JP2006255595A - 塗料廃棄物のリサイクル方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 本発明は、塗料滓を化学原料としてリサイクルするための技術に関する。塗料滓を化学原料とする際の事前処理の方法を提供するものである。
【解決手段】 塗料廃棄物を適正なサイズに分解した後に、廃プラスチックと混合して、この混合物を押し込み装置で貫通ノズルから押し出す型式の圧縮式成形装置4などにて、粒状物とし、当該粒状物を熱処理装置の原料としてリサイクルする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗装作業で発生する塗料滓や容器内で固化した塗料を化学原料としてリサイクルする方法に関する。
塗料は一般的に、天然又は合成有機物を主体とする物質であり、化学成分は種々あるが、一般には、高分子有機物が主体の有機物と無機物の混合物である。発色、耐候性等の要求事項にともない有機物の配合比率や無機物の混在比率が異なることから、塗料の種類は多い。塗料は、塗装前には流動性のある状態であり、又、塗装後に固化する性質を持っている。従って、固着することや塊になりやすいなど塗装作業完了後の塗料は扱いにくい物質であり、再利用には特別の処置が必要である。
塗装工程の作業では、塗装に際して、塗料の残りが流れ落ちたものや飛散物が発生する。一般には、流動性のあるうちに専用容器に集めることや、水との混合物とされてスラッジ状の物質として集めて、これらを廃棄物とし焼却処理されることが行われていた。又、容器の内部で固化した塗料は、容器から出されて、これも廃棄物(以下、「塗料滓」と呼ぶことがある)として処理されていた。ただし、一部の塗料滓を所定の大きさに裁断して、これを木屑などと混合して、燃料(いわゆるRDF)として使用されることが行われている。このように、塗料滓は、ただ単に焼却処理されるか、一部のエネルギーが熱回収されるにすぎなかった。
しかし、近年においては、社会的に省資源、省エネルギーの観点から、資源リサイクルが強力に推進されており、塗料滓をプラスチック原料や燃料とすることにより、熱エネルギーを回収することが行われていた。これらの目的に即した処理においては、塗料滓を破砕、異物除去を行った後に、目的に即した加工を行い、プラスチック等の材料や燃料とされていた。
塗料滓を有効利用する際の問題としては、幾つかある。第一に、塗装作業が終了した後に塗料は迅速に固化することから、塗料廃棄物(以降、塗料滓と称する)は比較的大きな塊又はスラッジ状となる。このため、リサイクルするために必要な形状とすることが困難である。第二に、塗料は複数の有機物の混合物であり、色も種々であることから、再度、塗料としてリサイクルすることが困難である。第三には、他の有機物であるプラスチックとの樹脂混合物としてリサイクルする方法においては、リサイクル製品の物性を悪化させる問題があった。
塗料滓には、以上のような問題があるので、従来から、効率的なリサイクルのための方法が考案されてきた。例えば、特許文献1や特許文献2の方法では、塗料滓を乾燥、粉砕、選別などの工程で処理することによって得た粒状物と熱硬化樹脂などを混合して、これを型に入れて成形する処理が示されている。ただし、この方法では、製品中の塗料滓の比率を10質量%程度以上とすると、製品の表面が乱雑となり、又、強度や展性などの機械的な物性が悪化する問題があった。従って、再生品の用途が限られることから、販売量が限られている問題も起因して、塗料滓を大量に処理する場合には、製品の販売量が処理に追従して増加しない問題が発生していた。
