JP2006263739A - 冷間タンデム圧延方法およびその設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートスクラッチや表面汚れのない表面性状に優れた金属ストリップを高い生産性かつ低コストで製造することができる冷間タンデム圧延方法とその設備を提供する。
【解決手段】リサーキュレーションシステムを有する4スタンド以上の圧延機からなる冷間タンデム圧延設備における金属ストリップSの圧延であって、各圧延機の入側で金属ストリップSおよびワークロール11t、11bのそれぞれに圧延潤滑油を供給し、出側でワークロール11t、11bに圧延潤滑油を供給する冷間タンデム圧延方法において、少なくとも1スタンド以上の圧延機の出側で圧延潤滑油を前記金属ストリップ面に供給して前記金属ストリップSを冷却し、清浄にするとともに金属ストリップ面の圧延潤滑油付着量を増加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷間タンデム圧延方法およびその設備、特にこれら方法および設備における潤滑方法およびその設備に関する。
冷間タンデム圧延機の潤滑および冷却は、製品の品質、価格および生産性の点から重要である。従来、圧延潤滑油は図4に示すように、圧延機の入側に入側金属ストリップ潤滑油供給ノズル13t、13bおよび入側ワークロール潤滑油供給ノズル14t、14bを配置し、出側に出側ワークロール潤滑油供給ノズル15t、15bを配置している。入側金属ストリップ潤滑油供給ノズル13t、13bは金属ストリップSとワークロール11t、11bとの間に圧延潤滑油を供給し、ロールバイトに導入される圧延潤滑油を供給することを主目的としている。入側ワークロール潤滑油供給ノズル14t、14bはワークロール11t、11bとバックアップロール12t、12bとの間に圧延潤滑油を供給し、ロールバイトに導入される圧延潤滑油を供給することを主目的としている。出側ワークロール潤滑油供給ノズル15t、15bはワークロール11t、11bに圧延潤滑油を直接供給し、ワークロール11t、11bの冷却を主目的としている。
上記冷間タンデム圧延機の潤滑において、潤滑が悪いとヒートスクラッチが発生しやすいし、潤滑が良すぎるとスリップが生じる。ヒートスクラッチとは、ロールバイト内のロールと圧延材との界面温度が上昇し、ロールバイト内で油膜破断が生じた結果発生するワークロールと圧延材との金属接触による焼付き疵のことである。このヒートスクラッチが発生すると、製品の表面欠陥が生じるので製品歩留が低下するばかりか、ヒートスクラッチの生じた圧延機のワークロール組み替えが必要なため生産性が著しく低下するという問題がある。
一般に、ヒートスクラッチ防止に関しては耐焼付き性に優れた圧延潤滑油を使用する方法(例えば、特許文献1参照)や、クーラント量を制御して板やワークロールの温度を低下させる方法(例えば、特許文献2参照)や、ワークロール速度を低減する方法など(例えば、特許文献3参照)がある。いずれの方法もロールバイト内のロールと圧延材との界面温度の上昇を防止するかまたはロールバイト内の界面温度が上昇しても油膜破断が生じないようにするかの方法に関する。しかしながら、耐焼付き性に優れた圧延潤滑油の使用はコストアップの可能性があり、クーラント量の制御による板およびロール温度制御は、効果はあるがその応答性に若干の問題があり、ワークロール速度の低下は生産性が低下するという問題がある。
一方、冷間タンデム圧延機において潤滑状態が良い場合にワークロール速度を増大させたり、圧下率を減少させたり、軟質の金属ストリップを圧延したりすると、スリップが発生しやすい。スリップとはワークロールの周速度の方がロールバイト出口の金属ストリップ速度よりも早くなる現象のことで、このスリップが継続的に発生すると板厚制御精度は悪化するし、スリップが断続的に発生するとチャタリングと呼ばれる金属ストリップに表面模様の板厚の周期的な変動やスリップ疵が生じやすくなる。
