JP2006255540A - 金属材料の塗装方法 - Google Patents

金属材料の塗装方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006255540A
JP2006255540A JP2005074140A JP2005074140A JP2006255540A JP 2006255540 A JP2006255540 A JP 2006255540A JP 2005074140 A JP2005074140 A JP 2005074140A JP 2005074140 A JP2005074140 A JP 2005074140A JP 2006255540 A JP2006255540 A JP 2006255540A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surface treatment
coating
film layer
metal material
metal element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005074140A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaomi Nakayama
隆臣 中山
Hiroyuki Sato
裕之 佐藤
Noriyuki Ogasaka
紀之 小賀坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority to JP2005074140A priority Critical patent/JP2006255540A/ja
Publication of JP2006255540A publication Critical patent/JP2006255540A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

【課題】粉体塗装または固体潤滑塗装を用いた場合に、塗膜の密着性および耐食性のいずれにも優れる金属材料の塗装方法の提供。
【解決手段】金属材料の表面に、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層を析出させる表面処理を施す表面処理工程と、前記表面処理工程後、前記表面処理皮膜層上に粉体塗装または固体潤滑塗装を行う塗装工程とを具備する金属材料の塗装方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜の密着性および耐食性に優れる金属材料の塗装方法に関する。
昨今の環境に対する配慮の高まりから、塗料からのVOCの排出が全くなく、かつ、余分に使用された塗料の回収効率が極めて高い粉体塗装方法が見直されている。粉体塗装方法には、熱可塑性および熱硬化性の粉体塗料を被塗物に直接スプレーする方法、静電気を利用した粉体静電吹き付け法、被塗物を加熱した状態で粉体塗料の流動層に入れ粉体塗料を融着させる流動浸せき法等の種々の方法が知られている。
粉体塗装は、いずれの方法も、一般の溶剤塗装と比較して膜厚が格段に厚くなるという特徴を有している。また、膜厚が厚く、かつ、塗料が粉体であるために、平滑な塗装外観を得るためには、塗装後に高温で長時間焼き付ける必要がある。
また、粉体塗装とは異なる用途ではあるが、一般に固体潤滑塗装と呼ばれる、二硫化モリブデンやフッ素樹脂系の溶剤塗装を行う場合にも、目的とする潤滑性能を得るためには、塗膜の膜厚を厚くし、かつ、塗装後に高温で焼き付ける必要がある。
これらの塗装系に共通した問題として、塗装後の塗膜と金属材料表面との間の密着性の不足および塗装後の耐食性の不足が挙げられる。密着性の不足は、塗膜が厚いことによって、焼き付け硬化時に塗膜内に大きな収縮応力が生じること、および、塗装下地処理がリン酸亜鉛処理である場合には、焼き付け温度が高温であるためにリン酸亜鉛結晶からの脱水反応が起き、皮膜が破壊されることに起因する。
耐食性の不足に関しては、粉体塗装の場合には、塗料設計の関係上、一般に用いられる防錆顔料を塗料中に配合しにくいことに起因する。また、固体潤滑塗装の場合には、一般の溶剤塗料に近い防錆設計を行うことが可能ではあるが、塗装後の潤滑性能および塗膜焼き付け温度の関係上、一般の塗装下地として用いられる耐食性に優れるリン酸亜鉛処理を施すことができないことに起因すると推測されている。
従来、塗装下地処理であるリン酸亜鉛処理皮膜の塗装後の密着性および耐食性を向上させる手法として、6価クロムを含有する水溶液による後処理が用いられてきたが、昨今では、6価クロムの有害性の観点からクロムを含まない様々な後処理方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、シランカップリング剤水溶液を用いたリン酸亜鉛処理の後処理方法が記載されている。また、特許文献2には、Cuを含有する水溶液でリン酸亜鉛処理後に後処理を行う方法が記載されている。また、特許文献3には、水と、フルオロ金属酸アニオンと、リン酸塩アニオンと、2価又は4価の金属カチオンと、ポリヒドロキシルアミノメチル置換のビニルフェノールポリマーとを含有する後処理液が記載されている。
しかしながら、上述したいずれの方法においても、6価クロムを使用しない後処理でリン酸亜鉛処理皮膜の塗装後の耐食性や密着性が改善されるが、粉体塗装や固体潤滑塗装の場合の密着性および耐食性を改善するものではなかった。
そこで、粉体塗装時の密着性を改善する方法として、特許文献4においては、表面がリン酸塩処理液で処理された金属材料を、特定のフェノ−ル化合物誘導体を含む水溶液で処理し乾燥後、次いで粉体塗装をすることを特徴とする金属材料の塗装方法が提案されている。この方法を用いることによって、粉体塗装における密着性と耐食性の問題が向上する。
しかしながら、塗装下地処理としてリン酸亜鉛処理皮膜を用いている限り、高温焼き付け時のリン酸亜鉛皮膜結晶からの脱水反応による皮膜破壊は避けられず、根本的な原因を解決するには至っていない。また、特許文献4中に記載はないが、固体潤滑塗装に上記方法を適用した場合には、塗装後の使用環境下において塗膜表面が高面圧、高加重、更には高温下にさらされるため、下地であるリン酸亜鉛皮膜結晶の破壊が起こり、塗膜のはく離が生じることがある。
上述したとおり、リン酸亜鉛処理を用いる限り、耐熱性の問題が避けては通れない。そこで、塗装焼き付けや、塗装後の使用環境において高温下にさらされる場合には、塗装下地としてリン酸鉄皮膜処理が採用されることが多い。リン酸鉄皮膜は非晶質であるため、リン酸亜鉛皮膜と比較すると耐熱性に優れており、粉体塗装との組み合わせで広く用いられている。
しかしながら、リン酸鉄皮膜は、塗装後の耐食性がリン酸亜鉛皮膜よりも著しく低いため、塗装後の製品の使用場所が室内に限られる場合が多い。
また、リン酸カルシウム皮膜結晶は、同じ結晶質でありながら、リン酸亜鉛皮膜結晶よりも耐熱性に優れる。また、リン酸マンガン皮膜結晶は機械的強度に優れる特性を持っている。したがって、固体潤滑塗装の場合には、下地処理としてリン酸カルシウム皮膜やリン酸マンガン皮膜が用いられる場合が多い。
しかしながら、いずれの処理方法も塗装下地処理用のリン酸亜鉛処理と比較すると耐食性に劣り、密着性に関しても改良の余地を残している。
以上詳細に述べたとおり、粉体塗装や固体潤滑塗装における密着性および耐食性の問題を解決できる従来技術はなかった。したがって、これまでは、いずれかの性能を犠牲にしてこれらの塗装が施されてきたのである。
特開昭52−80239号公報 特開平7−150393号公報 特開平11−6077号公報 特開2001−9365号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決すること、即ち、粉体塗装または固体潤滑塗装を用いた場合に、塗膜の密着性および耐食性のいずれにも優れる金属材料の塗装方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、上記従来技術の問題を解決する新たな塗装方法を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)金属材料の表面に、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層を析出させる表面処理を施す表面処理工程と、
前記表面処理工程後、前記表面処理皮膜層上に粉体塗装を行う塗装工程と
を具備する金属材料の塗装方法。
