JP2006208521A - 液晶光学素子および光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶光学素子の温度変化による液晶層のセルギャップ変動を抑え、使用温度範囲全般にわたって、特に青色レーザーを用いた光ピックアップ装置においても収差補正が可能な、液晶光学素子およびそれを搭載した光ピックアップ装置を提供すること。
【解決手段】上下基板がシール部材で固定された液晶セル内に液晶層を有する液晶光学素子において、液晶セルの一部に液晶層から外部の気体に連通する第1の開放部を設け、当該第1の開放部を弾性変形可能な薄膜で封止する構成を採用した。また、第1の開放部を封止した薄膜の外側に、当該薄膜の弾性変形を可能にするための気体室をさらに設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】上下基板がシール部材で固定された液晶セル内に液晶層を有する液晶光学素子において、液晶セルの一部に液晶層から外部の気体に連通する第1の開放部を設け、当該第1の開放部を弾性変形可能な薄膜で封止する構成を採用した。また、第1の開放部を封止した薄膜の外側に、当該薄膜の弾性変形を可能にするための気体室をさらに設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光ピックアップ装置のレーザー光の光軸上に配置して、コマ収差、球面収差または非点収差等を補償する収差補正用の液晶光学素子およびそれを搭載した光ピックアップ装置に関する。
CDあるいはDVD等のディスクに情報を書き込んだり、読み取ったりするための光ピックアップ装置における収差補正を行うために、収差補正用の液晶光学素子が用いられている。このような液晶光学素子は、ディスクに照射されるレーザー光の光軸が傾くことにより、DVD等のディスク内に生じるコマ収差や、ディスクの厚み方向の球面収差や、光ピックアップ装置を構成する光学部材に起因する非点収差を含む波面収差を光学的に補正する。
従来の赤色レーザーを用いるDVDでは、従来の液晶光学素子で問題なく補正が出来ていたが、青色レーザーが使用されてディスクの記録密度が高密度化された結果、従来の液晶光学素子では収差補正が困難となってきた。
その主な原因は液晶光学素子が、使用環境温度の変化によって液晶層のセルギャップが変動してしまうことに起因して液晶光学素子で補正される設定補正量からずれてしまうという問題がある。
この現象について更に詳細に説明をする。図7は液晶光学素子の断面図で、その問題となる状況を模式的に表している。
図7において、符号12は上基板、符号14は下基板、符号16は上下基板を接着するシール部材、符号18は液晶材料が封入された液晶層で、上下基板とシール部材16によって密閉された空間に充填されている。 図7(a)は使用環境温度が常温環境下、図7(b)は低温環境下、図7(c)は高温環境下の液晶光学素子13の状態を示している。
常温環境下の液晶光学素子13は、図7(a)に示したように、液晶光学素子13の液晶材料18の層厚であるセルギャップは図示していないスぺーサーによって設計値に保たれLNとなる。
それに対して、低温環境下の液晶光学素子13は、液晶層を構成する液晶材料18が収縮するため、上基板12、下基板14がともに内側に引っ張られ、図7(b)に示すような中凹形状(ベコ形状)となる。したがって液晶層のセルギャップは図示のLLとなり、常温での値LNよりも小さくなってしまう。
また、高温環境下の液晶光学素子13は、液晶層を構成する液晶材料18が膨張するため、上基板12、下基板14がともに外側に押され、図7(c)に示すような中凸形状(タイコ形状)となる。したがって液晶層のセルギャップは図示のLHとなり、常温での値LNよりも大きくなってしまう。
一般に液晶光学素子13の液晶層のセルギャップ変動は、レーザー光の波長をλとした時、λ/6以内ならば問題ないとされてきたが、青色レーザーが使われ始め、該青色レーザー光の波長λ(405nm)がCDおよびDVDで用いられる波長(745nm、695nm)に対して小さいため、液晶光学素子13の全使用温度範囲でのより精密なセルギ
ャップの管理が必要となってきている。なお以下の図において、同様の部材には同様の番号を付している。
ャップの管理が必要となってきている。なお以下の図において、同様の部材には同様の番号を付している。
