1には、発光素子及び受光素子の組み合わせを用いて、透過率の変化から、搬送媒体の厚みの変化を検知して、単送、重送を検知する光学的な重送検知方法であって、光学的な重送検知方法特有の温度や汚れ量の変化によって生ずる単送、重送の誤検知を、補正手段によって低減することができる重送検知方法および画像形成装置が提供されている。
また、特許文献2には、超音波を用いて搬送媒体の厚みの変化を検知する重送検知方法であって、搬送媒体を搬送する搬送路を挟んで配置した、超音波発信機と超音波受信機の組み合わせを用いて、超音波発信機から発信された超音波が搬送媒体を通過して減衰後の超音波の出力波形から、搬送媒体の重送の有無を検知する超音波を利用したシート材の重送検知方法が提供されている。
特開2001−088980号公報 特開2002−087641号公報
しかし、特許文献1の光学的な重送検知方法は、発光素子や受光素子が温度変化や付着する汚れ量によって発光量や出力電圧値を変化させるので、信頼性に欠ける問題がある。
また、特許文献2による超音波を利用した重送検知方法も、湿度の変化による搬送媒体の質量変化、機械的特質の変化が、超音波の減衰に影響を与えるので、信頼性に欠ける問題がある。
そこで、この発明は、温度や湿度の変化に検知精度が影響されず、かつ、検知装置の汚れ量に検知精度が影響されない、搬送媒体に付与された磁性ワイヤーからの出力信号を検知することにより、搬送媒体の重送を検知する重送検知装置および方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1の発明は、搬送媒体の重送を検知する重送検知装置において、前記搬送媒体に付与した磁性体から発生する信号を検知する検知手段と、前記搬送媒体が正常に搬送された場合の前記検知手段からの出力信号を記憶する記憶手段と、前記検知手段の出力信号と前記記憶手段に記憶した信号との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断する重送判断手段とを具備することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記磁性体は、前記搬送媒体の搬送方向に配列付与された1または複数の磁性ワイヤーからなり、前記検知手段は、搬送媒体に付与された磁性ワイヤーに磁界を印加する励磁コイルと、該磁性ワイヤーから発生される信号を検知する検知コイルとを具備することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記記憶手段は、前記搬送媒体が正常に搬送された場合に前記検知コイルから出力されるパルス数を記憶し、前記重送判別手段は、前記検知コイルから出力されるパルス数と前記記憶手段に記憶されたパルス数との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、前記記憶手段は、前記搬送媒体が正常に搬送された場合に前記検知コイルから出力されるパルス幅を記憶し、前記重送判別手段は、前記検知コイルから出力されるパルス幅と前記記憶手段に記憶されたパルス幅との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項2及至4のいずれかの発明において、前記記憶手段は、前記搬送媒体が正常に搬送された場合に前記検知コイルから出力されるパルス強度を記憶し、前記重送判別手段は、前記検知コイルから出力されるパルス強度と前記記憶手段に記憶されたパルス強度との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項2の発明において、前記記憶手段は、前記搬送媒体が正常に搬送された場合に前記検知コイルから出力されるパルス数およびパルス幅およびパルス強度を記憶し、前記重送判別手段は、前記検知コイルから出力されるパルス数およびパルス幅およびパルス強度と前記記憶手段に記憶されたパルス数およびパルス幅およびパルス強度との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、搬送媒体の重送を検知する重送検知方法において、該搬送媒体が正常に搬送された場合の該搬送媒体に付与した磁性体から発生する出力信号を検知して記憶手段により記憶し、該搬送媒体に付与した磁性体から発生する信号を検知手段により検知し、該検知手段の出力信号と該記憶手段に記憶した信号との比較に基づき該搬送媒体の重送を重送判断手段により判断することを特徴とする。
