JP2006257282A - 透明ゲルおよびそれからなる眼用レンズ材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】合成および精製が容易であるポリイミドシリコーン樹脂と親水性モノマーを重合した親水性ポリマーからなり、ゲル強度、透明性、酸素透過性、屈折率などの特性に優れる、細胞や臓器などの培養基材、保存に利用するための容器および眼用レンズ材料などに用いることができる透明ゲルを提供する。
【解決手段】有機溶剤に可溶である特定の透明ポリイミドシリコーン樹脂と、親水性モノマーを重合した親水性ポリマーからなり、該透明ポリイミドシリコーン樹脂と親水性ポリマーの相互網目構造を有する透明ゲル。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定のポリイミドシリコーン樹脂と、親水性モノマーを重合した親水性ポリマーの相互網目構造を有する透明ゲル、とくに細胞や臓器などの培養基材、保存に利用するための容器および眼用レンズ材料(たとえば、コンタクトレンズ(以下、「CL」と略記)材料、眼内レンズ材料、角膜インレー材料など)に関する。
従来より、CLの材料として、ポリジメチルシロキサンの両末端に重合性基を導入したマクロモノマーが使用されてきた。しかし、マクロモノマーは合成が煩雑であり、分子量の制御や重合性基の導入率に課題があり、さらには、架橋剤として機能することから好ましい物性を得る上で制約があった。また、高分子量であるので、その重合性も確実なものではなく、場合によっては安定した重合が達成されないという問題も指摘されている。
重合性基を有しないシリコーン樹脂として、特許文献1には、耐熱性、機械的強度、耐溶剤性などに優れるポリイミドシリコーン樹脂が記載されている。しかし、この樹脂については、CLとして利用するために必要とされる酸素透過性や含水性などの特性については検討されておらず、また、これらの材料はそれ自体が硬く透明ゲルではないので、培養基材や眼用レンズ材料としては不向きであった。さらに、ここでは、半導体装置中のカラーフィルターや発光ダイオード、レーザーダイオードの保護膜、液晶配光膜、液晶表示装置などに用いることのみが記載されており、この樹脂をCL材料などの眼用レンズ材料に利用することは想定されていなかった。
また、眼用レンズの別の材料として、親水性モノマーを重合して得られる親水性ポリマーがある。特許文献2には、CLや細胞培養基材に用いることができる透明性に優れるポリビニルアルコールハイドロゲルが記載されている。しかし、このハイドロゲルは、ポリビニルアルコールをホルマール化した後に放射線を照射することで得られるものであって、酸素透過性や形状保持性などの特性については検討されておらず、このゲルから満足のいく眼用レンズ材料を得ることはできなかった。
これ以外にも、ゲル強度を向上させるために、親水性モノマーにポリマー、とくにポリアクリレートを添加して重合する方法が知られている。しかし、ここで、ポリマーとして、たとえば、前記ポリジメチルシロキサンを用いると、シリコーン特有のべたつきが生じるという問題があり、ポリイミドを用いた場合には、強度は向上するが所望のガス透過性は得られないという問題があった。また、添加量を増やすと、透明性が確保できず、レンズ材料としては不向きであった。
特許文献3には、親水性ポリマーとポリイミド樹脂からなる眼用レンズ材料、すなわち、ポリイミド樹脂と窒素原子含有モノマーを含有してなる重合成分を重合して得られた共重合体からなる眼用レンズ材料が記載されている。しかし、ここに記載のポリイミド樹脂を用いて眼用レンズ材料を製造すると材料に色が付くため、透明性に劣るものとなっていた。また、酸素透過性についても検討されていなかった。そのため、満足のいく眼用レンズ材料を得るためには、透明性や酸素透過性についてさらなる改良が必要であった。
特開2004−149777号公報 特開平7−25941号公報 特開平9−68680号公報
本発明は、合成および精製が容易であるポリイミドシリコーン樹脂と、親水性モノマーを重合した親水性ポリマーからなり、ゲル強度、透明性、酸素透過性、屈折率などの特性に優れる、細胞や臓器などの培養基材、保存に利用するための容器および眼用レンズ材料などに用いることができる透明ゲルを提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために鋭意研究した結果、特定のポリイミドシリコーン樹脂と親水性モノマーを重合した親水性ポリマーからなり、該ポリイミドシリコーン樹脂と親水性ポリマーの相互網目構造を有する透明ゲルが、ゲル強度、透明性、酸素透過性、屈折率などに優れることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の一般式(1)で表される構造単位を有し、有機溶剤に可溶である透明ポリイミドシリコーン樹脂と、親水性モノマーを重合した親水性ポリマーからなり、該透明ポリイミドシリコーン樹脂と親水性ポリマーの相互網目構造を有する透明ゲルに関する。
Figure 2006257282
[式中、Xは炭素数4個以上の4価の有機基であって、複数個の−CO−基がXの1つの炭素原子に結合していることはなく、Zは一般式(2)で表されるジアミン残基である
Figure 2006257282
