JP2006253431A - 部品内蔵型プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

部品内蔵型プリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子部品の直上に集積回路を安定に配置し、高速伝送時のリードインダクタンスを低減することで信号配線を最適化することのできる部品内蔵型プリント配線板の提供。
【解決手段】 絶縁層に設けられた有底構造の凹部の底部に配置された下部電極と、下部電極を含む凹部に充填された誘電体と、表面が平坦化された誘電体の直上に配置された上部電極とからなるキャパシタを有し、かつ上部電極と表層導体部が同一層に配置されている部品内蔵型プリント配線板;プリント配線板の絶縁層に有底構造の凹部を形成する工程と、当該凹部の底部に導体を付与し、下部電極を形成する工程と、下部電極を含む凹部に誘電体を充填する工程と、当該誘電体の表面を平坦化する工程と、当該誘電体を含む表層部に導体を付与し、誘電体の直上に上部電極を表層導体部と同一層に形成する工程とを有する部品内蔵型プリント配線板の製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、キャパシタ機能を有する部品を内蔵したプリント配線板及びその製造方法に関する。
近年、プリント配線板の小型化、軽量化、高密度化が求められる中で、従来はプリント配線板の表面に実装されていたチップ部品を、プリント配線板の内部に導入した部品内蔵型のプリント配線板が実用に供されている。この部品内蔵型のプリント配線板は、チップ部品がプリント配線板の内部に導入された構造となっているため、表面実装部の小スペース化や高密度化に対応でき、プリント配線板のさらなる発展に大きく寄与している。
加えて、部品内蔵型のプリント配線板は電気的な配線構造が、従来の平面的な表面実装部からプリント配線板の内層部分を使用することで、例えば、集積回路直下に受動部品を配置する構造などの立体的な配置が可能になるため、集積回路の高速伝送時のリードインダクタンスを低減することが可能になり、動作に対応するための信号配線を最適化にする際に有効である。
これまで、部品内蔵型のプリント配線板としては種々の部品を使用した場合の報告例がなされているが、その中でプリント配線板の絶縁層の内部にキャパシタ機能を有する技術としては、図6に示されるようなプリント配線板が既に報告されている(特許文献1参照)。
このキャパシタ機能を有するプリント配線板は、始めに、内層コア基板(図示省略)の上の配線層61に下部電極62を図6(a)に示されるように配置する。次いで、当該下部電極62の上面に誘電材料63と上部電極64を順に配置し、下部電極62と誘電材料63と上部電極64からなるキャパシタ65を形成する。
次いで、キャパシタ65の上面より、図6(b)に示されるように絶縁材66を積層した後、層間接続ビア用の開口部67及び前記キャパシタ65の上面に配置する層間接続ビア用の開口部68をレーザなどにより形成する。次いで、全面に銅めっき69を施し、図6(c)に示されるようなプリント配線板の内部にキャパシタ65を有する構造体を得る。
この図6(c)に示されるようなプリント配線板は、絶縁層の内部にキャパシタ機能を有することから、表面に実装する部品の小スペース化や高密度化に有効であるが、次のような問題があった。
すなわち、あらかじめ配線層61の上面に形成されるキャパシタ65は当該箇所において凸部構造となる。これは、次工程における絶縁材66の積層の際に、前記キャパシタ65の凸部箇所およびその周辺において、絶縁層の厚みにばらつきが発生する不具合を生じさせる。この絶縁層の厚みのばらつきは、プリント配線板の表層部に凹凸をもたらし、表面の平坦性を失わせることがある。その結果、プリント配線板の表層部に表面実装部品を高密度に配置する際に、当該凹凸形状により実装が上手く行なえず実装不具合の原因となると云う問題があった。
また、従来、図7に示されるような絶縁性基材の所定の箇所に予め凹部を形成し、当該凹部に膜状誘電体を形成してキャパシタとするプリント配線板も既に報告されている(特許文献2参照)。
