JP2006259615A - バリア装置、鏡筒およびカメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バリア装置は、光学系1の鏡筒2の前面側に配置され、光学機器の不作動時にはバリア閉状態として有効光路を遮蔽し、光学機器の作動時にはバリア開状態として有効光路を開放する。バリアカバー11は、前記有効光路に相当するバリア開口部を有する。バリアレバー3は、鏡筒2が収納する駆動力を受けて回動する。回動部材10は、バリアレバー3の回動に連動して光学系1の光軸を中心として回動し、前記有効光路の周縁近傍の隅部を遮蔽する。4枚のバリア羽根6〜9は、回動部材10の回動に連動して鏡筒2の外周近傍を中心として回動し、有効光路の残部を遮蔽する。回動部材10がバリア開口部の一部を遮蔽することで残りの開口部を狭くし、バリア羽根6〜9の面積を小さくしてバリア装置の外径を小さくすることができる。
【選択図】 図1
Description
すなわち、光学系有効径に対応する有効光路範囲が広くなると、それに対応して遮蔽すべき開口面積が広くなるため、バリア羽根の枚数が同一ならば広い面積のバリア羽根が必要となり、光学系対物面を開放するバリアの開状態において前記バリア羽根を退避するために、鏡筒の径をわざわざ広げる必要があった。現実には、鏡筒の径には限界があるため、個々のバリア羽根を大きくする代わりに、バリア羽根の枚数を増加させて対処するのが一般的であった。但しこの場合はバリア羽根の枚数の増加に伴い、バリア機構の光軸に沿う方向の厚みが増大することになる。しかも、最近はユーザーのニーズに応えるために、光学系の有効光路範囲が広い広角系の撮影光学系が必要となり、上述したバリア羽根の増加に伴う光軸方向の厚みおよび製造コストが増大する傾向にある。そこで、最近においても、カメラの更なる小型化のために新たなタイプのバリア装置が提案されている。
また、特許文献2(特開2001−83575号)においては、主羽根と副羽根部材を光学系の光軸とほぼ直交する同一平面で開閉し、副羽根は主羽根の動きに追従させるようにして、開口部周囲の外径を小さくしてバリアユニットを薄くするバリア装置が提案されている。
特許文献3(特開2003−295256号)においては、バリア羽根を樹脂材料からなる薄板の打ち抜きにより形成し、バリアユニットを薄くするようにするとともに開口部周囲の外径を小さくするバリア装置が提案されている。
特許文献4(特開2004−12567号)においては、バリア駆動板とバリア受地板を光軸とほぼ直交する光軸方向について同一平面内に配置するようにしてバリアユニットを薄くし同時に開口部周囲の外径を小さくしたバリア装置が提案されている。
特許文献1の技術では、開閉レバーを兼ねた回動部材の一部をバリア羽根の代わりに使用しているため、前記回動部材に外観処理を行う必要があり、しかも回動部材の結像面側にバリア羽根を配置するためにバリア羽根の抜け止め部材が必要になり、製造コストの増加を招いてしまう。また、開閉レバーとなる回動部材を直接駆動する構成であるために、鏡筒の収納調節(すなわち、収納時の光軸方向の高さ調節)を行うことができないという問題がある。
また、特許文献2の技術では、少なくとも3枚のバリア羽根を光軸とほぼ直交する同一面で開閉させるようにすることによってバリアユニットを薄くすると同時に開口部周囲の外径を小さくしている。しかしながら、バリア羽根の全てがほぼ同一面に設けられるため、バリア開状態でのスペースの関係上、副羽根が小さくなり、加工上の問題でバリア装置を小さくするには限界が生じる。
特許文献3の技術では、バリア羽根を樹脂材料からなる薄板の打ち抜きで形成することによって、バリアユニットを薄くして、しかも開口部周囲の外径を小さくしている。しかしながら、薄板打ち抜きでバリア羽根を形成することは強度の点で難しい上に、バリア羽根の回動軸への掛かりも薄くなってしまい、回動が不安定になる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、バリア開口の拡大に伴って鏡胴径を拡大することなく、光学系および鏡筒を適切に且つ確実に保護し、構成も簡単で安定な動作を可能とするバリア装置、鏡筒およびカメラを提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明の目的は、特に、バリア羽根によって遮蔽すべき開口部を狭くし、個々のバリア羽根の面積をより小さくして、装置外径を小さくすることを可能とするバリア装置を提供することにある。