(式中のR9〜R12は炭素数1〜8の置換または非置換の一価の炭化水素基であり、これらは同一でも異なっていてもよい。またaは1〜100の整数である)]
前記一般式(1)中のXは
Figure 2006257282
であることが好ましい。
前記透明ポリイミドシリコーン樹脂に以下の一般式(3)で表される構造単位がさらに含まれることがより好ましい。
Figure 2006257282
[式中、Xは炭素数4個以上の4価の有機基であって、複数個の−CO−基がXの1つの炭素原子に結合していることはなく、Yは一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で表されるジアミン残基から選ばれる1種以上である
Figure 2006257282
(式中、R1〜R6は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なってもよい)
Figure 2006257282
(式中、R7およびR8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なってもよい)
Figure 2006257282
]
前記一般式(3)中のXは
Figure 2006257282
であることがさらに好ましい。
全ジアミン残基に対して、前記一般式(2)で表されるジアミン残基が5〜95モル%であり、前記一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で表されるジアミン残基が5〜95モル%であることが好ましい。
前記親水性モノマーは窒素原子含有モノマーであることが好ましい。
前記窒素原子含有モノマーは、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミドおよび/またはN−メチル−3−メチリデンピロリドンであることがより好ましい。
前記一般式(2)中のaは5〜80であることが好ましい。
前記透明ポリイミドシリコーン樹脂:親水性ポリマーの割合は、重量比で10:90〜40:60であることがより好ましい。
本発明はまた、前記一般式(1)で表される構造単位を有し、有機溶剤に可溶である透明ポリイミドシリコーン樹脂を、親水性モノマー溶液に溶解した後に親水性モノマーを重合する工程を含む透明ゲルの製造方法に関する。
前記製造方法において、透明ポリイミドシリコーン樹脂に、前記一般式(3)で表される構造単位がさらに含まれることが好ましい。
前記製造方法において、前記透明ポリイミドシリコーン樹脂を親水性モノマー溶液に溶解させる際に、さらに架橋剤を加える工程を含むことが好ましく、架橋剤としては、アリルメタクリレートまたはジエチレングリコールジアリルエーテルであることがより好ましい。架橋剤の配合量としては、全混合物中0.1〜10重量%であることが好ましい。
前記重合は型内で行われることが好ましい。
本発明はさらに、前記透明ゲルからなる眼用レンズ材料に関する。
本発明によれば、特定のポリイミドシリコーン樹脂と、親水性モノマーを重合した親水性ポリマーの相互網目構造を有する、ゲル強度、透明性、酸素透過性、屈折率などの特性に優れる透明ゲルが得られる。また、この透明ゲルは紫外線吸収能にも優れるので、CLや眼内レンズをはじめ、さまざまな眼用レンズ材料として使用することができる。
本発明において用いられるポリイミドシリコーン樹脂は合成および精製が容易であり、分子量制御の点でも優れる。また、重合性基を有しないため、樹脂型内で重合(モールド重合)する際の重合収縮を抑え、形状精度を向上させることができる。ソフトセグメント(シリコーン成分)とハードセグメントの比や、ソフトセグメントの長さやハードセグメントの構造、コポリマーの分子量などを調節することによってガス透過性、ゲル強度などを所望の程度とすることができる。さらに、レンズ表面の粘着性が抑制されるので、眼用レンズ材料として用いる場合、角膜への吸着を回避することができる。
本発明の透明ゲルは、特定のポリイミドシリコーン樹脂と、親水性モノマーを重合した親水性ポリマーからなり、該ポリイミドシリコーン樹脂と親水性ポリマーの相互網目(IPN)構造を有している。
本発明において「透明」とは可視光線透過率(%T)が80%以上であることをいう。
本発明で用いられるポリイミドシリコーン樹脂は、以下の一般式(1)で表される構造単位を含有する。
Figure 2006257282
[式中、Xは炭素数4個以上の4価の有機基であって、複数個の−CO−基がXの1つの炭素原子に結合していることはなく、Zは一般式(2)で表されるジアミン残基である
Figure 2006257282
(式中のR9〜R12は炭素数1〜8の置換または非置換の一価の炭化水素基であり、これらは同一でも異なっていてもよい。またaは1〜100の整数である)]
本発明においては、また、前記透明ポリイミドシリコーン樹脂に、以下の一般式(3)で表される構造単位がさらに含まれることが好ましい。
Figure 2006257282
[式中、Xは炭素数4個以上の4価の有機基であって、複数個の−CO−基がXの1つの炭素原子に結合していることはなく、Yは一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で表されるジアミン残基から選ばれる1種以上である