また、光ピックアップ装置用の収差補正用の液晶光学素子において、液晶光学素子内に液晶層と気泡の双方を挟持し、かつ気泡と液晶層間に気泡固定手段を設けて気泡が光学的有効領域に進入しないよう構成し、温度変化による液晶光学素子内部の圧力の増減を該気泡層の体積の増減により吸収しようという提案がされている(例えば特許文献1参照)。
しかし、この提案による構成では、液晶光学素子のセルギャップを一定に保つことが出来るものの、気泡層を構成する気体が液晶層に溶け込んでしまい圧力の吸収体として機能しなくなってしまうという問題がある。また、気体が液晶層に溶け込むにしたがって、気体から液体に変化することによる体積収縮が起きるため、液晶光学素子内の圧力低下が起こることに起因して上下基板を内側に引っ張るため、液晶光学素子を図7(b)に示した中凹形状にしてしまうという問題がある。
さらには、液晶層中に溶け込んだ気体は環境温度が高温から低温に変化した時再び気化することとなるが、このような状況で気化した気体が光学的有効領域に集まってしまうことを阻止することは出来ないという問題もある。
このように従来の液晶光学素子は、上述した多くの問題を包含しており、特に青色レーザーを用いた光ピックアップ装置にこの液晶光学素子を搭載することは好ましくない。
また、液晶セル内の表示部位以外の場所に、少なくとも一方の基板を貫通して、液晶層の気泡を削減出来る充填物層を設けるという提案もある(例えば特許文献2参照)。
しかし、この提案は「気泡による表示不良を防止する」ことが目的で、液晶層のセルギャップを均一にすることは目的としていない。その結果、液晶層の中に出現した気体が充填物層に吸収されると、液晶層内の体積収縮が起きるため、液晶層内の圧力低下が起こって上下基板が内側に引っ張られ、液晶セルを図7(b)に示した中凹形状にしてしまうという、特許文献1に於ける問題と同様の問題を有している。
さらに、この充填材に溶け込んだ気泡は、環境が変われば再度出現してしまうことは明らかであり、気化した気体が光学的有効領域に集まってしまうことを阻止することは出来ないという問題もあり、この点も特許文献1に於ける問題と同様である。
このように、この提案も多くの問題を包含しており、光ピックアップ装置に搭載する収差補正用の液晶光学素子に用いることは不可能であることは特許文献1の提案と同様である。
そこで、本発明の解決しようとする課題は、液晶光学素子の温度変化による液晶層のセルギャップ変動を抑え、使用温度範囲全般にわたって、特に青色レーザーを用いた光ピックアップ装置においても収差補正が可能な、液晶光学素子およびそれを搭載した光ピックアップ装置を提供することである。
本発明の液晶光学素子は、上下基板がシール部材で固定された液晶セル内に液晶層を有する液晶光学素子において、液晶セルの一部に液晶層から外部の気体に連通する第1の開放部を設け、当該第1の開放部を弾性変形可能な薄膜で封止したことを特徴とするものである。
また、本発明の液晶光学素子は、前述した第1の開放部がシール部材の一部が開放されて形成された開放部であることを特徴とするものである。
さらに、本発明の液晶光学素子は、前述した第1の開放部が液晶セルの一辺を開放して形成されており、第1の開放部の内側に、ギャップ補強剤を部分的に設けたことを特徴とするものである。
またさらに、本発明の液晶光学素子は、前述した第1の開放部が上下基板のいずれか一方に形成された貫通孔であることを特徴とするものである。
またさらに、本発明の液晶光学素子は、前述した第1の開放部を封止した薄膜の外側に、薄膜の弾性変形を可能にするための気体室をさらに設けたことを特徴とするものである。
またさらに、本発明の液晶光学素子は、前述した気体室に封入された気体が空気であることを特徴とするものである。
またさらに、本発明の液晶光学素子は、前述した気体室が外気と連通する第2の開放部を有することを特徴とするものである。
またさらに、本発明の液晶光学素子は、前述した第2の開放部が上下基板のいずれか一方に形成された貫通孔であることを特徴とするものである。
本発明の光ピックアップ装置は、レーザー光源と、このレーザー光源から出射される往路のレーザー光をディスクに集光するための対物レンズと、ディスクからの反射光である復路のレーザー光を受光するための受光器と、レーザー光源と対物レンズとの間の光路中に配設された、前述した液晶光学素子とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、環境温度が大きく変化しても液晶光学素子の液晶層のセルギャップ変動を非常に小さく出来るため、特に青色レーザーを用いた光ピックアップ装置においても正確に波面収差補正を行うことが出来るようになる。
