JP2006252773A - 光ピックアップ及び光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビームスプリッタへの光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの発振波長がばらついた場合においても、より効率良く2つの半導体レーザからの光ビームを合成することができる2つのビームスプリッタ構成を備える光ピックアップ及び光ディスク装置を提供する。
【解決手段】第1のビームスプリッタとして、S偏光を効率良く反射してP偏光を効率良く透過する偏光ビームスプリッタ膜面10aを有する偏光ビームスプリッタプリズム10を用いた。さらに、偏光ビームスプリッタ膜面10aの特性として、短波長の光を効率良く反射して長波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を持たせた。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスクの情報信号を記録または再生する技術に関する。
光ディスク装置は、非接触、大容量、高速アクセス、低コストメディアを特徴とする情報記録再生装置であり、これらの特徴を生かしてディジタルオーディオ信号の記録再生装置として、あるいはコンピュータの外部記憶装置として利用されている。
現在、光ディスクにおいては、大別して、半導体レーザの使用する発振波長と光ディスクの基板厚さ等の仕様が異なる第1の光ディスクと第2のディスクが存在する。第1の光ディスクは、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RWなどのディスク基板厚さ0.6mmのものであり、記録再生に最適な半導体レーザの発振波長は略660nmである。第2の光ディスクは、例えばCD、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどのディスク基板厚さ1.2mmのものであり、記録再生に最適な半導体レーザの発振波長は略785nmである。そのため、第1の光ディスクであるDVD用の光ピックアップでは、既に普及しているCD系の第2の光ディスクとの互換を考慮して略785nmと略660nmの2つの発振波長の半導体レーザを搭載したものが主流となっている。
以下、説明の簡単化のために、ディスク基板厚さ0.6mmである第1の仕様の各種光ディスクのことをDVD系光ディスク、ディスク基板厚さ1.2mmである第2の仕様の各種光ディスクのことをCD系光ディスク、第1の略660nmの発振波長の半導体レーザのことをDVD用半導体レーザ、第2の略785nmの発振波長の半導体レーザのことをCD用半導体レーザと呼ぶことにする。
以下図面を用いて従来の、互いの発振波長の異なる2つの半導体レーザと、2つのビームスプリッタとを用いて、互いに基板厚さ等の仕様が異なる2つの光ディスクの両方の情報を兼用して記録または再生できるようにした光ピックアップについて詳細に説明する。
図4は、従来の一実施形態に係る光ピックアップの概略構成図であり、互いに基板厚さ等の仕様が異なるDVD系光ディスク1及びCD系光ディスク2を再生している状態を同一の図に重ねて示している。
DVD系光ディスク1の基板厚さは0.6mmである。CD系光ディスク2の基板厚さは1.2mmである。なお、実際には、この他にも各光ディスクの仕様はさまざまな種類のものが多く存在するが、ここでは説明の簡単のため、記録面が1面のみの単板ディスクを示した。
DVD用半導体レーザ3の発振波長は略660nm、CD用半導体レーザ27の発振波長は略785nmである。なお、一般にDVD系光ディスク1の対応波長は650nm帯、CD系光ディスク2の対応波長は780nm帯とされているが、実際の半導体レーザの発振波長にはばらつきがあるため、設計波長を実際の半導体レーザの中心波長に合わせているのが実状である。
まず、DVD系光ディスク1を再生する場合について説明する。DVD用半導体レーザ3の発光点3aより出射した光ビームは、回折格子50に入射し、主光ビーム51と図示しない2つの副光ビームに分離される。副光ビームは、3ビーム法または差動プッシュプル法による光ディスクのトラッキング検出に用いられる。図面では、簡単のため主光ビーム51の光線の経路のみを示し、副光ビームの光線の経路は省略する。
従来例では、半導体レーザ3は、光ピックアップのケース52に対して、無調整で固定する構成である。回折格子50は光軸回り方向の1次元のみの調整である。
光ビーム51は、第2のビームスプリッタであるダイクロイックハーフミラー53のダイクロイックハーフミラー膜面53aで反射した後、第1のビームスプリッタであるダイクロイックハーフプリズム54、増反射ミラーである立上げミラー14を介し、カップリングレンズ15によって略平行な光ビーム55に変換され、対物レンズ19に達する。
ダイクロイックハーフミラー膜面54aは、DVD用半導体レーザの略660nmの波長の光ビームに対し、透過率が略100%、反射率が略0%の分光特性も有している。なお、CD用半導体レーザ2の略785nmの波長の光ビーム62に対し、透過率、反射率共に略50%の分光特性を有している。
対物レンズ19は、図示しないアクチュエータに一体に保持されており、図示しない駆動コイルに通電することにより、DVD系光ディスク1の情報記録面1a上に光ビームを合焦し光スポットを形成することが可能である。
DVD系光ディスク1を反射した光ビーム56は、往路光と同様の光路を逆にたどって、対物レンズ19、カップリングレンズ15、立上げミラー14を介して、第1のビームスプリッタであるダイクロイックハーフプリズム54のダイクロイックハーフミラー膜面54aに入射する。
ダイクロイックハーフミラー膜面54aは、略660nmの波長の光ビームに対し、透過率が略100%の分光特性を有するので、略100%が透過する。ダイクロイックハーフミラー膜面54aを透過した光ビーム57は、第2のビームスプリッタであるダイクロイックハーフミラー53のダイクロイックハーフ膜面53aを透過した後、検出レンズ58を介し、光検出器24に導くようになっている。
したがって、DVD系往路における2つのビームスプリッタを総合した光利用効率は略50%である。
次に、CD系光ディスク2を再生する場合について説明する。略785nmの波長で発光するCD用半導体レーザ27の発光点27aより出射した光ビーム59は、補助レンズ60の回折格子60aに入射し、主光ビーム61と図示しない2つの副光ビームに分離される。副光ビームは、3ビーム法または差動プッシュプル法による光ディスクのトラッキング検出に用いられる。図面では、説明の簡単のため主光ビーム61の光線の経路のみを示し、副光ビームの光線の経路は省略する。
光ビーム61は、補助レンズ60の凸球面レンズ面60bを透過し、光ビーム62となる。凸球面レンズ面60bは、光路長の短縮と光利用効率の向上を目的に形成したものである。補助レンズ60は、回折格子60aと凸球面レンズ面60bを有し、上記した2つの機能を1つの部品により実現するものである。
また、CD用半導体レーザ27は、光ピックアップのケース52に対して、光軸に垂直な方向の位置を調整した後に、接着剤にて固着する構成である。補助レンズ60は、光軸方向と光軸回りの回転調整後に、接着剤にて固着する構成である。
光ビーム62は、第1のビームスプリッタであるダイクロイックハーフプリズム54のダイクロイックハーフミラー膜面54aで反射した後、立上げミラー14を介し、カップリングレンズ15によって略平行な光ビーム62に変換され、対物レンズ19に達する。
対物レンズ19は、図示しないアクチュエータに一体に保持されており、図示しない駆動コイルに通電することにより、CD系光ディスク2の情報記録面2a上に光ビームを合焦し光スポットを形成することが可能である。
