JP2006256143A - 相変化型光記録媒体、スパッタリングターゲット及びスパッタリング装置 - Google Patents

相変化型光記録媒体、スパッタリングターゲット及びスパッタリング装置 Download PDF

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将紀 加藤
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Abstract

【課題】 最高記録線速が速く、広い記録線速範囲で記録する場合でも再生エラーが少なく、特に内周部での再生エラーが改善された相変化型光記録媒体とその製造用スパッタリングターゲット及びスパッタリング装置の提供。
【解決手段】 (1)光ビームを照射することにより記録層に相変化を生じさせて情報を記録する光記録媒体において、記録層が、主成分のSbと原子半径がSbよりも小さい元素(以下、元素Mという)を含み、元素Mの濃度が面内方向で異なることを特徴とする相変化型光記録媒体。
(2)組成が異なるターゲットを同心円状に2個以上設け、各ターゲットのスパッタ率を調整する手段を備えたことを特徴とするスパッタリング装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、書換え可能な相変化記録層を有する高密度記録用の相変化型光記録媒体、例えば、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)、DVD+RW、DVD−RAM等に関する。
近年、相変化材料を記録層とした光記録媒体(以下、相変化光ディスク)の開発が盛んに行われている。
一般に相変化光ディスクは透明なプラスチック基板上に特定の溝を形成し、その上に薄膜を形成する。基板に用いられるプラスチック材料は主にポリカーボネートで、溝の形成には射出成形法がよく用いられる。基板上に成膜する薄膜は多層膜で、基板から順番に下部保護層、記録層、上部保護層、反射層の構成が基本的なものである。下部及び上部保護層には酸化物、窒化物、硫化物などが用いられるが、中でもZnSとSiOを混合したZnS−SiOがよく用いられる。記録層にはSbTeを主成分とした相変化材料がよく用いられる。具体的には、Ge−Sb−Te、In−Sb−Te、Ag−In−Sb−Te、Ge−In−Sb−Te、Ge−Sn−Sb−Teなどが挙げられ、これら以外にもGe−Te、In−Sb、Ga−Sb、Ge−Sbなどが用いられる。反射層には金属材料が用いられるが、光学特性及び熱伝導率などからAl、Ag、Au、Cuなどの金属材料及びそれらの合金材料がよく用いられる。
これらの多層膜の成膜方法には、抵抗線加熱法、電子ビーム蒸着法、スパッタ法、CVD法など様々な成膜方法を用いることができるが、中でも量産性に優れている点からスパッタ法がよく用いられる。これらの多層膜を形成後、薄膜を保護する為に樹脂層をスピンコートにより被覆する。
このようにして作製された相変化光ディスクは、記録層に用いられている相変化材料がアモルファス状態であり、これを結晶化状態にする、所謂初期化工程を施すことが一般的である。相変化光ディスクの初期化にはディスクを回転させながら幅数μm、長さ数十〜数百μmの半導体レーザからレーザ光を照射し、半径方向にレーザ光を移動させることで行う。レーザ光の照射にはフォーカシング機能を設けてより効率の良いレーザ照射を行う場合が多い。
作製した相変化光ディスクは任意に決められたレーザ発光パターン(以下、記録ストラテジ)を照射することにより任意のアモルファスマークを形成することができる。更に、相変化ディスクでは消去と記録を同時に行う、所謂ダイレクトオーバーライト記録が可能である。因みに消去とはアモルファス状態のマークを結晶化させることで、記録とは結晶状態からアモルファス状態のマークを形成することである。
よく用いられる記録ストラテジとしては記録パワー(Pw)、消去パワー(Pe)、バイアスパワー(Pb)の3値制御(Pw>Pe>Pb)がある。これらと種々のパルス幅を組み合わせて特定のマーク長を記録する。データ記録・再生の変調方式については、CDで使われているEFM変調やDVDで使われているEFM+変調などがマークエッジ記録方式であることから、マーク長の制御が非常に重要である。このマーク長の制御の評価としてはジッター特性が一般的に用いられる。
このような相変化ディスクはCD−RW、DVD+RW、DVD−RWなどに応用され、オーディオビジュアル用途及びコンピュータの情報記録用途として広く普及している。
最近では更なるデジタル容量の大容量化により、これらの光ディスクへの記録速度の向上が期待されている。相変化技術を用いた光ディスクへの高速記録には、より速い記録線速度での書換え性能と、より広い記録線速度範囲での書換え性能の双方が要求される。前者は最高記録速度であり、後者は記録可能な速度範囲に相当する。この点について以下に説明する。
記録方式として、記録回転数一定(角速度一定)で記録を行うCAV記録と線速度一定で行うCLV記録の2種類を考えた時、CLV記録の場合は半径値により回転数が変わり、内周側になるほど高い回転数が要求される。このため、最高線速は光ディスク用記録再生装置が有する光ディスクの回転能力の限界で決まってしまい、それ以上の線速での記録が可能な場合は回転能力限界の回転数一定のCAV記録を用いる必要性が出てくる。
例えば、光ディスク用記録再生装置の回転数の限界を10000rpmとすると、その限界回転数の場合、半径24mmでは約25m/sの線速であり、これをDVDの基準線速3.5m/sで規格化すると約7倍速に当り、これ以上の高速記録を行なおうとするとディスクの特定の半径範囲又は全面でCAV記録を行なうか、或いは、ディスク半径値に対応した複数の記録線速を利用するZCLV記録を行う必要がある。以上のように、記録線速度の向上とは最高線速の向上だけでなく、ある一定の記録線速度範囲での書換え性能も同時に求められる。
このような高速記録に求められる、最高記録線速と広い記録線速範囲の実現を検討中に、本発明者等は従来知られていない新たな課題を見出した。即ち、ディスク特性としてジッター特性が実用レベルにある記録線速範囲内に再生エラーが多くなるという現象を見出した。因みに、ここでいう再生エラーとは、実際に記録された信号をデジタルデータに変換する際の確かさを表したもので、その値が低い程良好である。従来はジッター特性が良好であれば再生エラーも低く、両者が相反するという現象は確認されていない。唯一、相反する場合としては、ディスクに欠陥が多い場合にジッター特性と再生エラー特性が相反する場合が稀にあるが、本発明者等が見出した現象はその程度が全く異なる範囲であった。
