JP2006262264A - 電流制御回路、それを用いた信号増幅装置ならびに電子機器。 - Google Patents

電流制御回路、それを用いた信号増幅装置ならびに電子機器。 Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の負荷回路に供給する電流を制御する電流制御回路を小型化する。
【解決手段】 複数の増幅部AMP1〜AMP4に供給する電流を制御するバイアス電流制御回路100において、電流生成部10は、時間とともに変化する第1電流Ic1と、第1電流と相補的な関係を有する第2電流Ic2を生成する。複数の電流出力部30〜36は、複数の増幅部AMP1〜AMP4ごとに設けられ、それぞれにバイアス電流Ibias1〜Ibias4として、第1電流Ic1、第2電流、または第1電流と第2電流の和(Ic1+Ic2)のいずれかを供給する。電流出力部30、32は、バイアス電流Ibias1、Ibias2が相補的な関係となるように増幅部AMP1、AMP2を制御する。同様に、電流出力部34、36は、バイアス電流Ibias3、Ibias4が相補的な関係となるように増幅部AMP3、AMP4を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、負荷回路に供給する電流を制御する電流制御回路に関する。
オーディオ機器においては、微弱な電気信号であるオーディオ信号を増幅してスピーカやイヤホンなどの音声出力部に供給するために、オーディオ信号増幅装置が用いられる。こうしたオーディオ信号増幅装置においては、ボリュームを調節するためにその利得を変化させている。こうしたボリュームの調節にはたとえば特許文献1に記載の可変利得増幅器が用いられる。
オーディオ信号増幅装置においては、利得を変化させる際に、信号の振幅が不連続となると、クリック音などとして知られる不快なノイズがスピーカから発生し、オーディオを聞く人間の聴覚を刺激する。
こうしたクリック音を低減するためには、オーディオ信号増幅装置の利得を緩やかに変化させる必要がある。オーディオ信号増幅装置の利得を緩やかに変化させるためには、キャパシタを備えた時定数回路が用いられる。この時定数回路は、キャパシタを充放電することにより、ある時定数を持って上昇、あるいは下降する電圧を生成し、この電圧にもとづいてオーディオ信号増幅装置の利得を制御する。
特開2004−336129号公報
ここで、複数のスピーカを備える電子機器において、各スピーカごとにボリュームを調節する場合を考える。各スピーカごとにボリュームを調節する場合、スピーカごとに設けられた増幅回路について、その利得を緩やかに変化させる必要があるため、各増幅回路ごとに上述の時定数回路を設ける必要がある。
しかしながら、時定数回路を複数設けることは、電子機器において、オーディオ周辺回路の面積を大きくし、またコストを上昇させる原因となってしまう。特に、小型化、低コスト化が進む近年の携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistance)などの電子機器においては、ICチップの占有面積の削減、周辺部品点数の削減が重要な課題となる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、複数の負荷回路に供給する電流を制御する電流制御回路の小型化にある。
本発明のある態様は、電流制御回路に関する。この電流制御回路は、複数の負荷回路に電流を供給する電流制御回路であって、電流値が時間とともに変化する第1電流と、第1電流と電流値が相補的な関係を有する第2電流を生成する電流生成部と、複数の負荷回路ごとに設けられ、各負荷回路に、第1電流、第2電流、または第1電流と第2電流の和のいずれかを供給する複数の電流出力部と、を備える。
この態様によると、2つの負荷回路に、それぞれ第1電流と第2電流を供給したときでは、電流の増減を逆相とすることができる。また、ある負荷回路に、第1電流と第2電流の和を供給したときには、時間に対して変動しない定電流を供給することができる。その結果、複数の負荷回路の駆動状態を互いに関連づけて、あるいは独立に制御することができる。この電流制御回路によれば、電流生成部により生成される電流を、複数の電流出力部で共通して利用するため、各負荷回路ごとに電流生成部を設ける必要がないため、回路を小型化することができる。
電流生成部は、キャパシタと、キャパシタを充放電する充放電回路と、キャパシタの一端に現れる電圧を電流に変換する電圧電流変換回路と、所定の定電流を生成する定電流源と、を備えてもよい。電圧電流変換回路により変換された電流を第1電流とし、所定の定電流と第1電流との差分を第2電流としてもよい。
キャパシタを含む時定数回路によって生成された第1電流と、所定の定電流との差から第2電流を生成することにより、第1電流と第2電流を、所定の定電流の一定値とすることができる。
電流生成部は、第1電流が流れる経路上に設けられた第1トランジスタと、第2電流が流れる経路上に設けられた第2トランジスタと、を含んでもよい。さらに、複数の負荷回路ごとに設けられる電流出力部は、電流を供給すべき負荷回路が接続される電流出力端子と、電流出力端子と固定電位間に接続され、第1トランジスタとカレントミラー接続された第3トランジスタと、第3トランジスタの電流経路上に設けられた第1スイッチと、電流出力端子と固定電位間に接続され、第2トランジスタとカレントミラー接続された第4トランジスタと、第4トランジスタの電流経路上に設けられた第2スイッチと、を含んでもよい。
この態様によれば、第1スイッチをオンすることにより、電流出力端子から第1電流を出力することができ、第2スイッチをオンすることにより、電流出力端子から第2電流を出力することができ、第1、第2スイッチをともにオンすることにより、電流出力端子から第1電流と第2電流の和を出力することができる。また、負荷回路の数が増加しても、電流出力部を増設すればよく、電圧生成部は共通とすることができるため、回路を小型化することができる。
本発明の別の態様は、信号増幅装置である。この信号増幅装置は、2つの電流出力部を含む電流制御回路と、入力端子および出力端子が共通に設けられ、それぞれ第1利得、第2利得を有する第1、第2増幅部を含む増幅回路であって、第1、第2増幅部に流すバイアス電流によって、第1利得と第2利得を連続的に切り替え可能な増幅回路と、を備える。電流制御回路は、第1、第2増幅部を複数の負荷回路としてバイアス電流を供給する。
