JP2006250399A - 焼成用吊持治具及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼成対象物を吊持することにより、焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても焼成対象物の高い品質を維持するのに有利な焼成用吊持治具及びその製造方法を提供する。
【解決手段】焼成用吊持治具は、焼成対象物3を係合して吊持できるように長く延びる棒状体2で形成されており、ジルコニア系セラミックスを基材として形成されている。流動材料をダイスのダイス孔から押し出し、棒状成形体を成形する。その後棒状成形体を硬化させて棒状体を形成する。成形工程において、ダイスのダイス孔の内周面には凹又は凸が形成されており、凹又は凸からなる係合部を棒状成形体の外壁面に形成する。
【選択図】図3
【解決手段】焼成用吊持治具は、焼成対象物3を係合して吊持できるように長く延びる棒状体2で形成されており、ジルコニア系セラミックスを基材として形成されている。流動材料をダイスのダイス孔から押し出し、棒状成形体を成形する。その後棒状成形体を硬化させて棒状体を形成する。成形工程において、ダイスのダイス孔の内周面には凹又は凸が形成されており、凹又は凸からなる係合部を棒状成形体の外壁面に形成する。
【選択図】図3
Description
本発明は焼成対象物を吊持して焼成する焼成用吊持治具及びその製造方法に関する。
従来、電子部品や半導体デバイス等の焼成対象物を焼成するとき、焼成用セッターとも呼ばれることがあるアルミナ系の焼成用補助治具を用い、焼成用補助治具の載置面に焼成対象物を載せた状態で焼成炉で高温に加熱維持し、焼成対象物を焼成する技術が知られている(特許文献1,特許文献2)。
特開2002−145672号公報
特開平8−253381号公報
上記したように焼成対象物を焼成するとき、焼成対象物と治具との反応を抑えることが好ましい。本発明は上記した焼成用治具をさらに進めたものであり、焼成対象物を吊持することにより、焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても、焼成対象物の高い品質を維持するのに有利な焼成用吊持治具及びその製造方法を提供することを課題とするにある。
様相1に係る焼成用吊持治具は、焼成対象物を係合して吊持できるように長く延びる棒状体で形成されており、ジルコニア系セラミックスを基材として形成されていることを特徴とするものである。棒状体はジルコニア系セラミックスを基材として形成されており、ジルコニア系セラミックスは化学的に安定であるため、焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても、焼成対象物と治具との反応を抑えるのに有利となる。故に焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても焼成対象物の高い品質を維持するのに有利である。
様相2に係る焼成用吊持治具は、焼成対象物を係合して吊持できるように長く延びる棒状体で形成されており、棒状体の外壁面には凸または凹からなる係合部が形成されていることを特徴とするものである。棒状体の外壁面には凸または凹からなる係合部が形成されているため、特焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても、焼成対象物と治具との反応を抑えるのに有利となる。故に焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても焼成対象物の高い品質を維持するのに有利である。なお係合部は粗面化されて形成されていることが好ましい。
様相3に係る焼成用吊持治具は、焼成対象物を係合して吊持できるように長く延びる棒状体で形成されており、棒状体は、本体部と、本体部に一体成形され本体部の反りを抑制する補強リブ部とを有することを特徴とするものである。棒状体は本体部の反りを抑制する補強リブ部とを有するため、特焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても、棒状体の本体部の反りが抑制され、焼成対象物と治具との反応を抑えるのに有利となる。故に焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても焼成対象物の高い品質を維持するのに有利である。