請求項2に記載の発明の目的は、特に、一層効果的に装置外径を小さくすることを可能とするバリア装置を提供することにある。
請求項3に記載の発明の目的は、特に、製造時の組み付け、保守時の修理および交換を、より容易に行い得るバリア装置を提供することにある。
請求項5に記載の発明の目的は、特に、バリア羽根を駆動する機構が簡単で、安定な動作を実現することを可能とするバリア装置を提供することにある。
請求項6に記載の発明の目的は、特に、付勢用弾性部材の使用を抑制して各部材の連動構成を簡易にしてコストダウンを達成し得るバリア装置を提供することにある。
請求項7に記載の発明の目的は、特に、異常操作時におけるバリア羽根の破損を効果的に防止することを可能とするバリア装置を提供することにある。
請求項8に記載の発明の目的は、特に、光軸方向の厚みをより効果的に薄くすることを可能とするバリア装置を提供することにある。
請求項9に記載の発明の目的は、特に、バリア羽根をより容易に駆動制御することを可能とするバリア装置を提供することにある。
請求項10に記載の発明の目的は、特に、バリア羽根の配置空間を効率良く利用して、バリア羽根の面積をより広く取り得るバリア装置を提供することにある。
請求項12に記載の発明の目的は、特に、バリア羽根の強固な作動空間を形成して、バリア羽根の安定な作動を可能とするバリア装置を提供することにある。
請求項13に記載の発明の目的は、特に、バリア開口の拡大に伴って鏡胴径を拡大することなく、光学系を適切に且つ確実に保護し、構成も簡単で安定な動作を可能とする鏡筒を提供することにある。
請求項14に記載の発明の目的は、特に、バリア開口の拡大に伴って鏡胴径を拡大することなく、光学系および鏡筒を適切に且つ確実に保護し、構成も簡単で安定な動作を可能とするカメラを提供することにある。
光学機器の光学系の鏡筒の前面側に配置され、前記光学機器の不作動時にはバリア閉状態として前記光学系の有効光路を遮蔽し、前記光学機器の作動時にはバリア開状態として前記有効光路を開放するバリア装置において、
前記有効光路に相当するバリア開口部を有するバリアカバーと、
前記鏡筒が収納する駆動力を受けて回動するレバーと、
前記レバーの回動に連動して前記光学系の光軸を中心として回動し、前記有効光路の周縁近傍の一部を遮蔽する少なくとも1つの回動部材と、
前記回動部材の回動に連動して前記鏡筒の外周近傍を中心として回動し、前記有効光路の残部を遮蔽する少なくとも4枚のバリア羽根と、
を具備することを特徴としている。
請求項2に記載した発明に係るバリア装置は、請求項1のバリア装置であって、
前記光学系の有効光路は、長辺方向寸法をH、短辺方向寸法をV、そして対角方向寸法をTとすると、次式:
H2+V2≦T2
が成り立つ形状であることを特徴としている。
前記バリアカバーと、前記レバーと、前記回動部材と、前記少なくとも4枚のバリア羽根とを一体に組み付けてユニットとして構成したことを特徴としている。
請求項4に記載した発明に係るバリア装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項のバリア装置であって、
前記回動部材を、前記少なくとも4枚のバリア羽根よりも被写体側に設置し、且つ前記回動部材と前記レバーで前記少なくとも4枚のバリア羽根が作動する空間を形成していることを特徴としている。
請求項5に記載した発明に係るバリア装置は、請求項1〜請求項4のいずれか1項のバリア装置であって、
前記鏡筒が収納するときにおける光軸方向に移動する部材の移動および光軸周りに回動する部材の回動の少なくとも一方によって前記レバーを回動させる連結手段をさらに備えていることを特徴としている。
前記回動部材と前記レバーが、一体的に回動すべく係合していることを特徴としている。