この凹部をキャパシタとするプリント配線板は、始めに、図7(a)に示されるように絶縁材71に凹部72を形成する。次いで、図7(b)に示されるように導体層73を形成した後に、図7(c)に示されるように電着方法を使用して薄膜状の誘電体層74を形成する。次いで、図7(d)に示されるように導体層75を形成し、導体層73と誘電体層74と導体層73からなるキャパシタを凹部に形成する。
この図7(d)に示されるようなプリント配線板は絶縁層の凹部にキャパシタを形成することから、プリント配線板内部のスペースを活用することが可能となり、プリント配線板の薄型化や軽量化に有効である。しかしながら、図7(d)に示されるようなプリント配線板は次のような問題があった。
すなわち、図7(d)に示されるキャパシタ構造は凹部形状となり、例えば当該キャパシタの直上に他の機能部品を接続することなどが困難になり、当該キャパシタの使用用途が制限されると云う問題があった。加えて、このプリント配線板の製造方法には、当該凹部の形状に寸法精度良く、誘電体層74を形成することが困難であると云う問題もあった。
更に、従来、図8に示されるような絶縁基板の所定の箇所に予め凹部を形成し、当該凹部にコンデンサを形成するコンデンサ配線基板も既に報告されている(特許文献3参照)。
このコンデンサ配線基板は、凹部を有する基板81の上面から凹部内にかけて第一の電極82を設け、基板81の凹部内に誘電体83を有し、この誘電体83と電気的に接続するように第二の電極84を備えるものである。
しかしながら、この図8に示される凹部を有するコンデンサ配線基板は、当該凹部の直上に集積回路などを配置する際に、構造上及び製造方法において、次のような問題があった。
第1に、コンデンサ基板においては、前記凹部の寸法精度がコンデンサ容量値に直接影響する為に重要とされるが、当該基板は従来セラミック材を主体としているために、材質の硬さや加工性が原因となり凹部を寸法精度良く形成することが困難と云う問題があった。
第2に、コンデンサ基板においては、凹部の底に配置される第一の電極82の厚み及び平坦性が厳密に調整されることが、コンデンサ容量値に直接影響する為に重要とされるが、従来は印刷法により、立体的に複雑な凹部に第一の電極82を形成していたため、前記第一の電極82の厚み及び平坦性を厳密に調整することが困難であり、コンデンサの電気的容量値が不安定となり易いと云う問題があった。
第3に、凹部内への誘電体83の充填の際に、該凹部は有底構造であるが故に充填性に難があり、一部未充填となる箇所が生じ易い。その結果、コンデンサ部位において当該未充填箇所が空隙となり、電気的容量値が不安定となり易いと云う問題があった。
第4に、コンデンサ部位の直上に集積回路を配置する際に、実装部位の平坦性が要求されるが、図8に示されるような構造体においては、第一の電極82と第二の電極84との間に段差があるために、集積回路などを配置する際の接続安定性に難があると云う問題があった。
第5に、コンデンサ部位の直上に集積回路を配置する際に、第一の電極82にNi/Auめっきなどの表面処理をすることが望ましいが、従来は、第二の電極84にAgペーストを使用していたために前記表面処理を行なうことが困難であると云う問題があった。
特開2002−164467号報 特開2003−234236号報 特開2000−269065号報
以上のような背景に基づき本発明が解決しようとする課題は、キャパシタ機能を有する電子部品をプリント配線板の内部に導入することで表面実装部の高密度化を成し得ることに加え、当該電子部品を導入してなる部位の平坦性を確保することで電子部品の直上に集積回路を安定に配置し、高速伝送時のリードインダクタンスを低減することで信号配線を最適化することのできる部品内蔵型プリント配線基板を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために種々研究を重ねた。その結果、プリント配線板の絶縁部に凹部を形成し、当該凹部の底部に下部電極を配置し、誘電体を当該凹部に充填した後に、表面を平坦化し、当該表面平坦部に上部電極と表層導体部を配置すれば極めて良い結果が得られることを見出して発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、絶縁層に設けられた有底構造の凹部の底部に配置された下部電極と、下部電極を含む凹部に充填された誘電体と、表面が平坦化された誘電体の直上に配置された上部電極とからなるキャパシタを有し、かつ上部電極と表層導体部が同一層に配置されていることを特徴とする部品内蔵型プリント配線板により上記課題を解決したものである。