様相4に係る焼成用吊持治具の製造方法は、セラミックス粉末を含む流動材料を押出ダイス内に挿入し、ダイスのダイス孔から前方に押し出し、棒状成形体を成形する成形工程と、その後、棒状成形体を硬化させて棒状体を形成する硬化工程とを含む焼成用吊持治具の製造方法において、成形工程において、ダイスのダイス孔の内周面には凹又は凸が形成されており、凹又は凸からなる係合部を棒状成形体の外壁面に形成することを特徴とするものである。硬化工程において棒状成形体が硬化されると、係合部の凹又は凸も硬化する。係合部により、焼成対象物と棒状体とが直接的に触れる接触面積が少なくなるため、焼成対象物との反応性を小さくすることができる。故に焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても焼成対象物の高い品質を維持するのに有利である。なお係合部は粗面化で形成することもできる。硬化工程は例えば焼成工程とすることができる。セラミックス粉末はジルコニア粉末を例示できる。
様相5に係る焼成用吊持治具の製造方法は、セラミックス粉末を含む流動材料により棒状成形体を成形する成形工程と、その後、棒状成形体を硬化させて棒状体を形成する硬化工程とを含む焼成用吊持治具の製造方法において、硬化工程の前に、凹又は凸を外周壁面に有する複数の回転体と棒状成形体とを接触させ、凹又は凸からなる係合部を棒状成形体の外壁面に形成することを特徴とするものである。硬化工程において棒状成形体が硬化されると、係合部の凹又は凸も硬化する。係合部により、焼成対象物と棒状体とが直接的に触れる接触面積が少なくなるため、焼成対象物との反応性を小さくすることができる。故に焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても焼成対象物の高い品質を維持するのに有利である。なお係合部は粗面化で形成することもできる。セラミックス粉末はジルコニア粉末を例示できる。
様相6に係る焼成用吊持治具の製造方法は、硬化前の棒状成形体の両端部を保持部に載せて、硬化前の棒状成形体の長さ方向の中央部を下向き垂下させ、垂下した状態で棒状成形体を焼成して硬化させ、片側に沿った棒状体を形成することを特徴とするものである。焼成対象物の重量による反りを相殺でき、焼成温度が高温であっても棒状体の直線性が向上する。故に焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても焼成対象物の高い品質を維持するのに有利である。
本発明によれば、焼成対象物を吊持することにより、焼成対象物を高温領域で焼成するときであっても焼成対象物の高い品質を維持するのに有利な焼成用吊持治具及びその製造方法を提供することができる。
ジルコニア系セラミックスは単斜晶系、立方晶系、正方晶系のいずれでも良い。ジルコニア系セラミックスとしては、一般的には完全安定化ジルコニア(FSZ)または部分安定化ジルコニア(PSZ)が例示される。安定化ジルコニアは、低温領域において立方晶系を安定化されたものをいう。部分安定化ジルコニアは低温領域において、正方晶系、あるいは、正方晶系と立方晶系との混合相を安定化させたものをいう。
ジルコニアは、希土類元素またはアルカリ土類元素の酸化物を含有することができる。これらはジルコニアの相を熱的に安定化させる安定化剤として機能できる。安定化剤はジルコニアの相変態を抑制する。安定化剤の量が多いと、完全安定化ジルコニアになり易い。安定化剤の量を抑えると、部分安定化ジルコニアになり易い。故に、アルカリ土類金属(Ca,Mg、Ba、Sr)の酸化物、希土類元素(Y、La,Ce,Pr,Nd、Sc、Sm)の酸化物のうちの少なくとも1種を、元素の種類にもよるが、例えば0.1〜30mol%、0.1〜20mol%、殊に、0.1〜15mol%、0.5〜10mol%、1〜6mol%含むことができる。棒状体の断面形状は、円形状、楕円形状、C形状、四角形状、三角形状、8の字形状、プラス(+)の形状、Xの字形状等のうちのいずれかを例示することができる。
