JP2006259225A - Ｌｃｄカバーを備える液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】液晶テレビやパソコンの液晶モニタなど、情報を画面に表示する液晶表示装置において、回路基板内の周波数干渉を抑え、薄型化が可能なＬＣＤカバーを備えた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】ＬＣＤモジュール１０を背面１２側から覆うＬＣＤカバー３０の背面に、インバータ回路基板２１、信号処理回路基板、入出力回路基板と信号周波数や機能ごとに分割配置して周波数干渉を抑え、この配置箇所には各基板の大きさに対応した開口部３２を形成してＬＣＤカバー３０と各基板回路との近接を避け、該開口部３２を背面から覆うように各基板を配置することにより、ＬＣＤカバー３０の奥行きＨ’は、ＬＣＤモジュール３０の厚さｈとインバータ回路基板２１に発生する電圧に対応する絶縁距離を確保する間隔ａとを加算したｈ＋ａ＝Ｈ’と最小限に抑え、これらを格納する液晶テレビ１の薄型化を実現した。
【選択図】図１

Description

本発明は、奥行きの狭い場所に設置して使用される。或いは壁に掛けて使用される液晶テレビや液晶モニタなど薄型の液晶表示装置に関し、液晶画面やバックライト、反射板などを配設するＬＣＤ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）モジュールの背面側を覆うＬＣＤカバーを備える液晶表示装置に関する。

従来から、液晶表示装置の組立構造については、たとえば特許文献１には「液晶テレビの組立構造」などがあり、この従来技術によれば、フロントキャビネットとリアキャビネットの間で反射板を挟持し、フロントキャビネットと反射板との間に液晶パネルを挿入し、リアキャビネットと反射板との間に主基板を挿入して、フロントキャビネットとリアキャビネットの四隅の対向する位置に設けたボスと受け座によって位置決めし、ネジで締め付けする方法が提案されている。

また、別の従来技術によれば、図１２に示す液晶テレビ1のフロントキャビネット２の前面にＬＣＤモジュールの表示画面１１が配置されているが、ＬＣＤモジュールは一般に、回路基板を取り付ける構造とはなっていないことから、図８に示すＬＣＤモジュール１０内の図示しないバックライトを点灯させる電源回路が形成されたインバータ回路基板２１は、ＬＣＤモジュール１０の背面１２側を覆うＬＣＤカバー３０の背面に配置される。このＬＣＤカバー３０の背面には段差凹部３１が形成され、該段差凹部３１には、ここに配置される前記インバータ回路基板２１に形成される回路がＬＣＤカバー３０の背面と接触する、或いは近接することを避けるために、この回路基板２１の大きさに対応する開口部３２が形成され、この開口部３２を塞ぐように前記インバータ回路基板２１はＬＣＤモジュール１０との絶縁距離を確保するための間隔ａを隔てて取り付けられている。また、図１２に示すような液晶テレビ1にＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｃ）ユニット５を搭載する仕様には、この段差凹部３１の背面にＤＶＤユニット５を前記インバータ回路基板２１と絶縁距離を確保する間隔ｂを隔てて配置する方法が行われていた。

また、図９〜図１１に示す液晶テレビ１のＬＣＤカバー３０は、図１０に示すａ−ａ断面に、フロントキャビネット２とリアキャビネット３を取り付けた状態の図１１によると、背面から間隔ｄを隔ててＬＣＤモジュール１０を覆い、このＬＣＤカバー３０にはインバータ回路基板２１や信号処理回路基板２２、図示しない入出力端子を配置する入出力基板２３は、ＬＣＤカバー３０の一部を切り起こして形成され、それぞれの基板２１、２２、２３を持ち上げて載置する保持台３４によってＬＣＤカバー３０の背面から絶縁距離を確保する間隔ａを隔てて取り付けされ、このＬＣＤカバー３０に形成した脚部３５をフロントキャビネット２に取り付けてビス５０で螺着して、フロントキャビネット２とリアキャビネット３との間に格納する方法が行われていた。

特開平５−１０３２８４号公報

前述の従来技術において、特許文献１においては、前記主基板はリアキャビネットと反射板の間に挿入して、フロントキャビネットとリアキャビネットの四隅の対向する位置に設けたボスと受け座によって位置決めし、ネジで締め付けする方法であり、配置される主基板の大きさはフロントキャビネットとリアキャビネットの四隅に届く大きな１枚の基板となり、この主基板に形成される回路の構成によっては、デジタル回路とアナログ回路など異なる周波数の回路が前記１枚の大きな基板に形成されることにより周波数干渉を受けてしまうといったことが懸念される。