これらのヒートスクラッチやスリップが発生すると製品の表面や板厚に欠陥が生じるので製品歩留が低下するばかりか、ヒートスクラッチやスリップ疵の生じた圧延スタンドのワークロール組み替えが必要なため生産性が著しく低下するという問題がある。
また、圧延後のストリップに圧延での摩擦などで生じる鉄粉が多く付着していると、電解洗浄ラインを通っても十分な除去ができず、その後の焼鈍ラインを通すと汚れが発生すると言う問題がある。これを防ぐためには、電解洗浄ラインの速度を落として鉄粉除去効率を上げる必要がある。したがって、これもまた生産性を低下するという問題を招く。
特開平5−98283号公報 特開昭56−111505号公報 特開平6−63624号公報
本発明は、ヒートスクラッチや表面汚れのない表面性状に優れた金属ストリップを高い生産性かつ低コストで製造することができる冷間タンデム圧延方法とその設備を提供することを課題としている。
本発明は、上述した従来法の問題点を解決するものであり、
第1の発明は、リサーキュレーション潤滑システムを有する4スタンド以上の圧延機からなる冷間タンデム圧延設備における金属ストリップの圧延方法であって、各圧延機の入側で金属ストリップおよびワークロールのそれぞれに圧延潤滑油を供給し、出側でワークロールに圧延潤滑油を供給する冷間タンデム圧延方法において、少なくとも1スタンド以上の圧延機の出側で圧延潤滑油を前記金属ストリップ面に供給して前記金属ストリップを冷却し、清浄にするとともに金属ストリップ面の圧延潤滑油付着量を増加することを特徴とする冷間タンデム圧延方法である。
第2の発明は、第1の発明の冷間タンデム圧延方法において、前記圧延機の出側で前記金属ストリップ面に供給するエマルションの濃度が1%以下であることを特徴としている。
第3の発明は、第1または第2の発明の冷間タンデム圧延方法において、前記圧延機の出側で金属ストリップ面に供給する圧延潤滑油(エマルション)供給量が板幅1m当たり片側500L/min以上であることを特徴としている。
第4の発明は、第1〜3の発明のいずれかの冷間タンデム圧延方法において、前記圧延機のワークロール周速度および圧延機出側の金属ストリップ速度を検出し、これらの検出値から先進率を演算し、前記先進率の演算値に応じて圧延機入側の圧延潤滑油供給量を制御し、圧延する金属ストリップの材料の種類および冷延率に応じて予め設定した先進率適正範囲内に先進率を収めることを特徴としている。
第5の発明は、リサーキュレーション潤滑システムを有する4スタンド以上の圧延機からなり、各圧延機の入側に入側金属ストリップ潤滑油供給ノズルおよび入側ワークロール潤滑油供給ノズルを備え、出側に第2ワークロール潤滑油供給ノズルを備えた冷間タンデム圧延設備において、金属ストリップ面に向かうとともに板幅方向に沿って並ぶ複数の出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズルが少なくとも1スタンド以上の圧延機の出側に配置されていることを特徴としている。
第6の発明は、第5の発明の冷間タンデム圧延設備において、前記入側金属ストリップ潤滑油供給ノズルおよび入側ワークロール潤滑油供給ノズルの潤滑油供給量を調節する潤滑油流量調節弁と、前記各圧延機のワークロール周速度を検出するワークロール周速度検出装置と、圧延機出側の金属ストリップ速度を検出する金属ストリップ速度検出装置と、潤滑制御装置とを備えており、前記潤滑制御装置がワークロール周速度検出装置および金属ストリップ速度検出装置からの検出値に基づいて当該圧延機の先進率を演算し、前記先進率の演算値に応じて操作信号を前記潤滑油流量調節弁に出力し、金属ストリップの材料の種類および冷延率に基づいて予め設定した先進率適正範囲内に先進率を収める機能を有することを特徴としている。
第1の発明では、金属粉の除去により洗浄な金属ストリップ面を得ることができ、潤滑油付着量の増加によりヒートスクラッチを防ぐことができる。これにより、表面汚れやヒートスクラッチのない表面性状に優れた金属ストリップを高い生産性かつ低コストで製造することができる。
