JP2006198922A - 太陽電池モジュール用保護シートおよび太陽電池モジュール。 - Google Patents

太陽電池モジュール用保護シートおよび太陽電池モジュール。 Download PDF

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Abstract

【課題】
防湿性、耐候性、および耐衝撃性に優れた表面保護シートを有し、屋外での使用に特に適した太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】
少なくとも、太陽電池モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層とを有し、少なくとも1層の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置されている、太陽電池モジュール。

【選択図】 なし

Description

本発明は、防湿性、耐候性および耐衝撃性に優れた太陽電池モジュール用保護シート、および、それを用いた太陽電池モジュール に関する。

地球環境問題、エネルギー問題等が深刻さを増す中、クリーンでかつ枯渇のおそれが無いエネルギー源として、太陽電池が注目されている。太陽電池を建物の屋根部分等の屋外で使用する場合、太陽電池モジュールの形で使用することが一般的である。
太陽電池モジュールは、通常、多結晶シリコン等により形成された太陽電池セルをエチレンビニルアセテート(EVA)等からなる封止用樹脂層で挟み積層し、さらに表裏両面を太陽電池モジュール用保護シートでカバーした構造になっている。すなわち典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)という積層構造になっている。この結果、太陽電池モジュールは、耐候性を有し、建物の屋根部分等の屋外での使用にも適したものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
太陽電池モジュール用表面保護シートとしては、透明性に優れること、湿分のバリア性に優れること等から、従来ガラスが広く用いられていた。しかし、ガラスは破損しやすく、屋外での使用、とりわけ屋根部分での使用においては、破損のおそれがあることが、従来の太陽電池モジュールの使用の際の制約となっていた。
ガラスに代えて、柔軟性に富み、破損しにくい有機高分子からなるフィルムを太陽電池モジュール用表面保護シートとして使用することが検討されている。太陽電池モジュール用表面保護シートは高い防湿性が求められるため、防湿性に優れた環状オレフィン(共)重合体を用いることが提案されている。環状オレフィン(共)重合体は、防湿性に優れる一方、耐候性が必ずしも十分でない場合があり、屋外での使用を制約する原因となっている。そこで、環状オレフィン(共)重合体の表面を保護するため、さらにフッ素樹脂またはメチルメタクリレートを積層した太陽電池モジュール用保護シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−283696号公報 特開平8−306948号公報
フッ素樹脂およびメチルメタクリレートは、耐候性に優れるものの、用途との関係において必ずしも十分な耐衝撃性を具備していない場合がある。従って、環状オレフィン(共)重合体層と、フッ素樹脂またはメチルメタクリレート層とからなる保護シートを用いても、太陽電池モジュールを自由に屋外で使用できない場合があった。
本発明の目的は、かかる課題を解決し、防湿性、耐候性、および耐衝撃性に優れ、太陽電池を適切に保護できる、太陽電池モジュール用保護シートを提供することにある。さらに本発明は、防湿性、耐候性、および耐衝撃性に優れた表面保護シートを有し、屋外での使用に特に適した太陽電池モジュールを提供することにある。
発明者らは、鋭意検討の結果、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層と、環状オレフィン(共)重合体からなる層とを有する積層保護シートが、防湿性、耐候性および耐衝撃性に優れることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の形態は、
(1)少なくとも1層のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層、および少なくとも1層の環状オレフィン(共)重合体からなる層を有する太陽電池モジュール用保護シ−トに関する。
以下、(2)から(5)は、それぞれ本発明の好ましい実施態様の1つである。
(2)前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層を少なくとも2層有し、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層の両面に前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が存在している、上記(1)に記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
(3)最外層のうち少なくとも片面が、1種類以上の紫外線または熱硬化性樹脂でコーティングされている、上記(1)または(2)に記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
(4)表面保護シートである、上記(1)から(3)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用保護シート。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用保護シートを有する、太陽電池モジュール。
本発明の第2の形態は、
(6)少なくとも、太陽電池モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層とを有し、
少なくとも1層の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置されている、太陽電池モジュールに関する。
以下、(7)および(8)は、それぞれ本発明の好ましい実施態様の1つである。
(7)少なくとも、太陽電池用モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、2層以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層とを有し、
少なくとも1層の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置され、かつ、少なくとも他の1層の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が前記環状オレフィン(共)重合体からなる層よりも、太陽電池セルに近い側に配置されている、太陽電池モジュール。
(8)前記太陽電池モジュール用保護シートが表面保護シートである、上記(6)または(7)に記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、防湿性、耐候性および耐衝撃性に優れる、太陽電池モジュール用保護シートを提供することができる。この様な太陽電池モジュール用保護シートを用いて作製された太陽電池モジュールは、屋外での使用に好適であり、実用上高い価値を有する。
本発明の第1の形態は、少なくとも1層のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層、および少なくとも1層の環状オレフィン(共)重合体からなる層を有する太陽電池モジュール用保護シ−トである。
(エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層)
本発明の第1の形態である太陽電池モジュール用保護シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層を、少なくとも1層有する。ここで、「からなる」とは、当該層の全部がエチレン−酢酸ビニル共重合体で構成されている場合、当該層の一部がエチレン酢酸ビニル共重合体で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。従って、この層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体以外の成分を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。
本発明に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、酢酸ビニル(VA)に由来する構成単位の含有率が1〜40mol%、望ましくは10〜35mol%のものが好ましく使用される。VAの含有率がこの範囲にあると、樹脂の耐候性、透明性、機械的性質、成膜性等のバランスに優れ好ましい。
本発明に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、架橋されていても良いし、非架橋であっても良い。エチレン−酢酸ビニル共重合体が架橋されていると、耐候安定性の観点で好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体に必要に応じて添加される架橋剤は、成膜形成温度、架橋温度などを考慮して選ばれるが、有機過酸化物を用いると、他の樹脂や太陽電池素子に影響を与える度合いが小さく、好ましい。過酸化物は少なくとも1種、又は混合して用いられ、通常エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部当たり5重量部又はそれ未満で充分である。有機酸化物は通常ポリマーに対して押出機やロールミル等で混合されるが、エチレンビニルアセテート共重合体からなるシートに含浸法により添加してもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、接着促進剤としてシランカップリング剤が配合されていても良い。また、紫外線吸収剤、老化防止剤、染料加工助剤等の各種添加剤が添加されていても良い。
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層は、1種類のエチレン−酢酸ビニル共重合体のみからなっていてもよいし、組成、分子量等の異なる2種類以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなっていても良い。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層は、本発明の目的を損なわない範囲で、エチレン−酢酸ビニル共重合体以外の樹脂を含んでいても良い。さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層は、本発明の目的を損なわない範囲で、樹脂以外の各種成分を含んでいても良い。
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層の厚さは、通常μm〜500 μmである。厚さがこの範囲内にあると、耐候安定性、加工性の点で好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層の成膜手段としては、Tダイを用いた押し出し法をはじめとする、従来公知の方法が適宜使用される。
(環状オレフィン(共)重合体からなる層)
本発明の第1の形態である太陽電池モジュール用保護シートは、環状オレフィン(共)重合体からなる層を、少なくとも1層有する。ここで、「からなる」とは、当該層の全部が環状オレフィン(共)重合体で構成されている場合、当該層の一部が環状オレフィン(共)重合体で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。従って、この層は、環状オレフィン(共)重合体以外の成分を含んでいてもよいし、含んでいなくても良い。