また、前述の別の従来技術によれば、インバータ回路基板２１は段差凹部３１の開口部３２に取り付けられることにより、インバータ回路基板２１の取り付け高さＥは、ＬＣＤモジュール１０の厚さｈと、ＬＣＤモジュール１０とインバータ回路基板２１との間隔ａとが加算されたＥ＝ｈ＋ａと最小限の高さで取り付けすることが可能であるが、前記ＬＣＤカバー３０の奥行きＨは、前記ＬＣＤモジュール１０の厚さｈと、前記ＬＣＤモジュール１０とインバータ回路基板２１との間隔ａと、これにインバータ回路基板２１の厚さｃと、段差凹部３１内にあって段差凹部３１の深さ分となるインバータ回路基板２１とＤＶＤユニット５との間隔ｂとが加算された寸法、即ちＨ＝ｈ+ａ+ｃ+ｂと、段差凹部３１の深さ分ｃ＋ｂが加算されて長くなっていた。また、これにより、ＤＶＤユニット５の取り付け高さＤは、Ｄ＝ｈ+ａ+ｃ+ｂとなっている。この液晶テレビ１からＤＶＤユニット５を取り除き、受信したテレビ番組を画面表示するだけの仕様の液晶テレビ１を製作しようとする際は、前記段差凹部３１の深さ分ｃ＋ｂが加算された奥行きＨの長いＬＣＤカバー３０を格納することで、厚い液晶テレビ１となってしまい、液晶テレビ１の厚さを薄くすることが困難な構造となっていた。また、ＬＣＤカバー３０に段差凹部３１と開口部３２を形成してあり、ＬＣＤカバー３０を形成する金型構造が複雑で金型製作コストが高くなるといった問題があった。

また、図９〜図１１の従来技術によれば、ＬＣＤモジュール１０とＬＣＤカバー３０とは間隔ｄを隔てて取り付けられていると共に、ＬＣＤカバー３０の背面に切り起こして形成した保持台３４により、インバータ回路基板２１や信号処理回路基板２２、入出力基板２３のそれぞれを持ち上げて、ＬＣＤカバー３０の背面から絶縁距離を確保する間隔ａを隔てて取り付けられることにより、前記ＬＣＤカバー３０の奥行きＨは、ＬＣＤモジュール１０の厚さｈと、ＬＣＤモジュール１０とＬＣＤカバー３０との間隔ｄとが加算されたＨ＝ｈ＋ｄと短くすることは可能であるが、それぞれの基板２１、２２、２３の取り付け高さＥは、前記ＬＣＤカバー３０の奥行きＨに保持台３４の高さａが加算され、Ｅ＝ｈ+ｄ+ａと高くなってしまい、これらを格納して構成する液晶テレビ１はＬＣＤモジュール１０とＬＣＤカバー３０との間隔ｄ分だけ厚くなってしまうといった問題があった。また、ＬＣＤカバー３０に保持台３４を切り起こして形成してあり、このＬＣＤカバー３０を形成する金型構造が複雑となり金型製作コストが高くなるといった問題があった。

そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、デジタル回路とアナログ回路が前記１枚の大きな主基板に形成されることにより周波数干渉を受けてしまうといった懸念を解消し、ＬＣＤカバー３０の奥行きＨを最小限とすると共に、ここに配置される基板２１、２２、２３の取り付け高さＥも最小限とすることにより、これらを格納して構成される液晶テレビ１など液晶表示装置の厚さを薄くすることを可能とするＬＣＤカバーを備える液晶表示装置を提供することを目的とする。

請求項１のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置は、情報を画面に表示するＬＣＤモジュールの背面側を覆う導電性のＬＣＤカバーを有し、このＬＣＤカバーに回路基板を載置する液晶表示装置であって、前記ＬＣＤカバーの背面は前記回路基板の大きさに対応する開口部を設け、該開口部を塞ぐように前記回路基板を取り付けると共に、前記ＬＣＤカバーの背面と前記ＬＣＤモジュールの背面との間隔を、少なくとも前記回路基板に形成される回路の発生電圧に対応する絶縁距離としたことを特徴とする。

