JP2006262605A - 充電残り時間算出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザに通知される充電残り時間の精度向上を図る。
【解決手段】電池の電池残量を算出する電池残量算出手段と、電池残量と電池を満充電にするまでの時間である充電時間との関係を保持する充電時間保持手段と、前記電池残量算出手段で算出された電池残量に基づいて、前記充電時間保持手段から前記電池残量算出手段で算出された電池残量に対応する充電時間を予測充電時間として取得する、充電時間予測手段と、前記予測充電時間を初期値とする充電残り時間を時間の経過とともにカウントダウンするカウントダウン手段と、充電されている電池に流れ込む電池充電電流の値を取得する電池充電電流取得手段と、カウントダウンされた前記充電残り時間が所定の時間になった際に前記電池充電電流取得手段で取得した電池充電電流の値に基づいて、前記充電残り時間を補正する充電残り時間補正手段と、前記充電残り時間をユーザに通知する通知手段とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、充電残り時間算出装置に関し、特に、電池を満充電にするまでの時間を高い精度でユーザに通知することのできる充電残り時間算出装置に関する。
ノートパソコンなどの小型の情報端末には、ユーザが持ち運んで任意の場所で使用することができるように、電源として電池を使用できるものが多い。このような情報端末に使用される電池は、ユーザの利便性や、環境問題への配慮などの理由で、充電して何度も使用できる充電可能な電池(二次電池という)を使用していることが多い(例えば、特開2000−165478号公報参照)。
このような充電可能な電池に充電をする際には、その電池が一杯になるまで充電(一般に満充電という)するのに必要な残り時間がわかれば、ユーザにとって便利である。このように残りの充電時間をユーザに知らせることができるようにするために、これまでは、電池にクーロンカウンタを搭載し、その電池の充放電の電流を測定し、これを電池に記録することにより、必要な充電時間や、電池残量の表示をしていた。
特開2000−165478号公報参照
しかし、一般に、クーロンカウンタが搭載された電池は、その体積が大きくなり、またコストが高くなることから、持ち運び可能な小型の情報端末には向かないという問題があった。また、電池の体積を小さくするために、情報端末の本体側にクーロンカウンタを搭載する手法もあり得るが、その場合、電池を一旦取り外したり、電池を交換したりした場合に、残量計算ができなくなり、予備の電池を所持して、電池を取り替えて使用することが想定される情報端末には不向きであった。
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、充電を開始した際の電池の残量に基づいて、満充電になるまでの必要な充電時間を算出し、これをユーザに通知するとともに、充電残り時間が所定の時間になった際に充電残り時間を補正することにより、ユーザに通知される充電残り時間の精度向上を図ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る充電残り時間算出装置は、
電池の電池残量を算出する、電池残量算出手段と、
電池残量と、電池を満充電にするまでの時間である充電時間との関係を保持する、充電時間保持手段と、
前記電池残量算出手段で算出された電池残量に基づいて、前記充電時間保持手段から、前記電池残量算出手段で算出された電池残量に対応する充電時間を予測充電時間として取得する、充電時間予測手段と、
前記予測充電時間を初期値とする充電残り時間を、時間の経過とともにカウントダウンする、カウントダウン手段と、
充電されている電池に流れ込む電池充電電流の値を取得する、電池充電電流取得手段と、
カウントダウンされた前記充電残り時間が所定の時間になった際に、前記電池充電電流取得手段で取得した電池充電電流の値に基づいて、前記充電残り時間を補正する、充電残り時間補正手段と、
前記充電残り時間をユーザに通知する、通知手段と、
を備えることを特徴とする。
この場合、充電残り時間算出装置は、前記充電残り時間が前記所定の時間になった際における、前記充電残り時間に対して増減すべき充電残り時間である充電増減時間と、電池充電電流との関係を保持する、充電増減時間保持手段を、さらに備えており、
前記充電残り時間補正手段は、前記充電増減時間保持手段から、前記電池充電電流取得手段で取得した電池充電電流に対応する充電増減時間を取得し、この充電増減時間をそのときの充電残り時間に加算することにより、補正後の充電残り時間を算出するようにしてもよい。
この場合、電池の電池温度を取得する、電池温度取得手段をさらに備えており、
前記充電残り時間補正手段は、前記電池温度取得手段で取得した電池温度に基づいて、前記充電増減時間を補正するようにしてもよい。
この場合、前記充電時間予測手段は、前記電池温度取得手段で取得した電池温度に基づいて、予測充電時間を補正するようにしてもよい。