本発明で用いられる環状オレフィン(共)重合体樹脂の具体例としては、(a)ノルボルネン系重合体、(b)単環の環状オレフィン系重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、寸法安定性、耐熱性、機械強度等の観点から、ノルボルネン系重合体、及びその水素化物などが好ましい。
(a)ノルボルネン系重合体
本発明に使用されるノルボルネン系重合体の例としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械強度等の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物およびノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体が最も好ましい。
好ましいノルボルネン系モノマーの例としては、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4.3.12,5.01,6〕−デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリシクロ〔4.3.12,5.01,6〕−デカ−3−エン、トリシクロ〔4.4.12,5.01,6〕−ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ〔4.4.12,5.01,6〕−ウンデカ−3.8−ジエン、トリシクロ〔4.4.12,5.01,6〕−ウンデカ−3−エン、テトラシクロ〔7.4.110,13.01,9.02,7〕−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう:慣用名メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔8,4,111,14,01,10,03,8〕−テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン(テトラシクロドデセンともいう)、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ〔6.5.11,8.13,6.02,7.09,13〕−ペンタデカ−3.10−ジエン、ペンタシクロ〔7.4.13,6.110,13.01,9.02,7〕−ペンタデカ−4.11−ジエンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。
これらノルボルネン系モノマーの開環重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体は、モノマー成分を、開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。重合反応は溶媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧力で行われる。ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に水素添加触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素添加することにより得ることができる。水素化触媒としては、特に限定されないが、通常、不均一系触媒や均一系触媒が用いられる。
ノルボルネン系モノマー、またはノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加(共)重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中または無溶媒で、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧力で(共)重合させて得ることができる。
ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが用いられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
これらの、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
(b)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
本発明で好ましく使用されるノルボルネン系重合体または単環の環状オレフィン系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常5,000〜1000,000、好ましくは8,000〜800,000、より好ましくは10,000〜500,000の範囲であるときに、成形体の機械的強度、及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
本発明で使用される環状オレフィン(共)重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常80℃以上、好ましくは100℃〜250℃、より好ましくは120℃〜200℃の範囲である。この範囲において、耐熱性と成形加工性とが高度にバランスされ好適である。
本発明において、上記の環状オレフィン(共)重合体は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。また、環状オレフィン(共)重合体からなる層は、本発明の目的を損なわない範囲で、環状オレフィン(共)重合体以外の樹脂を含んでいても良い。さらに、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層は、本発明の目的を損なわない範囲で、樹脂以外の各種成分を含んでいても良い。
本発明の環状オレフィン(共)重合体からなる層には、本発明の目的を損なわない範囲において、各種の添加物を加えることができる。すなわち、他の樹脂、および/または、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、及び分散剤等から選ばれる1種類または2種類以上の添加剤を添加することができる。
環状オレフィン(共)重合体からなる層の厚さは、通常μm〜200μmである。厚さがこの範囲内にあると、防湿性、加工性の点で好ましい。環状オレフィン(共)重合体からなる層は、Tダイを用いた押し出し法、溶液流延法をはじめとする、従来公知の方法を用いて適宜作製される。環状オレフィン(共)重合体からなる層は、延伸されていても、されていなくても良い。
(太陽電池モジュール用保護シートの層構成)
本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、環状オレフィン(共)重合体からなる層を少なくとも1層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層を少なくとも1層有していれば良い。
従って、環状オレフィン(共)重合体からなる層の層数は、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。層間の界面での反射を極力小さくし、太陽光を有効に活用する観点からは、1層であることが好ましい。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層の層数も、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。層間の界面での反射を極力小さくし、太陽光を有効に活用する観点からは、1層であることが好ましい。一方、環状オレフィン(共)重合体からなる層を衝撃等から有効に保護する観点からは、2層以上であることが好ましい。この観点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が2層であり、これが環状オレフィン(共)重合体からなる層の両面に存在していることが、特に好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、環状オレフィン(共)重合体からなる層、および、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層以外の層(以下、「その他の層」とも呼ぶ。)を有していても良いし、その他の層を有さず、環状オレフィン(共)重合体からなる層、および、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層のみで構成されていても良い。