また、この液晶光学素子を収差補正用の液晶光学素子として搭載した光ピックアップ装置は、上述した様に様々な環境下において正確に波面収差を補正することが出来るようになる。
本発明の液晶光学素子は、上下基板がシール部材で固定された液晶セル内に液晶層を有する液晶光学素子において、液晶セルの一部に液晶層から外部の気体に連通する第1の開放部を設け、当該第1の開放部を弾性変形可能な薄膜で封止された構成であり、さらに前述した第1の開放部を封止した薄膜の外側に、当該薄膜の弾性変形を可能にするための気体室をさらに設けた構成を採用したものである。
なお、下記の記載は、特に液晶光学素子を収差補正用の液晶光学素子に適用した例を示
すが、これに限定されるものではなく、外的温度変化に応じてセルギャップを極力抑えたい液晶光学素子全般に適用できることに留意されたい。
すが、これに限定されるものではなく、外的温度変化に応じてセルギャップを極力抑えたい液晶光学素子全般に適用できることに留意されたい。
図1は本発明による液晶光学素子の第1の実施例において、図1(a)が平面図を、図1(b)が図1(a)におけるA−A’断面図を、図1(c)が図1(a),図1(b)に示した気体室20で用いる枠体の斜視図の構成例を、図1(d)が図1(a),図1(b)に示した気体室20の断面図の構成例を示している。
図1(a)は、本発明の液晶光学素子30の上基板を除去して描いた平面図で、14が下基板、16がシール部材によって形成されるシール部、18は液晶材料が封入された液晶層、29で示した部分が液晶材料の注入口で、液晶層18外部の気体に連通する第1の開放部となっている。また、26は弾性変形可能な薄膜で前述した第1の開放部29を封止している。20は気体室で液晶層18の体積膨張、体積収縮に伴なって弾性変形可能とするために、この気体室20に封入された気体が閉じ込められた構成となっている。22は従来から用いられている、例えばエポキシ系樹脂の封止樹脂で、第1の開放部29を覆うように設けられた気体室20及び薄膜26を下基板14及び図示されていない上基板に接着して固定された構成としている。
図1(b)は、図1(a)の液晶光学素子30のA−A’断面図を示しており、ここでは上基板12も描かれている。12が上基板、14が下基板、16がシール部材によって形成されるシール部で、上下基板間のシール部16によって形成された空間領域に、注入口である第1の開放部29から液晶材料を封入して液晶層18をなしている。20は気体室で、22は封止樹脂で、注入口である第1の開放部29を覆うように設けられた気体室20及び薄膜26を下基板14及び上基板12に接着して固定している。
図1(c)は、気体室20を構成する枠体の斜視図の構成例を示しており、図示のように枠体24の材料の中に空洞25を設けている。なおこの枠体24の材料は、金属でもプラスチック系の材料でも良い。
図1(d)は、気体室20の断面図を示している。左図の構成例では左右に突き抜けた空洞25の両側を薄膜26で覆って内部に気体28を閉じ込めた形態を示しており、右図の例では枠体24の一方のみに空洞25の開口部が設けられ、該開口部を薄膜26で覆って内部に気体部28を閉じ込めた形態を示している。
左図のような構成にすれば、枠体24を安価に製造することが出来るという効果があり、右図のように構成すれば、製造工程において気体室20の体積を一定に保ち易いという効果がある。
次に、図2を用いて本発明における液晶光学素子の作用について説明する。図2は、図1に示した第1の実施例を説明する図面であり、図1(a)と同様に上基板12を除去して描いた平面図の部分図で、図1における気体室20を枠体24と気体部28に分けて描いている。図2において、図2(a)は常温環境下での気体室20近傍の液晶光学素子の状態を示しており、図2(b)は低温環境下での素子の状態を示しており、図2(c)は高温環境下での素子の状態を示している。
常温環境下においては、液晶層18の体積膨張も体積収縮のいずれも生じないため、弾性変形可能な薄膜26は、図2(a)に示すように変形せず、気体28の体積も変動しない。
それに対して低温環境下では、液晶層18の液晶材料が収縮するため、弾性変形可能な薄膜26は図2(b)に示すように液晶層18内に引っ張られ、気体28が膨張する。その結果、上基板12、下基板14とシール部材16によって密閉された液晶層18の体積は殆ど変化しない、つまり上下基板を引っ張る力を緩和させることができ、液晶層18のギャップは一定に保たれる。