(2)前記表面処理工程において、前記金属元素(A)と、フッ素(B)と、MgおよびAlの少なくとも1種の金属元素(C)とを含有し、前記金属元素(A)の濃度が5〜5000ppmであり、前記金属元素(A)に対する前記フッ素(B)のモル濃度の比が6以上であり、前記フッ素(B)に対する前記金属元素(C)のモル濃度の比が0.3〜30である水溶液を、前記金属材料の前記表面に接触させることにより、前記表面処理皮膜層を析出させる上記(1)に記載の金属材料の塗装方法。
(3)前記金属材料が鉄系材料であり、前記金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物の付着量が、前記金属元素(A)として20mg/m2以上である上記(1)または(2)に記載の金属材料の塗装方法。
(4)金属材料の表面に、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層を析出させる表面処理を施す表面処理工程と、
前記表面処理工程後、前記表面処理皮膜層上に固体潤滑塗装を行う塗装工程と
を具備する金属材料の塗装方法。
(5)前記表面処理工程において、前記金属元素(A)と、フッ素(B)と、MgおよびAlの少なくとも1種の金属元素(C)とを含有し、前記金属元素(A)の濃度が5〜5000ppmであり、前記金属元素(A)に対する前記フッ素(B)のモル濃度の比が6以上であり、前記フッ素(B)に対する前記金属元素(C)のモル濃度の比が0.3〜30である水溶液を、前記金属材料の前記表面に接触させることにより、前記表面処理皮膜層を析出させる上記(4)に記載の金属材料の塗装方法。
(6)前記金属材料が鉄系材料であり、前記金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物の付着量が、前記金属元素(A)として20mg/m2以上である上記(4)または(5)に記載の金属材料の塗装方法。
本発明の金属材料の塗装方法によれば、粉体塗装および固体潤滑塗装を用いて、密着性および耐食性のいずれにも優れる塗膜を得ることができる。
以下、本発明の金属材料の塗装方法について詳細に説明する。
本発明の金属材料の塗装方法の第1の態様は、金属材料の表面に、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層を析出させる表面処理を施す表面処理工程と、前記表面処理工程後、前記表面処理皮膜層上に粉体塗装を行う塗装工程とを具備する金属材料の塗装方法である。
また、本発明の金属材料の塗装方法の第2の態様は、金属材料の表面に、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層を析出させる表面処理を施す表面処理工程と、前記表面処理工程後、前記表面処理皮膜層上に固体潤滑塗装を行う塗装工程とを具備する金属材料の塗装方法である。
<表面処理工程>
表面処理工程は、本発明の第1の態様と第2の態様とで共通である。
表面処理工程は、金属材料の表面に、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層を析出させる表面処理を施す工程である。
金属材料は、特に限定されないが、好ましくは、鉄系材料である。鉄系材料としては、例えば、冷延鋼板、熱間圧延鋼板等の鋼板;棒綱、形綱、綱帯、鋼管、線材、鋳鍛造品、軸受綱のような特殊用途綱が挙げられる。
また、金属材料は、亜鉛系材料、アルミニウム系材料、マグネシウム系材料等であってもよい。
亜鉛系材料としては、例えば、亜鉛ダイキャスト、亜鉛含有めっきを施された材料が挙げられる。亜鉛含有めっきを施された材料とは、亜鉛、または、亜鉛と他の金属、例えば、ニッケル、鉄、アルミニウム、マンガン、クロム、マグネシウム、コバルト、鉛、アンチモン等の少なくとも1種との合金と、不可避不純物とによりめっきされた材料である。めっき方法、例えば、溶融めっき、電気めっき、蒸着めっき等は、限定されない。
アルミニウム系材料としては、例えば、5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金等のアルミニウム合金板材;ADC−12に代表されるアルミニウム合金ダイキャストが挙げられる。
マグネシウム系材料としては、例えば、マグネシウム合金を用いた板材、ダイキャストが挙げられる。
本発明においては、上記各種の金属材料の各々単独にまたは2種以上に対して、同時に塗装することができる。ここで、2種以上の金属材料を同時に塗装する場合は、異種金属同士が接触していない状態であっても構わないし、溶接、接着、リベット止め等の接合方法によって異種金属同士が接触している状態でも構わない。
金属材料の表面は、必要に応じて、あらかじめ脱脂処理し清浄化することができる。その方法は、特に限定されず、常法を用いることができる。
ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層を析出させる表面処理を施す方法は、特に限定されないが、前記金属元素(A)と、フッ素(B)と、MgおよびAlの少なくとも1種の金属元素(C)とを含有し、前記金属元素(A)の濃度が5〜5000ppmであり、前記金属元素(A)に対する前記フッ素(B)のモル濃度の比が6以上であり、前記フッ素(B)に対する前記金属元素(C)のモル濃度の比が0.3〜30である水溶液を、前記金属材料の前記表面に接触させることにより、前記表面処理皮膜層を析出させるのが好ましい。
上記水溶液と被処理金属材料とを接触させると、被処理金属材料の表面で化学反応が起こることによって、被処理金属材料の表面にZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層が析出する。
従来、前記金属元素の酸化物からなる非晶質の表面処理皮膜層を析出させる方法としては、真空蒸着法、金属アルコキシドを加水分解した水溶液中に被処理金属材料を浸せきさせた後に引き上げて皮膜成分を付着させるゾルゲル法等が公知である。本発明においては、化学反応によって表面処理皮膜層を析出させるために、これら従来公知の方法と比較して、皮膜と被処理金属材料との間の密着性が格段に優れ、かつ、これら従来公知の方法では不可能であった複雑な構造物に対しても均一な表面処理皮膜層を析出させることができる。
上記水溶液に用いられるZrの供給源は、可溶性のジルコニウム化合物、または、何らかの酸成分を加えることによって水溶化が可能なジルコニウム化合物であれば特に限定されない。例えば、ZrCl4、ZrOCl2、Zr(SO42、ZrOSO4、Zr(NO34、ZrO(NO32、H2ZrF6、H2ZrF6の塩、ZrO2、ZrOBr2、ZrF4が挙げられる。
上記水溶液に用いられるTiの供給源は、可溶性のチタン化合物、または、何らかの酸成分を加えることによって水溶化が可能なチタン化合物であれば特に限定されない。例えば、TiCl4、Ti(SO42、TiOSO4、Ti(NO3)、TiO(NO32、TiO2OC24、H2TiF6、H2TiF6の塩、TiO2、TiF4が挙げられる。
上記水溶液におけるZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の濃度(ZrおよびTiを併用する場合は、両者の合計の濃度)は、5〜5000ppm、好ましくは10〜3000ppmである。
上記範囲であると、塗装後の性能を得るための十分な付着量を実用的な処理時間およびコストで得ることができる。
上記水溶液に用いられるフッ素の供給源は、可溶性のフッ素含有化合物であれば特に限定されない。例えば、フッ化水素酸(HF)、H2ZrF6、H2ZrF6の塩,H2TiF6、H2TiF6の塩、H2SiF6、H2SiF6の塩、HBF4、HBF4の塩、NaHF2、KHF2、NH4HF2、NaF、KF、NH4Fが挙げられる。
上記水溶液においては、前記金属元素(A)に対する前記フッ素(B)のモル濃度の比((B)/(A))が6以上である。
前記金属元素(A)に対する前記フッ素(B)のモル濃度の比が小さすぎると、表面処理皮膜層を析出させることは可能であるが、水溶液の安定性が低いためにZrまたはTiから選ばれる少なくとも1種が水溶液中で析出する可能性があり、実際の工業的用途における連続操業上の不具合が発生するおそれがある。
上記水溶液に用いられるMgおよびAlの供給源は、特に限定されない。例えば、Mgおよび/またはAlの酸化物、水酸化物、無機酸の塩、有機酸の塩、ハロゲン化物が挙げられる。
上記水溶液においては、前記フッ素(B)に対する前記金属元素(C)のモル濃度(MgおよびAlを併用する場合は、両者の合計のモル濃度)の比((C)/(B))が0.3〜30である。
