JP5592946B2 - バイオメディカルデバイス - Google Patents

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Description

発明の背景
1.技術分野
本発明は一般に眼科用レンズなどのバイオメディカルデバイスに関する。
2.関連技術の説明
コンタクトレンズなどのバイオメディカルデバイスは、硬質ガス透過性材料、軟質エラストマー材料及びソフトヒドロゲル材料を含む様々なポリマー材料から作られている。現在販売されてコンタクトレンズの多くは、ソフトヒドロゲル材料から作られている。ヒドロゲルは水を吸収しそして保持する架橋ポリマー系であって、通常、10〜80質量%、特に20〜70質量%の水を吸収しそして保持する。ヒドロゲルレンズは、一般に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、グリセロールメタクリレート及びメタクリル酸などの少なくとも1種の親水性モノマーを含むレンズ形成性モノマー混合物を重合することによって調製される。シリコーンヒドロゲルレンズの場合には、シリコーン含有モノマーは、親水性モノマーと共重合される。水分含量に関係なく、ヒドロゲル及び非ヒドロゲルシロキシ及び/又はフッ素化コンタクトレンズの両方は比較的疎水性で非湿潤性の表面を有する傾向がある。
コンタクトレンズなどのバイオメディカルデバイスの分野において、たとえば、酸素透過性、湿潤性、材料強度及び安定性などの様々な物理的及び化学的特性は、まさに、使用可能なコンタクトレンズを提供するために注意深くバランスさせなければならない幾つかの要素である。たとえば、角膜は大気との接触から酸素供給を受けるので、良好な酸素透過性は特定のコンタクトレンズ材料にとって重要な特性である。もしレンズが十分な湿潤可能性を有しなければ、それが潤滑されず、それゆえ目に快適に装着できない点で湿潤性も重要である。したがって、最適なコンタクトレンズは少なくとも優れた酸素透過性及び優れた涙液湿潤性の両方を有する。
シリコーンレンズとの関係での1つの問題はレンズ上に疎水性領域を形成するシリコーン鎖が表面に現れることである。このことは湿潤性、眼運動及び使用者の快適性に悪影響を及ぼすであろう。
この問題を回避するための1つの方法はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの表面をプラズマコーティングなどの親水性コーティングでコーティングすることによる方法である。
生体適合性でありながら、体との長期の接触のために酸素透過性、潤滑性及び湿潤性などの適切な物理的及び化学的特性を示すコンタクトレンズなどの改良されたバイオメディカルデバイスを提供することが望まれている。また、簡単でコスト効率の高い様式で容易に製造することができる、改良されたバイオメディカルデバイスを提供することも望まれている。
発明の要旨
本発明の1つの実施形態によると、(a)親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含むバイオメディカルデバイスが提供される。
本発明の第二の実施形態によると、(a)親水性単位及びRAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上の眼科レンズ形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含む眼科レンズが提供される。
本発明のバイオメディカルデバイスは、有利には、1種以上の親水性単位及びRAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマーから形成される。1種以上の親水性単位及びRAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む親水性ポリマーは非両親媒性ポリマーであり、そして親水性又は潤滑性(又はその両方)の表面を有するバイオメディカルデバイスを形成することができる。ここでのコンタクトレンズなどのバイオメディカルデバイスの親水性及び/又は潤滑性表面はレンズ上での涙の脂質及びタンパク質の吸着、そしてレンズ中への究極的な吸収を実質的に防止又は制限し、これにより、コンタクトレンズの透明性を維持する。このことは、また、その性能品質を維持し、高レベルの装着者への快適性を提供する。
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は生体組織又は体液と直接的に接触することが意図されたバイオメディカルデバイスに関する。本開示中に使用される際に、「バイオメディカルデバイス」とは、哺乳動物の組織又は体液の中又はその上で、そして好ましくはヒトの組織又は体液の中又はその上で使用されるように設計された任意の物品である。バイオメディカルデバイスの代表的な例として、限定するわけではないが、人工尿管、横隔膜、子宮内デバイス、心臓弁、カテーテル、義歯ライナー、プロテーゼデバイス、レンズが目の中又はその上に直接的に配置されることが意図された眼科レンズアプリケーション、たとえば、眼内デバイス及びコンタクトレンズが挙げられる。好ましいバイオメディカルデバイスは眼科デバイス、特にコンタクトレンズ、そして最も特にはヒドロゲルで作られたコンタクトレンズである。
本開示中で使用される際に、用語「眼科デバイス」は目の中に又は目の上に存在するデバイスを指す。これらのデバイスは光学補正、傷の手当、ドラッグデリバリー、診断機能又は美容向上もしくは効果、あるいは、これらの特性の組み合わせを提供することができる。有用な眼科デバイスとしては、限定するわけではないが、眼科レンズ、たとえば、ソフトヒドロゲルレンズ、ソフト非ヒドロゲルレンズなどのソフトコンタクトレンズ及び硬質ガス透過性レンズ材料などのハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼科インサート、光学インサートなどが挙げられる。当業者に理解されるとおり、レンズは破壊することなく折り返すことができるならば、「ソフト」であると考えられる。
本発明のバイオメディカルデバイスは、(a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物から形成される。本開示中に使用される際に、用語「親水性ポリマー」は水溶性を付与する極性又は荷電官能基を含む親水性ポリマーを意味するものと理解されるべきである。
1つの実施形態において、本発明のバイオメディカルデバイスは、(a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片からなる1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含む。
1つの実施形態において、本発明のバイオメディカルデバイスは、(a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含み、ここで、その1種以上の親水性ポリマーはポリカーボネートブロックを含まない。
1つの実施形態において、本発明のバイオメディカルデバイスは、(a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含み、ここで、そのバイオメディカルデバイスは熱可塑性でない。
1つの実施形態において、本発明のバイオメディカルデバイスは、(a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含み、ここで、そのバイオメディカルデバイスはヒドロゲルである。
1種以上の親水性単位及びRAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマーはRAFT重合により調製され、すなわち、モノマーはRAFT機構により重合され、各ブロック及び全ポリマーの分子量が厳密に制御されうる親水性ポリマー、たとえば、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーが形成される。このように、RAFT重合は良好に限定された分子構築及び低い多分散度でもってポリマーを調製することが可能になるラジカル重合技術である。
ここでの使用に適するRAFT剤は当業者によく知られているチオカルボニルチオ化学に基づくものである。RAFT剤は、たとえば、各化合物がチオカルボニルチオ基を含む、キサンテート含有化合物、トリチオカーボネート含有化合物、ジチオカルバメート含有化合物又はジチオエステル含有化合物であることができる。本開示中で使用可能なRAFT剤の1つのクラスは下記一般式のものである。
Figure 0005592946
上式中、xは1又は2であり、Zは置換酸素(たとえば、キサンテート(−O−R))、置換窒素(たとえば、ジチオカルバメート(−NRR))、置換硫黄(たとえば、トリチオカーボネート(−S−R))、置換もしくは未置換C〜C20アルキルもしくはC〜C25不飽和又は部分的もしくは完全に飽和の環(たとえば、ジチオエステル(−R))又はカルボン酸含有基であり、Rは独立に直鎖もしくは枝分かれの置換もしくは未置換C〜C30アルキル基、置換もしくは未置換C〜C30シクロアルキル基、置換もしくは未置換C〜C30シクロアルキルアルキル基、置換もしくは未置換C〜C30シクロアルケニル基、置換もしくは未置換C〜C30アリール基、置換もしくは未置換C〜C30アリールアルキル基、C〜C20エステル基、エーテルもしくはポリエーテル含有基、アルキルもしくはアリールアミド基、アルキルもしくはアリールアミン基、置換もしくは未置換C〜C30ヘテロアリール基、置換もしくは未置換C〜C30複素環、置換もしくは未置換C〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは未置換C〜C30ヘテロアリールアルキル基及びそれらの組み合わせである。
ここでの使用のためのアルキル基の代表的な例として、たとえば、分子の残りの部分への、1〜約30個の炭素原子、好ましくは1〜約12個の炭素原子及び水素原子を含み、不飽和を有しても又は有しなくてもよい直鎖又は枝分かれアルキル鎖の基が挙げられ、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、メチレン、エチレンなどが挙げられる。
ここでの使用のためのシクロアルキル基の代表的な例として、たとえば、約3〜約30個の炭素原子、好ましくは3〜約6個の炭素原子の置換もしくは未置換の非芳香族単環系もしくは多環系、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ペルヒドロナフチル、アダマンチル及びノルボルニル基、橋架け環式基又はスピロ二環式基、たとえば、スピロ−(4,4)−ノン−2−イルなどであって、場合により1つ以上のヘテロ原子、たとえば、O及びNなどを含むものが挙げられる。
ここでの使用のためのシクロアルキルアルキル基の代表的な例としては、たとえば、アルキル基に直接的に結合した約3〜約30個の炭素原子、好ましくは3〜約6個の炭素原子を含む置換もしくは未置換環含有基であって、安定な構造を形成するアルキル基の任意の炭素でモノマーの主構造に結合しているものが挙げられ、たとえば、シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチルなどで、その環が場合により1個以上のヘテロ原子、たとえば、O又はNなどを含むことができるものが挙げられる。
ここでの使用のためのシクロアルケニル基の代表的な例としては、たとえば、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、約3〜約30個の炭素原子、好ましくは3〜約6個の炭素原子を含む、置換もしくは未置換の環含有基、たとえば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニルなどであって、その環が場合により1つ以上のヘテロ原子、たとえば、O及びNなどを含むことができるものが挙げられる。
