JP2008094661A - 窯炉用構造部材 - Google Patents

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治 山川
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哲博 本荘
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Abstract

【課題】摩耗や損傷が生じにくく、長寿命な窯炉用構造部材を提供する。
【解決手段】熱伝導率が30W/(m・K)以上、強度が50MPa以上、ヤング率が200GPa以上、見掛け気孔率が10%以下のセラミックス材料からなる窯炉用構造部材であって、当該セラミック材料は、炭化珪素、窒化珪素、炭化珪素と窒化珪素との複合材料、炭化珪素と珪素との複合材料、及び炭化珪素と珪素化合物との複合材料の内の何れかである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロータリーキルンのリフターに代表されるような、耐熱衝撃性、耐反応劣化性、耐摩耗性、強度等を高いレベルで要求される窯炉用構造部材に関する。
ロータリーキルンは、耐火材を内張りした円筒状の炉体を回転させることにより、処理対象となる内容物を転動させながら加熱処理する加熱炉であり、セメントや石灰などの原料製造や産業廃棄物の焼却などに使用される。通常、ロータリーキルンには、内周面に沿ってリフターと呼ばれる突起状の構造部材が設けられている。
このようなリフターを設けることによって、炉内に滞留する原料や廃棄物の撹拌効率が向上し、その結果、例えば、脱水や脱炭が生じる原料の熱処理においては、その脱水や脱炭の効率が高めることができ、また、産業廃棄物の焼却処理においては、未燃焼物及びダイオキシン含有量を非常に少なくすることができる。
従来、このロータリーキルンのリフターに代表されるような、耐熱衝撃性、耐反応劣化性、耐摩耗性、強度等が高いレベルで要求される窯炉用構造部材には、その構成材料として、耐熱鋳鋼、耐熱金属、耐火煉瓦、不定形耐火物、磁器などが用いられてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開昭59−138884号公報 特公平7−6742号公報 特開2005−24137号公報
しかしながら、SCH13、SCH12、ステンレス鋼などの耐熱鋳鋼を構成材料とする窯炉用構造部材は、摩耗を伴う900℃以上の高温環境下で使用した場合、表面の酸化と摩耗とが継続的に繰り返されて、短期間で劣化するという問題があった。
また、タングステンカーバイド、ハステロイ、ユムコ合金などの耐熱金属を構成材料とする窯炉用構造部材は、非常に高価であるとともに、大型化や複雑な形状への加工が困難であるという問題があった。
また、耐火煉瓦を構成材料とする窯炉用構造部材は、粒子の結合部分が弱いため、摩耗が早く、また、物体中に温度差がつくと、高温部と低温部との膨張差により生じる応力で破損が生じやすく、加熱冷却の繰り返しに弱いという問題があった。
更に、炭化珪素系不定形耐火物やムライト系不定形耐火物などの不定形耐火物を構成材料とする窯炉用構造部材は、大型の部材を作製しやすいという利点はあるものの、前記耐火煉瓦と同様に、粒子の結合部分が弱いため、摩耗が早く、また、加熱冷却によって物体内に温度差が生じやすく、耐熱衝撃によって比較的短期間で崩壊するという問題があった。なお、崩壊割れを防止するために、耐火物中にステンレス製アンカーを埋設したものも存在するが、使用中の高温でアンカーが酸化膨張し、保持能力を失ったり、耐火物を破壊したりする場合があった。
更にまた、磁器を構成材料とする窯炉用構造部材は、強度は高いものの、温度変化に極端に弱く、早期に破損するという問題があった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来の窯炉用構造部材に比して、摩耗や損傷が生じにくく、長寿命な窯炉用構造部材を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の窯炉用構造部材が提供される。
