JP2006251431A - 液晶光学素子とその製造方法 - Google Patents

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Hideji Naka
秀治 仲
Masami Kikuchi
正美 菊池
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Abstract

【課題】気泡を挟持した液晶光学素子における封孔口近傍にある気泡領域を、元々液晶光学素子が持っている構成部材を利用して、容易に、光ビームの有効径外の任意の箇所に配置することで小型化、軽量化が達成された液晶光学素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】透明導電膜と配向膜とがそれぞれ積層された2枚の透明性基板に、液晶層とともに気泡が挟持された液晶光学素子において、透明導電膜と、配向膜のいずれか、または両方の膜により段差部が形成されており、この段差部によって、気泡が液晶層の内部に固定配置された構成を採用した。
【選択図】図1

Description

本発明は、対向する2枚の透明性基板の間に挟持された液晶層を有する液晶セルに、気泡が混入された液晶光学素子とその製造方法に関し、特に、光ヘッド装置に搭載され、直線偏光であるレーザ光の位相を変化させて、液晶層に入射する波面収差を補正するための液晶光学素子であり、この液晶層に気泡を混入させることで、液晶層の熱膨張にともなう透明性基板の変形を極力抑えることができるようにした液晶光学素子とその製造方法に関する。
まず従来の光ヘッド装置100を図7を用いて構成を説明する。図7は、この従来の光ヘッド装置の構成を示す概略図面である。
図7に示すように、半導体レーザ光源1から出射された光ビーム11は、コリメータレンズ2によって有効径10を有するほぼ平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ3を通過した後、液晶光学素子4に入射する。液晶光学素子4を通過した光ビーム11は、1/4波長板5を通過して、対物レンズ6により記録媒体9(DVD等)に集光される。
また、記録媒体9から反射された光ビーム11は、再び対物レンズ6、1/4波長板5及び液晶光学素子4を経て、偏光ビームスプリッタ3により光路が変更されて、集光レンズ13を介して受光器14に集光される。そして、光ビーム11は、記録媒体9により反射される際に、記録媒体9のトラック面上に記録されている情報に基づいて振幅変調され、受光器14により光強度信号として出力される。この光強度信号(再生信号)から記録情報が読み出される。
なお上述した「有効径」10とは、光ビーム11に位置ずれや径の変化のないとした場合の、対物レンズ6で有効に利用される幾何光学設計上の液晶光学素子4上での主光ビーム径を言う。そして、光ビーム11の波長は例えば650nm、対物レンズ6の開口率NAを0.65とし、有効径10はφ3mmに設定されている。
また、図7で示す液晶光学素子4は、記録媒体9の基板内に発生する波面収差を補正する機能を有している。そして、液晶光学素子制御回路15は、受光器14からの光強度信号を利用して、記録媒体9の基板内に生じる波面収差(主としてコマ収差や球面収差)を検出し、検出した波面収差を相殺するように、液晶光学素子4に形成された透明電極パターンに配線16を通じて電圧を印加する。この透明電極パターンに挟持された液晶層は、液晶光学素子制御回路15により、局所的に位相が変調され、前述した光ビーム11の波面収差を補正する。このような制御によって、光強度信号の強度が適正になるように波面収差が補正される。
そして、光ヘッド装置100を搭載する情報再生装置又は情報記録装置の小型化の要求から、光ヘッド装置100及びその装置を構成する各部品の小型化が要求され、液晶光学素子4は、例えば矩形形状であり5mm×3mmという小形状となっている。
次に、光学装置100(図7参照)に搭載されている一般的な液晶光学素子4の構成例と、この液晶光学素子4が熱変形した場合の作用について説明する。図8は、従来の液晶光学素子の構成を示す図面である。
