JP2006263557A - 不要埋蔵物の掘削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不要埋蔵物を除去した後に、地盤中に壁を残すことがないようにした不要埋蔵物の除去方法を提供する。
【解決手段】 掘削対象領域に掘削孔Hを形成する際、掘削孔Hの周囲に凍結管1を埋設し、凍土壁Rを形成する。凍土壁Rにより、地下水の流入を防止しながら掘削孔Hの掘削を行う。掘削孔Hの内側面にはライナープレート2を取り付けることにより、掘削孔Hの孔壁を保護する。掘削孔Hの掘削が終了して汚染土壌を除去し、良質土壌で掘削孔Hを埋め戻した後、凍土壁Rを解凍させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 掘削対象領域に掘削孔Hを形成する際、掘削孔Hの周囲に凍結管1を埋設し、凍土壁Rを形成する。凍土壁Rにより、地下水の流入を防止しながら掘削孔Hの掘削を行う。掘削孔Hの内側面にはライナープレート2を取り付けることにより、掘削孔Hの孔壁を保護する。掘削孔Hの掘削が終了して汚染土壌を除去し、良質土壌で掘削孔Hを埋め戻した後、凍土壁Rを解凍させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、地盤中に埋蔵された自然由来または人為的な不要埋蔵物を除去するための地盤中における不要埋蔵物の除去方法に関する。
たとえば、地盤に構造物を構築する際、地盤中には、過去に廃棄された兵器・毒ガスなどの不要埋蔵物や自然に発生した砒素などの自然由来の不要埋蔵物が埋まっており、このような不要埋蔵物を除去する必要がある。また、不要埋蔵物を除去するため、この不要埋蔵物が埋蔵される地盤を掘削して除去することが考えられるが、この掘削を行う領域について、地下水の流入を防止する必要がある。そこで、不要埋蔵物が埋蔵される領域の周囲に壁を形成して地下水の流入を阻止し、その壁の内側を掘削して除去することが考えられる。
このような壁を構築するには、たとえばたとえばSMW(Soil Mixing Wall)工法を用いた方法や、地中連続壁を構築する方法などを用いることが好適となると考えられる。SMW工法は、アースオーガーなどで原位置土とセメントミルクなどを地中で混練して連続したソイルセメント壁を構築した後、このソイルセメント壁に応力材としてH形鋼など設置するというものである。ソイルセメント壁を構築した後は、ソイルセメント壁内に切梁や腹起こしなどを設置しながら、セメントソイル壁内を順次掘り下げることにより、不要埋蔵物を除去することができる。
また、地中連続壁を構築する方法は、地中に安定液を張りながら連続したトレンチ掘削を行い、そのトレンチを型枠代わりにして、鉄筋コンクリートを打設して、地中に連続壁を構築するというものである。地中連続壁を構築した後は、地中連続壁内を順次掘り下げることにより、不要埋蔵物を除去することができる。
その他、従来におけるの土壌浄化方法としては、特開平11−169837号公報に開示されたものがあった。さらに、特殊砲弾処理方法としては、特開2002−310600号公報に開示されたものがある。
特開平11−169837号公報
特開2002−310600号公報
しかし、上記のSMW工法や地中連続壁は、そもそも地中に構造物を設ける際に利用されるものであり、地中に壁を形成することを目的として形成されるものである。このため、たとえば不要埋蔵物を除去した後に、ソイルセメント壁や地中連続壁を除去しようとしても、これらの壁を地盤から除去することができないという問題があった。
また、たとえば低深度の位置に埋蔵された不要埋蔵物を除去するのであれば、鋼矢板で壁を構築し、不要埋蔵物を除去した後に、鋼矢板を除去することも考えられる。ところが、たとえば40m程度の大深度に埋蔵した不要埋蔵物を除去しようとすると、鋼矢板では止水性の高い壁を構築することができないという問題があった。
