JP2006253427A - 太陽電池モジュール用保護シートおよび太陽電池モジュール。 - Google Patents

太陽電池モジュール用保護シートおよび太陽電池モジュール。 Download PDF

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Abstract

【課題】
防湿性、耐候性、生産性および耐衝撃性に優れた保護シートを有し、屋外での使用に特に適した太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】
少なくとも1層の数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層、および少なくとも1層の環状オレフィン(共)重合体からなる層を有する太陽電池モジュール用保護シ−ト。この様な、太陽電池モジュール用保護シートと、太陽電池セルとを有する太陽電池モジュール。
【選択図】 なし

Description

本発明は、防湿性、耐候性、生産性および耐衝撃性に優れた太陽電池モジュール用保護シート、および、それを用いた太陽電池モジュールに関する。
地球環境問題、エネルギー問題等が深刻さを増す中、クリーンでかつ枯渇のおそれが無いエネルギー源として、太陽電池が注目されている。太陽電池を建物の屋根部分等の屋外で使用する場合、太陽電池モジュールの形で使用することが一般的である。
太陽電池モジュールは、通常、多結晶シリコン等により形成された太陽電池セルをエチレンビニルアセテート(EVA)等からなる封止用樹脂層で挟み積層し、さらに表裏両面を太陽電池モジュール用保護シートでカバーした構造になっている。すなわち典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)という積層構造になっている。この結果、太陽電池モジュールは、耐候性を有し、建物の屋根部分等の屋外での使用にも適したものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
太陽電池モジュール用表面保護シートとしては、透明性に優れること、湿分のバリア性に優れること等から、従来ガラスが広く用いられていた。しかし、ガラスは破損しやすく、屋外での使用、とりわけ屋根部分での使用においては、破損のおそれがあることが、従来の太陽電池モジュールの使用の際の制約となっていた。
ガラスに代えて、柔軟性に富み、破損しにくい有機高分子からなるフィルムを太陽電池モジュール用表面保護シートとして使用することが検討されている。太陽電池モジュール用表面保護シートは高い防湿性が求められるため、防湿性に優れた環状オレフィン(共)重合体を用いることが提案されている。環状オレフィン(共)重合体は、防湿性に優れる一方、耐候性、耐衝撃性が必ずしも十分でない場合があり、屋外での使用を制約する原因となっている。そこで、環状オレフィン(共)重合体の表面を保護するため、さらにフッ素樹脂またはポリメチルメタクリレートを積層した太陽電池モジュール用保護シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
フッ素樹脂およびポリメチルメタクリレートは、耐候性には優れているものの、目的との関係において、耐引裂き性が必ずしも十分ではない。太陽電池モジュールの生産工程においては、太陽電池モジュール用保護シート、封止樹脂層、太陽電池セル等の各層を積み重ねる操作が行われる。この際に、太陽電池モジュール保護シートの耐引裂き性が十分でないと、生産中に保護シートが破損し、製品の歩留まりを下げるおそれがある。また、保護シートの破損を防ぐために、製造速度を一定値以下に制限すれば、製造ラインの能力を制限することになり、経済的に好ましくない。そこで、フッ素樹脂またはポリメチルメタクリレートに代えて、耐引裂き性に優れた樹脂を使用することが求められていた。
耐引裂き性に優れた透明性樹脂として、ポリカーボネートが知られている。ポリカーボネートは、環状オレフィン(共)重合体と積層し得る樹脂の候補として、各種の樹脂とともに例示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平8−283696号公報 特開平8−306948号公報 特開2000−106450号公報
ポリカーボネートは、耐引裂き性に優れるものの、環状オレフィン(共)重合体との接着が必ずしも容易ではなく、製造効率を低下させ、あるいは長期間の使用を制限する要因となる場合があった。また、環状オレフィン(共)重合体とポリカーボネートとを積層して得られた積層体は耐衝撃性が十分でない場合があり、屋外での使用を制限する要因となっていた。
本発明の目的は、かかる課題を解決し、環状オレフィン(共)重合体層との組合せにおいて、十分な接着性および十分な耐衝撃性をするポリカーボネート層を得る指針を確立し、防湿性、耐候性、生産性、および耐衝撃性に優れ、太陽電池を適切に保護できるうえに、容易かつ効率的に太陽電池を製造できる、太陽電池モジュール用保護シートを提供することにある。さらに本発明は、防湿性、耐候性、生産性および耐衝撃性に優れた表面保護シートを有し、屋外での使用に適するうえに生産性に優れた太陽電池モジュールを提供することにある。
発明者らは、鋭意検討の結果、数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂が、環状オレフィン(共)重合体との組合せにおいて、優れた接着性および耐衝撃性を有することを見出した。その結果、数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層と、環状オレフィン(共)重合体からなる層とを有する積層保護シートが、防湿性、耐候性、生産性および耐衝撃性に優れることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の形態は、
(1)少なくとも1層の数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層、および少なくとも1層の環状オレフィン(共)重合体からなる層を有する太陽電池モジュール用保護シ−トに関する。
以下、(2)から(5)は、それぞれ本発明の好ましい実施態様の1つである。
(2)前記ポリカーボネート樹脂の塩素含有量が2ppm以下である、上記(1)に記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
(3)前記ポリカーボネート樹脂からなる層を少なくとも2層有し、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層の両面に前記ポリカーボネート樹脂からなる層が存在している、上記(1)または(2)に記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
(4)最外層のうち少なくとも片面が、1種類以上の紫外線硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂でコーティングされている、上記(1)から(3)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
(5)表面保護シートである、上記(1)から(4)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用保護シート。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用保護シートを有する、太陽電池モジュール。
本発明の第2の形態は、
(7)少なくとも、太陽電池モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100等量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層とを有し、少なくとも1層の前記ポリカーボネート樹脂からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置されている、太陽電池モジュールに関する。
以下、(8)および(9)は、それぞれ本発明の好ましい実施態様の1つである。