また、高温環境下では、液晶層18の液晶材料が膨張するため、弾性変形可能な薄膜26は図2(c)に示すように気体室20側に押され、気体28は収縮する。その結果、上基板12、下基板14とシール部材16とによって密閉された液晶層18の体積が殆ど変化しない、つまり上下基板を押す力を緩和させることができ、液晶層18のギャップは一定に保たれる。
このように、前述した気体28が様々な温度によって体積を変えるため、上基板12、下基板14とシール部材16とによって密閉された空間の体積は、使用環境温度の変化に対しほぼ一定となり、上下基板を引っ張る力、押す力を大幅に減少させる。そのため、液晶層18のギャップは、常温環境下に於ける値、低温環境下に於ける値、高温環境下に於ける値の変化を大幅に減少させることができ、使用温度範囲でのギャップ変化を0.07μm以下に押さえることが出来た。
また、上述した様にセルギャップ変化を小さくして、青色レーザー波長の1/6以下に抑えることが可能となったため、液晶光学素子の厚みの増加を伴わずに、青色レーザーを用いる光ピックアップ装置に好適な収差補正用の液晶光学素子を実現することが出来た。
さらに、本発明においては気体28と、液晶層18を構成する液晶材料とを、薄膜26で分離しているため、特許文献1に記した気体部28の気体が液晶層18の液晶材料中に溶け出してしまうという問題点も解消することができる。
なお、前述した弾性変形可能な薄膜26としては、例えばフィルム状では医薬防湿用に用いられているフッ素樹脂、インスタント食品の液体スープ包装などに用いられているナイロン、耐薬品性やガス遮断性にすぐれるPET、高ガス遮断性を有するPVA等を用いることが出来る。
また、気体28としては空気、窒素、ブタン等が使用可能であり、本発明の液晶光学素子の製造上で使用し易いものを選ぶことが出来る。
そして、保存温度範囲の最低温度と最高温度での液晶層18の体積の変化量よりも、気体部28の体積の方が大きいことが望ましく、この条件を満足すると液晶層18のギャップの変動は非常に小さくなる。ただし、上下基板には通常ガラス基板を用いるが、この上下基板に用いるガラス基板の厚さによっては、ガラスが非常に堅いため、必ずしも上記条件を満足しなくとも十分な効果を生じることが出来る。
次に、本発明の液晶光学素子の他の構成例について説明をする。図3(a)は、実施例2における液晶光学素子の上部平面図を示しており、図3(b)は、図3(a)における液晶光学素子のB−B’断面図を示している。
本実施例における液晶光学素子33は、図3に示す様に、上基板12を貫通する貫通孔40を設けて液晶層18に連通させ、上基板12の液晶層18とは反対側を実施例1に記した気体室20にて封止した形態としている。つまり、本実施例に示す構成において、この貫通孔40が実施例1に記した第1の開口部に相当し、この開口部を介して実施例1と
同様に、液晶層18のギャップを様々な環境下において一定とする様に気体室20の上基板12側に設けた薄膜26が変形するようにしてある。そして、液晶材料の注入もこの第1の開放部から行う。他の構成は実施例1と同じであるので、ここでの説明は割愛する。なお、この貫通孔40は、できるだけシール部16近傍に設けることが望ましい。
同様に、液晶層18のギャップを様々な環境下において一定とする様に気体室20の上基板12側に設けた薄膜26が変形するようにしてある。そして、液晶材料の注入もこの第1の開放部から行う。他の構成は実施例1と同じであるので、ここでの説明は割愛する。なお、この貫通孔40は、できるだけシール部16近傍に設けることが望ましい。
この様な形態を採用することにより、実施例1に記した効果に加え、液晶光学素子を小型化にすることが出来るようになる。また、液晶光学素子33の外形は基板端面15a〜15dのみとなる。さらに、この液晶光学素子33を光ピックアップ装置に搭載する際に、液晶光学素子33の外形4辺全てが基板端面15a〜15dとなるため、入射するレーザー光と、この液晶光学素子33の光軸合わせが容易となるという効果を得ることができる。
次に、本発明の液晶光学素子のさらに他の構成例について説明をする。図4は本発明に於ける液晶光学素子の構成例を示している。図4においては、弾性変形可能な薄膜を、26H,26Lで示したように太線で表している。