CD系光ディスク2を反射した光ビーム63は、往路光と同様の光路を逆にたどって、対物レンズ19、カップリングレンズ15、立ち上げミラー14を介して、第1のビームスプリッタであるダイクロイックハーフプリズム54のダイクロイックハーフミラー膜面54aに入射する。ダイクロイックハーフミラー膜面54aは、前記したように略785nmの波長の光ビームに対し、透過率、反射率共に略50%の分光特性を有するので、略50%が反射し、略50%が透過する。ダイクロイックハーフミラー膜面54aを透過した光ビーム64は、第2のビームスプリッタであるダイクロイックハーフミラー53のダイクロイックハーフ膜53aを透過した後、検出レンズ58を介し、光検出器24に導くようになっている。なお、ダイクロイックハーフミラー53は、光ビーム64の光軸に対して45°の角度をなして配置される。また、ダイクロイックハーフミラー膜面53aは、CD用半導体レーザ2の略785nmの波長の光ビーム64に対し、透過率が略100%、反射率が略0%の分光特性を有するので、略100%が透過する。
したがって、CD系往路の2つのビームスプリッタを総合した光利用効率は略50%である。
従来例においては、検出レンズ58は光ピックアップのケース52に対し、光軸方向の位置を調整した後に、接着剤で固定する構成である。
また、光検出器24は基板65に固定され、光ピックアップのケース52に対して、光軸に垂直な方向の位置を調整した後に、接着剤にて固着する構成である。
上記のように、発振波長の異なる2つの半導体レーザを搭載した光ピックアップにおいては、2つの半導体レーザからの入射光を合成するビームスプリッタとして、ダイクロイックプリズムまたはダイクロイックミラーを使用する。光ピックアップの小型化のためには、半導体レーザからの発散光中にビームスプリッタを配置する必要がある。通常の設計において、光線の入射角は略±6〜7°程度ばらつく。しかし、ダイクロイック膜の透過反射率には入射角依存性があるため、効率良く2つの半導体レーザからの入射光を合成することができない。また、安価なビームスプリッタとするために層数の少ないダイクロイック膜設計においては、透過反射率は波長に対して緩やかな分光特性しか得ることができない。通常、半導体レーザの発振波長は中心波長に対して±20nm程度のばらつきが有るため、上記したような緩やかな分光特性では効率良く2つの半導体レーザからの入射光を合成することができない。プリズムタイプに比べて、ミラータイプの方が、実用的なダイクロイック膜設計の可能性は有るが、ダイクロイックミラーの場合には平行平板に発散光を透過させると非点収差が発生するという問題が有る。また、プリズムタイプにおいても、ダイクロイック膜への入射角を45°よりも小さくすれば実用的なダイクロイック膜設計の可能性は有るが、複雑なプリズム形状となってしまうため、汎用の正三角柱タイプのプリズムに比べて高価となってしまう。
記録はせず再生のみの光ピックアップであれば、ビームスプリッタにそれほど高い合成の効率は要求されない。しかし、記録再生する光ピックアップにおいては非常に高い合成の効率が要求される。特に、安価な高出力半導体レーザを用い、光ディスクの回転速度あるいは線速度が標準速以上の倍速を実現するためには、光ディスク面上出力光パワーを向上させる必要が有り、より高い合成の効率が要求される。
しかしながら、上記のように光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの波長がばらついた場合には、従来のダイクロイック膜を用いたビームスプリッタでは、波長の異なる2つの半導体レーザからの入射光を効率良く合成することができず、安価に倍速記録できる光ピックアップの実用化に対する大きな障害となっていた。すなわち、従来実施例ではDVD系往路とCD系往路の2つのビームスプリッタの総合効率は略50%と説明したが、上記説明したように、従来のダイクロイック膜を用いたビームスプリッタでは実際には略50%よりも小さい光利用効率しか得られない。
また、DVD系光ディスクとCD系光ディスクの両方を記録かつ再生する光ピックアップにおいては、DVD用半導体レーザとCD用半導体レーザの両方とも高出力光パワーの半導体レーザが要求される。しかし、現在安価に入手可能な高出力半導体レーザの最大光パワーは、CD用半導体レーザが略150mWであるのに対して、DVD用半導体レーザは略70mWと小さい。これは、高出力CD用半導体レーザの開発期間に比べて、高出力DVD用半導体レーザの開発期間が比較的短いためである。したがって、DVD系光ディスクとCD系光ディスクの両方を記録かつ再生する光ピックアップには、長波長のCD用半導体レーザを用いた場合に比べて、短波長のDVD半導体レーザを用いた場合の方が、より光利用効率の高い2つのビームスプリッタ構成が要求されるべきであるが、従来の光ピックアップにおいては、DVD系の光利用効率をCD系の光利用効率よりも高くする技術に関する配慮はされていなかった。
また、従来の光ピックアップ構成においては、半導体レーザへの戻り光が、半導体レーザからの出射光の偏光方向と一致する偏光方向の成分が有るため、半導体レーザの発振モードに影響を与えることがある。この場合、同じ電流入力に対して光パワー出力が低下したり、光パワー出力が変動する等の問題が発生することがある。再生時には比較的低光パワー出力なので、光パワーをモニタしてフィードバック制御するオートパワーコントロールにより実用的に問題なくパワー出力をほぼ一定に保つことができる。しかし、記録時に最大の光パワー出力が低下してしまうと、オートパワーコントロールを用いてもパワー出力を安定に一定に保つことができない。さらに、最大定格電流以上の過電流を入力させてしまうので、半導体レーザが劣化あるいは破壊にいたる場合があった。
なお、半導体レーザへの戻り光の偏光方向が半導体レーザからの出射光の偏光方向に対して直交するようにするための手段として4分の1波長板を用いる技術が知られている。通常の4分の1波長板は各半導体レーザの波長に合わせたものを使用する必要があるから、2つの半導体レーザからの入射光を合成するビームスプリッタより前側に配置する必要が有る。この場合、4分の1波長板により円偏光となった光ビームがビームスプリッタや立上げミラーを通過することになる。ビームスプリッタや立上げミラーは誘電体多層膜により構成されており、一般に誘電体多層膜を透過または反射すると偏光の位相差が発生するため、円偏光が楕円偏光に変化してしまう。このため、半導体レーザへの戻り光の偏光方向が半導体レーザからの出射光の偏光方向に対して完全に直交させることができない。したがって、半導体レーザへの戻り光が、半導体レーザからの出射光の偏光方向と一致する偏光方向の成分が発生することになり、上記したような戻り光の問題が起こる。
また、光ディスクの基板材料はポリカーボネート(PC)を使用している。この材料は耐環境性に優れた材料であるが、比較的複屈折すなわち偏光の位相差が大きい材料である。このように光ディスクの複屈折が大きいと、光ディスクへの入射光が直線偏光や円偏光の場合であっても、光ディスクからの反射光が元の偏光から楕円偏光に変化する。一般にビームスプリッタの透過反射率は、P偏光とS偏光とで異なる。P偏光透過率はS偏光透過率よりも大きく、S偏光反射率はP偏光反射率よりも大きい。例えば、ビームスプリッタを透過後に光検出器に入射する偏光成分がP偏光のみとなるように設計された光ピックアップにおいては、光ディスクの複屈折が大きいとP偏光成分が減少してS偏光成分が増加するため、全体として透過率が減少する。逆に、ビームスプリッタを透過後に光検出器に入射する偏光成分がS偏光のみとなるように設計された光ピックアップにおいては、光ディスクの複屈折が大きいとS偏光成分が減少してP偏光成分が増加するため、全体として透過率が増加する。いずれの場合においても、光ディスクの複屈折の位相差に応じて透過率が変動することになる。ここで、複屈折の位相差は光ディスクの基板厚さに比例するので、厚さ0.6mmのDVDに比べて、厚さ1.2mmのCDの方が、複屈折の位相差が2倍と大きい。
