JP2006264716A - ディスペンスヘッド、飲料通路洗浄装置 - Google Patents

ディスペンスヘッド、飲料通路洗浄装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ディスペンスヘッドと冷却装置を経て注出コックに至る管路を水洗浄とガス洗浄によって完全に洗浄を行なう。
【解決手段】 ディスペンスヘッドにガス注入用の第1分岐管に加えて第2分岐管を設け、この第2分岐管から洗浄水を注入し、ディスペンスヘッドから冷却装置の注出コックまでの管路を水洗浄する。水洗浄開始時にディスペンスヘッドのレバーが昇位置にあることが条件とされ、レバーが昇位置にあることが確認されない限り、水電磁弁が開に制御されることが無いように制御部で判定を行わせ、これにより誤操作が有っても洗浄水が飲料容器に流入する事故の発生を抑える。
【選択図】図3

Description

この発明は例えばビールを収納した容器のビール注出口に設けられ、店の営業中はビールを冷却装置に送給する状態を維持し、閉店時は非送給状態に切替える機能を備えたディスペンスヘッド及びこのディスペンスヘッドを含む飲料供給経路を洗浄する飲料通路洗浄装置に関する。
ビール或は炭酸飲料は容器内にガス圧を印加し、飲料から気体成分が放出されることを抑制しておく必要がある。このため、飲料容器の飲料取出口にディスペンスヘッドが設けられ、ディスペンスヘッドを介して飲料を容器から注出し、注出した飲料をディスペンサーと呼ばれる冷却装置に送給し、冷却装置で冷却した飲料をカップ等に注入して販売を行なう形態が採られる。
図9にその様子を示す。図中10はガスボンベ、20は飲料容器、30はこの飲料容器20の口に装着したディスペンスヘッド、40は冷却装置を示す。ガスボンベ10には一般に炭酸ガスが充填されており、炭酸ガスが減圧弁11を通じてディスペンスヘッド30に印加され、ディスペンスヘッド30の操作により炭酸ガスを飲料容器20に印加する状態と、非印加状態とに制御される。
ディスペンスヘッド30は飲料容器20に装着されたサイホン管21の上端に接続される。ガス圧は飲料容器20に向って印加する状態と、非印加状態とに切替える制御弁を備える。制御弁はレバーによって操作され、店の開店中はガスボンベ10からガス圧を飲料容器20に印加した状態に維持し、冷却装置40に設けられた注出コック41が開かれる毎に、飲料容器20から飲料をガス圧により押し上げ、ジョッキ等の容器42に注出する。
店の営業中は常にディスペンスヘッド30を開の状態に維持し、飲料容器20内のガス圧を一定値に維持する。
店が開店中は上述したようにディスペンスヘッド30を開の状態に維持し、飲料容器20にガスボンベ10からガス圧を印加した状態に維持するが、店を閉じる場合はディスペンスヘッド30を閉の状態に操作し、ガスボンベ10からのガス圧を遮断する。この状態で飲料容器20内はディスペンスヘッド30の弁によってガスボンベ10から与えられた気圧に維持される。翌日開店する場合は再びディスペンスヘッド30の弁を開の状態に操作することにより、ガスボンベ10から飲料容器20へガス圧を印加し、飲料を注出できる状態に戻される。
ここで従来から使われているディスペンスヘッド30とこのディスペンスヘッド30に接続されるサイホン管の構造を簡単に説明する。ディスペンスヘッド30は図10に示すように外管31と、内管32とから成る2重構造とされる。内管32と外管31との間にオーリング33Aと33Bとが装着され、このオーリング33Aと、33Bで挟まれた領域は気密に保たれる。内管32の周面にはこの気密部分において小径部32Aが形成される。この小径部32Aと対向して外管31に外部に通じる分岐管31Aが設けられ、この分岐管31Aにガスボンベ10からガス圧を印加する。
小径部32Aがオーリング33Aと33Bで囲まれた位置に配置されている状態では分岐管31Aを通じて印加されたガスは何れにも漏れない状態に維持される。これに対し、内管32がレバー34の操作によって下向に移動し、小径部32Aが下側のオーリング33Bより下側に移動すると、分岐管31Aに印加されているガスは外管31と内管32との間の隙間を通じて下向きに噴出し、飲料容器20に印加される。