より好ましくは、金属元素(C)としてMgを単独で用いる場合またはMgおよびAlを併用する場合は、上記モル濃度の比が0.3〜20であるのが好ましい。また、金属元素(C)としてMgを単独で用いる場合は、上記モル濃度の比が0.3〜20であるのが好ましく、0.3〜10であるのがより好ましい。
上述したように、真空蒸着法やゾルゲル法で金属酸化物の表面処理皮膜層を得る方法は公知であったにもかかわらず、本発明のような塗装方法に適用された例はなかった。これは、真空蒸着法やゾルゲル法は複雑な構造物に適用できないこと、および、得られた表面処理皮膜層が固くてもろいため、表面処理皮膜層にクラックと呼ばれる割れが発生しやすく、発生したクラックによって所望の性能が得られないことに起因する。
本発明者は、鋭意研究した結果、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素と、フッ素とを含有する水溶液に、MgおよびAlの少なくとも1種の金属元素を添加し、更に、前記MgおよびAlの少なくとも1種の金属元素とフッ素とのモル比を上記範囲に定めることによって、非晶質の表面処理皮膜層の析出効率を高め、かつ、得られた表面処理皮膜層をクラックのない均一なものとする作用があることを見出したのである。
上記モル濃度の比が小さすぎると、表面処理皮膜層を析出させることは可能ではあるが、析出効率が低いために所望する付着量を得るための処理時間が長くなり、実際の工業用途において支障が生じる可能性がある。更に、得られた皮膜を均一とする効果も低いため、表面処理皮膜層にクラックが発生するおそれがある。
上記モル濃度の比が大きすぎると、表面処理皮膜層の析出効率を高める効果が限界となり、かつ、水溶液の安定性を損ねるおそれがある。
上記水溶液は、pH2〜6であるのが好ましく、pH3〜5であるのがより好ましい。
水溶液のpHをアルカリ側へ調整する場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アルカリ土類金属の水酸化物や酸化物;アンモニア;アミン化合物等のアルカリ成分を用いることができる。
被処理金属材料が鉄系材料や亜鉛系材料の場合には、上記アルカリ成分は限定されないが、アルミニウム系材料を単独でまたは鉄系材料や亜鉛系材料と同時に処理する場合には、被処理金属材料から溶出したアルミニウムイオンと、水溶液中のフッ素成分と、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属との間で不溶性の塩を生成しスラッジとなる可能性があるため、アルカリ成分としてアンモニアやアミン化合物を用いるのが好ましい。
水溶液のpHを酸側へ調整する場合には、硝酸、硫酸、塩酸等の無機酸の1種以上および/または酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、グルコン酸、フタル酸等の有機酸の1種以上を用いることができる。
中でも、硝酸が、酸化力を有するため表面処理皮膜層の析出を促進する作用もあるので、好ましい酸の1種である。表面処理皮膜層の析出を促進させる目的で水溶液中に含有させる際の硝酸濃度は、1000〜100000ppmであるのが好ましく、1000〜80000ppmであるのがより好ましい。
pHを酸側へ調整するには、リン酸を用いることも可能ではあるが、被処理金属材料から溶出した鉄イオンが酸化して第二鉄イオンになると、リン酸と反応して不溶性のリン酸鉄スラッジが発生するために、好ましい酸であるとは言いがたい。
上記水溶液は、更に、HClO3、HBrO3、HNO2、HMnO4、HVO3、H22、H2WO4およびH2MoO4からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸素酸、または、これらの酸素酸の塩の中から選ばれる少なくとも1種を含有することができる。これらの酸素酸またはその塩は、被処理金属材料に対する酸化剤として作用し、表面処理皮膜の析出を促進する。
この場合、上記水溶液におけるこれらの酸素酸またはその塩の濃度は、酸化剤として十分な効果を発揮するためには、10〜5000ppm程度であるのが好ましい。
上記水溶液は、更に、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の界面活性剤を含有することができる。この場合、これらの界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する水溶液と、あらかじめ脱脂処理を行わず油分が付着した状態の被処理金属材料とを接触させることによって、脱脂処理と表面処理皮膜層の析出とを同時に行うことが可能である。
上記水溶液は、更に、水溶性高分子化合物および水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を含有することができる。
本発明の金属材料の塗装方法により得られる金属材料は十分な塗膜密着性および耐食性等の性能を有しているが、更なる性能が必要な場合には、所望の性能に応じて高分子化合物を適宜選択して水溶液に含有させ、表面処理皮膜層の物性を改質することができる。
水溶性高分子化合物および水分散性高分子化合物は、特に限定されないが、金属の表面処理に常用されている高分子化合物を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルレート等のアクリル系単量体との共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、ポリウレタン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、アミノ変性フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、キトサンおよびその誘導体、タンニンならびにタンニン酸およびその塩、フィチン酸が挙げられる。
また、必要に応じて、表面処理工程後、塗装工程前に、表面処理皮膜層と前記高分子化合物の水溶液とを接触させる工程を行うことによって、表面処理皮膜層の上に高分子化合物層を析出させることもできる。
上記水溶液と被処理金属材料とを接触させる方法は、特に限定されず、例えば、前記水溶液を被処理金属材料の表面に噴霧するスプレー処理、被処理金属材料を前記水溶液に浸せきさせる浸せき処理、前記水溶液を被処理金属材料の表面へ流しかける流しかけ処理が挙げられる。いずれの処理を用いても、前記水溶液と被処理金属材料とを接触させることによって、被処理金属材料の表面にZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層が析出する。
表面処理皮膜層の成分は、表面処理を施した後に常温または低温で乾燥させた場合には、酸化物および水酸化物が混在した状態に、表面処理後に高温で乾燥させた場合には、酸化物のみまたは酸化物が多い状態になっていると考えられる。本発明者の研究によれば、表面処理後の乾燥温度を変えても塗装後の性能は変化しない。したがって、表面処理皮膜層中の酸化物と水酸化物との比率は、塗装後の性能に影響を与えないものと考えられる。
表面処理皮膜層の付着量は、特に限定されないが、金属材料が鉄系材料である場合、前記金属元素(A)として20mg/m2以上であるのが好ましく、30mg/m2以上であるのがより好ましい。上記範囲であると、耐食性がより優れたものになる。
また、表面処理皮膜層の付着量は、1g/m2以下であるのが好ましく、800mg/m2以下であるのがより好ましい。上記範囲であると、表面処理皮膜層にクラックが発生する可能性が極めて低くなる。
従来技術の一つであるリン酸亜鉛処理皮膜に用いられるリン酸亜鉛4水和物結晶は、加熱に伴い結晶からの脱水反応が起き、100℃前後で2水和物に、更に300℃弱で無水結晶となるために、その結晶構造に著しい歪みが生じ、結晶の物理的強度の低下、ひいては密着性および耐食性の低下が起こる。
これに対して、本発明に用いられるZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層は、前記従来技術と比較して、耐熱性の点で極めて優れている。例えば、Zrの酸化物である非晶質のジルコニアが結晶化する温度は500℃以上であり、Tiの酸化物である非晶質のチタニアが結晶化する温度は400℃以上である。したがって、本発明に用いられる粉体塗装や固体潤滑塗装時の焼き付け工程や、本発明により得られた塗膜の実用上の使用範囲での温度において、皮膜が破壊されることはなく、優れた密着性および耐食性を確保することが可能となるのである。更に、本発明の金属材料の塗装方法によって塗装を行った後に、使用環境で不可避的に熱が加えられ、仮に非晶質皮膜の結晶化が起こったとしても、結晶自身の耐熱性も高いために皮膜が破壊されることはないのである。