請求項１の構成によれば、このＬＣＤカバーを備える液晶表示装置は、情報を画面に表示するＬＣＤモジュールの背面側を覆う導電性のＬＣＤカバーを有し、このＬＣＤカバーに回路基板を載置する液晶表示装置であって、前記ＬＣＤカバーの背面は回路基板に形成される回路がＬＣＤカバーと接触する、或いは近接することを避けるために前記回路基板の大きさに対応する開口部が設けられ、該開口部を塞ぐように前記回路基板を取り付けられると共に、前記ＬＣＤカバーの背面と前記ＬＣＤモジュールの背面との間隔は、少なくとも前記回路基板に形成される回路の発生電圧に対応する絶縁距離が確保される。

請求項２のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置は、請求項１記載のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置において、前記回路基板は、この回路基板に形成される回路の信号周波数や機能ごとに複数の回路基板に分割して前記ＬＣＤカバーに載置されることを特徴とする。

請求項２の構成によれば、前記回路基板は、この回路基板に形成される回路の信号周波数や機能ごとに複数の回路基板に分割して前記ＬＣＤカバーに載置される。

請求項３のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置は、請求項１または２記載のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置において、前記ＬＣＤカバーは、この液晶表示装置を支持するスタンドを固定するためのスタンド固定部材を取付け可能に構成することを特徴とする。

請求項３の構成によれば、前記ＬＣＤカバーは、この液晶表示装置を支持するスタンドを固定するためのスタンド固定部材を取付け可能に構成される。

請求項４のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置は、請求項１から３の何れか１項に記載のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置において、前記ＬＣＤカバーは、ＤＶＤユニットなどの記録再生ユニットを取り付け可能に構成することを特徴とする。

請求項４の構成によれば、前記ＬＣＤカバーは、ＤＶＤユニットなどの記録再生ユニットを取り付け可能に構成される。

請求項１の発明によれば、このＬＣＤカバーを備える液晶表示装置は、情報を画面に表示するＬＣＤモジュールの背面側を覆う導電性のＬＣＤカバーを有し、このＬＣＤカバーに回路基板を載置する液晶表示装置であって、前記ＬＣＤカバーの背面はＬＣＤカバーに載置する回路基板に形成される回路がＬＣＤカバーと接触する、或いは近接することを避けるために、この回路基板の大きさに対応する開口部を設けられ、該開口部を塞ぐように前記回路基板を取り付けられると共に、前記ＬＣＤカバーの背面と前記ＬＣＤモジュールの背面との間隔は、少なくとも前記回路基板に形成される回路の発生電圧に対応する絶縁距離を確保する間隔となることにより、前記ＬＣＤカバーの奥行きは、前記ＬＣＤカバーの背面に回路基板を取り付けるための必要最小限となる前記ＬＣＤモジュールの厚さと、ＬＣＤカバーとＬＣＤモジュールとの絶縁距離を確保する間隔とを加算した長さにすることが出来る。従って、ここに取り付けられる回路基板の取り付け高さも同様に必要最小限の高さで取り付けることが出来る。これにより前記液晶表示装置は、必要最小限の高さに取り付けられた前記回路基板に実装される電子部品の高さを加えただけの奥行きまで厚さを薄くすることが出来る。このように、回路基板をＬＣＤカバーに取り付ける基板取り付け構造は、ＬＣＤカバーに開口した開口部に回路基板を取り付けてビス止めするだけのシンプル構成とすることが出来る。これにより、回路基板の取り付け作業は容易となり、且つ回路基板の取り付けのため別部材は不要で、部材を増やす必要はない。また、ＬＣＤカバーは開口部とビス孔の形成のみであり、ＬＣＤカバーを形成する金型構造は簡単となり、金型製作費用を安く抑えることが出来る。これらにより、液晶表示装置の製作にかかるコストを低く抑えることが可能となる。

請求項２の発明によれば、前記回路基板は、この回路基板に形成される回路の信号周波数や機能ごとに複数の回路基板に分割して前記ＬＣＤカバーに載置されるので、1枚の回路基板に異なる周波数の回路を形成することを回避することが出来るので、回路基板内部の周波数干渉を抑えることが出来る。