このような製品販売の問題を解決する方法として、特許文献3では、加熱溶融した有機媒体中に、塗料滓を含む有機廃棄物を浸漬して、低比重のポリマーを浮遊させて、これを高炉に吹き込む処理の方法が示されている。この方法では、塗料滓だけでなく、ポリ塩化ビニルの廃棄物や雑多な合成有機物のリサイクルも可能な方法である。しかし、この方法では、処理に200℃前後の高温の有機溶媒を用いることから、処理装置が高価であり、また、処理のためのエネルギー消費が多い問題もあった。また、高温有機溶媒内での反応により、チャー等の炭素を多く含む残留物が発生して、この利用が困難となる問題があった。
従って、塗料滓をリサイクルする従来技術では、以上に述べたような技術的、経済的な問題があった。この問題を解決して、塗料滓を環境的に安全に、かつ、大量に経済的な処理が行える新しい技術が求められてきた。
特開平11−293028号公報 特開平11−269301号公報 特開2000−117740号公報
本発明は、上記の技術的問題を解決するためになされたものであり、以下の(1)乃至(7)に示す通りである。
(1)塊状の塗料廃棄物を、発生箇所や中間処理場等で、適正なサイズにした後に、これを油化物、水素ガス、一酸化炭素ガス、炭素を回収するリサイクル熱処理装置の原料とすることを特徴とする塗料廃棄物のリサイクル方法。
(2)スラッジ状、又は、塊状の塗料廃棄物を適正なサイズにした後に、これにポリエチレンを含む廃プラスチックと混合して、圧縮式成形装置にて、この混合物を粒状物とし、当該粒状物を熱処理装置の原料とすることを特徴とする塗料廃棄物のリサイクル方法。
(3)塗料廃棄物のサイズを調整した後に、これを分級して、熱処理装置での反応に所定サイズのものをそのままで熱処理装置の原料とすること、及び、所定サイズ以下の塗料廃棄物とポリエチレンを含む廃プラスチックと混合して、この混合物を圧縮式成形装置にて粒状物とし、当該粒状物を熱処理装置の原料とすることを特徴とする塗料廃棄物のリサイクル方法。
(4)押し込みスクリュー又は押し込みローラーを用いて、貫通ノズルから物質を押し出す型式の圧縮式成形装置を使用することを特徴とする前記(2)又は(3)記載の塗料廃棄物のリサイクル方法。
(5)圧縮式成形装置で処理する際に、使用する塗料廃棄物の90%の最大長を貫通ノズルの直径の100%以下とし、かつ、容積の1/3剰で計算される代表長の平均値を貫通ノズルの直径の50%以下とすることを特徴とする前記(4)記載の塗料廃棄物のリサイクル方法。
(6) 塗料廃棄物と廃プラスチックとの混合物中のポリエチレン比率が10質量%以上であることを特徴とする前記(4)又は(5)記載の塗料廃棄物のリサイクル方法。
(7) 熱処理装置として、コークス炉、高炉、ガス化炉、又は、油化装置を用いることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれか記載の塗料廃棄物のリサイクル方法。
本発明を用いて行った塗料滓のリサイクル処理では、熱化学的な反応により、水素、一酸化炭素、メタン、ベンゼン、炭素等の化学原料や燃料となるガスや油が製造できた。このガスや油をプラスチックや塗料などの製品にリサイクルすることができて、省資源と環境負荷低減の効果が発揮できた。
本発明で使用する塗料滓は、主として、高分子有機物から構成されるもの、高分子有機物と無機物から構成されるものの両者である。又、対象となる塗料滓の形状は問わないものの、主として以下の形状ものである。流動性のある塗料が固化して塊状となったものであり、最大で1メートル程度となったものも含む。水や有機溶剤と混合しており、スラッジ状となったものである。また、塗料缶などの底に溜まって固化した塗料なども処理できる。
固化した塗料滓の処理方法を説明する。本発明では、固化した塗料滓を破砕して、必要があれば、成形装置を用いて、熱処理装置で反応させやすいサイズとする。熱処理装置で反応させやすい適正なサイズとは、例えば(コ