図4(a)は、液晶光学素子32を上基板を除去して描いた平面図を示している。本図面における14が下基板、符号16がシール部材によって形成されるシール部、符号18は液晶材料が封入された液晶層となっている。また、符号26H、26Lは、弾性変形した際の薄膜26の状態を示しており、常温環境下では図4に示した点線に沿って液晶層18を封止する様に構成する。さらに、液晶層18内にはギャップ補強剤38が点線部に沿って、液晶層18内側近傍に、部分的に、ここでは3カ所に分けて設けられている。
ここで符号43が指す部分が、液晶層18外部の気体に連通する第1の開放部であり、該第1の開放部43が液晶セルの一辺を開放して形成されており、該第1の開放部43の内側に、ギャップ補強剤38が部分的に設けられている。該ギャップ補強剤38は、シール部16を形成するシール部材と同じ材料で形成してある。
また、点線の左側のシール部16で囲われた領域が、薄膜26の弾性変形を可能にする気体室28に相当し、薄膜26H,26Lを弾性変形可能にするため、28の部分には空気が満たされている。さらに、符号31で示した部分が外気と連通する第2の開放部を示しており、図4(a)においては第2の開放部31によって気体室28が外気と連通した状態を示している。
ここで、図4(a)の液晶光学素子32の製造方法を説明する。
初めに、上基板12もしくは下基板14表面にシール剤によってシール部16、及びギャップ補強剤38を同時に形成する。その後、上基板12と下基板14とを重ね合わせ、このシール部16およびギャップ補強剤38をともに加熱硬化させて、上下基板12,14を接着固定した後に、点線に沿ってこのセルを2つに切断する。
初めに、上基板12もしくは下基板14表面にシール剤によってシール部16、及びギャップ補強剤38を同時に形成する。その後、上基板12と下基板14とを重ね合わせ、このシール部16およびギャップ補強剤38をともに加熱硬化させて、上下基板12,14を接着固定した後に、点線に沿ってこのセルを2つに切断する。
そして、2つのセルに切断した後、点線の右側の部分を真空に引きして、第1の開放部43から液晶材料を注入する。液晶材料を注入した後、弾性変形可能な薄膜26を介して切断した液晶セルの左右の部分を接着剤で接着固定する。
この様な構成の液晶光学素子32採用することにより、低温環境下では液晶層18の液晶材料が収縮するため、弾性変形可能な薄膜26は、液晶層18内側方向に引っ張られて26Lで示した形状となり、液晶層18内側方向の圧力は、一定に保たれることとなる。その結果、上下基板を引っ張る力を緩和させることができる様になり、液晶層18のギャップは一定に保たれる。
また、高温環境下では、液晶層18の液晶材料が膨張するため、弾性変形可能な薄膜26は、気体室28側に押されて26Hで示した形状となり、液晶層18内の圧力は一定に保たれることとなる。その結果、上下基板12,14を押す力も緩和され、液晶層18のギャップは一定に保たれる。
図4(a)の構成では、気体室28が外気に対して開放されているため、液晶材料の収縮、膨張に対して薄膜26H,26Lをより容易かつ正確に反応させることが出来る。
なお、図4(a)の領域39は、薄膜26の形状が26Lになった時は気体で満たされ、薄膜26の形状が26Hになった時は液晶材料で満たされる領域となる。
次に、先に示した液晶光学素子32に変形例について説明をする。図4(b)は、第3の実施例の別の態様を示している。
本図面において図4(a)と異なる箇所は、シール部17の形状のみである。図4(a)においては、シール部16に第2の開放部を設けた例を示したが、図4(b)においては、第2の開放部に相当する箇所が存在しない。このように構成したことにより、薄膜26の変形量が少なく規定されるものの、外気の影響(例えば、湿気等を含む気体が気体室28に入り込むという問題)を排除出来るため、信頼性の高い液晶光学素子34を実現することが出来るようになる。
なお、弾性変形可能な薄膜26の材料、気体の種類、気体室28の体積等の条件は、第1の実施例と同様である。
次に、本発明の液晶光学素子のさらに他の構成例について説明をする。図5は、本発明による液晶光学素子の第4の実施例を示しており、図5(a)は図1(a)と同様な液晶光学素子36の上基板を除去して描いた平面図を示しており、図5(b)は上下の基板を逆にして描いた斜視図を示している。
図5の第4の実施例においては、下基板14に貫通孔40を設けて第2の開放部とした例を示している。その他の構成、製造法は第3の実施例で示したと同様であるので、ここでの説明は割愛する。また、弾性変形可能な薄膜26の材料、気体室28の体積等の条件は第1の実施例と同様である。
