JP2006262054A - アンテナモジュール及びこれを備えた携帯情報端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アンテナコイルの通信特性を向上させながら、信号処理回路部の配線パターンを高精度に形成できるアンテナモジュールを提供する。
【解決手段】 本発明のアンテナモジュール10は、導体パターンで形成されたアンテナコイル11と、このアンテナコイル11に電気的に接続された信号処理回路部12と、これらアンテナコイル11及び信号処理回路部12を支持するベース基板(支持体)13とを備え、アンテナコイル11のパターン厚t1が、信号処理回路部の配線パターン厚t2よりも大きく形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明のアンテナモジュール10は、導体パターンで形成されたアンテナコイル11と、このアンテナコイル11に電気的に接続された信号処理回路部12と、これらアンテナコイル11及び信号処理回路部12を支持するベース基板(支持体)13とを備え、アンテナコイル11のパターン厚t1が、信号処理回路部の配線パターン厚t2よりも大きく形成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)システムに用いられるアンテナモジュールに関し、更に詳しくは、非接触通信用のアンテナコイルとこのアンテナコイルに電気的に接続された信号処理回路部とを支持する支持体を具備したアンテナモジュール及びこれを備えた携帯情報端末に関する。
従来より、非接触ICカードシステムに代表されるRFID技術においては、ICカード等の識別用ICタグにアンテナコイルを内蔵させ、外部リーダ/ライタの送受信アンテナから発信される電波との誘導結合により、例えば通信周波数13.56MHzにおける非接触データ通信を行うようにしている。
この種のICタグとして、本出願人は先に、非接触通信用のアンテナコイルと、このアンテナコイルに電気的に接続された信号処理回路部と、これらアンテナコイル及び信号処理回路部を支持する支持体とを具備したアンテナモジュールを提案した(下記特許文献1参照)。このアンテナモジュールは、例えば携帯電話等の携帯情報端末の筐体内部に組み込んで使用することができる。
上述した構成のアンテナモジュールにおいて、アンテナコイル及び信号処理回路部を支持する支持体としては、表面側及び裏面側に銅箔を積層した両面銅張積層基板(両面配線基板)等を用いることができ、これら各面の銅箔を所定形状にエッチング処理して、例えばその表面側にはループ状のアンテナコイルパターンが形成され、裏面側には信号処理回路部を構成する部品の実装用配線パターンが形成される。
このように、アンテナコイルと信号処理回路部とを共通の支持体を用いてモジュール化することにより、アンテナモジュールを一部品として携帯情報端末に組み込むことが可能となり、端末本体に大きな空間的スペースを要求することなくアンテナモジュールを実装することができるようになる。
また、携帯情報端末に対するRFID機能の組込み、追加あるいは削除が容易となり、メンテナンス性やアフターサービス等の利便性が高められる。これにより、例えば端末本体の機種変更にも容易に対応できるようになり、利用履歴等の個人情報が記憶されているアンテナモジュールを引き続き新機種端末においてもそのまま利用でき、セキュリティの確保も図ることが可能となる。
近年、13.56MHzの周波数により動作するRFIDを用いた非接触ICタグにおいて確実な動作環境が求められており、通信特性においてもできるだけ長い通信距離や、リーダ/ライタとタグとが相対する場合の平面状の広い通信エリアが求められている。従って、アンテナモジュールを構成する支持体の例えば表面側に形成されるアンテナコイルについては、要求される通信特性が得られるように設計する必要がある。
一方、信号処理回路部を構成する部品、特にICチップ等の表面実装型部品に関しては近年、益々小型化、多機能化の傾向にあり、これにより外部端子の狭ピッチ化、多ピン化が進められている。従って、上記支持体の例えば裏面側に設けられる信号処理回路部については、信頼性確保の観点から、高密度実装に対応した高精度な配線パターンの形成が必須不可欠となる。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、アンテナコイルの通信特性の向上が図れるとともに、信号処理回路部の配線パターンを高精度に形成できるアンテナモジュール及びこれを備えた携帯情報端末を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明のアンテナモジュールは、導体パターンで形成されたアンテナコイルと、このアンテナコイルに電気的に接続された信号処理回路部と、これらアンテナコイル及び信号処理回路部を支持する支持体とを備え、アンテナコイルのパターン厚は、信号処理回路部の少なくとも一部の配線パターン厚よりも大きく形成されている。
アンテナコイルの通信特性は、アンテナコイルを流れる電流の抵抗が低いほど優れた特性が得られる。従って、アンテナコイルのパターン形成厚は大きいほど優れた通信特性が望めるようになり、これにより通信距離の向上等を図ることができる。