そこで、本発明の課題は、不要埋蔵物を除去した後に、地盤中に壁を残すことがないようにした不要埋蔵物の除去方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る不要埋蔵物の除去方法は、不要埋蔵物が埋蔵される掘削対象領域の周囲に凍結管を埋設し、凍結管内に冷却液を循環供給して掘削対象領域の周囲における地盤を凍結させて、掘削対象領域の周囲に凍土を形成し、掘削対象領域を掘削して掘削孔を形成することにより、掘削対象領域における不要埋蔵物を除去するものである。
本発明に係る不要埋蔵物の除去方法では、不要埋蔵物が埋蔵される掘削対象領域の周囲を凍結させて凍土を形成して、掘削対象領域を掘削している。このため、凍土が壁となって掘削対象領域への地下水の流入を阻止した状態で不要埋蔵物の除去作業を行うことができる。また、不要埋蔵物の掘削作業が済んだ後は、凍土を解凍することにより、地下水の流入を阻止する壁を取り除くことができる。なお、本発明にいう「不要埋蔵物」とは、地盤中に埋蔵された人為的な兵器、毒ガス、汚染土壌、廃棄物と、自然由来の砒素などの有害物質などが含有された土壌などを含むものである。
ここで、掘削孔の孔壁に孔壁保護部材を設ける態様とすることができる。掘削孔の孔壁に孔壁保護部材を設けることにより、掘削孔の崩落を防止することができる。
また、掘削孔の掘削の進行に伴って孔壁保護部材を順次形成する態様とすることができる。掘削孔の掘削の進行に伴って孔壁保護部材を順次形成することにより、孔壁保護部材の形成を容易なものとすることができる。
さらに、掘削孔の孔壁に断熱材を設ける態様とすることもできる。掘削孔の孔壁に断熱材を設けることにより、掘削孔内の温度の上昇を防止することができる。したがって、その分不要物の除去を安全な状態で行うことができる。
また、掘削孔が、断面円形である態様とすることができる。掘削孔が断面円形であることにより、地盤中の応力が掘削孔に均等にかかることになるので掘削孔が安定し、掘削孔の崩落の防止に寄与することができる。
さらに、不要物を除去し、掘削孔を埋め戻した後、凍土を解凍する態様とすることもできる。このように、掘削孔を埋め戻した後に凍土を解凍することにより、凍土の解凍中に掘削孔が崩落することがなく、安全な状態で凍土の解凍を行うことができる。
このとき、凍土の解凍を、強制解凍によって行うことができる。凍土の解凍を強制解凍によって行うことにより、短時間で凍土の解凍を行うことができる。
または、凍土の解凍を、自然解凍によって行うこともできる。凍土の解凍を自然解凍によって行うことにより、凍土を強制解凍するための手段が不要となる。
さらに、地表面における掘削孔上部開口を含む位置にヤードを設置し、ヤード内を負圧状態に維持する態様とすることもできる。このように、掘削孔上部開口を含む位置にヤードを設置し、ヤード内を負圧に維持することにより、ヤードの外に空気が漏れることを防止することができる。
本発明によれば、不要埋蔵物を除去した後に、地盤中に壁を残すことがないようにした不要埋蔵物の除去方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。図1は、本発明の実施形態に係る不要埋蔵物の除去方法を行っている状態を示す断面図、図2はその平面図である。
図1に示すように、地盤Gには、掘削対象領域となる位置に6m程度の径を有する掘削孔Hが形成されている。掘削孔Hには、本発明の不要埋蔵物である汚染土壌が埋蔵されている。本実施形態では、掘削孔Hが形成される位置に埋蔵された汚染土壌を除去する。掘削孔Hの周囲であって、掘削孔Hの外周からほぼ1m程度外側位置に、複数の凍結管1が埋設されている。この凍結管1にブライン(冷却液)が循環供給されることによって、凍土壁Rが形成され、凍結状態を維持されている。