ここでの使用のためのアリール基の代表的な例としては、たとえば、約5〜約30個の炭素原子を含む、置換もしくは未置換の単環芳香族もしくは多環芳香族基、たとえば、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、ビフェニルなどであって、場合により1つ以上のヘテロ原子、たとえば、O及びNなどを含むものが挙げられる。
ここでの使用のためのアリールアルキル基の代表的な例としては、たとえば、本開示中で規定されるとおりのアルキル基に直接結合された、本開示中で規定されるとおりの置換もしくは未置換アリール基、たとえば、−CH、−Cなどが挙げられ、上記アリール基は場合により1つ以上のヘテロ原子、たとえば、O及びNなどを含むことができる。
ここでの使用のためのエステル基の代表的な例としては、たとえば、1〜20個の炭素原子を有するカルボン酸エステルなどが挙げられる。
ここでの使用のためのエーテルもしくはポリエーテル含有基の代表的な例としては、たとえば、アルキルエーテル、シクロアルキルエーテル、シクロアルキルアルキルエーテル、シクロアルケニルエーテル、アリールエーテル、アリールアルキルエーテルが挙げられ、ここで、上記のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、アリール及びアリールアルキル基は本開示中に規定されるとおりである。例示のエーテルもしくはポリエーテル含有基としては、たとえば、アルキレンオキシド、ポリ(アルキレンオキシド)、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)及びそれらの混合物又はコポリマー、一般式−(ROR(式中、Rは結合、本開示中で規定されるとおりの置換もしくは未置換アルキル、シクロアルキル又はアリール基であり、Rは本開示中に規定されるとおりの置換もしくは未置換アルキル、シクロアルキル又はアリール基であり、tは少なくとも1である)のエーテルもしくはポリエーテル基、たとえば、−CHCHOC及びCH−CH−CH−O−CH−(CF−H(式中、zは1〜6である)、−CHCHOCなどが挙げられる。
ここでの使用のためのアルキルもしくはアリールアミド基の代表的な例としては、たとえば、一般式−RC(O)NR(式中、R、R及びRは独立にC〜C30炭化水素であり、たとえば、Rは本開示中に規定されるとおりのアルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基であってよく、そしてR及びRはアルキル基、アリール基及びシクロアルキル基であってよい)のアミドなどが挙げられる。
ここでの使用のためのアルキルもしくはアリールアミン基の代表的な例としては、たとえば、一般式−RNR(式中、RはC〜C30アルキレン、アリーレン又はシクロアルキレン基であり、そしてR及びRは独立にC〜C30炭化水素、たとえば、本開示中に規定されるとおりのアルキル基、アリール基又はシクロアルキル基である)のアミンが挙げられる。
ここでの使用のための複素環基の代表的な例として、たとえば、置換もしくは未置換の安定した3〜約30員環基であり、炭素原子及び1〜5個のヘテロ原子、たとえば、窒素、リン、酸素、硫黄及びそれらの混合物を含むものが挙げられる。ここでの使用に適した複素環基は単環、二環式もしくは三環系であることができ、その環系は縮合、橋かけ又はスピロ環系を含んでよく、そして複素環基中の窒素、リン、炭素、酸素又は硫黄原子は場合により様々な酸化状態に酸化されていてよい。さらに、窒素原子は、場合により第四級化されてよく、そして環基は部分的又は完全に飽和であってよい(すなわち、ヘテロ芳香族又はヘテロアリール芳香族)。このような複素環基の例としては、限定するわけではないが、アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフルニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、ペルヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピリジル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾイル(tetrazoyl)、イミダゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、インダニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、デカヒドロイソキノリル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフルチル(tetrahydrofurtyl)、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル、オキサジアゾリル、クロマニル、イソクロマニルなど及びそれらの混合物が挙げられる。
ここでの使用のためのヘテロアリール基の代表的な例としては、たとえば、本開示中に規定されるとおりの置換もしくは未置換複素環基が挙げられる。ヘテロアリール環基は、安定した構造の形成をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子で主構造に結合されうる。
ここでの使用のためのヘテロアリールアルキル基の代表的な例としては、たとえば、本開示中に規定されるとおりのアルキル基に直接結合された、本開示中に規定されるとおりの置換もしくは未置換ヘテロアリール環基が挙げられる。ヘテロアリールアルキル基は、安定した構造の形成をもたらす、アルキル基の任意の炭素原子で主構造に結合されうる。
ここでの使用のための複素環基の代表的な例としては、たとえば、本開示中に規定されるとおりの置換もしくは未置換複素環が挙げられる。複素環基は、安定した構造の形成をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子で主構造に結合されうる。
ここでの使用のためのヘテロシクロアルキル基の代表的な例としては、たとえば、本開示中に規定されるとおりのアルキル基に直接結合した、本開示中に規定されるとおりの置換もしくは未置換複素環基が挙げられる。ヘテロシクロアルキル基は、安定した構造の形成をもたらす、アルキル基中の任意の炭素原子で主構造に結合されうる。
「置換酸素」、「置換窒素」、「置換硫黄」、「置換アルキル」、「置換アルキレン」、「置換シクロアルキル」、「置換シクロアルキルアルキル」、「置換シクロアルケニル」、「置換アリールアルキル」、「置換アリール」、「置換複素環」、「置換ヘテロアリール環」、「置換ヘテロアリールアルキル」、「置換ヘテロシクロアルキル環」、「置換環式環」中の置換基は同一であっても又は異なっていてもよく、そしてかかる置換基として、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシル、シアノ、ニトロ、オキソ(=O)、チオ(=S)、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アリール、置換もしくは未置換アリールアルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換シクロアルケニル、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アリール、置換もしくは未置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクロアルキル環、置換もしくは未置換ヘテロアリールアルキル、置換もしくは未置換複素環などの1つ以上の置換基が挙げられる。
1つの実施形態において、xは2であり、そしてRは上記に規定されるとおりのエーテルもしくはポリエーテル含有基である。たとえば、RAFT剤は、下記一般スキームにより調製することができる。
Figure 0005592946
ここで使用できる別のクラスのRAFT剤は下記一般式のものである。
Figure 0005592946
上式中、x及びZは上記の意味であり、R10は置換もしくは未置換カルボン酸含有基である。
ここでの使用のためのカルボン酸含有基の代表的な例としては、たとえば、結合基を介して分子の残りの部分に結合されたカルボン酸基、たとえば、一般式−R11C(O)OH(式中、R11は結合、本開示中に規定されるとおりの置換もしくは未置換アルキレン基、置換もしくは未置換シクロアルキレン基、置換もしくは未置換シクロアルキルアルキレン基、置換もしくは未置換アリーレン又は置換もしくは未置換アリールアルキレン基である)であり、たとえば、−CH−(Ar)(C(O)OH)、−C(CH)(C(O)OH)などが挙げられ、ここで、カルボン酸基は置換基に結合され又はアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基又はアリールアルキレン基に直接結合されてよい。
ここでの使用のためのRAFT剤の代表的な例としては、限定するわけではないが、ベンジルドデシルトリチオカーボネート、エチル−2−ドデシルトリチオカルボニル)プロプリオネート、S−secプロピオン酸O−エチルキサンテート、α-エチルキサンチルフェニル酢酸、エチルα-(O−エチルキサンチル)プロプリオネート、エチルα-(エチルキサンチル)フェニルアセテート、エチル2−(ドデシルトリチオカルボニル)フェニルアセテート、エチル2−(ドデシルトリチオカルボニル)プロピオネート、2−(ドデシルチオカルボニルチオール)プロパン酸など及びそれらの混合物が挙げられる。
RAFT剤を形成するために使用される有機化学には特に限定がなく、当業者の範囲内である。また、以下の実施例は指針を提供する。たとえば、RAFT剤は、下記スキームI〜IIIに例示されるとおりに調製することができる。
Figure 0005592946
RAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片に加えて、本開示中に記載される親水性ポリマーは、また、1種以上の親水性単位を含む。一般に、親水性単位は少なくとも1種の親水性モノマーから得られる。適切な親水性モノマーとしては、たとえば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのアクリルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルアセトアミドなどのアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルホルムアミドなどのホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドンなどの環式ラクタム、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの(メタ)アクリル化アルコール、(メタ)アクリル化ポリ(エチレングリコール)など、メタクリル酸、アクリル酸などのエチレン系不飽和カルボン酸など、及び、それらの混合物が挙げられる。
1つの実施形態において、RAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む親水性ポリマーは、開環反応性官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーから得られる親水性単位をも含むことができる。このようなモノマーは、たとえば、アズラクトン、エポキシ、酸無水物などの1つ以上の開環反応性基を含むことができる。開環反応性官能基を有する適切な重合性モノマーとしては、限定するわけではないが、グリシジルメタクリレート(GMA)、無水マレイン酸、無水イタコン酸など及びそれらの混合物が挙げられる。開環反応性官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマーから得られる単位は、得られる親水性ポリマー中に親水性単位を形成するための親水性コモノマーと共重合することができる。バイオメディカルデバイスを調製するために使用される親水性ポリマーを形成するためのモノマーの開環反応性官能基と共重合させるのに有用なコモノマーの非限定的な例としては上記のものが挙げられ、ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)及び/又はN−ビニルピロリドンが好ましい。又は、開環反応性官能基を有するエチレン系不飽和重合性親水性モノマーから得られる単位は、たとえば、水で加水分解することにより、開環反応に付され、得られる親水性ポリマー中に親水性単位を形成することができる。