一方、信号処理回路部の実装信頼性は、部品の電極ピッチに対応した導体ランドのパターン精度に依存し、このパターン精度を高めるには、配線層は薄い方が望ましい。従って配線層の厚さが小さいほど導体層の加工精度が高まり、信号処理回路部の実装信頼性を確保できるようになる。
この場合、信号処理回路部を構成する全ての配線領域について、その配線パターン厚をアンテナコイルのパターン厚よりも薄く形成する場合に限らず、IC部品等の狭ピッチ、多ピン部品の実装領域のみ薄いパターン厚で形成するようにしてもよい。このIC部品は信号処理回路部の一部を構成している場合のほか、信号処理回路部の全体を構成している場合も含まれる。なお本発明において、IC部品は、ICベアチップ、ICパッケージ部品等のICを主体とする電子部品のことをいう。
支持体は、一方の面にアンテナコイルが形成され、他方の面に信号処理回路部のうち少なくともIC部品が実装された単一の絶縁性基板で構成することができる。この場合、支持体として、一方の面側と他方の面側とで導体層の厚さの異なる例えば両面配線基板を用いることができる。また、比較的層厚の大きい両面配線基板を準備し、信号処理回路部の実装面側をハーフエッチング処理等して層厚を小さくするようにしてもよい。
一方、支持体は、アンテナコイルを支持する第1の基板と、信号処理回路部が形成される第2の基板との組合せ体とすることができる。これにより、アンテナコイルと信号処理回路部の配線層とを異なる基板で形成できるようになり、それぞれの機能に適した導体パターン厚を容易に実現することができる。
以上述べたように、本発明によれば、アンテナコイルを形成する導体層のパターン厚を信号処理回路部(又はその一部)の配線パターン厚よりも大きく形成したので、信号処理回路部の配線パターンの加工精度を損なうことなく、アンテナコイルの通信特性の向上を図ることができる。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態によるアンテナモジュール1の一構成例を示している。ここで、図1はアンテナモジュール1の平面図、図2は図1における[2]−[2]線方向断面図である。
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態によるアンテナモジュール1の一構成例を示している。ここで、図1はアンテナモジュール1の平面図、図2は図1における[2]−[2]線方向断面図である。
本実施の形態のアンテナモジュール10は、非接触通信用のアンテナコイル11と、信号処理回路部12と、これらアンテナコイル11及び信号処理回路部12を支持する「支持体」としてのベース基板13とを備えている。
ベース基板13は、例えばポリイミド(PI)やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のプラスチックフィルムでなる絶縁性フレキシブル基板、あるいはガラスエポキシ等のリジッド性基板で構成されている。
このベース基板13の表面13Aには、平面内でループ状に巻回されたアンテナコイル11が搭載されている。アンテナコイル11は、非接触ICタグ機能のためのアンテナコイルで、外部のリーダ/ライタ(図示略)の送受信アンテナ部と誘導結合し通信を行う。このアンテナコイル11は、ベース基板13の上にパターニングされた銅、アルミニウム等の導体パターンで形成されている。
アンテナコイル11は、ベース基板13の周縁に沿うようにして設けられている。なおアンテナコイル11の巻回数、コイル面積等は、仕様に応じて適宜選定される。また、アンテナコイル11は、ベース基板13の表面13Aに形成された絶縁材料でなるオーバーコート材14Aによって被覆されている(図2参照)。
なお、このアンテナモジュール10にリーダ/ライタ機能のための第2のアンテナコイルを設けることも可能である。この場合、当該第2のアンテナコイルを上述のアンテナコイル11と兼用してもよいし、アンテナコイル11の内周側あるいは外周側に別途設けてもよい。あるいは、アンテナコイル11と当該第2のアンテナコイルとをベース基板13の表面側と裏面側とに分けて配置するようにしてもよい。
信号処理回路部12は、ベース基板13の裏面13B側に設けられており、非接触データ通信に必要な信号処理回路を形成する配線層17(図2)及びこれに電気的に接続されたIC部品12aや同調用コンデンサ等の電気・電子部品12bで構成されている。信号処理回路部12は、図1及び図2に示したようにIC部品12aを含む複数の部品群で構成されているが、単一のIC部品のみで構成されていてもよい。
なお、信号処理回路部12は、ベース基板13の周縁の一部から延びた連結部13C先端の外部接続端子13Dを介して、後述する携帯情報端末の制御基板に接続されている。また信号処理回路部12を構成する各種部品は、アンテナコイル11の内周側、特にベース基板13の略中央部に集中して配置されている。そして、ベース基板13の裏面13Bは、信号処理回路部12を構成する各種部品の配線層17(図2)のうち接続用ランド等の一部領域を除いて、ソルダレジスト等のオーバーコート材14Bで被覆されている。