Figure 2006257282
(式中、R1〜R6は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なってもよい)
Figure 2006257282
(式中、R7およびR8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なってもよい)
Figure 2006257282
]
本発明において使用されるポリイミドシリコーン樹脂は、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の反応生成物であって、反応生成物の構造中に熱硬化性基が含まれること、有機溶剤に可溶であること、および透明であることを特徴としている。
熱硬化性基としてはカルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、水酸基などが一般的に知られているが、ポリイミドの製造工程を考慮するとカルボキシル基およびアミノ基と容易に反応しない点でフェノール基が好ましい。
ポリイミドシリコーン樹脂の原料であるジアミンについて説明する。
本発明においては、ジアミン残基としてジアミノシロキサン残基を含有するジアミンを使用することを特徴としている。ジアミノシロキサン残基としては、たとえば、一般式(2)で表されるものがあげられる。
Figure 2006257282
(式中のR9〜R12は非置換または置換の炭素原子数1〜8の1価炭化水素基、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、キシリル基などのアリール基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基などのハロゲン化アルキル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基などのトリアルコキシシリル化アルキル基などの他、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基などのアリーロキシ基、シアノ基などをあげることができる。なかでも、メチル基、エチル基またはフェニル基が好ましい。また、aは1〜100の整数である。前記一般式(2)のaが100を超えると、透明ポリイミドシリコーン樹脂の粘度が上昇し、取り扱いにくくなり、透明ゲルを製造するのが困難となる。また、0であると、透明ゲルの剛直性が過度に増加したり、酸素透過性が低下する。透明ゲルの製造のしやすさや、透明ゲルの剛直性、酸素透過性の点から、aは5〜80が好ましく、10〜20がさらに好ましい。)
ジアミノシロキサン残基は、全ジアミン残基中、好ましくは5〜100モル%含まれる。より好ましくは5〜95モル%、さらに好ましくは50〜95モル%、もっとも好ましくは60〜90モル%である。5モル%未満であると、透明ゲルの剛直性が過度に増加し、また酸素透過性が低下する傾向がある。
本発明においては、さらに、たとえば、一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)などで表されるジアミン残基を含有するジアミンを使用するのが好ましい。
Figure 2006257282
(式中、R1〜R6は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なっていてもよい。上記R1〜R6としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基があげられるが、なかでもメチル基が好ましい。)
Figure 2006257282
(式中、R7およびR8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なっていてもよい。上記R7〜R8としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基があげられるが、なかでもメチル基が好ましい。)
Figure 2006257282
このようなジアミノシロキサン残基以外のジアミン残基は、全ジアミン残基中、好ましくは95モル%以下含まれている。より好ましくは5〜95モル%、さらに好ましくは5〜50モル%、もっとも好ましくは10〜40モル%である。95モル%をこえると、ジアミノシロキサン残基の含有量が少なくなり、有機溶剤への溶解性が低下する傾向があるうえ、透明ゲルの剛直性が過度に増加し、また酸素透過性が低下してしまう。
前記ジアミンにおいて、本発明で用いられるポリイミドシリコーン樹脂が可視光領域において透明であることからその原料であるジアミンは着色していないことが好ましい。
本発明で用いられるポリイミドシリコーン樹脂の合成原料として前記以外にも公知の一般的なジアミンを、透明性を損なわない程度で同時に使用することができる。たとえば、テトラメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサンや4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンなどの脂肪族ジアミンやフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパンなどの芳香族ジアミンがあげられ、単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
