JP4881683B2 - 液晶光学素子および光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ピックアップ装置のレーザ光の光軸上に配置して、コマ収差、非点収差、球面収差等を補償する収差補正用に用いられる液晶光学素子と、それを配した光ピックアップ装置、とくに温度の影響を除去した液晶光学素子とそれを配した光ピックアップ装置に関する。
近年光ディスク高密度化が進み、CD、DVDに加えHDと呼ばれる高密度光ディスクが実用化され、これら光ディスクの情報を読み取ったり、または書き込んだりする光ピックアップ装置が普及している。この光ピックアップ装置に用いられるこれら複数種の光ディスクに対応したレーザ光源として、従来の波長が650nmや、785nmの赤色レーザに加え、波長が約400nmの青色レーザが用いられ、このレーザ光源から出射される光路中で発生するコマ収差、非点収差等を補正するために液晶光学素子が用いられる。
この光ピックアップ装置は、異なる波長のレーザ光源を複数用意して、光ディスクの種類によって光路を切り換えることで、異なる光ディスク情報を読み取ったり、または書き込んだりして用いられる。
そこで、それぞれのレーザ光源が出力する光束の収差補正を行うために、各レーザ光源から出射される光束を別系統とし、それぞれの光路に対応して配置された、1つの液晶パネルに複数の収差補正用の第1と第2の電極パターンを並設した液晶光学素子が提案された(例えば特許文献1参照)。
ここで、上記素子構成について更に詳細に説明する。図8は、2つの収差補正を行うための電極パターンを並設する液晶光学素子100の構成を示す上部平面図および断面図である。
図8に示す様に、従来の液晶光学素子100は、上基板20と下基板22との間に液晶26を長方形の外周シール12を介して挟持する構成となっている。そして、外周シール12の内側領域に、第1のレーザ光源が出射する光束を補正するための第1の電極パターン16と、第2のレーザ光源が出射する光束を補正するための第2の電極パターン18とを並設した構成となっている。
このように、従来の液晶光学素子100は、異なる波長の第1、第2のレーザ光源が出射する光束の収差として、例えば赤色レーザの光束の収差と、青色レーザの光束の収差をそれぞれ補正する電極パターンを1つのパネル内に並設して設けているので、光ピックアップ装置の部品点数を少なくして小型とすることができる。
特開2005−293707号公報(第5−6頁、第1−3図)
しかしながら、特許文献1に記載の液晶光学素子は、外部環境の温度変化によって非点収差が発生してしまうという問題がある。
液晶光学素子100における液晶26は、外部環境の温度変化に応じて膨張または収縮する。そして、この温度変化により、外周シール12は膨張収縮しないが、上基板20と
下基板22は、液晶26の膨張または収縮に追従して湾曲した形状となってしまう。したがって、光ピックアップ装置にこの従来の液晶光学素子100を搭載し、かつ外部環境温度が変化した場合、例え液晶光学素子100を含む複数の光学部材の光軸が一致していたとしても、液晶光学素子100に入射する光束に対して、温度に応じて変化する非点収差が発生してしまうこととなる。なお、この現象は、上基板20と下基板22とを薄板基板とした場合に顕著となる。
上記現象について更に詳細に説明する。図9は、この従来の液晶光学素子100の外部環境の温度変化に起因して発生する非点収差の問題を説明するための図面である。本図中(a)は、従来の液晶光学素子100の上部平面図であり、(b)は、外部環境の温度が高温となったときの上部平面図におけるC−C’断面図を、(c)は、同じく外部環境の温度が高温となったときの上部平面図におけるD−D’断面図を示している。
図9(a)に示すC−C’断面では、図9(b)に示す様に、液晶26のギャップがLT4と大きく膨らむのに対し、図9(a)に示すD−D’断面では、図9(c)に示す様に、液晶26のギャップはL4より小さいLT5となってしまう。つまり、C−C’方向とD−D’方向のシール内側の径が異なるため、液晶26の膨張による上基板20と下基板22の基板湾曲の曲率が、図9(b)で示すギャップと図9(c)で示すギャップとで異なってしまうこととなる。なお、図示しないが、低温下での上基板20と下基板22は、液晶の収縮により液晶26側に中ベコ形状に撓むので、先の説明と同様に、C−C’断面のギャップ変動の方がD−D’断面でのギャップ変動よりも大きくなってしまう。