[1] 熱伝導率が30W/(m・K)以上、強度が50MPa以上、ヤング率が200GPa以上、見掛け気孔率が10%以下のセラミックス材料からなる窯炉用構造部材。
[2] 前記セラミックス材料が、炭化珪素、窒化珪素、炭化珪素と窒化珪素との複合材料、炭化珪素と珪素との複合材料、及び炭化珪素と珪素化合物との複合材料の内の何れかである[1]に記載の窯炉用構造部材。
[3] 前記炭化珪素と珪素との複合材料が、炭化珪素に金属珪素を含浸させた金属珪素含浸炭化珪素である[2]に記載の窯炉用構造部材。
[4] 前記炭化珪素と珪素との複合材料が、50〜95質量%の炭化珪素と5〜50質量%の金属珪素とから構成された[2]に記載の窯炉用構造部材。
[5] 前記炭化珪素と珪素化合物との複合材料が、炭化珪素に金属珪素とモリブデン、チタン、ジルコニウム及びタングステンからなる群より選ばれる1種以上の金属との化合物であって、融点が1000℃以上のものを含浸させた金属珪素化合物含浸炭化珪素である[2]に記載の窯炉用構造部材。
[6] 少なくとも炉内雰囲気と接触する部位の表面に、厚さ10μm以上の酸化皮膜が形成された[1]〜[5]の何れかに記載の窯炉用構造部材。
[7] ロータリーキルンのリフターである[1]〜[6]の何れかに記載の窯炉用構造部材。
[8] 中空構造を有する[1]〜[7]の何れかに記載の窯炉用構造部材。
本発明の窯炉用構造部材は、従来の窯炉用構造部材に比して、摩耗や損傷が生じにくく、長寿命であるため、本発明の窯炉用構造部材を用いれば、長寿命な炉が得られ、また、炉のメンテナンスのサイクルも延長可能となるので、炉を運用するためのトータルコストを削減することができる。
本発明は、セラミックス材料からなる窯炉用構造部材であって、当該セラミックス材料の熱伝導率、強度、ヤング率及び見掛け気孔率を以下のように規定したものである。
まず、本発明の窯炉用構造部材を構成するセラミックス材料の熱伝導率は、耐熱衝撃性の観点から、30W/(m・K)以上、好ましくは50W/(m・K)以上、更に好ましくは100W/(m・K)以上としている。熱伝導率が30W/(m・K)以上であれば、加熱・冷却によって生ずる部材内部の温度差を小さくすることができ、熱膨張差に起因する熱応力が抑えられて、破損しにくくなる。なお、本発明における「熱伝導率」は、レーザーフラッシュ法(JIS R1611)によって測定された値である。
本発明の窯炉用構造部材を構成するセラミックス材料の強度は、窯炉用構造部材として必要とされる一定レベル以上の強度と剛性を持たせるため、50MPa以上、好ましくは100MPa以上、更に好ましくは200MPa以上としている。強度が50MPa以上であれば、ロータリーキルンのリフターのような用途に用いた場合おいても、十分な強度と剛性が得られる。なお、本発明における「強度」は、オートグラフによる抗折曲げ強度(JIS R1601)によって測定された値である。
本発明の窯炉用構造部材を構成するセラミックス材料のヤング率は、窯炉用構造部材として必要とされる一定レベル以上の強度と剛性を持たせるため、200GPa以上、好ましくは250GPa以上、更に好ましくは300GPa以上としている。ヤング率が200GPa以上であれば、ロータリーキルンのリフターのような用途に用いた場合おいても、十分な強度と剛性が得られる。なお、本発明における「ヤング率」は、JIS R1602に規定された方法によって測定された値である。
本発明の窯炉用構造部材を構成するセラミックス材料の見掛け気孔率は、耐摩耗性や反応劣化抑制の観点から、10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは1%以下としている。見掛け気孔率が10%以下の緻密なセラミックス材料から構成されていれば、摩耗を伴う環境下で使用した場合にも、短期間で使用不能な状態まで摩耗することはなく、また、表面積が小さいため、高温環境下の使用した場合にも、炉内雰囲気との反応による酸化等の劣化が抑えられる。なお、本発明における「見掛け気孔率」は、アルキメデス法(JIS R2205)によって測定された値である。
本発明の窯炉用構造部材を構成するセラミックス材料の具体的な材質としては、前記のような物性値を実現可能なものであれば特に限定されるものではないが、好適なものとしては、炭化珪素、窒化珪素、炭化珪素と窒化珪素との複合材料、炭化珪素と珪素との複合材料、及び炭化珪素と珪素化合物との複合材料が挙げられ、中でも、前記のような物性値を比較的容易に実現し得る、炭化珪素と珪素との複合材料、及び炭化珪素と珪素化合物との複合材料が、特に好ましい。