更に、本発明に用いられるZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層は、酸やアルカリに侵されにくく、化学的に安定な性質を有している。
実際の金属の腐食環境では、金属の溶出が起こるアノード部ではpHの低下が、また、還元反応が起こるカソード部ではpHの上昇が起こる。したがって、耐酸性および耐アルカリ性に劣る表面処理皮膜は、腐食環境下で溶解しその効果が失われていく。これに対して、本発明に用いられる表面処理皮膜層の主成分は、酸やアルカリに侵されにくいため、腐食環境下においても優れた効果が持続する。
また、本発明の表面処理皮膜層は非晶質であるため、従来技術であるリン酸亜鉛処理皮膜、リン酸マンガン処理皮膜等の結晶質の皮膜と比較して、表面処理後の金属材料表面の粗度が小さく、粉体塗装の場合には塗装後外観に優れるという利点、固体潤滑塗装の場合には潤滑性能に優れるという利点を有している。
<塗装工程>
上述した表面処理工程後、塗装工程を行う。
本発明の第1の態様における塗装工程は、前記表面処理工程後、前記表面処理皮膜層上に粉体塗装を行う工程である。
粉体塗装は、従来公知の方法で行うことができる。
粉体塗装に用いられる粉体塗料は、特に限定されず、従来公知の熱可塑性または熱硬化性の粉体塗料を用いることができる。熱可塑性の粉体塗料としては、例えば、塩化ビニル樹脂粉体塗料、ナイロン粉体塗料、ポリエチレン粉体塗料、フッ素樹脂粉体塗料が挙げられる。熱硬化性の粉体塗料としては、例えば、エポキシ樹脂粉体塗料、ポリエステル樹脂粉体塗料、エポキシ・ポリエステル樹脂粉体塗料、アクリル樹脂粉体塗料、ビニル樹脂粉体塗料が挙げられる。
粉体塗装方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、粉体塗料を表面処理皮膜層に直接スプレーする方法、静電気を利用した粉体静電吹き付け法、表面処理皮膜層が形成された金属材料を加熱した状態で粉体塗料の流動層に入れ粉体塗料を融着させる流動浸せき法が挙げられる。
粉体塗膜の膜厚、焼き付け温度等についても、特に限定されず、選定した粉体塗料に応じて膜厚、焼き付け温度等を適宜設定することができる。
本発明の第2の態様における塗装工程は、前記表面処理工程後、前記表面処理皮膜層上に固体潤滑塗装を行う工程である。
固体潤滑塗装は、従来公知の方法で行うことができる。
固体潤滑塗装に用いられる固体潤滑塗料は、特に限定されず、従来公知の固体潤滑塗料を用いることができる。例えば、二硫化モリブデン、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、グラファイト等からなる潤滑成分を、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等のバイダーに配合した塗料が挙げられる。
固体潤滑塗装方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、固体潤滑塗料を表面処理皮膜層に直接スプレーする方法、固体潤滑塗料中に表面処理皮膜層が形成された金属材料を浸せきさせる浸せき法が挙げられる。
固体潤滑塗膜の膜厚、焼き付け温度等についても、特に限定されず、選定した固体潤滑塗料に応じて膜厚、焼き付け温度等を適宜設定することができる。
更に、本発明の別の態様においては、粉体塗装および固体潤滑塗装以外の塗装方法を用いることができる。具体的には、200〜400℃程度の高温焼付けが必要な塗料と本発明に用いられるZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層とを組み合わせることにより、従来にない優れた密着性および耐食性を得ることが可能である。
200〜400℃程度の高温焼付けが必要な塗料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化ケイ素等の成分を含有するセラミック塗料;ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂等の成分を含有する耐熱塗料;フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を含有する高温焼付け塗料が挙げられる。
本発明は、膜厚が厚く、かつ、高温焼付けが必要な塗装の塗装後密着性および耐食性を従来になく高めることを可能とする技術であるが、低温焼付けが可能な粉体塗料および固体潤滑塗料を用いても、本発明の効果が、なんら損なわれることはない。
本発明の金属材料の塗装方法により塗装された金属材料は、広範な用途に用いられる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
1.金属材料の塗装
(実施例1)
ヘキサフルオロチタン酸(IV)水溶液と、硝酸マグネシウム試薬と、硝酸アルミニウム試薬と、フッ化水素酸試薬とを用いて、チタン濃度が2500ppm、マグネシウム濃度が2100ppm、アルミニウム濃度が300ppmであり、チタンに対するフッ素のモル濃度の比が6.1であり、フッ素に対するマグネシウムおよびアルミニウムの合計のモル濃度の比が0.3である水溶液を調製した。ついで、水溶液を45℃に加温した後、アンモニア水試薬でpH3.0に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した冷延鋼板(略号SPC:JIS G 3141)を、前記表面処理用処理液に120秒間浸せきさせて表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、冷延鋼板表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた冷延鋼板に、静電粉体塗装機(日本パーカライジング(株)製)を用いて膜厚が80μmとなるようにポリエステル系粉体塗料(エバクラットNo.4800、関西ペイント(株)製)を塗装した。更に、塗装後に180℃で20分間焼き付けを行い供試板とした。
なお、アルカリ脱脂は、2質量%に水道水で希釈した日本パーカライジング(株)製のファインクリーナーL4460(登録商標)を40℃に加温したのち、被処理板に120秒間スプレーすることにより行った(以下同様。)。また、皮膜化成処理後の水洗およびイオン交換水洗は、それぞれ室温で30秒間、被処理板に水道水またはイオン交換水をスプレーすることにより行った(以下同様。)。
(実施例2)
オキシ硝酸ジルコニウム試薬と、硝酸マグネシウム試薬と、フッ化水素酸試薬とを用いて、ジルコニウム濃度が5ppm、マグネシウム濃度が300ppmであり、ジルコニウムに対するフッ素のモル濃度の比が14.4であり、フッ素に対するマグネシウムのモル濃度の比が15.6である水溶液を調製した。ついで、水溶液を50℃に加温した後、アンモニア水試薬でpH4.5に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した冷延鋼板(略号SPC:JIS G 3141)に、前記表面処理用処理液を120秒間噴霧して表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、冷延鋼板表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた冷延鋼板に、静電粉体塗装機(日本パーカライジング(株)製)を用いて膜厚が80μmとなるようにエポキシ系粉体塗料(エバクラットNo.3520、関西ペイント(株)製)を塗装した。更に、塗装後に180℃で20分間焼き付けを行い供試板とした。
(実施例3)
オキシ硝酸ジルコニウム試薬と、硝酸マグネシウム試薬と、フッ化水素酸試薬とを用いて、ジルコニウム濃度が5ppm、マグネシウム濃度が300ppmであり、ジルコニウムに対するフッ素のモル濃度の比が14.4であり、フッ素に対するマグネシウムのモル濃度の比が15.6である水溶液を調製した。ついで、水溶液にポリアリルアミン水溶液(PAA−10C、日東紡績(株)製)を50ppm添加し50℃に加温した後、アンモニア水試薬でpH4.5に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した冷延鋼板(略号SPC:JIS G 3141)に、前記表面処理用処理液を120秒間噴霧して表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、冷延鋼板表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた冷延鋼板に、静電粉体塗装機(日本パーカライジング(株)製)を用いて膜厚が80μmとなるようにエポキシ系粉体塗料(エバクラットNo.3520、関西ペイント(株)製)を塗装した。更に、塗装後に180℃で20分間焼き付けを行い供試板とした。