1つの実施形態において、RAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む親水性ポリマーは、また、エチレン系不飽和重合性アルコキシル化ポリマーから得られる単位を含むことができる。適切なエチレン系不飽和重合性アルコキシル化ポリマーとしては、たとえば、分子量が、たとえば、約1000以下である重合可能なポリエチレングリコール、たとえば、CTFA名PEG-200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000及びそれらの混合物のものが挙げられる。代表的な例としては、PEG-200メタクリレート、PEG-400メタクリレート、PEG-600メタクリレート、PEG-1000メタクリレートなど及びそれらの混合物が挙げられる。
1つの実施形態において、エチレン系不飽和重合性アルコキシル化ポリマーから得られる単位のサイズは様々であることができ、たとえば、単位数は2〜約225、好ましくは約5〜約25であることができる。
1つの実施形態において、RAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む親水性ポリマーは、また、たとえば、窒素保護モノマー、酢酸化保護モノマー、たとえば、酢酸ビニルなどから得られる単位を含むことができる。一般に、窒素保護モノマー(「NPM」)は窒素保護基により保護されているアミノ基を有する。本開示において使用される際に、用語「窒素保護基」は、窒素原子を重合反応に参加させないようにするために、その窒素原子に結合した基を意味する。第二級アミン基は本発明により保護されていることができるが、ほとんどの実施形態では、保護されたアミノ基は脱保護後に第一級アミン基を提供する。
適切な窒素保護基としては、限定するわけではないが、(a)式C(O)O−R’の「カルバメート型」基(式中、R’は芳香族又は脂肪族炭化水素基であり、その基は場合により置換されていてよく、そしてそれが結合している窒素原子と一緒になってカルバメート基を形成している)、(b)式−C(O)−R”の「アミド型」基(式中、R”は、たとえば、メチル、フェニル、トリフルオロメチルなどであり、そしてそれが結合している窒素原子と一緒になってアミド基を形成している)、(c)「N−スルホニル」誘導体、すなわち、式-SO−R”’の基(式中、R”’は、たとえば、トリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−イル−、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンなどである)が挙げられる。
窒素保護基の代表的な例としては、限定するわけではないが、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル(t−BOC)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、2−クロロベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル(alloc)、2−(4−ビフェニリル)プロピル−2−オキシカルボニル(Bpoc)、1−アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、トルエンスルホニルなどが挙げられる。
1つの実施形態において、t−Boc保護モノマーの例としては、2−(2−(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトアミド)エチルメタクリレート、2−(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチルメタクリレート、tert-ブチル2−(ビニルオキシカルボニルオキシ)エチルカルバメート、2−(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル−N−ビニルカルバメート、3−(2−(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトキシ)−2−ヒドロキシプロピル、N−(tert-ブトキシカルボニル)−L−グルタミン酸メタクリルオキシエチルエステル、2−(tert-ブトキシカルボニルアミノ)−6−(3−(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)ウレイド)ヘキサン酸、2−(tert-ブトキシカルボニルアミノ)−3−(メタクリロイルオキシ)プロパン酸、2−(tert-ブトキシカルボニルアミノ)−6−メタクリルアミドヘキサン酸などが挙げられる。
親水性ポリマー中に存在する窒素保護基は化学技術の分野でよく知られた方法によって重合後に容易に除去されうる。窒素保護基によりアミノ窒素原子を保護し、そして特定の反応後にアミノ窒素原子を脱保護するための技術は化学技術の分野でよく知られている。たとえば、Greene ら, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, 1991及び米国仮出願第61/113,736号;同第61/113,739号;同第61/113,742号;及び同第61/113,746号明細書を参照されたい。それらの内容を参照により本開示中に取り込む。例として、NPMは窒素保護されたアミノ酸又はアミノアルコールを、それぞれの酸又はアルコール基と反応性の基を有するエチレン系不飽和化合物と反応させることによって調製することができる。いくつかの実施形態では、窒素保護されたアミノ酸は、また、保護されていないアミン基又はヒドロキシル基を有することができ、そしてその第二のアミン基又はヒドロキシル基は、それぞれ、エチレン系不飽和に結合する反応サイトである。窒素保護されたアミノ酸がエチレン系不飽和基の結合の複数の利用可能なサイトを有するならば、2個以上のエチレン系不飽和基を有するNPMモノマーを生じることができる。
当業者が容易に理解するとおり、これらのモノマーは「保護された」又は「ブロックされた」の形態では通常に疎水性である。より極性で親水性となるためには、保護基(たとえば、t−Bocモノマーの場合)は、単位から除去される必要があるであろう。これにより、バイオメディカルデバイスがより親水性の性質となり、そしてそれゆえ材料はより多量の水を保持することができるであろう。保護基を除去するための方法は当業者の範囲内である。
一般に、親水性単位のサイズは様々であることができ、たとえば、単位数は10〜約3000、好ましくは約50〜約1000の範囲であることができる。
得られる親水性ポリマーはホモポリマー、ブロックコポリマー及びランダムコポリマーの形態であることができる。親水性ポリマーは約1,000〜約300,000、約10,000〜約100,000の範囲の数平均分子量を有するであろう。
上記のとおりのRAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む親水性ポリマーの調製方法は当業者の範囲である。また、下記の実施例は豊富な指針を提供する。親水性ポリマーの調製のための代表的なスキームを下記スキームIV〜VIに示す。
Figure 0005592946
Figure 0005592946
Figure 0005592946
重合して本発明のバイオメディカルデバイスを形成する混合物中に使用される1種以上のコモノマーとしては、従来のバイオメディカルデバイス形成性もしくは眼科レンズ形成性モノマーが挙げられる。本開示中に使用されるときに、「モノマー」又は「単量体」などの用語はフリーラジカル重合により重合可能な比較的低分子量の化合物、ならびに、「プレポリマー」、「マクロモノマー」及び関連用語としても参照される、より高分子量の化合物を意味する。一般に、バイオメディカルデバイス形成性コモノマーは少なくとも1個の重合性基を含む。1つの実施形態において、適切なコモノマーとしては、疎水性モノマー、親水性モノマーなど及びそれらの混合物が挙げられる。
親水性コモノマーの代表的な例としては、限定するわけではないが、メタクリル酸及びアクリル酸などの不飽和カルボン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリセリルメタクリレートなどの(メタ)アクリル置換アルコールもしくはポリオール、N−ビニルピロリドンなどのビニルラクタム及びメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド、及びそれらの組み合わせが挙げられる。なおもさらなる例は、米国特許第5,070,215号明細書に開示されている親水性ビニルカーボネートもしくはビニルカルバメートモノマー、及び、米国特許第4,910,277号明細書に開示されている親水性オキサゾロンモノマーである。他の適切な親水性モノマーは当業者に明らかであろう。親水性モノマーは混合物の総質量に基づいて、約0.1〜約90質量%の範囲の量で混合物中に存在することができる。
様々な好ましい実施形態によると、重合される当初混合物は、少なくとも1種の(メタ)アクリル置換アルコール、たとえば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びグリセリルメタクリレートの少なくとも1つを、好ましくは少なくとも約0.1〜約50質量%の量で含むことができる。好ましくは、重合される混合物は、少なくとも1種のビニルラクタム、たとえば、N−ビニルピロリドン及び/又は少なくとも1種の(メタ)アクリルアミド、たとえば、N,N−ジメチルアクリルアミドをさらに含む。
適切な疎水性モノマーとしては、C〜C20アルキル及びC〜C20シクロアルキル(メタ)アクリレート、置換及び未置換C〜C30アリール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、フッ素化アルキルメタクリレート、オクチルアクリルアミドなどの長鎖アクリルアミドなどが挙げられる。疎水性モノマーは混合物の総質量に基づいて、約0.1〜約90質量%の範囲の量で混合物中に存在することができる。
別のクラスのデバイス形成性もしくはレンズ形成性モノマーはシリコーン含有モノマーである。別の言い方をすると、たとえば、もし高酸素透過性を有するコポリマーを得ることを望むならば、RAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む親水性ポリマーに加えて、1〜約60個のケイ素原子を含むシリコーン含有コモノマーが当初混合物中に含まれていてよい。シリコーンヒドロゲルなどのコンタクトレンズの形成における使用のための応用可能なシリコーン含有モノマーは当該技術分野でよく知られており、多数の例が、たとえば、米国特許第4,136,250号明細書、同第4,153,641号明細書、同第4,740,533号明細書、同第5,034,461号明細書、同第5,070,215号明細書、同第5,260,000号明細書、同第5,310,779号明細書及び同第5,358,995号明細書に提供されている。