(8)少なくとも、太陽電池用モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、2層以上の数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100等量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層とを有し、少なくとも1層の前記ポリカーボネート樹脂からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置され、かつ、少なくとも他の1層の前記ポリカーボネート樹脂からなる層が前記環状オレフィン(共)重合体からなる層よりも、太陽電池セルに近い側に配置されている、太陽電池モジュール。
(9)前記太陽電池モジュール用保護シートが表面保護シートである、上記(7)または(8)に記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、防湿性、耐候性および耐衝撃性に優れる、太陽電池モジュール用保護シートを提供することができる。この様な太陽電池モジュール用保護シートを用いて作製された太陽電池モジュールは、屋外での使用に好適であり、実用上高い価値を有する。
本発明の第1の形態は、少なくとも1層の数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層、および少なくとも1層の環状オレフィン(共)重合体からなる層を有する太陽電池モジュール用保護シ−トである。
(ポリカーボネート樹脂からなる層)
-本発明の第1の形態である太陽電池モジュール用保護シートは、数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層を、少なくとも1層有する。ここで、「からなる」とは、当該層の全部がポリカーボネート樹脂で構成されている場合、当該層の一部がポリカーボネート樹脂で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。従って、この層は、ポリカーボネート樹脂以外の成分を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、数平均分子量が9000〜18000の範囲、好ましくは10000〜16000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲、好ましくは40〜90当量/トンの範囲にある。このような範囲にあるポリカーボネート樹脂は耐候性に優れ、環状オレフィン(共)重合体からなる層や接着樹脂層との界面安定性に優れる。その結果、耐衝撃性、引裂き強度に優れた保護シートが形成されるため、好ましい。尚、本発明における数平均分子量はGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で測定する標準ポリスチレン換算の分子量を用いることができる。また、水酸基価はNMRにより測定することができる。
また、本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、塩素含有量が2ppm以下、更には1ppm以下であることが好ましい。このような範囲にあると、モジュール中の電気配線や部材に対する悪影響が少なくなり好ましい。
このようなポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAなどの2価フェノールあるいは2価アルコールと、炭酸ジエステルあるいはホスゲンとから得られる従来公知のポリカーボネートが好ましく使用される。
好ましい2価フェノールとしては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン [ビスフェノールA] の他に、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、ジヒドロキシジアリールスルフィド類などが例示されるが、これらに限定はされない。
好ましい2価アルコールとしては、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、1,4シクロヘキサンジメタノール、イソソルバイドなどの脂環族ジオール、1,4ベンゼンジメタノール、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオールなどが例示されるが、これらには限定されない。
これらの2価フェノールまたは2価アルコールは、必要に応じて2種類以上を用いてもよく、通常は、ビスフェノールA、またはビスフェノールAを主成分とし、少量の他の2価フェノールが含んだものが使用される。
好ましい炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネートなどが例示されるが、これらに限定はされない。このうち、ジフェニルカーボネートが好適に使用される。
本発明に係るポリカーボネート樹脂の製造方法としては、公知の各種ポリカーボネート重合方法〔例えば、実験化学講座第4版、(28)高分子合成、231〜242頁、丸善出版(1988年)に記載の方法で、溶液重合法、エステル交換法または界面重合法など〕が用いられる。
また、ポリカーボネート樹脂は、必要に応じて、アリロキシ化合物、モノカルボキシ化合物などの末端封止剤で処理されたものであってもよい。さらに、本発明に用いるポリカーボネート樹脂には本発明の目的を損なわない範囲において、各種の添加物を加えることができる。すなわち、他の樹脂、および/または、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、及び分散剤等から選ばれる1種類または2種類以上の添加剤を添加することができる。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートに用いられるポリカーボネート樹脂からなる層の厚さは、通常5μm〜500 μmである。厚さがこの範囲内にあると、耐候安定性、加工性の点で好ましい。ポリカーボネート樹脂からなる層の成膜手段としては、Tダイを用いた押し出し法をはじめとする、従来公知の方法が適宜使用される。
(環状オレフィン(共)重合体からなる層)
本発明の第1の形態である太陽電池モジュール用保護シートは、環状オレフィン(共)重合体からなる層を、少なくとも1層有する。ここで、「からなる」とは、当該層の全部が環状オレフィン(共)重合体で構成されている場合、当該層の一部が環状オレフィン(共)重合体で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。従って、この層は、環状オレフィン(共)重合体以外の成分を含んでいてもよいし、含んでいなくても良い。
本発明で用いられる環状オレフィン(共)重合体は、その(共)重合成分の少なくとも一部として環状オレフィンを用いて得られたものであれば良く、それ以外に特に制限はない。好ましい環状オレフィン(共)重合体の具体例としては、
α-オレフィンと環状オレフィンとのランダム共重合体、環状オレフィンの開環重合体または開環共重合体、これらの水素化物、および、これらのグラフト変性物を挙げることができる。また、極性基を有する環状オレフィンや、単環の環状オレフィンを用いて得られた環状オレフィン(共)重合体も、好ましく用いることができる。これらの中でも、寸法安定性、耐熱性、機械強度等の観点から、α−オレフィンと環状オレフィンとのランダム共重合体、環状オレフィンの開環重合体または開環共重合体、これらの水素化物、極性基を有する環状オレフィンを用いて得られた(共)重合体などが特に好ましい。
(環状オレフィン)
本発明の太陽電池モジュール用保護シートを構成する環状オレフィン(共)重合体を得るにあたって用いられる環状オレフィンには、特に制限はなく、少なくとも1箇所の環状構造を有するオレフィン化合物であれば、適宜使用することができる。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートを構成する環状オレフィン(共)重合体を得るにあたって、特に好ましく用いられるのは、式(I)または(II)で表される環状オレフィンである。
Figure 2006253427
上記式(I)中、nは0または1であり、mは0または1以上の整数であり、qは0または1である。なお、qが1の場合には、RaおよびRbは、それぞれ独立に、下記に示す原子または炭化水素基であり、qが0の場合には、Ra、Rbの結合はなくなり、両側の炭素原子が結合して5員環を形成する。
1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
また、炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。さらに上記式(I)において、R15〜R18がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環または多環を形成していてもよく、しかも、このようにして形成された単環または多環は二重結合を有していてもよい。
