JP2011204881A - 太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウムシート11と、アルミニウムシート11の少なくとも一方の面11aの側に積層されたオレフィン系樹脂層12と、を備えた太陽電池モジュール用裏面保護シート10であって、オレフィン系樹脂層12が、白色顔料を含有することを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート10;前記白色顔料が、二酸化チタンからなることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート10;前記オレフィン系樹脂層12が、極性基含有ポリオレフィン系ポリマーを含有することを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート10;及び、前記太陽電池モジュール用保護シート10を用いた太陽電池モジュール。
【選択図】図1
Description
太陽電池モジュールの主な構成は、光発電素子である太陽電池セル、それらを密閉状態で内包する封止材、および保護シートからなる。太陽電池セルを内包した封止材の受光面側(表面側)とその裏面側には、それぞれ表面保護シートと裏面保護シートとが接着されている。本明細書中において、表面保護シート及び裏面保護シートを総称して「保護シート」ということがある。
屋外及び屋内において長期間の使用に耐えうる耐候性及び耐久性を太陽電池モジュールにもたせるためには、太陽電池セル及び封止材を風雨、湿気、砂埃、機械的な衝撃などから守り、太陽電池モジュールの内部を外気から遮断して密閉した状態に保つことが必要である。このため、前記太陽電池モジュール用保護シートには、耐候性に優れることが求められる。
従来の裏面保護シートでは、その光反射性を高めるために、熱可塑性樹脂シートに二酸化チタンを含むものが提案されている(特許文献1参照)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、光反射性に優れる太陽電池モジュール用裏面保護シートを提供することを目的とする。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、前記白色顔料が、二酸化チタンからなることが好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、前記オレフィン系樹脂層は、極性基含有ポリオレフィン系ポリマーを含有することが好ましい。
さらに、本発明は、本発明に係る前記太陽電池モジュール用裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュールを提供する。
また、本発明の前記太陽電池モジュール用裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュールでは、太陽電池セル間の隙間を通って抜け出す光を裏面保護シートが反射して太陽電池セル側に戻すため、反射効率が高くなり、該太陽電池モジュールは発電効率に優れる。
以下、本発明の太陽電池モジュール用保護シートの実施の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの第一の実施形態を示す概略断面図である。
この第一の実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート10は、アルミニウムシート11と、アルミニウムシート11の一方の面11aに積層されたオレフィン系樹脂層12とから概略構成されている。オレフィン系樹脂層12は、接着層を介することなく、アルミニウムシート11の一方の面11aに積層されている。
この第一の実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート10は、オレフィン系樹脂層12を太陽電池モジュールの受光面側として、太陽電池モジュールの裏面保護シートに適用されるものである。
オレフィン系樹脂層12は、太陽電池モジュールを構成する封止材との接着に用いることができる。オレフィン系樹脂層12は、太陽電池モジュールの封止材に対して、50〜200℃の加熱プレス加工によって接合することができ、封止材と強固に接着する。
オレフィン系ポリマーとしては、例えば、エチレン単位、プロピレン単位等のオレフィン単位を含む重合体が挙げられる。より具体的には、
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シクロオレフィンポリマー(COP)等のポリオレフィンポリマー;
オレフィン系エラストマー(TPO);
上記オレフィン単位と極性基を有する単位との共重合体、上記オレフィンポリマーに極性基を有する単位をグラフトしたポリマー等の、極性基含有ポリオレフィン系ポリマー;が挙げられる。
本発明のオレフィン系ポリマーとしては、極性基含有ポリオレフィン系ポリマーであることが好ましく、より具体的には、
エチレン単位と、(メタ)アクリル酸エステル単位とからなる共重合体;
エチレン単位と、酢酸ビニル単位とからなる共重合体(EVA);
エチレン単位と、酢酸ビニル単位と、無水マレイン酸単位とからなる共重合体;
エチレン単位と、(メタ)アクリル酸エステル単位と、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単位とからなる共重合体;
エチレン単位と、(メタ)アクリル酸エステル単位と、無水マレイン酸単位とからなる共重合体;
エチレンポリマーに、無水マレイン酸をグラフトしたポリマー;
等が挙げられる。
具体的には、厚み20μmのアルミニウムシートに、Tダイ製膜機により、オレフィン系樹脂層を構成するオレフィン系ポリマーを厚み100μmで積層して作製した太陽電池モジュール用裏面保護シートをISO11339:1993に準じて測定した、アルミニウムシートとオレフィン系樹脂層の界面の剥離接着強さが、好ましくは2.5N/25mm以上、より好ましくは5N/25mm以上、さらに好ましくは、7.5N/25mm以上であるオレフィン系ポリマーが好ましい。
白色顔料の含有量は、オレフィン系ポリマーを含有する樹脂に対し、1.0〜50質量%であることが好ましく、2.5〜40質量%であることがより好ましく、5.0〜30質量%であることがさらに好ましい。
前記反射率は、標準試料から反射される光の量を基準(100%の反射率)とした場合の、測定試料から反射される光の量の割合である。ここで、標準試料としては、硫酸バリウム(BaSO4)からなる標準版が用いられる。また、ここで、反射される光の量とは、鏡面反射される光の量および拡散反射される光の量の総和である。
前記反射率は、400〜1200nmの波長範囲を1nm間隔で測定して得られた反射率の値の平均値(平均反射率)として求められる。該波長範囲とした根拠は、アモルファスシリコンからなる太陽電池セル、及び結晶シリコンからなる太陽電池セルは、一般に、上記波長範囲の光を効率よく光電変換するからである。