応用可能なシリコーン含有モノマーの代表的な例としては、嵩高なポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。嵩高なポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマーの例は下記式Vの構造で表される。
Figure 0005592946
上式中、Xは−O−又は−NR−であり、Rは水素又はC〜Cアルキルであり、各Rは独立に水素又はメチルであり、各Rは独立に低級アルキル基、フェニル基又は下記式の基
Figure 0005592946
であり、ここで、各R7’は独立に低級アルキル又はフェニル基であり、hは1〜10である。
他の応用可能なシリコーン含有モノマーの代表的な例としては、限定するわけではないが、式Vaに一般に記載されるとおりの嵩高なポリシロキサニルアルキルカルバメートモノマーなどが挙げられる。
Figure 0005592946
上式中、Xは−NR−であり、Rは水素又はC〜Cアルキルであり、Rは水素又はメチルであり、各Rは独立に低級アルキル基、フェニル基又は下記式の基
Figure 0005592946
であり、ここで、各R7’は独立に低級アルキル又はフェニル基であり、hは1〜10である。
嵩高なモノマーの例は3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン又はしばしばTRISと呼ばれるトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート及びしばしばTRIS−VCと呼ばれるトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルビニルカルバメートなど及びそれらの混合物である。
このような嵩高なモノマーはシリコーンマクロモノマーと共重合可能であり、それは分子の2つ以上の末端において不飽和基によってキャッピングされたポリ(オルガノシロキサン)である。米国特許第4,153,641号明細書は、たとえば、アクリルオキシ基又はメタクリルオキシ基などの様々な不飽和基を開示している。
別のクラスの代表的なシリコーン含有モノマーとしては、限定するわけではないが、シリコーン含有ビニルカーボネートもしくはビニルカルバメートモノマー、たとえば、1,3−ビス[4−ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト−1−イル]テトラメチルジシロキサン、3−(トリメチルシリル)プロピルビニルカーボネート、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル[トリス(トリメチルシロキシ)シラン]、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカーボネート、t−ブチルジメチルシロキシエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネートなどが挙げられる。
別のクラスのシリコーン含有モノマーとしては、ポリウレタン−ポリシロキサンマクロモノマー(時折、プレポリマーとも呼ぶ)が挙げられ、それは伝統的なウレタンエラストマーと同様のハード−ソフト−ハードブロックを有することができる。シリコーンウレタンの例はLai, Yu-Chin, “The Role of Bulky Polysiloxanylalkyl Methacrylates in Polyurethane-Polysiloxane Hydrogels,”Journal of Applied Polymer Science, Vol. 60, 1193-1199(1996)”を含む様々な文献中に開示されている。国際公開WO96/31792号明細書もこのようなモノマーの例を開示しており、その内容の全体を参照により本開示中に取り込む。シリコーンウレタンモノマーのさらなる例は式VI及びVIIによって表される。
E(G) E’ (VI) 又は
E(A) E’ (VII)
Dはアルキル二価基、アルキルシクロアルキル二価基、シクロアルキル二価基、アリール二価基又はアルキルアリール二価基であり、6〜約30個の炭素原子を有し、
Gはアルキル二価基、シクロアルキル二価基、アルキルシクロアルキル二価基、アリール二価基又はアルキルアリール二価基であり、1〜約40個の炭素原子を有し、そしてそれは、エーテル、チオ又はアミン結合を主鎖に含むことができ、
*はウレタン又はウレイド結合基であり、
aは少なくとも1であり、
Aは式VIIIの二価ポリマー基であり、
Figure 0005592946
各Rは独立に1〜約10個の炭素原子を有するアルキル又はフルオロ置換アルキル基であり、それは炭素原子の間にエーテル結合を含むことができ、
m’は少なくとも1であり、pは約400〜約10,000の部分分子量を提供する数であり、
各E及びE’は独立に式IXにより表される重合性不飽和有機基であり、
Figure 0005592946
上式中、Rは水素又はメチルであり、
は、独立に、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、又は、−CO−Y−R11基であり、ここで、Yは−O−、−S−又は−NH−であり、
10は1〜約10個の炭素原子を有する二価のアルキレン基であり、
11は1〜約12個の炭素原子を有するアルキル基であり、
Xは−CO−又は−OCO−であり、
Zは−O−又は−NH−であり、
Arは約6〜約30個の炭素原子を有する芳香族基であり、
wは0〜6であり、xは0又は1であり、yは0又は1であり、zは0又は1である。
好ましいシリコーン含有ウレタンモノマーは下記式Xにより表される。
Figure 0005592946
上式中、mは少なくとも1であり、好ましくは3又は4であり、aは少なくとも1であり、好ましくは1であり、pは約400〜約10,000の部分分子量を提供する数であり、好ましくは少なくとも約30であり、R12はイソシアネート基を取り除いた後のジイソシアネートの二価基であり、たとえば、イソホロンジイソシアネートの二価基であり、各E”は下記により表される基である。
Figure 0005592946
別のクラスの代表的なシリコーン含有モノマーとしては、フッ素化モノマーが挙げられる。このようなモノマーはフルオロシリコーンヒドロゲルの生成に使用されており、結果として、それから作られたコンタクトレンズ上の付着物の堆積を抑制し、そのことは米国特許第4,954,587号明細書、同第5,010,141号明細書及び同第5,079,319号明細書に記載されるとおりである。特定のフッ素化側基、すなわち、−(CF)−Hを有するシリコーン含有モノマーの使用は、親水性モノマー単位とシリコーン含有モノマー単位との相容性を改良することが発見されており、たとえば、米国特許第5,321,108号明細書及び同第5,387,662号明細書を参照されたい。
上記のシリコーン材料は単なる例示であり、そして本発明に係るバイオメディカルデバイスを形成するのに使用され、様々な刊行物中に開示され、コンタクトレンズ及び他のバイオメディカルデバイスにおける使用のために継続的に開発されている他の材料も、また、使用できる。たとえば、バイオメディカルデバイス形成性コモノマーはカチオン性シリコーン含有モノマー又はカチオン性フッ素化シリコーン含有モノマーなどのカチオン性モノマーであることができる。
重合される混合物は、主題のマルチアーム型マクロモノマーに加えて、存在する場合には0〜約50質量%、好ましくは約5〜約30質量%のシリコーンコモノマーを含むことができる。
重合される混合物は、また、架橋性モノマー(架橋性モノマーは複数の重合性官能基を有するモノマーと規定される)をも含むことができる。代表的な架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、グリコールジメタクリレートのビニルカーボネート誘導体及びメタクリルオキシエチルビニルカーボネートが挙げられる。架橋剤を使用する場合には、このモノマー材料は、約0.1〜約20質量%でモノマー混合物中に含まれてよく、より好ましくは約0.2〜約10質量%で含まれる。
必須ではないが、本発明の範囲に入るホモポリマー又はコポリマーに、重合前に、場合により、1種以上の補強剤を、好ましくは約80質量%未満の量で、好ましくは約20〜約60質量%の量で添加することができる。適切な補強剤の非限定的な例は米国特許第4,327,203号、同第4,355,147号及び同第5,270,418号明細書に記載されており、その各々の全体を参照によって本開示中に取り込む。このような補強剤の限定を意図しない具体例としては、たとえば、tert-ブチルシクロヘキシルメタクリレート及びイソプロピルシクロペンチルアクリレートなどのシクロアルキルアクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
重合される混合物は、必要な際には、本発明の目的及び効果を損なわない限度内で、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、潤滑剤内部湿潤剤、強化剤などの各種添加剤など及び当該技術分野でよく知られている他の成分をさらに含んでよい。
本発明のバイオメディカルデバイス、たとえば、コンタクトレンズ又は眼内レンズは、上記の混合物を重合して、次いで、たとえば、旋盤加工、射出成形、圧縮成形、切断などによって適当な形状に加工されうる生成物を生成することで調製することができる。たとえば、コンタクトレンズを製造するときに、初期の混合物をチューブ中で重合してロッド形状の製品を提供し、その後、それをボタンに切断する。その後、ボタンを旋盤加工してコンタクトレンズとすることができる。
又は、コンタクトレンズなどのバイオメディカルデバイスは、たとえば、スピンキャスティング及び静的キャスティング法によって、混合物からモールド、たとえば、ポリプロピレンモールドに直接キャスティングされることができる。スピンキャスティング法は米国特許第3,408,429号及び同第3,660,545号明細書に開示されており、静的キャスティング法は米国特許第4,113,224号、同第4,197,266号及び同第5,271,875号明細書に開示されている。スピンキャスティング法は、重合される混合物をモールドに装填し、そしてその混合物をUV光などの放射線源に暴露しながら制御した様式でモールドを回転させることを含む。静的キャスティング法は、1つのモールドセクションが前部レンズ表面を形成するような形状であり、他方のモールドセクションが後部レンズ表面を形成するような形状である、2つのモールドセクションの間にモノマー混合物を装填し、モールドアセンブリー中に混合物を保持しながら、たとえば、混合物のフリーラジカル重合によって硬化させてレンズを形成することを含む。レンズ材料を硬化させるためのフリーラジカル反応技術の例としては、熱照射、赤外線、電子ビーム線、γ線、紫外線(UV)などが挙げられ、このような技術の組み合わせも使用することができる。米国特許第5,271,875号明細書は前部モールド及び後部モールドによって画定される、モールドキャビティー中で最終のレンズの成形を行うことが可能である静的キャスト成形法を記載している。さらなる方法として、米国特許第4,555,732号明細書はモールド内でのスピンキャスティングによって過剰のモノマー混合物を硬化させ、前部レンズ表面及び比較的に厚い厚さを有する成形品を形成し、硬化したスピンキャスト製品の後部表面を、次いで、旋盤加工して、所望の厚さ及び後部レンズ表面を有するコンタクトレンズを提供する方法を開示している。
