JP2006264366A - 車両の乗員判別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両用シートの荷重の掛かる部分に対して少ない数の荷重センサによって検出される荷重データを用いて正確な乗員判別を行うことのできる車両の乗員判別装置を提供する。
【解決手段】車両用シートに掛かる荷重に基づいて車両用シート上の乗員の種別を判別する車両の乗員判別装置であって、車両用シートにおける乗員の着座状態を検出する状態検出手段1と、車両用シートに掛かる荷重を計測する荷重計測手段2と、状態検出手段1の検出結果に応じて異なる判別条件と、荷重計測手段2の計測結果とに基づいて乗員の種別を判別する判別手段3と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用シートに掛かる荷重に基づいて前記車両用シート上の乗員を判別する車両の乗員判別装置に関する。
このような乗員判別装置は、例えば、助手席にエアバッグシステムを備えている車両において、助手席に乗員が着座しているか否かを判別するために用いられる。つまり、助手席に乗員が着座していない場合にエアバッグシステムを作動させても無意味であり、その復旧にも費用が発生するために、この判別結果に基づいてエアバッグシステムの作動を制御する。また、着座する乗員が大人であるか、子供であるか、大柄であるか、小柄であるか、等により、エアバッグの膨張速度や膨張方向、又は作動させるか否か等の作動方法を切り替える方がより効果的である。従って、乗員が着座しているか否かのみではなく、乗員判別装置が、体格等も含めて乗員を判別すると非常に好ましい。
このような車両の乗員判別装置は、これまでより種々提案されており、下記に示す特許文献1には、乗員の有無を確実に検知することができる装置が記載されている。特許文献1には、車両用シートとフロアとの間の多数箇所のシート取り付け部のうち、2ケ所にのみ荷重センサを設置する乗員検知装置が示されている。これは、通常は4ケ所あるシート取り付け部の左右、前後、対角線方向の前後左右の何れかの2ケ所にのみ荷重センサを取り付けることを意味する。そして、これらの何れであっても、空席状態と乗員が着座した状態とを明確に区別することができるというものである。
また、下記に示す特許文献2には、エアバッグシステムの正確な制御を実現するために、シート上の乗員の種別(大人、子供、乗員無等)を正確に検知する装置が記載されている。この装置は、車両用シートの下部の前後左右4ケ所に設置された荷重センサのそれぞれの荷重検出値を合計することにより、合計荷重を算出する。次いで、この合計荷重に基づいて、乗員の種別(大人、子供、乗員無等)を判別する。そして、この乗員の種別に基づいて、例えば、エアバッグシステムの膨張量を可変とした駆動信号を出力する。
特開平9−207638号公報(第1−6段落、第18−19段落、第1図、第5図) 特開2003−341403号公報(第2−3段落、第14−16段落、第23段落、第32段落、第39段落、第1図、第4〜7図)
上記、特許文献2に記載の装置では、正確な乗員検知を実現しているが、正確な合計荷重の算出のため、荷重センサを4つ用いている。一方、特許文献1に記載の装置では、荷重センサが2つで実現可能であるが、シート上における乗員の有無の検出に留まり、乗員の種別までは判別できない。即ち、上記何れの先行技術も、荷重センサの数を減じることと、乗員の種別までも正確に判別することとを両立できるものではない。
車両用シートにおける荷重検出に際して荷重センサを4ケ用いる場合、一般的にはこの4つに均等に荷重がかかる訳ではない。車両用シートは、前部側が少し上がり、後部側が少し沈んでシートバック(背もたれ)に体を預け易い構造となっていることが多い。従って、乗員による荷重は、主として後部側に掛かるものである。そこで、荷重センサを減じるために、主として荷重が加わる後部側の左右にのみ、荷重センサを配置することが考えられる。しかし、例えば子供がシート上に立ち上がっているような場合、後部側にのみ荷重が集中し、前部側がマイナス荷重となる場合がある。このとき、後部側にのみ荷重センサを配置していると、前部側のマイナス荷重が加算されないため、結果として大きな荷重として検出されることになる。その結果、シート上の乗員が子供であっても大人と判別される可能性がある。
本願発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、車両用シートの荷重の掛かる部分に対して少ない数の荷重センサによって検出される荷重データを用いて正確な乗員判別を行うことのできる車両の乗員判別装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る車両の乗員判別装置の特徴構成は、
車両用シートに掛かる荷重に基づいて前記車両用シート上の乗員の種別を判別するものであって、
前記車両用シートにおける前記乗員の着座状態を検出する状態検出手段と、
前記乗員の着座によって前記車両用シートに掛かる荷重を計測する荷重計測手段と、
前記乗員が大人であるか子供であるかを判別する判別条件と、前記荷重計測手段の計測結果とに基づいて前記乗員の種別を判別する判別手段と、を備え、
この判別手段は、前記状態検出手段の検出結果に応じて異なる前記判別条件に基づいて、前記乗員の種別を判別する点にある。
この特徴構成によれば、状態検出手段によって、車両用シート上の乗員の着座状態を検出することができる。例えば、車両用シート上に子供が立ち上がっているか否か等を検出することができる。また、この状態検出手段の検出結果に応じて異なる判別条件を用いて乗員を判別する。例えば、車両用シート上に子供が立ち上がっているような場合、一部分に荷重が集中することにより通常よりも大きめの荷重が検出されている可能性がある。この場合、通常の判別条件に基づいて判別すると「大人」と判別されることがある。しかし、状態検出手段の検出結果に応じた判別条件を用いて乗員を判別すれば、子供の立ち上がり姿勢を鑑みて「子供」と判別することができる。このように、状態検出手段の検出結果に応じて異なる判別条件と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別するので、荷重データを用いて正確な乗員判別を行うことができる。
尚、「大人であるか子供であるかの判別」は、法律的・年齢的な条件を示すものではなく、体格に準じた判別である。従って、「大柄であるか小柄であるかの判別」等も本発明の技術範囲に属するものである。また、「大人・子供」、「大柄・小柄」等の二者択一的なものに限らず、「大人・子供・幼児」、「大柄・普通・小柄」等の3種類以上の種別を判別する場合も本発明の技術範囲に属する。
また、前記判別手段は、前記荷重計測手段の計測結果が荷重小から荷重大へ変化する場合と、荷重大から荷重小へ変化する場合とによって異なる前記判別条件に基づいて前記乗員の種別を判別すると好適である。
判別条件の境界付近において、荷重計測手段の計測結果が上下した場合、頻繁に判別される乗員の種別が切り替わることになる。例えば、乗員の伸びや振り向き等の姿勢変更に伴って変動した荷重によっても判別結果が切り替わる場合がある。これは、正確に乗員の種別を判別する上で好ましくない。上述したように、荷重計測手段の計測結果が荷重小から荷重大へ変化する場合と、荷重大から荷重小へ変化する場合とによって異なる判別条件に基づいて乗員の種別を判別すると、このような問題が解消されて好ましい。
ここで、前記荷重計測手段が、前記車両用シートの後部側に掛かる荷重を計測するものであり、前記状態検出手段が、前記車両シートの前部側における前記乗員の身体の存在を検出するものであると好適である。
そして、前記判別手段が、前記状態検出手段が前記乗員の身体の存在を検出している場合には第一判別条件に基づいて、前記状態検出手段が前記乗員の身体の存在を検出していない場合には前記第一判別条件よりも大きな荷重を用いる第二判別条件に基づいて、前記乗員の種別を判別すると好適である。