請求項7に記載した発明に係るバリア装置は、請求項1〜請求項6のいずれか1項のバリア装置であって、
前記少なくとも4枚のバリア羽根の開閉に係る少なくとも所定の一部の動作時に、前記少なくとも4枚のバリア羽根のうちの少なくとも2枚が、前記レバーに片当てで係合し、且つ前記少なくとも4枚のバリア羽根が、取り付けられた弾性部材により付勢されて前記レバーに押し付けられることを特徴としている。
請求項8に記載した発明に係るバリア装置は、請求項1〜請求項7のいずれか1項のバリア装置であって、
前記少なくとも4枚のバリア羽根が、光軸方向について2枚ずつ異なる位置に且つ前記光学系の最も被写体側のレンズ表面にほぼ沿って近傍に配置されていることを特徴としている。
前記少なくとも4枚のバリア羽根が、少なくとも2枚の主羽根と少なくとも2枚の従羽根とからなり、前記従羽根は、前記主羽根の動きに追従して回動すべく構成したことを特徴としている。
請求項10に記載した発明に係るバリア装置は、請求項9のバリア装置であって、
前記少なくとも2枚の主羽根のうちの少なくとも1枚と前記少なくとも2枚の従羽根のうちの少なくとも1枚が、同一回動軸を有することを特徴としている。
請求項11に記載した発明に係るバリア装置は、請求項10のバリア装置であって、
前記少なくとも2枚の主羽根のうちの1枚と前記少なくとも2枚の従羽根のうちの1枚が、同一回動軸上で弾性部材を光軸方向に挟み込んでおり、前記弾性部材の一端を前記主羽根に係合させ、前記弾性部材の他端を前記従羽根に係合させて、前記主羽根および前記従羽根の両方を閉方向に付勢していることを特徴としている。
前記回動部材と前記レバーが、金属材料で形成されており、これら回動部材およびレバーの少なくとも一方には、ドライルーブ処理が施されていることを特徴としている。
請求項13に記載した発明に係る鏡筒は、請求項1〜請求項12のいずれか1項のバリア装置を備えたことを特徴としている。
請求項14に記載した発明に係るカメラは、請求項1〜請求項12のいずれか1項のバリア装置を備えたことを特徴としている。
〔作用〕
このような構成により、光軸を中心として回動する少なくとも1つの回動部材がバリア開口部の一部を遮蔽することで残りの開口部を狭くし、残りの少なくとも4枚のバリア羽根の面積をより小さくしてバリア装置の外径を小さくすることができるので、バリア開口の拡大に伴って鏡胴径を拡大することなく、光学系および鏡筒を適切に且つ確実に保護し、構成も簡単で安定な動作を可能とし、特に、バリア羽根によって遮蔽すべき開口部を狭くし、個々のバリア羽根の面積をより小さくして、装置外径を小さくすることが可能となる。
前記光学系の有効光路は、長辺方向寸法をH、短辺方向寸法をV、そして対角方向寸法をTとすると、次式:
H2+V2≦T2
が成り立つ形状である。
このような構成により、光軸を中心として回動する少なくとも1つの回動部材はバリア開口の対角の一部を遮蔽するから、上式のように有効光路がタル型でバリア開口が糸巻き型の光学系であれば、よりバリア装置の外形を小さくすることができるので、特に、一層効果的に装置外径を小さくすることが可能となる。
請求項3に記載の発明に係るバリア装置は、請求項1または請求項2のバリア装置であって、
前記バリアカバーと、前記レバーと、前記回動部材と、前記少なくとも4枚のバリア羽根とを一体に組み付けてユニットとして構成している。
このような構成により、バリア装置をユニットとするので、特に、製造時の組み付け、保守時の修理および交換を、より容易に行うことができる。
前記回動部材を、前記少なくとも4枚のバリア羽根よりも被写体側に設置し、且つ前記回動部材と前記レバーで前記少なくとも4枚のバリア羽根が作動する空間を形成している。
このような構成により、回動部材を少なくとも4枚のバリア羽根よりも被写体側に設置することにより、回動部材とレバーまたは地板でバリア羽根の作動空間を形成するので、特に、バリア羽根の作動空間を強固に形成することができ、バリア羽根を安定に作動させることが可能となる。
請求項5に記載の発明に係るバリア装置は、請求項1〜請求項4のいずれか1項のバリア装置であって、