ついで、本発明で使用されるポリイミドシリコーン樹脂の原料であるテトラカルボン酸二無水物について説明する。本発明のポリイミドシリコーン樹脂は可視光領域において透明であることを特徴としており、その原料であるテトラカルボン酸二無水物は着色していないこと、また、着色の原因として知られている電荷移動錯体を形成しにくいものが好ましい。透明性に優れるという点で脂肪族テトラカルボン酸二無水物または脂環式テトラカルボン酸二無水物が好ましいが、着色をしない範囲で耐熱性により優れる芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いてもよい。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、たとえば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物またはペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物などがあげられ、脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物などがあげられ、芳香族テトラカルボン酸二無水物としてはピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ヘキサフルオロプロピリデンビスフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などがあげられる。また、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンなどの芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物を用いてもよい。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、透明性や耐熱性、透明ゲルの適度な剛直性、屈折率の点で、芳香族を有する脂肪族テトラカルボン酸が好ましく、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンがより好ましい。
前記ジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物を用いて得られた透明ポリイミドシリコーン樹脂は、前記一般式(1)、さらには一般式(3)で表される構造単位を有する。これら一般式(1)および(3)中のXは、透明性や耐熱性、透明ゲルの適度な剛直性、屈折率の点で、
Figure 2006257282
であることが好ましい。
ポリイミドシリコーン樹脂の製造は、溶媒存在下でジアミンとテトラカルボン酸二無水物をほぼ等モル数で使用し、高温のみで重合させる一段重合法によっても、または、まず低温でアミック酸を合成し、その後に高温でイミド化する二段重合法のいずれによってもよい。
テトラカルボン酸二無水物成分に対するジアミン成分の割合は、ポリイミドシリコーン樹脂の分子量の調整などに応じて適宜決められ、通常モル比で0.95〜1.05、好ましくは0.98〜1.02の範囲である。なお、ポリイミドシリコーン樹脂の分子量を調整するために、無水フタル酸、アニリンなどの一官能の原料を添加することも可能である。この場合の添加量は全イミド骨格に対して2モル%以下が好ましい。
一段重合法による場合、反応温度は150〜300℃であり、反応時間は1〜15時間で行う。また、二段重合法による場合は、ポリアミック酸合成を0〜120℃の温度で1〜100時間行い、その後イミド化を0〜300℃の温度で1〜15時間行う。
合成時に使用可能な溶媒は原料であるジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物ならびに生成物であるポリイミドシリコーンと相溶性のあるものであればよい。たとえば、フェノール、4−メトキシフェノー4−メトキシフェノール、2,6−ジメチルフェノール、m−クレゾールなどのフェノール類、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル類、シクロヘキサノン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、2−オクタノン、アセトフェノンなどのケトン類、酢酸ブチル、安息香酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのセロソルブ類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類などがあげられる。
また、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類を併用することでイミド化の際に生成する水を共沸により除去しやすくすることも可能である。これらの溶剤は、1種単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