複屈折が大きいCD系光ディスクにおいては、上記したようにビームスプリッタに入射するP偏光成分とS偏光成分とが大きく変動してしまうので、ビームスプリッタを介して光検出器に入射する光パワー変動が発生することになるが、従来の光ピックアップではこのパワー変動を緩和する技術に関する配慮はされていなかった。
また、第1の半導体レーザおよび第2の半導体レーザのオートパワーコントロールに用いる前方光モニタ検出器を含む構成において、従来2つの半導体レーザに対応して2個の前方光モニタ光検出器を用いる必要があった。また、前方光モニタ光検出器に光ビームを導くために、光利用効率がばらつくビームスプリッタ内を透過あるいは反射させるため、安定なオートパワーコントロールを得ることができなかった。
そこで本発明の目的は、ビームスプリッタへの光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの発振波長がばらついた場合においても、より効率良く2つの半導体レーザからの光ビームを合成することができる2つのビームスプリッタ構成を備える光ピックアップ及び光ディスク装置を提供することである。
また、本発明の目的は、長波長のCD用半導体レーザを用いた場合に比べて、短波長のDVD半導体レーザを用いた場合の方が、より光利用効率の高い2つのビームスプリッタ構成を備える光ピックアップ及び光ディスク装置を提供することである。
また、本発明の目的は、長波長のCD用半導体レーザを用いた場合と、短波長のDVD用半導体レーザを用いた場合の、いずれの場合においても、半導体レーザへの戻り光の偏光方向が半導体レーザからの出射光の偏光方向に対して直交するように構成した光ピックアップ及び光ディスク装置を提供することである。
また、本発明の目的は、短波長のDVD半導体レーザを用いた場合に比べて、長波長のCD用半導体レーザを用いた場合の方が、光ディスク基板の複屈折によって光検出器へ入射する光パワー変動がより少ない光ピックアップ及び光ディスク装置を提供することである。
また、本発明の目的は、第1の半導体レーザおよび第2の半導体レーザのオートパワーコントロールに用いる前方光モニタ光検出器を含む構成において、1個の前方光モニタ光検出器で安定なオートパワーコントロールを得ることができる光ピックアップ及び光ディスク装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明では、互いに発振波長の異なる第1の半導体レーザおよび第2の半導体レーザと、第1の半導体レーザを出射した第1の光ビームを反射させるとともに第2の半導体レーザを出射した第2の光ビームを透過させることによって第1の光ビームと第2の光ビームの光路を合成する第1のビームスプリッタと、第1の光ビームおよび第2の光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、光ディスクを反射した第1の光ビームおよび第2の光ビームを検出する光検出器と、第1の半導体レーザおよび第2の半導体レーザを出射した第1の光ビームおよび第2の光ビームを対物レンズに導くとともに光ディスクを反射した第1の光ビームおよび第2の光ビームを光検出器に導くための第2のビームスプリッタとを備え、基板厚さが互いに異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクの両方の情報を兼用して記録または再生できるようにした光ピックアップにおいて、第1のビームスプリッタは少なくとも第1の半導体レーザの発振波長および第2の半導体レーザの発振波長に対してP偏光を効率良く透過してS偏光を効率良く反射する特性を有する偏光ビームスプリッタであり、第1の半導体レーザを出射した第1の光ビームの偏光状態をS偏光で第1のビームスプリッタへ入射させて反射させ、第2の半導体レーザを出射した第2の光ビームの偏光状態をP偏光で第1のビームスプリッタへ入射させて透過させるように構成した。
また、本発明では、第1の半導体レーザの発振波長が第2の半導体レーザの発振波長よりも短く、第1のビームスプリッタは、第1の半導体レーザの発振波長である短波長の光を効率良く反射して、第2の半導体レーザの発振波長である長波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を持たせた。
また、本発明では、第1の半導体レーザの発振波長が第2の半導体レーザの発振波長よりも長く、第1のビームスプリッタは、第1の半導体レーザの発振波長である長波長の光を効率良く反射して、第2の半導体レーザの発振波長である短波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を持たせた。
また、本発明では、第1の半導体レーザを出射した第1の光ビームの偏光状態をS偏光で第2のビームスプリッタへ入射させて反射させ、第2の半導体レーザを出射した第2の光ビームの偏光状態をP偏光で第2のビームスプリッタへ入射させて反射させ、第1の半導体レーザの発振波長と第2の半導体レーザの発振波長のいずれに対しても4分の1波長板としての機能を有する広帯域4分の1波長板を第2のビームスプリッタと前記光ディスクとの間に配置した。
本発明によれば、ビームスプリッタへの光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの発振波長がばらついた場合においても、従来に比べて効率良く、複数の半導体レーザからの光ビームを合成することができる複数のビームスプリッタ構成を備える光ピックアップ、または光ディスク装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の第1の実施例としての光ピックアップの構成ならびに動作を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る光ピックアップの概略構成図であり、異なる仕様の光ディスクであるDVD系光ディスク1及びCD系光ディスク2を記録再生している状態を同一の図を用いて重ねて示している。
DVD系光ディスク1の基板厚さは0.6mmである。CD系光ディスク2の基板厚さは1.2mmである。なお、実際には、この他にも各光ディスクの仕様はさまざまな種類のものが多く存在するが、ここでは説明の簡単のため、記録面が1面のみの単板ディスクを示した。
DVD用半導体レーザ3の対応波長は略660nmであるのに対し、CD用半導体レーザ27の対応波長は略785nmである。なお、一般にDVD系光ディスク1の対応波長は650nm帯、CD系光ディスク2の対応波長は780nm帯とされているが、実際の半導体レーザの波長にはばらつきがあるため、設計波長を実際の半導体レーザの中心波長に合わせているのが実状である。
まず、DVD系光ディスク1を記録再生する場合について説明する。略660nmの波長で発光するDVD用半導体レーザ3の発光点3aより出射した水平偏光の光ビーム4は、補助レンズ5を透過して、2分の1波長板機能と回折格子機能を備える複合光学素子6に入射する。
補助レンズ5の凸球面レンズ面5aは、光路長の短縮と光利用効率の向上を目的に形成したものである。