この態様によれば、第1増幅部と第2増幅部に相補的な関係を有する第1電流、第2電流をバイアス電流として供給することにより、その増幅回路の利得をシームレスに切り替えることができる。また、第1増幅部あるいは第2増幅部の一方に、第1電流と第2電流の和の電流を供給する場合には、第1電流の変動にかかわらず増幅回路の利得を一定値に固定することができる。
第1増幅部および第2増幅部は、それぞれ可変利得増幅器であってもよい。
増幅回路は複数であって、電流制御回路の電流出力部は、各増幅回路の第1、第2増幅部ごとに複数設けられてもよい。
増幅回路は、第1非反転入力端子および第1反転入力端子に対応づけられた第1差動対と、第2非反転入力端子および第2反転入力端子に対応づけられた第2差動対と、第1、第2差動対に共通に設けられたカレントミラー負荷と、を含む演算増幅器と、複数の抵抗が直列に接続され、その一端が演算増幅器の出力端子に接続された抵抗群と、抵抗群に含まれる複数の抵抗の各接続ノードと、第1反転入力端子との間に設けられた複数のスイッチを含む第1スイッチ群と、複数の抵抗の各接続ノードと、第2反転入力端子との間に設けられた複数のスイッチを含む第2スイッチ群と、第1スイッチ群および第2スイッチ群から、それぞれひとつのスイッチを選択してオンするスイッチ制御部と、第1非反転入力端子および第2非反転入力端子に所定の基準電圧を印加する電圧源と、を備えてもよい。第1増幅部は、第1差動対および第1スイッチ群を含んで構成される反転増幅器であり、第2増幅部は、第2差動対および第2スイッチ群を含んで構成される反転増幅器であり、電流制御回路は、第1差動対および第2差動対のバイアス電流を供給してもよい。
このように構成された増幅回路を用いれば、第1差動対、第2差動対に流すバイアス電流を制御することにより、第1増幅部と第2増幅部の利得を連続的に切り替えることができる。
信号増幅装置は、オーディオ信号を増幅してもよい。電子機器に上記の信号増幅装置を用いることによって、複数のオーディオ信号用の増幅器の利得を独立に制御できるとともに、電流制御回路の電圧生成部を共通とすることができ、セットのサイズを小型化できる。
信号増幅装置は、ひとつの半導体集積回路として形成されてもよい。
本発明のさらに別の態様は、電子機器である。この電子機器は、音声出力部と、音声出力部に、増幅したオーディオ信号を出力する上述の信号増幅装置と、を備える。
音声出力部とは、スピーカやイヤホンなどを含む。この態様によれば、複数の増幅回路に供給する電流をひとつの電流制御回路で制御することができるため、装置を小型化することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明に係る電流制御回路によれば、複数の負荷回路に供給する電流を制御する電流制御回路を小型化することができる。また、本発明に係る信号増幅装置によれば、複数の増幅回路の利得を独立に、緩やかに変化させることができる。
図1は、本実施の形態に係るオーディオマネージメントIC500を搭載した携帯電話端末600の構成示すブロック図である。携帯電話端末600は、処理ユニット510、通信処理部520、操作部530、オーディオマネージメントIC500、第1スピーカSP1、第2スピーカSP2を備える。
処理ユニット510は、CPU512、メモリ514を含み、携帯電話端末600を統括的に制御するユニットであり、各機能ブロックとバスを介して接続されている。メモリ514は、プログラムがロードされ、あるいは携帯電話端末600の各処理に必要なデータが保持される。
操作部530は、ユーザが電話番号や文字等を入力するためのインターフェースであり、ボタンを含む。
通信処理部520は、通信に必要な処理を実行する通信ユニットであって、具体的には外部の電話機やサーバからの着信を検出し、または外部の電話機またはサーバに対して発信する。なお、ここでいう着信は、電話の着呼だけでなく、ネットワーク経由のサーバからのパケット通信の着呼も含む。なお、発信についても同様である。携帯電話システムとしては、PDC(Personal Digital Cellular system)方式を採用したものであってもよく、また、簡易型携帯電話システム、CDMA(Code Division Multiple Access)方式やGSM方式の移動通信システムであってもよい。
以下、本実施の形態に係るオーディオマネージメントIC500ついて説明する。
オーディオマネージメントIC500には、第1スピーカSP1、第2スピーカSP2が接続されている。第1スピーカSP1は、通話用スピーカであり、第2スピーカSP2は、着信音を再生し、あるいはその他の音声情報を再生するためのスピーカである。
オーディオマネージメントIC500は、通話時においては、通信処理部520から出力されるデジタルデータを、アナログの音声信号に変換し、第1スピーカSP1に出力する。ユーザは、第1スピーカSP1から出力される音声信号を利用して通話相手との会話を行う。
また、通話時以外、たとえば着信音や着信音メロディなどの音声情報を再生する際には、処理ユニット510から出力されるデジタルデータをアナログの音声信号に変換し、第2スピーカSP2から出力する。第1スピーカSP1、第2スピーカSP2から出力される音声信号の音量は、オーディオマネージメントIC500によって、独立に制御される。
オーディオマネージメントIC500は、オーディオ信号増幅装置300、DSP310、D/Aコンバータ312を含み、ひとつの半導体回路として集積化されている。DSP310は、オーディオマネージメントIC500全体を統括的に制御するデジタル信号処理回路であり、処理ユニット510との間でデータの送受を行うインターフェース機能や、音声データをコーディング、デコーディングする機能を備える。DSP310は、第1スピーカSP1あるいは第2スピーカSP2から再生すべき音声データをデジタルデータとしてD/Aコンバータ312に出力する。
D/Aコンバータ312は、デジタルデータをD/A変換し、アナログのオーディオ信号SIG1、SIG2をオーディオ信号増幅装置300へと出力する。
アナログのオーディオ信号SIG1は、主として通話時に通話相手から発生される音声がアナログ電気信号に変換されたものであり、また、アナログのオーディオ信号SIG2は、たとえば、着信音などがアナログ電気信号に変換されたものである。