ジアミンおよびテトラカルボン酸二無水物の少なくとも一方を複数種使用する場合も、反応方法はとくに限定されるものではなく、たとえば、原料を予め全て混合した後に共重縮合させる方法や、用いる2種以上のジアミンまたはテトラカルボン酸二無水物を個別に反応させながら順次添加する方法などがある。
また、イミド化過程において脱水剤およびイミド化触媒を添加し、必要に応じて加熱することにより、イミド化させる方法を用いてもよい。この方法において、脱水剤としては、たとえば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ジアミン1モルに対して1〜10モルとするのが好ましい。
また、イミド化触媒としては、たとえば、ピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの第3級アミンを用いることができる。イミド化触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとするのが好ましい。
本発明で用いられるポリイミドシリコーン樹脂は、厚さ1mmのガラス板上に厚さ10μmのフィルムにして測定した紫外線・可視光吸収スペクトルにおいて、380〜780nmの波長領域、いわゆる可視光領域における透過率が80%以上という特徴を有する。
前記ポリイミドシリコーン樹脂は、親水性モノマーなどの有機溶剤に対する溶解性に優れる。
本発明の透明ゲルは、前記ポリイミドシリコーン樹脂と、親水性モノマーを重合した親水性ポリマーからなるが、これはポリイミドシリコーン樹脂を親水性モノマー溶液に溶解した混合物を重合することで得られる。
本発明で用いられる親水性モノマーとしては、とくに制限されないが、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−3−メチリデンピロリドンなどの窒素原子含有モノマー、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどがあげられる。なかでも、重合時の相分離構造の抑制による白濁の抑制という点から、窒素原子含有モノマーが好ましく、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN−メチル−3−メチリデンピロリドンがより好ましい。とくには、N−ビニルピロリドンが好ましい。これらの親水性モノマーは2種以上を併用することもできる。ここで、N−メチル−3−メチリデンピロリドンは、以下の構造式で表される。
Figure 2006257282
本発明において、ポリイミドシリコーン樹脂と親水性ポリマーの割合は、重量比で10:90〜40:60であることが好ましく、20:80〜30:70であることがより好ましい。ポリイミドシリコーン樹脂が10重量%未満で、親水性ポリマーが90重量%をこえると、ポリイミドシリコーン樹脂による本発明の効果が得られなくなるうえ、透明ゲルの形状保持性が悪く、扁平となるため、CLなどの眼用レンズとしては装用が困難となる傾向がある。また、ポリイミドシリコーン樹脂が40重量%をこえ、親水性ポリマーが60重量%未満では、混合液の粘度が高くなり、重合性が低下するだけでなく、透明性、酸素透過性は満足できても、硬くなる傾向がある。
本発明においては、前記ポリイミドシリコーン樹脂が重合性基を有しないため、重合の際に生じる体積収縮を抑えることができる。そのため、樹脂型内でも良好に重合することができる。なお、重合する際には、熱重合開始剤や光重合開始剤などの既知の重合開始剤が使用される。
ポリイミドシリコーン樹脂を親水性モノマーに溶解させた混合物に、補強効果付与のために架橋剤を含ませてもよい。架橋剤としては既知のものが用いられるが、得られる材料の透明性を向上させる効果を有することから、アリルメタクリレートおよび/またはジエチレングリコールジアリルエーテルが好ましく、アリルメタクリレートがとくに好ましい。架橋剤を配合する場合には、全混合物の0.1〜10重量%であるのが好ましく、0.1〜5重量%以下であるのがより好ましく、0.2〜0.6重量%であるのがさらに好ましい。架橋剤の配合量が、全混合物の0.1重量%未満であると、透明ゲルの形状保持性が悪く、扁平となるため、CLなどの眼用レンズとしての装用が困難となる傾向がある。また、10重量%をこえると、形状保持性は高いものの、曇りを生じ、かつ剛直となるので、CLなどの眼用レンズとしては装用感に劣る傾向がある。
また、混合物には、他のシリコーン含有モノマーや溶媒をさらに配合してもよい。溶媒としては、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、アセトン、ヘキサンなどがあげられる。
本発明の透明ゲルを製造する際には、従来のエレクトロニクスおよび光学の分野における使用と同様に、高度に精製されることが好ましい。具体的には、直径50μm以上のダストが実質上検出されず、直径0.5〜50μmのダストが3×104以下、無機および有機残留塩素が2ppm以下、残留アルカリ金属が2ppm以下、残存水酸基が200ppm以下、残存窒素量が5ppm以下、残存モノマーが20ppm以下などの基準を、可能な限り満たすように精製される。また、低分子量体除去や溶媒除去の目的で、抽出などの後処理が行なわれる場合もある。また、ポリイミドシリコーン樹脂の原材料についても、不純物や異性体などを極力低減した材料を用いることが好ましい。