複合光学素子6は、2分の1波長板6aを、ガラス基板6bと、回折格子6cとで挟み込んで接合した構成である。水平偏光の光ビーム4は、2分の1波長板6aの作用により垂直偏光の光ビーム7を出射する。さらに、回折格子6cの作用により、主光ビーム7と図示しない2つの副光ビームに分離される。副光ビームは、3ビーム法または差動プッシュプル法による光ディスクのトラッキング検出に用いられる。図では説明の簡単のため、主光ビーム7の光線の経路のみを示し、副光ビームの光線の経路は省略する。
2分の1波長板6aと回折格子6cを備える複合光学素子6は、回転調整可能な補助レンズ5に接合により一体化する構造とした。これにより、トラッキング検出に用いる3ビームを発生させる回折格子6cの格子角度を補助レンズ5の回転調整にて調整することにより、2分の1波長板6aの光学軸角度を精密に設定することが可能となる。これにより、水平偏光の光ビーム4を垂直偏光の光ビーム7に精密に変換することができる。
なお、補助レンズ5の調整は回転調整のみだけで、光軸方向調整はしない。その代わり、光軸方向調整は、DVD用半導体レーザ3の前後調整で行う。これにより、補助レンズ5を調整するための大きな調整しろを設ける必要がなく、前後方向の動きを規制する組立構成が可能となり、経時変化による部品のずれが発生しないという効果がある。
また、DVD用半導体レーザ3の調整は前後のみだけで、光軸と直交する方向の調整はしない。これにより、DVD用半導体レーザ3を調整するための大きな調整しろを設ける必要がなく、光軸と直交する方向の動きを規制する組立構成が可能となり、経時変化による部品のずれが発生しないという効果がある。
また、DVD用半導体レーザ3は、水平方向にあおるための熱伝導の良い金属製のホルダ8に取付けられ、光ピックアップの熱伝導の良い金属製のケース9に対して、光ビーム4の強度中心が光軸と一致するようにあおり調整した後に、接着固定する構成とした。ホルダ8は、水平方向にあおるだけの1次元調整のみである。これにより、ホルダ8を調整するための大きな調整しろを設ける必要がなく、水平方向のあおり以外の動きを規制する組立構成が可能となり、経時変化による部品のずれが発生しないという効果がある。
従来の調整では、半導体レーザは光軸と直交する方向の2次元の調整、補助レンズは光軸方向と回転方向の2次元の調整であった。このため、調整箇所が2箇所別々であるためそれぞれに調整するための大きな調整しろを設ける必要があり、半導体レーザと補助レンズの相対位置を精密に設定することができないといった課題があったが、各調整を1次元のみと限定したため、上記したような課題がないといった効果がある。
また、本実施例では、DVD用半導体レーザ3で発生する熱が、熱伝導の良い金属製のホルダ8を介して、熱伝導の良い金属製の光ピックアップのケース9に効率良く放熱されるため、DVD用半導体レーザ3の温度上昇を防止することができる。
次に、垂直偏光の光ビーム7は、第1のビームスプリッタである偏光ビームスプリッタプリズム10の偏光ビームスプリッタ膜面10aにより反射されて垂直偏光の光ビーム11となる。偏光ビームスプリッタはPBSとも呼ばれ、S偏光を効率良く反射して、P偏光を効率良く透過する光学素子である。垂直偏光の光ビーム7は偏光ビームスプリッタ膜面10aに対してS偏光であるので、反射光である光ビーム11の光利用効率を非常に高くすることができた。
また、本実施例では、偏光ビームスプリッタ膜面10aの特性として、短波長の光を効率良く反射して長波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を持たせた。図2に偏光ビームスプリッタ膜面10aの分光透過率特性を示した。なお、分光反射率特性は、100%から分光透過率特性を差し引いた特性である。光ビーム7は、DVD用半導体レーザ3より出射された短波長の光なので、反射光である光ビーム11の光利用効率を非常に高くすることができた。ダイクロイック膜特性とPBS膜特性をあわせ持つ偏光ビームスプリッタ膜面10aは光線の入射角がばらついたり、DVD用半導体レーザ3の発振波長がばらついた場合においても、より効率良く反射させることができた。
また、本実施例では、第1の半導体レーザであるDVD用半導体レーザ3から第1のビームスプリッタである偏光ビームスプリッタプリズム10に至る光路中に2分の1波長板6aを配置したことにより、第1の半導体レーザから出射した水平偏光の光ビームを垂直偏光へと偏光状態を変換させて第1のビームスプリッタに入射させることができ、反射光である光ビーム11の光利用効率を非常に高くする効果を生み出すことを可能にした。
垂直偏光の光ビーム11は、第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12に入射する。ビームスプリッタミラー12の表面のビームスプリッタ膜面12aで反射されて垂直偏光の光ビーム13となる。
ビームスプリッタミラー12は、光ビーム11の光軸に対して30°の角度をなして配置した。このように45°よりも小さい30°の角度で配置することにより、以下で述べるように、ビームスプリッタミラー12のP偏光透過率とS偏光透過率を近づける分光特性の設計を可能とした。
それでは、ビームスプリッタ膜面12aの膜設計について詳細に説明する。図3にビームスプリッタ膜面12aの分光透過率特性を示した。なお、分光反射率特性は、100%から分光透過率特性を差し引いた特性である。ビームスプリッタ膜面12aのP偏光透過率が、DVD用半導体レーザ3の略660nmの波長に対して、略10%となるように設計した。なお、一般にS偏光透過率は、P偏光透過率に比べて小さくなるが、膜設計を工夫することによりS偏光透過率の低下を最小限となるようにした。但し、膜設計は光吸収の少ない誘電体多層膜による設計を行った。吸収膜や金属膜によれば、よりP偏光透過率とS偏光透過率を近づけることは可能であるが、吸収膜では光の吸収を伴うため光利用効率が低下する問題が有り、金属膜では腐食等の耐環境性能に問題があるため、いずれも採用しなかった。この膜設計の結果、ビームスプリッタ膜面12aのS偏光透過率は、P偏光透過率に比べて略5%程度低い、略5%を得た。したがって、ビームスプリッタ膜面12aのS偏光反射率は略95%、P偏光反射率は略90%を得た。
垂直偏光の光ビーム11は、ビームスプリッタ膜面12aに対してS偏光であるから、反射された垂直偏光の光ビーム13は、略95%の光利用効率である。第1のビームスプリッタである偏光ビームスプリッタプリズム10の反射の光利用効率は略100%、第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12の反射の光利用効率は略95%であるから、第1のビームスプリッタと第2のビームスプリッタを総合したビームスプリッタによるDVD往路の光利用効率は略95%と、記録再生する光ピックアップに要求される非常に高い光利用効率が得られる。これにより、光ディスク面上出力光パワーを向上させることができ、安価な高出力半導体レーザを用い、光ディスクの回転速度あるいは線速度が標準速以上の倍速を実現することができた。
光ビーム13は、増反射ミラーである立上げミラー14を介し、カップリングレンズ15によって略平行な光ビーム16に変換され、広帯域4分の1波長板17に入射する。広帯域4分の1波長板17は、第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12と、DVD系光ディスク1またはCD系光ディスク2との間に配置され、略660nmの波長の光と、略785nmの波長の光に対して、いずれの波長の場合にも4分の1波長板として作用するように工夫して構成されたものである。垂直偏光の光ビーム16は、広帯域4分の1波長板17の偏光作用により、右回り円偏光の光ビーム18となる。
光ビーム18は、対物レンズ19を介して、DVD系光ディスク1に達する。