車両用シートにおける荷重検出に際しては、一般的には4つの荷重センサを用いて合計荷重を算出するようにするものが多い。しかし、必ずしもこの4つに均等に荷重が掛かる訳ではない。上述したように車両用シートは、前部側が少し上がり、後部側が少し沈んでシートバックに体を預け易い構造となっていることが多い。このため、通常想定される姿勢で着座する乗員による荷重は、主として後部側に掛かる。従って、本発明に係る荷重計測手段が車両用シートの後部側に掛かる荷重を計測するものであると、少ない荷重センサによって車両用シートに掛かる荷重をほぼ正確に計測することができる。これは乗員が通常想定される姿勢で着座していることを前提とするが、これは状態検出手段による検出結果により担保される。つまり、通常想定される姿勢で着座している場合、車両シートの前部側には乗員の身体、例えば脚部が存在するはずである。従って、状態検出手段が、前記車両シートの前部側における前記乗員の身体の存在を検出するものであれば、乗員の着座姿勢を検出することができる。
そして、判別手段は、状態検出手段による検出結果に基づいて、第一判別条件と第二判別条件との何れかを用いて判別するので、正確な判別が可能となる。また、状態検出手段によって車両用シートの前部に乗員の身体の存在が検出されない場合には、例えば子供がシート上に立ち上がっているようなことが想定できる。そして、この場合は乗員(この場合は子供。)が通常の着座状態の時よりも大きな荷重として計測されることを考慮して、大きな荷重を用いる判別条件(第二判別条件)を用いている。その結果、少ない数の荷重センサによって検出される荷重データを用いて正確に乗員の種別を判別することができる車両の乗員判別装置を提供することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る車両の乗員判別装置の別の特徴構成は、
車両用シートに掛かる荷重に基づいて前記車両用シート上の乗員の種別を判別するものであって、前記車両用シートにおける前記乗員の着座状態を検出する状態検出手段と、前記乗員の着座によって前記車両用シートに掛かる荷重を計測する荷重計測手段と、前記乗員が大人であるか子供であるかを判別する判別条件と、前記荷重計測手段の計測結果とに基づいて前記乗員の種別を判別する判別手段と、を備え、
この判別手段は、前記乗員の着座姿勢の変化による荷重変動に伴い、前記判別条件に基づいて判別される前記乗員の種別が荷重変動前の種別と異なる種別となる場合、前記荷重変動前の種別と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、前記荷重変動前の種別を保持する点にある。
上述したように、乗員の伸びや振り向き等の姿勢の変化により荷重変動を生じ、荷重計測手段の検出結果が変動する場合がある。そして、この検出結果に基づく判断結果もこの検出結果の変動によって切り替わる場合がある。しかし、伸びや振り向き等の姿勢は、一般的には車両の走行中において恒常的なものではない。通常は一定時間の経過後、通常姿勢に戻ると考えられる。そこで、上記特徴構成のように、所定時間の間、荷重変動前に判別された種別を保持すると、無意味な判別結果の変動を生じることがなく好ましいものとなる。また、この所定時間は、荷重変動前の種別と状態検出手段の検出結果とに基づいて定められる。従って、例えば従前の判別結果である荷重変動前の種別が状態検出手段の検出結果との関係から想定される種別と異なる蓋然性が高い場合には、この所定時間を短くすることができる。逆に、想定される種別と一致する判別結果である可能性が高い場合には、この所定時間を長くすることができる。即ち、このような柔軟な設定が可能である。その結果、荷重データを用いて正確に乗員の種別を判別することのできる車両の乗員判別装置を提供することが可能となる。
ここで、前記荷重計測手段が、前記車両用シートの後部側に掛かる荷重を計測するものであり、前記状態検出手段が、前記車両シートの前部側における前記乗員の身体の存在を検出するものであると好適である。
上述したように、通常想定される姿勢で着座する乗員による荷重は、主として後部側に掛かる。従って、本発明に係る荷重計測手段が車両用シートの後部側に掛かる荷重を計測するものであると、少ない荷重センサによって車両用シートに掛かる荷重をほぼ正確に計測することができる。これは乗員が通常想定される姿勢で着座していることを前提とするが、これは状態検出手段による検出結果により担保される。つまり、通常想定される姿勢で着座している場合、車両シートの前部側には乗員の身体、例えば脚部が存在するはずである。従って、状態検出手段が、前記車両シートの前部側における前記乗員の身体の存在を検出するものであれば、乗員の着座姿勢を検出することができる。
上記目的を達成するための本発明に係る車両の乗員判別装置のまた別の特徴構成は、
車両用シートに掛かる荷重に基づいて前記車両用シート上の乗員の種別を判別するものであって、前記車両用シートにおける前記乗員の着座状態を検出する状態検出手段と、前記乗員の着座によって前記車両用シートに掛かる荷重を計測する荷重計測手段と、前記乗員が大人であるか子供であるかを判別する判別条件と、前記荷重計測手段の計測結果とに基づいて前記乗員を判別する判別手段と、を備え、
この判別手段は、前記状態検出手段の検出結果に応じて異なる前記判別条件に基づいて、前記乗員の種別を判別すると共に、
前記乗員の着座姿勢の変化による荷重変動に伴い、前記判別条件に基づいて判別される前記乗員の種別が荷重変動前の種別と異なる種別となる場合、前記荷重変動前の種別と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、前記荷重変動前の種別を保持する点にある。
この特徴構成によれば、判別手段は、状態検出手段の検出結果に応じて異なる判別条件と、前記荷重計測手段の計測結果とに基づいて前記乗員の種別を判別する。さらに、判別手段は、乗員の着座姿勢の変化による荷重変動に伴い、判別結果が荷重変動前の種別と異なる種別となる場合、従前の判別結果と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果である荷重変動前の種別を保持する。
従って、上述したように、少ない数の荷重センサによって検出される荷重データを用いた場合でも、正確な乗員判別を行うことのできる車両の乗員判別装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
〔システム構成〕
図1は、本発明に係る車両の乗員判別装置の設置形態の一例を示すブロック図である。車両用シート10は、乗員が着座するシート11と、シートバック12と、ヘッドレスト13とを備えている。シート11の前部には、その内部の上方に状態検出手段1としてのスイッチセンサ1aが備えられている。シート11の下部の後ろ側には、荷重計測手段2としての荷重センサ2a及び2bが備えられている。これらの荷重センサ2a及び2bは、図1(b)に示すように、シート11の下部に左右一対で備えられている。シート11の下部には、電子制御ユニット(以下、ECU(Electronic Control Unit)と称する。)4が備えられており、スイッチセンサ1aと、荷重センサ2a及び2bとが接続されている。
図2は、本発明に係る車両の乗員判別装置のシステム構成例を示すブロック図である。図2に示すように、ECU4は、電源回路41と、センサ電源スイッチ(SW)回路42と、判別手段としてのCPU3と、制御回路43と、出力回路44と、通信回路45とを備えている。ECU4には、バッテリ61から電圧B(一般的な車両では12V程度)が供給される。この電圧は、電源回路41において電圧変換やノイズ除去等の処理を施され、CPU3に入力される。CPU3には、例えば5Vや3.3Vなどの、一般的な半導体ICの動作電圧が与えられる。また、CPU3には、イグニッションスイッチ(IGSW)のオン・オフ信号も入力され、車両の動作状態を検出可能となっている。このオン・オフ信号は、抵抗器等(不図示)を用いてよく知られた抵抗分圧等が施されており、CPU3に適切な電圧レベルで入力される。