第2の発明では、圧延後の金属ストリップに付着する圧延潤滑油量の増加および金属粉量の低減を図ることができる。また、エマルション中の金属粉量の低減と潤滑油原単位の向上を図ることができる。
第3の発明では、潤滑油消費量を低減(例えば、従来に比べ約1/2)することができる。
第4の発明では、多品種な金属ストリップでも低速域から高速域までの広範囲にわたって良好な潤滑性を確保することが可能であり、ヒートスクラッチおよびスリップの無い安定した状態で、冷間タンデム圧延を行なうことができる。
第5の発明では、第1の発明を効果的に実施することができる。
第6の発明では、第2〜4の発明を効果的に実施することができる。
本発明では従来と同様に、冷間タンデム圧延設備における金属ストリップの圧延において、図1に示すように、圧延機入側の入側金属ストリップ潤滑油供給ノズル13t、13bが金属ストリップSとワークロール11t、11bとの間に圧延潤滑油を供給し、ロールバイトに導入される圧延潤滑油を供給する。入側ワークロール潤滑油供給ノズル14t、14bはワークロール11t、11bとバックアップロール12t、12bとの間に圧延潤滑油を供給し、ロールバイトに導入される圧延潤滑油を供給する。また、出側ワークロール潤滑油供給ノズル15t、15bが、ワークロール11t、11bに圧延潤滑油を直接供給し、ワークロール11t、11bを冷却する。
本発明では更に、少なくとも1スタンド以上の圧延機の出側で出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズル16t、16bにより、圧延潤滑油を金属ストリップ面に供給して金属ストリップSを冷却し、清浄にするとともに金属ストリップ面の圧延潤滑油付着量を増加する。出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズル16t、16bの位置は、圧延機出側直後に限定されるものではなく、当該圧延スタンド出側から次圧延スタンド入側までの間であれば良い。しかし、圧延機出側に近い方が鋼板温度が高く、また圧延後の時間が短いほどプレートアウト効率および鉄粉除去効率が良いので、圧延機出側に近い方が好ましい。なお、出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズル16t、16bに供給した圧延潤滑油が圧延後の金属ストリップSにかからないように、出側金属ストリップ潤滑油洗浄・供給ノズル16t、16bの後に水切り板18を設けるとよい。
以下、エマルションの濃度および供給量に関する実験について説明する。圧延機は4Hi圧延機であり、ワークロールの直径は200mm、胴長は800mmであり、図1に示す潤滑油供給ノズルを備えている。潤滑油は牛脂系圧延潤滑油を原液としたエマルションであり、温度50℃である。金属ストリップは板厚1mm、板幅400mmの低炭素鋼であり、圧下率30%、圧延速度100m/minの3パス圧延を行った。エマルションの濃度を0.1〜5%まで変化させ,3パス圧延後の板表面に付着した鉄粉量および油付着量とエマルションの濃度の関係を調査した。ただし、エマルションの濃度に応じて供給量を変化させ、圧延機入側で鋼ストリップの単位面積当り圧延潤滑油原液の供給量は一定となるようにした。出側の板に供給する圧延潤滑油の量を板幅1m当たり片側500L/minとした。
図2に実験結果を示す。図2は、3%エマルションの場合を基準にした場合の値を示している。実験結果から、潤滑油の濃度が1%以下になると鉄粉付着量は減少すること、圧延潤滑油付着量が増大すること、および0.5%以下になると油付着量は減少することが明らかとなった。
また、エマルションの濃度を1%とし、圧延機出側の鋼ストリップへの圧延潤滑油供給量を変化させた。その結果、圧延機出側の鋼トリップへの圧延潤滑油供給量を板幅1m当たり片側500L/min未満だと鉄粉の付着量は増大し、鋼ストリップ表面の十分な清浄度が得られないことが明らかとなった。