次にサイホン管21の構造を説明する。サイホン管21は図11に示すように第1弁22と、第2弁23とを備え、これら第1弁22と第2弁23はバネ22Aと、23Bによって常時上向に偏倚され、閉の状態に維持される(図11A参照)。
第1弁22には図10に示したディスペンスヘッド30に設けられた内管32の下端が係合し、レバー34の操作によって内管32が下向に移動するとき、内管32から下向に向う偏倚力を受け、第1弁22はバネ22Aの偏倚力に抗して下向に移動する。この移動によって第1弁22と第2弁23との間に第1空隙24(図11B参照)が形成され、この第1空隙24により飲料の流通路が形成される。尚、第1空隙24を通って噴き上げられた飲料は図10に示した切欠32Bを通じて内管32の中空部に注入され、上向に上昇し、ホース37を通じて冷却装置40に運ばれる。
一方、内管32の下向の移動が更に進むと、内管32の外側に被せた第1ゴムパッキン35(図10参照)が第2弁23の段部23A(図11B参照)に係合し、飲料流通路とガス流通路とを遮断する。
内管32の移動が更に進むと、第2弁23はバネ23Bの偏倚力に抗して下向に移動を始め、第2弁23とホルダ25との間に第2空隙26を形成する(図11C参照)。この第2空隙26がガス流通路として作用し、ディスペンスヘッド30から噴出したガスが孔27を通じて飲料容器20の内部に印加される。ディスペンスヘッド30には外管31の下端に第2ゴムパッキン36が設けられており、この第2ゴムパッキン36がサイホン管21のホルダ25の段部25Aに圧接してガス流通量と外部との間を遮蔽する。ホルダ25とディスペンスヘッド30はホルダ25の内周に設けた爪25Bとディスペンスヘッド30の外管31の外周に設けた爪31C(図10参照)とによって構成されるバネット機構によって係止される。内管32の上端部は飲料送給口38とされ、冷却装置40へ通じるホース37が接続される。以上の説明から明らかなように、内管32の中空部が飲料注出路として作用し、更に外管21と内管22との間の空隙部分がガス圧印加通路として作用し、更に、内管32に形成した小径部32Aとオーリング33Bとによってガス圧印加通路を開閉する制御弁として作用することになる。
上述したように、この種の飲料注出装置では閉店中はディスペンスヘッド30から冷却装置40を経て注出コック41に至る管路に滞留した飲料はガス圧が掛からない状態に放置される。ディスペンスヘッド30と注出コック41に至る間の管路内では空気に触れる部分はないものの、この部分に滞留する飲料の圧力は低い状態に放置され、飲料に含まれる炭酸或はガス成分は気化を始め、いわゆる気の抜けた状態となる。このため、開店当初は冷却装置40内に滞留した飲料を廃棄しなければならないことになり、無駄が生じる。
また、夏或は暖房がよく利いた店では閉店中に滞留した飲料が変質するおそれがある。このため、正規の取扱い方法としては閉店時にディスペンスヘッド30を洗浄水を収納した洗浄樽に付け替え、この洗浄樽からガス圧を利用して洗浄水を注出し、洗浄水をホース37を通じて冷却装置40に送り込み、洗浄水でホース37と冷却装置40内の管路に残された飲料を排出されると共に、洗浄水で管路を洗浄する作業が要求される。
然し乍ら、閉店毎に毎日ディスペンスヘッド30を洗浄樽に付け替え、洗浄水によって管路を洗浄する作業を行わなくてはならないから、手間が掛る欠点が生じる。このため、ディスペンスヘッド30を飲料容器20から取り外すことなくディスペンスヘッド30と注出コック41に至る間の管路を水洗浄することができる構造としたディスペンスヘッドが提案されている(特許文献1)。
この特許文献1で提案されているディスペンスヘッドはガス供給用の分岐管の他に洗浄水供給用分岐管を備え、ディスペンスヘッドを飲料容器に対して閉じた状態に作用した後で、洗浄水供給用分岐管から洗浄水を注入することにより、洗浄水をディスペンスヘッド30から注出コック41に至る管路に通し、注出コック41から洗浄水を放出させることによりディスペンスヘッド30と注出コック41に至る間の管路を洗浄する構造とされている。
更に、ディスペンスヘッドから洗浄水を注入し、水で管路を洗浄するのと同時に、通水中の洗浄水にガスをパルス状に注入し、ガスの気泡によるキャビテーション作用で管壁の汚れを効果的に洗浄するビール・ディスペンサの飲料回路洗浄方法も提案されている(特許文献2)。