オーディオ信号増幅装置300は、バイアス電流制御回路100、第1増幅回路200、第2増幅回路210を含む。第1増幅回路200は、オーディオ信号SIG1を増幅し、第1スピーカSP1に出力する。同様に、第2増幅回路210は、オーディオ信号SIG2を増幅し、第2スピーカSP2に出力する。第1増幅回路200、第2増幅回路210は、可変利得増幅器であって、第1スピーカSP1、第2スピーカSP2から出力される音声のボリューム調節は、第1増幅回路200、第2増幅回路210の利得を変化することによって行う。実際の回路においては、第1増幅回路200や第2増幅回路210の前段もしくは後段に、利得が固定された増幅器を備えているが、本実施の形態においては説明の簡略化のため省略している。
ユーザが操作部530に対して音量変更に対応した操作を行うと、処理ユニット510は、オーディオマネージメントIC500に対して音量を変更する指示を与える。DSP310は、CPUからの指示を受けると、オーディオ信号増幅装置300に第1増幅回路200、第2増幅回路210の利得を制御するよう指示する。第1スピーカSP1、第2スピーカSP2の音量は、独立に制御されるため、第1増幅回路200、第2増幅回路210の利得もそれぞれ独立に制御される。
詳しくは後述するが、図1に図示される第1増幅回路200、第2増幅回路210は、それぞれが内部に2つの増幅部を備えている。
バイアス電流制御回路100は、第1増幅回路200、第2増幅回路210の内部の各増幅部を負荷回路としてバイアス電流を供給し、このバイアス電流を制御することにより第1増幅回路200、第2増幅回路210の利得を制御する。
図2は、オーディオ信号増幅装置300の構成を詳細に示す回路図である。上述したように、オーディオ信号増幅装置300は、バイアス電流制御回路100、第1増幅回路200、第2増幅回路210を含む。
第1増幅回路200は、入力端子202に入力されたアナログのオーディオ信号SIG1を増幅し、増幅後のオーディオ信号SIG3を出力端子204から出力する。第1増幅回路200は、入力端子および出力端子が共通に設けられ、異なる利得を有する第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2を含む。第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2の利得をそれぞれ第1利得g1、第2利得g2とする。第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2は可変利得増幅器であって、その利得g1、g2は、外部から制御可能となっている。
第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2のバイアス電流は、バイアス電流制御回路100により制御される。以降、第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2にそれぞれ供給されるバイアス電流をそれぞれ第1バイアス電流Ibias1、第2バイアス電流Ibias2という。
第1増幅回路200は、第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2に流すバイアス電流によって、いずれをアクティブとするかが切り替え可能となっている。すなわち、第1バイアス電流Ibias1を流し、第2バイアス電流Ibias2を遮断した場合、第1増幅部AMP1がアクティブとなり、第1増幅回路200全体の利得は第1利得g1となる。逆に、第2バイアス電流Ibias2を流し、第1バイアス電流Ibias1を遮断した場合、第2増幅部AMP2がアクティブとなり、第1増幅回路200全体の利得は第2利得g2となる。
また、第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2の両方にバイアス電流Ibias1、Ibias2を供給する場合、それぞれの電流値に応じて、第1利得g1と第2利得g2の中間値をとる。バイアス電流制御回路100は、バイアス電流Ibias1、Ibias2を調節することにより、第1増幅回路200の利得をg1からg2の範囲で制御することができる。
第2増幅回路210は、入力端子302に入力されたアナログのオーディオ信号SIG2を増幅し、出力端子304から出力する。第2増幅回路210は、第1増幅回路200と同様の構成となっており、第3増幅部AMP3、第4増幅部AMP4を含む。第3増幅部AMP3、第4増幅部AMP4の利得はそれぞれ第3利得g3、第4利得g4であり、第2増幅回路210全体の利得はg3からg4の範囲でバイアス電流制御回路100によって制御される。
バイアス電流制御回路100は、電流生成部10、第1電流出力部30、第2電流出力部32、第3電流出力部34、第4電流出力部36を含む。
電流生成部10は、時間とともに変化する第1電流Ic1と、第1電流Ic1と相補的な関係を有する第2電流Ic2を生成する。本実施の形態において、「相補的な関係を有する電流」とは、電流値の和が一定となる電流をいう。電流生成部10は、第1電流Ic1、第2電流Ic2を、第1電流出力部30から第4電流出力部36へと出力する。
第1電流出力部30〜第4電流出力部36は、第1増幅部AMP1〜第4増幅部AMP4ごとに設けられ、各増幅部に対して、バイアス電流Ibias1〜Ibias4を供給する。バイアス電流Ibias1〜Ibias4は、それぞれ第1電流Ic1、第2電流Ic2、または第1電流と第2電流の和(Ic1+Ic2)のいずれかの電流となるように第1電流出力部30〜第4電流出力部36によって制御される。
図3は、バイアス電流制御回路100の構成を示す回路図である。バイアス電流制御回路100は、電流生成部10、第1電流出力部30〜第4電流出力部36を含む。
電流生成部10は、キャパシタC1、充放電回路40、電圧電流変換回路50、定電流源60を含む。
充放電回路40は、電流源42、44を含み、一端が接地されたキャパシタC1を充放電する。この充放電回路40において、電流源42がオンすることによりキャパシタC1が充電され、キャパシタC1の一端に現れる電圧Vx(以下、単にキャパシタ電圧Vxという)が上昇し、電流源44がオンすることによりキャパシタC1が放電され、キャパシタ電圧Vxが下降する。