本発明の透明ゲルを製造する際には、安定性や離型性を確保するために、必要に応じて、ヒンダードフェノール系やホスファイト系酸化防止剤;シリコン系、脂肪酸エステル系、脂肪酸系、脂肪酸グリセリド系、蜜ろうなどの天然油脂などの滑剤や離型剤;ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ジベンゾイルメタン系、サリチレート系などの光安定剤;ポリアルキレングリコール、脂肪酸グリセリドなどの帯電防止剤などを適宜添加してもよい。
さらには、コスト低減や強度、耐熱性などの目的で、従来のポリイミドシリコーン樹脂を、透明ゲルの性能を損なわない範囲で任意に混合して使用することも可能である。前述の成形材料としての物性を満たすことに加えて、CLにおいては鮮明な視力を得る上で、具体的には30度斜め入射光の複屈折が50nm以下、さらには25nm以下であることが望ましく、透明ゲルの可視光線透過率が少なくとも80%以上、さらには90%以上であることが望ましい。また、安全なCL装用を提供するには、透明ゲルの酸素透過係数(Dk値)が50×10-11(cm2/秒)・(mLO2/(mL・mmHg))以上、連続装用を行なうために、さらには70×10-11(cm2/秒)・(mLO2/(mL・mmHg))以上であることが望ましい。
本発明の透明ゲルからCLを得る場合、透明ゲルを外径10〜15mm、厚さ2〜5mmのボタン状のレンズブランクスに成形し、これを切削などの従来の方法やレーザなどの光加工によりレンズに加工して製造することができる。本発明の透明ゲルは、成形性に優れ、複屈折が小さいことから、レンズ形状に近い成形品とすることも可能である。このとき、周辺に加工用の保持のためのツバ部を設けても良い。いずれの場合も成形歪みを極力抑え、歪みの存在する部位はCLとして用いないような成形品形状とすることが必要となる。
また、透明ゲルの表面の濡れ性を向上させるために、大気圧あるいは減圧下でプラズマ処理またはグロー放電処理することもできる。さらに、グラフト重合を施してもよい。
本発明の透明ゲルは、ゲル強度、透明性、酸素透過性などの特性に優れるので、細胞や臓器などの培養基材、保存に利用するための容器および眼用レンズ材料(たとえば、CL材料、眼内レンズ材料、角膜インレー材料)などに好ましく用いることができる。
つぎに、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1〜13で用いるポリイミドシリコーン樹脂(PISi)を以下のとおり合成した。
合成例1(PISiAの合成)
撹拌機、温度計および窒素置換装置を備えたフラスコ内に、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン30.0g(0.1モル)およびN,N−ジメチルアセトアミド250gを仕込み、撹拌して溶解した。ついで、フラスコ内に2.2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン7.4g(0.018モル)を添加し反応系の温度を50℃で3時間保持した。さらに、ジアミノシロキサン(aの平均が10)74.0g(0.082モル)を室温で滴下した。滴下終了後、室温で12時間撹拌した。
つぎに、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた後、無水酢酸20.4gとピリジン26.4gを添加して50℃まで昇温してその温度を3時間保持した。
得られた溶液を貧溶媒であるメタノール中に投じ、樹脂を再沈殿させた。この樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸にもとづく吸収は現れず、1770cm-1および1710cm-1にイミド基にもとづく吸収を確認した。
また、テトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、該樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ、31000であった。この樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解して、ガラス基板上に塗布し、乾燥させ、膜厚50μmのフィルムを作成した。このフィルムの光線透過率を測定したところ、波長400〜700nmの光線透過率が80%以上であった。
合成例2(PISiBの合成)
撹拌機、温度計および窒素置換装置を備えたフラスコ内に、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン30.0g(0.1モル)およびN,N−ジメチルアセトアミド250gを仕込み、撹拌して溶解した。ついで、フラスコ内に2.2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン14.4g(0.035モル)を添加し反応系の温度を50℃で3時間保持した。さらに、ジアミノシロキサン(aの平均が15)82.4g(0.065モル)を室温で滴下した。滴下終了後、室温で12時間撹拌した。
つぎに、該フラスコに水分受容器付き還流冷却器を取り付けた後、無水酢酸20.4gとピリジン26.4gを添加して50℃まで昇温してその温度を3時間保持した。