前記鏡筒が収納するときにおける光軸方向に移動する部材の移動および光軸周りに回動する部材の回動の少なくとも一方によって前記レバーを回動させる連結手段をさらに備えている。
このような構成により、鏡筒が収納するときの光軸方向の移動または光軸周りに回動する部材の回動でバリア羽根を駆動するレバーを回動させるので、特に、バリア羽根を駆動する機構が簡単で、安定な動作を実現することが可能となる。
前記回動部材と前記レバーが、一体的に回動すべく係合している。
このような構成により、回動部材とレバーを一体的に回動させるので、特に、付勢用弾性部材の使用を抑制して各部材の連動構成を簡易にしてコストダウンを達成することができる。
請求項7に記載の発明に係るバリア装置は、請求項1〜請求項6のいずれか1項のバリア装置であって、
前記少なくとも4枚のバリア羽根の開閉に係る少なくとも所定の一部の動作時に、前記少なくとも4枚のバリア羽根のうちの少なくとも2枚が、前記レバーに片当てで係合し、且つ前記少なくとも4枚のバリア羽根が、取り付けられた弾性部材により付勢されて前記レバーに押し付けられる。
このような構成により、少なくとも4枚のバリア羽根がレバーに片当てで取り付けられているので、特に、異常操作時におけるバリア羽根の破損を効果的に防止することが可能となる。
前記少なくとも4枚のバリア羽根が、光軸方向について2枚ずつ異なる位置に且つ前記光学系の最も被写体側のレンズ表面にほぼ沿って近傍に配置されている。
このような構成により、少なくとも4枚の羽根が、光学系の被写体側レンズの表面に沿って配置されることにより、特に、光軸方向の厚みをより効果的に薄くすることが可能となる。
請求項9に記載の発明に係るバリア装置は、請求項1〜請求項8のいずれか1項のバリア装置であって、
前記少なくとも4枚のバリア羽根が、少なくとも2枚の主羽根と少なくとも2枚の従羽根とからなり、前記従羽根は、前記主羽根の動きに追従して回動すべく構成している。
このような構成により、従羽根を主羽根の動きに追従して回動させることにより、主羽根の制御だけで従羽根も容易に制御することができるので、特に、バリア羽根をより容易に駆動制御することが可能となる。
前記少なくとも2枚の主羽根のうちの少なくとも1枚と前記少なくとも2枚の従羽根のうちの少なくとも1枚が、同一回動軸を有している。
このような構成により、主羽根と従羽根を同一回動軸にするので、特に、バリア羽根の配置空間を効率良く利用して、バリア羽根の面積をより広く取ることができる。
請求項11に記載の発明に係るバリア装置は、請求項10のバリア装置であって、
前記少なくとも2枚の主羽根のうちの1枚と前記少なくとも2枚の従羽根のうちの1枚が、同一回動軸上で弾性部材を光軸方向に挟み込んでおり、前記弾性部材の一端を前記主羽根に係合させ、前記弾性部材の他端を前記従羽根に係合させて、前記主羽根および前記従羽根の両方を閉方向に付勢している。
このような構成により、羽根の弾性部材を主羽根と従羽根の間に設けるので、特に、組付けを容易にして、量産性を向上させることが可能となる。
前記回動部材と前記レバーが、金属材料で形成されており、これら回動部材およびレバーの少なくとも一方には、ドライルーブ処理が施されている。
このような構成により、回動部材とレバーを金属部材で形成するので、特に、バリア羽根の強固な作動空間を形成して、バリア羽根の安定な作動が可能となる。
請求項13に記載の発明に係る鏡筒は、請求項1〜請求項12のいずれか1項のバリア装置を備えている。
このような構成により、特に、バリア開口の拡大に伴って鏡胴径を拡大することなく、光学系を適切に且つ確実に保護し、構成も簡単で安定な動作が可能となる。
請求項14に記載の発明に係るカメラは、請求項1〜請求項12のいずれか1項のバリア装置を備えている。
このような構成により、特に、バリア開口の拡大に伴って鏡胴径を拡大することなく、光学系および鏡筒を適切に且つ確実に保護し、構成も簡単で安定な動作が可能となる。
すなわち請求項1に記載の発明に係るバリア装置によれば、
光学機器の光学系の鏡筒の前面側に配置され、前記光学機器の不作動時にはバリア閉状態として前記光学系の有効光路を遮蔽し、前記光学機器の作動時にはバリア開状態として前記有効光路を開放するバリア装置において、