その他の層としては、目的で分類するならば、表面または裏面保護のためのハードコート層、接着層、反射防止層、ガスバリア層、防汚層等を設けることができる。材質で分類するならば、紫外線硬化性樹脂からなる層、熱硬化性樹脂からなる層、ポリオレフィン樹脂からなる層、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる層、フッ素含有樹脂からなる層等を設けることができる。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートの最外層に熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂の硬化被膜からなるハードコート層を設けると、保護シート、ひいては太陽電池モジュールの耐擦傷性を向上させることができ、好ましい。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化型シリコーン組成物(有機ポリシロキサンを形成する例えばメチルトリメトキシシラン)が好ましく、シラノール基の脱水縮合に3次元架橋がなされ、高硬度の被膜が得られる。通常、80〜220℃にて、10分〜1時間加熱することにより硬化させることができる。
また硬化性樹脂として、エチレン性二重結合(好ましくはアクリロイル基又はメタクリロイル基)を有する樹脂又はオリゴマーを使用することができ、これは一般に光硬化することによりハードコート層とすることができる。
ハードコート層を形成するための光硬化性樹脂は、一般に紫外線硬化性樹脂であり、この紫外線硬化性樹脂は公知の紫外線硬化性樹脂(重合性オリゴマー、多官能性モノマー、単官能性モノマー、光重合開始剤、添加剤等を含む)を使用することができる。この紫外線硬化性樹脂は、通常、上記エチレン性二重結合を有する樹脂又はオリゴマーを主成分とする。
このような紫外線硬化性樹脂は、例えばエチレン性二重結合を複数有するウレタンオリゴマー、ポリエステルオリゴマー又はエポキシオリゴマー等のオリゴマー、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPEHA)等の重合性オリゴマー及び/又は多官能性モノマーを主成分として構成されていると、好ましい。ハードコート層を作製し使用する方法は、例えば、特開2002−368243号公報などに詳細に記載されている。
環状オレフィン(共)重合体からなる層、および、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層と、その他の層との位置関係には特に制限はなく、発明の目的との関係で好ましい層構成が適宜選択される。すなわち、その他の層は、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層との間に設けられても良いし、太陽電池モジュール用保護シートの最外層に設けられても良いし、それ以外の箇所に設けられても良い。その他の層の層数に特に制限はなく、任意の数のその他の層を設けることができるし、その他の層を設けなくともよい。
本発明の太陽電池モジュール用保護シートの作製は、複数の層を積層することによって行われる。その際の積層方法は、特に限定されないが、たとえば、適当な接着剤(たとえば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(たとえば、三井化学社製のアドマー、三菱化学社製のモディックなど)、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶性軟質重合体、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸3元共重合体(たとえば、住化シーディエフ化学製のボンダインなど)をはじめとするアクリル系接着剤、エチレン/酢酸ビニル系共重合体またはこれらを含む接着性樹脂組成物など)を用いたドライラミネート法あるいはヒートラミネート法などにより積層することができる。接着剤としては、120°C〜150°C程度の耐熱性があるものが好ましく使用され、ポリエステル系あるいはポリウレタン系接着剤などが好適なものとして例示される。また、両層の接着性を改良するために、たとえば、シラン系カップリング処理、チタン系カップリング処理、コロナ処理、プラズマ処理等を用いても良い。
(太陽電池モジュール用保護シートの使用態様)
太陽電池モジュールは、多結晶シリコン等により形成された太陽電池セルをエチレンビニルアセテート(EVA)等からなる封止用樹脂層で挟み積層し、さらに表裏両面を保護シートでカバーした構造になっている。すなわち典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)という構成になっている。本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、ここで、表面保護シートおよび/または裏面保護シートとして使用することができる。外部からの衝撃が加わるおそれの大きい表面保護シートとして使用することは、特に好ましい。本発明の太陽電池モジュール用保護シートは、防湿性、耐候性、および、耐衝撃性に優れるので、この様な保護シートを有する太陽電池モジュールは、野外での使用に適し、かつ、長寿命となることが期待される。
本発明の第2の形態は、少なくとも、太陽電池モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層とを有し、少なくとも1層の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置されている、太陽電池モジュールである。
本発明の第2の形態である太陽電池モジュールにおける、環状オレフィン(共)重合体からなる層、および、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層は、上記の本発明の第1の形態である太陽電池用表面保護シートに関する説明で示したものと同様である。エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層は、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。ただし、そのうち少なくとも1層は、環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置されている。太陽電池セルは、通常、太陽電池モジュールのほぼ中央に位置しているから、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層は、環状オレフィン(共)重合体からなる層よりも外側に位置していることになる。