この場合、前記電池残量算出手段は、前記電池温度取得手段で取得した電池温度に基づいて、電池残量を補正するようにしてもよい。
また、充電残り時間算出装置は、
充電を開始してから、実際に電池が満充電になるまでに要した時間を取得する、実充電時間取得手段と、
前記実充電時間取得手段で取得した満充電になるまでの時間と、予測充電時間との誤差に基づいて、前記充電時間保持手段を補正する、充電時間補正手段と、
をさらに備えるようにしてもよい。
この場合、前記充電時間補正手段は、前記実充電時間取得手段で取得した満充電になるまでの時間と予測充電時間との間の誤差率を、前記充電時間保持手段に保持されている充電時間に乗算することにより、前記充電時間保持手段を補正するようにしてもよい。
本発明に係る充電残り時間算出装置の制御方法は、
電池の電池残量を算出するステップと、
前記電池残量に基づいて、電池残量と電池を満充電にするまでの時間である充電時間との関係を保持する充電時間保持手段から、前記算出された電池残量に対応する充電時間を予測充電時間として取得するステップと、
前記予測充電時間を初期値とする充電残り時間を、時間の経過とともにカウントダウンするステップと、
カウントダウンされた前記充電残り時間が所定の時間になった際に、充電されている電池に流れ込む電池充電電流の値を取得し、この取得した電池充電電流の値に基づいて、前記充電残り時間を補正するステップと、
前記充電残り時間をユーザに通知するステップと、
を備えることを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、
電池の電池残量を算出するステップと、
前記電池残量に基づいて、電池残量と電池を満充電にするまでの時間である充電時間との関係を保持する充電時間保持手段から、前記算出された電池残量に対応する充電時間を予測充電時間として取得するステップと、
前記予測充電時間を初期値とする充電残り時間を、時間の経過とともにカウントダウンするステップと、
カウントダウンされた前記充電残り時間が所定の時間になった際に、充電されている電池に流れ込む電池充電電流の値を取得し、この取得した電池充電電流の値に基づいて、前記充電残り時間を補正するステップと、
前記充電残り時間をユーザに通知するステップと、
を充電残り時間算出装置に実行させることを特徴とする。
本発明に係る記録媒体は、
電池の電池残量を算出するステップと、
前記電池残量に基づいて、電池残量と電池を満充電にするまでの時間である充電時間との関係を保持する充電時間保持手段から、前記算出された電池残量に対応する充電時間を予測充電時間として取得するステップと、
前記予測充電時間を初期値とする充電残り時間を、時間の経過とともにカウントダウンするステップと、
カウントダウンされた前記充電残り時間が所定の時間になった際に、充電されている電池に流れ込む電池充電電流の値を取得し、この取得した電池充電電流の値に基づいて、前記充電残り時間を補正するステップと、
前記充電残り時間をユーザに通知するステップと、
を充電残り時間算出装置に実行させるためのプログラムが記録されたことを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、本実施形態に係る情報端末10の内部構成の一例を説明するブロック図である。この図1では、情報端末10を、本発明に係る充電残り時間算出装置として動作させるために必要な部分のみを例示的に示している。
この図1に示すように、情報端末10は、充電して複数回使用可能な電池20と、この電池20から電源の供給を受けて動作する負荷であるCPU22と表示装置24とハードディスクドライブ26とを備えて構成されている。さらに、情報端末10は、電池20からの電源の供給を受けて動作する、その他の負荷28を備えている。電池20は、この情報端末10に一体に内蔵されていてもよいし、取り替えたり後付けしたりできるように情報端末10と別体であってもよい。電池20と、これらの負荷との間は、電源ライン30を介して接続されており、この電源ライン30にはスイッチSW10が挿入されている。
本実施形態においては、表示装置24は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されている。また、ハードディスクドライブ26は、書き替え可能な不揮発性記憶装置の一例である。
さらに、この情報端末10は、電源ライン30とは別に、ACアダプタ40がこの情報端末10に接続された場合に、充電を行ったり、各負荷に電源を供給したりするための電源ライン42を備えている。すなわち、情報端末10が、ACアダプタ40を介して、家庭用のコンセント等に接続された場合には、CPU22と表示装置24とハードディスクドライブ26とその他の負荷28は、電源ライン42を介して、ACアダプタから供給される電源で駆動される。したがって、上述したスイッチSW10は、ACアダプタ40が挿入された場合にはオフになり、ACアダプタ40が抜かれた場合はオンになるスイッチである。このスイッチSW10のオン/オフの切り替えは、ACアダプタ40から出力されるAC挿入検出信号により行われる。このAC挿入検出信号は、CPU22にも入力されている。