炭化珪素と珪素との複合材料の代表的なものとしては、炭化珪素に金属珪素を含浸させた金属珪素含浸炭化珪素が知られている。この金属珪素含浸炭化珪素は、例えば、炭化珪素粉末を主体とする原料を、プレス成形、鋳込み成形等の各種成形法にて所定形状に成形し、得られた成形体、又はこの成形体を焼成して得られた焼成体に、金属珪素を載置した状態で、不活性雰囲気下にて、金属珪素の溶融温度以上の温度で焼成し、金属珪素を前記成形体又は焼成体に溶浸させて焼結させることにより製造することができる。
なお、本発明の窯炉用構造部材を、この金属珪素含浸炭化珪素のような炭化珪素と珪素との複合材料で構成する場合には、当該複合材料を50〜95質量%の炭化珪素と5〜50質量%の金属珪素とから構成することが好ましい。炭化珪素と金属珪素との比率を、このような範囲とすると、本発明に規定する熱伝導率、強度、ヤング率及び見掛け気孔率を持ったセラミック材料が得られやすい。炭化珪素が50質量%未満(金属珪素が50質量%超)の場合は、金属珪素含浸時に焼成体にクラックが発生しやすくなる。一方、炭化珪素が95質量%超(金属珪素が5質量%未満)の場合は、金属珪素の含浸が不十分となり、気孔が多くなる。
また、炭化珪素と珪素化合物との複合材料の代表的なものとしては、炭化珪素に金属珪素とモリブデン、チタン、ジルコニウム及びタングステンからなる群より選ばれる1種以上の金属との化合物を含浸させた金属珪素化合物含浸炭化珪素が知られている。なお、本発明おいては、900℃を超えるような高温環境下での使用を考慮し、前記化合物として、融点が1000℃以上のものを使用するのが好ましい。このような化合物としては、例えば、MoSi、TiSi、ZrSi、WSiが好適なものとして挙げられる。
この金属珪素化合物含浸炭化珪素は、例えば、炭化珪素粉末を主体とする原料を、プレス成形、鋳込み成形等の各種成形法にて所定形状に成形し、得られた成形体、又はこの成形体を焼成して得られた焼成体に、前記のような化合物を載置した状態で、不活性雰囲気下にて、化合物の溶融温度以上の温度で焼成し、化合物を前記成形体又は焼成体に溶浸させて焼結させることにより製造することができる。
本発明の窯炉用構造部材は、少なくとも炉内雰囲気と接触する部位の表面に、厚さ10μm以上の酸化皮膜が形成されていることが好ましい。このような酸化皮膜が形成されていると、窯炉用構造部材が炭化珪素を含む場合において、炭化珪素の継続酸化を抑制するという効果がある。なお、酸化皮膜の厚さが10μm未満では、十分な効果が得られにくい。
本発明の窯炉用構造部材は、その具体的な用途が限定されるものではないが、耐熱衝撃性、耐反応劣化性、耐摩耗性、強度等を高いレベルで要求される、ロータリーキルンのリフター、クエンチングクーラー、ストーカ炉のグレーチングプレートなどに特に好適に使用できる。
図1は、本発明の窯炉用構造部材をロータリーキルンのリフターに適用した場合の実施形態の一例を示す説明図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は側面図である。図4に示すように、通常、ロータリーキルンのリフター1は、その基端部分が耐火ブロック5で挟まれるようにしてシェル7内面に設置されるため、図1のように正面から見た形状が台形状となっていることが、施工性の観点から好ましい。また、本例のリフター1は、中空構造となっているため、耐熱スポーリング性に優れるとともに、内部空間が断熱効果を発揮して、シェル7に熱が伝わりにくくなり、炉内の熱が外部に逃げるのを抑制する効果がある。更に、窯炉用構造部材を、前述の金属珪素含浸炭化珪素や金属珪素化合物含浸炭化珪素で構成しようとする場合、部材の肉厚が厚すぎると、製造過程において金属珪素や金属珪素化合物を深部まで溶浸するのが困難であるが、本例のリフター1のように中空構造とすれば、肉厚を薄くすることが可能となるので、製造が容易である。