請求項３の発明によれば、前記ＬＣＤカバーは、この液晶表示装置を支持するスタンドを固定するためのスタンド固定部材を取付け可能に構成されることにより、開口部を増やすことによるＬＣＤカバーの強度低下は、剛性を備えるスタンド固定部材を取り付けることによりＬＣＤカバーの強度を補うことが出来る。

請求項４の発明によれば、前記ＬＣＤカバーは、ＤＶＤユニットなどの記録再生ユニットを取り付け可能に構成されることにより、記録再生装置を内蔵した液晶テレビなど、液晶表示装置と記録再生装置の複合機を得ることが出来る。

以上のように、本発明は、奥行きの狭い場所に設置して使用される。或いは壁に掛けて使用される液晶テレビや液晶モニタなど薄型の液晶表示装置に関し、表示画面やバックライト、反射板などを配置するＬＣＤモジュールの背面側を覆い、背面に回路基板を配置するＬＣＤカバーの薄型化を実現することにより、液晶表示装置の薄型化を可能とするものであるが、以下の実施例の説明においては、ＤＶＤユニットを搭載しない仕様における液晶テレビのＬＣＤカバーに回路基板を取り付ける構成についてと、このＬＣＤカバーにＤＶＤユニットを搭載した液晶テレビにおける実施例について示している。これら実施例についての詳細を以下に説明する。

以下、本発明を実施するための最良の形態としての一実施例を図１〜図７により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反さない範囲で、実施例において説明した以外のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。

本実施例において、図１は液晶テレビの内部に配置されるＬＣＤモジュールの背面側を覆うＬＣＤカバーとそこに取り付けられた回路基板を示す側断面図であり、図２はＬＣＤカバーの開口部とここに取り付けられる各回路基板、及びスタンド固定部材の相対位置関係を示す背面図である。図３はＬＣＤカバーに形成した開口部を示す背面図であり、図４はＬＣＤカバーの開口部を塞ぐように取り付けられた各回路基板を示す背面図である。図５は各基板が取り付けられたＬＣＤカバーにスタンド固定部材を取り付けた状態を示す背面図であり、図６はフロントキャビネットとリアキャビネットとの間に格納されたＬＣＤモジュールとＬＣＤカバー、各回路基板を示す断面図である。図７は図１に示すＬＣＤカバーの背面にＤＶＤユニットを取り付けた状態を示す側断面図である。

先ず、図１に示す側断面図により、液晶テレビ１の内部に配置されるＬＣＤモジュール１０と、この背面１２側を覆うＬＣＤカバー３０と、そこに取り付けられたインバータ回路基板２１について説明する。図１の略中央には縦長の断面をもつＬＣＤモジュール１０が配置されており、その左方は情報を表示する表示画面１１であり、右方はその背面１２となる。このＬＣＤモジュール１０の内部には、図示しない液晶パネル、バックライト、反射板がそれぞれ積層され配設されている。このＬＣＤモジュール１０の背面１２側を覆うようにして金属板を浅い箱型に形成して成る導電性のＬＣＤカバー３０が配置されている。前記ＬＣＤカバー３０には、ここに載置される回路基板２１に形成される回路とＬＣＤカバー３０との接触、或いは近接を避けるために開口部３２が形成されており、この開口部３２を後方から塞ぐようにしてインバータ回路基板２１が取り付けられている。

図１において、ｈはＬＣＤモジュール１０の厚さであり、Ｈ’はＬＣＤカバー３０の奥行きである。また、ａは前記インバータ回路基板２１とＬＣＤモジュール１０との間隔であり、少なくとも該インバータ回路基板２１に発生する高電圧に対応する絶縁距離を確保する間隔でもある。また、Ｅはインバータ回路基板２１の取り付け高さである。これによると、ＬＣＤカバー３０の奥行きＨ’は、Ｈ’＝ｈ+ａであり、必要最小限の奥行きＨ’で形成されている。また、前記インバータ回路基板２１の取り付け高さＥも、Ｅ＝ｈ+ａであり、必要最小限の高さＥにインバータ回路基板２１が配置されている。