得られた溶液を貧溶媒であるメタノール中に投じ、樹脂を再沈殿させた。この樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸にもとづく吸収は現れず、1770cm-1および1710cm-1にイミド基にもとづく吸収を確認した。
また、テトラヒドロフランを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、該樹脂の重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ、40000であった。この樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解して、ガラス基板上に塗布し、乾燥させ、膜厚50μmのフィルムを作成した。このフィルムの光線透過率を測定したところ、波長400〜700nmの光線透過率が80%以上であった。
実施例1〜12および比較例1〜3
表1に示す成分を、コンタクトレンズ形状を有する鋳型(ポリプロピレン製、直径約14mmおよび中心厚み0.1mmのコンタクトレンズに対応)内に注入した。次いで、この鋳型にUV光を照射して光重合を行い、コンタクトレンズ形状の重合体を得た。得られた重合体について以下の評価を行なった。結果を表1に示す。
(可視光線透過率(%T))
作製したレンズを生理食塩水中で状態調節した後、(株)島津製作所製の紫外可視分光光度計UV3150を用いて波長範囲380〜780nmでの光線透過率を測定した。
(含水率)
ゲルを水和させた後に表面の水を軽くふき取り、重量を測定した(W1:g)。105℃に設定した乾燥機にゲルを16時間入れ、その後、デシケーター中で室温まで冷却した後に乾燥したゲルの重量を測定した(W2:g)。以下の式により含水率を算出した。
(W1−W2)/W1×100 (%)
(酸素透過係数(Dk))
電極法により作製したレンズのDkを測定した。測定単位は×10-11(cm2/秒)・(mLO2/(mL・mmHg))である。
(屈折率)
作製したレンズについて、(株)アタゴ社製のアッベ屈折計(1−T)を使用し、20℃における屈折率(Na−D線)を測定した。
(外観)
作製したレンズの指先上での外観を目視で確認した。
◎:完全に透明
○:ほとんど透明
△:やや白濁が認められる
×:白濁して不透明
(形状保持性)
作製したレンズの指先上での形状保持を目視で確認した。
◎:完全に形状を維持している
○:ほぼ形状を維持している
△:やや扁平に変形している
×:扁平となり装用困難
なお、表1〜3中の略語は、以下の化合物を示す。
PISi:ポリイミドシリコーン樹脂
PIA:ポリイミド樹脂
NVP:N−ビニルピロリドン
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
DMAA:ジメチルアクリルアミド
MMA:メチルメタクリレート
TRIAM:ジエチレングリコールジアリルエーテル
AMA:アリルメタクリレート
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
D.1173:ダロキュア1173(チバスペシャルティーケミカル社製)
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロトニリル)
Figure 2006257282
実施例13ならびに比較例4および5
表2に示す成分を用いる以外は、実施例1と同様の方法によりコンタクトレンズ形状の重合体を得た。得られた重合体の着色を目視にて確認した。結果を表2に示す。なお、比較例4および5で用いたPIAは、以下に示す繰返し構造を有する重量平均分子量1.2×104のポリイミド樹脂である。
Figure 2006257282
Figure 2006257282
実施例14および15
PISi/NVP(=20/80)混合液に、表3および4に記載された配合比(重量%)の架橋剤(AMA)および開始剤(D.1173)を加えた後、実施例1と同様の方法によりコンタクトレンズ形状の重合体を得た。得られた重合体の外観および形状保持性を前記の方法にしたがって評価した。結果を表3および4に示す。
Figure 2006257282
Figure 2006257282
本発明による透明ゲルは、光透過性、Dk値、屈折率、形状保持性ともに優れていることが分かる。それに対して、比較例4や5のように、ポリイミドシリコーン樹脂以外のポリイミドを使用すると黄色に着色され、透明ゲルには不向きであることが分かる。
さらに、実施例14および15から、架橋剤および開始剤の分量によって透明性が変化し、透明性は架橋剤の配合量が0.2〜0.6重量%の場合にとくに優れることが分かる。架橋剤が、たとえば0.7重量%以上となると、曇りを生じていく傾向があり(外観:△)、形状保持性は高いが(形状保持性:◎)、剛直となるのでCLとして用いる場合には装用性に劣る傾向がある。

Claims (16)

  1. 以下の一般式(1)で表される構造単位を有し、有機溶剤に可溶である透明ポリイミドシリコーン樹脂と、親水性モノマーを重合した親水性ポリマーからなり、該透明ポリイミドシリコーン樹脂と親水性ポリマーの相互網目構造を有する透明ゲル。