図2は、本発明の窯炉用構造部材をロータリーキルンのリフターに適用した場合の実施形態の他の一例を示す説明図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は側面図である。本例のリフター2は、その外形については、図1に示すリフターと、同一であるが、図1のリフターが前記のとおり中空構造であるのに対し、中実構造になっている。このように中実構造とした場合には、破壊衝撃抵抗性に優れる反面、中空構造の場合に比して、シェルに熱が伝わりやすくなり、炉内の熱が外部に逃げやすくなるというデメリットもある。また、肉厚になるため、金属珪素含浸炭化珪素や金属珪素化合物含浸炭化珪素で構成しようとする場合、その製造過程において金属珪素や金属珪素化合物を深部まで溶浸するのが困難となる。
図3は、本発明の窯炉用構造部材をロータリーキルンのリフターに適用した場合の実施形態の更に他の一例を示す説明図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。本例のリフター3は、台形状の基端部分3aと板状の撹拌部分3bが別体となっており、撹拌部分3bがアンカーピン3cによって基端部分3aに固定された構造を有する。このリフター3は、耐火ブロックに挟まれて固定される基端部分が台形状となっているため施工性に優れ、また、撹拌部分3bは中実であるが、その肉厚は、リフターとして必要な強度や剛性等が得られる範囲において極力薄くしているため、金属珪素含浸炭化珪素や金属珪素化合物含浸炭化珪素で構成しようとする場合、その製造過程において金属珪素や金属珪素化合物を溶浸するのが比較的容易である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
粒子径が500μm以上、3000μm以下の粒子40質量%と、粒子径が100μm以上、500μm未満の粒子30質量%と、粒子径が100μm未満の粒子30質量%とからなるSiC粒子の合計100質量%に対し、外配で、カルボキシメチルセルロース(有機バインダー)0.1質量%と、ポリエチレングリコール(分散剤)0.5質量%と、水5質量%とを加えた後、フレットにて混練して坏土を得、これをランマー成形により所定形状に成形して成形体を得た。ランマー成形には、エアー駆動式のランマーを使用し、エアー圧力2kgf/cmで成形を実施した。この成形体を、成形体の質量に対して40質量%の金属Siの存在下、不活性雰囲気において1600℃で5時間焼成し、表1に示すような特性(熱伝導率、強度、ヤング率、見掛け気孔率、酸化皮膜厚さ)を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を得た。
(実施例2)
不活性雰囲気下での焼成後、大気雰囲気下において1200℃で3時間加熱した以外は、実施例1と同様にして、表1に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例3)
大気雰囲気下での加熱温度を1300℃とした以外は、実施例2と同様にして、表1に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例4)
SiC粒子を、粒子径が500μm以上、3000μm以下の粒子60質量%と、粒子径が100μm以上、500μm未満の粒子20質量%と、粒子径が100μm未満の粒子50質量%とで構成し、不活性雰囲気下での焼成時における金属Siの存在量を成形体の質量に対して25質量%とした以外は、実施例1と同様にして、表1に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例5)
不活性雰囲気下での焼成後、大気雰囲気下において1200℃で3時間加熱した以外は、実施例4と同様にして、表1に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例6)
不活性雰囲気下での焼成後、大気雰囲気下において1200℃で1時間加熱した以外は、実施例4と同様にして、表1に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例7)
不活性雰囲気下での焼成後、大気雰囲気下において1300℃で1時間加熱した以外は、実施例4と同様にして、表1に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例8)