この現象を更に調べたところ、特に3Tマークにエラーが多く発生することが分った。そこで、ジッター特性が実用レベルにある記録線速範囲内でも再生エラーが多くなる原因を調べるため、図1に示す記録ストラテジを用いて3Tマークと3Tスペースが交互に配列する単一パターンをディスクに記録し、アモルファスマーク形状を透過電子顕微鏡で観察した。その結果、殆どのアモルファスマーク形状は同じであるが、何個かのマークの形状は正常ではなく、アモルファス中に結晶が発生している記録マークが存在することが分かった。模式図を図2(a)に示す。マークAとマークCは正常な記録マークであるが、マークBはアモルファス中に結晶が成長している。このような結晶がある場合の再生信号は図2(b)に示す通りに正常な場合(点線)に対して歪んでしまう。その結果、2値化後の信号は図2(c)のようになり、結晶がアモルファス中に成長しているマークBのみが、3Tよりも短く再生されてしまう。このようなアモルファス中に結晶が成長しているマークが約100〜1000個に1個の割合で存在するため、再生ジッター特性が実用レベルであるにも拘わらず再生エラーが多くなることが分かった。
次に、CAV記録のように、内周側で低速記録を行い、外周側で高速記録を行う場合、記録半径位置で再生エラーが変わるかどうかを調べた。図1に示す記録ストラテジで3Tマークと3Tスペースが交互に配列する単一パターンをディスクに記録し、3Tウインドウエラー(=短マークの個数/正常なマークの個数)を測定した。記録線速は、内周(半径位置23mm)で11.5m/s、中周(半径位置40mm)で21m/s、外周(半径位置56mm)で27.9m/sとした。結果を図3に示す。3Tウィンドウエラーは、外周が最も小さく、内周に行くほど悪くなることが分かった。この結果から、内周部の再生エラーが多くなってしまうことが、更に高速記録を進める上で今後の大きな課題になることが分った。
なお、ディスクの内周部と外周部で記録層や反射層などの組成を変えて特性の向上を図る発明は、特許文献1〜6に開示されているように本出願前公知であるが、何れの発明も、媒体全面において高密度・高速記録における再生エラーが少ない相変化型光記録媒体の提供を目的とする本発明とは構成や効果が異なる。
特許文献7には、構成元素の組成が異なる複数のリング状ターゲットを同心軸に配置し、記録膜を成膜する場合に、基板上での成膜速度が均一になるように前記複数のリング状ターゲットの各々に投入されるスパッタパワーを独立制御してスパッタリングを行う光ディスクの製造方法が開示されている。しかし、1つの電源で安定して製造することができ、高密度・高速記録で光記録媒体全面において再生エラーが少ない相変化ディスクの提供を目的としている本発明とは構成や効果が異なる。
特開昭60−219645号公報 特許第2674837号号公報 特開平8−77600号号公報 特開平11−321094号公報 特開2002−312980号公報 特開平8−77600号公報 特開2003−196892号公報
本発明は、最高記録線速が速く、広い記録線速範囲で記録する場合でも再生エラーが少なく、特に内周部での再生エラーが改善された相変化型光記録媒体とその製造用スパッタリングターゲット及びスパッタリング装置の提供を目的とする。
現在市販されている書き換え可能な相変化光ディスクは、DVD−RAMのようにGeSbTe化合物を発展させた材料系を記録層に用いた光ディスクと、CD−RW、DVD+RW、DVD−RWのようにAgInSbTe系を発展させたSbを主成分とする材料系を記録層に用いた光ディスクの主に2種類に分類される。
ある液体から結晶が析出するとき、結晶核の生成と結晶核の成長の2つのプロセスが含まれる。GeSbTe化合物系は核生成頻度が高く、アモルファス又は液相の全ての場所でランダムに核生成が起こり、ランダムに発生した核から結晶成長が起こる。アモルファスマークに消去パルスが照射された場合、アモルファスマーク中の全ての場所で結晶核が生成され、ランダムに発生したそれぞれの結晶核から結晶成長が進み、ほぼ同じ大きさの結晶が多数成長する。このようなメカニズムで記録・消去が繰り返されると、アモルファスマーク周辺にのみ平均より大きい結晶が析出し、消去率が悪くなることがある。
また、特開2003−242683号公報に開示されているように、高転送レート実現のためには結晶化速度が速い光ディスクが必要であるが、結晶化速度が速い光ディスクに対して広い線速範囲で記録するときに問題が生じる。それは、記録マーク周辺には、一度融点まで温度上昇したのち冷却過程で周囲にある結晶核から結晶成長して結晶相となる再結晶領域が形成されるが、低線速度側で記録した場合、記録マーク周辺の再結晶領域の幅が広くなってしまい、所望のマーク幅を得ることができないという問題である。この再結晶領域は結晶成長速度に依存し、結晶成長速度が速いほどその幅が広くなる。この現象が起こる場合、記録した全てのマークに起こるため、マークの信号強度が低下して信号品質が劣化する不具合は生じるが、ジッタ特性が良いのに再生エラーが多くなることはない。
一方、AgInSbTe系のようにSbを主成分とする材料系は、核生成頻度が小さいため、アモルファス又は液相の表面、他の層と接している界面、アモルファス又は液相中に存在する不純物や異種物質との界面などで起こる不均一核生成から結晶化が進む。アモルファスマークに消去パルスが照射された場合、AgInSbTe系材料は、記録の過程でアモルファスマーク中に起こる核生成頻度が低いため、アモルファスマーク又は液相と結晶との界面から中心部に向かって結晶成長が起こる。繰り返し記録・消去を行っても、GeSbTe化合物系材料のようにアモルファスマーク周辺に大きい結晶が析出することはなく、消去率が良い。また、結晶成長が不均一核生成による場合、マークが小さくなるほどアモルファスマークを結晶化させるのにかかる時間が短くてすむため、均一核生成による材料系よりも、高密度記録、高速記録に有利である。
前述したように、本発明者等は、最高記録線速の向上と広い記録線速範囲の実現に向けて検討中に、従来知られていない新たな課題を見出した。即ち、ディスク特性としてジッター特性が実用レベルにある記録線速範囲内に再生エラーが多くなるという現象を見出した。この現象は、Sbを主成分とするような不均一核生成により結晶化が起こる材料系、その中でも結晶化速度が速い場合に起こる。均一核生成により結晶化が起こる材料系では、レーザー照射により記録層が同じ温度まで上昇し同じ速度で冷却されると核生成が起こり、同じように多数の結晶が成長するため、全てのマークの周辺に結晶が大きく成長することがあっても、あるマークにのみ結晶が成長することは起こり得ない。また、不均一核生成により結晶化が起こる材料系でも、結晶化速度が遅い場合は、記録の過程でアモルファスマーク中に結晶が形成してしまうことはなかった。しかし結晶化速度が速い場合は、記録の過程での核生成頻度は低いものの、アモルファス中に核生成が生じてしまうと、結晶成長速度が速いため、生成された核が大きな結晶へと成長すると考えられる。
また、CAV記録などのように内周部と外周部での記録線速が違う場合、特に記録線速が遅い内周部で再生エラーが多くなることが分った。前述したように、最高線速は光ディスク用記録再生装置が有する光ディスクの回転能力の限界で決まってしまい、それ以上の線速での記録が可能な場合は、回転能力限界のCAV記録やディスク半径値に対応した複数の記録線速を利用するZCLV記録を用いる必要性が出てくる。そのため、今後、更なる高速化を実現するには内周部での再生エラーを少なくすることが必須の課題となる。