前記有効光路に相当するバリア開口部を有するバリアカバーと、
前記鏡筒が収納する駆動力を受けて回動するレバーと、
前記レバーの回動に連動して前記光学系の光軸を中心として回動し、前記有効光路の周縁近傍の一部を遮蔽する少なくとも1つの回動部材と、
前記回動部材の回動に連動して前記鏡筒の外周近傍を中心として回動し、前記有効光路の残部を遮蔽する少なくとも4枚のバリア羽根と、
を具備することにより、特に、バリア羽根によって遮蔽すべき開口部を狭くし、個々のバリア羽根の面積をより小さくして、装置外径を小さくすることが可能となる。
前記光学系の有効光路は、長辺方向寸法をH、短辺方向寸法をV、そして対角方向寸法をTとすると、次式:
H2+V2≦T2
が成り立つ形状であることにより、特に、一層効果的に装置外径を小さくすることが可能となる。
請求項3に記載の発明に係るバリア装置によれば、請求項1または請求項2のバリア装置において、
前記バリアカバーと、前記レバーと、前記回動部材と、前記少なくとも4枚のバリア羽根とを一体に組み付けてユニットとして構成することにより、特に、製造時の組み付け、保守時の修理および交換を、より容易に行うことができる。
請求項4に記載の発明に係るバリア装置によれば、請求項1〜請求項3のいずれか1項のバリア装置において、
前記回動部材を、前記少なくとも4枚のバリア羽根よりも被写体側に設置し、且つ前記回動部材と前記レバーで前記少なくとも4枚のバリア羽根が作動する空間を形成することにより、特に、バリア羽根の作動空間を強固に形成することができ、バリア羽根を安定に作動させることが可能となる。
前記鏡筒が収納するときにおける光軸方向に移動する部材の移動および光軸周りに回動する部材の回動の少なくとも一方によって前記レバーを回動させる連結手段をさらに備えることにより、特に、バリア羽根を駆動する機構が簡単で、安定な動作を実現することが可能となる。
請求項6に記載の発明に係るバリア装置によれば、請求項1〜請求項5のいずれか1項のバリア装置において、
前記回動部材と前記レバーが、一体的に回動すべく係合することにより、特に、付勢用弾性部材の使用を抑制して各部材の連動構成を簡易にしてコストダウンを達成することができる。
請求項7に記載の発明に係るバリア装置によれば、請求項1〜請求項6のいずれか1項のバリア装置において、
前記少なくとも4枚のバリア羽根の開閉に係る少なくとも所定の一部の動作時に、前記少なくとも4枚のバリア羽根のうちの少なくとも2枚が、前記レバーに片当てで係合し、且つ前記少なくとも4枚のバリア羽根が、取り付けられた弾性部材により付勢されて前記レバーに押し付けられることにより、特に、異常操作時におけるバリア羽根の破損を効果的に防止することが可能となる。
前記少なくとも4枚のバリア羽根が、光軸方向について2枚ずつ異なる位置に且つ前記光学系の最も被写体側のレンズ表面にほぼ沿って近傍に配置されることにより、特に、光軸方向の厚みをより効果的に薄くすることが可能となる。
請求項9に記載の発明に係るバリア装置によれば、請求項1〜請求項8のいずれか1項のバリア装置において、
前記少なくとも4枚のバリア羽根が、少なくとも2枚の主羽根と少なくとも2枚の従羽根とからなり、前記従羽根は、前記主羽根の動きに追従して回動すべく構成することにより、特に、バリア羽根をより容易に駆動制御することが可能となる。
請求項10に記載の発明に係るバリア装置によれば、請求項9のバリア装置において、
前記少なくとも2枚の主羽根のうちの少なくとも1枚と前記少なくとも2枚の従羽根のうちの少なくとも1枚が、同一回動軸を有することにより、特に、バリア羽根の配置空間を効率良く利用して、バリア羽根の面積をより広く取ることができる。
前記少なくとも2枚の主羽根のうちの1枚と前記少なくとも2枚の従羽根のうちの1枚が、同一回動軸上で弾性部材を光軸方向に挟み込んでおり、前記弾性部材の一端を前記主羽根に係合させ、前記弾性部材の他端を前記従羽根に係合させて、前記主羽根および前記従羽根の両方を閉方向に付勢することにより、特に、組付けを容易にして、量産性を向上させることが可能となる。