Figure 2006253427
式(II)中、pおよびqは0または1以上の整数であり、mおよびnは0、1または2である。またR1〜R19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
ハロゲン原子は、上記式(I)におけるハロゲン原子と同じ意味である。炭化水素基としては、それぞれ独立に炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、アリール基およびアラルキル基、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基などが挙げられる。
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されていてもよい。
ここで、R9およびR10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R9およびR13で表される基が、またはR10およびR11で表される基が、互いに共同して、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-)のうちのいずれかのアルキレン基を形成している。
さらに、n=m=0のとき、R15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多環の芳香族環として、たとえば下記のようなR15とR12がさらに芳香族環を形成している基が挙げられる。
Figure 2006253427
ここでqは、式(II)におけるqと同じ意味である。
上記のような式(I)または式(II)で示される環状オレフィン を、より具体的に次に例示する。一例として、
Figure 2006253427
で示されるビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン(=ノルボルネン)(上記一般式中において、1〜7の数字は炭素の位置番号を示す。)および該化合物に炭化水素基が置換した誘導体が挙げられる。
この置換炭化水素基として、5-メチル、5,6-ジメチル、1-メチル、5-エチル、5-n-ブチル、5-イソブチル、7-メチル、5-フェニル、5-メチル-5-フェニル、5-ベンジル、5-トリル、5-(エチルフェニル)、5-(イソプロピルフェニル)、5-(ビフェニル)、5-(β-ナフチル)、5-(α-ナフチル)、5-(アントラセニル)、5,6-ジフェニルなどを例示することができる。
さらに他の誘導体として、シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン誘導体を例示することができる。
この他、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、2-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、5-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセンなどのトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン、10-メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、
Figure 2006253427
で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、およびこれに炭化水素基が置換した誘導体が挙げられる。
その炭化水素基として、8-メチル、8-エチル、8-プロピル、8-ブチル、8-イソブチル、8-ヘキシル、8-シクロヘキシル、8-ステアリル、5,10-ジメチル、2,10-ジメチル、8,9-ジメチル、8-エチル-9-メチル、11,12-ジメチル、2,7,9-トリメチル、2,7-ジメチル-9-エチル、9-イソブチル-2,7-ジメチル、9,11,12-トリメチル、9-エチル-11,12-ジメチル、9-イソブチル-11,12-ジメチル、5,8,9,10-テトラメチル、8-エチリデン、8-エチリデン-9-メチル、8-エチリデン-9-エチル、8-エチリデン-9-イソプロピル、8-エチリデン-9-ブチル、8-n-プロピリデン、8-n-プロピリデン-9-メチル、8-n-プロピリデン-9-エチル、8-n-プロピリデン-9-イソプロピル、8-n-プロピリデン-9-ブチル、8-イソプロピリデン、8-イソプロピリデン-9-メチル、8-イソプロピリデン-9-エチル、8-イソプロピリデン-9-イソプロピル、8-イソプロピリデン-9-ブチル、8-クロロ、8-ブロモ、8-フルオロ、8,9-ジクロロ、8-フェニル、8-メチル-8-フェニル、8-ベンジル、8-トリル、8-(エチルフェニル)、8-(イソプロピルフェニル)、8,9-ジフェニル、8-(ビフェニル)、8-(β-ナフチル)、8-(α-ナフチル)、8-(アントラセニル)、5,6-ジフェニル等を例示することができる。
さらには、(シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物)とシクロペンタジエンとの付加物などのテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセンおよびその誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]-5-エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセンおよびその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセンおよびその誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]-5-ペンタコセンおよびその誘導体などが挙げられる。
本発明で使用することのできる前記式(I)または式(II)の具体例は、上記した通りであるが、より具体的なこれらの化合物の構造については、本願出願人の出願による特開平7-145213号公報明細書の段落番号[0032]〜[0054]に示されており、本願発明においても、上記明細書に例示されるものを好ましい環状オレフィン として使用することができる。
上記のような一般式(I)または(II)で表される環状オレフィン の製造方法としては、例えば、シクロペンタジエンと対応する構造を有するオレフィン類とのディールス・アルダー反応を挙げることが出来る。
これらの環状オレフィン は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。本発明で好ましく用いられる環状オレフィン 系重合体は、上記のような式(I)または式(II)で表される環状オレフィン を用いて、たとえば特開昭60-168708号、同61-120816号、同61-115912号、同61-115916号、同61-271308号、同61-272216号、同62-252406号および同62-252407号などの公報において本出願人が提案した方法に従い、適宜条件を選択することにより製造することができる。

本発明では、環状オレフィン(共)重合体として、[A-1]:炭素原子数が2〜20のα-オレフィンと後述の式(I)または(II)で表される環状オレフィン とのランダム共重合体、[A-2]:式(I)または(II)で表される環状オレフィン の開環重合体または共重合体、[A-3]:上記[A-2]開環重合体または共重合体の水素化物、および、[A-4]:上記[A-1]、[A-2]または[A-3]のグラフト変性物からなる群より選ばれる少なくとも1種類を用いることが望ましい。
以下、本発明で好ましく用いられる環状オレフィン(共)重合体である、[A-1]〜[A−4]について説明する。
([A-1]α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体)
本発明において好ましく用いられる[A-1]α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体は、炭素原子数が2〜20のα-オレフィンから誘導される構成単位を、通常は20〜95モル%、好ましくは30〜90モル%の量で、環状オレフィン から誘導される構成単位を、通常は5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%の量で含有している。なおα-オレフィンおよび環状オレフィン の組成比は、13C−NMRによって測定される。