したがって、図9(a)における外周シール12の内側中心は、他の側面に対し温度変動によりギャップ変動が最も大きくなり、温度によって第1、第2の電極パターン16、18上の液晶26のギャップが、非対称となってしまう。
この様に、この上基板20と下基板22の基板湾曲の曲率に起因して発生する非点収差の度合いは、温度により変化し、液晶光学素子100は、外部環境の温度に応じて、異なる非点収差が現れることとなる。そして、赤色レーザはもとより、特に波長の短い青色レーザに対しては、よりこの非点収差の問題は、無視できないものとなる。
そこで、本発明の目的は上記課題を解決し、外部環境の温度変動が起こったとしても、非点収差の発生を極力抑えることができ、かつ複数の光源が出射する光束それぞれの収差補正を行うことができる液晶光学素子と、それを備えた光ピックアップ装置を提供することである。
本発明の液晶光学素子および光ピックアップ装置は、基本的には下記記載の構成を採用するものである。
本発明による液晶光学素子は、2枚の透明基板間に設けた外周シールの内側領域に液晶を配し、第1の光源から出射される第1の光束の収差補正を行うための第1の電極パターンを配した第1の領域と、第2の光源から出射される、第1の光束の波長よりも長波長の第2の光束の収差補正を行うための第2の電極パターンを配した第2の領域とを、それぞれ並設しており、第1の領域と第2の領域との間に、仕切りシールを設けたことを特徴とするものである。
また、本発明による液晶光学素子は、前述した外周シールの内側領域の形状が長方形であり、第1、または第2の領域の少なくとも一方の形状が、正方形であることを特徴とするものである。
また、本発明による液晶光学素子は、前述した第1の領域の形状が、正方形であることを特徴とするものである。
また、本発明による液晶光学素子は、前述した第1の領域における外周シールと仕切りシールの液晶に接する面の縦横寸法比が、第2の領域における外周シールと仕切りシールの液晶に接する面の縦横寸法比よりも1に近近くなるように仕切りシールの位置を設定することを特徴とするものである。
また、本発明による液晶光学素子は、前述した外周シールと仕切りシールが同じシール材料により形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明による液晶光学素子は、前述した仕切りシールの少なくとも一端が、外周シールと一体化して形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明による液晶光学素子は、前述した第1と第2の領域が、仕切りシールによって2室に分離され、異なる液晶材料が封入されていることを特徴とするものである。
また、本発明による液晶光学素子は、前述した第1と第2の領域には、異なる配向処理が施されていることを特徴とするものである。
本発明による光ピックアップ装置は、第1の光源と、第1の光束を第1の記録媒体に集光させる第1の対物レンズとの間で、第1の光束と第1の電極パターンとを一致させて、かつ第2の光源と、第2の光束を第2の記録媒体に集光させる第2の対物レンズとの間で、第2の光束と第2の電極パターンとを一致させて、前述した液晶光学素子を配したことを特徴とするものである。
本発明によれば、外部環境温度が変動したとしても非点収差が極力発生せず、かつ複数の光源が出力する光束それぞれの収差補正を行うことができる液晶光学素子を提供することができる。
また、この液晶光学素子を配することにより、小型でかつ外聞環境温度の変化に対して安定して光ディスクの読み取りと書き込みが可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
本発明の液晶光学素子は、2枚の透明基板間に設けた外周シールの内側領域に液晶を配し、第1のレーザ光源から出射される第1の光束の収差補正を行うための第1の電極パターンを配した第1の領域と、第2のレーザ光源から出射される、第1の光束の波長よりも長波長の第2の光束の収差補正を行うための第2の電極パターンを配した第2の領域とを、それぞれ並設して設けた形態としている。そして、この液晶光学素子は、第1の領域と第2の領域との間に仕切りシールを設けてなる。