本発明者等は、記録層を構成する相変化材料に着目して鋭意研究を重ねた結果、主成分のSbと原子半径がSbよりも小さい元素(元素M)を含む相変化記録層を有し、元素Mの濃度を面内方向で変化させることにより、上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題は、次の1)〜16)の発明によって解決される。
1) 光ビームを照射することにより記録層に相変化を生じさせて情報を記録する光記録媒体において、記録層が、主成分のSbと原子半径がSbよりも小さい元素(以下、元素Mという)を含み、元素Mの濃度が面内方向で異なることを特徴とする相変化型光記録媒体。
2) 元素Mの濃度は、内周部側よりも外周部側の方が低く設定されていることを特徴とする1)記載の相変化型光記録媒体。
3) 元素Mが、Ge及び/又はSiであることを特徴とする1)又は2)記載の相変化型光記録媒体。
4) 少なくとも、基板と、Sbを主成分とし元素Mを含まない第1相変化記録層と、該記録層に接し、面内方向に膜厚分布を持ち、原素Mを含みSbを含まない第2相変化記録層を有することを特徴とする1)記載の相変化型光記録媒体。
5) 第2相変化記録層の膜厚は、内周部側よりも外周部側の方が薄いことを特徴とする4)記載の相変化型光記録媒体。
6) 溶融初期化により第2相変化記録層材料が第1相変化記録層に拡散した状態にあることを特徴とする4)又は5)記載の相変化型光記録媒体。
7) 元素Mが、Ge及び/又はSiであることを特徴とする4)〜6)の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
8) 主成分のSbと元素Mを含み、元素Mの濃度に面内分布があることを特徴とするスパッタリングターゲット。
9) 元素Mの濃度は、内周部側よりも外周部側の方が低く設定されていることを特徴とする8)記載のスパッタリングターゲット。
10) 元素Mが、Ge及び/又はSiであることを特徴とする8)又は9)記載のスパッタリングターゲット。
11) 組成が異なるターゲットが同心円状に2個以上設置され、各ターゲットのスパッタ率を調整する手段を備えたことを特徴とするスパッタリング装置。
12) 各ターゲットに対応するマグネトロン装置を備え、スパッタ率を調整する手段が、マグネトロン装置のマグネットであることを特徴とする11)記載のスパッタリング装置。
13) 中心部に配置されたターゲットが円盤状であり、それ以外のターゲットは中心部に配置されたターゲットと中心が同じ輪状であることを特徴とする11)又は12)記載のスパッタリング装置。
14) 組成が異なるターゲットは、Sbを主成分として元素Mを含み、ターゲットによって元素Mの濃度が異なることを特徴とする11)〜13)の何れかに記載のスパッタリング装置。
15) 中心部に配置されたターゲットの元素Mの濃度が最も高く、外側に配置されたターゲットほど元素Mの濃度が低いことを特徴とする14)記載のスパッタリング装置。
16) 元素Mが、Ge及び/又はSiであることを特徴とする11)〜15)の何れかに記載のスパッタリング装置。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明によれば、最高記録線速が速く、更に内周部と外周部で記録線速が異なる場合でも、記録領域全面で再生エラーを少なくすることができる。特に、元素Mの濃度を内周部側よりも外周部側の方が低くなるように設定することにより、外周部での高速記録が可能となり、かつ内周部でも再生エラーを少なくすることができる。
ここで、内周部側とは記録層の最内周部に近い方のことであり、外周部側とは記録層の最内周部に近い方のことである。例えば、DVD+RWでは半径位置22mmが最内周部であり、この半径位置での元素Mの濃度が最も大きくなるようにする(膜厚の場合も同様に、最内周部で最も膜厚を厚くする)。また、半径位置58mmが最外周部であり、この半径位置での元素Mの濃度が最も小さくなるようにする(膜厚の場合も同様に、最外周部で最も膜厚を薄くする)。
濃度を変化させる態様としては、最内周部から最外周部に向って徐々に変化させても、段階的に変化させてもよい。また、濃度を一定にしておき、最内周部から最外周部に向って膜厚を徐々に変化させてもよい。
このような記録層を成膜するには、(1)組成を径方向に徐徐に変化させた円盤状のスパッタリングターゲットを用いる、(2)同心円状のスパッタリングターゲットを複数組み合わせた円盤状のスパッタリングターゲットを用いる、(3)基板よりも径が小さく、それぞれのスパッタリングターゲット組成が異なるカソードを複数設け、同時にスパッタリングを行う、などの方法を用いればよい。
また、記録層に相当する半径位置22〜58mmの間を、幾つかの領域に分け、2〜4段階に濃度又は膜厚を変化させてもよく、このような場合は、スパッタリング装置にシールド板又はマスクを設けることにより、組成又は膜厚を領域ごとに変えればよい。
内周部側と外周部側の濃度差や膜厚差は、記録線速によって変わるため、一義的に特定できないが、例えばDVD+RWにおいて、内周(半径位置23mm)で21m/s記録、外周(半径位置56mm)で42m/s記録を行う場合は、半径位置23mmと半径位置56mmでの元素M濃度差を5〜10%とするのが好ましい。また、記録層を二層設けた場合には、第2相変化記録層における膜厚差を2〜6nmとするのが好ましい。
ある液体からの結晶の析出は、結晶核の生成と成長のプロセスにより起るが、核生成は下地等の界面や不純物粒子などからも大きな影響を受ける。不純物は、その種類によって成長抑制作用が変わるが、本発明者等が検討した結果、Sbを主成分とする記録層材料を用いる場合に、Sbよりも原子半径が大きい元素を添加すると、結晶核生成頻度が高くなり結晶化速度を速くするのに対し、Sbよりも原子半径が小さい元素(元素M)を添加すると、結晶核生成頻度を低くすることができることが分った。特に内周部に元素Mを多く添加することにより、内周部の核形成が抑えられ、内周部でも再生エラーが少ない光記録媒体が得られることを見出した。
元素Mの一例として、Ge、Si、C、Ga、Al、B、As、P、N、Te、Se、S、O、H、Zn、Cu、Ni、Co、Mn、Au、Agなどが挙げられ、再生エラーを少なくする効果がある。中でも、Ge及びSiは、再生エラーを少なくする効果が得られると共に、アモルファス及び結晶の安定性を向上させる効果もある。
相変化記録層を含んだ多層膜の成膜方法としては電子ビーム蒸着法やスパッタリング法など様々な成膜方法を用いることができるが、中でも量産性に優れている点からスパッタリング法がよく用いられる。蒸着法を用いて本発明の光記録媒体を製造する場合、記録層の作製方法の一例として、Sbと元素Mを別々の蒸発源として設け、蒸発源と基板位置を調整することにより、元素Mの濃度を面内方向で変えることができる。この場合、元素Mは単体としてだけでなく、他の元素との化合物として蒸発源に用いることもできる。