センサ電源SW回路42は、スイッチセンサ1a、荷重センサ2a及び2bに電源を供給する回路である。図より、明らかなようにこれらのセンサへの電源供給は、CPU3によって制御される。例えば、CPU3は、所定時間ごとにこれらのセンサに電源を供給し、検出結果や計測結果を受け取る。そして、詳細については、後述するが、受け取った検出結果や計測結果に基づいて、乗員判別を行う。
スイッチセンサ1aは、本実施形態では、オン・オフを検出するスイッチである。シート11のスイッチセンサ1aの上部に乗員の身体がある場合に、スイッチがオンする機械的スイッチでもよいし、静電容量の変化により乗員の身体を検知するものでもよい。また、全く別の形態として、シート11の前部を観測する光学的センサや、画像処理による視覚センサによって状態検出手段1を実現してもよい。以下、本実施形態では、オン・オフを検出するスイッチとしてのスイッチセンサ1aを状態検出手段1として説明する。尚、以下図中等において、適宜「ON/OFFセンサ」と称する。
荷重センサ2a及び2bは、歪ゲージと、信号処理ICとからなるセンサユニットである。シート11の下部には、歪ゲージのみを備え、信号処理はECU4において行うなど、勿論他の構成であってもよい。本実施形態では、上記荷重センサ2a及び2bを荷重計測手段2として説明する。
出力回路44は、CPU3による乗員の判別結果に基づいて、エアバッグ(A/B)ECU52へ制御信号を出力する回路である。例えば、乗員がいない場合には緊急時であっても膨張を抑制し、大人であるか子供であるかによって膨張量を異ならせるような制御信号を出力する。尚、CPU3から出力回路44を介して出力するのは、判別結果のみで判別結果に基づいて上述した種々の制御をエアバッグECU52が行ってもよい。
制御回路43は、シートベルトが適切になされているか否かを判定する回路であり、判定結果はCPU3に入力される。この判定は、バックルスイッチ(SW)51からの検出結果に基づいて行われる。シートベルトが適切になされていない場合、例えば、未装着である場合などでは、緊急時であってもエアバッグを膨張させないほうが好ましいことがある。このような場合には、CPU3は、先に述べた出力回路44を介して、エアバッグの膨張を抑制する制御信号をエアバッグECU52へ送る。または、シートベルトが未装着であるという情報をエアバッグECU52へ送り、この情報に基づいた制御をエアバッグECU52が行う。
通信回路45は、工場やディーラー、修理工場などにおいて、荷重計測手段2や状態検出手段1の校正を行うためのインターフェイスである。正確な乗員判別を実施するうえで、荷重計測手段2や状態検出手段1の精度は重要である。そして、特に荷重計測手段2は本実施形態においては、歪ゲージを利用した荷重センサを用いており、基準荷重(いわゆるゼロ点荷重)が変動する場合がある。そこで、車両の出荷時、点検時、修理時などに検査器53を接続して、調整や校正を行うようにしている。通信回路45はこの検査器53とのインターフェイスとなる回路である。
〔乗員判別の第一実施形態〕
以下、図3〜図6に基づいて、乗員判別の第一実施形態について説明する。図3は、車両用シート10に着座する乗員を状態検出手段1の検出結果に応じて異なる判別条件と、荷重計測手段2の計測結果とに基づいて判別する原理を説明する図である。図3(a)は、車両用シート10に大人が通常の着座姿勢で着座している様子を示している。この通常姿勢において、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)は、乗員の上腿の下に有って乗員の身体の存在を検出した状態、即ちオン状態となる。そして、シート11の下部に備えられた荷重センサ2a及び2b(荷重計測手段2)は、乗員の荷重をほぼ正確に計測する。
図3(b)は、車両用シート10に子供が通常の着座姿勢で着座している様子を示している。この通常姿勢において、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)は、乗員の足の下に有って乗員の身体の存在を検出した状態、即ちオン状態となる。そして、シート11の下部に備えられた荷重センサ2a及び2b(荷重計測手段2)は、乗員の荷重をほぼ正確に計測する。
図3(c)は、荷重センサ2a及び2bによって計測された荷重と、判別条件との関係を示している。一般的な大人による荷重は計測される荷重が大きい側に分布し、子供による荷重は計測される荷重が小さい側に分布する。従って、この分布の中間に判別条件としてのしきい値A(第一判別条件)を設定すれば、乗員が大人であるか子供であるかを判別することができる。
図3(d)は、車両用シート10に子供が立ち上がっている様子を示している。この姿勢において、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)は、乗員から離れて位置し、乗員の身体の存在を検出できない状態、即ちオフ状態となる。そして、乗員である子供の荷重はシート11の後方に集中して掛かるため、荷重センサ2a及び2bは、乗員の荷重を実際よりも大きい値として計測する。
図3(e)は、荷重センサ2a及び2bによって計測された荷重と、判別条件との関係を示している。上述したようにシート11の上に子供が立ち上がった場合も考慮すると、その荷重の分布は図3(e)の斜線部に示す領域まで広がることになる。この広がった領域は上記説明したしきい値A(第一判別条件)を上回る荷重を含む。そのため、車両用シート10上の乗員が子供であるにも拘らず、CPU3(判別手段)は、大人であると判別してしまう。これを防ぐため、第一判別条件よりも大きな荷重を用いるしきい値B(第二判別条件)に基づいて、乗員の判別を行う。これら第一判別条件と第二判別条件との切り替えは、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)の検出結果に基づいてなされる。
図4は、状態検出手段の検出結果に応じて異なる判別条件と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する手順の一例を示すフローチャートである。CPU3は、荷重センサ2a及び2bから荷重計測結果を受け取り、計測荷重の合計荷重、即ち検出荷重を演算する(#1)。さらに、スイッチセンサ1aより、オン又はオフの信号を受け取る(#2)。次に受け取ったオン又はオフの信号を判定する(#31)。そして、スイッチセンサ1aからの入力がオンであった場合には、乗員は図3(a)又は(b)に相当する通常姿勢であるとして、しきい値Xとしてしきい値A(第一判別条件)を設定する(#32)。逆にスイッチセンサ1aからの入力がオフであった場合には、しきい値Xとしてしきい値B(第二判別条件)を設定する(#33)。次に、この設定したしきい値Xに基づいて、#1で演算した検出荷重(合計荷重)の大きさを評価する(#41)。荷重がしきい値X以上の場合には、大人であると判定する(#42)。荷重がしきい値X未満の場合には、子供であると判定する(#43)。そして、これら何れかの判定結果に基づき、乗員を判別する。
このようにして、状態検出手段1の検出結果に応じて設定した第一及び第二の判別条件と、荷重計測手段2の計測結果とに基づいて乗員を判別する。ここで、判別条件の境界付近において、荷重計測手段の計測結果(合計荷重、検出荷重)が上下した場合、頻繁に判定が切り替わり、その結果、判別結果も切り替わることになる。そこで、図5に示すように、しきい値C(第三判別条件)を設ける。このしきい値Cは、乗員が通常姿勢である場合のしきい値Aよりもさらに低い荷重を用いるものである。そして、このしきい値Cは、荷重大から荷重小へ変化する場合に用いる判別条件である。つまり、荷重計測手段2の計測結果が荷重小から荷重大へ変化する場合のしきい値A又はBと、荷重大から荷重小へ変化する場合のしきい値Cとの異なる判別条件に基づいて乗員を判別する。