以上の実験結果から、本発明では圧延潤滑油濃度は1%以下が好ましく、圧延潤滑油供給量を板幅1m当たり片側500L/min以上が好ましいとした。また、更に好ましくは、圧延潤滑油濃度は0.5%以上が望ましいことがわかった。
図3は、本発明の冷間タンデム圧延方法の実施に用いられる冷間タンデム圧延設備を模式的に示す設備概略図である。図3で図1に示す参照符号(数字)と同じ参照符号(数字)の装置、部材は、図1のものと同様の装置、部材であり、その詳細な説明は省略する。
冷間タンデム圧延設備1は4スタンドの圧延機10a〜10dから構成されており、この例ではすべて同じ型式の4重圧延機である。各圧延機10a〜10dのワークロール11a〜11dはスピンドルが連結されており電動機(いずれも図示しない)によって駆動されている。これらのワークロール寸法は直径が500〜560mm(上下ワークロールのペア差は0.1mm未満)、胴長が2200mmの鍛鋼ロールで、ヤング率は210GPaである。また、板形状制御手段として上下ワークロールチョックを支点として上下ワークロールの垂直方向の撓みを制御するためのインクリースおよびディクリースベンダー力を付与することが可能なベンダー装置(図示しない、最大ベンダー力:500kN/chock)が具備されている。バックアップロール12a〜12dは、直径が1450〜1500mm(上下バックアップロールのペア差は1mm未満)、胴長が2200mmの鍛鋼ロールである。上バックアップロールチョック上部には、荷重検出装置(図示しない)が配置され、ワークサイドおよびドライブサイドの荷重が検出される。また、荷重検出装置の上部には電動圧下装置(図示しない)が配置されており、金属ストリップSを圧延する際のパスライン調整が行われる。さらに、下バックアップロールチョック下部には、圧延力を付与するための油圧圧下装置(図示しない)が配置されている。
冷間タンデム圧延設備1は、所定の潤滑油濃度に調整された圧延潤滑油を貯蔵する潤滑油タンク20を備えている。潤滑油タンク20の圧延潤滑油は圧延機入側および出側に供給される。潤滑油タンク20に潤滑油供給本管21が接続されており、潤滑油供給本管21に潤滑油ポンプ22が取り付けられている。潤滑油供給本管21に接続された潤滑油供給主管23は、入側潤滑油供給分岐管24a〜24dおよび出側潤滑油供給分岐管26a〜26dに分かれている。
入側潤滑油供給分岐管24a〜24dには、入側金属ストリップ潤滑油供給管31a〜31dおよび入側ワークロール潤滑油供給管35a〜35dがそれぞれ接続されている。入側金属ストリップ潤滑油供給管31a〜31dに潤滑油流量調節弁32a〜32dおよびヘッダー33a〜33dが取り付けられており、入側ワークロール潤滑油供給管35a〜35dに潤滑油流量調節弁36a〜36dおよびヘッダー37a〜37dが取り付けられている。ヘッダー33a〜33dには複数の前記入側金属ストリップ潤滑油供給ノズル13a〜13dが、ヘッダー37a〜37dには複数の前記入側ワークロール潤滑油供給ノズル14a〜14dがそれぞれ板幅方向に沿って設けられている。
出側潤滑油供給分岐管26a〜26dには、潤滑油流量調節弁27a〜27でが設けられている。出側潤滑油供給分岐管26a〜26cには、出側ワークロール潤滑油供給管41a〜41cおよび出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給管44a〜44cが接続されており、出側潤滑油供給分岐管26dには出側ワークロール潤滑油供給管41dだけが接続されている。出側ワークロール潤滑油供給管41a〜41dにヘッダー42a〜42dが取り付けられており、出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給管44a〜44cにヘッダー45a〜45cが取り付けられている。ヘッダー42a〜42dには複数の出側ワークロール潤滑油供給ノズル15a〜15dが、ヘッダー45a〜45cには複数の出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズル16a〜16cがそれぞれ板幅方向に沿って設けられている。