また、本発明は、プリント配線板の絶縁層に有底構造の凹部を形成する工程と、当該凹部の底部に導体を付与し、下部電極を形成する工程と、下部電極を含む凹部に誘電体を充填する工程と、当該誘電体の表面を平坦化する工程と、当該誘電体を含む表層部に導体を付与し、誘電体の直上に上部電極を表層導体部と同一層に形成する工程とを有することを特徴とする部品内蔵型プリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
本発明の部品内蔵型プリント配線板は、キャパシタ機能を有する電子部品がプリント配線板の内部に導入されているので表面実装部を高密度化できる。加えて、当該電子部品の導入部位が平坦性を確保されているので電子部品の直上に集積回路を安定に配置できるために、高速伝送時のリードインダクタンスが低減され、信号配線を最適化することができる。
本発明を実施するための最良の形態に関し、図1から図5を使用して説明する。
本発明のプリント配線板は、層間絶縁部に凹部を設け、当該凹部を用いてキャパシタを形成するものである。ここで使用される層間絶縁部は、プリント配線板におけるビルドアップ部もしくは内層のコア部が用いられる。また、図1から図5に示された図面は当該層間絶縁部でのキャパシタの構造体及びその製造方法に特徴をおいて記載したものである。
図1及び図2は、内層コア基板(図示省略)上にビルドアップ配線層を形成する製造方法を示した断面工程説明図である。始めに、図1(a)に示したように内層に配置された導体層1の上に絶縁材2と金属箔3とを順次積層する。ここで金属箔3としては銅箔が好適に使用される。
前記絶縁材2に、図1(b)に示したように凹部4を設ける。ここで凹部4の構造は、その開口部を表層部に開口させ、その底部を絶縁材2の内部に設ける。また、凹部4の開口部から底部に届く壁面5はテーパー角度を有する図1(b)に示される斜めの形状でも良く、また底部に対して垂直な壁面の構造でも良い。
凹部4を形成する穴加工の方法としては例えば、(i)ドリルやルーターを使用した機械的な加工方法、(ii)ウエットブラストやサンドブラストのような研磨剤を投射することによって絶縁部を細かく粗化する加工方法、(iii)レーザを使用して絶縁部を燃焼させる加工方法、(iv)薬液などを使用して絶縁部を化学的に溶融させる加工方法、(v)樹脂付き銅箔に金型開口部を設けて絶縁基板を積層する方法等が挙げられる。
本発明においては、凹部4の深さ量が加工の上で調整しやすいという理由により、前記(i)ドリルやルーターを使用した機械的な加工方法、及び(ii)ウエットブラストやサンドブラストのような研磨剤を投射することによって絶縁部を細かく粗化する加工方法が好適に使用される。
ドリルやルーターを使用した機械的な加工方法としては、前記絶縁材2にあらかじめ位置決めされた箇所にドリルやルーターを設置し、機械的に穴あけを行なう。この際に、凹部4の底部を絶縁材2の内部に設け、いわゆる有底構造を形成する必要があるが、ドリルやルーターを使用した機械的な加工方法では、凹部4の平面形状の調整は容易に行なえるが、厚み方向の深さを精度良く形成することは難しい。
そこで本発明においては、当該ドリルやルーターを使用した機械的な加工方法は、絶縁材2の厚みが比較的厚い材料を使用した場合に使用するのが好ましい。例えば、絶縁材2の厚みが400μm以上を有する場合で、凹部4の深さを200μm以上とした場合に、現行のドリルやルーターの機械性能を考慮すれば、深さ方向の調整は精度良く行なえる。しかし、凹部4の深さが200μm未満、例えば深さ50μmとした場合には、深さ50μmの精度の良い加工は現行のドリルやルーターでは困難であるため、次の加工方法にて凹部4を形成するのが好ましい。