この液晶光学素子4dは、図8に示すように透明性基板201の外縁部と透明性基板202の外縁部を、例えば100μm程度の一定幅で形成された枠状シール材203で、液晶層204を6μmのギャップの幅で挟持して固定された構造となっている。
そして、前述した光学装置100を搭載した情報再生装置、または情報記録再生装置に掛かる外的な環境の温度変化、あるいは湿度変化により、液晶光学素子4dが膨張、あるいは収縮する。これは、透明性基板201、202の間に挟持された液晶層204と枠状シール材203の線膨張係数がそれぞれ異なることによって引き起こされる。
そして、光学装置100(図7参照)に搭載した液晶光学素子4dが外的な環境の変化により変形すると、前述した様に、液晶光学素子4dにて記録媒体9に起因する波面収差(コマ収差、または球面収差等)の収差はほぼ予定通り補正されるものの、液晶光学素子4dから出射される光ビーム11に新たに波面収差が乗ってしてしまうこととなる。
さらには、外的な環境の変化により、液晶光学素子4dの封止部分は、特異的に歪んでしまいコマ収差が発生してしまうという問題もある。これも前述した液晶層204と枠状シール材203の線膨張係数に加え、封止材205の線膨張係数が異なることにより引き起こされる。
これに対して、図9で示すように液晶層204内に初期的に気泡304を混入させて、外的な環境の変化による液晶層204の膨張と収縮を防ぐ方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図9で示す液晶光学素子4eは、2枚の透明性基板に液晶層204とともに液晶注入口近傍に気泡304を挟持させ、枠状シール材203で外縁部を囲み封止材205で、この液晶注入口を密閉したものである。この際、挟持した気泡304が前述した光ビーム11の有効径10内に入り込むのを防ぐために、気泡固定手段207が必要となる。
この様に、液晶層204に気泡304を混入させることで、例え外的な環境の変化が生じたとしても、この気泡304は、液晶よりも線膨張係数が小さいため、液晶層204は殆ど膨張、または収縮をせず、気泡304が膨張収縮をする。それにより、2枚の透明性基板の変形を極力抑えることができ、光学装置100に搭載して外的な環境の変化が生じても、常に一定の記録媒体9に起因して発生する波面収差を補正することができる様になる。
特開2003−45065号公報(第3−4頁、第3図、第5図、第8図)
上述した特許文献1に記載されている、液晶層204に気泡304が混入された液晶光学素子4e(図9参照)は、その気泡304が前述した光ビーム11の有効径10内に入り込むのを防ぐために、気泡固定手段207が必要となる。
この気泡固定手段207は、枠状シール材203と同じ材料により形成されたシール材やフォトレジスト、あるいは透明性基板に予め凹凸を設けて形成されていた。
また、この液晶光学素子4eは、前述した光ビーム11の有効径10の外側領域に、気泡304を配する気泡領域を確保しなくてはならず、液晶注入口から気泡304を混入させる場合、液晶注入口209近傍に気泡領域304を設けなくてはならない。そのために、液晶光学素子4eの外形が先に示した液晶光学素子4d(図8参照)に比べて大きくなってしまうという欠点があり、小型化、軽量化が求められている光ピックアップにおいて最良であるとは言い難い。
そこで、本発明は上記課題を解決し、液晶層に混入された気泡を配する気泡領域を、元々液晶光学素子が持っている構成部材を利用して、容易に、前述した光ビームの有効径の外側領域の任意の箇所に配置することで、小型化、軽量化が達成された液晶光学素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、基本的には下記に記載されたような技術を採用するものである。
本発明の液晶光学素子は、透明導電膜と配向膜とがそれぞれ積層された2枚の透明性基板に、液晶層とともに気泡が挟持された液晶光学素子において、透明導電膜と配向膜とのいずれか、または両方の膜により段差部が形成されており、この段差部によって、気泡が液晶層の内部に固定配置されていることを特徴とするものである。
また、本発明の液晶光学素子における段差部は、液晶層側の2枚の透明性基板にそれぞれ形成されていることを特徴とするものである。
さらに、本発明の液晶光学素子における段差部は、その段差部を構成する層により階段状となるように構成されていることを特徴とするものである。