図6は、計測結果(検出荷重)が荷重小から荷重大へ変化する場合と、荷重大から荷重小へ変化する場合とで異なる判別条件に基づいて乗員を判別する手順の一例を示すフローチャートである。図4のフローチャートと概ね同様であり、処理の異なる#3の処理についてのみ図示している。図4のフローチャートと異なり、スイッチセンサ1aの検出結果のオン・オフを判定する(#31)前に、従前の判別状態を確認する(#30)。そして、従前の判別状態が「大人」であった場合は、しきい値A又はBに設定されたしきい値Xを超える荷重であったことになる。従って、しきい値Xを安易に下回らないように、しきい値Xとしてしきい値Cを設定する(#34)。#30において従前の判別状態が「子供」と確認された場合は、しきい値A又はB又はCに設定されたしきい値Xを下回る荷重であったことになる。そこで、スイッチセンサ1aによる乗員の着座状態の検出結果に基づいて(#31)、図4を用いて説明したことと同様にしきい値A又はしきい値Bをしきい値Xとして設定する(#32、#33)。
〔乗員判別の第二実施形態〕
以下、図8〜図17に基づいて、乗員判別の第二実施形態について説明する。第二実施形態の説明に先立ち、図7に基づいて、図2に示したシステム構成を補足する。図7に示すように、CPU3(判別手段)は、判別条件に基づいて計測された荷重の大小を判定する判定部31と、この判定部31の判定結果に基づいて乗員の判別結果を出力する判別結果出力部32と、この判別結果を記憶する記憶部33とを有している。判別結果出力32は、記憶部33に記憶された判別結果、つまり従前の判別結果(従前に判別された乗員の種別)と、判定部31の判定結果とにより、乗員の判別を行う。つまり、これら各部を有したCPU3(判別手段)は、所定の判別条件と、荷重計測手段の計測結果と、従前の判別結果とに基づいて乗員を判別する。
図8は、従前の判別結果と、状態検出手段の検出結果と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する第一のケースを説明する図である。図8(a)には大人である乗員が通常の着座姿勢で車両用シート10に着座している様子を示している。この通常姿勢において、状態検出手段1としてのスイッチセンサ1a(ON/OFFセンサ)は、乗員の上腿の下に有って乗員の身体の存在を検出した状態、即ちオン状態となる。そして、シート11の下部に備えられた荷重センサ2a及び2b(荷重計測手段2)は、乗員の荷重をほぼ正確に計測する。一般的な大人による荷重は計測される荷重が大きい側に分布し、子供による荷重は計測される荷重が小さい側に分布する。従って、図8(b)に示すようにこの分布の中間に判別条件としてのしきい値Xを設定すれば、乗員が大人であるか子供であるかを判別することができる。図8(a)に示す場合には、大人である乗員の荷重は大きく、図8(b)における矢印aの荷重となるので、判定部31により「大人」と判定される。そして、これが判別結果として判別結果出力部32から出力される。
この判別結果出力部33が利用する判定結果を、判定部31による大人・子供の判定結果と、スイッチセンサ1aによる検出結果とのマトリクスで示したものが、図8(c)である。スイッチセンサ1aによる検出結果がオンで、「大人」と判定されているので、図8(c)中の該当箇所を太枠で囲うと共に、丸印を表記している。
ここで、判定部31により判定された種別(従前の判別結果)、即ち「大人」が、異なる種別である「子供」へ遷移する場合を考える。図8(d)は、図8(a)の通常の着座姿勢から、乗員が少し前かがみになった状態を示している。この場合、シート11の後部に掛かる荷重が減少するため、荷重センサ2a及び2bにより測定される荷重は減少する。つまり、乗員の姿勢変更に伴って荷重変動を生じる。その結果、図8(f)に示すように矢印dの荷重となり、乗員が大人であるにも拘わらず、しきい値Xを下回って荷重変動前とは異なる種別である「子供」と判定される可能性がある。図8(a)から(e)に示すように、瞬間的に乗員が大人から子供に入れ替わった場合も同様の結果を生じるが、通常は瞬間的に乗員が入れ替わるようなことはない。従って、後者のケースは想定しなくてもよい。
上記のような想定により、CPU3(判別手段3)は、記憶部33が保持する従前の判別結果(判定部31の判定結果、即ち荷重変動前に判別された種別)として、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)が「オン」の状態で「大人」であった場合には、以下のように判別する。荷重センサ2a、2b(荷重計測手段2)の計測結果の変化に応じて判定部31の判定結果が「子供」となっても、これを判別結果として出力しない。つまり、判別結果出力部32は、記憶部33が保持する従前の判別結果(荷重変動前に判別された種別)を判別結果として出力する(図8(c)及び(g)参照。)。その結果、保持された従前の判別結果が維持されることになる。
図9は、従前の判別結果と、状態検出手段の検出結果と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する第二のケースを説明する図である。図9(a)には、子供である乗員が車両用シート10のシート11上に立ち上がっている様子を示している。この姿勢において、乗員である子供の身体はスイッチセンサ1a(状態検出手段1)の上には存在せず、スイッチセンサ1aによる検出結果はオフ状態となる。また、図9(a)の姿勢では、乗員は充分にシート11の後部に乗ってはいない。従って、シート11の下部に備えられた荷重センサ2a及び2b(荷重計測手段2)は、通常姿勢の乗員の荷重よりは大きな荷重(図9(b)矢印a)を計測するものの、しきい値Xは超えない。その結果、図9(b)及び(c)に示すように、乗員の種別は「子供」と判別される。
ここで、判定部31により判定(判別)された種別である「子供」が、異なる種別である「大人」へ遷移する場合を考える。図9(d)は、図9(a)の姿勢から、さらに乗員がシート11上に立ち上がった状態を示している。この場合、シート11の後部に掛かる荷重が増大するため、荷重センサ2a及び2bにより測定される荷重は増大する。その結果、図9(e)に示すように矢印dの荷重となり、しきい値Xを上回って乗員が子供であるにも拘わらず、「大人」と判定される可能性がある。
上記のような想定により、CPU3(判別手段3)は、記憶部33が記憶する従前の判別結果(判定部31の判定結果)として、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)が「オフ」の状態で「子供」であった場合には、以下のように判別する。荷重センサ2a、2b(荷重計測手段2)の計測結果の変化に応じて判定部31の判定結果が「大人」となっても、これを判別結果として出力しない。つまり、判別結果出力部32は、記憶部33が保持する従前の判別結果(荷重変動前に判別された種別)を判別結果として出力する(図9(c)及び(f)参照。)。その結果、保持された従前の判別結果が維持される。