コークス炉を用いる場合は、10〜50mm、噴流式ガス化炉を用いる場合は、5〜15mm、油化設備を用いる場合は、10〜30mmである。
固化した塗料滓を熱処理装置で反応させやすいサイズに調整する手段は特に限定されないが、例えば(コメント:適正なサイズに調整する手段を例示して下さい)
押し出し式成形機の貫通ノズルから押し出して、決まった径の円筒状の成形物を製造する方法や、窪みが付いたローラーで圧縮成形して、ブリケッとを製造する方法など
を挙げることができる。
ついで、適正なサイズに調整した塗料滓を、熱処理装置で反応させる。ここで、本発明が適用できる熱処理装置は、コークス炉、高炉、ガス化炉、油化装置などである。これらの装置では、塗料滓を熱的に処理して、炭化水素を含む油化物、水素ガス、一酸化炭素ガスを得る。なお、塗装工場などでの回収方法によっては、固化した塗料滓は、最大で500mmから1mの大きさのものもあるため、熱処理装置で処理する前に、十分に固化させた後に、破砕することが必要なことが多い。
本発明を実施する装置の例を図1に示す。この装置では、2軸式の破砕機1によって、後工程の設置されている成形機4にとって適正なサイズまで塗料滓を破砕する。必要があれば、更に、破砕された塗料滓をスクリーン2で分級して、成形機4に適正な大きさの上限以上の塗料滓を分離して、これを、直接、熱処理装置に送り、化学原料とする場合もある。また、これを破砕機1に戻し、再度、破砕する場合もある。なお、発生場所で回収された際の塗料滓の大きさによっては、破砕を行わない場合もある。この塗料滓を、廃プラスチック備蓄槽3から払いだされた廃プラスチックと混合して、成形機4に送り、成形物を製造する。成形機4は、貫通ノズル押し出し式のものを使用することが良い。代表的な型式は、押し込みスクリュー又は押し込みローラーを用いて貫通ノズルから、物質を押し出す型式の圧縮式成形装置である。
固化した塗料滓と廃プラスチックを混合して、成形する理由は以下のとおりである。塗料滓が熱処理装置に適正な大きさよりも小さい場合では、成形する必要がある。ただし、固化した塗料滓単独では、成形物を製造することができないため、塗料滓のバインダーとして、廃プラスチックを使用する。成形処理においては、ポリエチレン等の100℃程度で軟化する熱可塑性プラスチックが混合していると、特に効果的である。固化した塗料滓を使用する際には、塗料滓と廃プラスチックとの混合物中の塗料滓比率は50質量%以下が望ましい。なぜならば、固化した塗料滓間の結合には、熱軟化性プラスチックが必要であり、50質量%以上の塗料滓を含む場合は、塗料滓間に熱軟化性プラスチックが入り込む確率が低下する問題が起きる。この結果、成形物の結合が悪化する。
また、塗料滓と廃プラスチックの混合物の質量に対して、ポリエチレンが混合されている場合は、成形性が良く、製造された成形体の硬度が高いことを確認した。つまり、100℃程度で軟化するポリエチレンが成形時にバインダーの働きをすることから、強度の高い成形物を製造できる。本発明者らの実験では、ポリエチレンの比率が10質量%以上の比率で条件では、本発明の効果が大きい。
本発明において、これらの型式の成形機4では、塗料滓は成形機4の貫通ノズル直径に適合した大きさであることが重要である。従って、塗料滓の最大長と代表長を制約することが有効である。ここで、成形機4に適正なサイズとは、90%の塗料滓の最大長が成形機4の貫通ノズル直径の100%以下であり、また、平均の代表長(容積の1/3乗で定義される値)が貫通ノズル直径の50%以下である。塗料滓の最大長が貫通ノズル径以上であると、貫通ノズルを塗料滓が通過できないことが起きる。本発明者らの研究では、90%の塗料滓の最大長が貫通ノズル直径以下であれば、この問題が起きなかった。また、この条件を満たしている場合でも、平均的に大きい塗料滓が多くある場合は、貫通ノズルを塗料滓が通過できない現象が起きやすい。本発明者らが行った処理では、容積が大きい塗料滓が多い場合は、貫通ノズル詰まりの問題が大きくなることが確認された。特に、平均の代表長が貫通ノズル直径の50%以上である場合は、10〜30分の処理でも貫通ノズル詰まりが起きていた。ただし、平均の代表長が貫通ノズル直径の50%以下である場合は、この問題は小さく、数時間の処理でも貫通ノズル詰まりが起きなかった。