実開平5−58698号公報 特開平7−89594号公報
特許文献1で提案されたディスペンスヘッドによれば飲料容器からディスペンスヘッドを取り外すことなく、飲料供給路を洗浄することが可能となり、便利であるものの、ボール42より下部の部分は樽を交換しても何にしても洗浄されることはなく、この部分が汚染されるおそれが有り、この点で大きな欠点がある。
また、特許文献2では水洗浄の後にガスを飲料供給路に通し、洗浄水をガス圧で排出する方法が考えられている。これによれば洗浄水が飲料供給路から排除され、ほぼ完全な洗浄を行なうことができる。然し乍ら、この特許文献2でも切替バルブVの樽に通じるポート部分は洗浄されることはなく、この部分が汚染されることになる。
この発明の目的は、飲料供給路上で未洗浄部分が発生することのない構造としたディスペンスヘッドと、このディスペンスヘッドを用いた飲料通路洗浄装置を提供しようとするものである。
この発明によるディスペンスヘッドは中空部を備えた管体によって構成され、管体の一端側に設けられ、飲料容器に装着されたサイホン管との連結部と、管体の周壁に管体の軸線方向に連結部側から順に並設された第1分岐管及び第2分岐管と、第2分岐管の連通孔位置を跨いで管体の軸線方向の両側に管体の内壁面から一部が突出して装着された一対のオーリングとを備えた外管と、外管と同様に中空部を備えた管体によって構成され、外管の中空部内において軸芯方向に推動自在に支持され、連結部に近づく側の位置に変位した状態で連結部側に配置したオーリングに摺接し、第2分岐管の連通孔と連結部との間を遮断する大径部と、この大径部より連結部側に形成され、連結部から離れる側の位置に変位した状態で第1分岐管と第2分岐管の各連通孔を連結部に連通させる小径部と、連結部側の端面に形成され、自己の中空部に飲料又はガス或は洗浄水を導入する切欠と、自己の中空部の連結部とは反対側の端面に設けられた飲料送出口とを備えた内管と、この内管を外管の中空部内において推動させる操作レバーとによって構成される。
この発明による飲料通路洗浄装置は上記ディスペンスヘッドの第1分岐管とガス圧源との間に接続されたガス電磁弁と、ディスペンスヘッドの第2分岐管と洗浄液源との間に接続された水電磁弁と、ディスペンスヘッドの飲料送出口に接続され、飲料送出口から送出された飲料を冷やす冷却装置に装着され、冷やした飲料を容器に注出する飲料注出コックと、ガス電磁弁に印加されるガス圧が正常か否かを検出するガス圧センサと、第1分岐管から供給されるガス圧を検出し、第1分岐管と第2分岐管との相互間及び飲料送出口との間が連通する洗浄モードと、第1分岐管と第2分岐管との間が遮断され第1分岐管のみが飲料送出口に連通する営業運転モードとを検出し、ディスペンスヘッドの操作状況を検出するディスペンスヘッド操作モード検出センサと、第2分岐管内の洗浄水の有無を検出する洗浄水センサと、ガス圧センサがガス圧源のガス圧が適正値であることを検出した状態でガス電磁弁を開き、ガス圧源から第1分岐管にガス圧を印加し、このガス圧がディスペンスヘッドを通じて第2分岐管に設けたディスペンスヘッド操作モード検出センサがガス圧の印加を検出しない状況によりディスペンスヘッドが営業運転モードに操作されていることを検出し、営業運転中を表示する制御と、洗浄開始を指示する洗浄スイッチの接点信号を受けてディスペンスヘッド操作モード検出センサがガス圧を検出し、ディスペンスヘッドが洗浄モードに操作されていることを検出し、この検出結果に従って、水電磁弁を開に制御し、ガス電磁弁を閉にする制御と、第2分岐管に洗浄液源から洗浄水を流通させ、洗浄水をディスペンスヘッドの内管の中空部から飲料送出口を経て冷却装置の飲料注出コックまでの飲料通路に通水し、洗浄モードに切替える制御とを実行する制御器とによって構成される。
この発明によるディスペンスヘッドによればディスペンスヘッドに設けられるレバーの上げ下げに応じて第1分岐管と第2分岐管が共に飲料送出口に連通する洗浄モードと、第1分岐管と第2分岐管との間が遮断される営業運転モードとに切替えることができる。特に洗浄モードでは第1分岐管と第2分岐管の双方を飲料送出口に連通させる構造としたから、第2分岐管に洗浄水を印加し、通水により管路及びディスペンスヘッドとサイホン管との連結部分の全てを洗浄することができる。洗浄水によって管路を洗浄した後に、第1分岐管にガス圧を印加すれば、管路に滞留する洗浄水を全て排出させ、管路内を空の状態にすることができる。管路を空にすることができるから、営業を開始しても洗浄水が混入した質の悪い飲料が排出されることはない。