ここで、図5(a)においては、弾性変形可能な薄膜が常温環境下での位置を26Nで描いている。
この構成では、気体室28が外気に対して開放されているため、液晶材料の収縮、膨張に対して薄膜26の左右方向の変動(図4(a)の薄膜26H、薄膜26Lの位置間の変動)がより容易かつ正確に反応するという図4(a)と同様な効果がある。
なお、貫通孔40は上基板12に設けても下基板14に設けてもどちらでも構わない。
次に、本発明の液晶光学素子を搭載した光ピックアップ装置について説明をする。
図6は先の実施例で示した位相変調用の液晶光学素子42を用いた光ピックアップ装置の全体構成を示すブロック図で、レーザー光源50と、コリメータレンズ52と、偏光ビームスプリッタ54と、収差補正用の液晶光学素子42と、該液晶光学素子42に位相変
調用の電圧信号を与える駆動回路44と、1/4位相差板66と、対物レンズ56と、集光レンズ60と受光器62とから構成されている。ここで用いる液晶光学素子42としては、先に示したいずれかの液晶光学素子の形態を用いることができる。
図6は先の実施例で示した位相変調用の液晶光学素子42を用いた光ピックアップ装置の全体構成を示すブロック図で、レーザー光源50と、コリメータレンズ52と、偏光ビームスプリッタ54と、収差補正用の液晶光学素子42と、該液晶光学素子42に位相変
調用の電圧信号を与える駆動回路44と、1/4位相差板66と、対物レンズ56と、集光レンズ60と受光器62とから構成されている。ここで用いる液晶光学素子42としては、先に示したいずれかの液晶光学素子の形態を用いることができる。
図6において、レーザー光源50から出射したレーザー光64は、コリメータレンズ52によってP偏光の平行光とされ、偏光ビームスプリッタ54と液晶光学素子42を通過する。レーザー光64は液晶光学素子42により入射する平行光のコマ収差または球面収差を含む波面収差を補正された後、1/4位相差板66により円偏光に変換され、対物レンズ56によりディスク58にビームを照射する。
さらに、ディスク58からの反射されたレーザー光は、対物レンズ56を透過し、1/4位相差板66にてS偏光に変換された後、液晶光学素子42を通過し、偏光ビームスプリッタ54にて光路を変えて集光レンズ60を通過して受光器62にディスク58から反射されたレーザー光を集める。そのデータを基に、ディスク58に記録された情報等を読み取ったり、ディスク面に書き込みをすることができる。
この様に構成された本発明の光ピックアップ装置は、特に外的な温度が大きく変化したとしても、常に一定の収差を精度良く補正できる本発明の液晶光学素子を用いているため、特に、青色レーザーを用いる高密度DVDにおいても精度の良い情報の書き込み、読み出しを行うことができるようになる。
また本光ピックアップ装置を情報記録装置に用いれば、上記と同様の効果が期待できる。
12 上基板
14 下基板
15a〜15d 基板端面
16,17 シール部
18 液晶層
20 気体室
22 封止樹脂
24 枠体
25 空洞
26、26N、26L、26H 薄膜
28 気体
29 第1の開放部
30,32,33,34,36,42 液晶光学素子
31 第2開放部
38 ギャップ補強剤
39 領域
40 貫通口
43 第1の開放部
44 駆動回路
50 レーザー光源
52 コリメータレンズ
54 偏光ビームスプリッタ
56 対物レンズ
58 ディスク
60 集光レンズ
62 受光器
64 レーザー光
66 1/4位相差板
14 下基板
15a〜15d 基板端面
16,17 シール部
18 液晶層
20 気体室
22 封止樹脂
24 枠体
25 空洞
26、26N、26L、26H 薄膜
28 気体
29 第1の開放部
30,32,33,34,36,42 液晶光学素子
31 第2開放部
38 ギャップ補強剤
39 領域
40 貫通口
43 第1の開放部
44 駆動回路
50 レーザー光源
52 コリメータレンズ
54 偏光ビームスプリッタ
56 対物レンズ
58 ディスク
60 集光レンズ
62 受光器
64 レーザー光
66 1/4位相差板
Claims (9)
- 上下基板がシール部材で固定された液晶セル内に液晶層を有する液晶光学素子において、
前記液晶セルの一部に前記液晶層から外部の気体に連通する第1の開放部を設け、前記第1の開放部を弾性変形可能な薄膜で封止したことを特徴とする液晶光学素子。 - 前記第1の開放部は、前記シール部材の一部が開放されて形成された開放部であることを特徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