棒状体の外壁面に凸または凹からなる係合部が形成されている形態を例示することができる。この場合、係合部により焼成対象物と棒状体とが直接的に触れる接触面積、接触頻度が少なくなるため、棒状体と焼成対象物との反応性を小さくすることができる。なお係合部は微小な凹凸を有するように粗面化されて形成されている形態を例示することができる。係合部としては例えばショット、グリッド、砂等の微小体を衝突させることにより形成できる。
棒状体としては、断面が円形状をなす円棒形状、断面が角形状(多角状を含む)をなす角棒形状を例示できる。棒状体は中空部を有する中空状をなしている形態(例えば円筒形状、角筒形状)を例示することができる。更に、棒状体の中空部に挿入される補強棒が設けられている形態を例示することができる。補強棒は中実状でも良いし、中空状でも良い。補強棒は、棒状体の中空部に挿入されて棒状体を強化することが好ましい。補強棒の材質は、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、マグネシア、ムライト等のセラミックスが例示され、更に使用温度によっては、鋼、チタン合金等の金属等が例示される。なお、補強棒の材質は、棒状体の基材であるジルコニア系セラミックスよりも高温強度を有する材料を基材として形成されている形態を例示することができる。
以下、本発明の実施例1について図1を参照して説明する。焼成用補助治具1は、リング状をなす焼成対象物3を係合して並設した状態に吊持できるように、長く延びる棒状体2で形成されている。棒状体2の全体はジルコニアで形成されている。ジルコニア単斜晶系、立方晶系、正方晶系のいずれでも良い。ジルコニアは完全安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアとされている。故に棒状体2の全体は安定化ジルコニアで形成されている。あるいは、棒状体2の全体は部分安定化ジルコニアで形成されている。故にジルコニアは、アルカリ土類金属(Ca,Mg、Ba、Sr)の酸化物、希土類元素(Y、La,Ce,Pr,Nd、Sc、Sm)の酸化物のうちの少なくとも1種を、元素の種類にもよるが、例えば0.1〜30mol%、0.1〜20mol%、殊に、0.1〜15mol%、0.5〜10mol%、1〜6mol%含む。
焼成対象物3を焼成する際には、リング状をなす複数の焼成対象物3を並設した状態で棒状体2に挿入して係合して吊持する。焼成対象物3は、電子部品等に使用される小物品または微小部品を例示でき、圧電体、誘電体等を例示することもできる。図1に示すように、棒状体2の一端部20及び他端部21は保持部4に保持される。この状態で焼成炉において、高温の焼成温度領域(例えば600〜2000℃)に加熱保持して焼成対象物3を焼成する。棒状体2はジルコニア系セラミックスを基材として形成されているため、焼成対象物3と棒状体2との反応を抑えるのに有利となり、反応結着性を抑えるのに有利となり、焼成対象物3の高品質性を確保するのに有利となる。
図2は実施例2を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。焼成対象物3を焼成するとき、焼成対象物3の重量により棒状体2が下方に反るおそれがある。そこで本実施例では、棒状体2は同軸的に中空部5を有し、中空状をなしており、材料使用量の低減、軽量化を図りつつ、棒状体2の曲げ剛性が強化されて反りが抑制されている。従って焼成対象物3を焼成するときに棒状体2が高温領域に加熱されたとしても、焼成対象物3の重量に起因して棒状体2が下方(矢印D1方向)に反ることが抑制され、焼成対象物3の焼成を良好に行うことができる。中空部5は棒状体2の長さ方向に沿って貫通するように延設されており、一端部20及び他端部21は開口している。
