JP2006258929A - 露光装置のマスク密着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マスクと被露光材とを密着させる際に、空気溜まりの発生を防止すると共に、被露光材にマスク全面を密着させるまでの時間の更なる短縮化を図る。
【解決手段】 一対のマスク保持フレーム11a,11bの各密閉用パッキン13,14同士を密着させることにより内部に密閉室15を形成して、該密閉室15内でマスク8,9と被露光材2との間に隙間を形成した状態で密閉室15内の空気を排気することにより、マスク8,9を撓ませてその中央部から被露光材2に密着させつつ該密着面積が順次周辺部に拡大していくようにした露光装置のマスク密着方法において、一方の密閉用パッキン13の突出高さを他方の密閉用パッキン14の突出高さより高くすると共に、突出高さの低い方の密閉用パッキン14を硬質材料で形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】 一対のマスク保持フレーム11a,11bの各密閉用パッキン13,14同士を密着させることにより内部に密閉室15を形成して、該密閉室15内でマスク8,9と被露光材2との間に隙間を形成した状態で密閉室15内の空気を排気することにより、マスク8,9を撓ませてその中央部から被露光材2に密着させつつ該密着面積が順次周辺部に拡大していくようにした露光装置のマスク密着方法において、一方の密閉用パッキン13の突出高さを他方の密閉用パッキン14の突出高さより高くすると共に、突出高さの低い方の密閉用パッキン14を硬質材料で形成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、被露光材に所定のパターンが形成されたマスクを密着して露光する露光装置のマスク密着方法に関し、特にマスクと被露光材とを真空吸着により密着させる真空密着技術に関する。
従来、シャドウマスク、リードフレーム等の製造に用いられる露光装置では、一般に、両面密着露光が行われ、マスクと被露光材との密着方法としては、例えば、一対のマスク保持フレームから同一高さで突出する各密閉用パッキン同士を密着させることにより内部に密閉室を形成して、該密閉室内でマスクと被露光材との間に微小隙間を形成した状態で一対のマスク保持フレームの接近移動を強制的に抑止し、その移動抑止状態で密閉室内の空気を排気することにより、マスクを撓ませてその中央部から被露光材に密着させ始め、その後、マスク保持フレームの移動抑止を解除することにより、撓んでいたマスクが元の形状に復元する過程で被露光材との密着面積が順次周辺部に拡大していくようにした真空吸着技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
この真空吸着技術では、マスクを撓ませてその中央部から被露光材に密着させ始め、その後、撓んでいたマスクが元の形状に復元する過程で被露光材との密着面積が順次周辺部に拡大していくので、マスクは常に湾曲した状態で被露光材に密着していくこととなり、これにより、空気溜まりの発生が防止される。また、密着動作の大部分はマスクが元の形状に復元する過程でなされるので、一定の排気圧等の制御で迅速に被露光材にマスクの全面を密着させることができる。
特開2000−235266号公報
上記特許文献1においては、マスクと被露光材とを密着させる際に、空気溜まりの発生を防止することはできるものの、一対のマスク保持フレームの強制的な移動抑止動作及び解除動作が必要なため、被露光材にマスク全面を密着させるまでの時間がその分長くなるという問題がある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、マスクと被露光材とを密着させる際に、空気溜まりの発生を防止することができるのは勿論のこと、被露光材にマスク全面を密着させるまでの時間の更なる短縮化を図ることができる露光装置のマスク密着方法を提供することを目的とする。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、マスクと被露光材とを密着させる際に、空気溜まりの発生を防止することができるのは勿論のこと、被露光材にマスク全面を密着させるまでの時間の更なる短縮化を図ることができる露光装置のマスク密着方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、一対のマスク保持フレームの各密閉用パッキン同士を弾性的に密着させることにより内部に密閉室を形成して、該密閉室内でマスクと被露光材との間に隙間を形成した状態で前記密閉室内の空気を排気することにより、前記マスクを撓ませてその中央部から前記被露光材に密着させつつ該密着面積が順次周辺部に拡大していくようにした露光装置のマスク密着方法において、