すなわち、求める凹部4の深さが200μm未満である場合は、ウエットブラストやサンドブラストのような研磨剤を投射することによって絶縁部を細かく粗化する加工方法が好適に使用される。
この加工方法としては、図1(a)に示される金属箔3をあらかじめ回路形成し、凹部4の開口部に対応する箇所をエッチングにより取り除く。その後、ウエットブラストやサンドブラストにより粗化を行なうことで、研磨剤により凹部4の箇所が徐々に粗化されるので、複数回の処理を行なうことにより目的とする深さの凹部4の形成が可能になる。
これは、絶縁材2が金属箔3よりも研磨材により粗化され易いということを利用したものである。すなわち、前記ウエットブラストやサンドブラストにより投射される研磨剤が絶縁材2を強く粗化できるのに対し、金属箔3は硬度の違いにより前記絶縁材2よりも粗化量が少ないという利点を生かした加工方法である。これにより、前記凹部4の加工が可能になり、複数回の前記粗化処理を行なうことにより目的とする深さを有する凹部4の形成が精度良く行なえる。
ここで、複数回の前記粗化処理を行なう過程で金属箔3も徐々に粗化され、金属箔3の厚みが薄い場合には前記粗化処理により金属箔3がすべて削除されることとなる。そこで、金属箔3の厚みを18μm以上とすることが好ましい。これは、深さ200μm未満の凹部4を形成する上で、金属箔3の厚みを18μm以上とすれば当該金属箔3は粗化終了後に残り、また当該金属箔3は薄くなっていても残ることが良い状態であり、これは金属箔3が残れば凹部4の加工は良好に行なえるためである。
また、前記凹部4の加工はウエットブラストの方がサンドブラストよりも粗化能力が大きいという点からより好適に使用される。そこで、以下ウエットブラストを使用した凹部4の加工方法について説明する。
始めに、ウエットブラストとは高圧噴射型表面粗化処理であり、その特徴は研磨剤と水と空気を十分に混合し、ブラストガンと呼ばれる噴出口からエアー圧力でシャワーのようにプリント配線板に吹き付ける工法である。この際、研磨剤がプリント配線板の表面に叩き付けられて、結果として微細に粗化することが可能である。また、プリント配線板が水平コンベアにより搬送される際、その搬送プリント配線板に対して高圧噴射型表面粗化処理の研磨剤が垂直方向に当たるため、凹部4の加工は良好に行なえる。
ここでウエットブラスト加工には、マコー株式会社製のウエットブラスト「Physical Fine Etcher:FR-663、Wet Blasting System」が好適に使用される。また、その使用条件としては、例えば処理速度を0.3〜2.7M/分、エアー消費量を8.0〜12.0m3/分及びエアー圧力を0.1〜0.3MPaとすると共に、研磨剤として#800〜2000を使用するのが良好な結果を得られる。
前記条件にて加工を行なうことにより、絶縁材2に10から50μmの深さを有する凹部4を形成することができる。これを複数回繰り返すことにより、目的とする深さの凹部4を得ることが可能となる。すなわち、200μm未満の精度の良い凹部4の加工は、前記ウエットブラスト加工の条件を調整し、処理回数を適宜選択することで可能になる。
また、絶縁材2にガラスクロスや高充填のフィラーが含有するものを使用する場合、当該絶縁材2の硬さに違いを生じ、良好に凹部4の加工が行なわれない場合がある。そのような場合には、前記ウエットブラスト加工の前にレーザ加工を行なうと良好に凹部4の加工が行なわれる。
ここでレーザ加工には、三菱電機社製のレーザ加工機「ML−605GTX」が好適に使用される。また、そのレーザ加工条件としては、例えばパルス幅を8μs、ショット数を1から5ショット、マスク径をφ0.7mm及びコリメーションを152mmとするのが良好な結果が得られる。
前記条件のレーザ加工により、絶縁材2に5〜20μmの深さの凹部4を形成することができ、次いで前記ウエットブラスト加工を行なうことで、絶縁材2に目的とする深さの凹部4を形成することができる。
ここで、上記凹部4の深さ方向の調整は、当該凹部4にキャパシタを形成する本発明において、キャパシタの容量値は誘電体の厚み方向に大きく依存するために重要である。