より具体的な層構成の例としては、(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成、(2)エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成、(3)ハードコート層/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成、(4)ハードコート層/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成、(5)エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層/任意の中間層/環状オレフィン(共)重合体からなる層/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/裏面保護シートの順に積層された構成等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの中で、(2)の層構成および(4)の層構成は、耐衝撃性に富むエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が、環状オレフィン(共)重合体からなる層をはさんでいるために、環状オレフィン(共)重合体からなる層が衝撃から適切に保護されること、および、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が封止樹脂層との親和性が良い場合が多く、積層構造が安定している場合が多いことから、特に好ましい層構成である。
本発明の第2の形態である太陽電池モジュールにおける太陽電池セルは、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば特に制限はなく、たとえば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)太陽電池、化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)太陽電池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などを用いることができる。この中では発電性能とコストとのバランスなどの観点から、多結晶シリコン太陽電池が好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは、通常、太陽電池セルをはさんで配置される封止樹脂層を有する。封止樹脂層の材質には特に制限はないが、太陽電池セルとよく密着し、太陽電池セルと表面または裏面保護層とを積層させる際の温度で溶融軟化する樹脂で構成されることが好ましい。積層温度は、通常150°C未満、好ましくは120°C以下で行われる。こうした封止樹脂層に使われる樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル部分鹸化物−有機酸グラフト四元共重合体などのエチレン−酢酸ビニル共重合体の変性樹脂などのエチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、あるいは無水マレイン酸グラフトポリエチレンなどのカルボキシル基含有ポリオレフィン、エチレンテレフタレート−変性アルキレンエーテルテレフタレートブロック共重合体などのポリエステル変性樹脂などが挙げられ、これらの中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく用いられる。封止樹脂層に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体には特に制限はなく、太陽電池モジュール用保護シートを構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層で用いられているものと同一であっても良く、異なっていても良い。
本発明の第1の形態である太陽電池モジュール用保護シートを用いて作製された太陽電池モジュール、および本発明の第2の形態である太陽電池モジュールは、長寿命で、耐候性、耐衝撃性に優れている。このため、特に、家屋の屋根に設置する、キャンプなどアウトドア向けの移動電源として利用する、自動車バッテリーの補助電源として利用する等の、屋外、屋内を問わず長期間の使用に好適である。
[実施例]
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。本発明はいかなる意味においても、これらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、太陽電池モジュール用保護シートの物性は次のようにして測定した。
・光線透過率、ヘイズ:得られたシートについて、ヘイズメーター(日本電色社製)にて JIS K7105に準拠して平行光線透過率およびヘイズを求めた。
・衝撃強度:シートの衝撃強度の測定はフィルムインパクト試験機(東洋精機社製)を使用して、23℃および0℃で測定した。
・透湿度:透湿度はガス透過率測定装置(Mocon社製)を使用して、40℃、相対湿度90%の条件で測定した。
・耐候性:得られたシートについてサンシャインウェザロメーター(スガ試験機社製)にて、ブラックパネル温度 63℃、スプレー12分/60分の条件で3000時間試験保持した。次いで、サンプルを取り出し衝撃強度(保持率)および光線透過率(保持率)を測定し耐候性を評価した。
[実施例1]
環状オレフィン系共重合体(アペル(登録商標)APL6013T,三井化学社製)100重量部に対し、イルガノックス(登録商標)1010(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、イルガフォス(登録商標)168(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、チヌビン(登録商標)770(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、キマソーブ(登録商標)944(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部添加し、チヌビン(登録商標)327(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部添加し、230℃の加工温度で40mmφ単軸押出機にて溶融混合し樹脂ペレットを得た(COC1)。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エバフレックス(登録商標)P−2505、三井デュポンポリケミカル社製)100重量部に、イルガノックス(登録商標)1076(チバスペシャリティケミカルズ社製)を10重量部、イルガフォス(登録商標)168を10重量部、チヌビン(登録商標)770を10重量部、キマソーブ(登録商標)944を10重量部、チヌビン(登録商標)327を10重量部添加し、180℃の加工温度で40mmφ単軸押出機にて溶融混合し樹脂ペレットを得た(EVA1)。
上記方法で得られた環状オレフィン系樹脂(COC1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA1)を用いて、下記条件にてEVA1(外)/COC1(中)/EVA1(外)=25/50/25(μm)。の構成を有する2種3層の押出フィルムを成形した。
押出機:
・40mmφ押出機210℃(外層用)
・40mmφ押出機230℃(中間層用)
成形速度:5m/分。
次いで得られたフィルムに対して物性評価を行った。結果を表1に示す。
更に、図1に示す構成で、得られたフィルムを表面保護シート1および裏面保護シート2として用い、封止樹脂層3および封止樹脂層4に厚さ400μmの架橋性EVAフィルムを用いてシリコン発電素子よりなる太陽電池セル5を挟み、全体を離型フィルムで挟みながら、真空ラミネーターを用い太陽電池モジュールを作製した。出来上がったモジュールの各樹脂層界面の接着性は良好だった。