凍結管1は、ボーリングによって形成された孔に挿入される形で配設されており、大深度、たとえば55m程度の深さに至るまで埋設されており、凍結管1は、不透水層に至る深さまで到達している。また、複数の凍結管1は、ほぼ2m幅のリング状の位置に千鳥に配置され、全体として円形となるように配置されている。したがって、凍結管1にブラインを循環供給することにより、掘削孔Hの周囲に断面円形の凍土壁Rが形成される。
掘削孔Hの孔壁には、本発明の孔壁保護部材であるライナープレート2が取り付けられている。ライナープレート2は、図3に示すように、掘削孔Hと略同径の円筒形を3分割または4分割した形状をなしており、掘削孔H内でライナープレート2同士をボルトなどで締結することによって掘削孔Hの孔壁を保護し、地盤の崩落を防止している。また、ライナープレート2の裏面側には、断熱材3が取り付けられている。このため、ライナープレート2を掘削孔Hに設けることにより、ライナープレート2と掘削孔Hとの間に断熱材3が配置される。この断熱材3により、掘削孔H内の熱の上昇を防止している。また、掘削孔Hの周囲には、凍結管1と並んで測温管4が埋設されている。この測温管4で凍土壁Rの温度をリアルタイムで計測している。
さらに、地盤Gにおける掘削孔Hが形成されている位置の地表面には、掘削ヤード用テント10が設けられており、掘削ヤード用テント10に隣接する位置には、積み込みヤード用テント20が設けられている。掘削ヤード用テント10内では、掘削孔H内にバックホウ11が配置されており、掘削孔Hの近傍位置における地表面にクローラクレーン12が配置されている。バックホウ11は遠隔操作可能であり、図示しない作業員が地上から遠隔操作を行うことによって、掘削孔Hの掘削作業を行っている。バックホウ11によって掘削された汚染土壌は、クローラクレーン12によって地上に引き上げられる。掘削ヤード用テント10内には、移動可能コンテナ13が配置されており、クローラクレーン12によって引き上げられた汚染土壌は、移動可能コンテナ13に搭載され、積み込みヤード用テント20へ搬送される。
また、掘削ヤード用テント10には、集塵機14が隣接されており、集塵機14に接続された吸気管15,16が掘削ヤード用テント10内に配置されている。第一吸気管15は、掘削孔Hの掘削面近傍にその吸気口が配置されており、掘削作業によって生じる塵埃などを集塵している。また、第二吸気管16は、掘削ヤード用テント10内の地上位置にその吸気口が配置されており、掘削ヤード用テント10内のエアの清浄を行っている。こうして、集塵機14によって掘削ヤード用テント10内のエアを吸引することにより、掘削ヤード用テント10内は大気圧よりも負圧となる状態に維持されている。
さらに、掘削ヤード用テント10に隣接する位置には、冷凍機17が配置されている。冷凍機17は、凍結管1に対して、ブラインを循環供給している。また、掘削ヤード用テント10にはエアシャワー室18が設けられており、作業員が掘削ヤード用テント10を出る際に、エアシャワーを浴びることができるようになっている。さらに、掘削ヤード用テント10と積み込みヤード用テント20との間には、移動可能コンテナ13が通過する通路19が設けられている。
また、積み込みヤード用テント20には、小型バックホウ21およびミニクレーン22が搬入されており、小型バックホウ21とミニクレーン22との間には、多数のドラム缶23が載置されている。移動可能コンテナ13によって掘削ヤード用テント10から搬送された汚染土壌は、小型バックホウ21によって移動可能コンテナ13からドラム缶23に移動させられる。汚染土壌が詰め込まれていっぱいになったドラム缶23は、ミニクレーン22によってトラック24に積載される。トラック24は、ドラム缶23をいっぱいに搭載した後、仮置きヤード25にドラム缶23を搬送する。
さらに、積み込みヤード用テント20にも、掘削ヤード用テント10と同様、隣接する位置に集塵機26が設けられ、積み込みヤード用テント20内の空気を吸引して積み込みヤード用テント20内が大気圧よりも負圧に維持されている。また、エアシャワー室27が設けられ、作業員が積み込みヤード用テント20を出る前にエアシャワーを浴びることができる。