また、外周シールの内側領域の形状は略長方形であり、第1または第2の領域の少なくとも一方の形状を略正方形としている。
以下に本発明の液晶光学素子およびそれを備えた光ピックアップ装置について詳細に説明する。
図1は、本発明の液晶光学素子の第1の実施形態を説明するための上部平面図(本図(
a))、および本図(a)におけるA−A’断面図(本図(b))を示している。
図1(a)に示す様に、本発明の液晶光学素子10には、液晶を注入するための封入口28aを備えた外周シール12の内側領域であって、収差補正用の第1の電極パターン16を右側の領域B1内に、第2の電極パターン18を左側の領域B2内にそれぞれ並設して設けられている。この外周シール12は、図に示す様に長辺と短辺の長さを2:1とした長方形となっている。そして、この領域B1と領域B2の間には、隣接する第1、第2の電極パターン16、18を仕切る仕切りシール14aが設けられている。なお、仕切りシール14aと外周シール12とは、同じ材料により同時に形成されたものである。また、仕切りシール14aと外周シール12とは一体化されておらず、隣接する領域B1、領域B2の液晶は、外周シール12と仕切りシール14aの間で連通している。
この様に、領域B1、領域B2との間に仕切りシール14aを設けることにより、領域B1、B2のシールで囲まれた領域が共に正方形に近い形状とすることができる。
また、この液晶光学素子10は、図1(b)に示す様に、透明な上基板20と下基板22の間に外周シール12が設けられて上基板20と下基板22を接着し、領域B1と領域B2の間には仕切りシール14aが設けられ、外周シール12の内側の領域B1と領域B2にはそれぞれ同じ液晶26が配されている。なお、外周シール12、仕切りシール14aのシール材料の中には液晶層のギャップを規定するためのスペーサー24が混入されている。
また、第1、第2の電極パターン16、18は、それぞれ上基板20表面の液晶側に電極16−1、18−1を、下基板22表面の液晶側に電極16−2、18−2を有する。上基板20表面に設けた電極16−1、18−1、および下基板22表面に設けた電極16−2、18−2の一方は、コマ収差、非点収差等補正すべき収差によって複数の電極に分割され、他方は共通電極としている。また、電極16−1、18−1をともにコマ収差用のパターンとし、電極16−2、18−2をともに非点収差用のパターンをとしても構わない。
次に、本発明の液晶光学素子10の外部環境温度が変動した場合の形状変化について説明する。図2は、本発明の液晶光学素子10の外部環境温度の変化に対する作用を説明するための素子断面図である。本図(a)は、従来の液晶光学素子の高温下での状態を、本図(b)は、本発明の液晶光学素子10の高温下での状態を示している。なお、本図面で示す断面は、図1(a)に示した平面図のA−A’断面に相当している。
本発明の液晶光学素子10は、仕切りシール14aの働きで、高温下での液晶層のギャップがLT2、LT3、ここでは、領域B1、領域B2ともに正方形であるので、LT2=LT3となるのに対して、図2(a)に示した従来の液晶光学素子100は、LT2、LT3に対してはるかに大きいギャップのLT1となる。この様に、本発明の液晶光学素子10が、従来の液晶光学素子100に比べて、外部環境温度の変化したとしても、上基板20と下基板22の基板変形をはるかに小さくできていることが判る。
また、従来の液晶光学素子100は、図2(a)に示す様に、温度上昇による上基板20と下基板22の変形が大きくなると、対向する電極16−1、16−2(図1(b)参照)間のギャップと、電極18−1、18−2(図1(b)参照)間のギャップに非対称性が生じてしまうのに対して、本発明の液晶光学素子10は、図5(b)に示す様に、この非対称性を極力抑えることができていることが判る。
また、本発明の液晶光学素子10は、領域B1、B2共にシールの内側が正方形に近い
形状としたため、図1(a)で示すB−B’断面においても、領域B1、B2のギャップは、それぞれLT2、LT3にほぼ等しくなる。
このような状況は、低温下で液晶が収縮した時も同様で、温度変動により液晶層のギャップ変動が図1(a)に示すA−A’方向、B−B’ともほぼ同じとなることは容易に理解できよう。