図2は、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの第二の実施形態を示す大略断面図である。図2において、図1に示した太陽電池モジュール用裏面保護シート10と同じ構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
この第二の実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート20は、アルミニウムシート11と、アルミニウムシート11の一方の面11aに積層されたオレフィン系樹脂層12とを有し、アルミニウムシート11のオレフィン系樹脂層12が積層された面11aとは反対の面11bの側に樹脂シート13を設けることにより、支持性を向上させることができる。
この第二の実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シート20は、第一の実施形態と同様に、オレフィン系樹脂層12を太陽電池モジュールの受光面側として、太陽電池モジュールの裏面保護シートに適用されるものである。
該接着剤としては、特に限定されず、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤等を挙げることができる。また、接着性を向上させるために、樹脂シート13の当該接着層側の面をコロナ処理および/または化学薬品処理してもよい。
本発明の太陽電池モジュールは、図3の模式図で示すように、本発明に係る太陽電池モジュール用裏面保護シート10,20を、太陽電池セル40を内包する封止材30からなる封止面の受光面とは反対の面に積層させることにより、当該太陽電池モジュール100内の太陽電池セル40および封止材30を、太陽電池モジュール用表面保護シート50と共に、風雨、湿気、砂埃、機械的な衝撃などから守り、当該太陽電池モジュール100の内部を外気から遮断して密閉した状態に保つことができる。
厚み20μmのアルミニウムシート(1N30材:日本製箔社製)の一方の面に、Tダイ製膜機(シリンダー温度:200℃、Tダイ温度:300℃)により、5.0質量%二酸化チタンを配合し溶融した、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(BONDINE LX4110、エチレン92重量% エチルアクリレート5重量% 無水マレイン酸3重量%、Arkema社製)を押し出して積層し、厚み100μmのオレフィン系樹脂層を形成し、実施例1の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体を、エチレン−アクリル酸エステル‐グリシジルメタクリレート共重合体(LOTADER AX8840:Arkema社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体を、無水マレイン酸グラフトポリエチレンポリマー(OREVAC G 18319:Arkema社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
樹脂シートとして厚さ50μmのPETシート(ルミラーX10S:東レ社製)上に接着剤[三井化学社製A−515と三井化学社製A−3とを9:1の割合で混合]をロッドコーターで塗布して、80℃、1分間乾燥して厚み10μmの接着層を形成した。この接着層面と実施例1で作製した積層体のアルミニウム面とをラミネートして、実施例4の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
[実施例5]
エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体を、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エバテートD3022、エチレン94重量% 酢酸ビニル6重量%、住友化学社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
二酸化チタンを含まないエチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(BONDINE LX4110、エチレン92重量% エチルアクリレート5重量% 無水マレイン酸3重量%、Arkema社製)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
アルミニウムシートを用いず、5.0質量%二酸化チタンを配合したエチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(BONDINE LX4110、エチレン92重量% エチルアクリレート5重量% 無水マレイン酸3重量%、Arkema社製)を厚み100μmとなるように、Tダイ製膜により製膜して、比較例2の太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
実施例1〜5および比較例1〜2の太陽電池モジュール用裏面保護シートを、30mm×50mmに切断し、試験片を作製した。
これら試験片のオレフィン系樹脂層側から、分光光度計UV−3600(島津製作所製)により、400〜1200nmの範囲で分光反射率を測定し、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
オレフィン系樹脂層とアルミニウムシートとの界面の剥離接着強さ
具体的には、実施例1〜5および比較例1〜2の保護シートを25mm×150mmに切断し、ISO11339:1993に準じて、23℃50%RHの環境で、剥離速度300mm/分で剥離接着強さを測定した。結果を表1に示す。
11 アルミニウムシート
12 オレフィン系樹脂層
13 樹脂シート
14 接着層
30 封止材
40 太陽電池セル
50 太陽電池モジュール用表面保護シート
100 太陽電池モジュール
Claims (4)
- アルミニウムシートと、該アルミニウムシートの少なくとも一方の面の側に積層されたオレフィン系樹脂層と、を備えた太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、
前記オレフィン系樹脂層が、白色顔料を含有することを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。 - 前記白色顔料が、二酸化チタンからなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
- 前記オレフィン系樹脂層が、極性基含有ポリオレフィン系ポリマーを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュール。
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