以上の状態で行われる汚染土壌の除去方法について説明する。図4は、汚染土壌の除去が行われる工程示すフローチャートである。汚染土壌の除去について、この図4に示すフローを追いながら、図5〜図8に示す図を参照して説明する。
汚染土壌が埋蔵された地盤Gにおいて、汚染土壌を除去するための掘削孔を形成する位置および範囲が決まったら、図5(a)に示すように、掘削予定範囲Eの周囲に凍結管1を埋設する(S11)。凍結管1を埋設するため、凍結管1の埋設位置に図示しないボーリングマシンを用いてボーリング孔を形成し、このボーリング孔に凍結管1を埋設する。凍結管1は、たとえば不透水層がある55mの深さ位置まで埋設する。
このとき、凍結管1は、平面視した状態でリング状の範囲に千鳥に配置する。このように凍結管1を配置することにより、凍土壁Rをリング状に形成することができる。凍土壁Rをリング状とすることにより、いわゆるリング効果によって構造設計上有利なものとなる。また、リング効果を有することから、土留め支保工を不用なものとすることができる。さらに、凍結管1を千鳥に配置することにより、凍土壁Rを均等な厚さに形成することができる。
こうして凍結管1を埋設したら、冷凍機17の運転を開始し、凍結管1にブラインを循環供給して掘削予定範囲Eの周囲に凍土壁Rを造成する(S12)。凍土壁Rを造成する間、測温管4では、凍土壁Rの温度をリアルタイムで計測している。測温管4で凍土壁Rの温度をリアルタイムで計測することにより、凍土壁Rが所定の厚さに造成されたことが確認された時点から、掘削孔Hの掘削作業を開始する。このように、掘削予定範囲Eの周囲に凍土壁Rを構築することにより、掘削孔Hに対する地下水の流入を防止する。なお、汚染土壌の状況などによって地中埋蔵物の探査調査が必要な場合には、非破壊地中レーダなどを導入し掘削に先立って調査推測してから掘削作業を開始するようにしてもよい。また、凍土壁Rを造成する際、深度が深い位置の方が、凍土厚が厚くなる傾向にあるので、深度の深い位置には比較的温度の高いブラインを供給する態様とすることもできる。
凍土壁Rを造成する一方、地上における掘削孔Hを取り囲む位置には、掘削ヤード用テント10を設置するとともに、掘削ヤード用テント10に隣接する位置に積み込みヤード用テント20を立設する(S21)。これらのテント10,20を設置したら、通路19や集塵機14,26、さらにはバックホウ11やクローラクレーン12などを順次設ける。
こうして、冷凍機17を運転して凍土壁Rを所定の厚さに造成し、テント10,20などの設置が完了したら、図5(b)に示すように、掘削孔Hの掘削を開始する(S31)。掘削孔Hを掘削する際には、バックホウ11およびクローラクレーン12が利用される。バックホウ11は、掘削孔H上に配置され、遠隔操作によって無人状態で掘削孔Hの掘削作業を行う。
バックホウ11によって掘削された汚染土壌は、バックホウ11からクローラクレーン12に受け渡される。クローラクレーン12では、バックホウ11から受け取った汚染土壌を地上まで揚送し、移動可能コンテナ13に積み込む。この間、測温管4では、凍土壁Rの温度を随時監視している。
一方、地上においては、クローラクレーン12で引き上げられた汚染土壌(掘削土)の処理作業が行われる。クローラクレーン12で引き上げられた汚染土壌は、移動可能コンテナ13に搭載され、通路19を通って積み込みヤード用テント20に搬送される。積み込みヤード用テント20では、移動可能コンテナ13に搭載された汚染土壌を小型バックホウ21でドラム缶23に詰め込む作業を行う。こうしてドラム缶23が汚染土壌でいっぱいになったら、ドラム缶23に蓋をして密閉し、汚染土壌を密閉容器に詰めた状態とする(S41)。
密閉容器に詰め込まれた汚染土壌は、ミニクレーン22によってトラック24に搭載され、仮置きヤード25に搬送され、仮置きヤード25で保管される(S42)。その後、必要により所定の処理場に搬送等され、処理処分が行われる(S43)