以上のような加工方法により絶縁材2に凹部4を設け、図1(b)に示した構造体を得る。ここで、当該凹部4の表面から観察される形状は、前記回路形成による金属箔3のエッチング加工で自由に設定できるために、長方形や円形状以外にも多角形や角の取れた四角形状のものでも良好に形成することができる。すなわち、当該凹部4の表面から観察される形状に関しては求められるプリント配線板の設計に従えば良く、加工方法は当該形状に拘束されること無く行なえる。
次いで、前記凹部4を設けた図1(b)に示される構造体に銅めっき6処理を行ない、図1(c)に示される構造体を得る。当該銅めっき6は、化学銅めっき及び電解銅めっきを順に行ない、表層にある金属箔3及び凹部4の底部及び壁面を含めた全面に付着させる。当該銅めっき6は凹部4においても膜厚みが均一に、良好に付着できる。
次いで、凹部4内に付着した銅めっき6を回路形成し、凹部4内の壁面5付近の銅めっき6を除去し、下部電極7及び表層の導体部8を有する図1(d)に示される構造体を得る。
ここで回路形成法としては、例えば電着塗装法(ED法)による電着レジスト回路形成法が好適に使用される。この場合、電着レジストには日本ペイント社製のフォトED「品番:P−1000」を使用し、電着条件としては、電着液温度を24±2℃とし、電着電流密度を70mA/dm3とするのが好ましい。また、凹部4内部のパターン露光については、自動整合式手動露光機を用いて、露光量を350mj/cm2とし、露光真空度を0.09MPa以下とする条件にて露光を行なうのが好ましい。また、次工程の現像については、現像液に濃度1.0±0.05%のメタ珪酸ソーダを使用し、コンベアスピードを2.2m/minとし、現像液温度を30℃とするのが好ましい。また、次工程の銅エッチングでは、エッチング液に塩化第二鉄を用いて、レジスト剥離には濃度1.0%の苛性ソーダ水溶液を使用するのが好ましい。
次いで、前記下部電極7を有する凹部4の内部に誘電体20を充填し、図2(a)に示される構造体を得る。
凹部4の封止に使用する誘電体20には、高誘電特性の無機フィラーを含有し、バインダー樹脂としてはエポキシ系熱硬化性樹脂もしくはフェノール系熱硬化性樹脂が好適に使用される。プリント配線板の熱膨張係数などの熱的特性を近似させるためである。
凹部4の誘電体20による封止方法としては、減圧と大気圧との差圧を利用したスクリーン印刷方式による封止方法が好適に使用される。この封止方法によれば、スクリーン印刷の際の印刷環境内を減圧し、スクリーン印刷による前記充填樹脂を使用した凹部4の封止を行ない、次いで印刷環境内を大気圧に戻すことで圧力差を得、この得られた圧力差を利用することにより、有底構造で立体的に複雑な構造となる凹部4に空隙やボイドを生じることのない封止を行なうことができる。
次いで、誘電体20の仕様に基づいて加熱を行ない、誘電体20の硬化を行なう。加熱硬化終了後には、プリント配線板の表層部に残る余分な誘電体20をバフなどを使用した物理的な研磨により切削し、除去をすることで、表面が平滑な図2(a)に示される構造体を得る。
次いで、層間接続ビア21の配置箇所に、レーザなどにより層間接続ビア用の開口部を設け、デスミアなどにより洗浄した後に、銅めっき処理を行なって表層部に銅めっき22を付着させると共に、層間接続ビア21の形成を行ない、図2(b)に示される構造体を得る。
次いで、前記図2(b)に示される構造体の銅めっき22部の回路形成を行ない、上部電極23と表層の導体部24を同一層に有する図2(c)に示される構造体を得る。
次いで、図2(c)に示される構造体の上部電極23を始めとする導体部の全面に無電解ニッケルめっき及び無電解金めっきを付着させる。
図2(c)に示される構造体は、下部電極7と上部電極23及び前記両電極間の誘電体20からなるキャパシタ25を有する。すなわち、絶縁材2の内部に凹部4を設け、当該凹部4にキャパシタ25を配置してなる部品内蔵型のプリント配線板である。
ここで、前記キャパシタ25の構造的な特徴としては、次に示すようなものが挙げられる。
図2(a)に示される構造体において、誘電体20を凹部4に埋設し、硬化させた後にバフなどを使用した物理研磨が行なえるために誘電体20の表面が平滑になり、上部電極23を配置してなるキャパシタ25としての構造体の場合においても、従来のキャパシタのように凸部構造を有することのない平坦な構造を形成することが可能になる。これは、キャパシタ25の直上もしくはその周辺に機能部品を実装する場合に重要であり、前記従来技術に示したような実装不具合の問題点を解消することとなる。