図3は実施例3を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。焼成対象物3を焼成するとき、焼成対象物3の重量が重いときには棒状体2が重量により下方に反るおそれがある。そこで本実施例では、棒状体2は補強棒6を挿入できる大きさをもつ中空部5を有する中空状をなしており、棒状体2の中空部5に補強棒6が挿入されている。よって補強棒6により棒状体2が更に強化されている。補強棒6は、棒状体2を構成する基材(つまりジルコニア系セラミックス)よりも高温強度を有する材料を基材として形成されている。使用温度、コスト等を考慮し、補強棒6の材質としては、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、マグネシア、ムライト等のセラミックス、場合によっては、鋼、チタン合金等の金属等が例示される。従って焼成時に高温領域に加熱されたとしても、焼成対象物3の重量により棒状体2が下方(矢印D1方向)に反ることが抑制され、焼成対象物3の焼成を良好に行うことができる。なお、棒状体2が安定化ジルコニア(FSZ)で形成されているときには、補強棒6は、FSZよりも高温強度上に有利な部分安定化ジルコニア(PSZ)で形成することもできる。
図4は棒状体2の断面形態を示す。図4(A)では、棒状体2の断面は中実な円形状とされており、棒状体2の外壁面25とリング状の焼成対象物3の内壁面34との間には隙間26が形成されている。更に棒状体2の外壁面25と焼成対象物3の内壁面34とは、断面で、点接触または点的接触の部位25fで接触している。図4(B)では、棒状体2の断面は、中空部5をもつ中空な円形状とされている。この場合、断面において棒状体2の内壁面24及び外壁面25の双方から棒状体2の内部に伝熱されるため、棒状体2の均一加熱、均一温度化に有利であり、ひいては焼成対象物3の均一加熱に有利である。更に、中空部5に相当するぶん軽量化されていると共に、材料が節約されている。
図4(C)では、棒状体2の断面は円形状とされており、棒状体2は、棒状をなす長く延設された本体部2aと、本体部2aに一体成形され本体部2aの反りを抑制する補強リブ部2cとを有する。補強リブ部2cの断面積は本体部2aの断面積よりも小さい。補強リブ部2cは棒状体2の曲げ剛性を強化して反り量を抑制する補強リブ作用を果たす。補強リブ部2cは棒状体2の軸長方向に沿って延設されていることが好ましく、単数でも複数でも良い。図4(D)では、棒状体2の断面は縦長な楕円形状とされている。図4(E)では、棒状体2の断面は横長な楕円形状とされている。図4(F)では、棒状体2の断面は中空部5をもつ横長な楕円形状とされている。
図4(G)では、棒状体2の断面は中空部5をもつ中空な角形状とされており、棒状体2の外壁面25に角部で形成された係合部55が形成されており、係合部55と焼成対象物3の内壁面34とは、断面で、点接触または点的接触で接触可能となり、棒状体2と焼成対象物3との反応結着性を低下させることができる。図4(H)では、棒状体2の断面は三角形状とされており、棒状体2の外壁面25に頂角部で形成された係合部55が形成されており、係合部55と焼成対象物3の内壁面34とは、断面で、点接触または点的接触で接触可能となり、棒状体2と焼成対象物3との反応結着性を低下させることができる。図4(I)では、棒状体2の断面は、中空部5をもつ中空な三角形状とされている。
図4(J)では、棒状体2の断面はプラス(+)またはXの字形状とされており、耐反り性が高められている。図4(K)では、棒状体2は外層2fと内層2sとを備えている。外層2fは内層2sを一体的に覆っており、内層2sよりも反応性が低い材料(例えば安定化ジルコニア)で形成されている。内層2sは、外層2fよりも高温強度的に有利な材料(例えば部分安定化ジルコニア、アルミナ)で形成されている。図4(L)では、断面で棒状体2は複数(3個)の円形部2mが併合された形状されている。
図5はジルコニア系の棒状体2の他の断面形態を示す。図5(A)では、棒状体2の断面は、断面円形状の中空部5をもつ中空な円形状とされており、断面円形状の中実状をなす補強棒6が棒状体2の中空部5に挿入されており、棒状体2の曲げ剛性が強化されている。これにより焼成対象物3の重量が重いときであっても、焼成対象物3の焼成時における棒状体2の反りが抑制される。図5(B)では、補強棒6の断面は、第2中空部5bをもつ中空な円形状とされている。図5(C)では、棒状体2の断面は、中空部5に連通する切欠部50をもつC形状とされており、補強棒6の外径が大きいとき、棒状体2を形成する壁部27,28を拡開方向(矢印A1方向)に拡開できるようにされている。図5(D)では、棒状体2の断面は、中空部5をもつコの状形状とされており、補強棒6の径が大きいとき、棒状体2の壁部27,28を拡開方向(矢印A2方向)に拡開できるようにされている。