破砕後にそのまま使用する塗料滓の粒と成形機4で製造する成形物の適正な大きさは、熱処理装置によって異なる。各熱処理装置にとって、適正な大きさとは、以下のとおりである。コークス炉では5〜80mm程度、高炉では3〜12mm程度、ガス化炉と油化装置では5〜50mm程度である。したがって、塗料滓の破砕後の適正な大きさの評価は、代表長で上記の大きさの範囲の中となるようにする。なお、処理方法や装置の特性等の条件差によっては、上記の範囲範囲内で更に適正な値とすることがある。
スラッジ状塗料滓を処理する方法について説明する。有機溶媒を含有しているスラッジ状塗料滓を処理する場合は、まず、有機溶媒を気化させて、塗料滓の付着性を低下させる。この状態となった段階で、塗料滓を塊状塗料滓の場合と同様の大きさに分解する。この際に使用する装置は、シャー式の切断機等を使用することが良い。次に、水を多く含むスラッジ状塗料滓を処理する場合は、まず、塗料滓を乾燥する。水分が10〜25質量%程度で、付着性が少なく、かつ、粉々になっていない段階で、塗料滓を塊状塗料滓の場合と同様の大きさに分解する。これをシャー式の切断機等で所定の大きさにする。これらの塗料滓のうち、熱処理装置に適正な大きさのものは、そのまま熱処理炉で反応させる。所定の大きさようりも小さいものは、廃プラスチックと混合して、成形物を製造して、これを熱処理炉で反応させる。場合によっては、全ての塗料滓を廃プラスチックと混合して、成形物を製造することもある。
以上の方法で製造された塗料滓片や成形物を熱処理装置で熱化学処理する。コークス炉では、塗料滓片や成形物と石炭を混合して、これを炭化室に入れて、常温から1100℃程度まで加熱する。この過程で、無酸素状態の炉内で、塗料滓片や成形物は熱分解反応して、水素、炭化水素、炭素、その他に分解されて、各々を塗料、薬品、プラスチックなどの化学原料や燃料となる。なお、高炉では、塗料滓片や成形物を空気と一緒に羽口から下部の炉内に供給して、塗料滓片や成形物と空気中の酸素とを反応させて、水素と一酸化炭素を製造して、これを用いて、鉄鉱石を還元する。ガス化炉では、塗料滓片や成形物を酸素(場合によっては、水蒸気も混合する)を炉内に供給して、塗料滓片や成形物と酸素とを(場合によっては、水蒸気とも)反応させて、水素と一酸化炭素を製造して、これをアンモニアやメチルアルコールなどの化学品の原料することや燃料とすることが行われる。また、油化装置では、無酸素状態で、塗料滓片や成形物を200〜450℃で溶解して、これを分溜して、炭化水素油や炭素を製造して、これを化学原料や燃料とする。
これらの熱処理装置では、塗料滓をより低分子の化学種に分解させることから、雑多な有機物の混合物である塗料滓でも、品質等の問題がない化学原料が得られる。従って、本発明では、種類を問わず、雑多な塗料滓の混合物でも、高収率でリサイクルすることができる。
実施例
本発明の方法で、塗料滓をリサイクル処理した実施例を示す。中間処理である破砕と成形に使用した装置は図1に示すものである。熱処理装置は、コークス炉、高炉、ガス化炉の3種類を用いた。また、表1に示す塗料滓及び廃プラスチックを処理に用いた。塗料滓1は、油性ペイントが固化したものであり、中間処理の時点では、300〜500mmの塊となったものであった。化学成分は、炭素63質量%、水素7質量%、酸素4質量%を含むもので、又、灰分18質量%であった。塗料滓2は、水性塗料であり、水分が約35質量%のスラッジ状となったものであった。化学成分は、炭素71質量%、水素9質量%、酸素5質量%を含むもので、又、灰分12質量%であった。