前記一対のマスク保持フレームの各密閉用パッキンの内の一方の密閉用パッキンの突出高さを他方の密閉用パッキンの突出高さより高くすると共に、突出高さの低い方の密閉用パッキンを突出高さの高い方の密閉用パッキンより硬質な材料で形成したことを特徴とする。
前記一対のマスク保持フレームの各密閉用パッキンの内の一方の密閉用パッキンの突出高さを他方の密閉用パッキンの突出高さより高くすると共に、突出高さの低い方の密閉用パッキンを突出高さの高い方の密閉用パッキンより硬質な材料で形成したことを特徴とする。
本発明によれば、マスクを撓ませてその中央部から被露光材に密着させつつ該密着面積が順次周辺部に拡大していくので、マスクは常に湾曲した状態で被露光材に密着していくこととなり、これにより、空気溜まりの発生を防止することができる。
また、密閉室内でマスクと被露光材との間に隙間を形成した状態で前記密閉室内の空気を排気することで、被露光材にマスク全面を密着させることができるので、従来必要であった一対のマスク保持フレームの強制的な移動抑止動作及び解除動作が不要となり、これにより、被露光材にマスク全面を密着させるまでの時間の更なる短縮化を図ることができる。
また、密閉室内でマスクと被露光材との間に隙間を形成した状態で前記密閉室内の空気を排気することで、被露光材にマスク全面を密着させることができるので、従来必要であった一対のマスク保持フレームの強制的な移動抑止動作及び解除動作が不要となり、これにより、被露光材にマスク全面を密着させるまでの時間の更なる短縮化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は両面露光装置の一例を示す全体斜視図、図2は本発明の実施の形態の一例である露光装置のマスク密着方法を説明するための断面図、図3は密閉室内の空気を排気した状態を示す断面図、図4は密閉室内の空気を更に排気した状態を示す断面図、図5は排気圧制御の一例を説明するための断面図、図6は排気圧制御の他の例を説明するための断面図である。
まず、両面露光装置の概略を説明すると、図1において、符号1はフープ材等のワーク(被露光材)2をタクト送りで巻き出すための巻出し装置、3は露光後のワーク2を巻き取るための巻取り装置、4a,4bは露光位置Pにあるワーク2を固定すべく該ワーク2の送り方向の両側に配置された固定用クランプ、5は固定用クランプ4a,4bの巻出し装置1側に配置されて露光位置Pにあるワーク2に対してテンションを付与するバックテンションロール、6は固定用クランプ4a,4bの巻取り装置3側に配置されてワーク2をクランプした状態で巻取り装置3側に所定量送り、その後クランプを解除して元の位置に戻るインデクサーであり、このインデクサー6の送り量に応じて巻出し装置1によるワーク2の巻出しと巻取り装置3によるワーク2の巻取りが行われる。なお、符号7は巻出し装置1側と巻取り装置3側に設けられたワーク送りのバッファ部分である。
また、露光位置Pでのワーク2の表裏面にはそれぞれ所定の転写パターンを有する表マスク8及び裏マスク9が配置されている。各マスク8,9は後述するマスク保持フレーム11a,11bに真空吸着等により保持されている。そして、露光位置Pでワーク2及び各マスク8,9同士のアライメント(ずれ補正)が行われた後、各マスク8,9をワーク2の表裏面に密着させた状態で各マスク8,9に向けて平行光源10から露光光を照射し、これにより、各マスク8,9のパターンがワーク2の表裏面に露光転写される。この露光転写が行われた後、上述したインデクサー6でワーク2を巻取り装置3側に所定量送り、上記同様の工程で新たな露光転写が行われる。なお、露光時は、ワーク2はマスク(マスク保持フレーム)に保持されているため、固定用クランプ4a,4bやバックテンションロール5により付与されるワーク2へのテンションを解除してワーク2の伸びや変形を小さくすることで、製品精度を確保する。
次に、図2を参照して、露光位置Pのワーク2の表裏面にそれぞれマスクを密着させる方法を説明する。