重合は熱及び/又は紫外線光、可視光又は高エネルギー線などの放射線に混合物を暴露することにより促進されうる。重合開始剤は重合工程を促進するために混合物中に含まれることができる。代表的なフリーラジカル熱重合開始剤の例としては、有機過酸化物、たとえば、アセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、第三級ブチルペルオキシピバレート、ペルオキシジカーボネートなどが挙げられる。代表的なUV開始剤は当該技術分野に知られたものであり、たとえば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ダロキュア(Darocure)(登録商標)1173, 1164, 2273, 1116, 2959, 3331 (EM Industries)及びイルガキュア(Irgacure)(登録商標)651及び184(Ciba-Geigy)などが挙げられる。一般に、開始剤は合計混合物の約0.01〜約5質量%の濃度でモノマー混合物中に使用されるであろう。
重合は、一般に、溶剤、たとえば、水又は1〜4個の炭素原子を有するアルカノール、たとえば、メタノール、エタノール又はプロパン−2−オールを用いた溶液又は分散液などの反応媒体中で行われる。又は、上記の任意の溶剤の混合物は使用されうる。
一般に、重合は約15分間〜約72時間、窒素又はアルゴンなどの不活性雰囲気下に行うことができる。所望ならば、得られた重合生成物は、たとえば、約5〜約72時間、真空下に乾燥してよく又は使用前に水溶液中に入れておくことができる。
混合物の重合によりポリマーを生じ、そのポリマーが水和されるときに好ましくはヒドロゲルを形成する。一般に、混合物は、1種以上の親水性単位、及び、混合物の合計質量を基準として、約0.25〜約15質量%、好ましくは約2.5〜約7.5質量%の範囲の量のRAFT剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む親水性ポリマーを含むであろう。バイオメディカル形成性コモノマーは混合物の合計質量を基準として、約70〜約99質量%、好ましくは約80〜約95質量%の範囲の量で混合物中に存在することができる。
ヒドロゲルレンズを製造するときに、混合物は少なくとも1種の希釈剤をさらに含んでよく、その希釈剤は重合生成物が水和されてヒドロゲルを形成するときに最終的に水で置換される。一般に、ヒドロゲルの含水率は約5質量%より大きく、より一般的には約10質量%〜約80質量%である。使用される希釈剤の量は約50質量%未満とすべきであり、ほとんどの場合には希釈剤含有率は約30質量%未満であろう。しかしながら、特定のポリマー系では、実際の制限は希釈剤中の各種モノマーの溶解度によって決まるであろう。光学的に透明なコポリマーを製造するためには、視覚的な不透明性を生じさせる相分離がコモノマーと希釈剤の間又は希釈剤と最終コポリマーとの間に起こらないことが重要である。
さらに、使用されうる希釈剤の最大量は希釈剤が最終のポリマーに生じさせる膨潤の量によって決まるであろう。過度の膨潤は水和時に希釈剤を水で置換するときにコポリマーを崩壊させる又は崩壊させうる。適切な希釈剤としては、限定するわけではないが、エチレングリコール、グリセリン、液体ポリ(エチレングリコール)、アルコール、アルコール/水混合物、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、低分子量直鎖ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、乳酸のグリコールエステル、ホルムアミド、ケトン、ジアルキルスルホキシド、ブチルカルビトールなど及びそれらの混合物が挙げられる。
必要ならば、縁仕上げ操作の前に、レンズから残存希釈剤を除去することが望ましいことがあり、そのことは周囲圧力もしくはその付近又は真空下での蒸発によって行うことができる。希釈剤を蒸発させるのに必要な時間を短縮するために高温を用いることができる。溶剤除去工程の時間、温度及び圧力条件は、希釈剤及び特定のモノマー成分の揮発性などの因子によって様々であることができ、当業者によって容易に決定することができる。所望ならば、ヒドロゲルレンズを製造するために使用される混合物はヒドロゲル材料を製造するための従来技術で知られた架橋剤及び湿潤剤をさらに含むことができる。
眼内レンズの場合には、重合される混合物は得られるコポリマーの屈折率を増加させるためのモノマーをさらに含むことができる。このようなモノマーの例は芳香族(メタ)アクリレート、たとえば、フェニル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートである。
ここで得られるコンタクトレンズなどのバイオメディカルデバイスは、任意的に行う機械加工操作を受けることができる。たとえば、任意的に行う機械加工工程としては、レンズ縁及び/又は表面のバフ研磨又はポリッシングが挙げられる。一般に、このような機械加工処理は製品がモールド部品から解放される前又は後に行われてよく、たとえば、真空ピンセットを用いてモールドからレンズを持ち上げることによってレンズをモールドから乾燥解放し、その後、レンズを機械ピンセット手段によって第二の真空ピンセットに移し、そして回転表面に置くことで表面又は縁をなめらかにする。その後、レンズをひっくり返してレンズの反対面を機械加工することができる。
その後、レンズを緩衝塩類溶液を含む個々のレンズパッケージに移すことができる。塩類溶液はレンズの輸送前又は後のいずれでもパッケージに添加することができる。適切なパッケージングデザイン及び材料は当該技術分野で知られている。プラスチックパッケージはフィルムによって解放可能にシールされる。適切なシーリングフィルムは当該技術分野で知られており、ホイル、ポリマーフィルム及びそれらの混合物が挙げられる。レンズを含むシール済みパッケージはその後、無菌化されて無菌製品とする。適切な無菌化手段及び条件は当該技術分野で知られており、たとえば、オートクレービングが挙げられる。
当業者が容易に理解するとおり、上記のモールディング及びパッケージングプロセスに他の工程が含まれてよい。このような他の工程としては、たとえば、形成されたレンズのコーティング、(たとえば、モールド輸送による)形成の間のレンズの表面処理、レンズの検査、欠陥レンズの廃棄、モールドハーフのクリーニング、モールドハーフの再使用など及びそれらの組み合わせを挙げることができる。
下記の実施例は当業者が本発明を実施することができるように提供されるものであって、本発明の単なる例示である。実施例は特許請求の範囲に規定されるとおりの発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
実施例において、下記の略語を使用する。
DMA:N,N−ジメチルアクリルアミド
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
NVP:N−ビニル−2−ピロリドン
THF:テトラヒドロフラン
ETOH:エタノール
TRIS−MA:トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート
TRIS−VC:トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルビニルカルバメート
VazoTM64:アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
IMVT:1,4−ビス(4−(2−メタクリルオキシエチル)フェニルアミノ)アントラキノン
ビナール酸(vinal acid):以下の構造を有するβ−アラニンのビニルカルバメート
Figure 0005592946
V2D25:以下の構造を有するPDMSジオールのジビニルカーボネート
Figure 0005592946
Ma2D37:以下の構造を有するPDMSジアミンのジメタクリルアミド
Figure 0005592946
CIX−4:以下の構造を有する化合物
Figure 0005592946
TEGDMA:以下の構造を有する化合物
Figure 0005592946
M1−MCR−C12:以下の構造を有する化合物
Figure 0005592946
上式中、nは平均で12である。
例1
以下の構造を有するエチルα-(O−エチルキサンチル)プロプリオネートの調製:
Figure 0005592946
500mL3つ口丸底フラスコはマグネティックスターラ、窒素インレット及び温度プローブを装備していた。エチル−2−ブロモプロピオネート(27.2g)及び500mLの無水エタノールを合わせ、窒素下に20分間撹拌した。反応フラスコを氷/水浴中に0℃で入れた。粉末漏斗を使用してカリウムO−エチルキサンテート(26.4 g)を徐々に添加した。漏斗を追加量のエタノール50mLで濯いだ。反応フラスコを室温でさらに24時間攪拌した。その後、脱イオン水(250 mL)を反応フラスコに加えた。粗混合物を、200mLの2:1のヘキサン:エチルエーテルで4回抽出し、有機層を残した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、溶剤を減圧下で除去し、32.22gの所望の生成物を得た(97%収率)。
例2
以下の構造を有するα−(エチルキサンチル)トルエンの調製:
Figure 0005592946
250mLの3つ口丸底フラスコはマグネティックスターラ、窒素インレット、フリードリヒコンデンサー及び温度プローブを装備していた。無水エタノール(125 mL)及びベンジルブロミド(14.4g)を添加した後に、反応フラスコを氷/水浴に0℃で入れ、そして1時間攪拌した。粉末漏斗を用いてカリウムO−エチルキサンテート(17.63g)を反応フラスコにゆっくりと添加した。反応フラスコを室温でさらに16時間攪拌し、その後、精製水200mLをフラスコに添加した。200mLの2:1のペンタン:エチルエーテルで粗混合物を3回抽出し、有機層を残した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、溶剤を減圧下で除去し、15.09g(84.6%収率)の所望の生成物を残した。
例3
以下の構造を有する(1−フェニルエチル)エチルキサンテートの調製:
Figure 0005592946
500mLの3つ口丸底フラスコはマグネティックスターラ、窒素インレット及び温度プローブを装備していた。1-ブロモエチルベンゼン(20.5mL)及び200mLの無水エタノールを添加した。反応フラスコを氷/水浴に0℃で入れた。粉末漏斗を用いてカリウムO−エチルキサンテートを徐々に反応フラスコに添加し、さらに100mLのエタノールとともに反応フラスコ中に濯いだ。反応フラスコを室温でさらに24時間攪拌し、その後、精製水250mLを添加した。200mLの2:1のヘプタン:エチルエーテルで粗混合物を4回抽出し、有機層を残した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、溶剤を減圧下で除去し、31.42gの粗生成物を生じた。粗生成物の一部15gを、ヘキサンを用いてシリカゲルカラムから溶離し、12.81gの純粋生成物を提供した。
例4
以下の構造を有するナフチル−O−エチルキサンテートの調製
Figure 0005592946
メカニカルスターラ、窒素インレット、フリードリッヒコンデンサー及び温度プローブを装備した1000mL3つ口丸底フラスコに、500mLのエタノール:1,4ジオキサン及び2-(ブロモメチルナフタレン)(22.1g)を装填した。反応フラスコを氷/水浴に0℃で入れ、粉末漏斗を用いてカリウムO−エチルキサンテート(17.63g)をゆっくりと添加した。反応物を室温でさらに16時間攪拌し、精製水500mLを添加した。500mLの50:50のヘキサン:エチルエーテル、ヘキサン及び塩化メチレンで粗混合物を2回抽出し、有機層を残した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、溶剤を減圧下で除去し、22.52g(85.8%収率)の生成物である黄色のオイルを残した。
例5
親水性ポリマー(マクロRAFT試薬)の調製