さらに、本発明の液晶光学素子における2枚の透明性基板は、矩形形状のシールを介して貼り合わせており、シール内側四隅の少なくとも一ヶ所に、前述した段差部が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の液晶光学素子の製造方法は、透明導電膜と配向膜とがそれぞれ積層された2枚の透明性基板に、液晶層とともに気泡が挟持された液晶光学素子の製造方法において、透明性基板に、透明導電膜と配向膜とのいずれか、または両方の膜により段差部を形成する段差基板形成工程と、2枚の段差基板、または段差基板と段差部が形成されていない透明性基板の隙間に液晶層を配する液晶セル形成工程と、液晶セルの段差部により形成された窪み領域に気泡を発生させる気泡形成工程とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の液晶光学素子の製造方法における気泡形成工程は、前述した窪み領域に所定の波長のレーザ光を照射して、その窪み領域に選択的に気泡を発生させる工程であることを特徴とするものである。
従来の液晶層に気泡が混入された液晶光学素子では、液晶注入口近傍に気泡領域を設けているため、液晶セルの外形が大きくなってしまっていたが、本発明の液晶光学素子の構成によれば、2枚の透明性基板の間に気泡を挟持しながらにして、液晶光学素子の小型化と軽量化を実現することができる。
さらに、本発明の液晶光学素子は、通常の液晶セルを構成する配向膜や、透明導電膜を利用した気泡固定手段としているため、一般的な液晶光学素子の製造方法に新たな工程を増やすことなく、容易に液晶層に気泡が混入された液晶光学素子の製造が可能となる。
以下に述べる本発明の液晶光学素子は、素子を構成する透明導電膜と配向膜とを用いて、気泡を固定するための段差部に窪み領域を形成し、その窪み領域に気泡を配設した点に共通の構成要件を有した構造となっている。この窪み領域に気泡を確実に固定配置して、
外的環境の変化に対応できる素子とするとともに、小型の液晶光学素子とすることが出来る。以下に、本発明の液晶光学素子の構成、およびその製造方法について詳細に説明する。
まず、本発明の液晶光学素子の構成例について説明をする。図1は、本発明の液晶光学素子4aの構成例を示した平面図および、この平面図におけるA−A断面図である。
図1に示す様に、本発明の液晶光学素子4aは、2枚の対向する透明性基板201、202に、透明導電膜301と配向膜302とが同一のパターン領域で形成された構成となっている。また、その外縁部を枠状シール材203を介して所定の間隔をもって2枚の透明性基板201,202を貼り合わせた後に、その隙間に液晶注入口から液晶が注入され、その液晶注入口を封止材205で封止された液晶層204を有する構成となっている。
また、この液晶光学素子4aは、枠状シール材203の形成領域の内側であり、かつ光ビーム11の有効径10の外側の所望の箇所(図1においては、枠状シール材203の形成領域の内側四隅)に、枠状シール材203の形成領域内に透明導電膜301と配向膜302が同一のパターンで形成されることにより、透明導電膜301と配向膜302の厚み分の段差部を得て、この段差部と枠状シール材203の間の領域となる窪み領域303で、気泡304を固定することができる様になっている。
このような構成をとることによって、外的な環境の変化が生じても、液晶層204が膨張や収縮をするのではなく、液晶層204に混入された気泡304を伸縮させることができるので、液晶光学素子4aに係る非点収差、またはコマ収差の発生を極力抑えることができる様になる。上記液晶光学素子4aにおける窪み領域303は、波面収差を補正するための収差補正パターンに基づいて決定される有効径10の外側であれば、その形成場所は限定されない。
そして、図1で示したように、窪み領域303を枠状シール材203の内側の四隅に分散して設けることによって、外的な環境変化に対応できる液晶光学素子4aの小型化、軽量化が実現する。
なお、上記液晶光学素子4aにおける窪み領域303は、枠状シール材203の形成領域の内側四隅の少なくとも一箇所に形成して、気泡304を固定することでも所望の作用と効果を得ることができるが、より安定した作用と効果を得るためには、図1で示したとおり、枠状シール材203の形成領域の内側四隅に窪み領域303を形成して、気泡304を固定したほうが好ましい。