アンテナコイル11と信号処理回路部12との間の電気的接続は、アンテナコイル11の両端に設けられた層間接続用のスルーホール15と、ベース基板13の裏面13B側に形成された信号入出力用配線群16の中の所定の配線群を介して接続されている。また、信号処理回路部12と外部接続端子13Dとの間の電気的接続は、上記信号入出力用配線群16の中の他の配線群を介して接続されている。
本実施の形態において、ベース基板13は、その表面13A及び裏面13Bに各々銅箔等の導体層が形成された両面基板で構成されており、各面13A,13Bそれぞれについて所定のパターニング加工を行うことによって、アンテナコイル11、信号処理回路部12の接続ランドを含む配線部17(図2)および信号入出力用配線群16の各パターンが形成されている。
そして、本実施の形態のアンテナモジュール10においては、図2に示したように、ベース基板13の裏面13B側に、アンテナコイル11の磁芯(コア)として機能する磁芯部材18が積層されている。
この磁芯部材18は、例えば、合成樹脂材料やゴム等の絶縁性バインダー(その他添加剤含む)中に軟磁性粉末を混合してシート状又はプレート状に形成された射出成形体で構成することができる。軟磁性粉末としては、センダスト(Fe−Al−Si系)、パーマロイ(Fe−Ni系)、アモルファス(Fe−Si−B系等)、フェライト(Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライト等)などが適用可能であり、目的とする通信性能や用途に応じて使い分けられる。磁芯部材18の略中央部には、ベース基板13との積層時に信号処理回路部12の構成部品12a,12bを収容するための凹所18aが設けられている。
なお必要に応じて、この磁芯部材18に金属シールド板19を積層してもよい。この金属シールド板19は、ステンレス板や銅板、アルミニウム板等で形成され、後述するように、アンテナモジュール10を携帯情報端末の筐体内部に組み込んだ際、アンテナモジュール10と携帯情報端末内部の制御基板やバッテリパック等の金属部分との電磁的な相互干渉を抑制する目的で設けられる。
ここで本実施の形態では、ベース基板13の表面13A側の導体層が、ベース基板13の裏面13B側の導体層よりも厚く形成されている。このため、図2に示したように、ベース基板13の表面13A側に形成されたアンテナコイル11のパターン厚t1は、ベース基板13の裏面13B側に形成された信号処理回路部12の配線部(接続用ランド)17のパターン厚t2よりも大きい。本実施の形態では、t1を35μm、t2を18μmとしている。
パターン厚t1,t2の大きさは特に限定されない。アンテナコイル11については、そのパターン厚t1が大きいほどアンテナコイル11を流れる誘導電流の抵抗は小さくなるので、通信距離の向上を図ることができる。特に、アンテナコイル11の形成幅に制限がある場合、このパターン厚t1を大きくすることでアンテナ特性を改善できるので、非常に有利である。
例えば、ある条件下においてアンテナコイル11のパターン厚が18μmの場合と35μmの場合とでその通信距離(アンテナモジュール10単体での通信距離)を測定した実験では、金属シールド板19が無い状態では、パターン厚18μmでは150.35mm、パターン厚35μmでは156.42mmであった。また、金属シールド板19が有る状態では、パターン厚18μmの場合では101.75mm、パターン厚35μmの場合では106.57mmであった。この実験結果から明らかなように、アンテナコイル11のパターン厚が大きいほど通信距離を向上させることができる。
一方、信号処理回路部12の配線部17については、そのパターン厚t2が小さいほどパターニング精度を高めることができるので、IC部品12a等の狭ピッチ・多ピン部品やその他電気・電子部品12bが実装される微細な導体ランドや配線の引き回しパターン等を優れた加工精度で形成することができる。
図3は、以上のように構成される本実施の形態のアンテナモジュール10を搭載した携帯情報端末1の断面模式図である。図ではアンテナモジュール10が携帯情報端末1の端末本体(筐体)2の上部背面側に内装された例を示している。
端末本体2には、当該携帯情報端末1の諸機能を制御するCPUその他の電子部品が搭載された制御基板3やバッテリパック4等が内蔵されており、その表面の一部には液晶ディスプレイ等の表示部5が設けられている。また、図示せずとも通信ネットワークを介しての情報の送受信に必要な送受信用アンテナを含む通信手段や、操作入力部、電話機能に必要なマイクロフォン及びスピーカ等が備え付けられている。
アンテナモジュール10は、ベース基板13の表面13A側を端末本体2の背面2a側に向けて内装される。このとき、ベース基板13の外部接続端子13Dは、制御基板3に電気的に接続されている。
以上のように構成される本実施の形態の携帯情報端末1においては、図3に示したように、外部のリーダ/ライタ6と通信する際には、端末本体2の背面2aをリーダ/ライタ6の送受信アンテナ部6aに近接させる。そして、リーダ/ライタ6の送受信アンテナ部6aから発振された電磁波あるいは高周波磁界(例えば13.56MHz)が、アンテナモジュール10のアンテナコイル11内を通過することで、アンテナコイル11に上記電磁波あるいは高周波磁界の強さに応じた誘導電流が発生する。この誘導電流は信号処理回路部12において整流され、IC部品12aに記録された情報の読出し電圧に変換される。読み出された情報は信号処理回路部12において変調され、アンテナコイル11を介してリーダ/ライタ6の送受信アンテナ部6aへ送信される。