すなわち、本発明の液晶光学素子10は、領域B1、B2の間に仕切りシール14aを設けたことにより、様々な外部環境温度の変動に対して、液晶光学素子10の形状のゆがみを極力解消することが出来、その結果、温度変動により発生する非点収差を極力小さくできるという効果を有する。
また、先に示したように、外周シール12と仕切りシール14aとを同じシール材料により形成したことにより、両シールを同時にスクリーン印刷法にて形成することが出来、新たな製造工程を付加することなく、上記特性の向上を果たすことが出来る。
次に、本発明の液晶光学素子の第2の実施形態について説明する。図3は、本発明の液晶光学素子における第2の実施形態を説明するための上部平面図である。本実施形態で示す液晶光学素子の特徴点は、実施例1に示した仕切りシール14aを外周シール12の一部と一体化した点である。
図3(a)に示す様に、本実施例における液晶光学素子10は、本図面における仕切りシール14bの上端が外周シール12と一体化して形成されている。また、図3(b)に示す様に、仕切りシール14cの上端下端共に外周シール12と一体化して形成されている。なお、図3(a)においては、仕切りシール14bの下端で隣接する領域の液晶が連通しているため、液晶の封入口28aを1つとしてあるが、図2(b)においては、領域B1と領域B2部とが分離されているため、液晶の封入口28b、28cを、外周シール12における同じ辺にそれぞれ設けている。
このように仕切りシール14b、14cの少なくとも一端を外周シール12と一体化して形成することにより、仕切りシール14b、14cと上下基板との接着力を、先の実施例1に比べてより強くすることができ、温度の変動による液晶層のギャップ変動を極力小さく抑えることが出来る。したがって、本実施例における液晶光学素子10は、実施例1に比べて更に温度変動により発生する非点収差を小さくすることが出来る。
次に、本発明の液晶光学素子の第3の実施形態について説明する。図4は、本発明の液晶光学素子における第3の実施形態を説明するための上部平面図である。本実施形態で示す液晶光学素子の特徴点は、仕切りシール14により、隣接する領域に配した液晶を完全に分離するとともに、隣接する領域に、異なる種類の液晶を配することができる点である。
図4に示す様に、本実施例における液晶光学素子10は、仕切りシール14cの上端下端共に外周シール12と一体化させて、隣接する2つの領域B1、B2が、仕切りシール14cによって2室に分離されており、かつ領域B1と領域B2には異なる液晶材料が封入されている。
この様に、領域B1と領域B2とが完全に仕切りシール14cにより分離されて、かつ隣接する領域B1、B2に異なる液晶を注入可能としているため、図4(a)で示す形態
においては、外周シール12の下辺と上辺にそれぞれ封入口28c、28dを設け、図4(b)で示す形態においては、外周シール12の下辺と左辺にそれぞれ封入口28d、28aを設けている。
この様に、領域B1と領域B2とを完全に分離する仕切りシール14cを設けることにより、第1のレーザ光源から出射される波長の短い青色レーザの光束に対して収差補正を行うための、液晶材料を領域B1に配し、第2のレーザ光源から出射される比較的波長の長い赤色レーザの光束に対して収差補正する液晶材料を領域B2に配することが出来る。したがって、本形態によれば、より使用する波長に対して補正性能に優れた液晶光学素子10を、安価に製造することが可能となる。また、上記構成とすることで、領域B1と領域B2には、上記異なる液晶材料や、使用する波長に応じた配向処理が施すことができる。
具体的には、短波長である青色レーザに対しては、レーザ光が照射され続けることにより特性の経時変化が起こり難い有機配向膜、または無機配向膜と、耐光性に優れた高価な液晶材料を領域B1に配し、比較的長波長である赤色レーザに対しては、液晶表示装置で通常用いられている、有機材料からなる配向膜、および比較的安価な液晶材料を領域B2に配することが出来る。
また、図4(a)で示す形態においては、封入口28a、28dが外周シール12の下辺と上辺という平行する2辺に設けられているため、液晶材料の注入が容易となる。さらに、図4(b)で示す形態においては、封入口28a、28dが外周シール12の左辺と下辺という直交する2辺に設けられているため、封入口のない外周シール12の上辺と右辺の外形辺を液晶光学素子10と他の光学部品との位置決め(光軸合わせ)に使えるという利点がある。