ここで、α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体[A-1]を構成する炭素原子数が2〜20のα-オレフィンについて説明する。α-オレフィンとしては、直鎖状でも分岐状でもよく、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原子数が2〜20の直鎖状α-オレフィン;3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセンなどの炭素原子数が4〜20の分岐状α-オレフィンなどが挙げられる。これらのなかでは、炭素原子数が2〜4の直鎖状α-オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。このような直鎖状または分岐状のα-オレフィンは、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
この[A-1]α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体では、上記のような炭素原子数が2〜20のα-オレフィンから誘導される構成単位と環状オレフィン から誘導される構成単位とが、ランダムに配列して結合し、実質的に線状構造を有している。この共重合体が実質的に線状であって、実質的にゲル状架橋構造を有していないことは、この共重合体が有機溶媒に溶解した際に、この溶液に不溶分が含まれていないことにより確認することができる。たとえば、極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体が135℃のデカリンに完全に溶解することにより確認することができる。
本発明で用いられる[A-1]α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体において、上記式(I)または(II)で表される環状オレフィン の少なくとも一部は、下記式(IV)または(V)で示される繰り返し単位を構成していると考えられる。
Figure 2006253427
式(IV)において、n、m、q、R1〜R18ならびにRaおよびRbは式(I)と同じ意味である。
Figure 2006253427
式(V)において、n、m、p、qおよびR1〜R19は式(II)と同じ意味である。
また本発明で用いられる[A-1]α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能なモノマーから誘導される構成単位を有していてもよい。
このような他のモノマーとしては、上記のような炭素原子数が2〜20のα-オレフィンまたは環状オレフィン 以外のオレフィンを挙げることができ、具体的には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセンおよびシクロオクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンなどのシクロオレフィン、1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエンおよび5-ビニル-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン類を挙げることができる。これらの他のモノマーは、単独であるいは組み合わせて用いることができる。
[A-1]α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体において、上記のような他のモノマーから誘導される構成単位は、通常は20モル%以下、好ましくは10モル%以下の量で含有されていてもよい。
本発明で用いられる[A-1]α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体は、炭素数が2〜20のα-オレフィンと式(I)または(II)で表される環状オレフィン とを用いて前記公報に開示された製造方法により製造することができる。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で行ない、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物および有機アルミニウム化合物から形成される触媒を用いて[A-1]α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体を製造することが好ましい。
また、この共重合反応では固体状のIV族メタロセン系触媒を用いることもできる。ここで固体状IV族メタロセン系触媒とは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物と、必要により配合される有機アルミニウム化合物とからなる触媒である。ここでIV族の遷移金属としては、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、これらの遷移金属が少なくとも1個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有している。シクロペンタジエニル骨格を含む配位子の例としては、アルキル基が置換していてもよいシクロペンタジエニル基またはインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フロオレニル基を挙げることができる。これらの基は、アルキレン基など他の基を介して結合していてもよい。また、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子以外の配位子の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等があげられる。
また、有機アルミニウムオキシ化合物および有機アルミニウム化合物は、通常オレフィン系樹脂の製造に使用されるものを用いることができる。このような固体状IV族メタロセン系触媒については、例えば特開昭61-221206号、同64-106号および特開平2-173112号公報等に記載されているものを使用し得る。
([A-2] 環状オレフィン の開環重合体または共重合体)
[A-2]環状オレフィン の開環重合体または共重合体は、前記式(I)または(II)で表される環状オレフィン の開環重合体、または前記式(I)および/または(II)で表される環状オレフィン の開環重合単位を含む共重合体である。共重合体の場合、2種以上の異なる環状オレフィン を組み合わせて用いる。
環状オレフィン の開環重合体または開環共重合体において、上記式(I)または(II)で表される環状オレフィン の少なくとも一部は、下記式(VI)または(VII)で表される繰り返し単位を構成していると考えられる。
Figure 2006253427
式(VI)において、n、m、qおよびR1〜R18ならびにRaおよびRbは式(I)と同じ意味である。
Figure 2006253427
・ 式(VII)において、n、m、p、qおよびR1〜R19は式(II)と同じ意味である。
このような開環重合体または開環共重合体は、前記公報に開示された製造方法により製造することができ、例えば、上記式(I)で表される環状オレフィン を開環重合触媒の存在下に、重合または共重合させることにより製造することができる。開環重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウムまたは白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムまたはモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
([A-3]開環重合体または共重合体の水素化物)
本発明で好ましく用いられる[A-3]開環重合体または共重合体の水素化物は、上記のようにして得られる開環重合体または共重合体[A-2]を、従来公知の水素添加触媒の存在下に水素化して得られる。
この[A-3]開環重合体または共重合体の水素化物においては、式(I)または(II)で表される環状オレフィン のうち少なくとも一部は、下記式(VIII)または(IX)で表される繰り返し単位を構成していると考えられる。
Figure 2006253427
式(VIII)において、n、m、qおよびR1〜R18ならびにRaおよびRbは式(I)と同じ意味である。
Figure 2006253427
式(IX)においてn、m、p、q、R1〜R19は式(II)と同じ意味である。