セプタム、マグネティックスターラ及び温度コントローラを装備した丸底反応フラスコを炉乾燥した。フラスコに、N-ビニル-2- ピロリジノン(NVP)(100g、0.90mole)、無水1,4-ジオキサン(200ml)、RAFT試薬である例1のエチルα-(O-エチルキサンチル)プロプリオネート(0.444g, 2x10-3moles)及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(2× 10-4moles=0.016g)を装填した。乾燥窒素を、溶存酸素を除去するために30分間反応混合物を通してバブリングさせた。その後、容器を窒素下に60℃で加熱した。サンプル(1.5ml)を5、16.5、20、24、28及び40時間で抜き取り、エチルエーテル中に沈殿させた。熱を40時間で遮断し、親水性ポリマーを大量(3L)のエチルエーテル中に沈殿させることにより分離した。親水性ポリマーの分離収量は71.1g(71%)であった。サイズ排除クロマトグラフィーの結果は、Mn=53,443ダルトン、Mw =74,318ダルトン、Mp=78,402ダルトン及び多分散度1.39であった。この反応を下記のスキームVIIに概略的に示す。
Figure 0005592946
例6〜27
親水性ポリマー(マクロRAFT試薬)の調製
例6〜27の親水性ポリマーを例5と実質的に同様に調製した。親水性ポリマーを調製するための成分及び量を下記の表1に示す。
Figure 0005592946
Figure 0005592946
例28
S−sec-プロピオン酸−O−エチルキサンテートの調製
1000mL3つ口丸底フラスコはフリードリッヒコンデンサー、マグネティックスターリングバー、窒素インレット及び温度プローブを装備していた。2-ブロモプロピオン酸及び600mLの無水エタノールを合わせ、窒素下に20分間攪拌した。粉末漏斗を用いてカリウムO−エチルキサンテートを反応フラスコにゆっくりと添加し、追加量の50mLのエタノールで濯いだ。反応フラスコを穏やかな還流下に一晩攪拌し、その後、250mLの脱イオン水でクエンチした。混合物をHClで酸性化し、その後、250mLのエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、フラッシュ蒸発によりろ液から溶剤を除去し、26.3gの粗生成物である薄オレンジ色液体を残した。この反応を下記スキームVIIIに概略的に示す。
Figure 0005592946
例29
α-エチルキサンチルフェニル酢酸の調製
1000mL3つ口丸底フラスコはマグネティックスターラ、窒素インレット及び温度プローブを装備していた。α-ブロモフェニル酢酸(21.5g)及び300mLのエタノールを添加した。粉末漏斗を用いてカリウムO−エチルキサンテートをゆっくりと添加し、追加量の100mLの無水エタノールとともに反応フラスコ中に濯いだ。反応フラスコを6O℃でさらに24時間攪拌し、その後、精製水250mLを添加した。粗混合物を、クロロホルム200mLで4回抽出し、有機層を残した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、そして溶剤を減圧下に除去し、5.18gの生成物である粘性液体を生じた。この反応を下記スキームIXに概略的に示す。
Figure 0005592946
例30
2(ドデシルチオカルボニルチオール)プロパン酸の調製
反応フラスコはマグネティックスターラ、氷浴、滴下漏斗及び窒素インレットを装備していた。このフラスコに、エチルエーテル(150ml)及び60%水素化ナトリウム(6.3g)を装填した。攪拌しながら、ドデシルメルカプタン(30.76g)を冷たいスラリー(温度5〜10℃)にゆっくりと添加した。灰色がかったスラリーは激しくHガスを放出しながら濃厚な白色スラリー(ナトリウムチオデシレート(sodium thiodecylate))に転化した。混合物を0℃に冷却し、二硫化炭素(12g)を添加した。添加の後に、氷浴を取り除き、反応物を室温に到達させ、2−ブロモプロパン酸(23.3g)を添加し、次いで、一晩攪拌した。溶液をろ過して、塩を除去し、そしてヘプタンからの再結晶により、21gの淡黄色針状物を提供した。この反応を下記スキームXに概略的に示す。
Figure 0005592946
例31
エチルα−(O−エチルキサンチル)プロプリオネートの調製
500mL3つ口丸底ラスコはフリードリヒコンデンサー、マグネティックスターリングバー、窒素インレット及び温度プローブを装備していた。エチル-2-ブロモプロピオネート及び500mLの無水エタノールを添加し、窒素下で20分間撹拌した。反応フラスコを0°±3℃の氷浴中に入れた。粉体漏斗を用いてカリウムO−エチルキサンテートを反応フラスコにゆっくり加え、追加量の50mLのエタノールで濯いだ。反応フラスコを24時間かけて撹拌し、室温に平衡化させた。脱イオン水(250mL)を添加して反応をクエンチした。200mLの2:1のヘキサン:エチルエーテルで、粗混合物を4回抽出し、有機層を残した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、溶剤を減圧下に除去した。
例32
エチルα-(エチルキサンチル)フェニルアセテートの調製
500mL3つ口丸底フラスコはマグネティックスターラ、窒素インレット、フリードリヒコンデンサー及び温度プローブを装備していた。エチル(2-ブロモ-2-フェニル)アセテート及び250mLの無水エタノールを添加し、窒素下に20分間撹拌した。反応フラスコを0℃の氷/水浴中に入れた。粉末漏斗を用いてカリウムO−エチルキサンテートをゆっくりと添加し、そして追加量の50mLのエタノールとともに反応フラスコ中に濯いだ。反応フラスコを室温でさらに24時間攪拌した。脱イオン水(250 mL)を反応フラスコに添加した。200mLの2:1のヘキサン:エチルエーテルで粗混合物を4回抽出し、有機層を残した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、溶剤を減圧下に除去した。収率96%。
例33
エチル2-(ドデシルトリチオカルボニル)プロプリオネートの調製
250mL3つ口丸底フラスコはメカニカルスターラ、フリードリヒコンデンサー及び温度プローブを装備していた。二硫化炭素及びドデカンチオールを65 mLのクロロホルムとともにフラスコに添加した。トリエチルアミンを10mLのクロロホルムとともに添加漏斗を用いて滴下して加えた。反応物を室温で3時間撹拌した。エチル-α-ブロモプロプリオネートを25mLのクロロホルムとともに添加漏斗を用いて滴下して加えた。反応フラスコを室温でさらに24時間撹拌した。粗混合物を、250mLの脱イオン水、5%HCl及び5%ブラインでそれぞれ2回洗浄し、有機層を残した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、溶剤を圧力下に除去した。生成物をヘキサン:酢酸エチルを用いてシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した。
例34
エチル-α-(ドデシルトリチオカルボニル)フェニルアセテートの調製
250mL3つ口丸底フラスコはメカニカルスターラ、フリードリヒコンデンサー及び温度プローブを装備していた。二硫化炭素及びドデカンチオールを、65 mLのクロロホルムとともにフラスコに加えた。10mLのクロロホルムとともに、添加漏斗を使用してトリエチルアミンを滴下して加えた。反応物を室温で3時間撹拌した。エチル-α-ブロモフェニルアセテートを35 mLのクロロホルムとともに添加漏斗を用いて滴下して加えた。反応フラスコを室温でさらに24時間攪拌した。粗混合物を250mlの脱イオン水、5%HCl(水溶液)及び5%ブラインで2回洗浄し、有機層を残した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、溶剤を圧力下に除去した。生成物をヘキサン:酢酸エチルを用いてシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した。
例35
親水性ポリマーの調製
セプタム、マグネティックスターラ及び温度コントローラを装備した丸底反応フラスコを炉乾燥した。フラスコに、NVP(50g)、無水1,4-ジオキサン(100ml)、例29のα-エチルキサンチルフェニル酢酸(0.245g, 1x10-3moles)及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(1×10-4moles=0.016g)を装填した。乾燥窒素を、溶存酸素を除去するために30分間反応混合物を通してバブリングさせた。その後、容器を窒素下に60℃で14時間加熱した。熱を14時間で遮断し、室温に冷却させた。得られた親水性ポリマーを大量(3L)のエチルエーテル中に沈殿させることにより分離した。ポリマーの分離収量は21.6g(37%)であった。サイズ排除クロマトグラフィーの結果は、Mn=59,033ダルトン、Mw =82,898ダルトン、Mp=83,585ダルトン及び多分散度1.40であった。この反応を下記のスキームXIに概略的に示す。
Figure 0005592946
例36
以下の構造を有する二官能RAFT剤α,α’−ジ(エチルキサンチル)−p−キシレンの調製
Figure 0005592946
マグネティックスターラ、窒素インレット及び温度プローブを装備した1000mL3つ口丸底フラスコに、α,α'-ジBr p-キシレン(0.150 moles、39.6g)、無水エタノール(ETOH, 125ml)及び無水テトラヒドロフラン(THF,125mL)を装填した。反応フラスコを氷浴中で冷却し、カリウムO-エチルキサンテート(KEX、0.1651moles、26.4g)の半分を粉末漏斗をとおしてゆっくりと添加し、次いで、追加量のETOH/ THF[1:1] 250mlを添加した。この後、残りのKEX(0.165 moles、26.4g)及び追加量の溶剤混合物300mlの2回目の添加を行った。添加が完了したら、反応混合物を室温で24時間撹拌した。精製水(250ml)を、その後、反応物に添加した。混合物をヘキサン(250ml)で4回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過した。生成物を減圧下にてフラッシュ蒸発によって濃縮した。
例37
親水性ポリマー(マクロRAFT試薬)の調製
セプタム、マグネティックスターラ及び温度コントローラを装備した、炉乾燥した丸底反応フラスコに、NVP(20.8g)、無水1,4-ジオキサン(50ml)、例36のα,α’-ジ(エチルキサンチル)-p-キシレン(0.134g, 4x10-4moles)及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(3.1x10-4 moles=0.051g)を装填した。乾燥窒素を、溶存酸素を除去するために30分間反応混合物を通してバブリングさせた。その後、容器を窒素下に60℃で14時間加熱した。14時間で熱を遮断し、そして室温に冷却した。得られた親水性ポリマーを大量のエチルエーテル中に沈殿させることにより分離した。親水性ポリマーの分離収量は6.05g(29%)であった。サイズ排除クロマトグラフィーの結果は、Mn=21,723ダルトン、Mw =24,771ダルトン及び多分散度1.14であった。
例38
親水性ポリマー(マクロRAFT試薬)の調製
炉乾燥した丸底反応フラスコはセプタム、マグネティックスターラ及び温度コントローラを装備していた。そのフラスコに、NVP(41.6g)、無水1,4-ジオキサン(100ml)、例36のα,α’-ジ(エチルキサンチル)-p-キシレン(0.267g, 8x10-4moles)及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(3.36x10-4 moles=0.0552g)を装填した。乾燥窒素を、溶存酸素を除去するために30分間反応混合物を通してバブリングさせた。その後、容器を窒素下に60℃で14時間加熱した。14時間で熱を遮断し、そして室温に冷却した。得られた親水性ポリマーを大量のエチルエーテル中に沈殿させることにより分離した。親水性ポリマーの分離収量は45.34gであった。サイズ排除クロマトグラフィーの結果は、Mn=47,333ダルトン、Mw =65,372ダルトン及び多分散度1.38であった。