更に、この発明による飲料通路洗浄装置によれば、ディスペンスヘッドの操作状況を検出するディスペンスヘッド操作モード検出センサを設けた構成としたから、ディスペンスヘッドが飲料容器側に開いている状況で洗浄開始指令を下したとしても、ディスペンスヘッドの操作状況が洗浄モードに操作されていなければ洗浄水の注入が開始されることはなく、洗浄水が飲料容器に流れ込む事故の発生を阻止することができる。この点で取扱いが容易で信頼性の高い飲料通路洗浄装置を提案することができる。
この発明によるディスペンスヘッドはビール注出装置に適用する形態が最良の実施形態である。この発明によるディスペンスヘッドでは第1分岐管にガス電磁弁を介してガス圧源を接続し、第2分岐管に水電磁弁を介して洗浄水供給源を接続する。第2分岐管には圧力センサで構成されるディスペンスヘッド操作モード検出センサを装着する。このディスペンスヘッド操作モード検出センサにより、ディスペンスヘッドの操作状況を検出し、ディスペンスヘッドが飲料容器側に閉じている状況になければ、仮に洗浄開始指令を下しても、水電磁弁が開くことを阻止する制御を可能とした。
図1及び図2にこの発明によるディスペンスヘッドの実施例を示す。図1はレバー34が昇位置にありディスペンスヘッド30と飲料容器20(図9参照)との間がサイホン管21の弁により閉じている状態、図2はレバー34が降位置にありディスペンスヘッド30と飲料容器との間が開いている状態を示す。
この発明によるディスペンスヘッド30は外管31と内管32の二重管構造で構成される。外管31の下端側に図11で説明したサイホン管21との連結部が設けられる。つまり、連結部は外管31の外壁面に突設した爪31Cと、第2ゴムパッキン36とによって構成される。爪31Cが図11に示した爪25Bと係合し、この爪25Bと31Cとの係合によってディスペンスヘッド30がサイホン管21の上端部に連結される。このとき、第2ゴムパッキン36がホルダ25の段部25Aに係合し、外管31とホルダ25とが大気に対して気密を保持して連結される。外管31の中空部内に内管32が軸芯方向に推動自在に支持され、レバー34により内管32は上下方向に推動される。また、内管32の下端には切欠32Dが設けられ、この切欠32Dによって第1分岐管31Aと第2分岐管31Bが内管32の中空部に連通される。ここまでの構造は図10で説明した従来のディスペンスヘッドと同じである。
この発明によるディスペンスヘッド30の特徴とする構造は外管31の外周に軸芯方向にサイホン管21との連結部側から順に第1分岐管31Aと第2分岐管31Bを併設した点と、外管31の内壁面に一部が突出して装着され、第2分岐管31Bの連通孔の位置を跨いで外管31の軸芯方向の両側にオーリング33Aと33Bとを配置した点と、内管32が上昇位置に配置される状況において、第1分岐管31Aと第2分岐管31Bが共に内管32の中空部に連通させるために内管32の外周に設けた小径部32Aを備えている点と、内管32が降位置に変位した状態で第1分岐管31Aが内管32の中空部に連通した状態を維持しながら、第1分岐管31Aと第2分岐管31Bとの間を遮断する大径部32Bを備えている構造とした点である。
つまり、レバー34が昇位置にあるとき(図1)大径部32Bは上側のオーリング33Aのみに係合し、下側のオーリング33Bは小径部32Aと対向する。この結果、第1分岐管31Aと第2分岐管31Bは共に内管32の中空部に連通する状態となる。このとき、内管32は昇位置にあるから、図11で説明したサイホン管21のホルダ25に設けた第1弁22と第2弁23は共に閉じた状態にある。従ってこの状態で第2分岐管31Bから洗浄水を注入すると、洗浄水はサイホン管21に設けられているこれら第1弁22と第2弁23の面を洗浄し、更に切欠32Dを通じて飲料通路に注入されるから、飲料通路上で未洗浄の部分が発生することはない。