以上のように本実施の形態によれば、アンテナコイル11のパターン厚t1が信号処理回路部12の配線部17のパターン厚t2よりも大きく形成されているので、配線部17のパターン加工精度を損なうことなく、アンテナコイル11の通信特性の向上を図ることができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態によるアンテナモジュール20の側断面図である。なお図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
図4は、本発明の第2の実施の形態によるアンテナモジュール20の側断面図である。なお図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施の形態のアンテナモジュール20では、信号処理回路部12の構成部品12a,12bが搭載される配線部17において、IC部品12aが搭載される配線部17aと、その他の部品12bが搭載される配線部17bの層厚が互いに異なっており、配線部17aよりも配線部17bが厚く形成されている。
特に本実施の形態では、配線部17bがアンテナコイル11のパターン厚と同等の厚さで形成されており、配線部17aは導体層をハーフエッチング等の薄厚化処理を施すことによって形成されている。
本実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態と同様に、目的とする通信性能が得られるパターン厚でアンテナコイル11を形成することができるとともに、各面の導体層が同一厚の両面基板を用いてベース基板13を構成することができる。これにより、各面において導体層の厚さが異なる配線基板を用いる場合に比べて低コストでアンテナモジュール20を作製することができる。
また、IC部品12a等の狭ピッチ・多ピン部品の接続配線領域を導体厚の小さい配線部17aとして形成することにより、微細加工性を高めて優れたパターニング精度を確保することができる。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態によるアンテナモジュール30の側断面図である。なお図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
図5は、本発明の第3の実施の形態によるアンテナモジュール30の側断面図である。なお図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施の形態のアンテナモジュール30においては、ベース基板13の表面13A側にアンテナコイル11が形成されているともに、信号処理回路部12の構成部品のうちIC部品12aを除く他の電気・電子部品12bが実装されており、IC部品12aはベース基板13の裏面13B側に実装されている。
ここで、ベース基板13の表面13Aに実装されている信号処理回路部12の構成部品12bは、アンテナコイル11のパターニング加工と同時に形成された配線部17bに電気的に接続されている。この配線部17bは、アンテナコイル11のパターン厚と同等の厚さで形成されている。
一方、ベース基板13の裏面13Bに実装されている信号処理回路部12のIC部品12aは、アンテナコイル11及び配線部17bのパターン厚よりも薄く形成された配線部17aに電気的に接続されている。
本実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態と同様に、目的とする通信性能が得られるパターン厚でアンテナコイル11を形成することができるとともに、配線部17aの微細加工性を高めて優れたパターニング精度を確保することができる。
(第4の実施の形態)
図6は本発明の第4の実施の形態によるアンテナモジュール40の構成を説明する平面図である。なお図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6は本発明の第4の実施の形態によるアンテナモジュール40の構成を説明する平面図である。なお図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態のアンテナモジュール40は、アンテナコイル11及び信号処理回路部12を支持する本発明の「支持体」が、アンテナコイル11が形成されたアンテナ支持基板41と、信号処理回路部12の各種構成部品12a,12bが実装された回路搭載基板42との組合せ体で構成されている。
この構成により、アンテナコイル11が形成される基板と信号処理回路部12が実装される基板とを別種の配線基板で構成することができるので、所望の通信性能が得られるパターン厚でアンテナコイル11を形成することができるとともに、微細加工性を損なうことなく信号処理回路部12の各種構成部品の配線パターン(図示略)を形成することができる。