続いて図２により、ＬＣＤカバー３０の開口部３２と、ここに取り付けられる各回路基板２１、２２、２３、及びスタンド固定部材４０の相対位置関係について説明する。図２に示す３０は浅い箱型に形成された前記ＬＣＤカバーであり、ＬＣＤモジュール１０を背面側から覆っている。この液晶テレビ1は図示しないＡＣアダプターから電源供給される仕様であり、この液晶テレビ１には電源回路基板を配置していない。従ってＬＣＤカバー３０には背面から視て上方の左右にそれぞれインバータ回路基板２１と信号処理回路基板２２が、下方には横長に入出力回路基板２３が配置されるが、各々の回路基板２１、２２、２３と対向する位置には複数の開口部３２が形成されており、各々の開口部３２は前記各々の回路基板２１、２２、２３の大きさに対応して形成されている。また、ＬＣＤカバー３０の下方寄りには前記入出力回路基板２３を後方から覆うように剛性を備えるスタンド固定部材４０が取り付けられて、開口部３２を増やすことによるＬＣＤカバー３０の強度低下は、剛性を備えるスタンド固定部材４０を取り付けることによりＬＣＤカバー３０の強度を補うことが出来る。また、このＬＣＤカバー３０は導電性材料で形成しＧＮＤ（Ｇｒｏｕｎｄ）を兼ねており、各々の基板２１、２２、２３はＬＣＤカバー３０に取り付けるだけで容易にＧＮＤ接続することが出来る。

次に図３〜図６によりＬＣＤカバー３０に各々の回路基板２１、２２、２３を取り付ける構造について詳細に説明する。図３に示すＬＣＤカバー３０は、略矩形の浅い箱型をしており、左右の側壁からＬ字形に折り曲げて延設した脚部３５が一体形成され、この脚部３５に図１２に示す液晶テレビ１の、図６に示すフロントキャビネット２の内側にビス５０によって螺着することを可能としている。また、浅い箱型の底面は、前記液晶テレビ１の背面側となり、ここには略矩形を成す複数の開口部３２が形成されている。これらの開口部３２は各々の開口部３２に配置される回路基板（図示略）に対応する大きさと形状をしており、各々の開口部３２の四隅には、ここに配置される前記回路基板をビス（図示略）により螺着可能とする基板保持部３３が開口３２側に突き出して形成されている。

続いて、図４に示す前記ＬＣＤカバー３０は、ここに形成された複数の開口部３２に対応するインバータ回路基板２１と、信号処理回路基板２２、及び入出力回路基板２３がビス５０によってＬＣＤカバー３０に形成した基板保持部３３に螺着されている。

次に図５に示す前記ＬＣＤカバー３０には、前述のようにビス５０によって基板保持部３３に螺着されたインバータ回路基板２１と、信号処理回路基板２２、及び入出力回路基板２３が配置され、前記入出力回路基板２３の後方から剛性を備えるスタンド固定部材４０が、その端部を折り曲げてＬ字型に延設した係止部４１によって入出力回路基板２３の表面から浮かせた状態を保つようにビス５０で螺着されている。

続いて、図６に示す断面図によりフロントキャビネット２とリアキャビネット３に格納されたＬＣＤモジュール１０と複数の基板を配置したＬＣＤカバー３０について説明する。図６は図５におけるｂ−ｂ断面に、フロントキャビネット２とリアキャビネット３を取り付けた状態であり、図６に示すＬＣＤモジュール１０の背面１２側を覆うＬＣＤカバー３０には、前記開口部３２を塞ぐようにインバータ回路基板２１と信号処理回路基板２２が配置され、このＬＣＤカバー３０はその側壁から略Ｌ字形に延設した脚部３５をフロントキャビネット２の内側とビス５０によって螺着している。また、前記ＬＣＤモジュール１０と、これを背面１２側から覆う前記回路基板２１、２２を配置したＬＣＤカバー３０は、前記フロントキャビネット２とリアキャビネット３との間に格納される。

続いて図１に示したＬＣＤカバー３０にＤＶＤユニット５を配置した状態について、図７により説明する。図７において、ＬＣＤモジュール１０は、その背面１２側から開口部３２を塞ぐようにインバータ回路基板２１が配置されたＬＣＤカバー３０が取り付けられており、ＤＶＤユニット５はＬＣＤカバー３０に配設した取付け部材５ａによって、前記インバータ回路基板２１を跨ぐように、その背面側に支持されて配置されている。