しかしながら、液晶光学素子4aの有効径10が、素子外形に対して中心位置からずれて配置され、有効径10の外側であり、かつ枠状シール203の内側にて形成される領域サイズが、各四隅で偏った構成である場合には、その大きく空いた領域に窪み領域303を形成して、気泡304を配置する構成としても構わない。
なお、上記液晶光学素子4aにおける窪み領域303として形成される段差部は、気泡304を確実に確保するために、透明性基板201、202の両方に形成するのが好ましいが、透明性基板201,202のいずれか一方に形成しても構わない。また、一般的に用いられている液晶光学素子のセルギャップの範囲内であれば、この段差部は、気泡304が上記有効径10内に入り込むのを防ぐために、50nm以上あれば本発明の構成を採ることができる。
次に、図2から図4を用いて前述した液晶光学素子4aの製造方法について説明をする。図2は、透明性基板に透明導電膜にて段差部を形成した段差基板形成工程を示した図である。図3は、2枚の段差基板の隙間に液晶層を配する液晶セル形成工程を示した図である。図4は、液晶セルの段差部により形成された窪み領域に気泡を発生させる気泡形成工程を示した図である。なお、下記の説明は、両方の透明性基板201、202を段差基板とした例を示す。
まず、図2に示すように、透明性基板201に透明導電膜301をフォトリソグラフィー法を用いて所望のパターンを形成(本図面の上図参照)した後に、配向膜302を同一のパターンで印刷することによって(本図面の下図参照)、ここでは図示しない枠状シール材203の形成領域内に段差部をもった窪み領域303が形成された段差基板を得ることができる。そして、同様にして、液晶光学素子を構成する対向側の透明性基板202上に透明導電膜301、配向膜302をそれぞれ形成して、対向側の段差基板も用意する。
そして、図3に示すように、前述した段差基板形成工程にて得られた2枚の段差基板を、枠状シール203を介して貼り合わせ、液晶208が満たされている液面に、枠状シール203に形成された液晶注入口209を浸して、液晶注入口209から液晶注入を行い、液晶セルを形成する。
次に、図4に示すように、前述した液晶セルの段差部により形成された窪み領域303にレーザ光210を照射する。本願では、532nmのYAGレーザ光源を使用した。このように段差部にレーザ光210を照射することで、液晶層204内に溶け込んでいた空気や酸素、窒素などが気化して、選択的に窪み領域303に気泡304を発生させることができる。なお、ここで発生させた気泡304が少な過ぎると、窪み領域303に形成された段差部にてこの気泡304を固定することができなくなるので、セルギャップ、段差部の高さ等を考慮して、レーザ光210の光量を調節するのが肝要である。そして、この気泡形成工程の後に、ここでは図示しない封止材205で液晶注入口209を封止することで、初期的に液晶層204に気泡304が混入された、目的の液晶光学素子4aが完成する。
上述した様に、液晶セルの段差部にレーザ光210を当てて気泡304を発生させる工程は、仕様用途に応じて、レーザ光210の出力やスポット径を調整して、液晶層204に発生させる気泡304の大きさを容易に制御することができるし、気泡304を発生させる箇所も容易に制御することができる。
この様に、上述した図2から図4に示した製造工程を経て、液晶層204に気泡304が混入された液晶光学素子4aが製造することが出来る。また、窪み領域303に設ける段差部は、液晶光学素子4aを構成する既存の膜を利用して作ることができ、しかも、任意の箇所に気泡を任意の量だけ発生させることが可能となるため、容易にかつ安価に、小型,軽量の液晶光学素子4aを製造することができる。
また、上記説明では、気泡形成工程を行った後に液晶封止工程を行う例を示したが、その手順を代えて、液晶封止工程を行った後に気泡形成工程を行っても構わない。しかしながら、この様に液晶封止工程を行った後に気泡形成工程を行うと、液晶封止工程により液晶層204が完全に密閉された状態で、気泡形成工程により気泡304を発生させることとなる。そのため、気泡形成工程にて液晶層204の体積が若干変化することとなるが、その変化量が許容範囲である場合には、この手順で液晶光学素子を製造しても構わない。