([A-4] グラフト変性物)
本発明で好ましく用いられる、環状オレフィン 系重合体グラフト変性物は、上記の[A-1]α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体、[A-2]環状オレフィン の開環重合体または共重合体、または、[A-3]開環重合体または共重合体の水素化物、のグラフト変性物である。
ここで用いられる変性剤としては、通常不飽和カルボン酸類があげられ、具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)などの不飽和カルボン酸、さらにこれら不飽和カルボン酸の誘導体たとえば不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミド、不飽和カルボン酸のエステル化合物などが例示される。
不飽和カルボン酸の誘導体としては、より具体的に、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、塩化マレイル、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。
これらのなかでは、α,β−不飽和ジカルボン酸およびα,β−不飽和ジカルボン酸無水物たとえばマレイン酸、ナジック酸およびこれら酸の無水物が好ましく用いられる。これらの変性剤は、2種以上組合わせて用いることもできる。
このような環状オレフィン 系重合体のグラフト変性物は、所望の変性率になるように環状オレフィン 系重合体に変性剤を配合してグラフト重合させ製造することもできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いでこの変性物と未変性の環状オレフィン 系重合体とを所望の変性率になるように混合することにより製造することもできる。
環状オレフィン 系重合体と変性剤とから環状オレフィン 系重合体のグラフト変性物を得るには、従来公知のポリマー変性方法を広く適用することができる。たとえば溶融状態にある環状オレフィン 系重合体に変性剤を添加してグラフト重合(反応)させる方法、あるいは環状オレフィン 系重合体の溶媒溶液に変性剤を添加してグラフト反応させる方法などによりグラフト変性物を得ることができる。
このようなグラフト反応は、通常60〜350℃の温度で行われる。またグラフト反応は、有機過酸化物およびアゾ化合物などのラジカル開始剤の共存下に行うことができる。
本発明では、環状オレフィン 系重合体として、上記のような[A-1]、[A-2]、[A-3]および[A-4]のいずれかを単独で用いることができ、またこれらを組み合わせて用いることもできる。これらのうちでは、α-オレフィン・環状オレフィン ランダム共重合体[A-1]、さらにはエチレン・環状オレフィン ランダム共重合体が好ましく用いられる。とりわけ、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体またはエチレン・ノルボルネン共重合体が好ましい。

(極性基含有環状オレフィン)
本発明の太陽電池モジュール用保護シートを構成する環状オレフィン(共)重合体を得るにあたって用いられる環状オレフィンは、極性基を有していても良い。極性基を有すると、接着性が向上し、他の樹脂との積層が容易になる等の好ましい効果がある。
極性基を有する環状オレフィンの構造に特に制限はなく、本発明の目的を損なわない限り各種の環状オレフィンを適宜用いることができるが、下式(X)に示す構造の環状オレフィン(以下、特定単量体という。)を用いることが特に好ましい。
Figure 2006253427
(式中、AおよびBは水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、XおよびYは水素原子または一価の有機基であって、XおよびYの少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する基を示し、mは0または1である。)
特定単量体のうち、極性基が特に式−(CH2nCOORで表される特定の極性基である特定単量体は、得られる開環 重合体の水素添加物が高いガラス転移温度と低い吸湿性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の極性基にかかる式において、Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは通常、0〜5であるがnの値が小さいものほど、得られる開環 重合体のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体は、その合成が容易である点で、また、得られる開環 重合体がガラス転移温度の高いものとなる点で好ましい。さらに、前記一般式1においてAまたはBがアルキル基、特にメチル基であることが好ましく、特にこのアルキル基が上記の式−(CH2nCOORで表せる特定の極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが好ましい。また、一般式1においてmが1である特定単量体は、ガラス転移温度の高い開環 重合体が得られる点で好ましい。
一般式(X)で表される特定単量体の具体例としては、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−エン、5−メチル−5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−エン、8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシ−n−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシイソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−カルボキシ−n−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ−n−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシイソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシn−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどを挙げることができる。これらのうち、8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンは、これを開環 重合させて得られる重合体が高いガラス転移温度と低い吸湿性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定単量体は必ずしも単独で用いる必要はなく、2種以上を用いて開環 共重合反応を行うこともできる。
本発明において用いられる環状オレフィン(共)重合体は、上記の特定単量体を単独で開環 重合させたものであってもよいが、当該特定単量体とそれ以外の単量体、とりわけそれ以外の環状オレフィンとを開環 共重合させたものであってもよい。この場合に使用することのできるそれ以外の単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。さらにポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環 重合させてもよい。そして、この場合に得られる開環共重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
(単環の環状オレフィン)
本発明の環状オレフィン(共)重合体は、単環の環状オレフィンを(共)重合成分として用いたものであっても良い。単環の環状オレフィンには特に制限はないが、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどが、好ましく用いられる。
単環の環状オレフィンを(共)重合成分として用いた環状オレフィン(共)重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。

本発明で用いられる環状オレフィン(共)重合体は、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)が、70℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは70〜250℃であり、特に120〜180℃が好ましい。