また、量産性に優れているスパッタリング法では、一例として、記録層を作製するのに内周部から外周部にかけて元素Mの濃度が異なるスパッタリングターゲットを用いることにより、本発明の光記録媒体を製造することができる。この場合、ターゲット中心と基板中心との位置を合わせて対向させることにより、ディスク中心を対称軸とする組成の面内分布が得られる。Sbを主成分とし元素Mの濃度が内周部から外周部にかけて低下するスパッタリングターゲットを用いれば、記録層の元素Mの濃度が内周部側よりも外周部側の方が低い相変化型光記録媒体を製造することができる。また、基板とターゲットの距離を短くすることにより、元素Mの濃度勾配を急峻なものとすることができる。
スパッタリング法で作製する場合、次の方法を用いることもできる。
即ち、基板上に、少なくとも、Sbを主成分とし元素Mを含まない第1相変化記録層と、該記録層と接し、面内方向に膜厚分布を持ち、原素Mを含みSbを含まない第2相変化記録層を設ける。第1相変化記録層と第2相変化記録層を積層する順番はどちらでも良く、基板に近い方と反射層に近い方のどちらに第1相変化記録層を持ってきても良い。このとき、第2相変化記録層の膜厚を、内周部側よりも外周部側の方が薄くなるようにする。一例として、原素Mを含みSbを含まないスパッタリングターゲットを用い、ターゲットと基板の間に遮蔽版を設けることにより、膜厚分布を持った第2相変化記録層を作製することができる。また、ターゲット中心と基板中心との位置をずらして対向させてスパッタリングすることによっても、膜厚分布を持った第2相変化記録層を作製することができる。
このような方法で作製した第2相変化記録層材料は、前述した初期化工程、即ち、成膜した直後のアモルファス相から記録層全面を結晶状態に変化させる工程で、第1相変化記録層中に拡散させる。このときの初期化は、第1相変化記録層と第2相変化記録層の両方が完全に溶融する条件で行う必要がある。このような溶融初期化ではなく固相初期化で行った場合は、記録を行うことにより第2相変化記録層材料が第1相変化記録層に徐々に拡散していくため、繰り返し記録特性が悪くなる。しかし、溶融初期化を行った場合には、初期化工程で第2相変化記録層材料が第1相変化記録層中に拡散し完全に溶け合うため、繰り返し記録を行っても記録層に変化は起きない。したがって良好な繰り返し記録特性が得られる。
DVD+RWでは、ディスクを回転させながら幅数μm、長さ数十〜数百μmの半導体レーザからレーザ光を照射し、半径方向にレーザ光を移動させることで初期化を行うが、例えば線速8m/sでディスクを回転させた場合、約7mW/μm以上のパワー密度で初期化を行うと記録層は溶融状態となる。このとき、記録層が溶融して第2相変化記録層材料が第1相変化記録層中に拡散したかどうかは、オージェ電子分光法(AES)により膜厚方向の組成分析を行うことで確認することができる。
上記のように、溶融初期化により第2相変化記録層材料を第1相変化記録層に拡散させるようにすれば、組成分布を持たせた特殊なターゲットを用いることなく、元素Mの濃度が面内方向で異なる記録層を有する相変化型光記録媒体が得られる。これにより記録領域全面で再生エラーが少なく、繰り返し記録特性が良好な相変化型光記録媒体が得られる。
スパッタリング法で作製する場合、次の方法を用いることもできる。
即ち、図4に示すように組成が異なるターゲットを同心円状に2個以上設け、各ターゲットのスパッタ率を調整する手段を設けたスパッタリング装置を用いる。この装置では、各ターゲットのスパッタ率を調整することにより、記録領域全面で均一な膜厚を得ることができる。記録層にGeSbTe化合物組成を用いた場合には、特許文献7のように各ターゲットにそれぞれ電源を設け、個別にスパッタパワーを制御することも可能であるが、本発明で用いるSbを主成分とする記録層は、GeSbTe化合物組成に比べると抵抗率が2桁以上小さく導電性が良いため、各ターゲットが導通してしまい易いという不具合が生じる。これに対し、上記の装置では、電源が1つという簡易な構造とすることができるのに加え、スパッタ率を調整する手段によって各ターゲットからの堆積速度を制御できるため、各ターゲットを絶縁しなくても良いという利点がある。
スパッタ率を調整する手段として、図5のようなマグネトロンスパッタリング装置のマグネットを用いても良い。これにより、元素Mの濃度を面内方向で制御することができる。ターゲットと基板間距離を調整することによっても、面内方向の組成分布及び膜厚均一性を調整することができる。ターゲットは、中心部に配置されたターゲットが元素Mの濃度が最も高く、外側に配置されたターゲットほど元素Mの濃度を低くすることにより、記録層の元素Mの濃度が内周部側よりも外周部側で低く、外周部での高速記録が可能であり、かつ内周部の核形成が抑えられ、再生エラーが少ない相変化型光記録媒体が得られる。特に元素MとしてGe又は/及びSiを用いることにより、記録領域全面で再生エラーが少なく、更に保存信頼性と高速記録特性を両立できる相変化型光記媒体が得られる。
本発明の相変化型光記録媒体の、高速仕様の実施の形態の一例について説明する。
即ち、基板上に少なくとも第1保護層、相変化記録層、第2保護層、反射層を形成する。記録層は、Sbを主成分とし元素Mを含む相変化材料を用いる。ここで主成分とは、Sbを55原子%以上、好ましくは60原子%以上含むことを意味する。Sbを主成分とする相変化材料は、どのような組み合わせの元素を添加しても、核生成頻度はGeSbTe化合物系と比較すると低く、アモルファスマークを消去する際は、アモルファス又は液相と結晶との界面から中心部に向かって結晶成長が起こる。
相変化記録層の組成を、SbXZ(Xは元素M、ZはSn及び/又はIn)とすることにより、最高記録線速が6倍速以上の相変化型光記録媒体が得られる。Sn及び/又はInが含まれると、初期結晶化が容易になり均一な結晶が得られるし、結晶化速度も速くなる。顕著な効果を得るためには、Sn及び/又はInの添加量を5原子%以上とするのが好ましい。元素Mの濃度を内周部側を高くすることにより、内周部での再生エラーが少なく、記録領域全面でも再生エラーが少ない相変化型光記録媒体が得られる。
元素Mとしては、各元素特有の添加効果もあるので必要に応じて適宜選択する。
Gaを添加するとアモルファス化を促進し、再現性よくアモルファスマークを記録できるので、ジッター特性が良くなる。Gaを添加するとマーク中に結晶が発生する頻度が低くなり再生エラーが良くなるが、多すぎると結晶化速度が遅くなるので、DVD6倍速以上で記録したい場合は、15原子%以下とするのが好ましい。Biを添加すると結晶化速度を更に速くすることができる。しかし、Biは核生成を促進するため、多く添加しすぎると再生エラーが悪くなるので、5原子%以下とするのが好ましい。H、N、Oを添加すると結晶化速度を更に速くすることができる。Te、Se、Ag添加するとアモルファス生成能が上がるため、記録パワーが低めでも記録することが可能となり、記録感度を良くすることができる。Au、Al、Co、Mg、Caを添加すると記録層が酸化しにくくなり、長期保存後の結晶状態の変化が小さくなるため、保存信頼性が向上する。Niを添加すると、結晶化温度を下げる効果があるため、初期結晶化し易くなる。
相変化記録層の膜厚は10〜20nmが好ましく、10nmより薄いと光吸収能が低下し記録層としての機能を失うことがある。また20nmより厚いと記録感度が悪くなる。