図７において、ＬＣＤカバー３０の奥行きＨ’は、ＬＣＤモジュール１０の厚さｈと、インバータ回路基板２１の高電圧により必要な絶縁距離を確保する間隔ａとを加算した長さ、即ち、Ｈ’＝ｈ+ａとなる。このインバータ回路基板２１の取り付け高さＥも同様に、Ｅ＝ｈ+ａの位置に配置されている。このＬＣＤカバー３０に取り付けたＤＶＤユニット５の取り付け高さＤは、前記Ｈ’にインバータ回路基板２１の厚さｃと、このインバータ回路基板２１の高電圧により必要な絶縁距離を確保する間隔ｂとを加算した長さ、即ち、Ｄ＝ｈ+ａ+ｃ+ｂとなる。従って、ＤＶＤユニット５を取り付ける取付け部材５ａは、５ａ＝ｃ＋ｂの長さに設定されている。

以上の実施例により、このＬＣＤカバー３０を備える液晶テレビ1は、情報を表示画面１１に表示するＬＣＤモジュール１０の背面１２側を覆う導電性のＬＣＤカバー３０を有し、このＬＣＤカバー３０に回路基板２１、２２、２３を載置する液晶表示装置であって、前記ＬＣＤカバー３０の背面は、ここに載置される回路基板２１、２２、２３に形成される回路とＬＣＤカバー３０との接触、或いは近接を避けるために、前記回路基板２１、２２、２３の大きさに対応する開口部３２を設けられ、該開口部３２を塞ぐように前記回路基板２１、２２、２３を取り付けられると共に、前記ＬＣＤカバー３０の背面と前記ＬＣＤモジュール１０の背面１２との間隔ａは、少なくとも前記回路基板２１、２２、２３に形成される回路の発生電圧に対応する絶縁距離を確保する間隔とすることにより、前記ＬＣＤカバー３０の奥行きＨ’は、前記ＬＣＤカバー３０の背面に回路基板２１、２２、２３を取り付けるための必要最小限となる前記ＬＣＤモジュール１０の厚さｈと、ＬＣＤカバー３０とＬＣＤモジュール１０との間隔ａとを加算した長さ、即ち、Ｈ’＝ｈ＋ａにすることが出来る。従って、ここに取り付けられる回路基板２１、２２、２３の取り付け高さＥも同様に、Ｅ＝ｈ＋ａと、必要最小限の高さで取り付けることが出来る。これにより液晶テレビ1は、前記必要最小限の高さ、Ｅで取り付けられた回路基板２１、２２、２３に実装される図示しない電子部品の高さを加えただけの奥行きまで厚さを薄くすることが出来る。このように、回路基板２１、２２、２３を、ＬＣＤカバー３０の背面側に取り付ける基板取り付け構造は、ＬＣＤカバー３０に開口した開口部３２に回路基板２１、２２、２３を取り付けてビス５０で止めるだけのシンプル構成とすることが出来る。また、このＬＣＤカバー３０は導電性材料で形成しＧＮＤを兼ねており、各々の基板２１、２２、２３はＬＣＤカバー３０に取り付けるだけで容易にＧＮＤ接続することが出来る。これにより、回路基板２１、２２、２３の取り付け作業は容易となり、且つ回路基板２１、２２、２３の取り付けのための別部材は不要で、部材を増やす必要はない。また、ＬＣＤカバー３０は開口部３２とビス孔の形成のみであり、ＬＣＤカバー３０を形成する金型構造は簡単となり、金型製作費用を安く抑えることが出来る。これらにより、液晶テレビ１の製作にかかるコストを低く抑えることが可能となる。

また、この回路基板２１、２２、２３は、これらに形成される回路の信号周波数や機能ごとに複数の回路基板２１、２２、２３に分割して載置されるので、デジタル放送を受信する液晶テレビ１、或いは図示しない光ディスクに記録再生を行うＤＶＤユニット５やＨＤＤユニットを内蔵するなど液晶テレビ１においては、高周波のデジタル信号である映像音声信号を処理する信号処理回路基板２２と、ＬＣＤモジュール１０内の図示しないバックライトを点灯させる電源回路が形成されたインバータ回路基板２１や、外部機器と接続して各種信号を処理する入出力回路基板２３との周波数干渉を抑えることが出来る。

前記ＬＣＤカバー３０は、この液晶テレビ1を支持するスタンド４を固定するためのスタンド固定部材４０を取付け可能に構成されることにより、開口部３２の数を増やすことによるＬＣＤカバー３０の強度低下は、剛性を備えるスタンド固定部材４０を取り付けることによりＬＣＤカバー３０の強度を補うことが出来る。