電圧電流変換回路50は、キャパシタ電圧Vxを電流に変換する。この電圧電流変換回路50は、トランジスタM10〜M14、テール電流源52を含む。
トランジスタM10のゲート端子にはキャパシタ電圧Vxが入力され、トランジスタM11のゲート端子には所定の基準電圧Vrefが入力されている。トランジスタM10、M11には、テール電流源52が接続されている。トランジスタM12は、トランジスタM11と接地電位間に接続されている。トランジスタM11、トランジスタM12には、キャパシタ電圧Vxと基準電圧Vrefに応じた電流Ix1が流れる。
トランジスタM12とトランジスタM13はカレントミラー回路を構成しており、トランジスタM13には、電流Ix1が増幅された第1電流Ic1が流れる。トランジスタM13のドレインには、定電流Issを生成する定電流源60が接続されている。トランジスタM13と並列に接続されたトランジスタM14には、第2電流Ic2=(Iss−Ic1)が流れる。
このようにして電流生成部10は、相補的な関係を有する第1電流Ic1、第2電流Ic2を生成する。
第1電流出力部30から第4電流出力部36は、いずれも同一の構成を有しているため、第1電流出力部30の構成について説明する。
第1電流出力部30は、電流を供給すべき回路が接続される電流出力端子102、トランジスタM15、トランジスタM16、スイッチSW15、スイッチSW16を含む。
トランジスタM15は、電流出力端子102と固定電位である接地電位間に設けられており、電流生成部10の第1電流Ic1が流れる経路上に設けられたトランジスタM13とカレントミラー接続されている。スイッチSW15は、トランジスタM15と直列に接続されている。
トランジスタM16は、電流出力端子102と固定電位である接地電位間に設けられており、電流生成部10の第2電流Ic2が流れる経路上に設けられたトランジスタM14とカレントミラー接続されている。スイッチSW16は、トランジスタM16と直列に接続されている。
第1電流出力部30は、スイッチSW15およびスイッチSW16のオン、オフの状態に応じて、電流出力端子102に接続される第1増幅部AMP1に供給する第1バイアス電流Ibias1の値を制御する。すなわち、スイッチSW15がオンのとき、Ibias1=Ic1となり、スイッチSW16がオンのとき、Ibias1=Ic2となる。さらに、スイッチSW15とスイッチSW16が同時にオンするとき、Ibias1=Ic1+Ic2=Issとなる。このようにして、第1電流出力部30は、第1増幅部AMP1に第1電流Ic1、第2電流Ic2、または第1電流と第2電流の和(Ic1+Ic2=Iss)のいずれかを供給する。
同様にして、第2電流出力部32〜第4電流出力部36は、第2増幅部AMP2〜第4増幅部AMP4に、バイアス電流として第1電流Ic1、第2電流Ic2、または第1電流と第2電流の和(Ic1+Ic2=Iss)のいずれかを供給する。
次に、図4および図5を用いて、第1増幅回路200、第2増幅回路210の構成について説明する。第1増幅回路200、第2増幅回路210は同様の構成であるため、ここでは第1増幅回路200を例に説明する。
図4は、第1増幅回路200に使用される演算増幅器OP1の構成を示す回路図である。この演算増幅器OP1は、2組の差動入力端子を備える。以下、第1の差動入力端子をAチャンネル、第2の差動入力端子をBチャンネルとよぶ。
演算増幅器OP1は、トランジスタM20〜トランジスタM38、出力増幅段20を含む。
この演算増幅器OP1は、トランジスタM20、トランジスタM22により構成され、Aチャンネルに対応した第1差動対80と、トランジスタM24、トランジスタM26により構成され、Bチャンネルに対応した第2差動対82の2つの差動対を備える。
トランジスタM20〜トランジスタM26は、PチャンネルMOSトランジスタであって、それぞれのゲート端子は、第1非反転入力端子(+A)、第1反転入力端子(−A)、第2非反転入力端子(+B)、第2反転入力端子(−B)となっている。
トランジスタM20、トランジスタM22により構成される第1差動対80には、テール電流源としてトランジスタM32が接続される。このトランジスタM32はトランジスタM34とカレントミラー接続されている。トランジスタM32、M34はPチャンネルMOSトランジスタであり、トランジスタM34のドレイン端子は、第1電流供給端子84に接続される。第1電流供給端子84は、バイアス電流制御回路100の第1電流出力部30の電流出力端子102に接続される。同様に、トランジスタM24、トランジスタM26により構成される第2差動対82には、トランジスタM36が接続される。トランジスタM36は、トランジスタM38とカレントミラー接続されている。トランジスタM38のドレイン端子は、第2電流供給端子86に接続される。第2電流供給端子86は、バイアス電流制御回路100の第2電流出力部32の電流出力端子104に接続される。
その結果、第1差動対80には、テール電流として第1バイアス電流Ibias1が流れ、第2差動対82には、テール電流として第2バイアス電流Ibias2が流れる。
トランジスタM28、トランジスタM30は、第1差動対80および第2差動対82に共通に接続されたカレントミラー負荷である。トランジスタM28、トランジスタM30はNチャンネルMOSトランジスタであって、ソース端子が接地されており、ゲート端子は、トランジスタM28のドレイン端子に接続されている。
また、トランジスタM28のドレイン端子はトランジスタM20、トランジスタM24のドレイン端子と接続され、同様にトランジスタM30のドレイン端子はトランジスタM22、トランジスタM26のドレイン端子と接続される。
トランジスタM28、トランジスタM30は、第1差動対80および第2差動対82の定電流負荷として機能する。
トランジスタM30のドレイン端子には出力増幅段20が接続されている。出力増幅段20は、2つの差動対により生成された出力電流Ioutを増幅し、出力端子88から出力する。出力増幅段20は、一般的な演算増幅器の出力段、すなわち増幅段とバッファを備えて構成されるものであればよく、その回路形式は本実施の形態において特に限定されるものではない。
以上のように構成された演算増幅器OP1の動作について説明する。