記録層の形成は、スパッタリング法により行なうのが好ましい。スパッタリングターゲットの作製方法の一例を挙げると、予め仕込み量を秤量してガラスアンプル中で加熱溶融し、その後、これを取り出して粉砕機により粉砕し、得られた粉末を加熱焼結することによって円盤状のターゲットを得ることができる。
記録層に接する少なくとも1つの保護層にはZnS−SiOを用いるのが好ましい。本発明者等が見出した、ジッター特性が実用レベルにある記録線速範囲内で再生エラーが多くなる現象は核生成に起因する。そのため、再生エラーの発生は、記録層組成以外に、記録層に接する界面層にも関係する。そこで記録層に接する界面層の検討を行った結果、ZnS−SiO及び窒化物は核生成を抑え、再生エラーを少なくすることが分った。殆どの酸化物は核生成を促進し再生エラーが多くなってしまったが、SiOにZnSを混合したZnS−SiOは再生エラーが少なくなった。また、ZnS−SiO=60〜90:40〜10(モル%)としたとき、DVD6倍速以上で繰り返し記録可能であり、かつ再生エラーが少ない相変化型光記録媒体が得られた。
また、記録層に接する少なくとも1つの保護層に窒化物を用いるのが好ましい。窒化物に関しては、何種類か試したところ、特にAlN及びGeNの効果が顕著であった。
上記の結晶化に関する現象は、記録層及び界面での核生成や結晶成長速度によるので、レーザーの波長が変わっても同様の効果がある。また、生成された結晶が小さい場合、マーク長が長いCD−RWでは問題にならなかったのが、DVD+RW、更にはBlue−ray discとマーク長が短くなるほど影響が大きくなる。
相変化記録層の膜厚は10〜20nmが好ましく、10nmより薄いと光吸収能が低下し記録層としての機能を失うことがある。また20nmより厚いと記録感度が悪くなる。
記録層の形成は、スパッタリング法により行なうのが好ましい。スパッタリングターゲットの作製方法の一例を挙げると、予め仕込み量を秤量してガラスアンプル中で加熱溶融し、その後、これを取り出して粉砕機により粉砕し、得られた粉末を加熱焼結することによって円盤状のターゲットを得ることができる。
記録層の初期結晶化は、相変化型光記録媒体を10〜25m/sの範囲内の一定線速度で回転させ、パワー密度15〜40mW/μmで行うのが好ましい。初期結晶化の条件により繰返し記録初期特性が決まるが、高速結晶化の材料ほど、初期結晶化も高速で行なうのが良い。10m/s未満の線速では、大きな結晶粒が成長してしまうため、アモルファスマークエッジが不均一になり易く、ジッタ特性が悪化する。また、線速が25m/sを超えると、ディスクの追従性が悪化するため、反射率に分布が生じ易い。また、パワー密度15mW/μm以下では、パワー不足により均一な結晶が得られず、40mW/μm以上ではパワーが強すぎて繰返し記録特性が悪化する。
透明基板は、通常、表面にトラッキング用の案内溝を有し、直径12cm、厚さ0.6mmのディスク状のものを用いる。低吸水性、光学特性、加工性、コストなどの点から、ポリカーボネート基板が好適である。例えば、本発明をDVDに適用する場合、トラッキング用の案内溝は、ピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜40nm、溝幅0.2〜0.4μmの蛇行溝とすることが好ましい。特に溝を深くすることにより、光ディスクの反射率が下がり、変調度を大きくすることができる。
第一保護層の膜厚は、50〜250nm、好ましくは50〜100nmとする。厚すぎると製膜時に基板への熱ダメージが大きくなり、膜剥離が生じ易くなる。また、薄すぎると記録時の基板への熱ダメージが大きく、繰り返し記録特性が悪くなる。特に高速記録になるほど、安定なアモルファスマークを形成するには急冷しなければならないため高いパワーで記録することになるので、基板は大きな熱ダメージを受け易い。
第二保護層の膜厚は、5〜20nm、好ましくは5〜15nmとする。膜厚が薄い方が急冷構造となり高速記録でも変調度が大きくなるので好ましいが、5nmより薄いと記録感度が悪くなってしまう。再生エラーを少なくするという観点からも、第二保護層の膜厚は薄い方が良い。また、違う材料の層を2層以上組み合わせても良い。
反射層には、熱伝導率が高いAg、又はAg−In、Ag−Pd、Ag−Pd−Cu、Ag−Cu等のAg合金が適している。結晶化速度が速いと、アモルファスマーク周辺からの再結晶化が起こり易くなり、マークが細くなり、変調度が小さくなり易い。この再結晶化領域をなるべく小さくするには、再結晶化が起こる温度に保持される時間をなるべく短くした方が良いので、反射層に熱伝導率が高いAg又はAg合金を用いた急冷構造とするのが好ましい。
反射層の膜厚は140〜300nmが好ましい。高速記録では、膜厚が厚いほど変調度が大きくなるし、再生エラーを少なくするという観点からも、膜厚を厚くして、なるべく熱を逃がし易くするのが良い。したがって、140nm以上とすることが好ましいが、厚すぎると膜剥離が生じ易くなるので300nm以下が好ましい。
反射層にAg又はAg合金を用い、第二保護層にSを含む材料を用いる場合には、反射層と第二保護層の間に硫化防止層を設けるとよい。硫化防止層は第二保護層に含まれているSと反射層に含まれているAgの反応によるAgSの生成を防ぐ役割を果す。
好ましい材料としては、TiC、TiO、TiCとTiOの混合物、SiC、Si,SiO,Ta、Al等が挙げられる。特に、TiCとTiOの混合物を用いることにより、過酷な環境下でも膜浮きが発生しにくく、長期保存信頼性が良好な光記録媒体が得られる。
本発明によれば、最高記録線速が速く、広い記録線速範囲で記録する場合でも再生エラーが少なく、特に内周部での再生エラーが改善された相変化型光記録媒体とその製造用スパッタリングターゲット及びスパッタリング装置を提供できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1、比較例1
相変化型光記録媒体(ディスク)を次のようにして作製した。
トラックピッチ0.74μm、溝深さ27nmの案内溝を有する、直径12cm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板上に、スパッタリング法により、第1保護層、記録層、第2保護層、硫化防止層、反射層を順に製膜した。
第1保護層は、(ZnS)80モル%(SiO)20モル%をターゲットに用い、膜厚を60nmとした。
相変化記録層は、直径200mmで、半径位置に依存する組成勾配を設けたターゲットを用いた。即ち、ターゲットの中心の組成がSb67.6Sn14.4Ge18(原子%)、ターゲットの最も外側の組成がSb72.5Sn15.5Ge12(原子%)であり、それぞれの半径位置での平均組成をほぼ線形に変化させたターゲットを用いた。膜厚は14nmとした。
第2保護層は、(ZnS)80モル%(SiO)20モル%をターゲットに用い、膜厚を8nmとした。
硫化防止層は、(TiC)70重量%(TiO)30重量%をターゲットに用い、膜厚を6nmとした。