本発明の重送検知装置および方法によれば、搬送媒体に付与した磁性体から発生する信号を検知する検知手段と、搬送媒体が正常に搬送された場合の検知手段からの出力信号を記憶する記憶手段と、検知手段の出力信号と記憶手段に記憶した信号との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断する重送判断手段とを具備するように構成したので、搬送媒体に付与された磁性ワイヤーからの出力信号を検知することにより、搬送媒体の重送を検知することが出来る。
また、光学的な重送検知方法や超音波を利用した重送検知方法では、発光素子と受光素子や超音波を発信する発信器と超音波を受信する受信器が必要になるが、本発明の重送検知装置および方法によれば、コイルという簡単な部品で磁界の発生、磁性ワイヤーの検知を行うことができるので装置コストを安価にすることができる。
また、本発明の重送検知装置および方法によれば、従来の光学的な重送検知方法、或いは、超音波を利用した重送検知方法とは異なり、温度変化、湿度変化等の環境変化に影響を受けずに重送を検知することができる。
また、本発明の重送検知装置および方法によれば、高速搬送を行っても信号/雑音比(SN比)が劣化しないので、高速搬送にも対応できるという効果を奏する。
本発明に係わる重送検知装置は、搬送される搬送媒体が搬送途中で重なって搬送される重送を検知する為の装置である。
近年、機密情報の情報漏洩が問題となっているが、機密情報を画像形成装置等で印刷した際に、間違って重送されたまま印刷され、本来ならば1枚に印刷すべき画像データが2枚に分割されて印刷されるような誤印刷が行われることがある。
このような場合に、シュレッダーできちんと裁断されずに、誤印刷された用紙が用紙再利用を目的とするする回収棚等に放置されると、誤印刷された機密文書が他人に読まれて情報が漏洩される危険性がある。
また、機密情報の情報漏洩を防止するために、機密書類に磁性ワイヤーを付与して複写、持ち出し等の文書管理を行うことが考えられるが、本実施例は、機密書類等を印刷する際に用いられる用紙に付与された磁性ワイヤーを利用して、画像形成装置の用紙搬送路において、重送を検知する重送検知装置について説明する。
なお、本発明に係わる重送検知装置は、画像形成装置に限らず、一枚一枚搬送媒体を搬送する処理が行われる装置、例えば検札装置、検印装置、発券装置等にも使用可能である。
以下、本発明に係わる重送検知装置および方法の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明に係わる重送検知装置を適用した画像形成装置100について図1を参照して説明する。
図1は、本発明に係わる重送検知装置6が設置された画像形成装置100の要部を示す構成図である。
画像形成装置100は、機密書類を作成する為に、給紙トレイ1、ピックローラ2、フィードローラ3、リタードローラ4、搬送ガイド5、重送検知装置6、搬送ベルト7、原稿読取り機8、露光装置9、感光ドラム10、現像器11、転写ドラム12、定着器13、排紙トレイ14、CPU(Central Processing Unit)15、操作パネル16、印刷制御回路44を備える。
画像形成装置100はCPU15で動作制御が行われ、給紙トレイ1は、磁性ワイヤーが配列付与された用紙を蓄え、ピックローラ2は、給紙トレイ1に蓄えられた用紙を搬送ベルト7に送り出す。
フィードローラ3とリタードローラ4は、ピックローラ2で送り出された用紙を一枚一枚搬送ベルトに送り出す機能を担い、フィードローラ3は搬送方向に回転し、リタードローラ4は、搬送方向とは逆方向に回転して用紙を給紙トレイに戻すトルクがかけられ、用紙が重なって搬送されるのを防ぐ役目を担う。
搬送ガイド5は、搬送される用紙が搬送方向と垂直の方向にずれて搬送ベルトの搬送路からはみ出るのを防止する。
画像形成装置100は、給紙トレイ1から一枚一枚用紙を送り出すフィードローラ3、リタードローラ4を備えるが、さらに、間違って重送された場合に、重送を検知するための重送検知装置6を配置する。
重送検知装置6は、励磁コイルと検知コイルを備え、搬送される用紙に配列付与された磁性ワイヤーに交番磁界を与え、磁性ワイヤーから出力される信号を処理して、搬送される用紙の重送の有無を検知する。
搬送ベルト7は、給紙トレイ1から繰り出された用紙を転写ドラム12へ搬送する。