例39〜49及び比較例A及びB
コンタクトレンズ、フィルム及び平板の調製
比較例A及び例8〜10の各配合物の量及び成分を下記の表2に示す。
Figure 0005592946
コンタクトレンズ、フィルム及びレンズ平板をポリプロピレンモールド中で調製した。材料の酸素透過係数を得るために300、450、550及び650μmの厚さの平板をキャスティングした。水含有分、弾性率、引張強度、%伸び率及び引裂強度を決定するためにレンズサンプルをキャスティングした。
キャスティング手順において、キャスティング前に少なくとも18時間、すべてのモールド部品を窒素チャンバーに入れた。前方モールドに特定量の混合物で充填し、その後、後方モールドハーフでキャッピングした。充填及びキャッピング手順を窒素下に行った。キャッピングされたモールドをホールディングプレート中に入れ、そして窒素パージされた炉に移し、ここで、周囲温度又は55℃で1〜2時間連続窒素パージ下にUV光に暴露することにより硬化した。モールドを手で分離し、レンズをイソプロピルアルコール/水の30%溶液中に一晩解放した。レンズを100%イソプロピルアルコール中で4時間膨潤させることにより取り出した。イソプロピルアルコール濃度を水で50%に低減し、その後、レンズを100%水中に入れた。
0.2〜1mmの厚さ範囲のテフロンガスケットにより分離された3.5×4インチのシラン処理されたガラスプレートの間でフィルムをキャスティングした。55℃又は周囲温度で1〜2時間、UV光下にフィルムを硬化させた。100%イソプロピルアルコール中で4時間膨潤させることによりフィルムを取り出した。イソプロピルアルコール濃度を水で50%に低減し、その後、サンプルを100%水中に入れた。フィルムサンプルを機械試験及び水含有分測定のために使用した。
物性
例39〜40及び比較例A及びBのレンズ、フィルム及び平板の物性を決定するために使用した技術を下記に示す。
水%:6つの水和レンズ又はフィルム2セットをろ紙片上で吸い取り乾燥し、過剰の水を除去し、そしてサンプルを計量する(湿潤重量)。その後、サンプルを、デシカント含有ジャーの内部にあるマイクロ波炉中に10分間入れる。その後、サンプルを30分間放置し、室温に平衡化させ、そして再計量する(乾燥重量)。%水を湿潤重量及び乾燥重量から計算する。
機械特性:Instron (Model 4502)計器を用いてATSM D-1708aにより弾性率及び伸び率試験を行った。ここで、ヒドロゲルフィルムサンプルはホウ酸緩衝塩溶液に浸漬され、フィルムサンプルの適切なサイズはゲージ長22mm及び幅4.75mmであり、ここで、サンプルはInstron 計器のクランプでのサンプルのグリッピングを行うためのドッグボーン形状を形成する末端をさらに有している。
酸素透過係数:Dkは下記の手順により決定した。得られる酸素透過係数の値が記載の方法と同等であるかぎり、他の方法及び/又は計器は使用されてよい。シリコーンヒドロゲルの酸素透過係数は、プローブ末端において中央円形金カソードを含み、そしてそのカソードから絶縁された銀アノードを含むプローブを有するO2ペルメオメータ(Permeometer)モデル201T計器(Createch, Albany, California USA)を用いたポーラログラフィー法(ANSI Z80.20-1998)によりシリコーンヒドロゲルの酸素透過係数を測定する。150〜600ミクロンの範囲の4つの異なる中央厚を有する、予備検査したピンホールフリーの平板シリコーンヒドロゲルフィルムサンプルに対して測定を行う。フィルムサンプルの中央厚測定はRehder ET-1 電子厚ゲージを用いて測定されうる。
一般に、フィルムサンプルは円形ディスクの形状を有する。35℃±0.2℃で平衡化した循環リン酸緩衝塩溶液(PBS)を含む浴中に浸漬したフィルムサンプル及びプローブを用いて測定値を取る。PBS浴中にプローブ及びフィルムサンプルを浸漬する前に、平衡化したPBSで予備的に湿潤化したカソード上にフィルムサンプルを中央に配置し、ここで、空気バブル又は過剰のPBSがカソードとフィルムサンプルとの間に存在しないようにし、その後、フィルムサンプルを取り付けキャップでプローブに固定し、ここで、プローブのカソード部分はフィルムサンプルのみと接触しているようにする。シリコーンヒドロゲルフィルムでは、プローブカソードとフィルムサンプルとの間に、たとえば、円形ディスク形状を有するテフロンポリマー膜を用いることがしばしば有用である。このような場合には、テフロン膜を、予備湿潤化したカソード上に最初に配置し、その後、フィルムサンプルをテフロン膜上に配置し、ここで、空気バブル又は過剰のPBSがテフロン膜又はフィルムサンプルの下に存在しないようにする。
測定値を回収したら、0.97以上の相関係数値(R2)を有するデータのみをDk値の計算に入れるべきである。R2値を満たす少なくとも2つのDk測定値/厚が得られる。既知の回帰分析を用いて、酸素透過係数(Dk)を、少なくとも3つの異なる厚さを有するフィルムサンプルから計算する。PBS以外の溶液で水和されるすべてのフィルムサンプルは、最初に精製水中に浸漬され、少なくとも24時間平衡化され、その後、PHB中に浸漬され、そして少なくとも12時間平衡化される。計器を定期的にクリーニングし、そしてRGP標準を用いて定期的に検量する。William J. Benjaminら, The Oxygen Permeability of Reference Materials, Optom Vis Sci 7 (12s): 95 (1997)(その開示の全体を参照により本開示中に取り込む)により確立されたリポジトリ値の±8.8%を計算することにより上限値及び下限値を確立する。
材料名 リポジトリ値 下限値 上限値
Fluoroperm 30 26.2 24 29
Menicon EX 62.4 56 66
Quantum II 92.9 85 101
対応する物性値を下記の表3に示す。
Figure 0005592946
例50〜55
親水性ポリマー(ポリDMA-コ-mPEG 1000マクロRAFT試薬)の調製
例53では、マグネティックスターリングバーを装備した25OmL1つ口丸底フラスコに、392mg(0.891 mmol)のエチルα-ドデシルトリチオカルボニルフェニルアセテート(EDTCPA)、43 mLのDMA(41.4g、0.4173 moles)、4.629 gのモノメトキシポリエチレングリコール1000メタクリレート(mPEG)(4.21 mmol)及び10OmLの無水1,4-ジオキサンを添加した。これらの成分を完全に混合した後に、1,4-ジオキサン中の8.59 mM AIBNの溶液(1.41mg/mL)1mLを、慎重にフラスコにピペットで入れた。丸底フラスコを、適切なサイズのゴム栓で閉止し、フラスコの内容物を、その後、1時間、乾燥窒素ガスをバブリングすることによりパージした。反応フラスコの内容物を、18時間、油浴で60℃に加熱し、室温まで冷却し、激しく攪拌しながら、2500 mLのエーテルに滴下し沈殿させた。その後、ポリマー生成物をろ過し、真空下で乾燥して残留エーテルを除去した。
例54〜58は例53と同様に行ったが、様々な量のmPEG及びDMAならびにmPEGのタイプを使用した。各例において使用したRAFT剤は各例に関して約0.390gのEDTCPAであった。成分の量を下記の表4に示す。
Figure 0005592946
例56〜58及び比較例C〜E
例53のポリ(DMA-コ-mPEG)親水性ポリマーを用いたバイオメディカルデバイスの調製
例56〜58及び比較例C〜Eの各配合物の量及び成分を下記の表5に示す。
Figure 0005592946
例39〜49と実質的に同様にしてコンタクトレンズ及びレンズ平板を調製した。材料の酸素透過係数を得るために、レンズ平板をキャスティングした。水含有分、弾性率、引張強度、%伸び率及び引裂強度を決定するためにレンズサンプルをキャスティングした。
物性
例56〜58及び比較例C〜Eの物性を下記の表6に示す。
Figure 0005592946
データから判るとおり、ポリ(DMA-コ-mPEG)ポリマーを含む例56〜58のバイオメディカルデバイスは、比較例C〜Eのバイオメディカルデバイスと比較して、高い含水率、表面湿潤性(前進接触角及びヒステリシス)、潤滑性(摩擦係数を用いて測定して)、及び、低い弾性率を有した。
摩擦係数及び接触角のために使用した方法を下記に簡単に記載する。
摩擦係数:摩擦学試験をCETRモデルUMT-2マイクロトライボメータ上で行った。レンズの後方側に初期的に適合するHDPEホルダーで各レンズをクランプした。その後、ポリ(プロピレン)クランピングリングを用いて、レンズの縁領域を保持した。レンズをホルダーに取り付けたら、アセンブリをマイクロトライボメータ内の静止クランプ装置に配置した。その後、リン酸緩衝塩溶液(PBS)1mLを含む、研磨されたステンレススチールディスクをレンズと接触させ、FNを摩擦測定用の試験にわたって2グラムに調節した。荷重を5秒間平衡化させた後に、ステンレススチールディスクを12cm/秒の速度で前方及び後方の両方の方向に20秒間回転させ、そしてピーク(静的)及び平均(動的)COF値を記録した。各値は6つのレンズの平均を示す。すべてのデータを、PBS中で試験されるレンズの非存在下でのレンズホルダーから2g力で得られた平均値に正規化した。PBSはすべてのレンズについて溶液中試験として使用した。
キャプティブバブル(Captive Bubble)接触角:キャプティブバブル接触角データをFirst Ten Angstroms FTA- 1000 液滴形状計器に収集した。サンプル表面からパッケージング液の成分を除去するために、分析前にすべてのサンプルをHPLCグレードの水中で濯いだ。データ収集の前に、すべての実験に使用される水の表面張力をペンダントドロップ法を用いて測定した。水が使用に適するものとするためには、表面張力値が70〜72ダイン/cmであることが期待された。すべてのレンズサンプルを曲面サンプルホルダー上に配置し、HPLCグレードの水で充填した石英セル中に浸漬した。前進キャプティブバブル接触角及び後退キャプティブバブル接触角を各サンプルについて収集した。空気バブルがレンズ表面から消されていく(水は表面を横切って前進する)ときの水中測定角度として前進接触角を定義する。サンプル/空気バブル界面上に焦点を当てた高速ディジタルカメラを用いてすべてのキャプティブバブルデータを収集した。サンプル/空気バブル界面を横切る接触線の移動の直前に、ディジタルフレームで接触角を計算した。空気バブルがサンプル表面を横切って広がる(水は表面から後退していく)ときの水中測定角度として後退接触角を定義する。
例59〜61
親水性ポリマー(PDMA-マクロRAFT試薬)の調製
S-1-ドデシル-S-(α,α’-ジメチル-α”-酢酸)トリチオカーボネート(DDAATC)及びAIBNを250ml丸底フラスコに添加した。次に、DMA及び1,4-ジオキサンをフラスコに添加した。フラスコをセプタムでシールし、その後、アルゴンでパージし、30分間脱酸素した。フラスコを50℃の油浴中に2時間入れた。2時間後に、反応物を室温に冷却し、そして2.5Lのジエチルエーテル中に沈殿させた。ポリマーをろ過により分離し、一定重量になるまで真空炉内で乾燥した。各例59〜61の成分の量を下記の表7に示す。
Figure 0005592946
親水性ポリマー(PVP-マクロRAFT試薬)の調製
AIBNを、マグネティックスターリングバーを装備した500mL 丸底フラスコに添加した。次に、エチル-α-(O-エチルキサンチル)プロピオネート(EEXP)、1,4-ジオキサン及びNVPをフラスコに添加した。その後、フラスコをゴム栓でシールし、N2で30分間パージした。フラスコを油浴(60℃)中に16時間入れた。室温に冷却した後に、フラスコの内容物を4Lのジエチルエーテル中に沈殿させた。沈殿物をろ過により分離し、真空中で乾燥して、PVPマクロRAFT剤を提供した。各例62及び63の成分の量を下記の表8に示す。