次に、本発明の液晶光学素子の第4の実施形態について説明する。図5は、本発明の液晶光学素子の第4の実施形態を説明するための上部平面図である。なお、図5では、指定された液晶光学素子の長方形になる光学素子領域が約2:1の寸法比でない場合の構成例を示している。
図5(a)示す様に、本実施例における液晶光学素子10は、仕切りシール14aが液晶光学素子10の中心線45からずれたところに設けられており、波長の短い青色レーザの光束を補正する領域B1を略正方形としているのに対して、波長の長い赤色レーザの光束を補正する領域B2を長方形としている。すなわち、領域B1の外周シール12及び仕切りシール14a内側の液晶領域の縦横寸法比LV1/LH1は、領域B2の縦横寸法比LV1/LH2よりも1に近くなるよう設定されている。
その理由について以下に説明する。
実施例1〜3で示した形態では、領域B1と領域B2が約2:1の寸法比であったため、領域B1、領域B2をともに略正方形とすることが出来、上下基板の温度変動によりゆがみ変形を極力解消することが出来た。しかし、光ピックアップのサイズ等の都合により、このような寸法比を得られなくなった場合は、図5に示すように、基板の変形により非点収差の影響の大きいとされている、波長の短い青色レーザの光束を補正する領域B1の液晶領域の形状を、波長の長い赤色レーザの光束を補正するB2部の液晶領域の形状よりも極力正方形に近づけることで、外部環境温度に対する液晶光学素子10の影響を、極力抑えることができる。
このように、領域B1の形状をできるだけ正方形に近づけた構成とすることにより、よ
り精度が要求される領域B1の温度変動により発生する非点収差を領域B2よりも小さくすることが出来る。
また、図5(a)の変形例として、図5(b)に示す様に、仕切りシール14aと平行に補正シール46を、第1の電極パターン16と外周シール12との間に設けた形態として、領域B1、B2をともに正方形に近づける形態としても構わない。その結果、領域B1の左右領域は、仕切りシール14と補正シール46の内側となっており、領域B1の縦横寸法比LV1/LH3は、領域B2の縦横寸法比LV1/LH4よりも1に近くすることができる。
次に、本発明の液晶光学素子の第5の実施形態について説明する。本実施形態に示す構成は、実施例1〜4に示した液晶光学素子への電極配線に関するものである。図6は、本発明の液晶光学素子の第5の実施形態を説明するための上部平面図である。
図6に示す様に、液晶光学素子10には、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)48から電極の駆動信号が供給され、この駆動信号は、電極配線56、58、60によって領域B1及び領域B2に配した第1と第2の電極パターン16、18内の補正電極50a〜50c、52a〜52cに供給される。なお、本図面における符号16、18は、それぞれ領域B1、領域B2に設けた補正電極50a〜50c、52a〜52cを含む第1、第2の電極パターンを、符号50a〜50cは、領域B1に設けた第1の電極パターン16内の補正電極を、符号52a〜52cは、領域B2に設けた第2の電極パターン18内の補正電極を示している。また、この電極配線56、58、60でオーバーラップしている箇所は、外周シール12、仕切りシール14a内で導電粒を用いる等の手法により下基板から上基板に導通させて、電極配線の交差部の電気的短絡を避けている。
また、図6では説明を簡単とするため、コマ収差補正用の電極パターンのみを模式的に描き、電極配線の数を3本のみ示したが、例えば、コマ収差補正用と非点収差補正用の電極パターンも含めると、10本程度の電極配線の数が必要になる。したがって、本図面で示す電極配線の数は、電極パターンの形態に応じて任意である。
また、本図面に示す様に、本実施例で示す液晶光学素子10は、電極配線56、58、60は、第1、第2の電極パターン16、18に設けた補正電極50a〜50c、52a〜52cに共通接続されている。したがって、領域B1に配した第1の電極パターン16と、領域B2に配した第2の電極パターン18とを、電極配線56、58、60の数を最小限にして、FPC48を介して同一の駆動信号によって駆動することが可能になる。