ここで、アンテナ支持基板41は本発明の「第1の基板」に対応し、導体層(銅箔等)の厚さが例えば35μmの片面配線基板で構成することができる。そして、この導体層をパターニング加工して図示する形状のアンテナコイル11が形成されている。
一方、回路搭載基板42は本発明の「第2の基板」に対応し、導体層(銅箔等)の厚さが例えば18μmの片面配線基板で構成することができる。そして、この導体層をパターニング加工して回路部品12a,12bが搭載される接続用ランドを含む配線パターンが形成されている。
アンテナ支持基板41及び回路搭載基板42の材質は特に限定されないが、回路搭載基板42に関しては、回路構成部品12a,12bの実装にリフローはんだ付け等が行われる場合を考慮して、PIやガラスエポキシ基板等の耐熱性のある基板材料で構成するのが好ましい。
アンテナ支持基板41は回路搭載基板42に比べて大きな面積で形成され、回路搭載基板42はアンテナコイル12の内周側、本例ではアンテナ支持基板41の略中央部に取り付けられている。アンテナ支持基板41と回路搭載基板42との組付けは、接着剤や両面接着シート等の接着材料を使った貼り付けのほか、かしめや融着等の一体化手法が適用可能である。
また、アンテナ支持基板41と回路搭載基板42との電気的導通を図るため、これらアンテナ支持基板41及び回路搭載基板42には、組付時に互いに接続される端子群16a,16bが形成されている。これにより、アンテナコイル11及び信号入出力配線群16と信号処理回路部12との間が電気的に接続される。
なお、端子群16aと端子群16bとの間の電気的接続には、超音波接合やかしめ接続等の固相接合のほか、導電性接着剤や異方性導電フィルム/接着剤(ACF/ACP)、はんだ付け等、導電性材料を介在させることによる接合も適用可能である。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施の形態では、アンテナコイル11及び信号処理回路部12を支持する支持体として、両面配線基板で構成されたベース基板13、あるいは片面配線基板で構成されたアンテナ支持基板41及び回路搭載基板42の組合せ体を説明したが、これに限らず、信号処理回路部の構成部品(IC部品等)を収容するキャビティを内部に有しアンテナコイル形成用の導体層が表面に形成された素子内蔵基板を上記支持体として適用することも可能である。
また、以上の実施の形態では、携帯情報端末に組み込まれるアンテナモジュールを例に挙げて説明したが、携帯情報端末に限らず、携帯型ゲーム機等の他の電子機器に組み込まれるアンテナモジュールや、非接触ICカード用のアンテナモジュールにも本発明は適用可能である。
1…携帯情報端末、2…端末本体(筐体)、3…制御基板、4…バッテリパック、6…リーダライタ、10,20,30,40…アンテナモジュール、11…アンテナコイル、12…信号処理回路部、12a…IC部品、13…ベース基板、17,17a,17b…配線部、18…磁芯部材、19…金属シールド板、41…アンテナ支持基板、42…回路搭載基板。
Claims (8)
- 導体パターンで形成されたアンテナコイルと、
このアンテナコイルに電気的に接続された信号処理回路部と、
前記アンテナコイル及び前記信号処理回路部を支持する支持体とを備え、
前記アンテナコイルのパターン厚は、前記信号処理回路部の少なくとも一部の配線パターン厚よりも大きく形成されている
ことを特徴とするアンテナモジュール。 - 前記信号処理回路部の一部又は全部がIC部品で形成され、このIC部品が実装される配線領域のパターン厚に比べて、前記アンテナコイルのパターン厚が大きい
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。 - 前記信号処理回路部の一部はIC部品で形成されており、
前記支持体は、一方の面に前記アンテナコイルが形成され、他方の面に前記信号処理回路部のうち少なくとも前記IC部品が実装された単一の絶縁性基板でなる
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。 - 前記支持体は、
前記アンテナコイルを支持する第1基板と、前記信号処理回路部が搭載された第2基板との組合せ体である
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。 - 前記第2基板は、前記第1基板上の前記アンテナコイルの内周側に配置されている
ことを特徴とする請求項4に記載のアンテナモジュール。 - 前記支持体には、磁芯部材が積層されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。 - 前記磁芯部材には、金属シールド板が積層されている
ことを特徴とする請求項6に記載のアンテナモジュール。 - 導体パターンで形成されたアンテナコイルと、
このアンテナコイルに電気的に接続された信号処理回路部と、
前記アンテナコイル及び前記信号処理回路部を支持する支持体とを備え、
前記アンテナコイルのパターン厚が前記信号処理回路部の少なくとも一部の配線パターン厚よりも大きく形成されたアンテナモジュールが、筐体内部に組み込まれている
ことを特徴とする携帯情報端末。
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