反射層は、Agをターゲットに用い、膜厚を200nmとした。
更に、反射層上に、スピナーでアクリル系硬化樹脂(大日本インキ社製SD318)を厚さ約8μm塗布した後、紫外線硬化させて有機保護膜を形成し、その上に、接着剤を用いて、直径12cm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を貼り合わせて実施例1の相変化型光記録媒体を得た。
この相変化型光記録媒体に対し、出力波長810nm、幅約1μm、長さ75μmのレーザー光にフォーカシング機能を付加したレーザーヘッドを有する初期化装置(日立CP社製POP120−7AH)を用いて初期結晶化を行なった。初期化条件は、レーザー出力1800mW、走査速度20m/s、ヘッド送り50μm/rとした。
オシロスコープにより初期結晶化後のRF信号を観察したところ、周内での反射率分布は小さく、初期結晶化は均一であった。
次いで、DVD用評価装置であるパルステック工業製DDU1000を用いて記録再生を行なった。マーク中に結晶が成長し再生エラーが悪くなるのは、最短マークである3Tマークが一番多いことが分っているため、マーク中に結晶が成長しているマークが存在する頻度を簡易的に調べるため、次のような評価を行った。
即ち、Yokogawa製のタイムインターバルアナライザ(TIA)を用いて2値化後のマーク長を検出した。図7に示すように正常な3Tマーク分布以外の2.5Tよりも短いマークがマーク中に結晶が成長している短マークである。
図1に示す記録ストラテジでオンパルス幅を固定し、オフパルス幅を変化させて、それぞれ3Tマークと3Tスペースが交互に配列する単一パターンを記録し、3Tウインドウエラー(=短マークの個数/正常なマークの個数)を測定し、最も大きい値を3Tウインドウエラー最大値とした。記録線速は、内周(半径位置23mm)で11.5m/s、中周(半径位置40mm)で21m/s、外周(半径位置56mm)で27.9m/sとし、繰り返し記録10回後の3Tウインドウエラー最大値を評価した。
一方、比較例1として、記録層の成膜に、組成が均一であるSb72.5Sn15.5Ge12(原子%)ターゲットを用いた点以外は、実施例1と同様にして相変化型光記録媒体を作成し初期化したのち、評価を行なった。
実施例1と比較例1の結果を図8に示す。図から分るように、比較例1では、内周に行くほど3Tウインドウエラー最大値が大きくなるのに対し、実施例1では、3Tウインドウエラー最大値が、内周、中周共に外周部と同等であり、内周及び中周のエラーを抑えることができた。
次に、比較例1に関して、最も3Tウインドウエラー最大値が悪かった半径位置23mmに、記録速度11.5m/sで3T単一パターンを記録し、この試料を日本電子製透過電子顕微鏡JEM−2010により、1万倍又は4万倍の倍率でマーク観察を行なった。その結果、殆どのマークは同じマーク形状であったが、およそ100個に1個の割合で、マーク中に結晶粒が成長し、アモルファス部分が小さく正常なマークよりも短いマークが観察された。図9に正常な3Tマーク形状、図10にマーク中に大きな結晶粒が成長している3Tマーク形状の模式図を示す。
実施例1に関しても同様な観察を行ったところ、1500個のマークについて、全てのマークの長さはほぼ同じであり、マーク中に大きな結晶粒が成長している短いマークは観察されなかった。
次に、比較例1に関して、ランダムパターンを記録し、同様にしてマーク観察を行なったところ、3T単一パターンと同様に、3Tマーク中に結晶が成長しているマークが時々観察されたが、3Tマーク以外でも、時々マーク中に結晶が成長しているマークが観察された。図11にマーク中に大きな結晶粒が成長している4Tマーク形状の模式図を示す。
実施例1に関しても同様な観察を行ったところ、1500個のマークについて、マーク中に大きな結晶粒が成長しているマークは観察されなかった。
実施例2、比較例2
相変化型光記録媒体(ディスク)を次のようにして作製した。
トラックピッチ0.74μm、溝深さ27nmの案内溝を有する、直径12cm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板上に、スパッタリング法により、第1保護層、記録層、第2保護層、硫化防止層、反射層を順に製膜した。
第一保護層は、(ZnS)80モル%(SiO)20モル%をターゲットに用い、膜厚を60nmとした。
相変化記録層は、直径100mmで組成がSb78In14Si(原子%)の中心ターゲットの外側に、内径100mm、外径200mmのドーナツ状で組成がSb84In15Si(原子%)のターゲットを配置した同心円状ターゲットを用い、膜厚を14nmとした。記録層の成膜は、図5〜図6に示すように、同心円状ターゲットの各々にマグネットを備えたマグネトロンスパッタリング装置を用いて行なった。内側のターゲットに強度の強いマグネットを用いた。図6は、図5のスパッタリング装置の配線図である。
第2保護層は、(ZnS)80モル%(SiO)20モル%をターゲットに用い、膜厚を8nmとした。
硫化防止層は、(TiC)70重量%(TiO)30重量%をターゲットに用い、膜厚を6nmとした。
反射層は、Agをターゲットに用い、膜厚を200nmとした。
続いて、実施例1と同様にして有機保護膜を形成し、その上にポリカーボネート基板を貼り合せて実施例2の相変化型光記録媒体を得たのち、初期結晶化を行なった。
オシロスコープにより初期結晶化後のRF信号を観察したところ、周内での反射率分布は小さく、初期結晶化は均一であった。
次いで、記録線速を、内周(半径位置23mm)で21m/s、中周(半径位置40mm)で32m/s、外周(半径位置56mm)で42m/sに変えた点以外は、実施例1と同様にして記録再生を行ない、繰り返し記録10回後の3Tウインドウエラー最大値を評価した。
一方、比較例2として、記録層の成膜に、組成が均一であるSb84In15Si(原子%)ターゲットを用いた点以外は、実施例2と同様にして相変化型光記録媒体を作成し初期化したのち、評価を行なった。
実施例2と比較例2の結果を図12に示す。図から分るように、比較例2では、内周に行くほど3Tウインドウエラー最大値が大きくなるのに対し、実施例2では、3Tウインドウエラー最大値が、内周、中周共に外周部と同等であり、内周及び中周のエラーを抑えることができた。
実施例3、比較例3
相変化型光記録媒体(ディスク)を次のようにして作製した。
トラックピッチ0.74μm、溝深さ27nmの案内溝を有する、直径12cm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板上に、スパッタリング法により、第1保護層、記録層、第2保護層、硫化防止層、反射層を順に製膜した。
第一保護層は、(ZnS)80モル%(SiO)20モル%をターゲットに用い、膜厚を60nmとした。
相変化記録層は、直径100mmで組成がGaSb68Sn18Ge(原子%)の中心ターゲットの外側に、内径100mm、外径200mmのドーナツ状で組成がGaSb70Sn17Ge(原子%)のターゲットを配置した同心円状ターゲットを用い、膜厚を14nmとした。成膜は、実施例2と同様の装置を用いて行なった。