Figure 2006198922
[比較例1]
環状オレフィン系樹脂(COC1)のみの厚さ100μmの押出フィルムを40mmφ押出機にて230℃の温度、5m/分の成形速度で得た。得られたフィルムについて実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。実施例1に比較して衝撃強度や耐候性に劣る。
[比較例2]
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA1)のみの厚さ100μmの押出フィルムを40mmφ押出機にて210℃の温度、5m/分の成形速度で得た。得られたフィルムについて実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。実施例1に比較して衝撃強度に劣る。また、防湿性が著しく悪い。
[比較例3]
ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA,アクリペット(登録商標)V、三菱レイヨン社製)のみの厚さ50μmの押出フィルムを40mmφ押出機にて230℃の温度、5m/分の成形速度で得た。次いで比較例1と同様の方法で環状オレフィン系樹脂(COC1)の厚さ50μmの押出フィルムを得た。さらに、これら2枚のフィルムをアクリル系ドライラミ用接着剤を用いてドライラミ加工を行いPMMA/COC1/PMMAから構成される多層フィルムを得た。得られたフィルムについて実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。実施例1に比較して衝撃強度が劣る。
[比較例4]
ポリフッ化ビニル(PVF)フィルム(厚さ25μm、デュポン社製)と比較例1と同様の方法で得た環状オレフィン系樹脂(COC1)の厚さ50μmの押出フィルムを、アクリル系ドライラミ用接着剤を用いてドライラミ加工を行いPVF/COC1/PVFから構成される多層フィルムを得た。得られたフィルムについて実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。実施例1に比較して衝撃強度が劣る。
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールの一例の構造を簡略に示す断面図である。
符号の説明
1 太陽電池モジュール保護シート(表面保護シート)
2 太陽電池モジュール保護シート(裏面保護シート)
3、4 封止樹脂層
5 太陽電池セル