(実施例4)
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液と、酸化マグネシウム試薬と、硝酸アルミニウム試薬とフッ化水素酸試薬とを用いて、ジルコニウム濃度が100ppm、マグネシウム濃度が1500ppm、アルミニウム濃度が250ppmであり、ジルコニウムに対するフッ素のモル濃度の比が20.4であり、フッ素に対するマグネシウムおよびアルミニウムの合計のモル濃度の比が3.2である水溶液を調製した。ついで、水溶液に硝酸試薬を硝酸根として10000ppmとなるように添加した後に40℃に加温し、更にアンモニア水試薬でpH4.0に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した冷延鋼板(略号SPC:JIS G 3141)を、前記表面処理用処理液に90秒間浸せきさせて表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、冷延鋼板表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた冷延鋼板に、静電粉体塗装機(日本パーカライジング(株)製)を用いて膜厚が80μmとなるようにポリエステル系粉体塗料(エバクラットNo.4800、関西ペイント(株)製)を塗装した。更に、塗装後に180℃で20分間焼き付けを行い供試板とした。
(実施例5)
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液と、ヘキサフルオロチタン酸(IV)水溶液と、硝酸マグネシウム試薬とを用いて、ジルコニウム濃度が200ppm、チタン濃度が50ppm、マグネシウム濃度が14000ppmであり、ジルコニウムおよびチタンの合計に対するフッ素のモル濃度の比が6.0であり、フッ素に対するマグネシウムのモル濃度の比が29.7である水溶液を調製した。ついで、水溶液を35℃に加温した後、アンモニア水試薬でpH3.5に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した冷延鋼板(略号SPC:JIS G 3141)を、前記表面処理用処理液に60秒間浸せきさせて表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、冷延鋼板表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた冷延鋼板に、静電粉体塗装機(日本パーカライジング(株)製)を用いて膜厚が80μmとなるようにアクリルポリエステル系粉体塗料(エバクラットNo.4500、関西ペイント(株)製)を塗装した。更に、塗装後に180℃で20分間焼き付けを行い供試板とした。
(実施例6)
ヘキサフルオロチタン酸(IV)水溶液と、硝酸マグネシウム試薬と、硝酸アルミニウム試薬と、フッ化水素酸試薬とを用いて、チタン濃度が2500ppm、マグネシウム濃度が2100ppm、アルミニウム濃度が300ppmであり、チタンに対するフッ素のモル濃度の比が6.1であり、フッ素に対するマグネシウムおよびアルミニウムの合計のモル濃度の比が0.3である水溶液を調製した。ついで、水溶液を45℃に加温した後、アンモニア水試薬でpH3.0に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した炭素綱鋼材丸綱(略号S45C:JIS G 4051、φ10mm×35mm、表面粗さRzjis 2μm)を、前記表面処理用処理液に120秒間浸せきさせて表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、炭素綱鋼材丸綱表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた炭素綱鋼材丸綱に、二硫化モリブデン75質量部、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)5質量部およびポリイミド樹脂(バインダー)20質量部からなる組成物に、溶剤としてキシレン200質量部を添加し、分散させて調製した固体潤滑塗料を膜厚が50μmとなるように塗装した。更に、塗装後に200℃で30分間焼き付けを行い供試材とした。
(実施例7)
オキシ硝酸ジルコニウム試薬と、硝酸マグネシウム試薬と、フッ化水素酸試薬とを用いて、ジルコニウム濃度が5ppm、マグネシウム濃度が300ppmであり、ジルコニウムに対するフッ素のモル濃度の比が14.4であり、フッ素に対するマグネシウムのモル濃度の比がマグネシウムのモル濃度をフッ素元素のモル濃度で除した比が15.6である水溶液を調製した。ついで、水溶液を50℃に加温した後、アンモニア水試薬でpH4.5に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した炭素綱鋼材丸綱(略号S45C:JIS G 4051、φ10mm×35mm、表面粗さRzjis 2μm)に、前記表面処理用処理液を120秒間噴霧して表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、炭素綱鋼材丸綱表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた炭素綱鋼材丸綱を50℃に加温した後に、二硫化モリブデン系固体潤滑塗料(デフリックコート HMB−2、(株)川邑研究所製)を膜厚が50μmとなるように塗装した。更に、塗装後に190℃で60分間焼き付けを行い供試材とした。
(実施例8)
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液と、酸化マグネシウム試薬と、硝酸アルミニウム試薬と、フッ化水素酸試薬とを用いて、ジルコニウム濃度が100ppm、マグネシウム濃度が1500ppm、アルミニウム濃度が250ppmであり、ジルコニウムに対するフッ素のモル濃度の比が20.4であり、フッ素に対するマグネシウムおよびアルミニウムの合計のモル濃度の比が3.2である水溶液を調製した。ついで、水溶液に硝酸試薬を硝酸根として10000ppmとなるように添加した後に40℃に加温し、更にアンモニア水試薬でpH4.0に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した炭素綱鋼材丸綱(略号S45C:JIS G 4051、φ10mm×35mm、表面粗さRzjis 2μm)を、前記表面処理用処理液に90秒間浸せきさせて表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、炭素綱鋼材丸綱表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた炭素綱鋼材丸綱に、フッ素系固体潤滑塗料(デフリックコート FH−70、(株)川邑研究所製)を膜厚が50μmとなるように塗装した。更に、塗装後に180℃で60分間焼き付けを行い供試材とした。
(実施例9)
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液と、ヘキサフルオロチタン酸(IV)水溶液と、硝酸マグネシウム試薬とを用いて、ジルコニウム濃度が200ppm、チタン濃度が50ppm、マグネシウム濃度が14000ppmであり、ジルコニウムおよびチタンの合計に対するフッ素のモル濃度の比が6.0であり、フッ素に対するマグネシウムのモル濃度の比がマグネシウムのモル濃度をフッ素元素のモル濃度で除した比が29.7である水溶液を調製した。ついで、水溶液を35℃に加温した後、アンモニア水試薬でpH3.5に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した炭素綱鋼材丸綱(略号S45C:JIS G 4051、φ10mm×35mm、表面粗さRzjis 2μm)を、前記表面処理用処理液に60秒間浸せきさせて表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、炭素綱鋼材丸綱表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた炭素綱鋼材丸綱を50℃に加温した後に、二硫化モリブデン系固体潤滑塗料(デフリックコート HMB−2、(株)川邑研究所製)を膜厚が50μmとなるように塗装した。更に、塗装後に200℃で60分間焼き付けを行い供試材とした。