請求項12に記載の発明に係るバリア装置によれば、請求項1〜請求項11のいずれか1項のバリア装置において、
前記回動部材と前記レバーが、金属材料で形成されており、これら回動部材およびレバーの少なくとも一方には、ドライルーブ処理が施されることにより、特に、バリア羽根の強固な作動空間を形成して、バリア羽根の安定な作動が可能となる。
請求項13に記載の発明に係る鏡筒によれば、請求項1〜請求項12のいずれか1項のバリア装置を備えることにより、特に、バリア開口の拡大に伴って鏡胴径を拡大することなく、光学系を適切に且つ確実に保護し、構成も簡単で安定な動作が可能となる。
請求項14に記載の発明に係るカメラによれば、請求項1〜請求項12のいずれか1項のバリア装置を備えることにより、特に、バリア開口の拡大に伴って鏡胴径を拡大することなく、光学系および鏡筒を適切に且つ確実に保護し、構成も簡単で安定な動作が可能となる。
図1〜図9は、本発明の一つの実施の形態に係るバリア装置の要部の構成を示している。図1は、バリア装置の全体の構成を模式的に示す正面斜め上方向から見た分解斜視図である。図2は、バリアを閉成した状態でのバリア装置の図であり、(a)は、バリア装置の正面図、(b)は、バリアカバーを外した状態での正面図、(c)は、主羽根、従羽根およびバリアレバー部分を示す正面図、そして(d)は、要部の縦断面図である。図3および図4は、バリアを閉成した状態での主羽根と従羽根を示すそれぞれ正面側および背面側から見た斜視図である。図5は、バリアを開放した状態でのバリア装置の図であり、(a)は、バリア装置の正面図、(b)は、バリアカバーを外した状態での正面図、そして(c)は、主羽根、従羽根およびバリアレバー部分を示す正面図である。
図6および図7は、バリアを開放した状態での主羽根と従羽根を示すそれぞれ正面側および背面側から見た斜視図である。図8は、バリアを閉成した状態でのバリア装置の主要部分の図であり、(a)は、正面側から見た斜視図、そして(b)は、背面側から見た斜視図である。図9は、バリアを開放した状態での配置関係として第1および第2の従羽根を示す正面側から見た斜視図である。
図1〜図9に示すバリア装置は、光学系1、鏡筒2、バリアレバー3、第1の弾性部材4、バリア地板5、第1の主羽根6、第1の従羽根7、第2の主羽根8、第2の従羽根9、回動部材10、バリアカバー11、第2の弾性部材12および第3の弾性部材13を具備している。
光学系1は、例えば複数のレンズ群を有する沈胴式光学系であり、最も被写体側に位置する第1レンズ群の対物面近傍のみが図示されている。鏡筒2は、主として第1レンズ群を保持する第1群枠2aが示されており、さらに沈胴/突出動作に伴って回転する外部回転筒2bおよび内部回転筒2c、そして鏡胴2全体を支持する図示していない固定部に固定されている固定筒2d等が示されている。
回動部材10は、バリア開口部の対角の一部を遮蔽するから、有効光路が糸巻き型でバリア開口部がタル型の光学系であれば、一層バリア装置の外径を小さくすることができる(請求項2に対応する)。
また、バリア装置をユニット化することによって、組み付けや修理・交換を容易にすることができる(請求項3に対応する)。
回動部材10を、バリア羽根6〜9よりも被写体側に設置することによって、回動部材10とバリアレバー3またはバリア地板5とでバリア羽根6〜9の作動空間を強固なものに形成することができ、バリア羽根6〜9を安定に作動させることができる(請求項4に対応する)。
したがって、上述のようなバリア装置を用いれば、バリア開口の拡大に伴う鏡胴径を拡大することなく、光学系および鏡筒を適切に且つ確実に保護し、構成も簡単で動作上の問題を生じることのない鏡筒およびカメラを提供することができる(請求項13および請求項14に対応する)。
2 鏡筒
3 バリアレバー
4 第1の弾性部材
5 バリア地板
6 第1の主羽根
7 第1の従羽根
8 第2の主羽根
9 第2の従羽根
10 回動部材
11 バリアカバー
12 第2の弾性部材
13 第3の弾性部材
Claims (14)