- 前記第1の開放部は、前記液晶セルの一辺を開放して形成されており、前記第1の開放部の内側に、ギャップ補強剤を部分的に設けたことを特徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
- 前記第1の開放部は、前記上下基板のいずれか一方に形成された貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
- 前記第1の開放部を封止した前記薄膜の外側に、前記薄膜の弾性変形を可能にするための気体室をさらに設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の液晶光学素子。
- 前記気体室に封入された気体は、空気であることを特徴とする請求項5に記載の液晶光学素子。
- 前記気体室は、外気と連通する第2の開放部を有することを特徴とする請求項5または6に記載の液晶光学素子。
- 前記第2の開放部は、前記上下基板のいずれか一方に形成された貫通孔であることを特徴とする請求項7に記載の液晶光学素子。
- レーザー光源と、
前記レーザー光源から出射される往路のレーザー光をディスクに集光するための対物レンズと、
前記ディスクからの反射光である復路のレーザー光を受光するための受光器と、
前記レーザー光源と前記対物レンズとの間の光路中に配設された請求項1から8のいずれか一項に記載の液晶光学素子と、
を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005017762A JP2006208521A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | 液晶光学素子および光ピックアップ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005017762A JP2006208521A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | 液晶光学素子および光ピックアップ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006208521A true JP2006208521A (ja) | 2006-08-10 |
Family
ID=36965485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005017762A Pending JP2006208521A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | 液晶光学素子および光ピックアップ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006208521A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103605220A (zh) * | 2013-11-19 | 2014-02-26 | 友达光电股份有限公司 | 显示装置、显示模块的组装方法与充气气囊的制作方法 |
JPWO2017094617A1 (ja) * | 2015-12-03 | 2018-04-19 | 三菱電機株式会社 | 液晶表示装置および画像表示装置 |
-
2005
- 2005-01-26 JP JP2005017762A patent/JP2006208521A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103605220A (zh) * | 2013-11-19 | 2014-02-26 | 友达光电股份有限公司 | 显示装置、显示模块的组装方法与充气气囊的制作方法 |
CN103605220B (zh) * | 2013-11-19 | 2016-01-20 | 友达光电股份有限公司 | 显示装置、显示模块的组装方法与充气气囊的制作方法 |
JPWO2017094617A1 (ja) * | 2015-12-03 | 2018-04-19 | 三菱電機株式会社 | 液晶表示装置および画像表示装置 |
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