一方、レバー34を下げると、このとき内管32が下向きに移動する。この下向きの移動により、大径部32は下側のオーリング33Bに接触し、第1分岐管31Aと第2分岐管31Bとの間はオーリング33Bによって遮断される。これと共に大径部32Bの上側に形成した小径部32Cが第2分岐管31Bと対向し、第2分岐管31Bは大気に開放される。更に内管32が下向に突出し、この突出力によってサイホン管21の上端に設けた第1弁22と第2弁23(図11参照)が開けられ、第1分岐管31Aに印加されているガス圧が飲料容器20(図9参照)に与えられ、いつでも飲料の注出が可能な状態つまり、営業状態に維持される。
図3に図1と図2に示したこの発明によるディスペンスヘッド30を用いて飲料通路洗浄装置を構成した実施例を示す。50はこの発明による飲料通路洗浄装置を示す。この発明による飲料通路洗浄装置50はガスボンベ10とディスペンスヘッド30の第1分岐管31Aとの間に接続したガス電磁弁51と、洗浄水供給源60とディスペンスヘッド30の第2分岐管31Bとの間に接続した水電磁弁52と、ガスボンベ10からガス電磁弁51に印加されるガス圧を検出するガス圧センサ53と、第2分岐管31Bと水電磁弁52との間の通路の圧力を監視し、ディスペンスヘッド30のレバー34の操作状況(内管32の操作位置)を検出するディスペンスヘッド操作モード検出センサ54と、同じく第2分岐管31Bと水電磁弁51との間の通路に水が存在するか否かを検出する水検出センサ55と、洗浄スイッチ56の起動信号によりガス圧センサ53及びディスペンスヘッド操作モード検出センサ54及び水センサ55の検出信号を用いて安全を確認して洗浄の開始を制御する制御部57とによって構成される。尚、図中58A、58Bは弁止弁11A、11B減圧弁、59は電源スイッチ、LED1〜LED4は各警報を表示するための発光素子を示す。また水センサ55は一対の電極によって構成され、この一対の電極によって導電の有無を計測し、水の存在を検出する構成とすることができる。
閉店中ディスペンスヘッド30のレバー34は昇位置に操作されている。この結果、内管32も昇位置に配置され、この状態では第1分岐管31Aと第2分岐管31Bは小径部32Aと対向し、相互に連通した状態にある。従ってこの状態でガス電磁弁51が開の状態にあればガス圧は第1分岐管31Aから第2分岐管31Bに印加され、ディスペンスヘッド操作モード検出センサ54にガス圧を印可する。この結果ガス圧電磁弁51が開で、ディスペンスヘッド操作モード検出センサ54が「圧力有り」を検出している状態で制御部57はディスペンスヘッド30のレバー34が昇位置に存在すると判定する。
一方、レバー34が降位置に操作されると、オーリング33Bの位置に小径部32Cが対向し、この小径部32Cにより第2分岐管31Bは大気に開放される。この結果、制御部57はガス電磁弁51が開の状態でかつ、ディスペンスヘッド操作検出センサ54が「ガス圧無し」を検出すると、レバー34が降位置に「存在する」と判定する。
営業中はレバー34が降位置にあり、ガス電磁弁51が開の状態にあるから、ガス圧は第1分岐管31Aから外管31と内管32間隙を通じて飲料容器20(図9)に印加される。この結果、冷却装置40に設けた飲料注出コック41を開けると、飲料容器20からガス圧に押されて飲料が冷却装置40に送り出され、飲料注出コック41から注出することができる。
一方、洗浄動作はディスペンスヘッド30のレバー34が昇位置にあることが条件とされる。つまり、レバー34が昇位置に存在し、このために第1分岐管31Aと第2分岐管31Bが共に連通している状態にあることが条件とされる。従って制御部57はディスペンスヘッド操作モード検出センサ54が「圧力有り」を検出し、電磁弁51が開いている状態を検出して洗浄モードへの制御を開始する。
洗浄モードへの切替はガス圧電磁弁51を閉に制御した後、水電磁弁52を開く制御を行って洗浄モードを開始する。電磁弁51が閉じられ、代わって水電磁弁52を開くことにより、第2分岐管31Bに洗浄水供給源60から洗浄水が注入される。洗浄水は外管31と内管32との間の間隙を通ってサイホン管21との連結部に送り出され、サイホン管21の第1弁22と第2弁23の面を洗浄し、連結部から内管32に形成した切欠32Dを通じて内管32の中空部に送られ、中空部から飲料送給口38からホース37を通じて冷却装置40に送られる。飲料注出コック41を開いておくことにより洗浄水は飲料注出コック41から流れだし、バケツなどに回収される。制御部57はタイマを備え、水による洗浄時間を計時する。