- 光学機器の光学系の鏡筒の前面側に配置され、前記光学機器の不作動時にはバリア閉状態として前記光学系の有効光路を遮蔽し、前記光学機器の作動時にはバリア開状態として前記有効光路を開放するバリア装置において、
前記有効光路に相当するバリア開口部を有するバリアカバーと、
前記鏡筒が収納する駆動力を受けて回動するレバーと、
前記レバーの回動に連動して前記光学系の光軸を中心として回動し、前記有効光路の周縁近傍の一部を遮蔽する少なくとも1つの回動部材と、
前記回動部材の回動に連動して前記鏡筒の外周近傍を中心として回動し、前記有効光路の残部を遮蔽する少なくとも4枚のバリア羽根と、
を具備することを特徴とするバリア装置。 - 前記光学系の有効光路は、長辺方向寸法をH、短辺方向寸法をV、そして対角方向寸法をTとすると、次式:
H2+V2≦T2
が成り立つ形状であることを特徴とする請求項1に記載のバリア装置。 - 前記バリアカバーと、前記レバーと、前記回動部材と、前記少なくとも4枚のバリア羽根とを一体に組み付けてユニットとして構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバリア装置。
- 前記回動部材は、前記少なくとも4枚のバリア羽根よりも被写体側に設置し、且つ前記回動部材と前記レバーで前記少なくとも4枚のバリア羽根が作動する空間を形成していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のバリア装置。
- 前記鏡筒が収納するときにおける光軸方向に移動する部材の移動および光軸周りに回動する部材の回動の少なくとも一方によって前記レバーを回動させる連結手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のバリア装置。
- 前記回動部材と前記レバーは、一体的に回動すべく係合していることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のバリア装置。
- 前記少なくとも4枚のバリア羽根の開閉に係る少なくとも所定の一部の動作時に、前記少なくとも4枚のバリア羽根のうちの少なくとも2枚は、前記レバーに片当てで係合し、且つ前記少なくとも4枚のバリア羽根は、取り付けられた弾性部材により付勢されて前記レバーに押し付けられることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のバリア装置。
- 前記少なくとも4枚のバリア羽根は、光軸方向について2枚ずつ異なる位置に且つ前記光学系の最も被写体側のレンズ表面にほぼ沿って近傍に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のバリア装置。
- 前記少なくとも4枚のバリア羽根は、少なくとも2枚の主羽根と少なくとも2枚の従羽根とからなり、前記従羽根は、前記主羽根の動きに追従して回動すべく構成したことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のバリア装置。
- 前記少なくとも2枚の主羽根のうちの少なくとも1枚と前記少なくとも2枚の従羽根のうちの少なくとも1枚は、同一回動軸を有することを特徴とする請求項9に記載のバリア装置。
- 前記少なくとも2枚の主羽根のうちの1枚と前記少なくとも2枚の従羽根のうちの1枚は、同一回動軸上で弾性部材を光軸方向に挟み込んでおり、前記弾性部材の一端を前記主羽根に係合させ、前記弾性部材の他端を前記従羽根に係合させて、前記主羽根および前記従羽根の両方を閉方向に付勢していることを特徴とする請求項10に記載のバリア装置。
- 前記回動部材と前記レバーは、金属材料で形成されており、これら回動部材およびレバーの少なくとも一方は、ドライルーブ処理が施されていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のバリア装置。
- 請求項1〜請求項12のいずれか1項のバリア装置を備えたことを特徴とする鏡筒
- 請求項1〜請求項12のいずれか1項のバリア装置を備えたことを特徴とするカメラ。
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