図10は、従前の判別結果と、状態検出手段の検出結果と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する第三のケースを説明する図である。図10(a)には、大人である乗員が通常の着座姿勢から、少し前かがみになった状態を示している。この姿勢において、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)は、乗員の上腿の下に有って乗員の身体の存在を検出した状態、即ちオン状態となる。一方、重心が前方にあるため、シート11の後部に掛かる荷重は、本来の乗員による荷重よりも少なく計測される。その結果、図10(c)に示すように矢印aの荷重となり、しきい値Xを下回って大人であるにも拘わらず「子供」と判定される可能性がある。尚、子供である乗員が通常の着座姿勢で着座している場合は、当然に図10(c)に示すように矢印bの荷重となり、しきい値Xを下回って「子供」と正しく判定される。図10(c)には、前者のケースを示し、判定(判別)結果と実際の乗員との種別が異なるので、点線で示している。
ここで、判定部31により判定された乗員の種別「子供」が、異なる種別である「大人」へ遷移する場合を考える。図10(e)は、図10(a)の姿勢から、大人である乗員が通常姿勢に戻った場合を示している。この場合、乗員の姿勢変更に伴い、荷重変動が生じる。つまり、シート11の後部に掛かる荷重が増大するため、荷重センサ2a及び2bにより測定される荷重は増大する。その結果、図10(f)に示すように矢印eの荷重となり、しきい値Xを上回って「大人」と正しく判定されることになる。尚、通常姿勢で着座する子供が立ち上がることなく(スイッチセンサ1aの検出結果の変動を伴わず)、その荷重が増加することは想定し難いので、本ケースではこれを考慮しない。
上記のような想定により、CPU3(判別手段3)は、記憶部33が記憶する従前の判別結果(判定部31の判定結果)として、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)が「オン」の状態で「子供」であった場合には、以下のように判別する。荷重センサ2a、2b(荷重計測手段2)の計測結果の変化に応じて判定部31の判定結果が「大人」となれば、これを正しい判定として採用する。つまり、判別結果出力部32は、記憶部33が保持する従前の判別結果(荷重変動前に判別された種別)とは異なる種別を判別結果として出力する(図10(d)及び(g)参照。)。
図11は、従前の判別結果と、状態検出手段の検出結果と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する第四のケースを説明する図である。図11(a)は、子供である乗員が車両用シート10のシート11上に立ち上がっている様子を示している。この姿勢において、乗員である子供の身体はスイッチセンサ1a(状態検出手段1)の上には存在せず、スイッチセンサ1aによる検出結果はオフ状態となる。そして、荷重センサ2a及び2bによりシート11の後部に掛かる荷重は本来の子供である乗員のものよりも大きく測定される。その結果、図11(b)に示すように矢印aの荷重となり、乗員が子供であるにも拘わらず、しきい値Xを上回って「大人」と判定(判別)される。図11(c)には、判定(判別)結果と実際の乗員との種別が異なるので、この判定結果を点線で示している。
ここで、判定部31によって判定された乗員の種別「大人」が、異なる種別である「子供」へ遷移する場合を考える。図11(d)は、図11(a)の姿勢から、子供である乗員がシート11上に膝を曲げて座り込んだ状態を示している。この場合、乗員である子供の身体は、未だスイッチセンサ1a(状態検出手段1)の上には存在せず、スイッチセンサ1aによる検出結果はオフ状態のままである。しかし、シート11の後部に掛かる荷重は減少するため、荷重センサ2a及び2bにより測定される荷重も減少する。その結果、図11(e)に示すように矢印dの荷重となり、しきい値Xを下回って「子供」と正しく判定される。
上記のような想定により、CPU3(判別手段3)は、記憶部33が記憶する従前の判別結果(判定部31の判定結果)として、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)が「オフ」の状態で「大人」であった場合には、以下のように判別する。荷重センサ2a、2b(荷重計測手段2)の計測結果の変化に応じて判定部31の判定結果が「子供」となれば、これを正しい判定として採用する。つまり、判別結果出力部32は、記憶部33が保持する従前の判別結果(荷重変動前に判別された種別)とは異なる種別を判別結果として出力する(図11(c)及び(f)参照。)。
以上、図8〜図11に基づいて、乗員判別の第二実施形態の4つのケースについて説明した。これらは、乗員の着座姿勢の変化による荷重変動に伴い、判別条件に基づいて判別される乗員の種別が荷重変動前の種別と異なる種別となる場合、判別手段3が乗員をどのように判別するかについて説明したものである。つまり、荷重計測手段2による計測結果の変化に応じて判定部31の判定結果が変化する場合に、判別結果出力部32からの出力をどのようにするかについて説明したものである。上述したように、荷重変動前の種別と、状態検出手段1の検出結果とに基づいて、荷重変動前の種別(従前の判別結果)を保持(維持)するか否かによって、良好な乗員の種別の判別を実現している。
尚、上記説明においては、「保持」とは、記憶部33において従前の判別結果(荷重変動前の種別)を引き続き記憶しておく意味として用いている。「維持」とは、判別結果出力部32からの出力が従前の判別結果(荷重変動前の種別)を踏襲することとして用いている。従って、保持と維持とは、判別手段3の内部での作用の違いを表す程度の違いであり、車両の乗員判別装置としてみた場合の意味としては大きな相違はない。これは、「判定」及び「判別」についても同様である、判別手段3の内部での作用の違いを表す目的で、判別手段3内部の判定部31の作用を「判定」、判別手段3全体での作用を「判別」として用いた。しかし、車両の乗員判別装置としてみた場合の意味としては大きな相違はない。
上述したように、図8〜図11に基づいて説明した例では、従前の判別結果(荷重変動前の種別)を保持(維持)するか否かという制御を行った。しかし、維持する所定時間を定め、この所定時間の間従前の判別結果を維持するようにしても等価である。例えば、この所定時間を無限大とすれば、図8及び図9に示したように従前の判別結果を維持することとなる。また、この所定時間をゼロとすれば、図10及び図11に示したように従前の判別結果を維持しないこととなる。そして、所定時間に亘って従前の判別結果を維持するようにすれば、無限大とゼロとの間の中間値も設定可能となり、制御の幅を広げることができて好適である。
以下、図12〜図15に基づいて、判断手段3が、記憶部33が記憶する従前の判別結果(荷重変動前の種別)と、状態検出手段1の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持する場合のケースについて説明する。それぞれ、乗員の姿勢等のケースについては、それぞれ、図8及び図12、図9及び図13、図10及び図14、図11及び図15が同等である。
図12は、従前の判別結果と状態検出手段1の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する第一のケースを説明する図である。従前の判別結果を説明する図12(a)〜(c)、乗員の姿勢変更に伴う判定部31の新たな判定結果を説明する図12(d)(e)については、図8(a)〜(e)に基づいて説明したとおりであるので説明を省略する。
ここで、判定部31により判定された種別、即ち「大人」が、異なる種別である「子供」へ遷移する場合について、荷重検出手段2により検出される荷重の変化(乗員の姿勢変更に伴う荷重変動)に着目して検討する。図12(g)に示すグラフの実線は、荷重計測手段2により計測される荷重の変化を示している。図12(a)に示す通常姿勢から、(d)に示す前かがみの姿勢に変位した場合、図12(g)の実線に示すように、計測される荷重はしきい値Xを下回るようになる。そして、大人であるにも拘わらず、「子供」と判定される可能性がある。しかし、このような前かがみの姿勢は、通常長期間継続されることはなく、図12(a)の通常姿勢へと復帰することが期待される。つまり、図12(g)に示す点線のように、再びしきい値Xを超えて「大人」と判定されることが期待される。