水による洗浄時間が所定時間に達したら、水電磁弁52を閉の状態に制御し、水洗浄を停止する。水電磁弁52を閉に戻すのと入れ替わりにガス電磁弁51を開の状態に制御する。ガス電磁弁51が開の状態に制御されることにより第1分岐管31Aにガス圧が印加される。このガス圧が内管32の中空部を通じて冷却装置40(図9参照)に送り出され、ディスペンスヘッド30から冷却装置40及び冷却装置40内の飲料通路に滞留する水を押し出す。ガスが飲料注出コック41に達すると、注出コック41からガスが吹き出し、飲料供給路に残された洗浄水を排出させる。ガス注入時間もタイマで所定時間に制御し、ガス電磁弁51を閉に戻すことにより自動的に洗浄を終了させることができる。
図4に各部の制御状態を説明するためのタイミングチャートを示す。ここで本発明の特徴とする動作は図4Cに示すディスペンスヘッド操作モード検出センサが「圧力有り」を検出し、図4Fに示すガス電磁弁51が開いている状態で洗浄スイッチ56を操作(図4N)した場合に図4Gに示す水電磁弁52を開に制御する部分である。洗浄スイッチ56をこれ以外の条件下で操作しても、水電磁弁52は開に制御されない。
更に他の特徴は水電磁弁52が開いている状態でタイマを起動させ時間t1で水電磁弁52を閉に制御し、代わってガス電磁弁51を開に制御し、ガス電磁弁51を時間t2の経過後に開の状態に制御する点である。洗浄水の注入からガス圧の印加により図4Aに示すように飲料注出コック41から飲料(ビール)と洗浄水の順に排出され、最後にガスが噴出される。洗浄中に取り出される飲料は、営業中に飲料容器から取り出された直後の状態にあるため、不良にはなっておらず、飲用することが可能である。
図4H、I、J、Kに示す発光素子LED4、LED1、LED2、LED3はそれぞれ、LED1はレバー34が昇位置に存在する場合に洗浄スイッチ56を操作した場合に点滅を繰返し、レバー34を下げることを促す警告用発光表示器である。また、LED2はガス圧センサ53が所定値以上のガス圧を検出しない場合に点滅し、ガス圧が不足していることを表示するための発光素子、LED3は洗浄水が供給されているか否かを表示するための発光素子、この発光素子LED3は水センサ55の検出結果を利用して点灯制御が実施される。これらの発光素子LED1〜LED3の何れかが点滅を開始した場合、必要に応じて図4Lに示すブザーを吹鳴させることができる。
以上の制御は制御部57に設けたマイクロコンピュータの演算処理機能を用いて実行される。図5乃至図8にマイクロコンピュータに搭載する制御プログラムの概要を説明するためのフローチャートを示す。図5は起動から営業運転までの制御を実行するための起動プログラム、図6、図7、図8は洗浄動作を実行するための洗浄プログラムの内容を示す。
図5に示す起動プログラムにおいて、ステップSP5−11でレバーが下がっているか否かを判定している。この判定は図4で説明したように、ディスペンスヘッド操作モード検出センサ54がガスの圧力を検出しているか否かと、ガス電磁弁51が開になっている条件が揃っていることにより判定する。ここではレバー34が下がっている状態を検出することを条件とするから、ガス電磁弁51が開いている条件と、ディスペンスヘッド操作モード検出センサ54にガス圧が掛かっていないことを検出し、「レバー34が下がっている」と判定する。レバー34が上がっていればステップSP5−12に分岐し、発光素子LED1を点滅させ、更にブザーを吹鳴させてレバー34を下げることを促す。ステップSP5−13でレバー34を下げると、ステップSP5−11はYESと判定し、ステップSP5−14に進み、発光素子LED4を点灯させ、営業中を表示する。
営業の状態ではステップSP5−8〜SP5−15で構成されるループを繰返し、ステップSP5−15でレバー34が上げられるか否かを監視する。レバー34が上げられると、ステップSP5−16に進む。ステップSP5−16で洗浄スイッチ56(図3)をオンに操作すると、図6に示す洗浄開始プログラムに進む。
洗浄プログラムではステップSP6−1でガス電磁弁51をオフに制御し、この状態でガス圧の有無を判定する。ガス圧が無ければステップSP6−3に分岐し、ボンベの交換を促す。ガス圧が正規の圧力が検出されればステップSP6−5に進み、ガス電磁弁51を開に制御する。ステップSP6−6では再度レバーの位置を検出し、レバー34が上がっていればステップSP6−9に進み、ガス電磁弁51を閉じ、更にステップSP6−10で水電磁弁52を開に制御し、図7に示す水洗浄プログラムに進む。