なお、説明の簡単のために、図において立上げミラー14の2点鎖線14aを境にして、下部は上面図、上部は正面図を示した。
対物レンズ19は、図示しないアクチュエータに一体に保持されており、図示しない駆動コイルに通電することにより、DVD系光ディスク1の情報記録面1a上に光ビームを合焦し光スポットを形成することが可能である。
右回り円偏光の光ビーム18は、DVD系光ディスク1を反射して、今度は左回り円偏光の光ビーム20となる。左回り円偏光の光ビーム20は、往路光と同様の光路を逆にたどって、対物レンズ19を介して広帯域4分の1波長板17に入射する。左回り円偏光の光ビーム20は、広帯域4分の1波長板17の偏光作用により、今度は水平偏光の光ビーム21となる。
光ビーム21は、カップリングレンズ15,立上げミラー14を介して、第1のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12の表面のビームスプリッタ膜面12aに入射する。ビームスプリッタ膜面12aは、前記したように略660nmの波長の光ビームに対し、P偏光透過率が略10%、S偏光透過率が略5%、P偏光反射率が略90%、S偏光反射率が略95%の分光特性を有する。水平偏光の光ビーム21は、ビームスプリッタ膜面12aに対してP偏光であるので、略10%が透過し、略90%が反射する。
ビームスプリッタ膜面12aを透過した水平偏光の光ビーム22は、検出レンズ23を介し、光検出器24に導くようになっている。
本実施例においては、検出レンズ23は光ピックアップのケース9に対して無調整で固定する構成とした。これにより、検出レンズ23とケース9との相対的な位置、角度を精密に設定することが可能となり、ケース9と検出レンズ23を調整するための大きな調整しろを設ける必要がないので、経時変化による部品のずれが発生しないという効果がある。
また、光検出器24は基板25に固定され、光ピックアップのケース9に対して位置調整した後に、接着固定する構成とした。基板25は、光軸に垂直な方向である2次元方向、光軸方向の合計3次元の調整を、図示しない3次元調整治具を用いて行い、調整完了後に接着剤26が固化するようにした。従来の調整では、検出レンズは光軸方向の1次元の調整、光検出器は光軸と垂直方向の2次元の調整であった。このため、従来は3次元調整治具を必要とせずに比較的簡単な調整手段により調整可能という利点はあったが、調整箇所が2箇所別々であるためそれぞれに調整するための大きな調整しろを設ける必要があり、検出レンズの絶対位置を精密に設定することができないといった課題があった。本実施例では、3次元調整治具が必要になるものの、上記したような課題がないという効果がある。また、従来は調整すべき部品が検出レンズと光検出器の2点であったが、本実施例では調整すべき部品が基板25の1点であり、調整すべき部品点数を1点減らすことができた。
次に、CD系光ディスク2を記録再生する場合について説明する。略785nmの波長で発光するCD用半導体レーザ27の発光点27aより出射した水平偏光の光ビーム28は、補助レンズ29を透過して、回折格子30に入射する。
補助レンズ29の凸球面レンズ面29aは、光路長の短縮と光利用効率の向上を目的に形成したものである。
水平偏光の光ビーム28は、回折格子30の作用により、主光ビーム31と図示しない2つの副光ビームに分離される。副光ビームは、3ビーム法や差動プッシュプル法による光ディスクのトラッキング検出に用いられる。図では説明の簡単のため、主光ビーム31の光線の経路のみを示し、副光ビームの光線の経路は省略する。
回折格子30は、光軸方向調整可能な補助レンズ29に接合により一体化する構造とした。
なお、補助レンズ29の調整は光軸前後方向の調整のみであり、回転調整はしない。これにより、補助レンズ29を調整するための大きな調整しろを設ける必要がなく、回転方向の動きを規制する組立構成が可能となり、経時変化による部品ずれが発生しないという効果がある。
また、CD用半導体レーザ27と、CD用半導体レーザ27をあおるための熱伝導の良い金属製のホルダ32と、補助レンズ29は、熱伝導の良い金属製のホルダ33に一体に取付けられている。ホルダ33は、光ピックアップの熱伝導の良い金属製のケース9に対して、光軸と直交する方向の2次元の調整と回転調整の3次元調整を図示しない調整治具を用いて行う。ホルダ33は光軸方向の調整はしない。その代わり、CD用半導体レーザ27をホルダ32に対して光軸方向の調整を行う。
また、本実施例では、CD用半導体レーザ27で発生する熱が、熱伝導の良い金属製のホルダ32,熱伝導の良い金属製のホルダ33を介して、熱伝導の良い光ピックアップのケース9に効率良く放熱されるため、CD用半導体レーザ27の温度上昇を防止することができる。
次に、水平偏光の光ビーム31は、第1のビームスプリッタである偏光ビームスプリッタプリズム10の偏光ビームスプリッタ膜面10aを透過して水平偏光の光ビーム34となる。前記したように、偏光ビームスプリッタはPBSとも呼ばれ、S偏光を効率良く反射し、P偏光を効率良く透過する光学素子である。水平方向の光ビーム31は偏光ビームスプリッタ膜面10aに対してP偏光であるので、透過光である光ビーム34の光利用効率を非常に高くすることができた。
また、本実施例では、前記したように、偏光ビームスプリッタ膜面10aの特性として、短波長の光を反射し長波長の光を透過するダイクロイック膜特性を持たせた。光ビーム31は、CD用半導体レーザ27より出射された長波長の光なので、透過光である光ビーム34の光利用効率を非常に高くすることができた。ダイクロイック膜特性と偏光ビームスプリッタ膜特性をあわせ持つ偏光ビームスプリッタ膜面10aは光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの波長がばらついた場合においても、より効率良く透過させることができた。
水平偏光の光ビーム34は、第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12に入射する。ビームスプリッタミラー12の表面のビームスプリッタ膜面12aで反射されて水平偏光の光ビーム35となる。
ビームスプリッタミラー12は、光ビーム34の光軸に対して30°の角度をなして配置した。このように45°よりも小さい30°の角度で配置することにより、以下で述べるように、ビームスプリッタミラー12のP偏光透過率とS偏光透過率を近づける分光特性の設計を可能とした。
それでは、ビームスプリッタ膜面12aの膜設計について詳細に説明する。ビームスプリッタ膜面12aのS偏光透過率が、CD用半導体レーザ27の略785nmの波長に対して、略10%となるように設計した。なお、一般にP偏光透過率は、S偏光透過率に比べて大きくなるが、膜設計を工夫することによりP偏光透過率の増大を最小限となるようにした。但し、膜設計は光吸収の少ない誘電体多層膜による設計を行った。吸収膜や金属膜によれば、よりS偏光透過率とP偏光透過率を近づけることは可能であるが、吸収膜では光の吸収を伴うため光利用効率が低下する問題が有り、金属膜では腐食等の耐環境性能に問題があるため、いずれも採用しなかった。この膜設計の結果、ビームスプリッタ膜面12aのP偏光透過率は、S偏光透過率に比べて略8%程度高い、略18%を得た。したがって、ビームスプリッタ膜面12aのP偏光反射率は略82%、S偏光反射率は略90%を得た。