出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズル16a〜16cは、金属ストリップ面に供給して金属ストリップSを冷却し、清浄にするとともに金属ストリップ面の圧延潤滑油付着量を増加する。図3に示すように第4圧延機10dには、出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズルは設けられていないが、圧延条件によってはヘッダーおよび出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズルを設けてもよい。
冷間タンデム圧延設備1は、コンピューターからなる潤滑制御装置50を備えている。また、圧延機10a〜10dの出側に、金属ストリップ速度検出装置52a〜52dが配置されており、ワークロール11a〜11dには回転速度検出装置(図示しない)が取り付けられている。圧延機出側の金属ストリップ速度およびワークロール回転速度の検出値は潤滑制御装置50に出力される。潤滑制御装置50には、潤滑油供給量と先進率との関係が圧延材の種類や冷延率毎にテーブルとして予め格納されている。潤滑制御装置50はこれら検出値に基づいて先進率を演算し、圧延機入側の潤滑油流量調節弁24a〜24dに操作信号を出力し、予め設定した先進率適正範囲内に先進率が収まるように潤滑油供給量を調整する。圧延機出側の潤滑油流量調節弁27a〜27dは、圧延条件に応じて予め設定された潤滑油供給量となるように調整され、一定に保持される。
本発明は鋼、またはチタン、アルミニウム、銅もしくはこれらの合金からなる金属ストリップの冷間タンデム圧延に適用される。また、本発明は上記形態に限られるものではない。例えば、圧延機は4重圧延機以外の6重圧延機などでも良く、また圧延タンド数も5または6であってもよい。
図3に示す冷間タンデム圧延設備を用い、金属ストリップSとして低炭素鋼板を圧延した実験例を示す。金属ストリップSは、熱間圧延後に酸洗設備で表面の酸化スケールが除去されており、板幅は1240mm、第1圧延機10aの入側板厚は3.0mmである。各圧延機10a〜10dの入側では、入側金属ストリップ潤滑油供給ノズル13a〜13dからロールバイトに、入側ワークロール潤滑油供給ノズル14a〜14dからワークロール11a〜11dにそれぞれ圧延潤滑油(牛脂油をベース油とする牛脂系圧延潤滑油の1%エマルション、温度50℃)を供給する。各圧延機10a〜10dの出側では出側ワークロール潤滑油供給ノズル15a〜15dからワークロール11a〜11dに、また最終段圧延機10dを除く圧延機10a〜10cの出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズル16a〜16cから金属ストリップSに入側と同じエマルションを供給する。
上記冷間タンデム圧延設備1および金属ストリップSを用いて、圧延潤滑油供給量についての実験を行った。従来技術としては同じ圧延潤滑油でエマルション濃度3%、出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズルからの潤滑油供給は行なわなかった。新油から実験を始め、上記金属ストリップコイル(平均単重15ton)を5000本圧延した。500本圧延する毎にタンク内のエマルション濃度およびエマルション量を調査し、消費され不足した油と水を追加した。基本圧延条件を表1に示す。
Figure 2006263739
実験の結果、従来の油消費量(補充分、フィルターにおける油分持ち去りも含む)を基準にした場合、本発明では消費量は従来の半分であった。また、エマルション中の鉄粉濃度(電磁フィルターによる鉄粉除去含む)も従来の約半分になった。圧延後の鉄粉付着量は3/4になり正常な金属ストリップ面が得られた。圧延潤滑過多によりスリップおよび圧延潤滑不足によるヒートスクラッチも生じなかった。