なお、光ディスクの情報の読み取りまたは書き込みは、複数種の光ディスクに対して同時に行うことはなく、1つの光ディスクのみについて行うものである。しがたって、隣接する領域B1、B2に配した第1と第2の電極パターン16、18のいずれか一方の領域のみに、使用するレーザ光が入射して、電極パターンによって収差補正されるが、他方の領域には、電極パターンに給電が行われることとなるが、レーザ光が入射されないので、何ら問題はない。
このように、領域B1と領域B2に配した第1、第2の電極パターン16、18を共通接続することにより、駆動信号作成部の部材削減の効果、および電極配線数の削減の効果を得ることができる。
また、補正電極50a〜50c、52a〜52cの中心線54bは、液晶光学素子10の中心線54aよりも電極配線56、58、60の内側にΔLずらして配置されており、
例えば、電極配線の数を10本程度とした場合は、ΔLを0.5mm程度とすることで、本実施例で示す形態の素子形態とすることができる。このように、補正電極50a〜50c、52a〜52cの中心線54bを中心線54aからずらして第1、第2の電極パターン16、18を配置することにより、無理なく電極配線56、58、60を液晶光学素子10の内部に引き回すことが出来、液晶光学素子10の良品率を上昇させることが出来る。
次に、本発明の液晶光学素子の第6の実施形態について説明する。本実施例で示す形態は、本発明の液晶光学素子を搭載した光ピックアップ装置に関するものである。図7は、本発明の光ピックアップ装置90の構成を示すブロック図を示している。
図7に示す様に、本発明の光ピックアップ装置90は、短波長レーザ光(青色レーザ)を発振する第1のレーザ光源70と、コリメータレンズ74と、収差補正用として用いる液晶光学素子10と、液晶光学素子10に位相変調用の駆動信号を与える駆動回路68と、第1の対物レンズ64とを有する。また、この光ピックアップ装置90は、比較的長波長のレーザ光(赤色レーザ)を発振する第2のレーザ源72と、コリメータレンズ76と、収差補正用として用いる液晶光学素子10と、第2の対物レンズ66とを有する。
ここで用いている液晶光学素子10は、実施例1〜5で説明した形態によるもので、第1のレーザ光源70と、第1のレーザ光源70から出射される第1の光束78を、第1の光ディスクに集光させる第1の対物レンズ64との間に配置される。また、この液晶光学素子10は、第2のレーザ光源72と、第2のレーザ光源72から出射される第2の光束80を、第2の光ディスクに集光させる第2の対物レンズ66との間に配置される。さらに、第1の光束78の光軸中心と、液晶光学素子10の領域B1に配した第1の電極パターン16の光軸中心、および第2の光束80の光軸中心と、液晶光学素子10の領域B2に配した第2の電極パターン18の光軸中心とが、ともに一致して配置されている。
この光ピックアップ装置90は、高密度光ディスク、DVD、CDのような、複数種の光ディスク62が載置可能となっており、光ディスク62の種別によって、第1、第2のレーザ光源70、72のいずれかに切り換えられて、2系統のいずれかの光路を使用して、光ディスク62の情報を読み取ったり、または書き込んだりする。また、光ディスク62の種別によって選択された第1、第2の光束78、80が、第1、第2の対物レンズ64、66によって集光される位置に、光ディスク62が移動される。
なお、上記説明では、第1、第2のレーザ光源70、72を別体とした場合を示したが、第1、第2のレーザ光源70、72を1つで構成し、光ディスク62の種別に応じて、1つのレーザ光源から出射された光束を2系統に分岐して、第1と第2の電極パターン16、18を有する液晶光学素子10、第1、第2の対物レンズ64、66にそれぞれの光束を導く形態としても構わない。
この様に、本発明の光ピックアップ装置90は、本発明の液晶光学素子10を配しているため、外部環境温度が大きく変化したとしても、光ディスク62に照射される第1、第2の光束78、80に対して常に一定の収差を精度良く補正でき、特に青色系の短波長レーザ光と、赤色系の長波長レーザ光を併用した光ピックアップ装置において、精度の良い情報の読み取り、または書き込みを行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、複数の光源が出力する光束それぞれの収差補正を行う液晶光学素子を一体化して小型化したとしても、外部環境温度の変動により発生する非点収差を極力小さくした液晶光学素子10を提供することができ、また、この液晶光
