JP2006257384A - 潤滑剤組成物 - Google Patents

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憲 河田
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泰宏 嶋田
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Abstract

【課題】 より厳しい極圧条件で、従来と比較して、より低トラクション係数が広い範囲で得られる潤滑剤組成物を提供する。
【解決手段】 互いに異なる周速で運動する鋼鉄からなる二面間に介在して剪断をうける潤滑油基油を含有しない潤滑剤組成物であって、(a)メソゲン構造を分子内に有し、40℃における粘度圧力係数が20GPa-1以下であり、10MPa以上の圧力下で圧力上昇に伴いトラクション係数の最小値を発現させる有機化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする潤滑剤組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、摩擦摺動する機械要素において、特に高温での極圧高剪断条件での低摩擦性、耐摩耗性およびその長期耐久性に優れる潤滑剤組成物に関する。
トライボロジーとは、OECD用語集によれば、『相対運動をする2物体間の相互作用を及ぼしあう表面、ならびにこれに関連した諸問題と実地応用に関する科学と技術』である。トライボロジーは世の中の稼動するあらゆる産業機械・機器に共通の基盤技術であり、その産業分野は、輸送、電子機器/精密機械、産業機械/化学機械、機械・部品製造、宇宙開発、生体・健康および家庭電化製品と非常に多岐に渉っている。しかし、いわゆる潤滑油によって軸受けやエンジンなどの摺動接触部位の摩擦係数が下げられ、摩耗が低減され、機械寿命が延ばされる主要な界面の材質は鋼鉄である。
現行の潤滑剤技術は、低摩擦係数と耐摩耗性の両立を使命としているが、起動時また低荷重では低粘性基油により低摩擦係数を、高荷重では境界潤滑膜によって低摩擦係数を得ており、一方、(低粘性基油ゆえに損なう)耐摩耗性を鉄への反応性膜の形成を基本とする境界潤滑膜技術によって補償するという機能分担が行われてきた。
ところがこれまでの状況が最近劇的に変わろうとしている。
それは、ひとつには、装置の小型化に伴いますます高温・極圧・高剪断条件での耐性が求められてきており、現行の鉱油あるいはPAO(ポリ−α−オレフィン)に代表される低粘性合成油基油が高温で揮発・分解するし、境界潤滑膜として好ましいMoS2も湿気や高温で分解するため、150℃からの高温域での境界潤滑性と低摩擦性が両立する潤滑剤が求められているためである。
別の要因としては、現行の境界潤滑膜技術が、すべて環境有害(硫黄、リン、ハロゲン)もしくは懸念物質(重金属)により構成されており、ELV(End of Life Vehicles)、WEEE(Waste Electrical and Electronic Equipment)、RoHS(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)などの法律が相次いで制定されるような環境意識の高まりの状況下、迅速かつ抜本的な技術改善が求められているためである。
また、科学技術戦略推進機構(JCII)の「グリーントライボ材料の創製に関する調査」報告書には、保全費・部品交換費の削減、故障で生じる波及損失の削減、耐用年数の延長による設備投資の削減が、2002年度のトライボロジー改善による経済効果8.63兆円の82%を占めていることが指摘されており、機械要素の長寿命化とメンテナンスフリーを可能とする、極圧高剪断条件でより高性能を長期間にわたって発揮する新しい潤滑技術が必要であることが示唆されており、潤滑剤に要求される性能はますます厳しくなってきている。
しかしながら、これまでの境界潤滑膜技術はいずれも鋼への反応性が基軸にあり、そのような強い鋼に反応し、かつ無害な“新たな”元素とは、強い反応性と安全性を同時に求めるものであるため、その代替技術の開発は容易ではない。
しかしその耐摩耗性技術がなければ、低粘性基油技術が活きてこないし、種々の添加剤技術も使えない。
上記の議論から、今、求められているものは、鋼鉄の界面が歪む(弾性変形する)ような高圧高剪断条件、また高湿度、高温での、環境にやさしい元素で構成された、低摩擦性かつ耐摩耗性に優れ、その性能を長期間維持できる“新たな”潤滑油膜の形成技術であると言える。
本来、潤滑剤の基本的役割は低摩擦性、耐摩耗性の両立であるが、極圧状態の剪断場での低摩擦性と強靭な油膜形成による耐摩耗性を両立させる有機素材系は脂肪族化合物では満足させるものは得られてはいないし、それ以外のたとえば複素環を有する極性な有機化合物や自己組織的に配向する液晶性化合物、また液晶性はなくとも構造的異方性が大きな有機化合物の振る舞いについてトライボロジーの観点から詳細に検討されたことはなかった。
特許文献1に示されるように、柔らかい基油(合成基油、鉱物系基油等)とその高温での柔らかすぎる欠点を補う粘度指数向上剤の配合によって、世の中が要請する低摩擦性と耐摩耗性の両立した内燃機関用潤滑油組成物が提供されている。しかし、このような欠点を補い合う素材の組み合わせでは、それらの性能が広い温度域と圧力域で発現、維持できることは示されていないし、一般的に劣化に伴う素材の補償は難しい。
特許文献2および特許文献3では、トリアジン構造を有する円盤状化合物を含んだ低摩擦係数を発現する潤滑油組成物が提供されている。また、SUJ−2鋼については耐摩耗性に優れることが記載されているが、長期耐久性についての記載はない。
すなわち、これまでの特許文献で開示された低摩擦流体は、実施例に示された範囲の低摩擦値を鋼鉄界面において実際に与えることは事実であるが、耐摩耗性との両立に関しては、鋼鉄において特許文献2に開示された化合物はその性能を有することは開示しているものの、長期耐久性に関する記述は見られない。しかし、上述したように、省エネルギーや地球温暖化防止、環境保護の観点、また潤滑剤を含む機械要素の燃費向上、高寿命化、リユース適性などの厳しい性能要求がある。したがって、鋼鉄界面での低摩擦係数と耐摩耗性はもちろん、その環境適合性と長期安定性の両立が可能な潤滑剤技術、機械要素系が今後の展開において、非常に重要な技術としての位置づけにあることがわかる。
特開2002−3876号公報 特開2002−69472号公報 特開2004−315703号公報
本発明の目的は、従来のような界面への反応性はなく、界面近傍での積層傾向と小さな粘度圧力係数を有する有機化合物を利用した新しいメカニズムによって、鋼鉄界面に対して、厳しい条件下での長時間の使用を可能にする低摩擦性と耐摩耗性の潤滑剤組成物を提供することにある。
また、本発明は、環境有害または懸念元素の不使用を可能にする技術を背景とする環境調和性の潤滑剤組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、低摩擦性と耐摩耗性にも優れた機械要素を提供することを課題とする。
本発明者は前記課題を解決すべく種々検討し、特にメンテナンスフリーの長寿命化要請に対応すべく、潤滑剤組成物の長期試験の熱分解劣化過程を解析し、その改善を図り、所定の構造的特徴を有するとともに、所定の特性を有する有機化合物を利用することにより、前記課題を解決し得るとの知見を、この知見に基づいてさらに検討を重ね、本願発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 互いに異なる周速で運動する鋼鉄からなる二面間に介在して剪断をうける潤滑油基油を含有しない潤滑剤組成物であって、(a)メソゲン構造を分子内に有し、40℃における粘度圧力係数が20GPa-1以下であり、10MPa以上の圧力下で圧力上昇に伴いトラクション係数の最小値を発現させる有機化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする潤滑剤組成物。
[2] さらに、(b)少なくとも一種の酸化防止剤を含有することを特徴とする[1]の潤滑剤組成物。
[3] 互いに異なる周速で運動する鋼鉄からなる二面間に介在して剪断をうけている際に、前記(a)有機化合物の分子が、その拡散断面積が最も大きくなる分子面を前記二面に対して平行にして配向した分子集合体薄膜を形成可能な[1]又は[2]の潤滑剤組成物。
[4] 前記(a)有機化合物が、100MPa以上の圧力下で最小のトラクション係数を発現させる[1]〜[3]のいずれかの潤滑剤組成物。
[5] 前記(a)有機化合物が、0.05以下のトラクション係数を発現させる[1]〜[4]のいずれかの潤滑剤組成物。