水洗浄プログラムではステップSP7−1で水センサ55の検出信号により第2分岐管31Bへの通路に水が注入されたか否かを判定する。水が存在しない場合はステップSP7−2で発光素子LED3とブザーを点滅させ、給水処理を促す。水の注入が確認されるとステップSP7−4でタイマT1(特に図示しない)が起動される。タイマT1が計測中、発光素子LED4が例えば1秒間隔に0.2秒ずつ点灯され、洗浄中であることを表示する。操作者はこの点滅回数を目視により計数することにより洗浄開始からの時間を計ることができる。つまり、飲料から洗浄水に切替わるまでの時間を予め習得しておくことにより、この時間の計時によって管路内の飲料から水への切替わりを察知することができ、水が混入しない飲料を取り出すことができる。
飲料を注出した後も水の注入が続けられ、管路の洗浄が進められる。所定の時間t1に達するとステップSP7−9に進み、再度ガスの有無を判定し、ガス圧が所定値以上有れば、ステップSP7−12で水電磁弁52を閉じ、図8に示すガス洗浄プログラムに進む。
ガス洗浄プログラムではステップSP8−1でガス電磁弁51を開き、ステップSP8−2でタイマT2(特に図示しない)を起動させる。タイマT2が計時中、ガスは第1分岐管31Aから注入されて内管32の下端から自己の中空部を通じて冷却装置40に向って送り出され、更に冷却装置40の内部を通じて飲料注出コック41から噴出される。ガスの通過によりディスペンスヘッド30から冷却装置40に至る管路内の洗浄水はガスによって飲料注出コック41に向って運ばれガスを所定時間通過させることにより管路を乾燥させることができ、ディスペンスヘッド30の特にサイホン管21と連結部分に洗浄水が残らないようにすることができる。
タイマT2の計時が時間t2に達すると、ステップSP8−7でガス電磁弁51を閉に制御する。これと共にステップSP8−8でガス圧が正常か否かを判定し、ガス圧が不足であればステップSP8−9で発光素子LED2と、ブザーを点滅させ、ガスボンベ10の交換を促す。ガスボンベを交換した後に、念のためステップSP8−1に戻りガス洗浄を実行する。
ステップSP8−8でガス圧が正常であればステップSP8−11に進み、ガス電磁弁51を開に制御する。冷却装置40のコック41を閉じるとディスペンスヘッド操作モード検出センサ54が飲料通路のガス圧の上昇を検知し、コック41が閉じられたことを検知する。ステップSP8−13でコック41が閉じられたことを検知すると、ステップSP8−14でガス電磁弁51を閉じ、ステップSP8−15で電源スイッチをオフにし、終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば特にステップSP5−15に示すように、レバー34が上がったことと、洗浄スイッチ56が操作されていたことの条件が整った時点で洗浄モードに入る構成としたから、レバー34を上げない状態で水洗浄が開始されることはない。従ってどのように誤って操作しても洗浄水が飲料容器20に流れ込んでしまう事故が起きることはなく、この点で使い勝手がよく、また信頼性の高い飲料通路洗浄装置を提供することができる。
尚、上述ではディスペンスヘッド操作モード検出センサ54を圧力検出センサで構成した場合を説明したが、レバー34の上げ、下げに連動したスイッチをオン、オフ操作させ、このスイッチによってディスペンスヘッド操作モード検出センサ54を構成することもできる。
この発明によるディスペンスヘッド及びこれを用いた飲料通路洗浄装置はビールの注出装置に活用される。
本発明によるディスペンスヘッドの実施例において、レバーが上がった状態を示す断面図。 本発明によるディスペンスヘッドの実施例において、レバーが下がった状態を示す断面図。 図1及び図2に示したディスペンスヘッドを用いて飲料通路洗浄装置を構成した実施例を示す接続図。 図3に示した飲料通路洗浄装置の動作を説明するためのタイミングチャート。 本発明による飲料通路洗浄装置に搭載する起動プログラムを説明するためのフローチャート。 図5と同様に飲料通路洗浄装置に搭載する洗浄開始プログラムの例を示すフローチャート。 図5と同様に飲料通路洗浄装置に搭載する水洗浄プログラムの例を示すフローチャート。 図5と同様に飲料通路洗浄装置に搭載するガス洗浄プログラムの例を示すフローチャート。 従来の飲料注出装置を説明するための図。 従来のディスペンスヘッドの構造を説明するための断面図。 図9に示した飲料注出装置に用いられるサイホン管の構造を説明するための一部を断面とした図。