Claims (8)

  1. 少なくとも1層のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層、および少なくとも1層の環状オレフィン(共)重合体からなる層を有する太陽電池モジュール用保護シ−ト。
  2. 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層を少なくとも2層有し、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層の両面に前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が存在している、請求項1に記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
  3. 最外層のうち少なくとも片面が、1種類以上の紫外線または熱硬化性樹脂でコーティングされている、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール用保護シ−ト。
  4. 表面保護シートである、請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュール用保護シート。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用保護シートを有する、太陽電池モジュール。
  6. 少なくとも、太陽電池モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層とを有し、
    少なくとも1層の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置されている、太陽電池モジュール。
  7. 少なくとも、太陽電池モジュール用保護シートと太陽電池セルとを有する太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池モジュール用保護シートが、環状オレフィン(共)重合体からなる層と、2層以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層とを有し、
    少なくとも1層の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が、前記環状オレフィン(共)重合体からなる層を基準として、太陽電池セルから遠い側に配置され、かつ、少なくとも他の1層の前記エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層が前記環状オレフィン(共)重合体からなる層よりも、太陽電池セルに近い側に配置されている、太陽電池モジュール。
  8. 前記太陽電池モジュール用保護シートが表面保護シートである、請求項6または7に記載の、太陽電池モジュール。
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