第1差動対80の相互コンダクタンスgm1は、gm1=√(β×Ibias1)で与えられる。ここで、βは、ゲート幅W、ゲート長L、移動度μ、ゲート酸化膜のキャパシタンスCoxを用いて、β=W/L×μCoxで与えられる。いま、第1非反転入力端子(+A)、第1反転入力端子(−A)に入力される電圧の差、すなわち差動入力電圧をVin1とすると、第1差動対により生成される差動電流Iout1は、Iout1=gm1×Vin1となる。
同様にして第2差動対82の相互コンダクタンスgm2は、gm2=√(β×Ibias2)で与えられ、差動入力電圧をVin2とすると、第2差動対82により生成される差動電流Iout2は、Iout2=gm2×Vin2となる。
出力増幅段20により増幅される出力電流Ioutは、第1差動対80および第2差動対82によりそれぞれ生成される差動電流Iout1、Iout2の和で与えられる。すなわち、Iout=Iout1+Iout2=gm1×Vin1+gm2×Vin2で与えられる。
このように、差動対の相互コンダクタンスgm1、gm2は、それぞれ第1バイアス電流Ibias1、第2バイアス電流Ibias2の関数として与えられる。したがって、この演算増幅器OP1においては、第1バイアス電流Ibias1、第2バイアス電流Ibias2を制御することにより、第1差動対80および第2差動対82に対応したAチャンネル、Bチャンネルのいずれをアクティブとするかを、連続的に切り替えることができる。
本実施の形態においては、第1差動対80、第2差動対82に流れるテール電流の和を一定値Issとなるように制御し、第1差動対80および第2差動対82に流すテール電流のいずれを大きくするかによって、Aチャンネル、Bチャンネルのいずれを支配的とするかを調節することができる。
たとえば、Ibias1=0、Ibias2=Issとした場合、第2非反転入力端子(+B)、第2反転入力端子(−B)に入力される電圧が差動増幅され、Ibias1=Iss、Ibias2=0とした場合、第1非反転入力端子(+A)、第1反転入力端子(−A)に入力される電圧を差動増幅することができる。第1、第2差動対の両方にバイアス電流を供給した場合、Aチャンネル、Bチャンネルそれぞれの差動入力電圧がバイアス電流の平方根に比例して増幅される。
図5は、第1増幅回路200の構成を示す回路図である。この第1増幅回路200は、可変利得増幅器であり、オーディオ信号を増幅するオーディオ信号増幅装置300において、ボリューム調節回路として使用される。
第1増幅回路200は、抵抗R20〜R24を含む抵抗群、スイッチSW1a〜SW4a、を含む第1スイッチ群SWa、スイッチSW1b〜SW4bを含む第2スイッチ群SWb、第1ミュートスイッチSWma、第2ミュートスイッチSWmb、スイッチ制御部70を備える。
抵抗R20〜R24は直列に接続され、その一端が演算増幅器OP1の出力端子に接続される。抵抗R20〜R24の他端には、増幅すべきオーディオ信号SIG1が入力される。
第1スイッチ群に含まれるスイッチSW1a〜SW4aは、複数の抵抗R20〜R24の各接続ノードと、演算増幅器OP1の第1反転入力端子(−A)との間に設けられる。同様に、第2スイッチ群に含まれるスイッチSW1b〜SW4bは、複数の抵抗R20〜R24の各接続ノードと、演算増幅器OP1の第2反転入力端子(−B)との間に設けられる。また、第1ミュートスイッチSWmaは、演算増幅器OP1の第1反転入力端子(−A)と出力端子204間に設けられ、第2ミュートスイッチSWmbは、演算増幅器OP1の第2反転入力端子(−B)と出力端子204間に設けられる。
スイッチ制御部70は、第1スイッチ群SWaおよび第1ミュートスイッチSWmaの中から1つのスイッチを選択してオンし、また、第2スイッチ群SWbおよび第2ミュートスイッチSWmbの中から、ひとつのスイッチを選択してオンする。図5は、第1スイッチ群SWaのスイッチSW4aが選択され、第2スイッチ群SWbのスイッチSW2bが選択されてオンとなった状態を示している。このスイッチ制御部70は、図1のDSP310内部の機能ブロックのひとつとして構成されており、処理ユニット510からのボリューム変更の指示に従って、各スイッチのオンオフ状態を制御する。
また、演算増幅器OP1の第1非反転入力端子(+A)および第2非反転入力端子(+B)には、所定の基準電圧Vcが印加される。
演算増幅器OP1のAチャンネル、抵抗R20〜R24、第1スイッチ群SWaによって1つの反転増幅器が構成される。同様に、演算増幅器OP1のBチャンネル、抵抗R20〜R24、第2スイッチ群SWbによって一つの反転増幅器が構成される。それぞれの反転増幅器は、図2の第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2に相当する。スイッチ制御部70は、第1スイッチ群SWaのいずれをオンするかによって第1増幅部AMP1(Aチャンネル)の第1利得g1を制御し、第2スイッチ群SWbのいずれをオンするかによって第2増幅部AMP2(Bチャンネル)の第2利得g2を制御する。
また、第1ミュートスイッチSWmaがオンすると、第1増幅部AMP1は全帰還アンプとなり、その出力電圧は、基準電圧Vcに固定される。このとき、第1増幅部AMP1の出力信号SIG3は、入力信号SIG1によらず一定値となるため、第1利得g1が0倍のミュート状態となる。同様に、第2ミュートスイッチSWmbがオンすると、第2増幅部AMP2は全帰還アンプとなり、その出力電圧は基準電圧Vcに固定され、g2=0となる。
こうして構成された第1増幅回路200は、演算増幅器OP1のAチャンネルおよびBチャンネルのバイアス電流Ibias1、Ibias2が第1電流出力部30、第2電流出力部32から供給され、第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2のいずれをアクティブとするかが連続的に切り替えられる。
図6は、第1増幅回路200の動作を示す図である。第1増幅回路200に入力されるオーディオ信号SIG1の振幅は、説明の簡単のため、一定値であるとする。時刻T0から時刻T1の間、バイアス電流制御回路100のキャパシタ電圧Vxは0Vであるとする。このときバイアス電流制御回路100の電流生成部10により生成される電流は、第1電流Ic1=Iss、第2電流Ic2=0となる。また、第1電流出力部30において、スイッチSW15がオンし、スイッチSW16がオフ状態となっている。その結果、演算増幅器OP1のバイアス電流は、第1バイアス電流Ibias1=Ic1=Iss、第2バイアス電流Ibias2=Ic2=0となり、Aチャンネルがアクティブとなっている。