原稿読取り機8は、複写する原稿を読取り、露光装置9は、原稿読取り機8で読取った画像データを複写する為に、感光ドラム10に静電潜像を形成し、現像器11は、感光ドラム10に形成された静電潜像を現像して感光ドラム10にトナー像を形成する。
転写ドラム12は、感光ドラム10に形成されたトナー像を搬送された用紙に転写し、定着器13は、用紙に転写されたトナーの定着を行う。
排紙トレイ14は、複写終了後の用紙を蓄え、操作パネル16は、ユーザからの複写指示を受け付ける。
印刷制御回路44は、重送の発生が検知された場合に、重送信号を重送検知装置6より重送信号を受信し、印刷処理を停止させ、ユーザに重送の発生を報知するよう機能する。
このような構成により、画像形成装置100において、磁性ワイヤーが配列付与された用紙を使った複写が行われる。
次に、給紙トレイ1に蓄えられて、画像形成装置100で使用される、磁性ワイヤーが配列付与された用紙20について図2を参照して説明する。
図2は、画像形成装置100において使用される、磁性ワイヤー21が配列付与された用紙20を示す模式図である。
図2に示すように、用紙20には、搬送方向と略平行に磁性ワイヤー21が3本配列付与される。
配列付与される磁性ワイヤーの本数は、1本でも複数本でもよいが、磁性ワイヤーからの信号強度を大きくする理由で用紙の搬送方向と略平行に配列付与されることが望ましい。
また、用紙に複数本の磁性ワイヤーが配列付与された場合、隣同士の磁性ワイヤーとの搬送方向の長さの間隔は、個々の磁性ワイヤーから信号を分離して検知することができるように、少なくとも検知コイルの検知領域幅よりも大きくする必要がある。
このようにして配置場所が決められるが、決められた配置場所に磁性ワイヤー21が配列付与された用紙20が、給紙トレイ1に蓄えられる。
つまり、給紙トレイ1に蓄えられるすべての用紙において同じ場所に同じ本数の磁性ワイヤー21が配列付与される必要がある。
但し、磁性ワイヤー21が用紙に配列付与される「同じ場所」の意味は、以下のように考える。
励磁コイル31内を磁性ワイヤー21が通過するときに磁化反転を生ずるので、搬送方向と垂直方向の配置ずれに関してはある程度の許容度を有する。
当該許容度は、励磁コイル31の励磁磁界分布や検知コイル32の検知性能の、検知範囲内における位置依存性等によって決まる。
従って、磁性ワイヤー21の配列場所は、当該許容度を包含した意味での同じ場所である。
次に、画像形成装置100に設置される重送検知装置6について図3を参照して説明を行う。
図3は、画像形成装置100に設置される重送検知装置6の要部を示した構成図である。
なお、説明の便宜上、画像形成装置100に含まれる印刷制御回路44も図3上に示す。
図3に示すように、重送検知装置6は、励磁コイル31、検知コイル32、励磁回路41、検知回路42、信号処理回路43を備える。
励磁コイル31は、用紙20に配列付与された磁性ワイヤー21を磁化反転させる為の交番磁界を発生させる。
検知コイル32は、図3に示すように、励磁コイル31の内側に位置し、搬送方向に関して励磁コイル31と同じ位置に位置し、励磁コイル31が発生させた交番磁界により磁性ワイヤー21が磁化反転して発生する磁気パルスを検知する。
励磁回路41は、交流正弦波を生成し、所定の交番磁界を、励磁コイル31を介して発生させる制御を行う。
検知回路42は、検知コイル32を介して磁性ワイヤー21が磁化反転により発する急峻な磁気パルスである磁性ワイヤー21からの出力信号を検出する。
信号処理回路43は、検知回路42で検出された磁性ワイヤー21からの出力信号を処理して、検知コイルを通過した用紙20が重送されていたか否かの判断を行い、重送されていた場合に重送信号を出力する。
励磁回路41によって励磁コイル31から交番磁界が発生されると、搬送された用紙20に配列付与された磁性ワイヤーが磁化され、磁性ワイヤー21が磁化反転により発する急峻な磁気パルスである磁性ワイヤー21からの出力信号を、検知コイル32を制御する検知回路42が検知し、検知回路42が検出した磁性ワイヤー21からの出力信号はA−D変換された後、信号処理回路43に送られ、信号処理回路43において、出力信号の演算処理が行われ、搬送される用紙20が重送されているか否かを判断し、重送されていれば、重送信号を画像形成装置100の印刷制御回路44に出力する。