[6] 前記(a)有機化合物が、メソゲン構造として、平板状又は円盤状構造を分子内に有するとともに、それを核として三本以上の末端鎖が放射状に伸びた構造を有する[1]〜[5]のいずれかの潤滑剤組成物。
[7] 前記(a)有機化合物が、メソゲン構造として棒状の分子構造を有する[1]〜[6]のいずれかの潤滑剤組成物。
[8] 前記(a)有機化合物が、メソゲン構造として、少なくとも二つの芳香族環もしくは、少なくとも一つの縮合環、又はπ共役平面を構成要素とする有機化合物である[1]〜[6]のいずれかの潤滑剤組成物。
[9] 前記(a)有機化合物が、常圧で液晶相を呈する[1]〜[8]のいずれかの潤滑剤組成物。
[10] 互いに異なる周速で運動する二面間に介在して剪断をうけている際に、前記(a)有機化合物が、結晶相を呈しない[1]〜[9]のいずれかの潤滑剤組成物。
[11] 前記(a)有機化合物が有するメソゲン構造が、下記一般式[1]〜[74]のいずれかで表される[1]〜[10]のいずれかの潤滑剤組成物。
Figure 2006257384
Figure 2006257384
(式中、nは3以上の整数を表し、*は側鎖との結合可能部位を意味する。但し*は3以上であれば全ての部位に側鎖が結合していなくてもよい。Mは金属イオン又は2つの水素原子を表す。)
[12] 前記(a)有機化合物を二種類以上含有する[1]〜[11]のいずれかの潤滑剤組成物。
[13] 前記(a)有機化合物とともに、その液晶相形成温度を低下させる有機化合物を少なくとも一種含有する[1]〜[12]のいずれかの潤滑剤組成物。
[14] 互いに異なる周速で運動する鋼鉄からなる二面と、該二面の間に配置された[1]〜[13]のいずれかの潤滑剤組成物とを少なくとも有する機械要素。
[15] 平均圧力が10MPa以上で摩擦摺動する二面間に[1]〜[13]のいずれかの潤滑剤組成物を配置して二面間の摩擦を軽減する方法。
[16] 平均圧力が10MPa以上で摩擦摺動する二面間の潤滑剤であることを特徴とする[1]〜[13]のいずれかの潤滑剤組成物。
本発明によれば、これまで用いられてきた極圧下での潤滑技術すなわち低粘性、低トラクション性の鉱物油や油脂系合成潤滑油での油膜の弱さをポリマーや硫黄、重金属系の界面被覆剤によって補ってきた従来技術を、極圧、剪断下での新しい異方性素材の高秩序配向化膜の形成による極圧下での分子間反発機構の発現という新規技術に置き換えることによって、従来の低トラクション係数をさらに凌駕する極低トラクション性と界面を高秩序に配向しながら平面的に被覆することによるさらに強靭な耐摩耗性が同時に得られる。これは、省エネルギーや地球温暖化防止、環境保護の観点から燃費向上が厳しく求められている現状においては、環境有害物の懸念がある硫黄化合物、りん化合物及び亜鉛やモリブデンなどの重金属類を用いなくとも、有機化合物のみで高性能、好対環境性の潤滑剤組成物が提供される画期的技術であるといえる。
また、本発明の潤滑剤組成物は、パラフィン、ナフテン系基油等の潤滑油を含有せず、界面近傍での積層傾向と小さな粘度圧力係数を有する有機化合物を利用しているので、極圧高剪断条件、高湿や高温条件については、現行の潤滑油と比較して格段に高耐久性であり、また鉄反応性でないため、リンや重金属などの環境有害懸念性の元素を避けて分子設計されうるという利点がある。
発明の実施の形態
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、互いに異なる周速で運動する鋼鉄からなる二面間に介在して剪断をうける潤滑剤組成物に関する。前記二面の周速度については特に限定されず、大きい周速度をu1(>0)、小さい周速度をu2、即ち|u1|>|u2|と定義すると、平均速度(u2+u1)/2はゼロより大きく無限に可能であるが、通常は二面の平均速度は1000m/s以下であり、好ましくは1cm/s以上50m/s以下である。2×(u2−u1)/(u2+u1)で定義される滑り率Σの絶対値もゼロより大きく無限に可能であるが、u2がゼロすなわち停止している機械要素では−2となり、−2≦Σ<0の範囲で用いられるが、通常は−2以上で−0.01以下の範囲で用いられる機械要素が多い。
(u1−u2)/二面間の潤滑剤組成物の膜厚で定義される剪断速度は、ゼロより大きく無限に可能であるが、通常は109/s以下で用いられ、好ましくは10/s以上107/s以下で用いられる。前記潤滑剤組成物が、常圧で液晶性を呈する場合は、小さな剪断速度で所望の高秩序配向度が維持されるが、非液晶性の場合は剪断による高秩序配向化が必要であり、たとえば104/s以上の剪断速度を要することもあるが、それは潤滑剤組成物に含有される前記有機化合物の構造や、圧力又は温度等によって変化するので、適正な範囲を一義的に定義することは困難である。潤滑剤組成物に含有される前記有機化合物の配向秩序度は、通常、液晶の配向秩序度の定義を用いると、好ましくは0.3以上0.99以下である。また、二面間の膜厚は、通常10nm以上100μm以下であり、好ましくは50nm以上5μm以下である。
運動する二面の材質は鋼鉄であり、具体的には、機械構造用炭素鋼、ニッケルクロム鋼材・ニッケルクロムモリブデン鋼材・クロム鋼材・クロムモリブデン鋼材・アルミニウムクロムモリブデン鋼材などの構造機械用合金鋼、ステンレス鋼、マルチエージング鋼などが挙げられる。
次に、本発明の潤滑剤組成物の各成分について説明する。
(a)所定の有機化合物
本発明の潤滑剤組成物は、液晶相を形成しうるメソゲン構造を分子内に有し、40℃における粘度圧力係数が20GPa-1以下であり、10MPa以上の圧力下で圧力上昇に伴いトラクション係数の最小値を発現させる性質を有する、少なくとも一種の有機化合物を含有する。
前記有機化合物は、10MPa以上の圧力下で圧力上昇に伴いより低いトラクション係数を発現し、トラクション係数の最小値を発現させる。さらに、100MPa以上の圧力下で最小のトラクション係数を発現させるのが好ましい。また、前記潤滑剤組成物は、0.07以下の低トラクション係数を発現させるのが好ましく、0.05以下の低トラクション係数を発現させるのがさらに好ましい。10MPa以上の領域の圧力下から、ガラスや鋼でもその界面に弾性歪みの影響が出始めることが分かっている。従って、本発明の機械要素は、主な運動が10MPa以上の圧力下で行われるのが好ましく、50MPa以上の圧力で行われるのがより好ましく、100MPa以上の圧力下で行われるのがさらに好ましい。なお、前記潤滑剤組成物は、圧力上昇に伴い、混合潤滑領域まで達し、その膜界面が破壊されると考えられる。従って、前記潤滑剤組成物のトラクション係数の低下は、10MPa以上であり、且つ混合潤滑領域となる圧力以下の範囲における圧力上昇に伴って生じる。
ここで、トラクション係数とは、転がりにすべりが入るときに生じる接線力を法線力(垂直荷重)で割った無次元量、すなわち、滑り摩擦係数のことである。「トライボロジー」山本・兼田共著 理工学社発行(1998)p.129.図5.18に記載されているように、トラクション係数は滑り率が小さいときには、それに比例して増加し、その後一定値になり、さらに滑り率が増加すると摩擦熱の影響で徐々に減少傾向を示すことが分かっている。したがって、トラクション係数を比較するには、温度を一定にし、最大トラクション係数が得られる比較的大きな滑り率の領域で比較すべきである。
また、前記有機化合物は、40℃における粘度圧力係数が20GPa-1以下であり、10MPa以上の圧力下で圧力上昇に従いより低トラクション係数を発現させる。ここで、粘度圧力係数はトライボロジスト 第38巻 第10号 pp927 (1993)に記載される方法によって、算出することができる。前記有機化合物は、40℃における粘度圧力係数は15GPa-1以下であることが好ましく、13GPa-1以下であることがさらに好ましい。
但し、40℃で固体の化合物の場合は、測定条件で液体を呈する2以上の温度で粘度圧力係数を求め、それらの値を低温側に外挿して求めた40℃の値と定義する。
前記有機化合物は、メソゲン構造を分子内に有する。メソゲン構造とは、中間相(=液晶相)形成分子(液晶辞典、日本学術振興会、情報科学用有機材料第142委員会、液晶部会編、1989年)とも称され、液晶性分子構造とほぼ同義である。典型的メソゲンとして具体的には、棒状構造でネマティック相及びスメクティック相を呈するものでは、アゾメチン基、フェニルアゾ基、フェニルアゾキシ基、安息香酸エステル基、ビフェニル基、ターフェニル基、シクロヘキシルカルボン酸エステル基、フェニルシクロヘキサン基、ビフェニルシクロヘキサン基、ピリミジン基、ジオキサン基、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル基、シクロヘキシルエチル基、トラン基、2,3−ジフルオロフェニレン基、アルケニル基、シクロヘキシル基またはそれらの複合、連結した基が挙げられる。コレステリック相を呈するものでは、コレステロール誘導体エステルが挙げられる。平板状及び円盤状構造でディスコティックネマティック相およびカラムナー相を呈するものでは、六置換ベンゼン、1,3,5−トリアジン、ヘキサアリールエチニルベンゼン、2,3,6,7,10,11−六置換トリフェニレン、2,3,7,8,12,13−六置換トルキセン、六置換トリオキサトルキセン、1,2,3,5,6,7−六置換アントラキノン、八置換フタロシアニンまたはポルフィリン、六置換マクロサイクレン、ビス(1,3−ジケトン)銅錯体、テトラアリールビピラニリデン、テトラチアフルバレン、イノシトール等が挙げられる。