また、気泡形成工程で気泡304の発生量が多過ぎると、液晶層204の体積変化量が大きくなってしまうことに留意すべきである。そのため、前述した工程の様に、液晶封止
工程の前に気泡形成工程を行った方が、外的の環境の変化に対し、一対の透明性基板201,202を常に平行に保つ液晶光学素子4aを得ることができ、好ましい。
次に、本発明の液晶光学素子の他の構成例について説明をする。図5は、本実施例における液晶光学素子の別の形態を示した断面図である。
図5に示すように、本発明の液晶光学素子4bは、基本的には実施例1に示した構成と同じであるが、2枚の対向する透明性基板201、202に透明導電膜301と配向膜302をそれぞれ異なるパターンで形成して、透明導電膜により気泡304を固定する段差部を形成した点のみが先に図1で示した構成例と異なっている。なお、本実施例に係る液晶光学素子の他の構成部材は同じであるので、ここでの同じ構成部材についての詳細な説明は省略する。
この液晶光学素子4bは、前述した通り、配向膜302が枠状シール材203の形成領域にまで伸延されて形成されおり、透明導電膜301の膜厚差を利用して窪み領域303を形成している。なお、この配向膜302は、透明導電膜301を被覆して、この透明導電膜301よりも大きなパターンとし、かつ、前述した段差部が形成できれば、配向膜302が枠状シール材203の形成領域まで伸延させて設ける必要はない。また、本図面では、配向膜302のパターンが、透明導電膜301のパターンよりも大きいものとしているが、この構成に代えて配向膜302のパターンよりも透明導電膜301のパターンを大きくして段差を設けても構わない。
このような構成にすることによって、図1で説明した液晶光学素子4aと同様の作用効果を得ることができ、前述した段差基板形成工程における、配向膜を形成するパターンマスクのみを代えることにより、容易に液晶光学素子4bを製造可能することができる。その上、透明導電膜301のパターンは、フォトリソグラフィー法にて精度良く配設することが出来るが、配向膜302は、フォトリソグラフィー法よりもパターン精度が落ちる印刷法を用いて形成される。したがって、本実施例における液晶光学素子4bは、実施例1の構成例に比べて段差部の高さが低くなるが、配向膜302の印刷精度が特に必要とされないため、段差基板の製造が容易になるという利点を有する。
次に、本発明の液晶光学素子の更に他の構成例について説明をする。図6は、本実施例のおける液晶光学素子の構成例を示した断面図である。
図6に示すように、本発明の液晶光学素子4cは、2枚の対向する透明性基板201、202に透明導電膜301と配向膜302とをそれぞれ異なるパターンで階段状に形成した点に特徴を有し、他の構成は先に示した実施例1、2と同じであるので、ここでの同じ構成部材に関する説明は省略する。
本発明の液晶光学素子4cは、上述した様に、透明導電膜301と配向膜302により段差部を構成するとともに、この透明導電膜301よりも小さなサイズで配向膜302を形成している。なお、本図面に示すように、透明導電膜301と配向膜302は、窪み領域303には配設されていない。また、階段状の段差部を構成する傾斜角は、セルの構成および各膜の厚みに応じて任意である。
このような構成にすることによって、先に実施例1,2で説明した液晶光学素子4a、4bとほぼ同様の作用効果を得ることができ、前述した製造工程の段差基板製造工程における、透明導電膜301と配向膜302のパターンを形成するマスクのみを代えることに
より、目的の液晶光学素子4cを製造可能することができる。
その上、このように透明導電膜301と配向膜302とをそれぞれ異なるパターンで階段状に窪み領域303を形成することにより、液晶層204に混入した気泡304は、より安定して挟持されることとなる。
ここで、上述した実施例1〜3に示した本発明の液晶光学素子4a〜4cに温度を掛けた状態で、どの様な特性を有するのか検証をしてみた。
両方の透明性基板201,202を共に段差部の高さを60nmとした段差基板を有する本発明の液晶光学素子4a〜4cを、0℃から70℃まで10℃刻みに温度を掛けて、その各温度が掛かった状態で面精度の測定を行った。その結果、液晶光学素子4a〜4cの膨張と収縮を、ともに非常に小さく抑えることができ、非点収差、コマ収差ともに、初期値からの変動は非常に小さくなるという良好な結果を得ることができた。