前記ＬＣＤカバー３０は、ＤＶＤユニット５などの記録再生ユニットを取り付け可能に構成されることにより、ＤＶＤユニット５などの記録再生装置をＬＣＤカバー３０に容易に取り付けることが出来ると共に、ＤＶＤユニット５などの記録再生装置を内蔵した液晶テレビ１など、液晶表示装置と記録再生装置の複合機を得ることが出来る。

以上、本実施例を詳述したが、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、液晶表示装置は液晶テレビ１に限定されず、ＤＶＤ装置やＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）装置、ＶＴＲ（Ｖｉｄｅｏ Ｔａｐｅ Ｒｅｃｏｒｄｅｒ）装置との複合機、及び、パソコンや携帯電話機、インターホンや監視カメラなどの警備保安システムなどに使用される液晶モニタなど、情報を液晶表示することが可能な装置であればよく、また、回路基板はインバータ回路基板２１、信号処理回路基板２２、入出力回路基板２３などのみに限らず、電源回路基板を追加して電源を供給するとか、これら回路基板の個別機能や分割枚数を変更するなど、適宜選定すればよい。

本発明の実施例における液晶テレビの内部に配置されるＬＣＤモジュールを背面から覆うＬＣＤカバーと、そこに取り付けられた回路基板を示す側断面説明図である。 本発明におけるＬＣＤモジュールとＬＣＤカバー、及び開口部と各回路基板、及びスタンド固定部材との相対位置関係を示す背面透視説明図である。 本発明におけるＬＣＤカバーに開口部を形成した状態を示す背面説明図である。 本発明におけるＬＣＤカバーに形成した開口部を塞ぐように回路基板を取り付けた状態を示す背面説明図である。 本発明におけるＬＣＤカバーに取り付けた入出力基板を跨ぐようにスタンド固定部材を配置した状態を示す背面説明図である。 本発明におけるＬＣＤカバーをフロントキャビネットに取り付け、背面からリアキャビネットを取り付けて格納した状態を示す断面説明図である。 本発明における液晶テレビのＬＣＤカバーに取り付けた回路基板を跨ぐようにＤＶＤユニットを配置した側断面説明図である。 従来のＬＣＤカバーに形成した段差凹部と開口部、及びそこに取付けられた回路基板とＤＶＤユニットを示す側断面説明図である。 従来のＬＣＤカバーに保持台を形成した状態を示す背面説明図である。 従来のＬＣＤカバーに形成した保持台に回路基板を取り付けた状態を示す背面説明図である。 従来の保持台に回路基板を取り付けたＬＣＤカバーをフロントキャビネットに取り付け、リアキャビネットを取り付けて格納した状態を示す断面説明図である。 液晶テレビの概観を示す斜視説明図である。

符号の説明

１ 液晶テレビ
４ スタンド
５ ＤＶＤユニット
５ａ 取り付け部材
１０ ＬＣＤモジュール
１１ 表示画面
１２ 背面
２１ インバータ回路基板
２２ 信号処理回路基板
２３ 入出力回路基板
３０ ＬＣＤカバー
３２ 開口部
４０ スタンド固定部材

Claims (4)

1. 情報を画面に表示するＬＣＤモジュールの背面側を覆う導電性のＬＣＤカバーを有し、このＬＣＤカバーに回路基板を載置する液晶表示装置であって、前記ＬＣＤカバーの背面は前記回路基板の大きさに対応する開口部を設け、該開口部を塞ぐように前記回路基板を取り付けると共に、前記ＬＣＤカバーの背面と前記ＬＣＤモジュールの背面との間隔を、少なくとも前記回路基板に形成される回路の発生電圧に対応する絶縁距離としたことを特徴とするＬＣＤカバーを備える液晶表示装置。
2. 前記回路基板は、この回路基板に形成される回路の信号周波数や機能ごとに複数の回路基板に分割して前記ＬＣＤカバーに載置されることを特徴とする請求項１記載のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置。
3. 前記ＬＣＤカバーは、この液晶表示装置を支持するスタンドを固定するためのスタンド固定部材を取付け可能に構成することを特徴とする請求項１または２記載のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置。
4. 前記ＬＣＤカバーは、ＤＶＤユニットなどの記録再生ユニットを取り付け可能に構成することを特徴とする請求項１から３の何れか１項に記載のＬＣＤカバーを備える液晶表示装置。
   

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