さらに、電源ライン42には、充電IC50が接続されている。この充電IC50は、ACアダプタ40が情報端末10に挿入された際には、電源ライン42の電源を電池20に供給するとともに、電池20への充電が一杯になった場合、つまり満充電になった場合には、この電池20への電源供給を停止して、充電を終了する。また、本実施形態においては、充電IC50は、電池20への充電が終了した際には、充電オフ信号をCPU22に出力する。さらに、充電IC50は、充電している際に電池20に流れ込む電池充電電流の値を計測し、CPU22に定常的に出力する。
また、電池20は、電池電圧検出部60と、電池温度検出部62とを備えている。電池電圧検出部60は、電池20の電圧を検出し、CPU22に通知する。電池温度検出部62は、電池20の温度を検出し、CPU22に通知する。
CPU22では、これら電池20から取得した電池電圧と電池温度に基づいて、電池20の残量を随時、或いは、所定の間隔で算出し、格納部70に格納する。本実施形態においては、格納部70はCPU22の内部に設けられたRAM(Random Access Memory)により構成されている。
この電池残量の算出手法には、様々なものが考えられるが、本実施形態においては、電池電圧に基づいて定まる電池残量に、電池温度に基づく補正を加えることにより、電池残量を算出する。さらには、電池温度の他に、電池20に対する負荷の状況に応じて、電池残量を補正するようにしてもよい。この場合、電池20に対する負荷は、電池20を流れる電流の量を測定して算出するようにしてもよいし、或いは、この電池20から電源の供給を受けて駆動する各負荷の動作状況を監視して、この動作状況から算出するようにしてもよい。
次に、図2及び図3に基づいて、本実施形態に係る充電時間算出処理について説明する。これら図2及び図3は、本実施形態に係る充電時間算出処理を説明するためのフローチャートを示す図である。本実施形態においては、この充電時間算出処理は、随時或いは所定の時間間隔で、CPU22において実行されている処理である。
図2に示すように、まず、CPU22は、ACアダプタ40による充電が開始したかどうかを判断する(ステップS10)。具体的には、CPU22は、ACアダプタ40が挿入されたことを示すAC挿入検出信号ACが、アダプタ40から出力されているかどうかを判断する。充電が開始されていない場合(ステップS10:NO)には、このステップS10の処理を繰り返して待機する。
一方、充電が開始された場合(ステップS10:YES)には、CPU22は、格納部70に格納されている電池残量を取得する(ステップS12)。続いて、CPU22は、電池20から、電池温度を取得する(ステップS14)。
次に、CPU22は、ステップS14で取得した電池温度に基づいて、この電池温度に対応した充電時間テーブルである温度補正充電時間テーブルを生成する(ステップS16)。具体的には、本実施形態においては、ハードディスクドライブ26に、図4に示すような充電時間テーブルTB10が予め用意され、格納されている。この充電時間テーブルTB10は、電池残量と満充電までの充電時間の関係の代表値を格納したテーブルである。本実施形態においては、電池20がリチウムイオン電池であることを想定しており、このリチウムイオン電池の電池温度が5℃の場合と、25℃の場合と、40℃の場合における、電池残量と満充電までの充電時間の関係が予め格納されている。
図5は、図4の充電時間テーブルTB10をグラフ化したものである。この図5においては、横軸は電池残量(0%〜100%)を表しており、縦軸は満充電までに必要な充電時間(分)を表している。図6は、一般的な、40℃の場合におけるリチウムイオン電池の充電特性の一例を、参考として示すグラフである。この図6からも分かるように、一般に、リチウムイオン電池の充電は、電池残量が少ない間は定電流で充電する。図6では、0分から約50分の間が、定電流で充電されていることを表している。そして、電池電圧が所定の値になった時点(図6では充電開始後約50分の時点)で、定電圧による充電に切り替える。そして、電池20に流れ込む電流がゼロ若しくは所定の値より小さくなった時点で、満充電になったと判断される。このため、充電開始時の電池残量が少ないと定電流による充電時間が長くなり、充電開始時の電池残量が多いと定電流による充電時間が短くなるので、図5及び図6に示すようなグラフとなるのである。
図4に示したように、本実施形態においては、5度、25℃、40℃の3つの温度に対応した充電時間しか用意されていないため、ステップS14で取得した電池温度に対応する充電時間テーブルを、ステップS16で生成する。例えば、ステップS14で取得した電池温度が20℃であった場合、充電時間テーブルTB10の5℃と25℃における充電時間を直線により補完して、20℃の充電時間テーブルを生成する。