成形時のエアーランマーのエアー圧力を1kgf/cmとした以外は、実施例4と同様にして、表1に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例9)
粒子径が500μm以上、3000μm以下の粒子40質量%と、粒子径が100μm以上、500μm未満の粒子30質量%と、粒子径が100μm未満の粒子30質量%とからなるSiC粒子の合計100質量%に対し、外配で、カルボキシメチルセルロース(有機バインダー)0.1質量%と、ポリエチレングリコール(滑材)0.5質量%と、水5質量%とを加えた後、フレットにて混練して坏土を得、これをプレス成形により所定形状に成形して成形体を得た。この成形体を、金属Siの存在下、不活性雰囲気において1600℃で5時間焼成し、表1に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を得た。
(実施例10)
粒子径が500μm以上、3000μm以下の粒子40質量%と、粒子径が100μm以上、500μm未満の粒子30質量%と、粒子径が100μm未満の粒子30質量%とからなるSiC粒子の合計100質量%に対し、外配で、ポリビニルアルコール(有機バインダー)0.1質量%と、ポリカルボン酸Na(分散剤)0.1質量%と、水17質量%とを加えた後、ボールミルにて混合して泥漿を得、これを石膏型による鋳込み成形により所定形状に成形して成形体を得た。この成形体を、金属Siの存在下、不活性雰囲気において1600℃で5時間焼成し、表1に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を得た。
(実施例11)
金属Siの存在下で焼成を行う代わりに、MoSiの存在下で焼成を行うとともに、焼成時の温度を2120℃とした以外は、実施例2と同様にして、表1に示すような特性を持った、MoSi含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例12)
金属Siの存在下で焼成を行う代わりに、TiSiの存在下で焼成を行った以外は、実施例2と同様にして、表1に示すような特性を持った、TiSi含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例13)
金属Siの存在下で焼成を行う代わりに、ZrSiの存在下で焼成を行うとともに、焼成時の温度を1620℃とした以外は、実施例2と同様にして、表1に示すような特性を持った、ZrSi含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例14)
金属Siの存在下で焼成を行う代わりに、WSiの存在下で焼成を行うとともに、焼成時の温度を2260℃とした以外は、実施例2と同様にして、表1に示すような特性を持った、WSi含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(実施例15)
平均粒子径100μmのSiC粒子45質量%と、粒子径30μm以下のSiC粒子40質量%と、金属珪素15質量%との合計100質量%に対し、外配で、焼結助材0.5質量%と、ポリビニルアルコール(有機バインダー)0.1質量%と、ポリカルボン酸Na(分散剤)0.05質量%と、水13質量%とを加えた後、ボールミルにて混合して泥漿を得、これを石膏型による鋳込み成形により所定形状に成形して成形体を得た。この成形体を、N雰囲気において1400℃で5時間焼成して、表1に示すような特性を持った、SiCとSiとの複合材料からなる窯炉用構造部材のサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を得た。
(比較例1)
SiC粒子を、粒子径が200μm以上、500μm以下の粒子40質量%と、粒子径が50μm以上、200μm未満の粒子30質量%と、粒子径が50μm未満の粒子30質量%とで構成した以外は、実施例2と同様にして、表2に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(比較例2)