水平偏光の光ビーム34は、ビームスプリッタ膜面12aに対してP偏光であるから、反射された水平偏光の光ビーム35は、略82%の光利用効率である。第1のビームスプリッタである偏光ビームスプリッタプリズム10の反射の光利用効率は略100%、第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12の反射の光利用効率は略82%であるから、第1のビームスプリッタと第2のビームスプリッタを総合したビームスプリッタによるCD往路の光利用効率は略82%と、記録再生する光ピックアップに要求される非常に高い光利用効率が得られる。これにより、光ディスク面上出力光パワーを向上させることができ、安価な高出力半導体レーザを用い、光ディスクの回転速度あるいは線速度が標準速以上の倍速を実現することができた。
光ビーム35は、立上げミラー14を介し、カップリングレンズ15によって略平行な光ビーム36に変換され、広帯域4分の1波長板17に入射する。広帯域4分の1波長板17は、略660nmの波長の光と、略785nmの波長の光に対して、いずれの波長の場合にも4分の1波長板として作用するように工夫して構成されたものである。水平偏光の光ビーム36は、広帯域4分の1波長板17の偏光作用により、左回り円偏光の光ビーム37となる。
光ビーム37は、対物レンズ19を介して、CD系光ディスク2に達する。
対物レンズ19は、図示しないアクチュエータに一体に保持されており、図示しない駆動コイルに通電することにより、CD系光ディスク2の情報記録面2a上に光ビームを合焦し光スポットを形成することが可能である。
左回り円偏光の光ビーム37は、CD系光ディスク2を反射して、今度は右回り円偏光の光ビーム38となる。右回り円偏光の光ビーム38は、往路光と同様の光路を逆にたどって、対物レンズ19を介して広帯域4分の1波長板17に入射する。右回り円偏光の光ビーム38は、広帯域4分の1波長板17の偏光作用により、今度は垂直偏光の光ビーム39となる。
光ビーム39は、カップリングレンズ15,立上げミラー14を介して、第1のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12の表面のビームスプリッタ膜面12aに入射する。ビームスプリッタ膜面12aは、前記したように略785nmの波長の光ビームに対し、S偏光透過率が略10%、P偏光透過率が略18%、S偏光反射率が略90%、P偏光反射率が略82%の分光特性を有する。垂直偏光の光ビーム39は、ビームスプリッタ膜面12aに対してS偏光であるので、略10%が透過し、略90%が反射する。
ビームスプリッタ膜面12aを透過した垂直偏光の光ビーム40は、検出レンズ23を介し、光検出器24に導くようになっている。
上記したように、本実施例では、波長の異なる2つの半導体レーザであるDVD用半導体レーザ3とCD用半導体レーザ27を用いた光ピックアップにおいて、第1のビームスプリッタとして偏光ビームスプリッタプリズム10を使用したので、偏光ビームスプリッタプリズム10の光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの波長がばらついた場合においても、より効率良く2つの半導体レーザからの入射光を合成することができた。
なお、本実施例では、第1の半導体レーザの発振波長が第2の半導体レーザよりも短く、第1のビームスプリッタは短波長の光を効率良く反射して長波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を待たせたが、これに限定されるものではない。
例えば、別の実施例として、第1の半導体レーザの発振波長が第2の半導体レーザの発振波長よりも長く、第1のビームスプリッタは長波長の光を効率良く反射して短波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を持たせることもできる。この実施例の場合においても、第1のビームスプリッタはダイクロイック膜特性と偏光ビームスプリッタ膜特性をあわせ持つため、光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの波長がばらついた場合においても、2つの半導体レーザからの光ビームをより効率良く合成することができる。
また、本実施例では、広帯域4分の1波長板17を使用することにより、短波長の半導体レーザであるDVD用半導体レーザ3を用いた場合と、長波長の半導体レーザであるCD用半導体レーザ27を用いた場合の、いずれの場合においても、半導体レーザへの戻り光の偏光方向が半導体レーザからの出射光の偏光方向に対して直交して戻る。半導体レーザへの戻り光の偏光方向が、半導体レーザからの出射光の偏光方向と同じ偏光方向の成分が無いため、半導体レーザの発振モードに影響を与えることがなくなり、同じ電流入力に対して光パワー出力が低下したり、光パワー出力が変動する等の問題が発生しない。再生時および記録時のいずれの場合においても、オートパワーコントロールを用いてパワー出力を安定に一定に保つことができる。したがって、最大定格電流以上の過電流を入力させてしまい、半導体レーザが劣化あるいは破壊にいたることがない。
また、本実施例では、往路において第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12に入射させる偏光方向を、短波長のDVD用半導体レーザからの光ビーム11はS偏光とし、長波長のCD用半導体レーザ27からの光ビーム34はP偏光とした。これにより、DVD往路のビームスプリッタの光利用効率を略95%、CD往路のビームスプリッタの光利用効率を略85%とした。このように、DVD往路のビームスプリッタの光利用効率を、CD往路のビームスプリッタの光利用効率よりも大きく設定することができた。安価に入手可能なCD用半導体レーザ27の最大光パワーは略150Wもあるのに対して、安価に入手可能なDVD用半導体レーザ3の最大光パワーは略70Wとまだ小さい。本実施例では、DVD往路のビームスプリッタの効率を、CD往路のビームスプリッタの効率よりも大きく設定できたので、略70Wと小さい最大光パワーのDVD用半導体レーザ3を用いても、標準速に対して略2倍速の記録性能を得ることができた。
また、本実施例では、復路において第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12に入射させる偏光方向を、短波長のDVD用半導体レーザからの光ビーム21はP偏光とし、長波長のCD用半導体レーザ27からの光ビーム39はS偏光とした。これにより、DVD復路のビームスプリッタの光利用効率はP偏光の場合には略10%、S偏光の場合には略5%である。
DVD系光ディスク1に複屈折がない場合にはP偏光成分のみであるが、複屈折がある場合にはP偏光成分が減少してS偏光成分が増大する。したがって、DVD系光ディスク1に複屈折があると略10%から略5%まで光利用効率が変動する。すなわち、光利用効率の変動比は最大略2倍である。
CD系光ディスク2に複屈折が無い場合にはS偏光成分のみであるが、複屈折がある場合にはS偏光成分が減少してP偏光成分が増大する。したがって、CD系光ディスク2に複屈折があると略10%から略18%まで光利用効率が変動する。すなわち、光利用効率の変動比は最大略1.8倍である。
このように、CD往路の光利用効率の変動比は、DVD往路の光利用効率の変動比よりも小さくできた。光ディスク基板の複屈折は、DVD系光ディスク1よりも、CD系光ディスク2の方が大きいので、CD往路の光利用効率の変動比を小さくすることにより、CD系光ディスク基板の複屈折によって光検出器へ入射する光パワー変動をより少なくすることができた。
次に、第1の半導体レーザおよび第2の半導体レーザのオートパワーコントロールに用いる前方光モニタ光検出器41を含む構成について説明する。本実施例では、第1のビームスプリッタである偏光ビームスプリッタプリズム10を出射した光ビーム11、34の内、第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12の中を透過せずに上空を通過する光ビーム42、43を前方光モニタ光検出器41に入射させる。