こうして、掘削孔Hの掘削がある程度の深さ位置まで進行したら、図6(a)に示すように、掘削孔Hの孔壁に沿って孔壁に内接する状態でライナープレート2を設置する(S32)。ライナープレート2設置は、掘削孔Hの掘削の進行に伴って順次行われる。ライナープレート2の取り付けは、掘削孔Hの内部の安全を確認した後、防護服を着用した作業員Mが掘削孔H内に入坑し人力によって行われる。このようにライナープレート2を取り付けることにより、掘削孔Hの孔壁の崩落を防止している。
こうして、掘削孔Hの掘削がある程度の深さ位置まで進行したら、図6(a)に示すように、掘削孔Hの孔壁に沿って孔壁に内接する状態でライナープレート2を設置する(S32)。ライナープレート2設置は、掘削孔Hの掘削の進行に伴って順次行われる。ライナープレート2の取り付けは、掘削孔Hの内部の安全を確認した後、防護服を着用した作業員Mが掘削孔H内に入坑し人力によって行われる。このようにライナープレート2を取り付けることにより、掘削孔Hの孔壁の崩落を防止している。
また、ライナープレート2には、断熱材3が設けられているので、ライナープレート2を掘削孔Hの孔壁に取り付けることにより、掘削孔H内の温度が低温に保たれ、たとえば揮発性の汚染物質が埋蔵されている場合でも、その爆発などを防止することができる。
こうして、ライナープレート2を取り付けながら掘削孔Hを掘削していき、掘削孔H内における埋蔵物を確認する(S33)。埋蔵物を確認するにあたり、作業員Mが掘削孔H内に入坑する際には、掘削孔Hの底部の安全性をモニタリングした後に、所定の安全具を装着した作業員Mが掘削孔Hに入坑するようにする。このときに、掘削孔Hの掘削の進行状況や掘削孔Hにおける汚染土壌の状況などを作業員Mが目視によって確認することもできる。
その後、図6(b)に示すように、バックホウ11による掘削が進行して、掘削孔Hが所定の深さ位置まで到達したら、掘削孔Hの掘削作業を終了する。掘削孔の掘削作業が終了したら、図7(a)に示すように、掘削孔Hに良質土壌を埋め戻す(S34)。良質土壌を埋め戻す際には、バックホウ11によって埋め戻しに用いた良質土壌を転圧する。このとき、埋め戻し作業の進行に伴って、ライナープレート2も順次取り外される。このようにして順次掘削孔Hの埋め戻しを行い、図7(b)に示すように、掘削孔Hを完全に埋め戻す。
ここまでの間、冷凍機17からは、凍土壁Rを造成しているときよりも温度のブラインを凍結管1に循環供給し、凍土壁Rが解凍しない温度に凍土壁Rの温度を維持している。それから、掘削孔Hの埋め戻し作業が終了した後、冷凍機17の運転を停止し、冷凍機17から凍結管1に対するブラインの循環供給を停止する。そして、凍結管1および測温管4を撤去し、そのまま放置することにより、凍土壁Rを自然解凍させる(S42)。また、解凍作業を行っている間、テント10,20の撤去作業を行う(S22)。こうして、図8に示すように、テント10,20および凍土壁Rの撤去作業を終了して、汚染土壌の除去を終了する。
このように、本実施形態に係る汚染土壌の除去方法では、汚染土壌を除去して、掘削孔を埋め戻した後、掘削穴に対する地下水の流入を防止するために形成した壁である凍土壁Rを残さないようにすることができる。また、地下水のウォーターレベルの高さにかかわらず、汚染土壌を形成した後に凍土壁Rを解凍させて残さないようにすることができる。
また、本実施形態に係る汚染土壌の除去方法では、SMWを用いた場合のように、汚染土壌とセメントミルクとを混合することなどがないので、有害物質の排出量が少なく、その処分量を少ないものとすることができる。また、汚染物質を破壊することもないので、その処理が容易なものとなる。さらに、掘削孔H内は、凍土に囲まれており、その温度雰囲気が低い状態となっている。このため、汚染土壌の揮発性を抑制できるので、汚染土壌の掘削を安全な状態で行うこともできる。また、掘削孔への地下水の浸入を防止する壁を凍土壁Rで形成しているので、リング状に形成することができる。したがって、リング効果によって切梁などが不用なものとなる。さらには、凍土壁Rは冷凍機および凍結管など簡素な構成を装置で形成することができるので、SMW工法で使用されるような大型の機械を用いないで済ませることができる。