SiC粒子を、粒子径が100μm以上、150μm以下の粒子40質量%と、粒子径が10μm以上、50μm以下の粒子30質量%と、粒子径が10μm未満の粒子30質量%とで構成した以外は、実施例2と同様にして、表2に示すような特性を持った、Si含浸SiCからなる窯炉用構造部材のサンプルを得た。
(比較例3)
耐熱鋳鋼からなる窯炉用構造部材の例として、表2に示すような特性を持った、SCH13からなるサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を用意した。
(比較例4)
耐熱耐蝕金属からなる窯炉用構造部材の例として、表2に示すような特性を持った、ステンレス鋼からなるサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を用意した。
(比較例5)
高熱伝導金属からなる窯炉用構造部材の例として、表2に示すような特性を持った、銅からなるサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を用意した。
(比較例6)
耐磨耗合金からなる窯炉用構造部材の例として、表2に示すような特性を持った、タングステンカーバイドからなるサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を用意した。
(比較例7)
耐熱耐蝕合金からなる窯炉用構造部材の例として、表2に示すような特性を持った、ハステロイからなるサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を用意した。
(比較例8)
平均粒子径2mmのSiC粒子45質量%と、平均粒子径40μmのSiC粒子15質量%と、平均粒子径40μmのAl粒子17質量%と、平均粒子径10μmのSiO粒子5質量%と、アルミナセメント10質量%と、平均粒子径5mmのムライト粒子8質量%とを混合し、これに外配で、燐酸ソーダ(分散剤)0.2質量%と、水6質量%を加え、関東ミキサーにて3分間混練した後、所定形状の型枠内に流し込み、成形乾燥して、表2に示すような特性を持った、SiC系不定形耐火物からなる窯炉用構造部材のサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を得た。
(比較例9)
粒子径25〜3mmのムライト粒子27質量%と、粒子径5〜0.6mmのムライト粒子27質量%と、平均粒子径500μmのAl粒子10質量%と、粒子径50μm以下のAl粒子27質量%と、アルミナセメント5質量%と、平均粒子径0.15μmのSiO粒子4質量%とを混合し、これに外配で、燐酸ソーダ(分散剤)0.1質量%と、水6質量%を加え、関東ミキサーにて3分間混練した後、所定形状の型枠内に流し込み、成形乾燥して、表2に示すような特性を持った、ムライト系不定形耐火物からなる窯炉用構造部材のサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を得た。
(比較例10)
粒子径1〜3mmのムライト粒子35質量%と、粒子径0.3mm以上、1mm未満のムライト粒子30質量%と、平均粒子径10μmのAl粒子30質量%と、粒子径10μm以下の粘土5質量%とを混合した後、フレットにて混練して坏土を得、これをプレス成形により所定形状に成形して成形体を得た。この成形体を、大気雰囲気において1400℃で5時間焼成して、表2に示すような特性を持った、アルミナ−ムライトからなる窯炉用構造部材のサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を得た。
(比較例11)
粒子径1〜3mmのSiC粒子35質量%と、粒子径0.3mm以上、1mm未満のSiC粒子30質量%と、粒子径0.3mm未満のSiC粒子30質量%と、粒子径10μm以下の粘土3質量%と、酸化防止剤2質量%とを混合した後、フレットにて混練して坏土を得、これをプレス成形により所定形状に成形して成形体を得た。この成形体を、大気雰囲気において1400℃で5時間焼成して、表2に示すような特性を持った、酸化物結合SiCからなる窯炉用構造部材のサンプル(寸法:230mm×114mm×65mm)を得た。
[評価]
実施例1〜15及び比較例1〜11の各サンプルについて、以下の方法により、耐摩耗性、耐高温侵蝕性、耐熱衝撃性について評価し、その結果を表1及び表2に示した。
(耐摩耗性)