このように第1のビームスプリッタで2つの半導体レーザからの光ビームを合成した後の光ビームを前方光モニタ用として使用するので、前方光モニタ光検出器は1個で良い。また、第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12の中を透過させないので、透過による光利用効率の低下がない。また、第2のビームスプリッタの光利用効率がばらついたり、波長変化や温度変化で光利用効率が経時変化した場合においても、前方光モニタ光検出器への光ビーム42、43の光パワーが変動することがない。したがって、安定なオートパワーコントロールを得ることができる。また、前方光モニタ光検出器へ光ビームを導くために、反射ミラー等の追加部品を必要としないという利点がある。なお、ビームスプリッタミラー12の上空を通過する光ビーム42、43を前方光モニタ光検出器41に入射させるために、前方光モニタ光検出器41の設置位置が上方に偏ることになるが、光ピックアップと光ディスク間に配置に十分なスペースが確保できるため、光ピックアップの高さを増大させることがない。また、一般に半導体レーザの光ビームの強度分布は上下方向には広く、左右方向には狭い。本実施例では、強度分布の広い上方向を選択したので、前方光モニタ光検出器への光パワーを十分確保することができる。
以上説明したように本発明に基づく実施例によれば、互いに発振波長の異なる第1の半導体レーザおよび第2の半導体レーザと、第1の半導体レーザを出射した第1の光ビームを反射させるとともに第2の半導体レーザを出射した第2の光ビームを透過させることによって第1の光ビームと第2の光ビームの光路を合成する第1のビームスプリッタと、第1の光ビームおよび第2の光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、光ディスクを反射した第1の光ビームおよび第2の光ビームを検出する光検出器と、第1の半導体レーザおよび第2の半導体レーザを出射した第1の光ビームおよび第2の光ビームを対物レンズに導くとともに光ディスクを反射した第1の光ビームおよび第2の光ビームを光検出器に導くための第2のビームスプリッタとを備え、基板厚さが互いに異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクの両方の情報を兼用して記録または再生できるようにした光ピックアップにおいて、第1のビームスプリッタは少なくとも第1の半導体レーザの発振波長および第2の半導体レーザの発振波長に対してP偏光を効率良く透過してS偏光を効率良く反射する特性を有する偏光ビームスプリッタであり、第1の半導体レーザを出射した第1の光ビームの偏光状態をS偏光で第1のビームスプリッタへ入射させて反射させ、第2の半導体レーザを出射した第2の光ビームの偏光状態をP偏光で第1のビームスプリッタへ入射させて透過させるように構成した。これにより、第1のビームスプリッタへの光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの発振波長がばらついた場合においても、より効率良く2つの半導体レーザからの光ビームを合成することができるといった効果がある。
また、第1の半導体レーザの発振波長が第2の半導体レーザの発振波長よりも短く、第1のビームスプリッタは、第1の半導体レーザの発振波長である短波長の光を効率良く反射して、第2の半導体レーザの発振波長である長波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を持たせた。これにより、第1のビームスプリッタへの光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの発振波長がばらついた場合においても、より効率良く2つの半導体レーザからの光ビームを合成することができるといった効果がある。
また、第1の半導体レーザの発振波長が第2の半導体レーザの発振波長よりも長く、第1のビームスプリッタは、第1の半導体レーザの発振波長である長波長の光を効率良く反射して、第2の半導体レーザの発振波長である短波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を持たせた。これにより、第1のビームスプリッタへの光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの発振波長がばらついた場合においても、より効率良く2つの半導体レーザからの光ビームを合成することができるといった効果がある。
また、第1の半導体レーザを出射した第1の光ビームの偏光状態をS偏光で第2のビームスプリッタへ入射させて反射させ、第2の半導体レーザを出射した第2の光ビームの偏光状態をP偏光で第2のビームスプリッタへ入射させて反射させ、第1の半導体レーザの発振波長と第2の半導体レーザの発振波長のいずれに対しても4分の1波長板としての機能を有する広帯域4分の1波長板を第2のビームスプリッタと前記光ディスクとの間に配置した。これにより、短波長の半導体レーザであるDVD用半導体レーザ1を用いた場合と、長波長の半導体レーザであるCD用半導体レーザ2を用いた場合の、いずれの場合においても、半導体レーザへの戻り光の偏光方向が半導体レーザからの出射光の偏光方向に対して直交して戻る。半導体レーザへの戻り光の偏光方向が、半導体レーザからの出射光の偏光方向と同じ偏光方向の成分が無いため、半導体レーザの発振モードに影響を与えることがなくなり、同じ電流入力に対して光パワー出力が低下したり、光パワー出力が変動する等の問題が発生しない。再生時および記録時のいずれの場合においても、オートパワーコントロールを用いてパワー出力を安定に一定に保つことができる。したがって、最大定格電流以上の過電流を入力させてしまい、半導体レーザが劣化あるいは破壊にいたる場合がない。
また、往路において第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラーに入射させる偏光方向を、短波長のDVD用半導体レーザからの光ビームはS偏光とし、長波長のCD用半導体レーザからの光ビームはP偏光とした。これにより、DVD往路のビームスプリッタの光利用効率を、CD往路のビームスプリッタの光利用効率よりも大きく設定し、小さい最大光パワーのDVD用半導体レーザを用いることができた。
また、復路において第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミラーに入射させる偏光方向を、短波長のDVD用半導体レーザからの光ビームはP偏光とし、長波長のCD用半導体レーザからの光ビームはS偏光とした。これにより、CD往路の光利用効率の変動比を、DVD往路の光利用効率の変動比よりも小さくでき、CD系光ディスク基板の複屈折によって光検出器へ入射する光パワー変動をより少なくすることができた。
また、第1の半導体レーザおよび第2の半導体レーザのオートパワーコントロールに用いる前方光モニタ光検出器を、第1のビームスプリッタを出射した第1の光ビームと第2の光ビームの内、第2のビームスプリッタの中を透過せずに上空を通過する第1の光ビームと第2の光ビームを入射させるように配置した。これにより、前方光モニタ光検出器は1個で良い。また、第2のビームスプリッタの透過による光利用効率の低下がない。また、第2のビームスプリッタの光利用効率がばらついたり、波長変化や温度変化で光利用効率が経時変化した場合においても、前方光モニタ光検出器への光ビームの光パワーが変動することがなく、安定なオートパワーコントロールを得ることができる。また、前方光モニタ光検出器へ光ビームを導くために、反射ミラー等の追加部品を必要としない。また、半導体レーザの光ビームの強度分布の広い上方向を選択したので、前方光モニタ光検出器への光パワーを十分確保することができるといった効果がある。