また、信号処理回路43内のメモリ45は、用紙20が単送される場合の磁性ワイヤーからの出力信号のパルス数、パルス幅、パルス強度を記憶する(詳しくは後述する)。
次に、搬送ベルト7によって搬送される用紙20の重送の様々な態様について図4を参照して説明する。
図4は、画像形成装置100内の搬送ベルト7によって搬送される用紙20が重送される様々な態様について示した模式図である。
図4(a)は、搬送媒体である2枚の用紙20が完全に重なって搬送される重送の態様を示した模式図、図4(b)は、搬送媒体である2枚の用紙20が搬送方向にのみ一部重なって搬送される重送の態様を示した模式図、図4(c)は、搬送媒体である2枚の用紙20が搬送方向および搬送方向に垂直の方向にずれて搬送される重送の態様を示した模式図である。
図4(a)、(b)、(c)に示すように、重送の態様は、大きく分けて3通りあるが、図4(c)に示す重送の態様は、搬送ベルトに沿って設置される搬送ガイド5による補正により、搬送ベルトからはみ出ようとする搬送方向に対して垂直方向の用紙20の動きは抑止できるので、本発明に係わる重送検知装置6は、図4(a)、(b)に示す、用紙20の搬送方向に用紙がずれて重なる重送について検知するものとする。
次に、搬送ベルト7に用紙20が搬送される際に検知回路42が検知する磁性ワイヤー21からの出力信号を、単送の場合と重送の場合について図5を参照して説明する。
図5は、搬送ベルト7に用紙20が搬送される際に検知回路42が検知する磁性ワイヤー21からの出力信号を、単送と重送の場合について示した図である。
図5(a)は、用紙20が重送することなく搬送される場合に検知される磁性ワイヤー21からの出力信号を示す図、図5(b)〜(h)は、2枚の用紙20が重送されて搬送された場合に検知される磁性ワイヤー21からの出力信号を示す図である。
なお、図5(a)〜(h)において、2枚の用紙20が重送した場合の1枚の用紙20から検出される出力信号を細い実線で示し、もう1枚の用紙20から検出される出力信号を細い点線で示し、各用紙20から検出される出力信号が合成されて検出される出力信号を太い実線で示す。
また、図5(h)は、用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤーが磁性ワイヤーの長さの間隔でそれぞれ配置され、2枚の用紙20が重送することで各用紙20に配列付与された磁性ワイヤーが重送する用紙20の真上から見ると磁性ワイヤーが連続して1本の線状に配置されたように重送された場合に検知される磁性ワイヤーからの出力信号を示している。
図5(a)に示すように、用紙20が重送することなく搬送される単送の場合は、用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤー21が励磁コイル31及び検知コイル32の直下を通過することで、3本の磁性ワイヤー21が、励磁コイル31が発する交番磁界を受けてそれぞれ磁化され、各磁性ワイヤー21が磁化反転時に発生する磁気パルスである磁性ワイヤー21からの出力信号が検知コイル32を介して検知回路42により電気信号のパルス信号として検出される。
なお、検知コイル32近傍には、図示しないセンサが設置されており、このセンサにより搬送された1枚の用紙20が検知コイルの検知範囲に進入通過後、検知範囲外に搬送されるまでの時間t1が予め計測されて取得されているものとする。
用紙20が単送の場合には、用紙20が検知コイルの検知範囲に進入し、検知コイル直下通過後、検知範囲外に搬送されるまでの時間t1の間に、用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤー21が、励磁コイル31が発する交番磁界を受けて、磁性ワイヤー21からの出力信号が図5(a)に示すような3つのパルスとして検出される。
これに対して2枚の用紙20が重送する場合は、図5(b)〜(g)に示すように検出時間t1の間に検出される出力信号のパルス数、パルス幅、パルス強度のいずれかが、単送の場合の図5(a)で示した出力信号とは異なった状態で検出される。
例えば、図4(a)に示すような、2枚の用紙20が完全に重なって搬送される場合の重送では、2枚の用紙20に配列付与された磁性ワイヤー21も完全に重なっているため、各用紙20の各磁性ワイヤー21からの出力信号が図5(b)に示すような出力信号52として検出される。