図6(A)(B)は棒状体2の製造過程の一例を示す。セラミックス粉末であるジルコニア粉末を含む流動材料を押出ダイス100内に挿入し、ダイス100のダイス孔101から前方(矢印C1方向)に押し出し、棒状成形体2Xを成形する。そして棒状成形体2Xを焼成温度領域で焼成する。ダイス100のダイス孔101の内周面には凹又は凸105が形成されている。このため硬化(焼成)前の棒状成形体2Xの外壁面25に凹又は凸からなる係合部55を形成できる。ひいては硬化(焼成)後の棒状成形体2Xの外壁面25に凹又は凸からなる係合部55を形成できる。係合部55により焼成対象物3と棒状体2とが直接的に触れる接触面積が少なくなるため、焼成対象物3との反応性を小さくすることができ、焼成対象物3の焼成を良好に行うことができる。流動性材料はジルコニア系のセラミックス粉末粒子の他に、バインダ(有機バインダまたは無機バインダ)と溶媒(例えば水、アルコール等)とを主要成分とすることができる。図示はしないものの、押出ダイス100内にプラグを設ければ、中空状の棒状成形体2X、ひいては中空状の棒状体2を形成できる。
図7(A)(B)は棒状体2の製造過程の一例を示す。押出後で未焼成つまり未硬化のジルコニア系の棒状成形体2Xを、2個並設されたローラ状の回転体200,201の間に配置する。その状態で回転体200,201を軸芯P1,P2の回りで同一方向に回転させ、焼成前で未硬化の棒状成形体2Xを回転体200,201の回転面200a,201aで整形し、棒状成形体2Xの真円度、直線性を向上させる。図7(A)の回転体200,201の外周面200c,201cは平滑面とされている。また図7(B)の回転体200,201の外周面200c,201cには微小な凹凸203(1ミリメートル以下)が形成されている。凹凸203の転写により、未焼成の棒状成形体2Xに凹又は凸からなる係合部55を形成できる。ひいては、焼成後の棒状体2の外壁面25に凹又は凸からなる係合部55を形成できる。係合部55により焼成対象物3と棒状体2とが直接的に触れる接触面積が少なくなるため、焼成温度が高温であっても焼成対象物3と棒状体2との反応性を小さくできる。
図8は他の実施例を示す。図8(A)に示すように、硬化しているジルコニア系の棒状体2はこれの長さ方向にのびる仮想直線K1に対して片側(矢印E1方向)にΔWぶん予め反っており、凸気味の反り外周2pと、凹気味の反り内周2iとを有する。焼成対象物3の焼成時において、反り外周2pを上側にすると共に反り内周2iを下側にした状態で、リング形状の焼成対象物3を棒状体2に挿入して吊持するとき、反り外周2p及び反り内周2iの反り方向(矢印E1方向)と、焼成対象物3の重量による反り方向(矢印E2方向)とが互いに逆であるため相殺でき、焼成温度が高温であっても棒状体2の直線性が向上する。故に焼成対象物3の焼成を良好に行うことができる。この棒状体2は中実状でも、補強棒を挿入可能な中空部を有する中空状でも良い。逆方向に予め反らせた棒状体2が中空状であるときには、棒状体2の反りと同方向に補強棒6を反らせておくことができる。図8(B)に示すように、硬化前の棒状成形体2Xの両端部を保持部400に載せて、硬化前の棒状成形体2Xの長さ方向の中央部2eを重力により下向き円弧状に垂下させる。このように垂下した状態で棒状成形体2Xを焼成して硬化させ、ΔWぶん片側に沿った棒状体2を形成することができる。
その他、本発明は上記しかつ図面に示す実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。焼成対象物3はリング形状に限定されるものではなく、要するに棒状体2に吊持できるものであれば良い。
図中、1は焼成用吊持治具、2は棒状体、3は焼成対象物、5は中空部、50は切欠部、55は係合部、6は補強棒を示す。
Claims (15)