すなわち、オーディオ信号SIG1は、第1増幅回路200の第1増幅部AMP1により第1利得g1で反転増幅される。
時刻T1にユーザが操作部530により第1スピーカSP1のボリューム変更を指示すると、処理ユニット510からオーディオマネージメントIC500のDSP310にボリューム変更の指示信号を送出される。
図5のスイッチ制御部70は、現在アクティブでない第2増幅部AMP2の利得g2を、変更後のボリュームに対応した値に設定するために、第2スイッチ群SWbのいずれかのスイッチをオンとする。
時刻T1に、バイアス電流制御回路100において、キャパシタC1の充電が開始されると、キャパシタ電圧Vxが徐々に増加し、時刻T2に電圧Vmaxに達する。キャパシタVxが増加すると、第1電流Ic1は減少し、第2電流Ic2が増加する。このとき、第1バイアス電流Ibias1が徐々に減少し、第2バイアス電流Ibias2が徐々に増加する。この結果、演算増幅器OP1のBチャンネルが徐々にアクティブとなり、第1増幅回路200の利得が第1利得g1から第2利得g2へと徐々に変化していき、増幅されたオーディオ信号SIG3の振幅も連続的に変化し、ボリュームがなめらかに切り替えられる。
時刻T2には、Ibias2=Issとなり、Bチャンネルのみがアクティブとなり、第1増幅回路200の利得は第2増幅部AMP2の第2利得g2となる。
このように、バイアス電流制御回路100により、第1バイアス電流Ibias1および第2バイアス電流Ibias2を相補的な関係を保ちつつ連続的に変化させることによって、第1増幅回路200の利得を、第1利得g1と第2利得g2の範囲で連続的に変化させることができる。その結果、第1増幅回路200から出力されるオーディオ信号SIG3は不連続とならず、その振幅を徐々に変化させることができ、第1スピーカSP1からいわゆるクリック音が発生するのを防止することができる。
その後、ユーザから再度ボリューム変更の指示を受けると、スイッチ制御部70は、現在アクティブでない第1増幅部AMP1の利得g1を変更後のボリュームに対応した値に設定し、その後、第1バイアス電流Ibias1を徐々に増加させることにより、ボリュームを再度切り替える。
このように、本実施の形態に係るオーディオマネージメントIC500では、ボリュームの変更があるたびに第1増幅回路200の第1増幅部AMP1、第2増幅部AMP2を交互に使用する。ボリュームの変更、すなわち第1増幅回路200の利得が変更されるたびに、第1増幅部AMP1と第2増幅部AMP2のバイアス電流をなめらかに変化させることによって、利得の切り替えに際しクリック音と呼ばれるノイズが発生するのを防止することができる。
図5とは逆に、時刻T0にキャパシタC1が充電された状態(Vx=Vmax)である場合には、第1増幅回路200の利得を第1利得g1から第2利得g2へ変化させるために、第1電流出力部30のスイッチSW16をオンし、スイッチSW15をオフすればよく、第2電流出力部32のスイッチSW18をオフし、スイッチSW17をオンすればよい。このとき、第1バイアス電流Ibias1が第2電流Ic2=Issに設定され、第2バイアス電流Ibias2が第1電流Ic1=0に設定されるため、時間とともに第1電流Ic1が徐々に増加すると、演算増幅器OP1のBチャンネルが徐々にアクティブとなり、第1増幅回路200の利得が第1利得g1から第2利得g2へと徐々に変化していく。
また、第1ミュートスイッチSWma、あるいは第2ミュートスイッチSWmbのいずれかをオンし、第1利得g1または第2利得g2のいずれかを0倍に設定することにより、ミュート状態と鳴動状態を滑らかに切り替え、ノイズ音が発生するのを防止することも可能となる。
上述したように、オーディオマネージメントIC500において、第1増幅回路200および第2増幅回路210の利得は独立に制御される。したがって、図5に示すようにして第1増幅回路200の利得が制御される間、第2増幅回路210の利得は一定値に保たれている必要がある。
たとえば、時刻T0〜T1の間、Ibias3=Iss、Ibias4=0に設定され、第3増幅部AMP3がアクティブであって、第2増幅回路210の利得が第3利得g3に設定されているとする。
時刻T1〜T2の間、バイアス電流制御回路100のキャパシタ電圧Vxが変化すると、第1電流Ic1、第2電流Ic2が時間とともに変化する。このとき、バイアス電流制御回路100の第3電流出力部34はスイッチSW19、SW20をともにオンし、第4電流出力部36はスイッチSW21、SW22をオフとする。
その結果、第1電流Ic1、第2電流Ic2が時間とともに変化しても、第3バイアス電流Ibias3は、Ic1+Ic2=Issの一定値をとり、第4バイアス電流Ibias4=0の一定値をとるため、第2増幅回路210の利得は、第3増幅部AMP3の利得g3の一定値に保たれ続ける。
逆に、時刻T0〜T1の間に第2増幅回路210の第4増幅部AMP4がアクティブであった場合、第3電流出力部34のスイッチSW19、SW20をオフとし、第4電流出力部36のスイッチSW21、SW22をオンとすることにより、第2増幅回路210の利得を第4利得g4の一定値に保つことができる。
以上が、オーディオ信号増幅装置300の基本的な動作である。
図7は、オーディオ信号増幅装置300の状態遷移図を示す。
オーディオ信号増幅装置300において、第1増幅回路200およびバイアス電流制御回路100に着目すると、図7に示す4つの状態を遷移する。
第1状態STT1は、第1増幅回路200の第1増幅部AMP1がアクティブであり、バイアス電流制御回路100のキャパシタC1が充電された状態である。
第2状態STT2は、第1増幅回路200の第1増幅部AMP1がアクティブであり、バイアス電流制御回路100のキャパシタC1が放電された状態である。
第3状態STT3は、第1増幅回路200の第2増幅部AMP2がアクティブであり、バイアス電流制御回路100のキャパシタC1が充電された状態である。
第4状態STT4は、第1増幅回路200の第2増幅部AMP2がアクティブであり、バイアス電流制御回路100のキャパシタC1が放電された状態である。