学素子10を光ピックアップ装置90に搭載することにより、小型でかつ温度に対して安定な装置とすることが出来る。
本発明の液晶光学素子の第1の実施例を説明するための上部平面図および断面図である。 本発明の作用を説明するための液晶光学素子の断面図である。 本発明の液晶光学素子の第2の実施例を説明するための上部平面図である。 本発明の液晶光学素子の第3の実施例を説明するための上部平面図である。 本発明の液晶光学素子の第4の実施例を説明するための上部平面図である。 本発明の液晶光学素子の第5の実施例を説明するための上部平面図である。 本発明の光ピックアップ装置を説明するための図面である。 従来の液晶光学素子の構成を説明するための図面である。 従来の液晶光学素子の課題を説明するための図面である。
符号の説明
10 液晶光学素子
12 外周シール
14a〜14d 仕切りシール
16 第1の電極パターン
16−1、16−2 電極
18 第2の電極パターン
18−1、18−2 電極
20 上基板
22 下基板
24 スペーサー
26 液晶
28a〜28d 封入口
45 中心線
46 補正シール
48 フレキシブルプリント基板
50a〜50c、52a〜52c 補正電極
54a、54b 中心線
56、58、60 電極配線
62 光ディスク
64 第1の対物レンズ
66 第2の対物レンズ
68 駆動回路
70 第1のレーザ光源
72 第2のレーザ光源
78 第1の光束
80 第2の光束
90 光ピックアップ装置。
B1、B2 領域

Claims (9)

  1. 2枚の透明基板間に設けた外周シールの内側領域に液晶を配し、第1の光源から出射される第1の光束の収差補正を行うための第1の電極パターンを配した第1の領域と、第2の光源から出射される、前記第1の光束の波長よりも長波長の第2の光束の収差補正を行うための第2の電極パターンを配した第2の領域とを、それぞれ並設した液晶光学素子において、
    前記第1の領域と前記第2の領域との間に、仕切りシールを設けた
    ことを特徴とする液晶光学素子。
  2. 前記外周シールの内側領域の形状は、長方形であり、
    前記第1または第2の領域の少なくとも一方の形状が、正方形である
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. 前記第1の領域の形状が、正方形である
    ことを特徴とする請求項2に記載の液晶光学素子。
  4. 前記第1の領域における、前記外周シールと前記仕切りシールの前記液晶に接する側の面の縦横寸法比は、前記第2の領域における、前記外周シールと前記仕切りシールの前記液晶に接する側の面の縦横寸法比よりも1に近くなるように、前記仕切りシールの位置を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
  5. 前記外周シールと前記仕切りシールは、同じシール材料により形成されている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶光学素子。
  6. 前記仕切りシールの少なくとも一端は、前記外周シールと一体化して形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の液晶光学素子。
  7. 前記第1と第2の領域は、前記仕切りシールによって2室に分離されて、異なる液晶材料が封入されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の液晶光学素子。
  8. 前記第1と第2の領域には、異なる配向処理が施されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の液晶光学素子。
  9. 前記第1の光源と、前記第1の光束を第1の記録媒体に集光させる第1の対物レンズとの間で、前記第1の光束と前記第1の電極パターンとを一致させて、かつ前記第2の光源と、前記第2の光束を第2の記録媒体に集光させる第2の対物レンズとの間で、前記第2の光束と第2の電極パターンとを一致させて、請求項1から8のいずれか一項に記載の液晶光学素子を配したことを特徴とする光ピックアップ装置。
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