この出力信号52は、パルス数、パルス幅は単送の場合の出力信号51(図5(a)参照)と同一であるが、パルス強度は、各用紙20の各磁性ワイヤー21からの各出力信号が合成されて、単送の場合と比べて大きく検出される。
また、他の重送の態様として、図4(b)に示すような、2枚の用紙20が搬送方向にのみ一部重なって搬送される重送の場合では、用紙20の重なり具合によって、2枚の用紙20に配列付与された磁性ワイヤー21からの出力信号が図5(c)〜(g)に示すようにそれぞれ出力信号53〜57として検出される。
例えば、2枚の用紙20の重なり具合が、1枚の用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤー21のうちの1本と、他の用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤー21のうちの1本とが用紙20の真上から見ると1本の線上に配置され、そのように1本の線上に配置される組が2枚の用紙20が重なることによって3組形成される重送の場合では、磁性ワイヤー21の配置から、図5(c)に示すような出力信号53が検出される。
この出力信号53は、パルス数、パルス強度は単送の場合の出力信号51と同一であるが、パルス幅は、各用紙20に配列付与された各磁性ワイヤー21からの各出力信号が合成されて、単送の場合と比べて大きく検出される。
また、例えば、2枚の用紙20の重なり具合が、1枚の用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤー21と、他の用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤー21とが、用紙20の真上から見るとそれぞれの3本の磁性ワイヤー21が互いに一部分重なるように2枚の用紙20が重なる重送の場合には、磁性ワイヤー21の配置から、図5(d)に示すような出力信号54が検出される。
この出力信号54は、パルス数は単送の場合の出力信号51と同一であるが、パルス幅、パルス強度は、各用紙20に配列付与された各磁性ワイヤー21からの各出力信号が合成されて、単送の場合と比べて大きく検出される。
また、例えば、2枚の用紙20の重なり具合が、2枚の用紙20に配列付与された磁性ワイヤー21が用紙20の真上から見ると全く重ならず連続もしていない重送の場合には、磁性ワイヤー21の配置から、図5(e)に示すような出力信号55が検出される。
この出力信号55は、パルス幅、パルス強度は単送の場合の出力信号51と同一であるが、パルス数は、各用紙20に配列付与された各磁性ワイヤー21からの出力信号が検出されて、単送の場合と比べて大きく検出される。
また、例えば、2枚の用紙20の重なり具合が、用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤー21のうち、2本の磁性ワイヤーが用紙20の真上から見ると完全に重なっている状態の重送の場合には、磁性ワイヤー21の配置から、図5(f)に示すような出力信号56が検出される。
この出力信号56は、パルス幅は単送の場合の出力信号51と同一であるが、パルス数、パルス強度が、各用紙20に配列付与された各磁性ワイヤー21からの出力信号が合成されて、単送の場合と比べて大きく検出される。
また、例えば、2枚の用紙20の重なり具合が、用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤー21のうち、2本の磁性ワイヤーが用紙20の真上から見ると互いに一部が重なっている状態の重送の場合には、磁性ワイヤー21の配置から、図5(g)に示すような出力信号57が検出される。
この出力信号57は、パルス数は単送の場合の出力信号51と同一であるが、パルス数、パルス強度が、各用紙20に配列付与された各磁性ワイヤー21に対応した出力信号が合成されて、単送の場合と比べて大きく検出される。
なお、用紙20に配列付与された3本の磁性ワイヤーが磁性ワイヤーの長さの間隔でそれぞれ配置され、2枚の用紙20が重送することで各用紙20に配列付与された磁性ワイヤーが重送する用紙20の真上から見ると磁性ワイヤーが連続して1本の線上に配置されたように重送された場合には、磁性ワイヤーの配置から、図5(h)に示すような出力信号58が検出される。
この出力信号58は、パルス強度は単送の場合の出力信号と同一になるが、パルス幅、パルス強度が、各用紙20に配列付与された磁性ワイヤーが発する磁気パルスに対応した出力信号が合成されて、単送の場合と比べて大きく検出される。