また、本発明で用いられる環状オレフィン(共)重合体は、非晶性または低結晶性であり、X線回折法によって測定される結晶化度が、通常20%以下であり、好ましくは10%以下、さらに好ましくは2%以下である。
本発明で用いられる環状オレフィン(共)重合体は、135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が、通常0.01〜20dl/gであり、好ましくは0.03〜10dl/g、さらに好ましくは0.05〜5dl/gであり、ASTM D1238に準じ260℃、荷重2.16kgで測定される溶融流れ指数(MFR)は、通常0.1〜200g/10分であり、好ましくは1〜100g/10分、さらに好ましく5〜50g/10分である。
本発明で用いられる環状オレフィン 系重合体は、さらにその軟化点が、サーマルメカニカルアナライザーで測定した軟化点 (TMA)として、通常30℃以上であり、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80〜260℃である。
本発明において、上記の環状オレフィン(共)重合体は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。また、環状オレフィン(共)重合体からなる層は、本発明の目的を損なわない範囲で、環状オレフィン(共)重合体以外の樹脂を含んでいても良い。さらに、環状オレフィン(共)重合体からなる層は、本発明の目的を損なわない範囲で、樹脂以外の各種成分を含んでいても良い。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートにおいて用いられる環状オレフィン(共)重合体からなる層には、本発明の目的を損なわない範囲において、各種の添加物を加えることができる。すなわち、他の樹脂、および/または、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、及び分散剤等から選ばれる1種類または2種類以上の添加剤を添加することができる。
環状オレフィン(共)重合体からなる層の厚さは、通常5μm〜200μmである。厚さがこの範囲内にあると、防湿性、加工性の点で好ましい。環状オレフィン(共)重合体からなる層は、Tダイを用いた押し出し法、溶液流延法をはじめとする、従来公知の方法を用いて適宜作製される。環状オレフィン(共)重合体からなる層は、延伸されていても、されていなくても良い。
(太陽電池モジュール用保護シートの構成)
本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、環状オレフィン(共)重合体からなる層を少なくとも1層と、ポリカーボネート樹脂からなる層を少なくとも1層有していれば良い。
従って、環状オレフィン(共)重合体からなる層の層数は、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。層間の界面での反射を極力小さくし、太陽光を有効に活用する観点からは、1層であることが好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂からなる層の層数も、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。層間の界面での反射を極力小さくし、太陽光を有効に活用する観点からは、1層であることが好ましい。一方、環状オレフィン(共)重合体からなる層を衝撃等から有効に保護する観点からは、2層以上であることが好ましい。この観点からは、ポリカーボネート樹脂からなる層が2層であり、これが環状オレフィン(共)重合体からなる層の両面に存在していることが、特に好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、環状オレフィン(共)重合体からなる層、および、ポリカーボネート樹脂からなる層以外の層(以下、「その他の層」とも呼ぶ。)を有していても良いし、その他の層を有さず、環状オレフィン(共)重合体からなる層、および、ポリカーボネート樹脂からなる層のみで構成されていてもいい。
その他の層としては、目的で分類するならば、表面または裏面保護のためのハードコート層、接着層、反射防止層、ガスバリア層、防汚層等を設けることができる。材質で分類するならば、紫外線硬化性樹脂からなる層、熱硬化性樹脂からなる層、ポリオレフィン樹脂からなる層、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる層、フッ素含有樹脂からなる層等を設けることができる。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートの最外層に熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコート層を設けると、保護シート、ひいては太陽電池モジュールの耐擦傷性を向上させることができ、好ましい。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化型シリコーン組成物(有機ポリシロキサンを形成する例えばメチルトリメトキシシラン)が好ましく、通常、シラノール基の脱水縮合に3次元架橋がなされ、高硬度の被膜が得られる。通常、80〜220℃にて、10分〜1時間加熱することにより硬化させることができる。
また硬化性樹脂として、エチレン性二重結合(好ましくはアクリロイル基又はメタクリロイル基)を有する樹脂又はオリゴマーを使用することができ、これは一般に光硬化することによりハードコート層とすることができる。
ハードコート層を形成するための光硬化性樹脂は、一般に紫外線硬化性樹脂であり、この紫外線硬化性樹脂は公知の紫外線硬化性樹脂(重合性オリゴマー、多官能性モノマー、単官能性モノマー、光重合開始剤、添加剤等を含む)を好ましく使用することができる。この紫外線硬化性樹脂は、通常、上記エチレン性二重結合を有する樹脂又はオリゴマーを主成分とする。
このような紫外線硬化性樹脂は、例えばエチレン性二重結合を複数有するウレタンオリゴマー、ポリエステルオリゴマー又はエポキシオリゴマー等のオリゴマー、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPEHA)等の重合性オリゴマー及び/又は多官能性モノマーを主成分として構成されていると、好ましい。ハードコート層を作製し使用する方法は、例えば、特開2002−368243号公報などに詳細に記載されている。
また、本発明の太陽電池モジュール用保護シートの環状オレフィン(共)重合体からなる層とポリカーボネート樹脂からなる層間には、接着層を設けると、層間が安定性が向上し、シートの耐衝撃性や引裂き強度が向上し、モジュールの取り扱い性が向上するので好ましい。
環状オレフィン(共)重合体からなる層、および、ポリカーボネート樹脂からなる層と、その他の層との位置関係には特に制限はなく、発明の目的との関係で好ましい層構成が適宜選択される。すなわち、その他の層は、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、ポリカーボネート樹脂からなる層との間に設けられても良いし、太陽電池モジュール用保護シートの最外層に設けられても良いし、それ以外の箇所に設けられても良い。その他の層の層数に特に制限はなく、任意の数のその他の層を設けることができるし、その他の層を設けなくともよい。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートの作製は、複数の層を積層することによって行われる。その際の積層方法は、特に限定されないが、たとえば、適当な接着剤(たとえば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(たとえば、三井化学社製のアドマー(登録商標)、三菱化学社製のモディック(登録商標)など)、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶性軟質重合体、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸3元共重合体(たとえば、住化シーディエフ化学製のボンダイン(登録商標)など)をはじめとするアクリル系接着剤、エチレン/酢酸ビニル系共重合体またはこれらを含む接着性樹脂組成物を介して環状オレフィン(共)重合体からなる層と、ポリカーボネート樹脂からなる層を共押出により保護シートを製造した後、その他モジュールに必要な層とを上記のあるいは、その他の接着剤を用いてドライラミネート法あるいはヒートラミネート法などにより積層することができる。接着剤としては、120°C〜150°C程度の耐熱性があるものが好ましく使用され、ポリエステル系あるいはポリウレタン系接着剤などが好適なものとして例示される。