また、キャパシタ25は前記凹部4に配置することができるので、キャパシタ部が原因となるプリント配線板の全体的な厚みの増加がない。それ故、近年のプリント配線板に要求される薄型化に対応することが可能になる。
さらに、キャパシタ25は、ビルドアップ部や内層のコア部などを始めとするプリント配線板の任意の絶縁層部に形成することができる特徴を有する。これにより、キャパシタ25をプリント配線板の内部に導入した場合においても、前記従来技術の問題点としてあげられた高密度配線を形成するさいの障害となることがなく、加えてプリント配線板の層数を増やすことがなくキャパシタを形成することができるようになる。
一方、キャパシタ25を形成する際の誘電体20は、前記ように高誘電特性のフィラーを含有し、バインダー樹脂にエポキシ系熱硬化性樹脂もしくはフェノール系熱硬化性樹脂が好適に使用することができ、その中でも誘電率の異なる種々の樹脂材料を使用することができる。これにより、例えば、複数のキャパシタ特性を必要とする場合に、凹部4の深さ及び面積によりキャパシタ容量を調整することに加え、異種の前記樹脂材料を使用すれば、同一の層においても複数の容量値を有するキャパシタを形成することができるようになる。
以上の如く、図2に示される構造体は、下部電極7を層間接続ビア21にて表層の導体層24へと接続した例を示しているが、下部電極7は回路配線により表層部に引き回しすることも可能である。そこで、図3を使用して、回路配線により表層部に引き回す方法について説明する。
図3(a)は、前記図1(c)に示される凹部4を含んだ全面に銅めっき6を付着させた後の構造体に、回路形成にて凹部4内の一部の壁面5aのみの銅をエッチングにより除去した後の構造体を示している。
このように、凹部4内の一部の壁面5aのみの銅をエッチングにより除去することで、下部電極7は他の壁面5bを介して、表層の導体部24へと接続される。
次いで、前記下部電極7を有する凹部4の内部を誘電体20にて封止し、誘電体20の仕様に基づいて加熱を行ない、誘電体20の硬化を行なう。加熱硬化終了後には、プリント配線板の表層部に残る余分な誘電体20をバフなどを使用した物理的な研磨により切削し、除去をすることで、表面を平滑にする。次いで、銅めっき22処理を行ない、図3(b)に示される構造体を得る。
次いで、前記図3(b)に示される構造体の銅めっき22部の回路形成を行ない、上部電極23と表層の導体部24を同一層に有する図3(c)に示される構造体を得る。
図3(c)に示される構造体は、下部電極7と上部電極23と両電極間の誘電体20からなるキャパシタ25をプリント配線板の内部に有する部品内蔵型のプリント配線板であり、特に下部電極7は導体部24に接続され、当該導体部24は上部電極23と同一の層に配置されている。
次に、本発明の部品内蔵型のプリント配線板の全体的な構造の一例を図4を使用して説明する。
図4は、前記凹部4の形状を表面から観察して四角形状とした場合を示し、また凹部4の底部は前記記載の如く、表層第一の層(L1)と下層第二の層(L2)の間に配置された構造である。また、下部電極7は前記凹部4と同様に四角形状として、当該凹部4に収まっている構造を示している。また、前記上部電極23は比較的大きな円形状となっており、下部電極7には層間接続ビア21の受けランドを設け、当該層間接続ビア21を介して、導体部24との接続を行なう構造を示している。
このように、本発明における部品内蔵型のプリント配線板は凹部4の形状を目的に応じて変化させることができるため、様々な構造を形成することが可能になる。それに伴って、キャパシタ25としての容量も上部電極23の面積を調整することでキャパシタ容量値を変化させることができ、前記凹部4の深さ方向によるキャパシタ容量の調整方法と合わせることで目的にあった容量値を有するキャパシタ25を形成することができる。
また、上部電極23は前記記載の如く、回路形成により容易に目的とする形状を形成することができるために、当該上部電極23を集積回路を実装するための実装用のパッドとして使用することできる。