第2保護層は、(ZnS)80モル%(SiO)20モル%をターゲットに用い、膜厚を8nmとした。
硫化防止層は、(TiC)70重量%(TiO)30重量%をターゲットに用い、膜厚を6nmとした。
反射層は、Agをターゲットに用い、膜厚を200nmとした。
続いて、実施例1と同様にして有機保護膜を形成し、その上にポリカーボネート基板を貼り合せて実施例3の相変化型光記録媒体を得たのち、初期結晶化を行なった。
オシロスコープにより初期結晶化後のRF信号を観察したところ、周内での反射率分布は小さく、初期結晶化は均一であった。
次いで、実施例1と同様にして記録再生を行ない、繰り返し記録10回後の3Tウインドウエラー最大値を評価した。
一方、比較例3として、記録層の成膜に、組成が均一であるGaSb70Sn17Ge(原子%)ターゲットを用いた点以外は、実施例3と同様にして相変化型光記録媒体を作成し初期化したのち、評価を行なった。
実施例3と比較例3の結果を図13に示す。図から分るように、比較例3では、内周に行くほど3Tウインドウエラー最大値が大きくなるのに対し、実施例3では、3Tウインドウエラー最大値が、内周、中周共に外周部と同等であり、内周及び中周のエラーを抑えることができた。
比較例4
記録層の成膜に、組成が均一であるGaSb68Sn18Ge(原子%)ターゲットを用いた点以外は、実施例3と同様にして相変化型光記録媒体を作成し初期化したのち、評価を行なった。
しかし、結晶化速度が遅いため、繰り返し記録したときにアモルファスマークを結晶化することができず、繰り返し記録10回後には殆どがアモルファスになってしまい、信号を読み取ることができなかった。
実施例4〜8
記録層のターゲット組成を下記のように変更した点以外は、実施例2と同様にして実施例4〜8の相変化型光記録媒体を得たのち、初期結晶化を行なった。
実施例4では、中心ターゲットにSb64.7Sn20.3Ge15(原子%)、外側のドーナツ状ターゲットにSb70Sn22Ge(原子%)を用いた。
実施例5では、中心ターゲットにSb72.9Sn19.1Mn(原子%)、外側のドーナツ状ターゲットにSb76Sn20Mn(原子%)を用いた。
実施例6では、中心ターゲットにSb71Sn14Zn15(原子%)、外側のドーナツ状ターゲットにSb75.2Sn14.8Zn10(原子%)を用いた。
実施例7では、中心ターゲットにSb71Sn14Zn15(原子%)、外側のドーナツ状ターゲットにSb75.2Sn14.8Zn10(原子%)を用いた。
実施例8では、中心ターゲットにSb67.1In18.9Se14(原子%)、外側のドーナツ状ターゲットにSb71In20Se(原子%)を用いた。
記録層の膜厚は、記録層のみを製膜して、分光エリプソメトリ(J.A.Woolam製WVASE32)により測定した。半径位置23m、40mm、56mmでの膜厚は、それぞれ14.5nm、14.1nm、14.3nmであり、ディスク全面で均一な膜厚になっていた。
オシロスコープにより初期結晶化後のRF信号を観察したところ、何れも周内での反射率分布は小さく、初期結晶化は均一であった。
次いで、実施例4と5については、実施例1と同様にして記録再生を行ない、繰り返し記録10回後の3Tウインドウエラー最大値を評価した。
また、実施例6と7については、記録線速を、内周(半径位置23mm)で21m/s、中周(半径位置40mm)で32m/s、外周(半径位置56mm)で42m/sに変えた点以外は、実施例1と同様にして記録再生を行ない、繰り返し記録10回後の3Tウインドウエラー最大値を評価した。
また、実施例8については、記録線速を、内周(半径位置23mm)で21m/s、中周(半径位置40mm)で38m/s、外周(半径位置56mm)で56m/sに変えた点以外は、実施例1と同様にして記録再生を行ない、繰り返し記録10回後の3Tウインドウエラー最大値を評価した。
実施例4〜8の結果を図14に示す。図から分るように、何れも、内周部から外周部までの記録領域全面で3Tウインドウエラーが小さく、内周部、中周部のエラーを抑えることができた。
実施例9、比較例5
相変化型光記録媒体(ディスク)を次のようにして作製した。
トラックピッチ0.74μm、溝深さ27nmの案内溝を有する、直径12cm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板上に、スパッタリング法により、第1保護層、第1相変化記録層、第2相変化記録層、第2保護層、硫化防止層、反射層を順に製膜した。
層構成の概略図を図15に示す。
第1保護層は、(ZnS)80モル%(SiO)20モル%をターゲットに用い、膜厚を60nmとした。
第1相変化記録層は、Siをターゲットに用い、ターゲットと基板の間に遮蔽版を設けた。分光エリプソメータ(J.A.Woollam製WVASE32)により、ディスク内周部と外周部のそれぞれの堆積速度を測定し、Siの膜厚が内周部で4nm、外周部で1nmになるように製膜を行った。
第2相変化記録層は、Sb77Sn23(原子%)をターゲットに用い、膜厚を13nmとした。
第2保護層は、(ZnS)80モル%(SiO)20モル%をターゲットに用い、膜厚を6nmとした。
硫化防止層は、(TiC)70重量%(TiO)30重量%をターゲットに用い、膜厚を6nmとした。
反射層は、Agをターゲットに用い、膜厚を200nmとした。
続いて、実施例1と同様にして有機保護膜を形成し、その上にポリカーボネート基板を貼り合せて実施例9の相変化型光記録媒体を得たのち、初期結晶化を行なった。
オシロスコープにより初期結晶化後のRF信号を観察したところ、周内での反射率分布は小さく、初期結晶化は均一であった。
次いで、実施例1と同様にして記録再生を行ない、繰り返し記録10回後の3Tウインドウエラー最大値を評価した。
一方、比較例5として、相変化記録層を1層だけにし、Sb77Sn23(原子%)をターゲットに用いて膜厚を14nmとした点以外は、実施例9と同様にして相変化型光記録媒体を作成し初期化したのち、評価を行なった。
実施例9と比較例5の結果を図16に示す。図から分るように、比較例5では、内周に行くほど3Tウインドウエラー最大値が大きくなるのに対し、実施例9では、3Tウインドウエラー最大値が、内周、中周共に外周部と同等であり、内周及び中周のエラーを抑えることができた。
実施例10、比較例6
第1相変化記録層のターゲットをGeに変え、Geの膜厚が内周部で5nm、外周部で1nmになるように製膜を行なうと共に、第2相変化記録層のターゲットをSb82In18(原子%)に変えた点以外は、実施例9と同様にして実施例10の相変化型光記録媒体を得たのち、初期結晶化を行なった。
オシロスコープにより初期結晶化後のRF信号を観察したところ、周内での反射率分布は小さく、初期結晶化は均一であった。
次いで、記録線速を、内周(半径位置23mm)で21m/s、中周(半径位置40mm)で32m/s、外周(半径位置56mm)で42m/sに変えた点以外は、実施例1と同様にして記録再生を行ない、繰り返し記録10回後の3Tウインドウエラー最大値を評価した。