また、別の方法としては、保護シートに用いる環状オレフィン(共)重合体からなる層と、ポリカーボネート樹脂からなる層およびその他必要な層を上記のような接着剤を用いてドライラミネート法あるいはヒートラミネート法などにより積層することができる。
また、両層の接着性を改良するために、たとえば、シラン系カップリング処理、チタン系カップリング処理、コロナ処理、プラズマ処理等を用いても良い。
(太陽電池モジュール用保護シートの使用方法)
典型的な太陽電池モジュールは、多結晶シリコン等により形成された太陽電池セルをエチレンビニルアセテート(EVA)等からなる封止用樹脂層で挟み積層し、さらに表裏両面を保護シートでカバーした構造になっている。すなわち典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)という構成になっている(なお、上記の典型的な構成に該当しなくとも、本発明の太陽電池モジュール用保護シートが太陽電池セルを何らかの形で保護していれば、本発明の太陽電池モジュール用保護シートとしての使用であることは言うまでもない。)。本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、ここで、表面保護シートおよび/または裏面保護シートとして好ましく使用することができる。外部からの衝撃が加わるおそれの大きい表面保護シートとして使用することは、特に好ましい。本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、防湿性、耐候性、および、耐衝撃性に優れるので、この様な保護シートを有する太陽電池モジュールは、野外での使用に適し、かつ、長寿命となることが期待される。
本発明の第2の形態は、少なくとも、太陽電池モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、本発明の太陽電池モジュール用保護シートのポリカーボネート樹脂からなる層とを有し、少なくとも1層の前記ポリカーボネート樹脂からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置されている、太陽電池モジュールである。
本発明の第2の形態である太陽電池モジュールにおける、環状オレフィン(共)重合体からなる層、および、ポリカーボネート樹脂からなる層は、上記の本発明の第1の形態である太陽電池用表面保護シートに関する説明で示したものと同様である。ポリカーボネート樹脂からなる層は、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。ただし、そのうち少なくとも1層は、環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置されている。太陽電池セルは、通常、太陽電池モジュールのほぼ中央に位置しているから、ポリカーボネート樹脂からなる層は、環状オレフィン(共)重合体からなる層よりも外側に位置していることになる。
より具体的な層構成の例としては、(1)ポリカーボネート樹脂からなる層/接着樹脂層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成、(2)ポリカーボネート樹脂からなる層/接着樹脂層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/接着樹脂層/ポリカーボネート樹脂からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成、(3)ハードコート層/ポリカーボネート樹脂からなる層/接着樹脂層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成、(4)ハードコート層/ポリカーボネート樹脂からなる層/接着樹脂層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/接着樹脂層/ポリカーボネート樹脂からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成、(5)ポリカーボネート樹脂からなる層/任意の中間層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの中で、(2)の層構成および(4)の層構成は、耐衝撃性に富むポリカーボネート樹脂からなる層が、環状オレフィン(共)重合体からなる層をはさんでいるために、環状オレフィン(共)重合体からなる層が衝撃から適切に保護されること、および、ポリカーボネート樹脂からなる層が封止樹脂層との親和性が良い場合が多く、積層構造が安定している場合が多いことから、特に好ましい層構成である。
本発明の第2の形態である太陽電池モジュールにおける太陽電池セルは、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば特に制限はなく、たとえば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)太陽電池、化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)太陽電池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などを用いることができる。この中では発電性能とコストとのバランスなどの観点から、多結晶シリコン太陽電池が好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは、通常、太陽電池セルをはさんで配置される封止樹脂層を有する。封止樹脂層の材質には特に制限はないが、太陽電池セルとよく密着し、太陽電池セルと表面または裏面保護層とを積層させる際の温度で溶融軟化する樹脂で構成されることが好ましい。積層温度は、通常150°C未満、好ましくは120°C以下で行われる。こうした封止樹脂層に好ましく使われる樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル部分鹸化物−有機酸グラフト四元共重合体などのエチレン−酢酸ビニル共重合体の変性樹脂などのエチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、あるいは無水マレイン酸グラフトポリエチレンなどのカルボキシル基含有ポリオレフィン、エチレンテレフタレート−変性アルキレンエーテルテレフタレートブロック共重合体などのポリエステル変性樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく用いられる。封止樹脂層に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体には特に制限はなく、例えば従来公知のエチレン−酢酸ビニル共重合体を適宜使用することができる。
本発明の第1の形態である太陽電池モジュール用保護シートを用いて作製された太陽電池モジュール、および本発明の第2の形態である太陽電池モジュールは、長寿命で、耐候性、耐衝撃性に優れている。このため、特に、家屋の屋根に設置する、キャンプなどアウトドア向けの移動電源として利用する、自動車バッテリーの補助電源として利用する等、屋外、屋内を問わず長期間の使用に好適である。
[実施例]
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。本発明はいかなる意味においても、これらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、太陽電池モジュール用保護シートの物性は次のようにして測定した。
・光線透過率、ヘイズ:得られたシートについて、ヘイズメーター(日本電色社製)にて JIS K7105に準拠して平行光線透過率およびヘイズを求めた。
・衝撃強度:シートの衝撃強度の測定はフィルムインパクト試験機(東洋精機社製)を使用して評価した。シートに対して所定の方法で衝撃を与えた後、そのシートが破壊しなかった場合が○、破壊した場合が×とした。
・透湿度:透湿度はガス透過率測定装置(Mocon社製)を使用して、40℃、相対湿度90%の条件で測定した。
・耐候性:得られたシートについてサンシャインウェザロメーター(スガ試験機社製)にて、ブラックパネル温度 63℃、スプレー12分/60分の条件で3000時間試験保持した。次いで、サンプルを取り出し光線透過率(保持率)および衝撃強度試験を実施し耐候性を評価した。