そこで、CPU3(判別手段3)は、記憶部33が保持する従前の判別結果(判定部31の判定結果)として、スイッチセンサ1a(状態検出手段1)が「オン」の状態で「大人」であった場合には、以下のように判別する。荷重センサ2a、2b(荷重計測手段2)の計測結果の変化に応じて判定部31の判定結果が「子供」となっても、これを直ぐには判別結果として出力しない。つまり、判別結果出力部32は、記憶部33が保持する従前の判別結果(荷重変動前に判別された種別)を所定時間t1の間、維持する。そして、この所定時間t1が経過した後に、改めて判定部31による判定を行い、その結果に基づいて判別結果を出力する。所定時間t1経過時点で、乗員の姿勢が通常姿勢に復帰しており、計測される荷重が図12(g)の点線のように復帰していれば、従前の判別結果と同様、「大人」との判別結果が出力される。尚、この所定時間t1は、人間工学や統計等に基づき適宜定めればよく、例えば10秒程度とするとよい。
図13は、従前の判別結果と状態検出手段1の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する第二のケースを説明する図である。図13(a)〜(e)に示す事項については、図9(a)〜(e)に基づいて説明した事項と同様であるので説明を省略する。
ここで、図12に基づく検討と同様に、図13(f)に基づいて、判定部31による判定結果の遷移を、荷重検出手段2により検出される荷重の変化に着目して検討する。
図13(f)に示すグラフの実線は、荷重計測手段2により計測される荷重の変化を示している。図13(a)に示す姿勢から、(d)に示す立ち姿勢に変位した場合、図13(f)の実線に示すように、計測される荷重はしきい値Xを上回るようになる。そして、乗員が子供であるにも拘わらず、「大人」と判定される可能性がある。ここで、このような立ち姿勢が所定時間t2経過前に、図13(a)の姿勢や通常の着座姿勢へと復帰すれば、図13(f)に示す点線のように、再びしきい値Xを下回って「子供」と判定される。この所定時間t2は、前述の前かがみからの復帰時間よりは長くとることが望ましく、例えば30秒〜1分程度とするとよい。勿論、これに限ることはなく、人間工学や統計、実験等によって適宜定めればよい。
図14は、従前の判別結果と状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する第三のケースを説明する図である。図15は、従前の判別結果と状態検出手段1の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する第四のケースを説明する図である。図14(a)〜(f)及び図15(a)〜(e)に記載した事項は、図10(a)〜(f)及び図11(a)〜(e)に記載した事項と同等であるので、説明を省略する。これらのケースでは、図10及び図11に基づいて上述したように、従前の判別結果を迅速に更新することが望ましい。従って、図10及び図11に基づいて上述したように、荷重計測手段2の計測結果の変化に応じて判別結果(判定部31の判定結果)が変化する場合に、直ちにこの新たな判定結果を判別結果としてもよい。直ちにこの新たな判定結果を判別結果とする場合は、図14(g)及び図15(f)に示す所定時間t3及びt4をゼロとすればよい。または、ノイズ等による変動を考慮して、2〜3秒程度に設定するとよい。
図16及び図17は、図8〜図11及び図12〜図15のケースに対応した判別手段3の乗員判別処理を説明するフローチャートである。この乗員判別処理は、図7に示すブロック図のCPU3(判別手段3)によって実行される。CPU3が備える各部(符号31〜33等)は、この乗員判別処理を担うものであるが、機能としての分担を示すものであり、必ずしも物理的に独立している必要はない。また、勿論メモリや論理回路等のハードウェアに限らず、このハードウェア上で実行されるプログラムなどのソフトウェアによって各機能を分担するものであってもよい。
図16は、従前の判別結果と、状態検出手段1の検出結果と、荷重計測手段2の計測結果とに基づいて乗員を判別する手順の一例を示すフローチャートである。CPU3は、荷重センサ2a及び2bから荷重計測結果を受け取り、合計荷重、即ち検出荷重を演算する(#1)。さらに、スイッチセンサ1aより、オン又はオフの信号を受け取る(#2)。次に、記憶部33に保持された従前の判別結果(直近の判別状態)を確認する(#30)。そして、この判別状態が「大人」であるか、「子供」であるかにより別々にスイッチセンサ1aより受け取ったオン又はオフの信号を判定する(#31a及び#31b)。
#30により判別状態が「大人」と確認された場合は、#31aによりオン又はオフの信号を判定し、オンの場合は#1で演算した荷重の評価を実施せず、#42へ進んで「大人」との判別結果を維持する(図8のケースに相当する。)。オフの場合はしきい値Xに基づいて、#1で演算した荷重の大きさを評価する(#41、図11のケースに相当する。)。荷重がしきい値X以上の場合には、大人であると判定する(#42)。荷重がしきい値X未満の場合には、子供であると判定する(#43)。そして、これら何れかの判定結果に基づき、乗員の判別結果を出力する。
#30により判別状態が「子供」と確認された場合は、#31bによりオン又はオフの信号を判定し、オフの場合は#1で演算した荷重の評価を実施せず、#43へ進んで「子供」との判別結果を維持する(図9のケースに相当する。)。オンの場合はしきい値Xに基づいて、#1で演算した荷重の大きさを評価する(#41、図10のケースに相当する。)。荷重がしきい値X以上の場合には、大人であると判定する(#42)。荷重がしきい値X未満の場合には、子供であると判定する(#43)。そして、これら何れかの判定結果に基づき、乗員の判別結果を出力する。
図17は、従前の判別結果と状態検出手段1の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する手順の一例を示すフローチャートである。荷重を演算し(#1)、スイッチセンサ1aからのオン又はオフの信号を受け取り(#2)、記憶部33に保持された従前の判別結果を確認する(#30)処理については、図16に基づいて説明したものと同様である。そして、同様にこの判別状態が「大人」であるか、「子供」であるかにより別々にスイッチセンサ1aより受け取ったオン又はオフの信号を判定する(#31a及び#31b)。
#30により判別状態が「大人」と確認された場合は、#31aによりオン又はオフの信号を判定し、オンの場合は所定時間Tとして時間t1を設定する(#35a)。次にしきい値Xに基づいて、#1で演算した荷重の大きさを評価する(#41)。荷重がしきい値X以上の場合には、大人であると判定する(#42)。この判定結果は、保持されている従前の判別結果と同様であるので、従前の判別結果を維持する。
尚、図16と同様に、図17#4Bの#42の判定処理を実施し、この判定に基づいて判別結果を出力するようにしてもよい。このように、具体的な処理手順の詳細については、本発明の技術思想の範囲内で適宜改変可能である。
一方、#41において荷重がしきい値X未満の場合には、子供であると判定する(#43)。この場合は従前の判別結果と異なるため、#37において先に設定した所定時間T(=t1)が経過するまで判別結果を更新せず、従前の判別結果を維持する。尚、この期間中にスイッチセンサ1aからの入力が切り替わるなど、プログラムで定めた割り込みが発生した場合(#36)には、所定時間Tの経過を待たず、次の処理(#1B)へ移行する。