JIS砥粒粒度F36に相当する炭化珪素粒子1000gを、450kPaの加圧空気にて、直径φ5mmの投射口より各サンプルに450±15秒間吹き付けて、磨耗体積を計測した。
(耐高温侵蝕性)
スラグを想定した表3に示す組成の混合物を、各サンプル上に10g載置し、1300℃で24時間保持するという加熱処理を5回繰り返し、その後、各サンプルを切断して、断面の侵蝕量(表面からの侵蝕深さ)を調べた。
(耐熱衝撃性)
図5に示すように、各サンプル10を、1200℃に加熱した炉11内に1/2投入して、1時間後に室温の炉外に取り出すという操作を繰り返し、亀裂の有無を調べた。10回以下の繰り返しで亀裂の発生したものを「×」、11〜20回の繰り返しで亀裂の発生したものを「△」、20回の繰り返しでも亀裂の発生しなかったものを「○」とした。
Figure 2008094661
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表1に示すとおり、熱伝導率、強度、ヤング率、見掛け気孔率の全てが本発明の規定を満たす実施例1〜15のサンプルは、全評価項目において優れた結果を示し、窯炉用構造部材に適したものであることがわかった。これに対し、表2に示すとおり、熱伝導率、強度、ヤング率、見掛け気孔率の何れか1つ以上が本発明に規定する値を満たしていない比較例1〜11は、何れか1つ以上の評価項目において、実施例1〜15より大きく劣っており、窯炉用構造部材に適したものとは言えない。
本発明は、ロータリーキルンのリフターに代表されるような、耐熱衝撃性、耐反応劣化性、耐摩耗性、強度等を高いレベルで要求される窯炉用構造部材として好適に使用することができる。
本発明の窯炉用構造部材をロータリーキルンのリフターに適用した場合の実施形態の一例を示す説明図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は側面図である。 本発明の窯炉用構造部材をロータリーキルンのリフターに適用した場合の実施形態の他の一例を示す説明図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は側面図である。 本発明の窯炉用構造部材をロータリーキルンのリフターに適用した場合の実施形態の更に他の一例を示す説明図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 リフターの設置状態を示す説明図である。 実施例における亀裂評価の方法を示す説明図である。
符号の説明
1:リフター、2:リフター、3:リフター、3a:基端部分、3b:撹拌部分、3c:アンカーピン、5:耐火ブロック、7:シェル、10:サンプル、11:炉。

Claims (8)

  1. 熱伝導率が30W/(m・K)以上、強度が50MPa以上、ヤング率が200GPa以上、見掛け気孔率が10%以下のセラミックス材料からなる窯炉用構造部材。
  2. 前記セラミックス材料が、炭化珪素、窒化珪素、炭化珪素と窒化珪素との複合材料、炭化珪素と珪素との複合材料、及び炭化珪素と珪素化合物との複合材料の内の何れかである請求項1に記載の窯炉用構造部材。
  3. 前記炭化珪素と珪素との複合材料が、炭化珪素に金属珪素を含浸させた金属珪素含浸炭化珪素である請求項2に記載の窯炉用構造部材。
  4. 前記炭化珪素と珪素との複合材料が、50〜95質量%の炭化珪素と5〜50質量%の金属珪素とから構成された請求項2に記載の窯炉用構造部材。
  5. 前記炭化珪素と珪素化合物との複合材料が、炭化珪素に金属珪素とモリブデン、チタン、ジルコニウム及びタングステンからなる群より選ばれる1種以上の金属との化合物であって、融点が1000℃以上のものを含浸させた金属珪素化合物含浸炭化珪素である請求項2に記載の窯炉用構造部材。
  6. 少なくとも炉内雰囲気と接触する部位の表面に、厚さ10μm以上の酸化皮膜が形成された請求項1〜5の何れか一項に記載の窯炉用構造部材。
  7. ロータリーキルンのリフターである請求項1〜6の何れか一項に記載の窯炉用構造部材。
  8. 中空構造を有する請求項1〜7の何れか一項に記載の窯炉用構造部材。
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