次に、本発明における部品内蔵型のプリント配線板において、キャパシタ部25の直上に集積回路を実装した一例を図5を使用して説明する。
前記の如く、例えば図4に示される上部電極23は、Ni/Auめっきなどの表面処理を施すことにより、部品実装用のパッドとして使用し得るので、当該上部電極23に集積回路30を図5のように配置することができる。
このようにすることによって、集積回路直下にキャパシタを配置する構造などの立体的な配置が可能になるため、集積回路の高速伝送時のリードインダクタンスを低減することが可能になり、動作に対応するための信号配線を最適化にすることができる。
また、キャパシタ25部の直下に図5のように導体回路31やスルーホール33を配置することも可能である。
本発明部品内蔵型プリント配線板の製造方法を示す断面工程説明図。 図1に引き続く部品内蔵型プリント配線板の製造方法を示す断面工程説明図。 本発明部品内蔵型プリント配線板の他の製造方法を示す断面工程説明図。 本発明部品内蔵型プリント配線板の斜視説明図。 集積回路を実装した本発明部品内蔵型プリント配線板を示す概略断面説明図。 第1の従来の部品内蔵型プリント配線板の製造方法を示す断面工程説明図。 第2の従来の部品内蔵型プリント配線板の製造方法を示す断面工程説明図。 第3の従来の部品内蔵型プリント配線板を示す断面説明図。
符号の説明
1:導体層
2:絶縁材
3:金属箔
4:凹部
5,5a,5b:壁面
6:銅めっき
7:下部電極
8:導体部
20:誘電体
21:層間接続ビア
22:銅めっき
23:上部電極
24:導体部
25:キャパシタ
30:集積回路
31:導体回路
32:層間接続ビア
33:スルーホール
61:配線層
62:下部電極
63:誘電材料
64:上部電極
65:キャパシタ
66:絶縁材
67,68:開口部
69:銅めっき
71:絶縁材
72:凹部
73:導体層
74:誘電体層
75:導体層
81:基板
82:第一の電極
83:誘電体
84:第二の電極

Claims (7)

  1. 絶縁層に設けられた有底構造の凹部の底部に配置された下部電極と、下部電極を含む凹部に充填された誘電体と、表面が平坦化された誘電体の直上に配置された上部電極とからなるキャパシタを有し、かつ上部電極と表層導体部が同一層に配置されていることを特徴とする部品内蔵型プリント配線板。
  2. 上部電極にNi/Auめっき処理が施されていると共に、更に集積回路部品が搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の部品内蔵型プリント配線板。
  3. 凹部の底部に配置された下部電極に少なくとも1つの層間接続ビアが接続され、当該下部電極は層間接続ビアを介し、上部電極と同一層に配置された導体部に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品内蔵型プリント配線板。
  4. 誘電体内のバインダー樹脂が、エポキシ系熱硬化性樹脂又はフェノール系熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の部品内蔵型プリント配線板。
  5. プリント配線板の絶縁層に有底構造の凹部を形成する工程と、当該凹部の底部に導体を付与し、下部電極を形成する工程と、下部電極を含む凹部に誘電体を充填する工程と、当該誘電体の表面を平坦化する工程と、当該誘電体を含む表層部に導体を付与し、誘電体の直上に上部電極を表層導体部と同一層に形成する工程とを有することを特徴とする部品内蔵型プリント配線板の製造方法。
  6. 上部電極にNi/Auめっきを形成する工程と、当該めっきを形成した上部電極に集積回路部品を搭載する工程とを更に有することを特徴とする請求項5記載の部品内蔵型プリント配線板の製造方法。
  7. 凹部を高圧噴射型粗化処理にて形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の部品内蔵型プリント配線板の製造方法。
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