以上、本発明好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、不要埋蔵物が汚染土壌であったが、たとえば地中深くに埋蔵された兵器などであってもよい。この場合、掘削孔を深くまで掘削し、掘削孔の底面を目視しながら掘削を続け、埋蔵された兵器などの不要埋蔵物を見つけて除去することができる。しかも、低温下での作業であることから、兵器の爆発性を抑制することもできる。
また、上記実施形態では、バックホウを掘削孔の内部に配置して掘削作業を行っているが、たとえば掘削孔に沿ってガイドレールを立設し、このガイドレールに沿って上下動するバックホウなどを用いることもできる。さらに、上記実施形態では、凍土壁を解凍する際、自然解凍を行っているが、凍結管1に代えて別途設けた配管に高温の溶液を循環供給して、凍土壁を強制解凍することもできる。
1…凍結管
2…ライナープレート
3…断熱材
4…測温管
10…掘削ヤード用テント
11…バックホウ
12…クローラクレーン
13…移動可能コンテナ
14…集塵機
15…第一吸気管
16…第二吸気管
17…冷凍機
18…エアシャワー室
19…通路
20…積み込みヤード用テント
21…小型バックホウ
22…ミニクレーン
23…ドラム缶
24…トラック
25…仮置きヤード
26…集塵機
27…エアシャワー室
E…掘削予定範囲
G…地盤
H…掘削孔
M…作業員
R…凍土壁
2…ライナープレート
3…断熱材
4…測温管
10…掘削ヤード用テント
11…バックホウ
12…クローラクレーン
13…移動可能コンテナ
14…集塵機
15…第一吸気管
16…第二吸気管
17…冷凍機
18…エアシャワー室
19…通路
20…積み込みヤード用テント
21…小型バックホウ
22…ミニクレーン
23…ドラム缶
24…トラック
25…仮置きヤード
26…集塵機
27…エアシャワー室
E…掘削予定範囲
G…地盤
H…掘削孔
M…作業員
R…凍土壁
Claims (9)
- 不要埋蔵物が埋蔵される掘削対象領域の周囲に凍結管を埋設し、前記凍結管内に冷却液を循環供給して前記掘削対象領域の周囲における地盤を凍結させて、前記掘削対象領域の周囲に凍土を形成し、
前記掘削対象領域を掘削して掘削孔を形成することにより、前記掘削対象領域における不要埋蔵物を除去することを特徴とする不要埋蔵物の除去方法。 - 前記掘削孔の孔壁に孔壁保護部材を設ける請求項1に記載の不要埋蔵物の除去方法。
- 前記掘削孔の掘削の進行に伴って前記孔壁保護部材を順次形成する請求項2に記載の不要埋蔵物の除去方法。
- 前記掘削孔の孔壁に断熱材を設ける請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の不要埋蔵物の除去方法。
- 前記掘削孔が、断面円形である請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の不要埋蔵物の除去方法。
- 不要物を除去し、前記掘削孔を埋め戻した後、前記凍土を解凍する請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の不要埋蔵物の除去方法。
- 前記凍土の解凍を、強制解凍によって行う請求項6に記載の不要埋蔵物の除去方法。
- 前記凍土の解凍を、自然解凍によって行う請求項6に記載の不要埋蔵物の除去方法。
- 地表面における前記掘削孔上部開口を含む位置にヤードを設置し、
前記ヤード内を負圧状態に維持する請求項1〜請求項8のうちのいずれか1項に記載の地盤中における不要埋蔵物の除去方法。
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