ここで、充電時間テーブルTB10における電池残量をZで表し、電池温度Tの場合の充電時間をC(Z,T)と表すこととすると、例えば、電池温度5℃で電池残量30%の場合の充電時間C(30%,5℃)は193分となる。そして、取得した電池温度をTxとし、この電池温度Txを挟む温度をT1、T2(但しT1<T2で、且つ、5℃、25℃、40℃のいずれか)とし、算出する電池残量をZ(Zは、0%、10%…90%、100%)とすると、充電時間C(Z,Tx)は、次の数式(1)で表すことができる。

C(Z,Tx)={C(Z,T1)-C(Z,T2)}×{(T2-Tx)/(T2-T1)}+C(Z,T2) …(1)

したがって、例えば20℃の場合の電池残量C(Z,20℃)は、次の数式(2)により表すことができる。

C(Z,20℃)={C(Z,5℃)-C(Z,25℃)}×{(25-20)/(25-5)}+C(Z,25℃) …(2)
この数式(2)を用いて、20℃の温度補正充電時間テーブルを生成すると、図7に示すような温度補正充電時間テーブルTB20が生成される。本実施形態においては、この温度補正充電時間テーブルTB20は、例えば、格納部70に一時的に格納される。
次に、図2に示すように、CPU22は、温度補正充電時間テーブルTB20を用いて、ステップS12で取得した電池残量に対応する予測充電時間を算出する(ステップS18)。具体的には、取得した電池残量をZxとし、この電池残量Zxを挟む電池残量をZ1、Z2(但しZ1<Z2で、且つ、0%、10%…90%、100%のいずれか)とすると、予測充電時間C(Zx,Tx)は、次の数式(3)で表すことができる。

C(Zx,Tx)={C(Z1,Tx)-C(Z2,Tx)}×{(Z2-Zx)/(Z2-Z1)}+C(Z2,Tx) …(3)
例えばステップS12で取得した電池残量が35%であったとすると、次の数式(4)を用いて、予測充電時間を算出する。

C(35%,20℃)={C(30%,20℃)-C(40%,20℃)}×{(40-35)/(40-30)}+C(40%,20℃) …(4)
この数式(4)を用いて電池残量35%、電池温度20℃の場合の予測充電時間C(35%,20℃)を算出すると、177分になる。
次に、図2に示すように、CPU22は、ステップS18で算出した予測充電時間をユーザに通知する(ステップS20)。本実施形態においては、ステップS18で算出した予測充電時間を、表示装置24に数値で表示することにより通知する。なお、予測充電時間の通知は、この態様に限定されるものではなく、例えば、液晶によるバーの長さにより、予測充電時間を表示するようにしてもよいし、或いは、液晶によるバーの表示と、表示装置24における数値の表示との双方としてもよい。さらには、音声出力によりユーザに予測充電時間を通知するようにしてもよい。
次に、CPU22は、ステップS18で算出した予測充電時間を充電残り時間の初期値とし、この充電残り時間を時間の経過とともに減算するカウントダウンを開始する(ステップS22)。例えば、表示装置24における充電残り時間の表示が分単位の表示であれば、1分経過する毎に、この表示装置24に表示されている充電残り時間の表示を1ずつ減算することにより、ユーザに満充電までに必要な残りの充電時間を知らせる。バーの表示により充電残り時間を表している場合には、バーの長さを経過時間に応じて短くしていくことにより、ユーザに残りの充電時間を知らせることができる。
次に、CPU22は、タイマーを起動する(ステップS24)。このタイマーは、後に、実際に充電開始から満充電になるまでに要した時間を計測するために使用される。
次に、図3に示すように、CPU22は、充電残り時間が30分になったかどうかを判断する(ステップS30)。すなわち、充電残り時間は時間の経過とともにカウントダウンされていくので、この値が30分になったかどうかを判断する。この30分という数値は、一例であり、45分や15分であってもよい。
充電残り時間が30分であった場合(ステップS30:YES)には、CPU22は、すでに充電残り時間を補正済みであるかどうかを判断する(ステップS32)。この判断は、充電残り時間の補正を1回にするために行われるものである。例えば、現在の充電残り時間を、補正により+165秒した場合、もう一度、充電残り時間が30分になる時が到来するが、この2回目の場合は補正をしないようにするためである。
まだ充電残り時間を補正していない場合(ステップS32:NO)には、CPU22は、電池20から電池温度を取得する(ステップS34)。続いて、CPU22は、充電IC50から電池充電電流の値を取得する(ステップS36)。
次に、CPU22は、ステップS34で取得した電池温度に基づいて、この電池温度に対応した充電残り時間増減テーブルである温度補正充電残り時間増減テーブルを生成する(ステップS38)。具体的には、本実施形態においては、ハードディスクドライブ26に、図8に示すような充電残り時間増減テーブルTB30が予め用意され、格納されている。この充電残り時間増減テーブルTB30は、電池充電電流と補正する充電増減時間との関係の代表値を格納したテーブルである。この図8の例では、電池温度が5℃の場合と、25℃の場合と、40℃の場合における、電池充電電流と充電増減時間との関係が、予め格納されている。