前記有機化合物の分子は、二面間で剪断を受けている際に、拡散断面積が最も大きくなる分子面を剪断面と平行に向けて配向しているのが好ましい。棒状分子の場合、その慣性軸または光学軸が剪断面と平行になるような配向状態での分子集合体薄膜の形成が必要である。平板状及び円盤状構造化合物の場合は、最も広い分子面を剪断面と平行になるような配向状態での分子集合体薄膜の形成が必要である。
トラクション係数の観点からは、棒状構造の有機化合物と、平板状及び円盤状構造の有機化合物とでは、一般的には、後者の方が、小さいトラクション係数を与える。この理由は、後者の方が界面への吸着性や、隣接分子間の反発に寄与する面積が相対的に大きいことによると推察される。また、平面性と分子間反発を効率的に保持する上でも、π結合による縮合環を構成要素とする平板状及び円盤状構造の有機化合物が好ましい。しかし、縮合環の数が多くなると結晶化温度も高くなり、相対的に粘度が上昇し、室温付近での利用が困難になる傾向があるため、特殊な高温での利用以外はあまりπ−平面は大きくないほうがよい。
平板状及び円盤状構造化合物とは、その母核に平板状あるいは円盤状の分子部分を有する化合物をいう。側鎖部を除いた母核部分の平板状あるいは円盤状の形態的特徴は、例えば、その原形化合物である水素置換体について、以下のように表現され得る。まず、分子の大きさを以下のようにして求める。
1)該分子につき、できる限り平面に近い、好ましくは平面分子構造を構築する。この場合、結合距離、結合角としては、軌道の混成に応じた標準値を用いることが好ましく、例えば日本化学会編、化学便覧改訂4版基礎編、第II分冊15章(1993年刊 丸善)を参照することができる。
2)前記1)で得られた構造を初期値として、分子軌道法や分子力場法にて構造最適化する。方法としては例えば、Gaussian98、MOPAC2000、CHARMm/QUANTA、MM3が挙げられ、好ましくはGaussian98である。
3)構造最適化によって得られた構造の重心を原点に移動させ、座標軸を慣性主軸(慣性テンソル楕円体の主軸)にとる。
4)各原子にファンデルワールス半径で定義される球を付与し、これによって分子の形状を記述する。
5)ファンデルワールス表面上で各座標軸方向の長さを計測し、それらそれぞれをa、b、cとする。
以上の手順により求められたa、b、cを用いて円盤状の形態を定義すると、c≦b<aかつa/2≦b≦a、好ましくはc≦b<aかつ0.7a≦b≦aと表すことができる。また、b/2>cであることが好ましい。
また具体的化合物として挙げると、例えば日本化学会編、季刊化学総説No.22「液晶の化学」第5章、第10章2節(1994年刊 学会出版センター)、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.Liq.Cryst.71巻、111頁(1981年)、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)、J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhang、J.S.Mooreらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.,116巻、2655頁(1994年)に記載の母核化合物の誘導体が挙げられる。例えば、ベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、アントラセン誘導体、アザクラウン誘導体、シクロヘキサン誘導体、ヘテロ環誘導体、β−ジケトン系金属錯体誘導体、ヘキサエチニルベンゼン誘導体、ジベンゾピレン誘導体、コロネン誘導体およびフェニルアセチレンマクロサイクルの誘導体が挙げられる。さらに、日本化学会編、“化学総説No.15 新しい芳香族の化学”(1977年東京大学出版会刊)に記載の環状化合物およびそれらの複素原子置換等電子構造体を挙げることができる。また、上記金属錯体の場合と同様に、水素結合、配位結合等により複数の分子の集合体を形成して円盤状の分子となるものでもよい。これらを分子の中心の母核とし、直鎖もしくは分岐のアルキル基やアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、置換ベンゾイルオキシ基等がその側鎖として放射状に置換された構造により円盤状液晶化合物が形成される。
平板状及び円盤状構造化合物の分子の中心の母核の好ましい例には、下記一般式[1]〜[74]のいずれかで表される構造が含まれる。なお、nは3以上の整数を表し、*は側鎖との結合可能部位を意味する。但し*は3以上であれば全ての部位に側鎖が結合していなくてもよい。Mは金属イオン又は2つの水素原子を表す。Mは金属イオン又は2つの水素原子を表し、即ち、[5]及び[6]は中心金属を含んでいても、含んでいなくてもよい。
Figure 2006257384
Figure 2006257384
母核は、極性元素を含むπ共役系の骨格を有するのが好ましく、上記の中で、[1],[2],[3],[4],[5],[6],[9],[11],[12],[17],[20],[21],[23],[24],[28],[29],[30],[36],[38],[42],[46],[56],[58],[67],[68],[73],[74]が好ましく、その中でも[1],[2],[3],[6],[11],[12],[21],[23],[30],[46],[58],[68],[73]が好ましく、特に好ましくは合成的に安価に入手できる[1]のベンゼン環または[2]の1,3,5−トリス(アリールアミノ)−2,4,6−トリアジン環である。
側鎖としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アシルオキシ基が挙げられ、側鎖中にアリール基、ヘテロ環基を含んでいても良い。また、C.Hansch、A.Leo、R.W.Taft著、ケミカルレビュー誌(Chem.Rev.)1991年、91巻、165〜195ページ(アメリカ化学会)に記載されている置換基で置換されていてもよく、代表例としてアルコキシ基、アルキル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子が挙げられる。更に側鎖中に、例えばエーテル基、エステル基、カルボニル基、シアノ基、チオエーテル基、スルホキシド基、スルホニル基、アミド基のような官能基を有していても良い。
より詳細には、側鎖部分としては、例えば、アルカノイルオキシ基(例えば、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ノナノイルオキシ、デカノイルオキシ、ウンデカノイルオキシ)、アルキルスルホニル基(例えば、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシルスルホニル、ウンデシルスルホニル)、アルキルチオ基(例えば、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ドデシルチオ)、アルコキシ基(例えば、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ)、2−(4−アルキルフェニル)エチニル基(例えば、アルキル基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル)、末端ビニルオキシ基(例えば、8−ノネン−1−イルオキシ、、9−デセン−1−イルオキシ、10−ウンデセン−1−イルオキシ)、4−アルコキシフェニル基(例えば、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、アルコキシメチル基(例えば、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、アルキルチオメチル基(例えば、アルキルチオ基として、前述のアルキルチオ基で挙げたもの)、2−アルキルチオメチル(例えば、アルキルチオ基として、前述のアルキルチオ基で挙げたもの)、2−アルキルチオエトキシメチル(例えば、アルキルチオ基として、前述のアルキルチオ基で挙げたもの)、2−アルコキシエトキシメチル基(例えば、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、2−アルコキシカルボニルエチル基(例えば、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、コレステリルオキシカルボニル、β−シトステリルオキシカルボニル、4−アルコキシフェノキシカルボニル基(例えば、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、4−アルコキシベンゾイルオキシ基(例えば、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)、4−アルキルベンゾイルオキシ基(例えば、アルキル基として、前述のアルキル基として挙げたもの)、4−アルコキシベンゾイル基(例えば、アルコキシ基として、前述のアルコキシ基で挙げたもの)が挙げられる。