図2に示すように、表マスク8はマスク保持フレーム11aの真空チャック部12に真空吸着により支持されており、マスク保持フレーム11aの真空チャック部12の外側面には密閉用パッキン13が全周にわたって配置されている。一方、裏マスク9はマスク保持フレーム11bの真空チャック部12に真空吸着により支持されており、マスク保持フレーム11bの真空チャック部12の外側面には密閉用パッキン14が全周にわたって配置されている。そして、互いに対向配置された一対のマスク保持フレーム11a,11b間にワーク2を保持した状態で各密閉用パッキン13,14同士を密着させることにより内部に密閉室15を形成している。
図2に示すように、表マスク8はマスク保持フレーム11aの真空チャック部12に真空吸着により支持されており、マスク保持フレーム11aの真空チャック部12の外側面には密閉用パッキン13が全周にわたって配置されている。一方、裏マスク9はマスク保持フレーム11bの真空チャック部12に真空吸着により支持されており、マスク保持フレーム11bの真空チャック部12の外側面には密閉用パッキン14が全周にわたって配置されている。そして、互いに対向配置された一対のマスク保持フレーム11a,11b間にワーク2を保持した状態で各密閉用パッキン13,14同士を密着させることにより内部に密閉室15を形成している。
ここで、この実施の形態では、マスク保持フレーム11a側の密閉用パッキン13の突出高さB1をマスク保持フレーム11b側の密閉用パッキン14の突出高さA1より高くすると共に、該密閉用パッキン13を比較的軟質な材料で形成し、且つ密閉用パッキン14を密閉用パッキン13を傷つけない程度の硬質材料で形成している。また、表マスク8と裏マスク9との間は数mm離れており、裏マスク9は密閉用パッキン14と略同一高さとされている。
そして、密閉室15内でマスク8,9とワーク2との間に隙間を形成した状態で、例えばマスク保持フレーム11b側に設けた排気穴16から真空ポンプ17で密閉室15内の空気を高い真空圧で排気すると、まず、図3に示すように、密閉室15内の真空圧で密閉用パッキン13の先端が少し押しつぶされて突出高さがB2(<B1)と低くなる(マスク保持フレーム11aがマスク保持フレーム11b側に接近移動する)一方で、密閉用パッキン14側は変形しないか、或いは殆ど変形せずに突出高さが略A1のままとなってマスク保持フレーム11bの移動が規制され、各マスク8,9が弓状に撓み始める。
時間が経過(数秒)して密閉室15内の真空圧が更に高くると、図4に示すように、密閉用パッキン13の先端が真空圧の力により押しつぶされて突出高さがB3(<B2)と更に低くなる(マスク保持フレーム11aがマスク保持フレーム11b側に更に接近移動する)一方で、密閉用パッキン14側は変形しないか、或いは殆ど変形せずに突出高さが略A1のままとなってマスク保持フレーム11bの移動が規制され、各マスク8,9が弓状に変形した状態でワーク2への密着面積が中央部から順次周辺部に拡大していき、最終的にワーク2の表裏面に表マスク8及び裏マスク9が全面密着する。特に、真空圧がある程度に達すると、密閉用パッキン13の突出高さの縮小は急激に進むが、その時点ではマスク8の中央部は既にワーク2に密着し始めており、空気溜まりの発生の虞れもない。
図5及び図6に排気圧制御の例を示す。まず、図5の例では、第1段圧力設定レギュレータ20と第2段圧力設定レギュレータ21とを切替バルブ22で切替可能とし、真空ポンプ17により密閉室15内の空気を排気する際の排気圧を切り替えて二段引き方式を採用することで、より高精度なマスク密着を可能にしたものである。
図6の例は、図5の場合と同様に、第1段圧力設定レギュレータ20と第2段圧力設定レギュレータ21とを切替バルブ22で切替可能とし、真空ポンプ17により密閉室15内の空気を排気する際の排気圧を切り替えて二段引き方式を採用することに加えて、密閉用パッキン13をチューブタイプのパッキン13aとして該パッキン13a内にコンプレッサ30から圧縮空気を封入し、更に、密閉室15内の真空圧を測定する真空圧センサ31を設けて、該真空圧センサ31の測定値に基づいてコントローラ32が圧力可変バルブ33を制御してコンプレッサ30から密閉用パッキン13a内に封入される圧縮空気の圧力を任意に可変できるように構成している。
そして、密閉室15内の真空圧に応じたマスク8,9の密着力と密閉用パッキン13a内の圧縮空気の圧力(封入量)に応じた該パッキン13aの圧縮耐力とを予め求めておき、コントローラ32が真空圧センサ31の測定値に基づいて「測定値でのマスクの密着力>密閉用パッキンの圧縮耐力」の関係となるように、且つ密閉室15内の排気により各マスク8,9が弓形状に湾曲してワーク2の表裏全面に密着するように、コンプレッサ30から密閉用パッキン13a内に封入される圧縮空気の圧力を圧力可変バルブ33を介して制御することで、より高精度なマスク密着をより短時間で実現することができる。
上記の説明から明らかなように、この実施の形態では、マスク8,9を撓ませてその中央部からワーク2に密着させつつ該密着面積が順次周辺部に拡大していくので、マスク8,9は常に湾曲した状態でワーク2に密着していくこととなり、これにより、空気溜まりの発生を良好に防止することができる。
また、密閉室15内でマスク8,9とワーク2との間に隙間を形成した状態で前記密閉室15内の空気を排気するだけで、ワーク2の表裏面にマスク8,9の全面を密着させることができるので、従来必要であった一対のマスク保持フレームの強制的な移動抑止動作及び解除動作が不要となり、これにより、ワーク2の表裏面にマスク8,9の全面を密着させるまでの時間の更なる短縮化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
また、密閉室15内でマスク8,9とワーク2との間に隙間を形成した状態で前記密閉室15内の空気を排気するだけで、ワーク2の表裏面にマスク8,9の全面を密着させることができるので、従来必要であった一対のマスク保持フレームの強制的な移動抑止動作及び解除動作が不要となり、これにより、ワーク2の表裏面にマスク8,9の全面を密着させるまでの時間の更なる短縮化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
2 ワーク(被露光材)
8,9 マスク
11a,11b マスク保持フレーム
13,14 密閉用パッキン
15 密閉室
8,9 マスク
11a,11b マスク保持フレーム
13,14 密閉用パッキン
15 密閉室
Claims (1)
- 一対のマスク保持フレームの各密閉用パッキン同士を密着させることにより内部に密閉室を形成して、該密閉室内でマスクと被露光材との間に隙間を形成した状態で前記密閉室内の空気を排気することにより、前記マスクを撓ませてその中央部から前記被露光材に密着させつつ該密着面積が順次周辺部に拡大していくようにした露光装置のマスク密着方法において、
前記一対のマスク保持フレームの各密閉用パッキンの内の一方の密閉用パッキンの突出高さを他方の密閉用パッキンの突出高さより高くすると共に、突出高さの低い方の密閉用パッキンを突出高さの高い方の密閉用パッキンより硬質な材料で形成したことを特徴とする露光装置のマスク密着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005073204A JP2006258929A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 露光装置のマスク密着方法 |
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JP (1) | JP2006258929A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009034770A1 (ja) * | 2007-09-12 | 2009-03-19 | Hitachi Via Mechanics, Ltd. | 密着露光の方法及びその装置 |
WO2014017458A1 (ja) * | 2012-07-26 | 2014-01-30 | 富士フイルム株式会社 | マスクユニット及び露光装置 |
JP2016218117A (ja) * | 2015-05-15 | 2016-12-22 | 株式会社ブイ・テクノロジー | 密着露光装置における密着方法 |
CN111312621A (zh) * | 2018-12-12 | 2020-06-19 | 株式会社斯库林集团 | 处理腔室以及基板处理装置 |
-
2005
- 2005-03-15 JP JP2005073204A patent/JP2006258929A/ja active Pending
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CN111312621B (zh) * | 2018-12-12 | 2021-07-20 | 株式会社斯库林集团 | 处理腔室以及基板处理装置 |
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