ここで、充電残り時間増減テーブルTB30における充電増減時間をSで表し、電池温度Tの場合の電池充電電流をA(S,T)と表すこととすると、例えば、電池温度5℃で充電増減時間600秒の場合の電池充電電流A(600,5℃)は460mAとなる。そして、取得した電池温度をTxとし、この電池温度Txを挟む温度をT1、T2(但しT1<T2で、且つ、5℃、25℃、40℃のいずれか)とし、充電増減時間をZ(Zは、600秒、300秒、0秒、−300秒、−600秒)とすると、電池充電電流A(Z,Tx)は、次の数式(5)で表すことができる。

A(Z,Tx)={A(Z,T1)-A(Z,T2)}×{(T2-Tx)/(T2-T1)}+A(Z,T2) …(5)
したがって、例えば20℃の場合の電池充電電流A(Z,20℃)は、次の数式(6)により表すことができる。

A(Z,20℃)={A(Z,5℃)-A(Z,25℃)}×{(25-20)/(25-5)}+A(Z,25℃) …(6)
この数式(6)を用いて、20℃の温度補正充電残り時間増減テーブルを生成すると、図9に示すような温度補正充電残り時間増減テーブルTB40が生成される。本実施形態においては、この温度補正充電残り時間増減テーブルTB40は、例えば、格納部70に一時的に格納される。
次に、図3に示すように、CPU22は、温度補正充電残り時間増減テーブルTB40を用いて、ステップS36で取得した電池充電電流に対応する充電増減時間を算出する(ステップS40)。具体的には、取得した電池充電電流をZxとし、この電池充電電流Zxを挟む電池充電電流をZ1、Z2(但しZ1>Z2で、且つ、333mA、310mA、288mA、265mA、251mAのいずれか)とすると、充電増減時間S(Zx,Tx)は、次の数式(7)で表すことができる。

S(Zx,Tx)={{S(Z1,Tx)-S(Z2,Tx)} /(Z1-Z2)}×(Zx-Z2) +S(Z2,Tx) …(7)
例えばステップS36で取得した電池充電電流が300mAであったとすると、次の数式(8)を用いて、予測充電時間を算出する。

S(300mA,20℃)={{S(310mA,20℃)-S(288mA,20℃)}/(310-288)}×(300-288)
+S(288mA,20℃) …(8)
この数式(8)を用いて電池充電電流300mA、電池温度20℃の場合の充電増減時間S(300mA,20℃)を算出すると、167秒になる。
次に、図3に示すように、CPU22は、算出した充電増減時間に基づいて、充電残り時間を補正する(ステップS42)。具体的には、現在の充電残り時間に、ステップS40で算出した充電増減時間を加算することにより、充電残り時間を補正する。充電残り時間は、ステップS22以降、常時、表示装置24に表示されているので、ユーザは補正後の充電残り時間を自動的に知ることができる。
このステップS42の後、又は、ステップS30で充電残り時間が30分でないと判断した場合(ステップS30:NO)、若しくは、ステップS32ですでに充電残り時間の補正済みであると判断した場合(ステップS32:YES)には、CPU22は、充電が終了したかどうかを判断する(ステップS44)。具体的には、CPU22は、充電IC50から、充電オフ信号が出力されているかどうかにより、充電が終了したかどうかを判断する。充電が終了していない場合(ステップS44:NO)には、上述したステップS30からを繰り返す。
一方、充電が終了した場合(ステップS44:YES)には、ステップS24で起動したタイマーに基づいて、実際に充電に要した時間を取得する(ステップS46)。
次に、CPU22は、ステップS18で算出した予測充電時間の誤差率を算出する(ステップS48)。具体的には、誤差率=(ステップS46で取得した実際に充電に要した時間)/(予測充電時間)により、求める。但し、実際に充電に要した時間については、ステップS24で起動したタイマーではなく、カウントダウンしている充電残り時間と、補正を加えた充電増減時間とから、算出するようにしてもよい。具体的には、(ステップS18で算出した予測充電時間)+(ステップS40で算出した充電増減時間)−(充電終了時に表示していた充電残り時間)により、実際に充電に要した時間を算出するようにしてもよい。
次に、CPU22は、ステップS48で算出した誤差率に基づいて、充電時間テーブルTB10を補正する(ステップS50)。具体的には、CPU22は、ステップS18で充電時間を算出する際に使用した充電時間テーブルTB10を、ハードディスクドライブ26から読み出す。そして、この充電時間テーブルTB10のうち、ステップS16で温度補正充電時間テーブルTB20を生成するのに使用した温度に格納されている充電時間に、ステップS48で算出した誤差率を乗算することにより、補正した新たな充電時間テーブルTB10を求める。