また、上述した本発明の液晶光学素子4a〜4cは、0℃から70℃まで10℃刻みに温度をかけても、窪み領域303に気泡304は確実に固定され、有効径10内の領域に気泡304が入り込むことなかった。
上記検証により、上述した本発明により得られた液晶光学素子4a〜4cを、背景技術で説明をした光学装置100(図7参照)に搭載すれば、さまざまな環境下において、半導体レーザ光源1から出射された光ビーム11が、対物レンズ6により常に一定の集光特性が得られ、具体的には、光ヘッド装置100に搭載する液晶光学素子に外的な環境変化が加わっても、膨張や収縮などによる変形は非常に小さく、この部分における非点収差やコマ収差の発生を抑えることのできる液晶光学素子を搭載した光ヘッド装置100とすることができることが判った。
本発明の液晶光学素子における構成例を示す平面図および断面図である。(実施例1) 本発明の液晶光学素子の製造工程における段差基板形成工程を示した図である。(実施例1) 本発明の液晶光学素子の製造工程における液晶セル形成工程を示した図である。(実施例1) 本発明の液晶光学素子に気泡を発生させるための気泡形成工程を示した図である。(実施例1) 本発明の液晶光学素子における他の構成例を示す断面図である。(実施例2) 本発明の液晶光学素子における更に他の構成例を示す断面図である。(実施例3) 光ヘッド装置の構成例を示した図面である。 従来の液晶光学素子の構成例を示した図面である。 従来の液晶光学素子の他の構成例を示した図面である。
符号の説明
1 半導体レーザ光源
2 コリメータレンズ
3 偏光ビームスプリッタ
4a〜4e 液晶光学素子
5 1/4波長板
6 対物レンズ
9 記録媒体
10 有効径
11 光ビーム
13 集光レンズ
14 受光器
15 液晶光学素子制御回路
201、202 透明性基板
203 枠状シール材
204 液晶層
205 封止材
207 気泡固定手段
208 液晶
209 液晶注入口
210 レーザ光
301 透明導電膜
302 配向膜
303 窪み領域
304 気泡

Claims (6)

  1. 透明導電膜と配向膜とがそれぞれ積層された2枚の透明性基板に、液晶層とともに気泡が挟持された液晶光学素子において、
    前記透明導電膜と前記配向膜とのいずれか、または両方の膜により段差部が形成されており、
    前記段差部によって、前記気泡が前記液晶層の内部に固定配置されていることを特徴とする液晶光学素子。
  2. 前記段差部は、前記液晶層側の前記2枚の透明性基板にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. 前記段差部は、その段差部を構成する層により階段状となるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶光学素子。
  4. 前記2枚の透明性基板は、矩形形状のシールを介して貼り合わせており、
    前記シール内側四隅の少なくとも一ヶ所に、前記段差部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶光学素子。
  5. 透明導電膜と配向膜とがそれぞれ積層された2枚の透明性基板に、液晶層とともに気泡が挟持された液晶光学素子の製造方法において、
    前記透明性基板に、前記透明導電膜と前記配向膜とのいずれか、または両方により段差部を形成する段差基板形成工程と、
    2枚の前記段差基板、または前記段差基板と前記段差部が形成されていない透明性基板の隙間に液晶層を配する液晶セル形成工程と、
    前記液晶セルの前記段差部により形成された窪み領域に気泡を発生させる気泡形成工程と、
    を有することを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
  6. 前記気泡形成工程は、前記窪み領域に所定の波長のレーザ光を照射して、その窪み領域に選択的に気泡を発生させる工程であることを特徴とする請求項5に記載の液晶光学素子の製造方法。
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