本発明の冷間タンデム圧延方法の実施に用いられる圧延潤滑油供給装置を模式的に示す概略図である。 エマルション濃度と油付着量および鉄粉付着量との関係を示すグラフである。 本発明の冷間タンデム圧延方法の実施に用いられる冷間タンデム圧延設備を模式的に示す設備概略図である。 従来の冷間タンデム圧延方法の実施に用いられる圧延潤滑油供給装置を模式的に示す概略図である。
符号の説明
1 冷間タンデム圧延設備
10 圧延機
11 ワークロール
12 バックアップロール
13 入側金属ストリップ潤滑油供給ノズル
14 入側ワークロール潤滑油供給ノズル
15 出側ワークロール潤滑油供給ノズル
16 出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズル
18 水切り板
20 潤滑油タンク
21 潤滑油供給本管
22 潤滑油ポンプ
23 潤滑油供給主管
24 入側潤滑油供給分岐管
27、32、36 潤滑油流量調節弁
31 入側金属ストリップ潤滑油供給管
37、42、45 ヘッダー
35 入側ワークロール潤滑油供給管
41 出側ワークロール潤滑油供給管
44 出側金属ストリップ洗浄・潤滑油供給管
50 潤滑制御装置
52 金属ストリップ速度検出装置

Claims (6)

  1. リサーキュレーション潤滑システムを有する4スタンド以上の圧延機からなる冷間タンデム圧延設備における金属ストリップの圧延であって、各圧延機の入側で金属ストリップおよびワークロールのそれぞれに圧延潤滑油を供給し、出側でワークロールに圧延潤滑油を供給する冷間タンデム圧延方法において、少なくとも1スタンド以上の圧延機の出側で圧延潤滑油を前記金属ストリップ面に供給して前記金属ストリップを冷却し、清浄にするとともに金属ストリップ面の圧延潤滑油付着量を増加することを特徴とする冷間タンデム圧延方法。
  2. 前記圧延機の出側で前記金属ストリップ面に供給するエマルションの濃度が1%以下であることを特徴とする請求項1記載の冷間タンデム圧延方法。
  3. 前記圧延機の出側で金属ストリップ面に供給する圧延潤滑油(エマルション)供給量が板幅1m当たり片側500L/min以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷間タンデム圧延方法。
  4. 前記圧延機のワークロール周速度および圧延機出側の金属ストリップ速度を検出し、これらの検出値から先進率を演算し、前記先進率の演算値に応じて圧延機入側の圧延潤滑油供給量を制御し、圧延する金属ストリップの材料の種類および冷延率に応じて予め設定した先進率適正範囲内に先進率を収めることを特徴とする請求項1、2または3記載の冷間タンデム冷間圧延方法。
  5. リサーキュレーション潤滑システムを有する4スタンド以上の圧延機からなり、各圧延機の入側に入側金属ストリップ潤滑油供給ノズルおよび入側ワークロール潤滑油供給ノズルを備え、出側に出側ワークロール潤滑油供給ノズルを備えた冷間タンデム圧延設備において、金属ストリップ面に向かうとともに板幅方向に沿って並ぶ複数の金属ストリップ洗浄・潤滑油供給ノズルが少なくとも1スタンド以上の圧延機の出側に配置されていることを特徴とする冷間タンデム圧延設備。
  6. 前記入側金属ストリップ潤滑油供給ノズルおよび入側ワークロール潤滑油供給ノズルの潤滑油供給量を調節する潤滑油流量調節弁と、前記各圧延機のワークロール周速度を検出するワークロール周速度検出装置と、圧延機出側の金属ストリップ速度を検出する金属ストリップ速度検出装置と、潤滑制御装置とを備えており、前記潤滑制御装置がワークロール周速度検出装置および金属ストリップ速度検出装置からの検出値に基づいて当該圧延機の先進率を演算し、前記先進率の演算値に応じて操作信号を前記潤滑油流量調節弁に出力し、金属ストリップの材料の種類および冷延率に基づいて予め設定した先進率適正範囲内に先進率を収める機能を有することを特徴とする請求項5記載の冷間タンデム圧延設備。
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