    Figure 2006257282
    [式中、Xは炭素数4個以上の4価の有機基であって、複数個の−CO−基がXの1つの炭素原子に結合していることはなく、Zは一般式(2)で表されるジアミン残基である
    Figure 2006257282
    (式中のR9〜R12は炭素数1〜8の置換または非置換の一価の炭化水素基であり、これらは同一でも異なっていてもよい。またaは1〜100の整数である)]
  2. 一般式(1)中のXが、
    Figure 2006257282
    である請求項1記載の透明ゲル。
  3. 前記透明ポリイミドシリコーン樹脂に以下の一般式(3)で表される構造単位がさらに含まれる請求項1または2記載の透明ゲル。
    Figure 2006257282
    [式中、Xは炭素数4個以上の4価の有機基であって、複数個の−CO−基がXの1つの炭素原子に結合していることはなく、Yは一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で表されるジアミン残基から選ばれる1種以上である
    Figure 2006257282
    (式中、R1〜R6は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なってもよい)
    Figure 2006257282
    (式中、R7およびR8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なってもよい)
    Figure 2006257282
    ]
  4. 一般式(3)中のXが
    Figure 2006257282
    である請求項3記載の透明ゲル。
  5. 全ジアミン残基に対して、前記一般式(2)で表されるジアミン残基が5〜95モル%であり、前記一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で表されるジアミン残基が5〜95モル%である請求項3記載の透明ゲル。
  6. 前記親水性モノマーが窒素原子含有モノマーである請求項1記載の透明ゲル。
  7. 前記窒素原子含有モノマーが、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミドおよび/またはN−メチル−3−メチリデンピロリドンである請求項6記載の透明ゲル。
  8. 前記一般式(2)中のaが5〜80である請求項1記載の透明ゲル。
  9. 前記透明ポリイミドシリコーン樹脂:親水性ポリマーの割合が、重量比で10:90〜40:60である請求項1記載の透明ゲル。
  10. 以下の一般式(1)で表される構造単位を有し、有機溶剤に可溶である透明ポリイミドシリコーン樹脂を、親水性モノマー溶液に溶解した後に親水性モノマーを重合する工程を含む透明ゲルの製造方法。
    Figure 2006257282
    [式中、Xは炭素数4個以上の4価の有機基であって、複数個の−CO−基がXの1つの炭素原子に結合していることはなく、Zは一般式(2)で表されるジアミン残基である
    Figure 2006257282
    (式中のR9〜R12は炭素数1〜8の置換または非置換の一価の炭化水素基であり、これらは同一でも異なっていてもよい。またaは1〜100の整数である)]
  11. 前記透明ポリイミドシリコーン樹脂に、以下の一般式(3)で表される構造単位がさらに含まれる請求項10記載の透明ゲルの製造方法。
    Figure 2006257282
    [式中、Xは炭素数4個以上の4価の有機基であって、複数個の−CO−基がXの1つの炭素原子に結合していることはなく、Yは一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で表されるジアミン残基から選ばれる1種以上である
    Figure 2006257282
    (式中、R1〜R6は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なってもよい)
    Figure 2006257282
    (式中、R7およびR8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、これらは同一でも異なってもよい)
    Figure 2006257282
    ]
  12. 前記透明ポリイミドシリコーン樹脂を親水性モノマー溶液に溶解させる際に、さらに架橋剤を加える工程を含む請求項10記載の透明ゲルの製造方法。
  13. 前記架橋剤が、アリルメタクリレートまたはジエチレングリコールジアリルエーテルである請求項12記載の透明ゲルの製造方法。
  14. 架橋剤の配合量が、全混合物中0.1〜10重量%である請求項12または13記載の透明ゲルの製造方法。
  15. 前記重合が型内で行われる請求項10、11、12、13または14記載の透明ゲルの製造方法。
  16. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の透明ゲルからなる眼用レンズ材料。
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