所定時間T(=t1)の経過(#37)後、又は割り込み処理(#36)後、改めて荷重を演算する(#1B)。#1で演算した荷重に対する#41での判定結果を乗員判別の結果として用いることが懸念されたために所定時間Tの経過を待った。従って、改めて所定時間T経過後の荷重に対して処理#4Bにて#41の判定を実施する。この一連の処理は、図12のケースに相当するものである。
一方、#31aによるオン又はオフの信号の判定が、オフの場合は所定時間Tとして時間t4を設定する(#35d)。次にしきい値Xに基づいて、#1で演算した荷重の大きさを評価する(#41)。荷重がしきい値X未満の場合には、子供であると判定する(#42)。この判定結果は、従前のものと異なるため、。#37において先に設定した所定時間T(この場合T=t4)が経過するまで待機した後、処理#4Bにて荷重を評価する。尚、この場合の従前の判別結果は、乗員の種別とスイッチセンサ1aの検出結果との組合わせより、異なる種別の判定があれば迅速に更新することが望ましいと考えられるものである。従って、この所定時間t4は上述した所定時間t1よりも短い時間とし、早く再評価を行うようにしている。また、割り込み発生(#36)に関する処理は上述の通りである。
所定時間T(=t4)の経過(#37)後、又は割り込み処理(#36)後、改めて荷重を演算する(#1B)。本ケースの場合、所定時間T(=t4)は非常に短時間であるので、#1にて演算した荷重を用いても大きな問題はない。しかし、ノイズ等の影響を排除する場合に、再度#1Bで演算した荷重を用いると好適である。次に#4Bにおいて、しきい値Xに基づいて、#1で演算した荷重の大きさを評価する(#41)。荷重がしきい値X以上の場合には、大人であると判定する(#42)。一方、#41において荷重がしきい値X未満の場合には、子供であると判定する(#43)。この一連の処理は、図15のケースに相当するものである。
#30により判別状態が「子供」と確認された場合は、#31bによりオン又はオフの信号を判定し、オフの場合は所定時間Tとして時間t2を設定する(#35b)。次にしきい値Xに基づいて、#1で演算した荷重の大きさを評価する(#41)。荷重がしきい値X未満の場合には、子供であると判定する(#43)。この判定結果は、従前の判別結果と同様であるので、これをそのまま判別結果として出力する。
一方、#41において荷重がしきい値X以上の場合には、大人であると判定する(#42)。この場合は従前の判別結果と異なるため、#37において先に設定した所定時間T(=t2)が経過するまで判別結果を更新せず、従前の判別結果を維持する。尚、この期間中に割り込みが発生した場合(#36)には、所定時間Tの経過を待たず、次の処理(#1B)へ移行する。
所定時間T(=t2)の経過(#37)後、又は割り込み処理(#36)後、改めて荷重を演算する(#1B)。#1で演算した荷重に対する#41での判定結果を乗員判別の結果として用いることが懸念されたために所定時間Tの経過を待った。従って、改めて所定時間T経過後の荷重に対して処理#4Bにて#41の判定を実施する。この一連の処理は、図13のケースに相当するものである。
一方、#31bによるオン又はオフの信号の判定が、オンの場合は所定時間Tとして時間t3を設定する(#35c)。次にしきい値Xに基づいて、#1で演算した荷重の大きさを評価する(#41)。荷重がしきい値X以上の場合には、大人であると判定する(#42)。この判定結果は、従前のものと異なるため、#37において先に設定した所定時間T(この場合T=t3)が経過するまで待機した後、処理#4Bにて荷重を評価する。尚、この場合の従前の判別結果は、乗員の種別とスイッチセンサ1aの検出結果との組合わせより、異なる種別の判定があれば迅速に更新することが望ましいと考えられるものである。従って、この所定時間t3は上述した所定時間t1よりも短い時間とし、早く再評価を行うようにしている。尚、この所定時間t3は、上述した所定時間t2よりも短い時間であり、所定時間t4と同程度である。また、割り込み発生(#36)に関する処理は上述の通りである。
所定時間T(=t3)の経過(#37)後、又は割り込み処理(#36)後、改めて荷重を演算する(#1B)。所定時間Tがt4の場合と同様、所定時間T(=t3)は非常に短時間であるので、#1にて演算した荷重を用いても大きな問題はない。しかし、ノイズ等の影響を排除する場合に、再度#1Bで演算した荷重を用いると好適である。次に#4Bにおいて、しきい値Xに基づいて、#1で演算した荷重の大きさを評価する(#41)。荷重がしきい値X以上の場合には、大人であると判定する(#42)。一方、#41において荷重がしきい値X未満の場合には、子供であると判定する(#43)。この一連の処理は、図14のケースに相当するものである。
尚、この図17に示したフローチャートにおいて、t1=t2=無限大、t3=t4=ゼロ、とすれば、図16に示したフローチャートと等価となる。従って、図16に示した処理は図17の技術範囲に属するもので、その技術範囲の中の一態様ということができる。
〔乗員判別の第三実施形態〕
以上、これまで、本発明の実施形態を第一実施形態、第二実施形態に分けて説明したが、勿論これらを統合して実施することもできる。システム構成については、図2に示した第一実施形態と、図7に示した第二実施形態とは、ほぼ等価な構成である。従って、図4、図6、図17に示した処理を統合して、図7(図2)に示したシステム構成の判断手段3にこの処理を実行させれば、容易に実施することができる。
図18は、図4と図6と図17とに示した処理を統合した処理により乗員を判別する手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、状態検出手段1の検出結果に応じて異なる判別条件と、荷重計測手段2の計測結果とに基づいて乗員の種別を判別すると共に、乗員の着座姿勢の変化による荷重変動に伴い、上記判別条件に基づいて判別される乗員の種別が荷重変動前の種別と異なる種別となる場合、荷重変動前の種別と状態検出手段1の検出結果とに基づいて定める所定時間Tの間、荷重変動前の種別を保持して乗員を判別する手順の一例を示すものである。
図18の処理#1〜#31a及び#31bついては、上述した内容と同様であるので、説明を省略する。
処理#31bにおいて、オンと判定された場合は、図10及び図14に示したように、通常姿勢で着座する子供、又は前かがみの姿勢の大人であると想定できる。従って、図3及び図5に示したように、通常のしきい値(判別条件)であるしきい値A(第一判別条件)をしきい値Xに設定する(#32)。そして、図17と同様に所定時間Tにt3を設定する(#35c)。
処理#31bにおいて、オフと判定された場合は、図9及び図13に示したように、子供が立ち姿勢である場合が想定される。従って、図3及び図5に示したように、通常しきい値よりも大きな荷重を用いるしきい値B(第二判別条件)をしきい値Xに設定する(#33a)。そして、図17と同様に所定時間Tにt2を設定する(#35b)。
処理#31aにおいて、オンと判定された場合は、図8及び図12に示したように、正しく大人と判別されている可能性が高い。従って、図3及び図5に示したように、荷重計測手段2による計測結果が荷重大から荷重小へ変化する場合のしきい値C(第三判別条件)をしきい値Xに設定する(#34)。そして、図17と同様に所定時間Tにt1を設定する(#35a)。
処理#31aにおいて、オフと判定された場合は、図11及び図15に示したように、子供が立ち姿勢であって大人と判別されている可能性が高い。従って、図3及び図5に示したように、通常しきい値よりも大きな荷重を用いるしきい値B(第二判別条件)をしきい値Xに設定する(#33b)。そして、図17と同様に所定時間Tにt4を設定する(#35d)。