また、前述のもののうち、フェニル基は他のアリール基(例えば、ナフチル基、フェナントリル基、アントラセン基)でもよいし、また前述の置換基に加えて更に置換されてもよい。また、該フェニル基はヘテロ芳香環(例えば、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアジアリル基、オキサジアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基)であってもよい。
一つの側鎖に含まれる炭素原子の数は1以上40以下が好ましく、1以上20以下がさらに好ましい。
前記円盤状化合物は、円盤状部分構造である環状の基と、該環状の基に結合した複数個(好ましくは3〜11個)の側鎖とを有する化合物であるのが好ましい。側鎖の少なくとも一つは、エステル結合を有しているのが好ましい。特に、側鎖の少なくとも一つが、下記一般式(4a)または一般式(4b)で表される基を含んでいるのが好ましい。なお、以下の式中、左側(−X0)がD側に結合する。
Figure 2006257384
Figure 2006257384
式中、X0は単結合、NR1基(R1は、水素原子または炭素数が1〜30のアルキル基)、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基またはこれらの組み合わせからなる二価の連結基を表す。
0は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜20の、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキレン基を表す)、NR1基(R1は、水素原子または炭素数が1〜30のアルキル基)、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基またはこれらの組み合わせからなる二価の連結基を表す。二価の連結基は置換基を有していてもよい。L0はアルキレン基が好ましい。
また、X0とL0との組み合わせの基としては、−O(C=O)−アルキレン−、−O(C=O)−シクロアルキレン−が好ましい。
0は化合物の側鎖末端に位置し、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
また、前記側鎖のうち少なくとも一つは、前記一般式(4a)で表される基を含んでいるのがより好ましい。中でも、側鎖が下記一般式(4)で表される基を含んでいるのがさらに好ましい。なお、以下の式中、左側(−L01)が環状の基側に結合する。
Figure 2006257384
01はX0と同義である。L01は酸素原子、硫黄原子、−(C=O)O−、−NH−(C=O)O−であるのが好ましい。R01は炭素原子数が1〜40の置換もしくは無置換のアルキル基を表し、pおよびqは各々整数を表す。R01の炭素原子数は1〜40であるのが好ましく、1〜20であるのがより好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ、フェノキシ等)、スルフィド基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等)、アルキルアミノ基(メチルアミノ、プロピルアミノ等)、アシル基(アセチル、プロパノイル、オクタノイル、ベンゾイル等)およびアシルオキシ基(アセトキシ、ピバロイルオキシ、バンゾイルオキシ等)や、アリール基、複素環基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、カルバモイル基、スルファモイル基、およびウレイド基等が挙げられる。pは1〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。qは1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
また、前記側鎖のうち少なくとも一つが、下記一般式(5)又は(6)で表される基を含んでいるのも好ましい。
Figure 2006257384
式中、R01は炭素原子数が1〜30の置換もしくは無置換のアルキル基を表し、mおよびnは各々整数を表し、一般式(4)におけるR01と同じ意味の基を表す。
Figure 2006257384
式中、R25は置換基を表し、a24は1〜5の整数を表す。
また、前記側鎖の少なくとも一部が、下記一般式(7)で表される基であるのも好ましい。
Figure 2006257384
式中、L21は、単結合、NR1基(R1は、水素原子または炭素数が1〜30のアルキル基)、アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基またはこれらの組み合わせからなる二価の連結基を表す。好ましくは、酸素原子、オキシアルキレン基、オキシカルボニル基、アミノカルボニル基、カルボニルオキシ基およびカルボニル基であり、オキシカルボニル基およびカルボニル基がより好ましい。
前記式中、置換基R25、R71およびR72の例には、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルキル基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル)、アルケニル基(炭素原子数2〜40の、好ましくは2〜20のアルケニル基で、例えば、ビニル、2−ブテン−1−イル、オレイル)、アルキニル基(炭素原子数2〜40の、好ましくは2〜20のアルキニル基で、例えば、プロパルギル)、アリール基(炭素原子数6〜40の、好ましくは6〜20のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のヘテロ環基で、例えば、2−フリル、2−チエニル、4−ピリジル,2−イミダゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、1−ベンゾイミダゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシ)、アリールオキシ基(炭素原子数6〜40の、好ましくは6〜20のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、シリルオキシ基(炭素原子数3〜40の、好ましくは3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ)、ヘテロオキシ基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のヘテロオキシ基で、例えば、2−フリルオキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ、3−ピリジルオキシ、2−イミダゾリルオキシ)、アシルオキシ基(炭素原子数2〜40の、好ましくは2〜20のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ブタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ドデカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、カルバモイルオキシ基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(炭素原子数2〜40の、好ましくは2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ、2−エチルへキルオキシカルボニルオキシ、ドデシルオキシカルボニルオキシ、ヘキサデシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(炭素原子数7〜40の、好ましくは7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(炭素原子数0〜40の、好ましくは1〜20のアミノ基で、例えば、アミノ、N−メチルアミノ、N−2−エチルヘキシルアミノ、N−テトラデシルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジオクチルアミノ)、アシルアミノ基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアシルアミノ基で、例えば、アセチルアミノ、オクタノイルアミノ、ドデカノイルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアミノカルボニルアミノ基で、例えば、N,N−ジオクチルカルバモイルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭素原子数2〜40の、好ましくは2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(炭素原子数7〜40の、好ましくは7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(炭素原子数0〜40の、好ましくは0〜20のスルファモイルアミノ基で、例えば、N,N−ジメチルスルファモイルアミノ)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアルキルおよびアリールスルホニルアミノ基で、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、ドデシルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、2−エチルヘキシルチオ、ドデシルチオ)、アリールチオ基(炭素原子数6〜40の、好ましくは6〜20のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のヘテロ環チオ基で、例えば、4−ピリジルチオ、チアゾール−2−イルチオ、ベンゾオキサゾール−2−イルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ、1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)、スルファモイル基(炭素原子数0〜40の、好ましくは0〜20のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアルキルおよびアリールスルフィニル基で、例えば、メチルスルフィニル、フェニルスルフィニル)、アルキルおよびアリールスルホニル基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアルキルおよびアリールスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、p−トリルスルホニル)、アシル基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアシル基で、例えば、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、テトラデカノイル、ベンゾイル)、アリールオキシカルボニル基(炭素原子数7〜40の、好ましくは7〜20のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フォノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(炭素原子数2〜40の、好ましくは2〜20のアルコキシカルボニル基で、例えば、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(炭素原子数1〜40の、好ましくは1〜20のアリールおよびヘテロ環アゾ基で、例えば、フェニルアゾ、3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イルアゾ、2−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−5−イルアゾ)、イミド基(炭素原子数4〜40の、好ましくは4〜20のイミド基で、例えば、スクシンイミド、フタルイミド)、ホスフィノ基(炭素原子数0〜40の、好ましくは0〜20のホスフィノ基)、ホスフィニル基(炭素原子数0〜40の、好ましくは0〜20のホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(炭素原子数0〜40の、好ましくは0〜20のホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(炭素原子数0〜40の、好ましくは0〜20のホスフィニルアミノ基)、シリル基(炭素原子数3〜40の、好ましくは3〜20のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル)が含まれる。さらに、置換基R71及びR72は、これらの置換基から選ばれる1種以上の置換基によって置換されたこれらの置換基も含まれる。R71の置換基としては直鎖状あるいは分枝状のアルキル残基を含む置換基で置換された、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアシル基が好ましい。aは0あるいは1〜5の整数であり、好ましくは1〜3である。
71の炭素原子数は1〜40であるのが好ましく、1〜20であるのがより好ましい。
また、前記m個の側鎖(R−X−)の少なくとも一つが、部分フッ化炭素基、フッ化炭素基を含んでいるのも好ましい。すなわち、前記一般式(4a)、(4b)、(4)、(5)、(6)および(7)の少なくとも一つが、部分フッ化炭素基、フッ化炭素基を含んでいるのも好ましい。フッ化炭素基について二重結合、分岐、環状基、芳香環の有無は問わない。
ここで、液晶性にとっては、立体的要因である直線性や平面性と剛直性、及び静電的要因である分極率の異方性が重要である。ほぼすべての液晶性化合物の構造は、模式的に、剛直なコア構造とフレキシブルな側鎖で表すことができる。メソゲン構造とは、中間相(メソフェーズ)が誘起(ジェネレート)される構造という造語であり、前者の剛直なコア構造部分を指す。液晶性化合物は、単独で、ある特定の温度、圧力範囲で熱力学的に安定な液晶相を呈するサーモトロピック液晶と、溶媒中である特定の温度、圧力、濃度範囲で液晶相を呈するリオトロピック液晶とに分類される。しかし、メソゲン構造とフレキシブルな側鎖を有する化合物でも必ずしも液晶性を呈するわけではない。従って、本発明の潤滑剤組成物に用いられる有機化合物は、メソゲン構造を分子内に有することは必須だが、液晶性化合物である必要はない。
有機化合物が有するこの剛直な平面構造による剛体的斥力が液晶性発現に重要な因子となっているが、同時に存在するフレキシブルな側鎖が自由に振舞える空間、すなわち自由体積が大きいことが、相対的にこれまで用いられてきた潤滑剤組成物にない特徴を与えることを見出した。すなわち、液晶性化合物、より好ましくは円盤状メソゲン構造を有する化合物は剛直な平面構造の環のまわりにフレキシブルな側鎖を数本配するがゆえに、相対的にそれら側鎖の自由体積が大きくなり、圧力がかかり、自由体積が圧縮される状況下でもその自由体積を確保しうることが期待される。それゆえに、相対的に圧力に対する粘度の上昇率が小さくなり、動植物油脂と同等の小さな粘度圧力係数を呈する。したがって、高圧下でも、剪断方向には低い粘性係数を示し、界面に垂直な方向には平面分子が高い吸着力と配向(積層)性による高い粘性係数を発現し、これまでのいわゆる等方性の油性化合物では発現し得なかった極圧下での低粘性と耐摩耗性を両立しているものと推定される。