第1状態STT1では、バイアス電流制御回路100のキャパシタC1が充電され、Vx=Vmaxとなっているため、第1電流Ic1=0、第2電流Ic2=Issである。このとき、第1電流出力部30は、スイッチSW15がオフ、スイッチSW16がオンとなっており、第1増幅回路200の演算増幅器OP1のAチャンネルには、第2電流Ic2=Issが供給され、第1増幅部AMP1がアクティブに設定される。また、第2電流出力部32は、スイッチSW17がオン、スイッチSW18がオフとなっており、第1増幅回路200の演算増幅器OP1のBチャンネルには、バイアス電流が供給されない。
第2状態STT2では、バイアス電流制御回路100のキャパシタC1が放電され、Vx=0となっているため、第1電流Ic1=Iss、第2電流Ic2=0である。このとき、第1電流出力部30は、スイッチSW15がオン、スイッチSW16がオフとなっている。また、第2電流出力部32は、スイッチSW17がオフ、スイッチSW18がオンとなっている。その結果、第1増幅回路200の演算増幅器OP1のAチャンネルには、第1電流Ic1=Issが供給され、第1状態と同様、第1増幅部AMP1がアクティブに設定される。
第3状態STT3では、第1電流Ic1=0、第2電流Ic2=Issである。また、第1電流出力部30のスイッチSW15がオン、スイッチSW16がオフであり、第2電流出力部32のスイッチSW17がオフ、スイッチSW18がオンとなり、第2増幅部AMP2がアクティブに設定される。
第4状態STT4では、第1電流Ic1=Iss、第2電流Ic2=0である。また、第1電流出力部30のスイッチSW15がオン、スイッチSW16がオフであり、第2電流出力部32のスイッチSW17がオフ、スイッチSW18がオンとなり、第2増幅部AMP2がアクティブに設定される。
ボリュームを変更する際には、第1増幅部AMP1と第2増幅部AMP2の間でアクティブとする増幅器を切り替えるが、このときバイアス電流Ibias1、Ibias2を時間とともに変化させる必要があるため、キャパシタC1の充放電状態を変化させる必要がある。言い換えれば、キャパシタC1の充放電状態を変化させずにボリュームを変更することはできないため、第1状態と第3状態間の遷移、第2状態と第3状態間の遷移は存在しない。
図8は、図7の各状態遷移でのスイッチSW15からスイッチSW18のオンオフ状態を示す図である。
第1、第2状態間の遷移S12、S21および第3、第4状態間の遷移S34、S43は、キャパシタC1の充放電状態のみが変化し、アクティブに設定される増幅部の切り替えられないため、第1増幅回路200の利得は一定値に保たれる。すなわち、これらの遷移では、第2増幅回路210の利得が制御され、第2スピーカSP2のボリュームが制御されている。
第1、第2状態間の遷移S12、S21では、第1増幅部AMP1がアクティブの状態が保たれるため、スイッチSW15、SW16がオン、スイッチSW17、SW18がオフとされ、第1バイアス電流Ibias1がIc1+Ic2=Issの一定値に保たれる。
同様に、第3、第4状態間の遷移S34、S43では、第2増幅部AMP2がアクティブの状態が保たれるため、スイッチSW15、SW16がオフ、スイッチSW17、SW18がオンとされ、第2バイアス電流Ibias2がIc1+Ic2=Issの一定値に保たれる。
第1、第4状態間の遷移S14、S41および第2、第3状態間の遷移S23、S32では、第1増幅回路200のアクティブに設定される増幅部が切り替えられ、第1スピーカSP1のボリュームが変更される場合に相当する。
第1、第4状態では、いずれもスイッチSW15がオフ、スイッチSW16がオン、スイッチSW17がオン、スイッチSW18がオフであるため、遷移S14、S41においても、スイッチはそのままの状態に保たれる。
同様に、第2、第3状態では、いずれもスイッチSW15がオン、スイッチSW16がオフ、スイッチSW17がオフ、スイッチSW18がオンであるため、遷移S23、S32においても、スイッチはそのままの状態に保たれる。
このように、本実施の形態に係るオーディオマネージメントIC500では、バイアス電流制御回路100に増幅部ごとに電流出力部を設け、一の増幅部に供給する電流と他の増幅部に供給する電流とを独立に、あるいは互いに相補的な関係を保ちつつ変化させている。その結果、バイアス電流制御回路100の電流生成部10を、第1増幅回路200、第2増幅回路210で共有することができるため、回路素子数、ひいてはオーディオマネージメントIC500のチップサイズを小型化することができる。特に、電流生成部10のキャパシタC1は大きな容量値が必要とされるため、電流生成部10を共有することによるオーディオマネージメントIC500を小型化することができる。
上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、オーディオマネージメントIC500が第1増幅回路200、第2増幅回路210の2つの可変利得増幅器を備える場合について説明したが、これには限定されず、さらに別の増幅回路を備えていてもよい。この場合、追加された増幅回路に対してバイアス電流を供給するために、バイアス電流制御回路100の電流出力部を、第1電流出力部30から第4電流出力部36と並列に新たに設ければよい。
実施の形態において、バイアス電流制御回路100の電流生成部10は、キャパシタC1を充放電することによって時間とともに変化する電流を生成したが、これには限定されない。たとえば、時間とともに変化するデジタルデータを生成するユニットと、このユニットから出力されるデジタルデータをD/A変換するD/Aコンバータを用い、D/Aコンバータの出力電圧を電圧電流変換回路50に入力することによっても、時間とともに変化する第1電流Ic1、第2電流Ic2を生成することができる。
実施の形態において、オーディオマネージメントIC500は、携帯電話端末に搭載される場合について説明したが、これには限定されず、CDプレイヤ、MDプレイヤ、PDAなど、スピーカやイヤホンなどの音声出力部を備えるさまざまな電子機器に搭載することができる。
バイアス電流制御回路100の用途としては、オーディオ信号増幅用の増幅回路の制御に限定されるものではなく、通信用の信号増幅器など、他の用途に用いられる増幅回路の利得制御に用いてもよい。
さらに、実施の形態に係るバイアス電流制御回路100は、増幅回路を負荷回路として電流制御を行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、その他の負荷回路を対象として、供給する電流を制御してもよい。