本実施例の光ピックアップの概略構成図である。 本実施例の光ピックアップの偏光ビームスプリッタ膜面10aの分光透過率特性である。 本実施例の光ピックアップのビームスプリッタ膜面12aの分光透過率特性である。 従来の光ピックアップの概略構成図である。
符号の説明
1…DVD系光ディスク、1a…情報記録面、2…CD系光ディスク、2a…情報記録面、3…DVD用半導体レーザ、3a…発光点、4…光ビーム、5…補助レンズ、5a…凸球面レンズ面、6…複合光学素子、6a…2分の1波長板、6b…ガラス基板、6c…回折格子、7…光ビーム、8…ホルダ、9…ケース、10…偏光ビームスプリッタプリズム、10a…偏光ビームスプリッタ膜面、11…光ビーム、12…ビームスプリッタミラー、12a…ビームスプリッタ膜面、13…光ビーム、14…立上げミラー、14a…2点鎖線、15…カップリングレンズ、16…光ビーム、17…広帯域4分の1波長板、18…光ビーム、19…対物レンズ、20…光ビーム、21…光ビーム、22…光ビーム、23…検出レンズ、24…光検出器、25…基板、26…接着剤、26b…副光ビーム、27…CD用半導体レーザ、27a…発光点、28…光ビーム、29…補助レンズ、29a…凸球面レンズ面、30…回折格子、31…光ビーム、32…ホルダ、33…ホルダ、34…光ビーム、35…光ビーム、36…光ビーム、37…光ビーム、38…光ビーム、39…光ビーム、40…光ビーム、41…前方光モニタ光検出器、42…光ビーム、43…光ビーム、50…補助レンズ、50a…回折格子、51a…主光ビーム、51b…副主ビーム、51c…副主ビーム、52…光ビーム、53…光スポット、54…光ビーム、55…光ビーム、56…光ビーム、57…光ビーム、58…検出レンズ、59…光ビーム、60…補助レンズ、60a…回折格子、61b…凸球面レンズ面、61…光ビーム、62…光ビーム、63…光ビーム、64…光ビーム、65…基板。

Claims (10)

  1. 互いに発振波長の異なる第1の半導体レーザおよび第2の半導体レーザと、前記第1の半導体レーザを出射した第1の光ビームを反射させるとともに前記第2の半導体レーザを出射した第2の光ビームを透過させることによって前記第1の光ビームと前記第2の光ビームの光路を合成する第1のビームスプリッタと、前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、前記光ディスクを反射した前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームを検出する光検出器と、前記第1の半導体レーザおよび前記第2の半導体レーザを出射した前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームを前記対物レンズに導くとともに前記光ディスクを反射した前記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームを前記光検出器に導くための第2のビームスプリッタとを備え、基板厚さが互いに異なる第1の光ディスクと第2の光ディスクの両方の情報を兼用して記録または再生できるようにした光ピックアップにおいて、前記第1のビームスプリッタは少なくとも前記第1の半導体レーザの発振波長および前記第2の半導体レーザの発振波長に対してP偏光を効率良く透過してS偏光を効率良く反射する特性を有する偏光ビームスプリッタであり、前記第1の半導体レーザを出射した前記第1の光ビームの偏光状態をS偏光で前記第1のビームスプリッタへ入射させて反射させ、前記第2の半導体レーザを出射した前記第2の光ビームの偏光状態をP偏光で前記第1のビームスプリッタへ入射させて透過させるように構成したことを特徴とする光ピックアップ。
  2. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、前記第1の半導体レーザの発振波長が前記第2の半導体レーザの発振波長よりも短く、前記第1のビームスプリッタは、前記第1の半導体レーザの発振波長である短波長の光を効率良く反射して、前記第2の半導体レーザの発振波長である長波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を持たせたことを特徴とする光ピックアップ。
  3. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、前記第1の半導体レーザの発振波長が前記第2の半導体レーザの発振波長よりも長く、前記第1のビームスプリッタは、前記第1の半導体レーザの発振波長である長波長の光を効率良く反射して、前記第2の半導体レーザの発振波長である短波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を持たせたことを特徴とする光ピックアップ。
  4. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、前記第1の半導体レーザから前記第1のビームスプリッタに至る光路中に、前記第1の半導体レーザを出射した前記第1の光ビームの偏光方向を変換させて前記第1のビームスプリッタに入射させる機能を有する2分の1波長板を配置したことを特徴とする光ピックアップ。
  5. 請求項4に記載の光ピックアップにおいて、前記第1の半導体レーザを出射した前記第1の光ビームを主ビームと2つの副ビームとに分離する回折格子を備え、前記回折格子と前記2分の1波長板を一体で光軸回りに回転調整できるように構成したことを特徴とする光ピックアップ。
  6. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、前記第1の半導体レーザを出射した前記第1の光ビームの偏光状態をS偏光で前記第2のビームスプリッタへ入射させて反射させ、前記第2の半導体レーザを出射した前記第2の光ビームの偏光状態をP偏光で前記第2のビームスプリッタへ入射させて反射させ、前記第1の半導体レーザの発振波長と前記第2の半導体レーザの発振波長のいずれに対しても4分の1波長板としての機能を有する広帯域4分の1波長板を前記第2のビームスプリッタと前記光ディスクとの間に配置したことを特徴とする光ピックアップ。
  7. 請求項6に記載の光ピックアップにおいて、前記第2のビームスプリッタからの前記第1の光ビームと前記第2の光ビームを反射させて前記光ディスクに導く増反射ミラーを備え、前記広帯域4分の1波長板を前記増反射ミラーと前記光ディスクとの間に配置したことを特徴とする光ピックアップ。
  8. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、前記第1の半導体レーザおよび前記第2の半導体レーザのオートパワーコントロールに用いる前方光モニタ光検出器を、前記第1のビームスプリッタを出射した前記第1の光ビームと前記第2の光ビームの内、第2のビームスプリッタの中を透過せずに上空を通過する第1の光ビームと第2の光ビームを入射させるように配置したことを特徴とする光ピックアップ。
  9. 前記第1の光ディスクと前記第2の光ディスクの両方の情報を兼用して記録かつ再生できるようにした請求項1乃至8に記載の光ピックアップ。
  10. 請求項1乃至9に記載の光ピックアップを用いた光ディスク装置。
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