本発明の機械要素では極圧条件下すなわち弾性流体潤滑領域でとくに低トラクション係数を与えることが特徴である。そのため、常圧域でのいわゆる流体潤滑領域では一般的に平面性の高い広いπ共役平面を有する有機化合物の粘度は相対的に大きい。したがって、この領域すなわち常圧で液晶性であることは、剪断によるミエソビッツの低粘性を発現させることが可能であり、より有利であると言える。したがって、できるだけ広い温度域で低トラクション係数を発現させるには、常圧で液晶相を呈する有機化合物を用いるのが好ましく、さらに常圧での液晶温度領域ができるだけ広く、且つ低粘性の平板状あるいは円盤状構造の有機化合物を用いるのがより好ましい。その点では、トリアリールメラミン環やヘキサ−及びペンタアリールエチニルベンゼン、さらにトリフェニレン環等の円盤状メソゲン構造を二つ以上連結し、結晶性を弱め、広い温度域で液晶相を形成しうる有機化合物も好ましい。一方、二面間に介在して剪断をうけている際は、前記有機化合物は、結晶相温度では極めて高いトラクション係数を発現することが分かっている。一方、それが明確な結晶相を形成せず無定形(アモルフォス)状態を呈したり、結晶相を形成する速度が遅い場合は過冷却状態になり見かけ上無定形(アモルフォス)状態を呈するような場合には小さなトラクション係数が維持されることが一般的に起こるので、二面間に介在して剪断をうけている際は、結晶相を呈しないのが好ましいと考えられる。
以下に、上記(a)有機化合物の具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 2006257384
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本発明の潤滑剤組成物は、メソゲン構造を分子内に有する有機化合物を二種類以上含有していてもよい。かかる場合は、異なるメソゲン構造を有する二種類以上の化合物を用いてもよいし、同一のメソゲン構造を有し、且つ各々異なる側鎖が置換された有機化合物を複数種類用いてもよい。また、前記潤滑剤組成物は、前記有機化合物とともに、その液晶相形成温度を低下させる有機化合物を含有していてもよい。常圧におけるそのような化合物の組み合わせとしては、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,1981,Vol.71,pp111.の図5.から図10.の化合物、及び特開平9−104866号公報に記載される化合物があげられる。参照文献にも記載されるように、かかる化合物の組み合わせに関する記載は少ないが、特に構造的に除外されたり、制限される化学構造はなく、より効率的にその液晶相形成温度を低下させる構造として、用いる液晶化合物の側鎖に類似した構造であり、好ましくは、エーテル基やカルボニル基といった極性官能基が少なくとも一種類含まれる化合物、例えばオリゴエチレンオキシ基と炭素数6以上のアルキル基を含むエーテル化合物やエステル化合物等下記の具体的化合物例が挙げられる。
Figure 2006257384
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(b)酸化防止剤
本発明の潤滑剤組成物は、前記(a)有機化合物とともに、(b)酸化防止剤を含有するのが好ましい。(b)酸化防止剤を含有していると、潤滑剤組成物の耐久性がより改善するので好ましい。また、本発明では、(a)所定の有機化合物の鋼鉄界面に対する配向性等を利用して低摩擦を達成しているので、鋼鉄界面への反応性を利用した従来の潤滑剤組成物と比較して、それに含有される酸化防止剤の劣化も軽減され、その結果、耐久性が格段に改善している。耐久性の改善に関しては、従来の酸化防止剤は炭化水素系基油の酸化防止効果を目的としており、その耐久性の向上による耐摩耗性の向上は期待できなかった。しかし、本発明の潤滑剤組成物は、摩擦係数の低減と耐摩耗性効果をも発現するため、酸化防止剤の併用によって、その耐久性は耐摩耗性にも及び、トータルで飛躍的な耐久性の改善が可能となることが分かった。
(b)酸化防止剤としては、遊離基連鎖反応停止剤として働くフェノール系、アミン系酸化防止剤や、過酸化物分解剤として働く硫黄系酸化防止剤やリン系酸化防止剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の酸化防止剤を単独又は混合して用いることができるが、好ましくはアミン系とフェノール系を併用するのがよい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート〕、4,4’−ブチリデン−ビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノールなどが挙げられる。蒸発特性の点から、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)が好適である。
また、アミン系酸化防止剤としては、例えば、ジ(p−オクチルフェニル)アミン、ジ(p−ノニルフェニル)アミン、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミンやノニルフェニル−α−ナフチルアミン、フェノチアジンなどが挙げられ、ジオクチルジフェニルアミン、フェノチアジンが好適である。
また、硫黄系酸化防止剤としては、硫化油脂、ジベンジルサルファイトやジセチルサルファイドなどが挙げられる。
また、リン系酸化防止剤としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛やジアリルジチオリン酸亜鉛などが挙げられる。
酸化防止を間接的に作用するものとして、金属不活性剤を配合することができる。金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体が代表的なものであるが、その他イミダゾリン、ピリジン誘導体がある。これらは、少なくともN−CN結合を有する化合物中に効果のあるものが多く、金属表面に不活性皮膜を作る作用と酸化防止作用を有する。これら以外では、N−C−S結合を有する化合物もあるが、揮発性などからベンゾトリアゾール誘導体などが有効である。
本発明の潤滑剤組成物が、(b)酸化防止剤を含有する場合は、(b)酸化防止剤は、上記(a)有機化合物に対して0.01質量%〜20質量%であるのが好ましく、0.1質量%〜10質量%であるのがより好ましく、1質量%〜5質量%であるのがさらに好ましい。
近年、地球環境保護の機運が高まり、産業機械や自動車の省燃費性がよりいっそう要求されてきている。省燃費性の向上には、その駆動部分の摩擦抵抗の減少、特に潤滑油の粘性に関する特性改良、すなわち低温から高温まで広い範囲にわたって粘度ができるだけ変化しないことが実用上望ましい。この尺度として粘度指数(VI:viscosity index)が用いられ、粘度指数が大きいほど温度変化に対する安定性が高い。粘度指数は、ある種の重合体(粘度指数向上剤)を基油及び/又は潤滑油に添加することにより向上できることが知られている。粘度指数向上剤の添加により潤滑油の粘度の温度依存性が小さくなる理由は、以下のように考えられている。すなわち、低温(通常40℃)では粘度指数向上剤が低粘性オイルに溶解し難くオイルの粘度は上昇しないが、高温(通常100℃)ではオイル自身の粘度低下より、温度上昇による粘度指数向上剤のオイル溶解性が向上しその増粘効果でオイル全体の粘度が上昇する。
そのような重合体は粘度指数向上剤とよばれ、本発明においても上記粘度指数向上剤として用いることができる。粘度指数向上剤の例には、例えばポリメタクリレート(PMA)(より具体的には特開平7−62372号公報に記載のPMA)、オレフィン共重合体(OCP)(より具体的には特公昭46−34508号公報に記載のOCP)、水素化スチレン/ジエン共重合体(SDC)(より具体的には特公昭48−39203号公報に記載のSDC)、ポリイソブチレン(PIB)等が含まれる。SDCにおける重合形態としては、ランダム共重合体の他に、ブロック共重合体(例えば、特開昭49−47401号公報に記載のランダム共重合体)や星型重合体(例えば、特開昭52−96695号公報に記載の星型重合体)が開発されていて、いずれも本発明に用いることができる。これらの重合体を添加した潤滑油にはそれぞれ特徴がある。すなわち、PMAは粘度指数向上性に優れていて流動点降下作用もあるが、増粘効果が劣る。増粘効果を向上させるためには分子量を大きくすれば良いが、この場合、潤滑油の攪拌などに伴う剪断力に対する安定性が極端に悪くなる。PIBは増粘効果が大きいが、粘度指数向上性に劣る。OCP及びSDCは増粘効果が大きく、低温における粘度も低いが、粘度指数向上性はPMAに劣る。また、PMAは極性単量体を共重合することにより、他のものに比べてスラッジを潤滑油中に分散させる清浄分散性能を容易に付与することができる(特公昭51−20273号公報参照)。現在、潤滑油としては粘度指数向上性能の優れたマルチグレード油が一般に用いられているが、最近燃費向上等の要求から、さらに高性能な粘度指数向上剤が望まれるようになってきた。この要求を満足させる組成物として、PMAとOCP又はSDCを混合して用いることが考えられる。しかし、これらを単純に混合しただけでは相溶性が悪いため、潤滑油は二相に分離してしまう。そこで、この分離を防ぐために、異なる2種の重合体のグラフト共重合体が提案されている(具体的には、特公平4−50328号公報及び特開平6−346078号公報などに記載のグラフと共重合体)。かかるグラフト共重合体も、粘度指数向上剤として勿論用いることができる。