例えば、ステップS46で取得した実際に満充電までに要した充電時間が180分であったと仮定すると、ステップS18で算出した予測充電時間は177分であったので、その誤差率は、180/177=1.017となる。この1.017を充電時間テーブルTB10における5℃と25℃のすべての充電時間に掛け合わせる。この補正後の充電時間テーブルTB10を示すと、図10に示すようになる。
次に、CPU22は、ステップS50で補正した充電時間テーブルTB10を、再び、ハードディスクドライブ26に格納する(ステップS52)。これにより、次回、充電時間を算出する際には、今回の誤差率を反映した新たな充電時間テーブルTB10が用いられることとなる。
以上のように、本実施形態に係る情報端末10によれば、ユーザが充電を開始した際の電池残量に基づいて、満充電までに必要な充電時間を予測し、これをユーザに通知することとしたので、ユーザは満充電までに必要な充電時間を知ることができる。このため、ユーザの利便性が向上する。
また、情報端末10は、満充電までに必要な充電時間を算出する際には、電池20の電池温度を取得し、この電池温度に基づく補正をした上で、充電時間を算出することとしたので、その算出精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る情報端末10は、電池残量を算出する際には、電池電圧に電池温度の補正を加えて、電池残量を算出することとしたので、その算出精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る情報端末10では、実際に満充電までに要した充電時間と、算出した予測充電時間との間の誤差に基づいて、充電時間テーブルTB10を補正することとしたので、次回、予測充電時間を算出する際の予測精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る情報端末10では、充電残り時間が所定の時間になった際に、そのときの電池充電電流とに基づいて、充電残り時間に補正を加えることとした。このため、高い精度で充電残り時間を算出し、ユーザに知らせることができる。
しかも、充電残り時間に加算する充電増減時間を算出する際には、電池温度の補正を加えて、充電増減時間を算出することとしたので、その算出精度を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種々に変形可能である。例えば、上述した実施形態では、電池残量はCPU22が算出することとしたが、電池20自らが算出し、CPU22に通知するようにしてもよい。
また、本発明に係る充電残り時間算出装置は、充電可能な電池20で駆動するあらゆる種類の情報端末10で実現することが可能である。さらには、本発明に係る充電残り時間算出装置は、情報端末に限らず、充電可能な電池20で駆動するあらゆる種類の装置に搭載することが可能である。
また、上述した実施形態で用いた時間や数値は、単なる一例に過ぎず、実際に使用する電池の種類などに応じて、様々に変化するものである。
また、上述した実施形態におては、充電残り時間の補正を充電残り時間が30分になった際に1度だけ行うこととしたが、複数回行うようにしてもよい。この場合、例えば、充電残り時間が1時間、30分、15分、5分になった際に、それぞれ充電残り時間の補正を行うようにしてもよい。この場合、それぞれの充電残り時間に対応した充電残り時間増減テーブルを用意する必要がある。
さらに、充電残り時間を複数回補正した場合には、ステップS48で誤差率を算出する際に、カウントダウンしていた充電残り時間と、補正を加えた充電増減時間とから、実際に充電に要した時間を算出する場合には、(ステップS18で算出した予測充電時間)+(補正を加えた複数回の充電増減時間の合計)−(充電終了時に表示していた充電残り時間)により、実際に充電に要した時間を算出する必要がある。
さらに、上述の実施形態で説明した各処理については、これら各処理を実行するためのプログラムをフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、ROM、メモリカード等の記録媒体に記録して、記録媒体の形で頒布することが可能である。この場合、この記録媒体に記録されたプログラムを情報端末10に読み込ませ、実行させることにより、上述した実施形態を実現することができる。
また、情報端末10は、オペレーティングシステムや別のアプリケーションプログラム等の他のプログラムを備える場合がある。この場合、情報端末10の備える他のプログラムを活用するために、その情報端末10が備えるプログラムの中から、上述した実施形態と同等の処理を実現するプログラムを呼び出すような命令を含むプログラムを、記録媒体に記録するようにしてもよい。
さらに、このようなプログラムは、記録媒体の形ではなく、ネットワークを通じて搬送波として頒布することも可能である。ネットワーク上を搬送波の形で伝送されたプログラムは、情報端末10に取り込まれて、このプログラムを実行することにより上述した実施形態を実現することができる。