(実施例10)
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液と、硝酸アルミニウム試薬とを用いて、ジルコニウム濃度が3ppm、アルミニウム濃度が5ppmであり、ジルコニウムに対するフッ素のモル濃度の比が6.0であり、フッ素に対するアルミニウムのモル濃度の比が0.9である水溶液を調製した。ついで、水溶液に硝酸試薬を硝酸根として1000ppmとなるように添加した後に45℃に加温し、更にアンモニア水試薬でpH4.0に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した炭素綱鋼材丸綱(略号S45C:JIS G 4051、φ10mm×35mm、表面粗さRzjis 2μm)に、前記表面処理用処理液を60秒間噴霧して表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、炭素綱鋼材丸綱表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた炭素綱鋼材丸綱に、フッ素系固体潤滑塗料(デフリックコート FH−70、(株)川邑研究所製)を膜厚が50μmとなるように塗装した。更に、塗装後に180℃で60分間焼き付けを行い供試材とした。
(実施例11)
オキシ硝酸ジルコニウム試薬と、硝酸マグネシウム試薬と、フッ化水素酸試薬とを用いて、ジルコニウム濃度が50ppm、マグネシウム濃度が9ppmであり、ジルコニウムに対するフッ素のモル濃度の比が6.7であり、フッ素に対するマグネシウムのモル濃度の比が0.1である水溶液を調製した。ついで、水溶液を40℃に加温した後、アンモニア水試薬でpH3.5に調整し表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した冷延鋼板(略号SPC:JIS G 3141)を、前記表面処理用処理液に120秒間浸せきさせて表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、冷延鋼板表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた冷延鋼板に、静電粉体塗装機(日本パーカライジング(株)製)を用いて膜厚が80μmとなるようにエポキシ系粉体塗料(エバクラットNo.3520、関西ペイント(株)製)を塗装した。更に、塗装後に180℃で20分間焼き付けを行い供試板とした。
(比較例1)
リン酸鉄系表面処理剤(パルフォス1077、日本パーカライジング(株)製)を水で5質量%濃度に希釈し、全酸度および酸消費ポイントをカタログ値の中心に調整し、更に50℃に加温した水溶液を表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した冷延鋼板(略号SPC:JIS G 3141)に、前記表面処理用処理液を60秒間噴霧して表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、冷延鋼板表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた冷延鋼板に、静電粉体塗装機(日本パーカライジング(株)製)を用いて膜厚が80μmとなるようにアクリルポリエステル系粉体塗料(エバクラットNo.4500、関西ペイント(株)製)を塗装した。更に、塗装後に180℃で20分間焼き付けを行い供試板とした。
(比較例2)
リン酸マンガン系表面処理剤(パルフォスM1A、日本パーカライジング(株)製)を水で14質量%濃度に希釈し、全酸度、酸比(全酸度/遊離酸度)および鉄分濃度をカタログ値の中心に調整し、更に96℃に加温した水溶液を表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した炭素綱鋼材丸綱(略号S45C:JIS G 4051、φ10mm×35mm、表面粗さRzjis 2μm)を、前記表面処理用処理液に120秒間浸せきさせて表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、炭素綱鋼材丸綱表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた炭素綱鋼材丸綱を50℃に加温した後に、二硫化モリブデン系固体潤滑塗料(デフリックコート HMB−2、(株)川邑研究所製)を膜厚が50μmとなるように塗装した。更に、塗装後に200℃で60分間焼き付けを行い供試材とした。
(比較例3)
リン酸亜鉛系表面処理剤(パルボンドL3020、日本パーカライジング(株)製)を4.8質量%に水道水で希釈し、カタログに記載の添加剤を所定量添加した後に、全酸度および遊離酸度をカタログ値の中心に調整し、更に42℃に加温した水溶液を表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施し、更に、リン酸亜鉛処理用の表面調整処理剤(プレパレンZN(登録商標)、日本パーカライジング(株)製)を0.1質量%に水道水で希釈した液を室温で30秒間噴霧した冷延鋼板(略号SPC:JIS G 3141)を、前記表面処理用処理液に120秒間浸せきさせて表面処理皮膜層を析出させた。ついで、水洗、イオン交換水洗、更に乾燥を行い、冷延鋼板表面の表面処理用処理液および水分を除去した。
前記表面処理皮膜層を析出させた冷延鋼板に、静電粉体塗装機(日本パーカライジング(株)製)を用いて膜厚が80μmとなるようにポリエステル系粉体塗料(エバクラットNo.4800、関西ペイント(株)製)を塗装した。更に、塗装後に180℃で20分間焼き付けを行い供試板とした。
2.表面処理皮膜層の性状
(1)表面処理皮膜層の皮膜質量測定
塗装前の表面処理皮膜層の皮膜質量を蛍光X線分析装置(システム3270、理学電気工業(株)製)で測定した。結果を第1表に示す。
なお、実施例6〜10および比較例2においては、試験片に丸綱を使用したため、丸綱切断面の平面部の皮膜質量を測定した。また、実施例6〜10および比較例2においては、蛍光X線分析装置で測定された表面処理皮膜層中のZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素の付着量(ZrおよびTiを併用した場合は、合計付着量)を皮膜質量とした。
(2)表面処理皮膜層の皮膜構造解析
実施例1〜11で得られた塗装前の表面処理皮膜層を、X線回折分析装置(X’PERT−MRD、フィリップス社製)を用いて、薄膜分析法(入射角0.5°)で分析した。
その結果、基材である鉄以外のピークは認められず、表面処理皮膜層が非晶質であることが確認された。
3.塗膜の評価
(1)塗膜の耐食性
上記で得られた供試板および供試材の塗装面に、鋭利なカッターでクロスカットを入れた後、5質量%塩水を840時間噴霧した(JIS Z 2371に準ずる。)。噴霧終了後にクロスカット部からの両側最大膨れ幅を測定した。結果を第1表に示す。
(2)塗膜の耐水性
上記で得られた供試板および供試材を40℃の脱イオン水に240時間浸せきさせた。浸せき後、塗装面に鋭利なカッターで2mm間隔の碁盤目を100個切った。碁盤目部のセロハンテープはく離を行い、碁盤目の残存個数を数えた。結果を第1表に示す。
(3)塗膜の密着性
実施例1〜5および11ならびに比較例1および3については、供試板の塗装面が凸となるように、エリクセン試験機で5mm押し出しを行った(JIS Z 2247)。ついで、エリクセン試験機で押し出した供試板の凸部のセロハンテープはく離を行い、塗膜のはく離の有無を目視で判定した。結果を第1表に示す。
また、実施例6〜10および比較例2については、ファレックス型摩耗試験機(ファレックスT、神鋼造機(株)製)を用い、下記条件で、上記で得られた供試材円周面(幅10mm)と炭素綱Vブロック(略号S45C:JIS G 4051、溝深さ5mm、角度90°)との間で摺動試験を行った。摩擦係数が0.4となった時点で供試材とVブロックとの間で微少焼きつきが発生したと判断し、摺動試験を終了した。摺動試験終了後に、摺動部のセロハンテープはく離を行い、塗膜のはく離の有無を目視で判定した。結果を第1表に示す。
<摺動試験条件>
荷重:10kgf/minでステップアップさせ、最大荷重100kgfまで荷重付与