一方、このような粘度指数向上剤には、粘度指数を向上する性能と同時に、剪断安定性が要求される。本明細書において「剪断安定性」とは、剪断を加える前の粘度に対する、剪断が加えられた後の粘度の低下率を意味する。従って、剪断断安定性が良好であるとは、剪断が加えられた後の粘度の低下率が小さいことを意味する。自動車のエンジンオイルは駆動系潤滑油なので、オイルに添加された粘度指数向上剤はクランク軸やギアによって強い剪断力(又は物理的な剪断応力)を受ける。この剪断応力によって、粘度指数向上剤のベースポリマーであるポリアルキル(メタ)アクリレートは剪断方向に配向し(即ち、向きを揃え伸び)、ポリマー鎖が切断され、ポリマーの分子量低下を生じ得る。その結果、粘度指数の低下を生じ易くなる。この傾向は、分子量が大きくなるほど強くなる。従って、剪断安定性を向上させるためには、粘度指数向上剤の重量平均分子量を低くすることが必要である。しかし、粘度指数向上剤の重量平均分子量を低くすると、粘度指数を十分に向上するために、粘度指数向上剤の潤滑油への添加量を増やすことが必要である。この根本的原理に関わる課題に対して、ビニル系モノマーの重合法(特開2002−12883号公報参照)、オレフィン共重合体組成の最適化特開2003−48931号公報参照)及び基油とアルキルメタアクリレート組成の最適化(特開2004−307551号公報及び特開2004−149794号公報参照)の技術が提案され、それによって同時に低温流動性の確保が可能であることが開示されている。本発明にも、勿論、かかる技術により改良された粘度指数向上剤を用いることができる。また、特開2001−234186号公報には、アルキルメタアクリレート組成の最適化によってシャダー防止能が、特開平6−17077号公報には、アルキルフェノールを含有させて酸化防止能が、また特開2002−3873号公報にはポリアルキレンチオエーテルを含有させて耐コーキング性が付与できることが開示されている。本発明において、粘度指数向上剤として、これらの高機能化された剤を用いてもよい。
その他、前記潤滑剤組成物は、種々の用途に適応した実用性能を確保するため、さらに必要に応じて、種々の添加剤を含有していてもよい。使用可能な添加剤としては、潤滑剤、例えば、軸受油、ギヤ油、動力伝達油などに用いられている各種添加剤、すなわち摩耗防止剤、極圧剤、清浄分散剤、金属不活性化剤、腐食防止剤、防錆剤、消泡剤等を本発明の目的を損なわない範囲で含有していてもよい。但し、他の成分を含有する場合も、1種又は2種以上の前記(a)有機化合物が、全組成物中50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以上であるのがより好ましい。
但し、本発明の潤滑剤組成物は、潤滑油基油を含有しない。ここで、「潤滑油基油」とは、トライボロジーハンドブック C編 第一章 潤滑油 1.1.1基油 p.579〜589 第一版 2001年 編集:社団法人日本トライボロジー学会発行:(株)養賢堂 に詳細に記載されている基油を意味し、具体的には、(1) パラフィン系、ナフテン系鉱油、および合成油として(2−1) ポリオレフィン系、アルキル芳香族系、脂環式化合物系の炭化水素基油、(2−2) ポリグリコール系、フェニルエーテル系のポリエーテル油、(2−3) ジエステル系、ポリオールエステル系、天然油脂系基油、(2−4)トリアリールまたはトリアルキルリン酸エステル系基油、(2−5)シリコーン油、および(2−6)パーフルオロ化したポリグリコールタイプ系基油が挙げられる。
本発明の機械要素は、異なる周速で運動する鋼鉄からなる二面と、該二面間に本発明の潤滑剤組成物とを有する限り、特にその構造については限定されない。潤滑油、グリース等を必要とする従来公知の摩擦摺動部分に組み込まれる機械要素のいずれであってもよい。異なる周速で運動する二面は、曲面であっても、平面であってもよいし、また面の全部または一部に凹凸部を有していてもよい。例えば、すべり軸受けや、転がり軸受けの摩擦摺動部分などが挙げられる。本発明の機械要素は、さらに、伝動要素として、歯車、カム、ねじ、トラクションドライブを備えていてもよい。また、前記潤滑剤組成物を密封するための密封要素として、オイルシール、メカニカルシール、ピストンリングなどの接触式シールを備えていてもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例の潤滑剤組成物の評価は、下記の方法で行った。
1.往復動型(SRV)摩擦摩耗試験による評価及び測定法
摩擦係数及び耐摩耗性は、往復動型(SRV)摩擦摩耗試験機を用いて評価し、以下に示す試験条件で摩擦摩耗試験を行った。
試験条件
・試験片(摩擦材):SUJ−2
・表面粗さ :0.45〜0.65μm
・プレート :24mm径×7mm
・シリンダー :15mm径×22mm
・温度 :80〜150℃
・荷重 : 5N(30MPa)、10N(46MPa)、15N(60MPa)、20N(68MPa)、50N(105MPa)、100N(149MPa)及び400N(298MPa)のいずれか
・振幅 :1.5mm
・振動数 :50Hz
・試験時間 :試験開始2分間(2分後)
2.円盤状構造を有する化合物による潤滑剤組成物
[実施例1]
円盤状構造を有する化合物として例示化合物LUB−21を用い、単独で潤滑剤とし、往復動型(SRV)摩擦摩耗試験による評価を実施した。
LUB−21の液晶相転移温度
結晶相 → ディスコティックネマティック相 → 等方性液体相
90〜91℃ 130℃
LUB−21は常圧で液晶性を呈する化合物であるため、剪断がかかると容易に配向する性質を示す。円盤状化合物は特に表面に垂直配向性の処理をしない限り、極性表面に対しては水平配向する。従って、「その拡散断面積が最も大きくなる分子面を剪断面と平行に向けて配向した分子集合体薄膜を形成」しているものと考えられる。加圧状態でもその相転移温度の変化はありうるが、剪断場での配向性は同じか、エネルギー的にはより高秩序度の配向が好ましいため、より配向化する傾向にあると推定される。図1に示すように、常圧での等方相転移温度より高温度で低トラクション係数を発現しているのは、その温度でも高配向状態にあることを示唆している。
50N(105MPa)以上の高荷重(高圧力)では液晶相と等方性液体相の広い温度範囲で低トラクション係数0.042〜0.45を示し、120℃におけるLUB−21のトラクション係数の圧力依存性を示した図2では、それ以下の低荷重では値が小さくなるほどトラクション係数が上昇し、従来の潤滑油では決して示さない逆ピエゾ粘性現象を明瞭に示している。
[実施例2]
円盤状構造を有する化合物として例示化合物LUB−3を用い、単独で潤滑剤とし、往復動型(SRV)摩擦摩耗試験による評価を実施した。
LUB−3の相転移温度
結晶相I → 結晶相II → 等方性液体相
76℃ 95℃
LUB−3は常圧で液晶性を呈しない化合物であるが、加圧条件で液晶相を呈することが報告されている(Mol.Cryst.Liq.Cryst.,1981,Vol.63,pp171−179. 図2)。測定条件は、圧力105MPa(=1.05Kbar)であり、上記文献の図2によれば、十分に液晶相を呈する圧力であるから、そこでは摺動による分子配向の効果が十分に期待される領域である。
50N(105MPa)、100N(149MPa)、150N(183MPa)の高荷重(高圧力)で評価した。結果を図3に示す。摺動による温度上昇の影響もあるので、正確なことは言えないが、高圧力下で液晶相を呈するであろう100℃付近以下で低トラクション係数を示す傾向が明瞭に見られ、ほぼ0.04の最低トラクション係数を示した。なお、図3中、摩擦係数は、トラクション係数と同じ意味である。以下、図4〜図7においても同様である。
[実施例3]
円盤状構造を有する化合物として例示化合物LUB−9を用い、単独で潤滑剤とし、往復動型(SRV)摩擦摩耗試験による評価を実施した。
LUB−9の相転移温度
結晶相 → ディスコティックカラムナー相 → 等方性液体相
73℃ 98℃
LUB−9は常圧で非液晶性の化合物であるが、加圧条件では実施例2にあるように、若干高めの温度域で液晶相を呈することが期待される。
150N(149MPa)の高荷重(高圧力)で評価した。結果を図4に示す。例示化合物LUB−9は液晶性化合物であり、その液晶相温度範囲では少なくとも摺動下水平配向することが期待されるが、高圧力下で液晶相近辺の温度と推定される100℃付近から低温域で、より低トラクション係数を示す傾向が明瞭に見られ、配向性の寄与が示唆される。0.04〜0.03という低いトラクション係数を示している。
[実施例4]