このように、重送の場合は単送と比較して、出力信号のパルス数、パルス幅、パルス強度のいずれかが異なるので、検知コイル32を介して検知される、搬送される用紙に配列付与された磁性ワイヤーからの出力信号のパルス数およびパルス幅およびパルス強度を単送の場合と比較することによって重送の判断が可能である。
次に、信号処理回路43において行われる、重送か否かを判断する為に行われる、検出回路42で検出された出力信号の処理について図6を参照して説明する。
図6は、信号処理回路43において行われる、重送か否かを判断する為に行われる、検出回路42で検出された磁性ワイヤー21からの出力信号の処理を示した図である。
信号処理回路43においては、検出回路42で検出された磁性ワイヤー21からの出力信号を処理して、搬送される用紙20が重送されたと判断された場合に、重送信号を印刷制御回路44に出力する。
また、信号処理回路43では、メモリ45に、単送の場合の情報として、1枚の用紙20の前端が検知コイル32を通過してから用紙の後端が通過するまでの間に検出される出力信号のパルス数、パルス幅、パルス強度の情報が記憶される。
画像形成装置100内において、搬送ベルト7によって用紙20が搬送され、搬送方向に向かって検知コイル32の直前に位置する図示しないセンサによって搬送される用紙20の前端が検知されると、信号処理回路43で、用紙20の前端が検知されてから時間t1までの間に検知回路42で検出される出力信号について、検出される出力信号のパルス数、最大パルス幅、最大パルス強度が計算され、計算された3種類の値がそれぞれ、メモリ45に記憶された単送の場合の出力信号のパルス数、パルス幅、パルス強度と比較される(パルス数、最大パルス幅、最大パルス強度はそれぞれステップ701、702、703で算出される)。
信号処理回路43では、算出されるパルス数が単送の場合のパルス数より大きい場合(ステップ704)、または、算出される最大パルス幅が単送の場合のパルス幅より大きい場合(ステップ705)、または、算出される最大パルス強度が単送の場合のパルス強度より大きい場合(ステップ706)に、検知された用紙20は重送が行われていると判断され(ステップ707)、重送信号が印刷制御回路44に出力される。
このように、信号処理回路43では、用紙20の前端が検知コイル32を通過してから時間t1までの間に検知回路42が検知した出力信号のパルス数およびパルス幅およびパルス強度が、メモリ45に記憶された単送の場合に検出される出力信号のパルス数およびパルス幅およびパルス強度と比較されて、パルス数、パルス幅、パルス強度のいずれかが異なる場合に、重送と判断される。
重送信号を受け取った画像形成装置100の印刷制御回路44は、直ちに印刷処理を中止し、ユーザに重送の発生を報知して、重送の解除を促す。
なお、本実施例においては、搬送媒体に配列付与される磁性ワイヤーの本数は3本であったが、搬送媒体に配列付与される磁性ワイヤーの本数が1本であっても、磁性ワイヤーからの出力信号を処理して、搬送媒体が検知コイルを通過してから単送の場合に通過が終了する時間までの間に検出される出力信号のパルス数およびパルス幅およびパルス強度を単送の場合に搬送媒体が検知コイルを通過してから通過が終了する時間までの間に検出される出力信号のパルス数およびパルス幅およびパルス強度と比較することで重送検知が可能であり、磁性ワイヤーの本数は限定されない。
この発明は、搬送媒体を一枚一枚搬送する処理を行う装置において利用可能である。
この発明によれば、搬送媒体に付与された磁性ワイヤーからの出力信号を検知して処理することにより、搬送媒体が搬送される際に生じる可能性のある重送を検知することができる。
本発明に係わる重送検知装置6が設置された画像形成装置100の要部を示す構成図。 画像形成装置100において使用される磁性ワイヤー21が配列付与された用紙20を示す模式図。 画像形成装置100に設置される重送検知装置6の要部を示した構成図。 画像形成装置100内の搬送ベルト7によって搬送される用紙20が重送される様々な態様について示した模式図。 搬送ベルト7に用紙20が搬送される際に検知回路42が検知する磁性ワイヤー21からの出力信号を、単送と重送の場合について示した図。 信号処理回路43において行われる、重送か否かを判断する為に行われる、検出回路42で検出された磁性ワイヤー21からの出力信号の処理を示した図。