[実施例1]
ビスフェノールAポリカーボネート(数平均分子量 15000、水酸基価 60、塩素含有量 0.5ppm)にイルガフォス(登録商標)168(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、チヌビン(登録商標)770(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、チヌビン(登録商標)327(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部添加し、280℃の加工温度で40mmφ単軸押出機にて溶融混合し樹脂ペレットを得た(PC1)。また、環状オレフィン系共重合体(アペル(登録商標)APL6013T,三井化学社製)100重量部に対し、イルガノックス(登録商標)1010(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、イルガフォス(登録商標)168(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、チヌビン(登録商標)770(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、キマソーブ(登録商標)944(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、チヌビン(登録商標)327(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部添加し、230℃の加工温度で40mmφ単軸押出機にて溶融混合し樹脂ペレットを得た(COC1)。さらに、接着樹脂(アドマー(登録商標) SF−730、三井化学社製)にイルガノックス(登録商標)1010(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、イルガフォス(登録商標)168(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、チヌビン(登録商標)770(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、キマソーブ(登録商標)944(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、チヌビン(登録商標)327(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部添加し、200℃の加工温度で40mmφ単軸押出機にて溶融混合し接着樹脂ペレット(TIE)を得た。
上記方法で得られた環状オレフィン系樹脂(COC1)とポリカーボネート樹脂(PC1)と接着樹脂(TIE)とを用いて、下記条件にてPC1(外)/TIE/COC1(中)/TIE/PC1(外)=50/10/50/10/50(μm)の構成を有する3種5層の押出シートを成形した。
押出機:
・40mmφ押出機280℃(外層用)
・40mmφ押出機260℃(接着樹脂層用)
・40mmφ押出機260℃(中間層用)
・成形速度:5m/分。
次いで得られたシートに対して物性評価を行った。結果を表1に示す。
更に、図1に示す構成で、得られたシートを表面保護シート1および裏面保護シート2として用い、接着剤層を介して、封止樹脂層3および封止樹脂層4に厚さ400μmの架橋性EVAシートを用いてシリコン発電素子よりなる太陽電池セル5を挟み、真空ラミネーターを用い太陽電池モジュールを作製した。出来上がったモジュールの各樹脂層界面の接着性は良好だった。
Figure 2006253427
[比較例1]
ビスフェノールAポリカーボネート(数平均分子量 8000、水酸基価 130、塩素含有量 3ppm)を用いた以外は実施例1と同様の方法でPC2を得た。更に、実施例1と同様の方法で3種5層の押出シートを成形した。
次いで得られたシートに対して実施例1と同様に物性評価および太陽電池モジュールの作製を行った。結果を表1に示す。実施例1に比べシートの耐衝撃性が劣る。

[比較例2]
ビスフェノールAポリカーボネート(数平均分子量 20000、水酸基価 20、塩素含有量 5ppm)を用いた以外は実施例1と同様の方法でPC3を得た。更に、実施例1と同様の方法で3種5層の押出シートを成形した。
次いで得られたシートに対して実施例1と同様に物性評価および太陽電池モジュールの作製を行った。結果を表1に示す。実施例1に比べ接着樹脂との間の接着性が低く、耐衝撃試験の際にシートの剥離が生じ部分的に破壊した。また、モジュール作製後の保護シートのPC3/TIE間の接着性が不十分であった。

[比較例3]
環状オレフィン系樹脂(COC1)のみの厚さ170μmの押出シートを40mmφ押出機にて260℃の温度、5m/分の成形速度で得た。得られたシートについて実施例1と同様に物性評価および太陽電池モジュールの作製を行った。結果を表1に示す。実施例1に比較してシートの衝撃強度に劣る。

[比較例4]
ポリカーボネート(PC1)のみの厚さ170μmの押出シートを40mmφ押出機にて280℃の温度、5m/分の成形速度で得た。得られたシートについて実施例1と同様に物性評価および太陽電池モジュールの作製を行った。結果を表1に示す。実施例1に比較してシートの透湿度が劣る。
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールの一例の構造を簡略に示す断面図である。
符号の説明
1 太陽電池モジュール保護シート(表面保護シート)
2 太陽電池モジュール保護シート(裏面保護シート)
3、4 封止樹脂層
5 太陽電池セル

Claims (9)

  1. 少なくとも1層の数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層、および少なくとも1層の環状オレフィン(共)重合体からなる層を有する太陽電池モジュール用保護シ−ト。
  2. 前記ポリカーボネート樹脂の塩素含有量が2ppm以下である、請求項1に記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂からなる層を少なくとも2層有し、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層の両面に前記ポリカーボネート樹脂からなる層が存在している、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
  4. 最外層のうち少なくとも片面が、1種類以上の紫外線硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂でコーティングされている、請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
  5. 表面保護シートである、請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池モジュール用保護シート。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用保護シートを有する、太陽電池モジュール。
  7. 少なくとも、太陽電池モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層とを有し、少なくとも1層の前記ポリカーボネート樹脂からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置されている、太陽電池モジュール。
  8. 少なくとも、太陽電池モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、2層以上の数平均分子量が9000〜18000の範囲にあり、水酸基価が30〜100当量/トンの範囲にあるポリカーボネート樹脂からなる層とを有し、少なくとも1層の前記ポリカーボネート樹脂からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置され、かつ、少なくとも他の1層の前記ポリカーボネート樹脂からなる層が前記環状オレフィン(共)重合体からなる層よりも、太陽電池セルに近い側に配置されている、太陽電池モジュール。
  9. 前記太陽電池モジュール用保護シートが表面保護シートである、請求項7または8に記載の、太陽電池モジュール。
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