円盤状構造を有する化合物として例示化合物LUB−12を用い、単独で潤滑剤とし、往復動型(SRV)摩擦摩耗試験による評価を実施した。
LUB−12の相転移温度
結晶相 → ディスコティックカラムナー相 → 等方性液体相
68℃ 97℃
LUB−12は常圧で液晶性を呈する化合物であり、加圧条件では実施例2にあるように、若干高めの温度域で液晶相を呈することが期待される。
50N(105MPa)の高荷重(高圧力)で評価した。結果を図5に示す。摺動による温度上昇の影響もあるので、正確なことは言えないが、高圧力下で液晶相を呈するであろう100℃付近以下で低トラクション係数を示す傾向が明瞭に見られ、ほぼ0.04の最低トラクション係数を示しており、分子配向の効果が示唆される。
[実施例5]
円盤状構造を有する化合物として例示化合物LUB−24を用い、単独で潤滑剤とし、往復動型(SRV)摩擦摩耗試験による評価を実施した。
LUB−24の液晶相転移温度
結晶相 → ディスコティックカラムナー相 → 等方性液体相
80℃ 130℃
LUB−24の相転移挙動は80℃と130℃での融解挙動は明確だが、カラムナー構造に特有のマーブル状やファン構造的な光学形態は観察されず、またディスコティックネマティック相に特有のシュリーレン模様も観察されなかった。ガラス板上では、弱い剪断で偏光顕微鏡下、一様に配向することが観察された。
100N(105MPa)の高荷重(高圧力)で評価した。結果を図6に示す。100N(149MPa)の高荷重(高圧力)では、結晶領域以上の液晶相と等方性液体相の広い温度範囲で、低トラクション係数0.025〜0.05を示した。
[実施例6]
円盤状構造を有する化合物として例示化合物LUB−9を用い、これに下記化合物を添加した潤滑剤LUB−MIXを調製し、往復動型(SRV)摩擦摩耗試験による評価を実施した。
Figure 2006257384
LUB−9の相転移温度
結晶相 → ディスコティックカラムナー相 → 等方性液体相
73℃ 98℃
LUB−MIXの相転移温度
結晶相 → ディスコティックカラムナー相 → 等方性液体相
34℃ 58℃
上記添加剤を添加することにより、LUB−9に対してLUB−MIXの液晶相転移温度は約40℃低下した。
150N(149MPa)の高荷重(高圧力)で評価した。結果を図7に示す。LUB−MIXは、LUB−9を単独で用いるよりも、高圧力下の全温度領域でより低トラクション係数を示す傾向が明瞭に見られた。
[実施例7]
下記表1〜8に示す組成の実施例1〜65の組成物、及び下記表9に示す組成の比較例1〜5の組成物をそれぞれ調製し、下記の試験条件で摩擦試験を行い、摩擦係数を測定した。また、耐磨耗性は、表面粗さ計にて摩耗深さを測定することによって評価した。
[試験条件]
酸化防止剤を配合した潤滑剤組成物を予め200℃で24時間加熱処理を行い、その加熱前後の試料を用いて下記条件で摩擦摩耗試験を実施した。
摩擦試験条件はシリンダ−オンプレートの条件で行った。
試験片(摩擦材):SUJ−2
プレート:φ24×6.9mm
シリンダー:φ15×22mm
温度:150℃
荷重:400N
振幅:1.5mm
振動数:50Hz
試験時間:30分間
実施例の結果を表1〜8に、比較例の結果を表9に各々示した。
Figure 2006257384
Figure 2006257384
Figure 2006257384
Figure 2006257384
Figure 2006257384
本発明に潤滑剤組成物は、摩擦摺動部、特に10MPa以上の圧力の剪断がかかる摩擦摺動部の潤滑剤として利用することができる。また、本発明の機械要素は、すべり軸受けや、転がり軸受けの摩擦摺動部分に利用することができる。
LUB−21の種々の圧力におけるトラクション係数と温度との関係を示すグラフである。 LUB−21の圧力とトラクション係数との関係を示すグラフである。 LUB−3の種々の高荷重条件における摩擦係数(トラクション係数)と温度との関係を示すグラフである。 LUB−9の高荷重における摩擦係数(トラクション係数)と温度との関係を示すグラフである。 LUB−12の高荷重における摩擦係数(トラクション係数)と温度との関係を示すグラフである。 LUB−24の高荷重における摩擦係数(トラクション係数)と温度との関係を示すグラフである。 LUB−MIXとLUB−9の高荷重における摩擦係数(トラクション係数)と温度との関係を示すグラフである。

Claims (16)

  1. 互いに異なる周速で運動する鋼鉄からなる二面間に介在して剪断をうける潤滑油基油を含有しない潤滑剤組成物であって、
    (a)メソゲン構造を分子内に有し、40℃における粘度圧力係数が20GPa-1以下であり、10MPa以上の圧力下で圧力上昇に伴いトラクション係数の最小値を発現させる有機化合物の少なくとも一種を含有する潤滑剤組成物。
  2. さらに、(b)少なくとも一種の酸化防止剤を含有する請求項1に記載の潤滑剤組成物。
  3. 互いに異なる周速で運動する鋼鉄からなる二面間に介在して剪断をうけている際に、前記(a)有機化合物の分子が、その拡散断面積が最も大きくなる分子面を前記二面に対して平行にして配向した分子集合体薄膜を形成可能な請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。
  4. 前記(a)有機化合物が、100MPa以上の圧力下で最小のトラクション係数を発現させる化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  5. 前記(a)有機化合物が、0.05以下のトラクション係数を発現させる化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  6. 前記(a)有機化合物が、メソゲン構造として、平板状又は円盤状構造を分子内に有するとともに、それを核として三本以上の末端鎖が放射状に伸びた構造を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  7. 前記(a)有機化合物が、メソゲン構造として棒状の分子構造を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  8. 前記(a)有機化合物が、メソゲン構造として、少なくとも二つの芳香族環もしくは、少なくとも一つの縮合環、又はπ共役平面を構成要素とする有機化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  9. 前記(a)有機化合物が、常圧で液晶相を呈する請求項1〜8のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  10. 互いに異なる周速で運動する二面間に介在して剪断をうけている際に、前記(a)有機化合物が、結晶相を呈しない請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  11. 前記(a)有機化合物が有するメソゲン構造が、下記一般式[1]〜[74]のいずれかで表される請求項1〜10のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
    Figure 2006257384
    Figure 2006257384
    (式中、nは3以上の整数を表し、*は側鎖との結合可能部位を意味する。但し*は3以上であれば全ての部位に側鎖が結合していなくてもよい。Mは金属イオン又は2つの水素原子を表す。)
  12. 前記(a)有機化合物を二種類以上含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  13. 前記(a)有機化合物とともに、その液晶相形成温度を低下させる有機化合物を少なくとも一種含有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  14. 互いに異なる周速で運動する鋼鉄からなる二面と、該二面の間に配置された請求項1〜13のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物とを少なくとも有する機械要素。
  15. 平均圧力が10MPa以上で摩擦摺動する二面間に請求項1〜13のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物を配置して二面間の摩擦を軽減する方法。
  16. 平均圧力が10MPa以上で摩擦摺動する二面間の潤滑剤であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。







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