符号の説明
1 給紙トレイ
2 ピックローラ
3 フィードローラ
4 リタードローラ
5 搬送ガイド
6 重送検知装置
7 搬送ベルト
8 原稿読取り器
9 露光装置
10 感光ドラム
11 現像器
12 転写ドラム
13 定着器
14 排紙トレイ
15 CPU
16 操作パネル
20 用紙
21 磁性ワイヤー
31 励磁コイル
32 検知コイル
41 励磁回路
42 検知回路
43 信号処理回路
44 印刷制御回路
45 メモリ
100 画像形成装置

Claims (7)

  1. 搬送媒体の重送を検知する重送検知装置において、
    前記搬送媒体に付与した磁性体から発生する信号を検知する検知手段と、
    前記搬送媒体が正常に搬送された場合の前記検知手段からの出力信号を記憶する記憶手段と、
    前記検知手段の出力信号と前記記憶手段に記憶した信号との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断する重送判断手段と
    を具備することを特徴とする重送検知装置。
  2. 前記磁性体は、
    前記搬送媒体の搬送方向に配列付与された1または複数の磁性ワイヤーからなり、
    前記検知手段は、
    搬送媒体に付与された磁性ワイヤーに磁界を印加する励磁コイルと、該磁性ワイヤーから発生される信号を検知する検知コイルと
    を具備することを特徴とする請求項1記載の重送検知装置。
  3. 前記記憶手段は、
    前記搬送媒体が正常に搬送された場合に前記検知コイルから出力されるパルス数を記憶し、
    前記重送判別手段は、
    前記検知コイルから出力されるパルス数と前記記憶手段に記憶されたパルス数との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断する
    ことを特徴とする請求項2記載の重送検知装置。
  4. 前記記憶手段は、
    前記搬送媒体が正常に搬送された場合に前記検知コイルから出力されるパルス幅を記憶し、
    前記重送判別手段は、
    前記検知コイルから出力されるパルス幅と前記記憶手段に記憶されたパルス幅との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断する
    ことを特徴とする請求項2または3記載の重送検知装置。
  5. 前記記憶手段は、
    前記搬送媒体が正常に搬送された場合に前記検知コイルから出力されるパルス強度を記憶し、
    前記重送判別手段は、
    前記検知コイルから出力されるパルス強度と前記記憶手段に記憶されたパルス強度との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断する
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の重送検知装置。
  6. 前記記憶手段は、
    前記搬送媒体が正常に搬送された場合に前記検知コイルから出力されるパルス数およびパルス幅およびパルス強度を記憶し、
    前記重送判別手段は、
    前記検知コイルから出力されるパルス数およびパルス幅およびパルス強度と前記記憶手段に記憶されたパルス数およびパルス幅およびパルス強度との比較に基づき前記搬送媒体の重送を判断する
    ことを特徴とする請求項2記載の重送検知装置。
  7. 搬送媒体の重送を検知する重送検知方法において、
    該搬送媒体が正常に搬送された場合の該搬送媒体に付与した磁性体から発生する出力信号を検知して記憶手段により記憶し、
    該搬送媒体に付与した磁性体から発生する信号を検知手段により検知し、
    該検知手段の出力信号と該記憶手段に記憶した信号との比較に基づき該搬送媒体の重送を重送判断手段により判断する
    ことを特徴とする重送検知方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016179557A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 富士ゼロックス株式会社 印刷装置、制御装置及びプログラム

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