一方、比較例6として、相変化記録層を1層だけにし、Sb82In18(原子%)をターゲットに用いて膜厚を14nmとした点以外は、実施例10と同様にして相変化型光記録媒体を作成し初期化したのち、評価を行なった。
実施例10と比較例6の結果を図17に示す。図から分るように、比較例6では、内周に行くほど3Tウインドウエラー最大値が大きくなるのに対し、実施例10では、3Tウインドウエラー最大値が、内周、中周共に外周部と同等であり、内周及び中周のエラーを抑えることができた。
実施例11、比較例7
第1相変化記録層のターゲットをTeに変え、第2相変化記録層のターゲットをSb84In16(原子%)に変えた点以外は、実施例9と同様にして実施例11の相変化型光記録媒体を得たのち、初期結晶化を行なった。
オシロスコープにより初期結晶化後のRF信号を観察したところ、周内での反射率分布は小さく、初期結晶化は均一であった。
次いで、記録線速を、内周(半径位置23mm)で21m/s、中周(半径位置40mm)で32m/s、外周(半径位置56mm)で42m/sに変えた点以外は、実施例1と同様にして記録再生を行ない、繰り返し記録10回後の3Tウインドウエラー最大値を評価した。
一方、比較例7として、相変化記録層を1層だけにし、Sb84In16(原子%)をターゲットに用いて膜厚を14nmとした点以外は、実施例11と同様にして相変化型光記録媒体を作成し初期化したのち、評価を行なった。
実施例11と比較例7の結果を図18に示す。図から分るように、比較例7では、内周に行くほど3Tウインドウエラー最大値が大きくなるのに対し、実施例11では、3Tウインドウエラー最大値が、内周、中周共に外周部と同等であり、内周及び中周のエラーを抑えることができた。
実施例12
実施例1の相変化型光記録媒体について、内周部は記録線速11.5m/s、外周部は記録線速27.9m/sとし、記録密度0.267μm/bit、EFM+変調方式でランダムパタンを記録し、80℃85%RH環境下に300時間保存した後、記録済みのマークを再生したときのデータ・ツー・クロック(data to clock)ジッタを評価した。結果を図19に示す。
図から分るように、低線速で記録した内周及び高線速で記録した外周共に、ジッターに変化はみられず、良好な保存特性を示した。
記録ストラテジを示す図。 アモルファス中に結晶が発生している記録マークの説明図。(a)記録マークの模式図、(b)再生信号、(c)2値化後の信号。 内周側で低速記録を行い、外周側で高速記録を行う場合の、記録半径位置と3Tウインドウエラーの関係を調べた図。 組成が異なるターゲットを同心円状に2個以上設けた例を示す図。 マグネトロンスパッタリング装置を示す図。 図5のスパッタリング装置の配線図。 正常な3Tマーク分布以外の2.5Tよりも短いマークの分布を示す図。 実施例1と比較例1の記録半径位置と3Tウインドウエラー最大値の関係の評価結果を示す図。 正常な3Tマーク形状を示す模式図。 マーク中に大きな結晶粒が成長している3Tマーク形状の模式図。 マーク中に大きな結晶粒が成長している4Tマーク形状の模式図。 実施例2と比較例2の記録半径位置と3Tウインドウエラー最大値の関係の評価結果を示す図。 実施例3と比較例3の記録半径位置と3Tウインドウエラー最大値の関係の評価結果をを示す図。 実施例4〜8の記録半径位置と3Tウインドウエラー最大値の関係の評価結果をを示す図。 実施例9の相変化型光記録媒体の層構成を示す図。 実施例9と比較例5の記録半径位置と3Tウインドウエラー最大値の関係の評価結果をを示す図。 実施例10と比較例6の記録半径位置と3Tウインドウエラー最大値の関係の評価結果をを示す図。 実施例11と比較例7の記録半径位置と3Tウインドウエラー最大値の関係の評価結果をを示す図。 実施例12のデータ・ツー・クロックジッタの評価結果を示す図。
符号の説明
Pw 記録パワー
Pe 消去パワー
Pb バイアスパワー
T 基本クロック周期
A 正常なマーク
B アモルファス中に結晶が成長しているマーク
C 正常なマーク

Claims (16)

  1. 光ビームを照射することにより記録層に相変化を生じさせて情報を記録する光記録媒体において、記録層が、主成分のSbと原子半径がSbよりも小さい元素(以下、元素Mという)を含み、元素Mの濃度が面内方向で異なることを特徴とする相変化型光記録媒体。
  2. 元素Mの濃度は、内周部側よりも外周部側の方が低く設定されていることを特徴とする請求項1記載の相変化型光記録媒体。
  3. 元素Mが、Ge及び/又はSiであることを特徴とする請求項1又は2記載の相変化型光記録媒体。
  4. 少なくとも、基板と、Sbを主成分とし元素Mを含まない第1相変化記録層と、該記録層に接し、面内方向に膜厚分布を持ち、原素Mを含みSbを含まない第2相変化記録層を有することを特徴とする請求項1記載の相変化型光記録媒体。
  5. 第2相変化記録層の膜厚は、内周部側よりも外周部側の方が薄いことを特徴とする請求項4記載の相変化型光記録媒体。
  6. 溶融初期化により第2相変化記録層材料が第1相変化記録層に拡散した状態にあることを特徴とする請求項4又は5記載の相変化型光記録媒体。
  7. 元素Mが、Ge及び/又はSiであることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の相変化型光記録媒体。
  8. 主成分のSbと元素Mを含み、元素Mの濃度に面内分布があることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  9. 元素Mの濃度は、内周部側よりも外周部側の方が低く設定されていることを特徴とする請求項8記載のスパッタリングターゲット。
  10. 元素Mが、Ge及び/又はSiであることを特徴とする請求項8又は9記載のスパッタリングターゲット。
  11. 組成が異なるターゲットが同心円状に2個以上設置され、各ターゲットのスパッタ率を調整する手段を備えたことを特徴とするスパッタリング装置。
  12. 各ターゲットに対応するマグネトロン装置を備え、スパッタ率を調整する手段が、マグネトロン装置のマグネットであることを特徴とする請求項11記載のスパッタリング装置。
  13. 中心部に配置されたターゲットが円盤状であり、それ以外のターゲットは中心部に配置されたターゲットと中心が同じ輪状であることを特徴とする請求項11又は12記載のスパッタリング装置。
  14. 組成が異なるターゲットは、Sbを主成分として元素Mを含み、ターゲットによって元素Mの濃度が異なることを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載のスパッタリング装置。
  15. 中心部に配置されたターゲットの元素Mの濃度が最も高く、外側に配置されたターゲットほど元素Mの濃度が低いことを特徴とする請求項14記載のスパッタリング装置。
  16. 元素Mが、Ge及び/又はSiであることを特徴とする請求項11〜15の何れかに記載のスパッタリング装置。
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