実施例1では、破砕機1で、平均の代表径が10mmとなるように、塗料滓1を破砕した。その後に、篩2の20mmのスクリーン目で分級して、スクリーン下に最大長が20mm以上のものの比率が5%のものを集めるようにした。この際に、塗料滓の代表径は7mmであり、また、代表径が10mm以上のものの比率は10%以下であった。篩上に残留した塗料滓の粒状物の代表径は19mmであった。
スクリーン下で回収された塗料滓を廃プラスチック1と混合した。混合比率は、塗料滓1が15質量%で、廃プラスチック1が85質量%であった。混合物は、全体の質量に対して、ポリエチレンを16質量%含んでいた。なお、廃プラスチック1も破砕後に、やはり20mmのスクリーン目の篩で分級したものであった。20mmの直径の貫通ノズルを35個有する押し出し成形装置である成形機4にて、この混合物を成形した。成形時の混合物の温度は、115〜120℃であり、ポリエチレンは軟化する温度とした。この処理で得られた成形物は、見掛け密度が0.67kg/リットルと比較的高密度であり、また、コンベアで600mの間を搬送した際の3mm以下の粉が発生する率は7%と良好であった。
この方法で製造した塗料滓の粒状物と成形物を混合して、更に、粘結性を有する石炭と混合した。この混合物をコークス炉の炭化室に供給した。混合比率は、塗料滓の粒状物と成形物の合計が3.5質量%であり、石炭が96.5質量%であった。この熱処理では、20時間かけて、最高温度1130℃で、石炭、粒状物、及び、成形物を乾留処理した。この処理では、水素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、オクタン、ベンゼン、トルエンを主体とする気化物と炭素が回収された。廃プラスチックと塗料滓の質量に対するこれらの回収物の収率は98〜99.5%であった。水素、メタン、エタン、エチレン、プロパン等は、発電所の燃料ガスとして利用され、また、オクタン、ベンゼン、トルエン等は、石油製品の中間体の代替物として利用された。これは、プラスチック、塗料、溶剤などの製品となった。製造された炭素は、石炭起因のコークスと一体化して、高炉還元剤として利用された。
実施例2では、破砕機1で、塗料滓1を平均の代表径が4mmとなるように破砕した。この破砕物を篩2にて、代表径が5mm以上のものの比率が8%で、かつ、最大長が10mm以上のものの比率が10%以下とした。篩2のスクリーン上に残った塗料滓は再度破砕した。この破砕物を廃プラスチック1と混合した。混合比率は、塗料滓1が25質量%であり、廃プラスチック1が75質量%であった。この混合物を貫通ノズル径10mmの押し出し成形装置である成形機4で成形して、成形物を製造した。成形物の見掛け密度は0.74kg/リットルと良好であった。また、成形機4から製鉄用高炉の間の輸送距離は125mであって、この間を気流搬送で送った、この気流搬送における粉(2mm以下)の発生比率は4%と低かった。
この成形物を、日産7000トンの製鉄用高炉の羽口から炉内に吹き込んだ。吹き込んだ量は、毎時4.6トンであり、銑鉄1トン当り19kgであった。羽口近傍で、この成形物は熱風中の酸素と反応して、一酸化炭素と水素を発生した。この一酸化炭素と水素が、高炉炉内の鉄鉱石の一部を還元した。高炉炉内では、一酸化炭素と水素の約70%が鉄鉱石の還元反応に寄与していた。残りの一酸化炭素と水素は、ガス回収配管で集められて、製鉄所のボイラー燃料となった。この反応によって、高炉のコークスが銑鉄1トン当り13kg削減された。