以下、#4a、#4b以降の処理については、図17に基づいて説明した内容と同様であるので説明を省略する。このように、第一実施形態と第二実施形態とを統合して実施すれば、精度の良い乗員判別が実現できると共に、異なる種別として判別した場合でも正しい種別への復帰を迅速に行うことができる。主に、第一実施形態の作用により、精度の良い乗員判別が実現でき、第二実施形態の作用により正しい判別結果を維持すると共に、異なる種別として判別した場合の復帰を迅速化できる。以下、この効果の一例について説明する。
例えば、図9及び図13において、しきい値Xを通常しきい値Aに固定したままであると、(d)及び(e)に示したように子供であるにも拘わらず、大人と判別する可能性がある。このため、第二実施形態では、(c)に示した従前の判定(判別)結果を保持し、判別結果としてこれを一定期間維持した。しかし、これに第一実施形態の構成を加えることにより、しきい値Xを通常しきい値Aよりも大きな荷重を用いるしきい値Bに変更することができる。その結果、第一実施形態の効果を得ることができ、子供であるにも拘わらず、大人と判断することなく、正しく子供と判別することができる。
以上、説明したように本発明によって、車両用シートの荷重の掛かる部分に対して少ない数の荷重センサによって検出される荷重データを用いて正確な乗員判別を行うことのできる車両の乗員判別装置を提供することができる。
本発明に係る車両の乗員判別装置の設置形態の一例を示すブロック図 本発明に係る車両の乗員判別装置のシステム構成例を示すブロック図 状態検出手段の検出結果に応じて異なる判別条件と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する原理を説明する図 状態検出手段の検出結果に応じて異なる判別条件と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する手順の一例を示すフローチャート 荷重計測手段によって計測された荷重と、判別条件との関係を示す図 計測結果が荷重小から荷重大へ変化する場合と、荷重大から荷重小へ変化する場合とで異なる判別条件に基づいて乗員を判別する手順の一例を示すフローチャート 本発明に係る車両の乗員判別装置のシステム構成例を補足するブロック図 従前の判別結果と、状態検出手段の検出結果と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する第一のケースを説明する図 従前の判別結果と、状態検出手段の検出結果と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する第一のケースを説明する図 従前の判別結果と、状態検出手段の検出結果と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する第一のケースを説明する図 従前の判別結果と、状態検出手段の検出結果と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する第一のケースを説明する図 従前の判別結果と状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する第一のケースを説明する図 従前の判別結果と状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する第二のケースを説明する図 従前の判別結果と状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する第三のケースを説明する図 従前の判別結果と状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する第四のケースを説明する図 従前の判別結果と、状態検出手段の検出結果と、荷重計測手段の計測結果とに基づいて乗員を判別する手順の一例を示すフローチャート 従前の判別結果と状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、従前の判別結果を維持して乗員を判別する手順の一例を示すフローチャート 図4と図6と図17とに示した処理を統合した処理により乗員を判別する手順の一例を示すフローチャート
符号の説明
1 状態検出手段
1a スイッチセンサ
2 荷重計測手段
2a、2b 荷重センサ
3 判別手段(CPU)

Claims (6)

  1. 車両用シートに掛かる荷重に基づいて前記車両用シート上の乗員の種別を判別する車両の乗員判別装置であって、
    前記車両用シートにおける前記乗員の着座状態を検出する状態検出手段と、
    前記乗員の着座によって前記車両用シートに掛かる荷重を計測する荷重計測手段と、
    前記乗員が大人であるか子供であるかを判別する判別条件と、前記荷重計測手段の計測結果とに基づいて前記乗員の種別を判別する判別手段と、を備え、
    この判別手段は、前記状態検出手段の検出結果に応じて異なる前記判別条件に基づいて、前記乗員の種別を判別する車両の乗員判別装置。
  2. 前記判別手段は、前記荷重計測手段の計測結果が荷重小から荷重大へ変化する場合と、荷重大から荷重小へ変化する場合とによって異なる前記判別条件に基づいて前記乗員の種別を判別する請求項1に記載の車両の乗員判別装置。
  3. 前記荷重計測手段は、前記車両用シートの後部側に掛かる荷重を計測するものであり、
    前記状態検出手段は、前記車両シートの前部側における前記乗員の身体の存在を検出するものであり、
    前記判別手段は、前記状態検出手段が前記乗員の身体の存在を検出している場合には第一判別条件に基づいて、前記状態検出手段が前記乗員の身体の存在を検出していない場合には前記第一判別条件よりも大きな荷重を用いる第二判別条件に基づいて、前記乗員の種別を判別する請求項1に記載の車両の乗員判別装置。
  4. 車両用シートに掛かる荷重に基づいて前記車両用シート上の乗員の種別を判別する車両の乗員判別装置であって、
    前記車両用シートにおける前記乗員の着座状態を検出する状態検出手段と、
    前記乗員の着座によって前記車両用シートに掛かる荷重を計測する荷重計測手段と、
    前記乗員が大人であるか子供であるかを判別する判別条件と、前記荷重計測手段の計測結果とに基づいて前記乗員の種別を判別する判別手段と、を備え、
    この判別手段は、前記乗員の着座姿勢の変化による荷重変動に伴い、前記判別条件に基づいて判別される前記乗員の種別が荷重変動前の種別と異なる種別となる場合、前記荷重変動前の種別と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、前記荷重変動前の種別を保持する車両の乗員判別装置。
  5. 前記荷重計測手段は、前記車両用シートの後部側に掛かる荷重を計測するものであり、
    前記状態検出手段は、前記車両シートの前部側における前記乗員の身体の存在を検出するものである請求項4に記載の車両の乗員判別装置。
  6. 車両用シートに掛かる荷重に基づいて前記車両用シート上の乗員の種別を判別する車両の乗員判別装置であって、
    前記車両用シートにおける前記乗員の着座状態を検出する状態検出手段と、
    前記乗員の着座によって前記車両用シートに掛かる荷重を計測する荷重計測手段と、
    前記乗員が大人であるか子供であるかを判別する判別条件と、前記荷重計測手段の計測結果とに基づいて前記乗員を判別する判別手段と、を備え、
    この判別手段は、前記状態検出手段の検出結果に応じて異なる前記判別条件に基づいて、前記乗員の種別を判別すると共に、
    前記乗員の着座姿勢の変化による荷重変動に伴い、前記判別条件に基づいて判別される前記乗員の種別が荷重変動前の種別と異なる種別となる場合、前記荷重変動前の種別と前記状態検出手段の検出結果とに基づいて定める所定時間の間、前記荷重変動前の種別を保持する車両の乗員判別装置。
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