回転数:2m/secの速度で常時回転数を一定とした
潤滑油:なし
Figure 2006255540
第1表において、実施例1〜5および11と比較例1および3との比較から、粉体塗装を用いた本発明の金属材料の塗装方法の第1の態様は、従来の粉体塗装方法と同等以上の塗膜耐食性を有していることが分かる。
また、実施例6〜10と比較例2との比較から、固体潤滑塗装を用いた本発明の金属材料の塗装方法の第2の態様は、従来の固体潤滑塗装方法より優れた耐食性を有していることが分かる。
実施例1〜11は、塗膜の耐水性および塗膜の密着性のいずれの試験においても、塗膜のはく離は生じていなかった(実施例10は塗膜の密着性の試験において多少はく離が生じたが実用上問題ない程度であった。)。
これに対して、従来の塗装方法である結晶質のリン酸塩処理皮膜を表面処理皮膜層として用いた比較例2および3においては、塗膜の耐水性および塗膜の密着性の一方または両方の試験において塗膜はく離が生じていた。
また、従来の塗装方法であるリン酸鉄処理皮膜を表面処理皮膜層として用いた比較例1においては、実施例1〜5および11と比較して、塗膜の耐食性が著しく劣っていた。
以上の結果から、本発明の金属材料の塗装方法を用いることによって、粉体塗料や固体潤滑塗料のように塗膜の膜厚が厚く、かつ、高温度で焼き付けが必要な塗装においても、優れた耐食性と密着性を同時に付与できることが明らかとなった。

Claims (6)

  1. 金属材料の表面に、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層を析出させる表面処理を施す表面処理工程と、
    前記表面処理工程後、前記表面処理皮膜層上に粉体塗装を行う塗装工程と
    を具備する金属材料の塗装方法。
  2. 前記表面処理工程において、前記金属元素(A)と、フッ素(B)と、MgおよびAlの少なくとも1種の金属元素(C)とを含有し、前記金属元素(A)の濃度が5〜5000ppmであり、前記金属元素(A)に対する前記フッ素(B)のモル濃度の比が6以上であり、前記フッ素(B)に対する前記金属元素(C)のモル濃度の比が0.3〜30である水溶液を、前記金属材料の前記表面に接触させることにより、前記表面処理皮膜層を析出させる請求項1に記載の金属材料の塗装方法。
  3. 前記金属材料が鉄系材料であり、前記金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物の付着量が、前記金属元素(A)として20mg/m2以上である請求項1または2に記載の金属材料の塗装方法。
  4. 金属材料の表面に、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1種の金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理皮膜層を析出させる表面処理を施す表面処理工程と、
    前記表面処理工程後、前記表面処理皮膜層上に固体潤滑塗装を行う塗装工程と
    を具備する金属材料の塗装方法。
  5. 前記表面処理工程において、前記金属元素(A)と、フッ素(B)と、MgおよびAlの少なくとも1種の金属元素(C)とを含有し、前記金属元素(A)の濃度が5〜5000ppmであり、前記金属元素(A)に対する前記フッ素(B)のモル濃度の比が6以上であり、前記フッ素(B)に対する前記金属元素(C)のモル濃度の比が0.3〜30である水溶液を、前記金属材料の前記表面に接触させることにより、前記表面処理皮膜層を析出させる請求項4に記載の金属材料の塗装方法。
  6. 前記金属材料が鉄系材料であり、前記金属元素(A)の酸化物および/または水酸化物の付着量が、前記金属元素(A)として20mg/m2以上である請求項4または5に記載の金属材料の塗装方法。
JP2005074140A 2005-03-15 2005-03-15 金属材料の塗装方法 Pending JP2006255540A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005074140A JP2006255540A (ja) 2005-03-15 2005-03-15 金属材料の塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005074140A JP2006255540A (ja) 2005-03-15 2005-03-15 金属材料の塗装方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006255540A true JP2006255540A (ja) 2006-09-28

Family

ID=37095331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005074140A Pending JP2006255540A (ja) 2005-03-15 2005-03-15 金属材料の塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006255540A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182626A (ja) * 2005-12-06 2007-07-19 Nippon Steel Corp 複合被覆金属板、複合被覆処理剤、及び複合被覆金属板の製造方法
JP2011088083A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Nippon Paint Co Ltd 鉄系基材を粉体塗膜で被覆する方法
CN102527615A (zh) * 2010-12-21 2012-07-04 金玲 使用磁力的器具涂敷方法及涂敷装置
US8475930B2 (en) 2005-12-06 2013-07-02 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Composite coated metal sheet, treatment agent and method of manufacturing composite coated metal sheet
CN103206053A (zh) * 2013-03-27 2013-07-17 成都阳光铝制品有限公司 自洁铝型材及其制备工艺
CN106238299A (zh) * 2016-08-31 2016-12-21 江苏华力金属材料有限公司 一种不锈钢表面处理工艺
CN107497646A (zh) * 2017-09-26 2017-12-22 江苏固格澜栅防护设施有限公司 一种金属表面防腐处理方法
US10125424B2 (en) 2012-08-29 2018-11-13 Ppg Industries Ohio, Inc. Zirconium pretreatment compositions containing molybdenum, associated methods for treating metal substrates, and related coated metal substrates
US10400337B2 (en) 2012-08-29 2019-09-03 Ppg Industries Ohio, Inc. Zirconium pretreatment compositions containing lithium, associated methods for treating metal substrates, and related coated metal substrates
US11518960B2 (en) 2016-08-24 2022-12-06 Ppg Industries Ohio, Inc. Alkaline molybdenum cation and phosphonate-containing cleaning composition
US11999871B2 (en) 2019-08-15 2024-06-04 The Boeing Company Titanium and magnesium compound for corrosion-resistant coatings
JP7510999B2 (ja) 2019-08-15 2024-07-04 ザ・ボーイング・カンパニー 耐食性コーティング用のチタン及びマグネシウム化合物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004218070A (ja) * 2002-12-24 2004-08-05 Nippon Paint Co Ltd 塗装前処理方法