符号の説明
10 ガスボンベ 50 飲料通路洗浄装置
20 飲料容器 51 ガス電磁弁
30 ディスペンスヘッド 52 水電磁弁
31 外管 53 ガス圧センサ
31A 第1分岐管 54 ディスペンスヘッド
31B 第2分岐管 操作モード検出センサ
32 内管 55 水センサ
32A、32C 小径部 56 洗浄スイッチ
32B 大径部 57 制御部
32D 切欠 59 電源スイッチ
33A、33B オーリング
34 レバー
38 飲料送給口
40 冷却装置
41 飲料注出コック

Claims (2)

  1. 中空部を備えた管体によって構成され、管体の一端側に設けられ、飲料容器に装着されたサイホン管との連結部と、管体の周壁に管体の軸線方向に上記連結部側から順に並設された第1分岐管及び第2分岐管と、第2分岐管の連通孔位置を跨いで上記管体の軸線方向の両側に上記管体の内壁面から一部が突出して装着された一対のオーリングとを備えた外管と、
    上記外管と同様に中空部を備えた管体によって構成され、上記外管の中空部内において軸芯方向に推動自在に支持され、上記連結部に近づく側の位置に変位した状態で上記連結部側に配置したオーリングに摺接し、上記第2分岐管の連通孔と上記連結部との間を遮断する大径部と、この大径部より上記連結部側に形成され、上記連結部から離れる側の位置に変位した状態で上記第1分岐管と第2分岐管の各連通孔を上記連結部に連通させる小径部と、上記連結部側の端面に形成され、自己の中空部に飲料又はガス或は洗浄水を導入する切欠と、自己の中空部の上記連結部とは反対側の端面に設けられた飲料送出口とを備えた内管と、
    この内管を上記外管の中空部内において推動させる操作レバーと、
    より成るディスペンスヘッド。
  2. 請求項1記載のディスペンスヘッドの第1分岐管とガス圧源との間に接続されたガス電磁弁と、
    上記ディスペンスヘッドの第2分岐管と洗浄液源との間に接続された水電磁弁と、
    上記ディスペンスヘッドの飲料送出口に接続され、飲料送出口から送出された飲料を冷やす冷却装置に装着され、冷やした飲料を容器に注出する飲料注出コックと、
    上記ガス電磁弁に印加されるガス圧が正常か否かを検出するガス圧センサと、
    上記第1分岐管から供給されるガス圧又は第2分岐管から供給される水圧を検出し、上記第1分岐管と第2分岐管との相互間及び上記飲料送出口との間が連通する洗浄モードと、上記第1分岐管と第2分岐管との間が遮断され上記第1分岐管のみが上記飲料送出口に連通する営業運転モードとを検出し、ディスペンスヘッドの操作状況を検出するディスペンスヘッド操作モード検出センサと、
    上記第2分岐管内の洗浄水の有無を検出する洗浄水センサと、
    上記ガス圧センサがガス圧源のガス圧が適正値であることを検出した状態で上記ガス電磁弁を開き、上記ガス圧源から上記第1分岐管にガス圧を印加し、このガス圧が上記ディスペンスヘッドを通じて第2分岐管に設けたディスペンスヘッド操作モード検出センサがガス圧の印加を検出しない状況により上記ディスペンスヘッドが営業運転モードに操作されていることを検出し、営業運転中を表示する制御と、洗浄開始を指示するスイッチの接点信号を受けて上記ディスペンスヘッド操作モード検出センサがガス圧を検出し、上記ディスペンスヘッドが洗浄モードに操作されていることを検出し、この検出結果に従って、上記水電磁弁を開に制御し、上記ガス電磁弁を閉にする制御と、上記第2分岐管に洗浄液源から洗浄水を流通させ、洗浄水を上記ディスペンスヘッドの内管の中空部から飲料送出口を経て上記冷却装置の飲料注出コックまでの飲料通路に通水し、洗浄モードに切替える制御とを実行する制御器と、
    によって構成したことを特徴とする飲料通路洗浄装置。
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