- 焼成対象物を係合して吊持できるように長く延びる棒状体で形成されており、ジルコニア系セラミックスを基材として形成されていることを特徴とする焼成用吊持治具。
- 請求項1において、ジルコニア系セラミックスは、完全安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアを基材とすることを特徴とする焼成用吊持治具。
- 焼成対象物を係合して吊持できるように長く延びる棒状体で形成されており、棒状体の外壁面には凸または凹からなる係合部が形成されていることを特徴とする焼成用吊持治具。
- 請求項3において、係合部は粗面化されて形成されていることを特徴とする焼成用吊持治具。
- 焼成対象物を係合して吊持できるように長く延びる棒状体で形成されており、棒状体は、本体部と、本体部に一体成形され本体部の反りを抑制する補強リブ部とを有することを特徴とする焼成用吊持治具。
- 請求項1〜5のうちのいずれか一項において、棒状体は中空部を有する中空状をなしていることを特徴とする焼成用吊持治具。
- 請求項6において、棒状体の中空部に挿入される補強棒が設けられていることを特徴とする焼成用吊持治具。
- 請求項1〜7のうちのいずれか一項において、補強棒は、ジルコニア系セラミックスよりも高温強度を有する材料を基材として形成されていることを特徴とする焼成用吊持治具。
- 請求項1〜8のうちのいずれか一項において、棒状体は、断面において切欠部を有することを特徴とする焼成用吊持治具。
- 請求項1〜9のうちのいずれか一項において、棒状体は、棒状体の長さ方向にのびる仮想直線に対して予め片側に反っており、凸気味の反り外周と、凹気味の反り内周とを有することを特徴とする焼成用吊持治具。
- 請求項1〜10のうちのいずれか一項において、棒状体は、外層よりも強度的に有利な材料で形成された内層と、内層よりも反応結着性が低い材料で形成された外層とを備えていることを特徴とする焼成用吊持治具。
- 請求項1〜11のうちのいずれか一項において、棒状体の断面形状は、円形状、楕円形状、C形状、四角形状、三角形状、8の字形状、プラス(+)、Xの字形状のうちのいずれかであることを特徴とする焼成用吊持治具。
- セラミックス粉末を含む流動材料を押出ダイス内に挿入し、ダイスのダイス孔から前方に押し出し、棒状成形体を成形する成形工程と、その後、棒状成形体を硬化させて棒状体を形成する硬化工程とを含む焼成用吊持治具の製造方法において、成形工程において、ダイスのダイス孔の内周面には凹又は凸が形成されており、凹又は凸からなる係合部を棒状成形体の外壁面に形成することを特徴とする焼成用吊持治具の製造方法。
- セラミックス粉末を含む流動材料により棒状成形体を成形する成形工程と、その後、棒状成形体を硬化させて棒状体を形成する硬化工程とを含む焼成用吊持治具の製造方法において、硬化工程の前に、凹又は凸を外壁面に有する複数の回転体と棒状成形体とを接触させ、凹又は凸からなる係合部を棒状成形体の外壁面に形成することを特徴とする焼成用吊持治具の製造方法。
- 硬化前の棒状成形体の両端部を保持部に載せて、硬化前の棒状成形体の長さ方向の中央部を下向き垂下させ、垂下した状態で棒状成形体を焼成して硬化させ、片側に沿った棒状体を形成することを特徴とする焼成用吊持治具の製造方法。
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Cited By (2)
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WO2009011210A1 (ja) * | 2007-07-19 | 2009-01-22 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | セラミック焼成体の製造方法 |
JP2009082881A (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-23 | Nok Corp | ガラス封止多孔質セラミックス中空糸の製造法 |
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