JP2004218073A (ja) * 2002-12-24 2004-08-05 Nippon Paint Co Ltd 化成処理剤及び表面処理金属
JP2005008982A (ja) * 2002-12-24 2005-01-13 Nippon Paint Co Ltd 化成処理剤及び表面処理金属

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004218070A (ja) * 2002-12-24 2004-08-05 Nippon Paint Co Ltd 塗装前処理方法
JP2004218073A (ja) * 2002-12-24 2004-08-05 Nippon Paint Co Ltd 化成処理剤及び表面処理金属
JP2005008982A (ja) * 2002-12-24 2005-01-13 Nippon Paint Co Ltd 化成処理剤及び表面処理金属

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182626A (ja) * 2005-12-06 2007-07-19 Nippon Steel Corp 複合被覆金属板、複合被覆処理剤、及び複合被覆金属板の製造方法
US8475930B2 (en) 2005-12-06 2013-07-02 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Composite coated metal sheet, treatment agent and method of manufacturing composite coated metal sheet
JP2011088083A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Nippon Paint Co Ltd 鉄系基材を粉体塗膜で被覆する方法
CN102527615A (zh) * 2010-12-21 2012-07-04 金玲 使用磁力的器具涂敷方法及涂敷装置
US10400337B2 (en) 2012-08-29 2019-09-03 Ppg Industries Ohio, Inc. Zirconium pretreatment compositions containing lithium, associated methods for treating metal substrates, and related coated metal substrates
US10125424B2 (en) 2012-08-29 2018-11-13 Ppg Industries Ohio, Inc. Zirconium pretreatment compositions containing molybdenum, associated methods for treating metal substrates, and related coated metal substrates
US10920324B2 (en) 2012-08-29 2021-02-16 Ppg Industries Ohio, Inc. Zirconium pretreatment compositions containing molybdenum, associated methods for treating metal substrates, and related coated metal substrates
CN103206053B (zh) * 2013-03-27 2015-07-22 成都阳光铝制品有限公司 自洁铝型材的制备工艺
CN103206053A (zh) * 2013-03-27 2013-07-17 成都阳光铝制品有限公司 自洁铝型材及其制备工艺
US11518960B2 (en) 2016-08-24 2022-12-06 Ppg Industries Ohio, Inc. Alkaline molybdenum cation and phosphonate-containing cleaning composition
CN106238299A (zh) * 2016-08-31 2016-12-21 江苏华力金属材料有限公司 一种不锈钢表面处理工艺
CN107497646A (zh) * 2017-09-26 2017-12-22 江苏固格澜栅防护设施有限公司 一种金属表面防腐处理方法
US11999871B2 (en) 2019-08-15 2024-06-04 The Boeing Company Titanium and magnesium compound for corrosion-resistant coatings
JP7510999B2 (ja) 2019-08-15 2024-07-04 ザ・ボーイング・カンパニー 耐食性コーティング用のチタン及びマグネシウム化合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006255540A (ja) 金属材料の塗装方法
JP5166912B2 (ja) 金属材料およびその製造方法
JP4373778B2 (ja) 金属の表面処理用処理液及び表面処理方法
JP4205939B2 (ja) 金属の表面処理方法
JP4402991B2 (ja) 金属表面処理用組成物、金属表面処理用処理液、金属表面処理方法および金属材料
JP6026016B2 (ja) 亜鉛めっき鋼板用表面処理組成物、亜鉛めっき鋼板の表面処理方法及び亜鉛めっき鋼板
WO2010001861A1 (ja) 金属構造物用化成処理液および表面処理方法
JP5571277B2 (ja) 亜鉛系金属材料用表面処理液および亜鉛系金属材料の表面処理方法
CN102575357A (zh) 不含铬和氟的金属表面用化学转化处理液、金属表面处理方法及金属表面涂装方法
JP2006161117A (ja) 金属の表面処理用組成物、表面処理用処理液、表面処理方法、及び表面処理金属材料
JP2010090407A (ja) 金属表面処理液、および金属表面処理方法
JP4510079B2 (ja) 表面処理金属材料
JP5215043B2 (ja) 金属の表面処理用処理液及び表面処理方法
JP5661238B2 (ja) 表面処理亜鉛系めっき鋼板
JP5638191B2 (ja) 化成処理金属板およびその製造方法
JP6441655B2 (ja) 下地処理液、下地処理液を用いた有機被覆亜鉛めっき鋼管の製造方法、及び、有機被覆亜鉛めっき鋼管
JP4349149B2 (ja) 導電性に優れる表面処理鋼板の製造方法
JPH11335864A (ja) 耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方法
JPH11335863A (ja) 耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方法
JPH11335862A (ja) 耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方法
JP3330423B2 (ja) 陰極電解樹脂クロメート型金属表面処理方法
JPH02277799A (ja) 耐食性に優れた有機複合めっき鋼板
JPH01177386A (ja) クロメート処理を施した亜鉛−クロム系電気めっき鋼板
JPH0465918B2 (ja)
JPH0387399A (ja) 耐食性に優れた有機複合めっき鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20061011

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A621 Written request for application examination

Effective date: 20070817

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080630

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100125

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100720