また、記録媒体にプログラムを記録する際や、ネットワーク上を搬送波として伝送される際に、プログラムの暗号化や圧縮化がなされている場合がある。この場合には、これら記録媒体や搬送波からプログラムを読み込んだ情報端末10は、そのプログラムの復号や伸張を行った上で、実行する必要がある。
さらに、上述した実施形態で行った充電時間算出処理は、ASIC(Application Specific IC)等によるハードウェアにより実現することも可能である。この場合、ASIC等により構成されたハードウェアは、例えば、図11に示すように、電池残量算出部80と、充電時間予測部82と、カウントダウン実行部84と、通知部86と、充電残り時間補正部88と、時間計測部90と、充電時間補正部92と、格納部100とを備えて構成される。
電池残量算出部80は、電池20から電池電圧と電池温度とを取得して、上述した実施形態と同様の算出方法により、電池20の電池残量を算出する。格納部100には、上述した実施形態と同様に、充電時間テーブルTB10が格納されている。充電時間予測部82は、電池残量算出部80で算出された電池残量に基づいて、格納部100に格納されている充電時間テーブルTB10を検索し、電池残量に対応する充電時間を取得して、これを予測充電時間とする。予測充電時間の具体的な算出方法は、上述した実施形態と同様である。このため、充電時間予測部82は、必要に応じて、電池温度に基づいて、予測充電時間に補正を加える。
カウントダウン実行部84は、充電時間予測部82で予測された予測充電時間を初期値とする充電残り時間を、時間の経過とともにカウントダウンする処理を行う。通知部86は、カウントダウン実行部84でカウントダウンされている充電残り時間を、表示したり、音声出力したりすることにより、ユーザに随時通知する。
カウントダウンされている充電残り時間が所定の時間になった際に、充電残り時間補正部88は、充電されている電池20に流れ込む電池充電電流の値を取得し、この電池充電電流の値に基づいて、充電残り時間を補正する。
具体的には、格納部100には、上述した実施形態と同様に、充電残り時間増減テーブルTB30が格納されている。充電残り時間補正部88は、取得した電池充電電流に基づいて、格納部100に格納されている充電残り時間増減テーブルTB30を検索し、電池充電電流に対応する充電増減時間を取得する。そして、この充電増減時間をそのときの充電残り時間に加算することにより、補正後の充電残り時間を算出する。また、充電残り時間補正部88は、上述した実施形態と同様の手法により、電池温度に基づいて、充電増減時間に補正を加える。
また、時間計測部90は、電池20の充電を開始してから、電池20が満充電になるまでの時間を計測する。充電時間補正部92は、時間計測部90で計測した満充電になるまでの時間と、充電時間予測部82で予測した予測充電時間との誤差に基づいて、充電時間テーブルTB10の補正を行う。具体的な補正方法は、上述した実施形態と同様である。
なお、この図9のハードウェア構成は、一例にすぎず、様々なハードウェア構成を採用することが可能である。
本実施形態に係る情報端末の内部構成の一例を説明するためのブロック図。 本実施形態に係る情報端末が実行する充電時間算出処理の内容を説明するフローチャートを示す図(その1)。 本実施形態に係る情報端末が実行する充電時間算出処理の内容を説明するフローチャートを示す図(その2)。 本実施形態に係る情報端末に格納されている、電池残量と充電時間との関係を保持する充電時間テーブルの一例を示す図。 電池残量と充電時間の関係の一例をグラフとして示す図。 充電電流と充電時間との関係の一例をグラフとして示す図。 電池温度に対応する温度補正充電時間テーブルの一例を示す図。 本実施形態に係る情報端末に格納されている、充電残り時間が30分のときの電池充電電流と充電増減時間との対応関係を保持する充電残り時間増減テーブルの一例を示す図。 電池温度に対応する温度補正充電残り時間増減テーブルの一例を示す図。 実際に満充電までに要した充電時間と、予測充電時間との誤差に基づいて、補正を加えた後の充電時間テーブルの一例を示す図。 ハードウェアにより充電時間算出処理を実現する場合のハードウェア構成の一例を示す図。
符号の説明
SW10 スイッチ
10 情報端末
20 電池
22 CPU
24 表示装置
26 ハードディスクドライブ
28 その他の負荷
30 電源ライン
40 ACアダプタ
42 電源ライン
50 充電IC
60 電池電圧検出部
62 電池温度検出部
70 格納部

Claims (10)

  1. 電池の電池残量を算出する、電池残量算出手段と、
    電池残量と、電池を満充電にするまでの時間である充電時間との関係を保持する、充電時間保持手段と、
    前記電池残量算出手段で算出された電池残量に基づいて、前記充電時間保持手段から、前記電池残量算出手段で算出された電池残量に対応する充電時間を予測充電時間として取得する、充電時間予測手段と、
    前記予測充電時間を初期値とする充電残り時間を、時間の経過とともにカウントダウンする、カウントダウン手段と、