増幅回路の利得制御以外への本発明に係る電流制御回路の用途としては、たとえば、複数チャンネルを備えるスイッチングレギュレータやチャージポンプなどの電源回路において、チャンネル毎に独立したソフトスタート制御を行うような場合に適用することができる。この場合、電流制御回路の電流出力部から各チャンネルに出力される電流を電圧に変換し、この電圧にもとづいて各チャンネルごとにソフトスタートを行えばよい。
実施の形態に係るオーディオマネージメントICを搭載した携帯電話端末の構成示すブロック図である。 オーディオ信号増幅装置の構成を詳細に示す回路図である。 バイアス電流制御回路の構成を示す回路図である。 第1増幅回路に使用される演算増幅器の構成を示す回路図である。 第1増幅回路の構成を示す回路図である。 第1増幅回路の動作を示す図である。 オーディオ信号増幅装置の状態遷移図である。 図7の各状態遷移における各スイッチのオンオフ状態を示す図である。
符号の説明
10 電流生成部、 C1 キャパシタ、 30〜36 電流出力部、 C1 キャパシタ、 40 充放電回路、 50 電圧電流変換回路、 60 定電流源、 100 バイアス電流制御回路、 102 電流出力端子、 104 電流出力端子、 106 電流出力端子、 108 電流出力端子、 200 第1増幅回路、 210 第2増幅回路、 AMP1 第1増幅部、 AMP2 第2増幅部、 AMP3 第3増幅部、 AMP4 第4増幅部、 OP1 演算増幅器、 SP1 第1スピーカ、 SP2 第2スピーカ、 300 オーディオ信号増幅装置、 500 オーディオマネージメントIC、 600 携帯電話端末。

Claims (10)

  1. 複数の負荷回路に供給する電流を制御する電流制御回路であって、
    電流値が時間とともに変化する第1電流と、前記第1電流と電流値が相補的な関係を有する第2電流を生成する電流生成部と、
    前記複数の負荷回路ごとに設けられ、各負荷回路に、前記第1電流、前記第2電流、または前記第1電流と第2電流の和のいずれかを供給する複数の電流出力部と、
    を備えることを特徴とする電流制御回路。
  2. 前記電流生成部は、
    キャパシタと、
    前記キャパシタを充放電する充放電回路と、
    前記キャパシタの一端に現れる電圧を電流に変換する電圧電流変換回路と、
    所定の定電流を生成する定電流源と、を備え、
    前記電圧電流変換回路により変換された電流を前記第1電流とし、前記所定の定電流と前記第1電流との差分を前記第2電流とすることを特徴とする請求項1に記載の電流制御回路。
  3. 前記電流生成部は、
    前記第1電流が流れる経路上に設けられた第1トランジスタと、
    前記第2電流が流れる経路上に設けられた第2トランジスタと、を含み、
    前記複数の負荷回路ごとに設けられる電流出力部は、
    電流を供給すべき負荷回路が接続される電流出力端子と、
    前記電流出力端子と固定電位間に接続され、前記第1トランジスタとカレントミラー接続された第3トランジスタと、
    前記第3トランジスタの電流経路上に設けられた第1スイッチと、
    前記電流出力端子と固定電位間に接続され、前記第2トランジスタとカレントミラー接続された第4トランジスタと、
    前記第4トランジスタの電流経路上に設けられた第2スイッチと、
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電流制御回路。
  4. 2つの電流出力部を含む請求項1から3のいずれかに記載の電流制御回路と、
    入力端子および出力端子が共通に設けられ、それぞれ第1利得、第2利得を有する第1、第2増幅部を含む増幅回路であって、前記第1、第2増幅部に流すバイアス電流によって、その利得を、前記第1利得と前記第2利得の間で連続的に切り替え可能な増幅回路と、を備え、
    前記電流制御回路は、前記第1、第2増幅部を複数の負荷回路としてバイアス電流を供給することを特徴とする信号増幅装置。
  5. 前記第1増幅部および第2増幅部は、それぞれ可変利得増幅器であることを特徴とする請求項4に記載の信号増幅装置。
  6. 前記増幅回路は複数設けられ、前記電流制御回路の前記電流出力部は、各増幅回路の前記第1、第2増幅部ごとに複数設けられることを特徴とする請求項4または5に記載の信号増幅装置。
  7. 前記増幅回路は、
    第1非反転入力端子および第1反転入力端子に対応づけられた第1差動対と、第2非反転入力端子および第2反転入力端子に対応づけられた第2差動対と、前記第1、第2差動対に共通に設けられたカレントミラー負荷と、を含む演算増幅器と、
    複数の抵抗が直列に接続され、その一端が前記演算増幅器の出力端子に接続された抵抗群と、
    前記抵抗群に含まれる複数の抵抗の各接続ノードと、前記第1反転入力端子との間に設けられた複数のスイッチを含む第1スイッチ群と、
    前記複数の抵抗の各接続ノードと、前記第2反転入力端子との間に設けられた複数のスイッチを含む第2スイッチ群と、
    前記第1スイッチ群および前記第2スイッチ群から、それぞれひとつのスイッチを選択してオンするスイッチ制御部と、
    前記第1非反転入力端子および前記第2非反転入力端子に所定の基準電圧を印加する電圧源と、を備え、
    前記第1増幅部は、前記第1差動対および前記第1スイッチ群を含んで構成される反転増幅器であり、前記第2増幅部は、前記第2差動対および前記第2スイッチ群を含んで構成される反転増幅器であり、
    前記電流制御回路は、前記第1差動対および前記第2差動対のバイアス電流を供給することを特徴とする請求項4または5に記載の信号増幅装置。
  8. 前記信号増幅装置は、オーディオ信号を増幅することを特徴とする請求項4または5に記載の信号増幅装置。
  9. 前記信号増幅装置は、ひとつの半導体集積回路として形成されたことを特徴とする請求項4または5に記載の信号増幅装置。
  10. 音声出力部と、
    前記音声出力部に、増幅したオーディオ信号を出力する請求項8に記載の信号増幅装置と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
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