実施例3では、塗料滓2を用いた。塗料滓2は、水分を多く含み、スラッジ状であったため、厚みが150〜200mmの塊となるように事前処理した後に、屋内保管場所にて、乾燥空気を当てて、10日間、乾燥した。乾燥後の塗料滓2の水分は15〜20質量%であった。この塊をシャー式切断機で裁断して、50〜100mmの大きさの粒とした。この粒と廃プラスチック2の混合物を製造して、破砕機にかけた。この破砕機で作られた破砕物は、20mmのスクリーンから機外に排出された。破砕物に含まれる塗料滓の平均の代表長は5mmであり、平均の最大長は9mmであった。また、破砕後の廃プラスチック2の90%は最大長が15mm以下であった。なお、廃プラスチック2は、ポリエチレンを37質量%含むものであった。
この混合物を貫通ノズル径は15mmである押し出し式の成形機4で成形した。成形温度は100〜105℃であった。成形物の見掛け密度は0.69kg/リットルと良好であった。この成形物を酸素と水蒸気を用いるガス化炉に供給した。この際に、成形装置からガス化炉まで110mを気流搬送した。この気流搬送における粉(2mm以下)の発生比率は7%と低かった。ガス化炉では、炉内温度700〜850℃で毎時10トンの処理を行い、水素と一酸化炭素を多く含むガスを製造して、これをアンモニア原料とした。
本発明により、塗料廃棄物を熱処理装置の原料として、効率的に化学原料等にリサイクルすることができる。
また、熱処理により発生するガスや油をプラスチックや塗料などの製品にリサイクルすることができて、省資源、省エネルギーと環境負荷低減の効果が発揮できる。
本発明を実施する装置の概略図であり、塗料滓を破砕し、成形する装置を示す。
符号の説明
1 破砕装置
2 スクリーン
3 廃プラスチック備蓄槽
4 成形機

Claims (7)

  1. 塊状の塗料廃棄物を適正なサイズにした後に、熱処理装置の原料として熱化学処理することを特徴とする塗料廃棄物のリサイクル方法。
  2. スラッジ状、又は、塊状の塗料廃棄物を適正なサイズにした後に、ポリエチレンを含む廃プラスチックと混合して、圧縮式成形装置にて、この混合物を粒状物とし、当該粒状物を熱処理装置の原料として熱化学処理することを特徴とする塗料廃棄物のリサイクル方法。
  3. 塗料廃棄物のサイズを調整した後に、これを分級して、所定サイズのものをそのまま熱処理装置の原料とすること、及び、所定サイズ以下のものを、ポリエチレンを含む廃プラスチックと混合して、この混合物を圧縮式成形装置にて、粒状物とし、当該粒状物を熱処理装置の原料として熱化学処理することを特徴とする塗料廃棄物のリサイクル方法。
  4. 押し込みスクリュー又は押し込みローラーを用いて貫通ノズルから、物質を押し出す型式の圧縮式成形装置を使用することを特徴とする請求項2又は3記載の塗料廃棄物のリサイクル方法。
  5. 塗料廃棄物と廃プラスチックを圧縮式成形装置で処理する際に、90%の塗料廃棄物の最大長を貫通ノズルの直径の100%以下、かつ、容積の1/3剰で計算される代表長の平均値を貫通ノズルの直径の50%以下とすることを特徴とする請求項4記載の塗料廃棄物のリサイクル方法。
  6. 塗料廃棄物と廃プラスチックとの混合物中のポリエチレン比率が10質量%以上であることを特徴とする請求項4又は5記載の塗料廃棄物のリサイクル方法。
  7. 熱処理装置として、コークス炉、高炉、ガス化炉、又は、油化装置を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の塗料廃棄物のリサイクル方法。
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