Figure 0005592946
比較例F〜H
トリチオカーボネート末端基の除去
RAFT末端基を除去するために、4.0gの例59の親水性ポリマー(PDMAマクロRAFT剤)を、丸底フラスコ内で15mLのジオキサン中に溶解した。フラスコに、250μLのトリス(トリメチルシリル)シラン及び65.8mgのAIBNを添加した。溶液を窒素で30分間スパージし、その後、窒素ブランケット下に80℃で12時間加熱した。冷却された溶液をジエチルエーテル中への滴下での添加により沈殿させた。白色固形分を真空ろ過により回収し、そして室温で真空乾燥した。トリチオカーボネート末端基の開裂は生成物の黄色の消失及びプロトンNMRにおけるドデシル共鳴の消失により証明された。例65及び66をそれぞれ例60及び61の親水性ポリマーを用いて実質的に同様に行った。
比較例I〜J
キサンテート末端基の除去
RAFT末端基を除去するために、10.0gの例62の親水性ポリマー(PVPマクロRAFT剤)を丸底フラスコ中で40mLの1,4-ジオキサン中に溶解した。フラスコに、690μLのトリス(トリメチルシリル)シラン及び183mgのAIBNを添加した。溶液を窒素で30分間スパージし、その後、窒素ブランケット下に80℃で12時間加熱した。冷却された溶液をジエチルエーテル中への滴下での添加により沈殿させた。白色固形分を真空ろ過により回収し、そして室温で真空乾燥した。例68を例63の親水性ポリマーを用いて実質的に同様に行った。
例64〜68及び比較例K〜O
バイオメディカルデバイスの調製
例59〜63の未開裂の親水性ポリマー0.3g及び比較例F〜Jの開裂された親水性ポリマーを、比較例Aにおいて得られた混合物1.7g中に溶解させた(表2を参照されたい)。すべてのこれらの配合物のフィルムを、ガラスプレート間でキャスティングし、UV炉内で2時間硬化させた。フィルムをスライドガラスから取り出し、真空炉に80℃で2時間配置し、そして室温とした。%抽出可能物及び%水の決定のためにフィルムを片に切断した。%抽出可能物では、フィルムを計量し、20mLのイソプロピルアルコール中に一晩抽出し、そしてイソプロピルアルコールをデカントにより除去し、真空炉内でサンプルを乾燥し、その後に再計量した。%水では、追加のサンプルをイソプロピルアルコール中に一晩抽出し、その後、水和状態で計量される前に脱イオン水と数回交換し、真空炉内で乾燥し、そして再計量した。この試験の結果を下記の表9に示す。
Figure 0005592946
表9で判るように、未開裂PDMAマクロRAFT試薬及び未開裂PVPマクロRADFT試薬を用いて調製したレンズでは、開裂されたRAFT試薬を用いて調製したレンズと比較して、水含有分及び%抽出可能物は高い。より高い水含有分はフリーラジカル反応に積極的に参加することによりネットワークに共有結合することができる能力により親水性マクロRAFT試薬の取り込み率がより高くなっていることによるものである可能性がある。より高い%抽出可能物も、末端基(トリチオカーボネート又はキサンテート)がネットワークの重合速度を遅くすること(DSC測定により確認)及びより多量の残存モノマーを重合の最後に残させることによって説明できる。本例は重合の間にポリマー上にチオカルボニルチオ基を有することの有利な効果を示す。
例69〜75
ランダムコポリマーの調製
炉乾燥した丸底反応フラスコはセプタム、マグネティックスターラ及び温度コントローラを装備していた。このフラスコに、モノマー1、モノマー2、無水1,4-ジオキサン、RAFT試薬のエチルα-(O-エチルキサンチル)プロピオネート(EEXP)及びAIBN (1.52X10-4 moles=0.025g)を装填した。乾燥窒素を反応混合物をとおして30分間バブリングし、溶存酸素を除去した。その後、容器を60℃で窒素のパッシブブランケット下に加熱した。RAFT末端基を有するコポリマーを、多量(3L)のエチルエーテル中に沈殿させることにより分離した。各例の試薬及び量を下記の表10に示す。
Figure 0005592946
例69〜75のランダムコポリマーは下記の表11に示すとおりの以下の特性を有した。
Figure 0005592946
本開示中に開示される実施形態に様々な変更がなされうることは理解されるであろう。それゆえ、上記の記載は限定するものと解釈されるべきでなく、好ましい実施形態の単なる例示と解釈されるべきである。たとえば、上記の本発明を実施するための最適な形態として用いられる機能は例示の目的のみである。本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、当業者によって他の仕組み及び方法が実施されてもよい。さらに、ここに示した特徴及び利点の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者は他の変更を考えるであろう。
他の特徴及び実施形態
(a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含むバイオメディカルデバイスであって、ここで、親水性単位はメタクリル酸、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート及びそれらの混合物からなる群より選ばれる親水性モノマーから得られる、バイオメディカルデバイス。
(a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含むバイオメディカルデバイスであって、ここで、親水性単位はN−ビニルピロリドン又はジメチルアクリルアミドから得られる10〜約3000個の単位を含む、バイオメディカルデバイス。
(a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含むバイオメディカルデバイスであって、ここで、1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーは不飽和カルボン酸、アクリルアミド、ビニルラクタム、ポリ(アルキレンオキシ)(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシル含有(メタ)アクリレート、親水性ビニルカーボネート、親水性ビニルカルバメートモノマー、親水性オキサゾロンモノマー及びそれらの混合物からなる群より選ばれる親水性モノマーである、バイオメディカルデバイス。
(a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含むバイオメディカルデバイスであって、ここで、1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーはメタクリル酸、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート及びそれらの混合物からなる群より選ばれる親水性モノマーである、バイオメディカルデバイス。

Claims (14)

  1. (a)1種以上の親水性単位及び可逆的付加開裂連鎖移動(「RAFT」)剤の1つ以上のチオカルボニルチオ断片を含む1種以上の親水性ポリマー及び(b)1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーを含む混合物の重合生成物を含む眼科デバイスであるバイオメディカルデバイス。
  2. 前記1つ以上のチオカルボニルチオ断片はジチオエステル基、キサンテート基、ジチオカルバメート基又はトリチオカーボネート基を含むRAFT剤のものである、請求項1記載のバイオメディカルデバイス。
  3. 前記RAFT剤はカルボン酸含有基をさらに含む、請求項1又は2記載のバイオメディカルデバイス。
  4. 前記1つ以上のチオカルボニルチオ断片は、ベンジルドデシルトリチオカーボネート、エチル−2−ドデシルトリチオカルボニル)プロオネート、S−secプロピオン酸O−エチルキサンテート、α-エチルキサンチルフェニル酢酸、エチルα-(O−エチルキサンチル)プロオネート、エチルα-(エチルキサンチル)フェニルアセテート、エチル2−(ドデシルトリチオカルボニル)フェニルアセテート、エチル2−(ドデシルトリチオカルボニル)プロピオネート、2−(ドデシルチオカルボニルチオール)プロパン酸及びそれらの混合物からなる群より選ばれるRAFT剤のものである、請求項1〜3のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  5. 前記親水性単位は不飽和カルボン酸、アクリルアミド、ビニルラクタム、ポリ(アルキレンオキシ)(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシル含有(メタ)アクリレート、親水性ビニルカーボネート、親水性ビニルカルバメートモノマー、親水性オキサゾロンモノマー及びそれらの混合物からなる群より選ばれる親水性モノマーから得られる、請求項1〜4のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  6. 前記親水性単位は10〜約3000個の単位を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  7. 前記親水性単位は、親水性モノマーとさらに反応した開環反応性官能基を有するエチレン系不飽和重合性モノマー、エチレン系不飽和重合性アルコキシル化ポリマー及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる親水性モノマーから得られる、請求項1〜6のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  8. 前記1種以上の親水性ポリマーはポリエチレングリコール(PEG)-200メタクリレート、PEG-400メタクリレート、PEG-600メタクリレート、PEG-1000メタクリレート及びそれらの混合物からなる群より選ばれるエチレン系不飽和重合性アルコキシル化ポリマーから得られる単位をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  9. 前記1種以上の親水性ポリマーはランダムコポリマー又はブロックコポリマーである、請求項1〜8のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  10. 前記1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーはシリコーン含有モノマーである、請求項1〜9のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  11. 前記混合物は親水性モノマー、疎水性モノマー又はその両方をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  12. 前記1種以上のバイオメディカルデバイス形成性モノマーは親水性モノマー又は疎水性モノマーである、請求項1〜11のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  13. 前記バイオメディカルデバイスは、コンタクトレンズ、硬質ガス透過性コンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ、ヒドロゲルコンタクトレンズ、眼内レンズ及び角膜インプラントからなる群より選ばれる、請求項1〜12のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
  14. 前記バイオメディカルデバイスはヒドロゲルである、請求項1〜12のいずれか1項記載のバイオメディカルデバイス。
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