    充電されている電池に流れ込む電池充電電流の値を取得する、電池充電電流取得手段と、
    カウントダウンされた前記充電残り時間が所定の時間になった際に、前記電池充電電流取得手段で取得した電池充電電流の値に基づいて、前記充電残り時間を補正する、充電残り時間補正手段と、
    前記充電残り時間をユーザに通知する、通知手段と、
    を備えることを特徴とする充電残り時間算出装置。
  2. 前記充電残り時間が前記所定の時間になった際における、前記充電残り時間に対して増減すべき充電残り時間である充電増減時間と、電池充電電流との関係を保持する、充電増減時間保持手段を、さらに備えており、
    前記充電残り時間補正手段は、前記充電増減時間保持手段から、前記電池充電電流取得手段で取得した電池充電電流に対応する充電増減時間を取得し、この充電増減時間をそのときの充電残り時間に加算することにより、補正後の充電残り時間を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の充電残り時間算出装置。
  3. 電池の電池温度を取得する、電池温度取得手段をさらに備えており、
    前記充電残り時間補正手段は、前記電池温度取得手段で取得した電池温度に基づいて、前記充電増減時間を補正する、ことを特徴とする請求項2に記載の充電残り時間算出装置。
  4. 前記充電時間予測手段は、前記電池温度取得手段で取得した電池温度に基づいて、予測充電時間を補正する、ことを特徴とする請求項3に記載の充電残り時間算出装置。
  5. 前記電池残量算出手段は、前記電池温度取得手段で取得した電池温度に基づいて、電池残量を補正する、ことを特徴とする請求項4に記載の充電残り時間算出装置。
  6. 充電を開始してから、実際に電池が満充電になるまでに要した時間を取得する、実充電時間取得手段と、
    前記実充電時間取得手段で取得した満充電になるまでの時間と、予測充電時間との誤差に基づいて、前記充電時間保持手段を補正する、充電時間補正手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の充電残り時間算出装置。
  7. 前記充電時間補正手段は、前記実充電時間取得手段で取得した満充電になるまでの時間と予測充電時間との間の誤差率を、前記充電時間保持手段に保持されている充電時間に乗算することにより、前記充電時間保持手段を補正する、ことを特徴とする請求項6に記載の充電残り時間算出装置。
  8. 電池の電池残量を算出するステップと、
    前記電池残量に基づいて、電池残量と電池を満充電にするまでの時間である充電時間との関係を保持する充電時間保持手段から、前記算出された電池残量に対応する充電時間を予測充電時間として取得するステップと、
    前記予測充電時間を初期値とする充電残り時間を、時間の経過とともにカウントダウンするステップと、
    カウントダウンされた前記充電残り時間が所定の時間になった際に、充電されている電池に流れ込む電池充電電流の値を取得し、この取得した電池充電電流の値に基づいて、前記充電残り時間を補正するステップと、
    前記充電残り時間をユーザに通知するステップと、
    を備えることを特徴とする充電残り時間算出装置の制御方法。
  9. 電池の電池残量を算出するステップと、
    前記電池残量に基づいて、電池残量と電池を満充電にするまでの時間である充電時間との関係を保持する充電時間保持手段から、前記算出された電池残量に対応する充電時間を予測充電時間として取得するステップと、
    前記予測充電時間を初期値とする充電残り時間を、時間の経過とともにカウントダウンするステップと、
    カウントダウンされた前記充電残り時間が所定の時間になった際に、充電されている電池に流れ込む電池充電電流の値を取得し、この取得した電池充電電流の値に基づいて、前記充電残り時間を補正するステップと、
    前記充電残り時間をユーザに通知するステップと、
    を充電残り時間算出装置に実行させるためのプログラム。
  10. 電池の電池残量を算出するステップと、
    前記電池残量に基づいて、電池残量と電池を満充電にするまでの時間である充電時間との関係を保持する充電時間保持手段から、前記算出された電池残量に対応する充電時間を予測充電時間として取得するステップと、
    前記予測充電時間を初期値とする充電残り時間を、時間の経過とともにカウントダウンするステップと、
    カウントダウンされた前記充電残り時間が所定の時間になった際に、充電されている電池に流れ込む電池充電電流の値を取得し、この取得した電池充電電流の値に基づいて、前記充電残り時間を補正するステップと、
    前記充電残り時間をユーザに通知するステップと、
    を充電残り時間算出装置に実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
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