JP2006249937A - 内接型ギヤポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 外歯21が形成されたインナーロータ20と、外歯21と噛み合う内歯31が形成されたアウターロータ30と、流体が吸入される吸入ポート51および流体が吐出される吐出ポート52が形成されたケーシング50とを備え、外歯21および内歯31が噛み合って両ロータ20、30が回転されるときに、両ロータ20、30の歯面21b、31b間に形成されるセルCの容積変化により流体を吸入吐出することによって流体を搬送する内接型ギヤポンプ10であって、外歯21または/および内歯31の前記歯面のうち、前記噛み合う部分を回避した位置に、当該ロータ20、30の回転軸線O1、O2に直交し、かつ少なくとも吸入ポート51と対向する端面20a、30aに開口するポケット部23が形成されている。
【選択図】 図1
Description
この場合、前記流入抵抗をさらに低減させることが可能になり、容積効率の低下およびキャビテーションの発生を確実に抑えることができる。
この場合、吐出ポート側へ移行する直前のセルにおける前記流入抵抗が確実に低減されることになるので、当該セルでキャビテーションが発生することを確実に抑えることが可能になり、内接型ギヤポンプにおいて、発熱、騒音およびエロージョンが発生することを抑制することができる。
この場合、外歯または/および内歯の破壊強度を維持しつつ、前記流入抵抗の低減を図ることができる。
図1に示す内接型ギヤポンプ10は、n枚(nは自然数、本実施形態においてはn=9)の外歯21が形成されたインナーロータ20と、各外歯21と噛み合う(n+1)枚(本実施形態では10枚)の内歯31が形成されたアウターロータ30と、インナーロータ20に形成された取付け孔22に挿入された駆動軸60とを備え、これらがケーシング50の内部に収納された構成とされている。
この際、両ロータ20、30は、ケーシング50の内面50aと、両ロータ20、30の回転軸線O1、O2方向における両端面、言い換えると回転軸線O1、O2に直交する両端面20a、30a、およびアウターロータ30の外周面30bとが摺接しながら回転される。
ここで、前記歯面21bの前記噛み合う部分とは、外歯21および内歯31の形状によって異なるが、一般に、外歯21のうち、その歯先頂部k1から回転方向前側の領域において、当該頂部k1の直近に位置する歯底部k3を基準とした、外歯21の歯丈T1の2%以上80%以下の位置k2から、当該歯先頂部k1までの部分(図2の2点鎖線で示す部分、以下「噛み合い部分21a」という)をいう。
特に、図1に示す吸入ポート51は、両ロータ20、30の回転方向における前端側に位置する部分51aが、他よりも開口面積が大きくされている。具体的には、吸入ポート51の前記前端側に位置する部分51aは、他よりも径方向内方へ向けて大きく張り出しており、前記両ロータ20、30が回転する過程において、前記周方向位置Aに到達する直前のセルCおよびポケット部23の全域が、吸入ポート51の前記前端側に位置する部分51aと対向するようになっている。
さらに、吸入ポート51は、その前記前端側に位置する部分51aが、他よりも開口面積が大きくされているので、吐出ポート52側へ移行する直前のセルCにおける前記流入抵抗が確実に低減されることになり、当該セルCでキャビテーションが発生することを確実に抑えることが可能になる。これにより、内接型ギヤポンプ10において、発熱、騒音およびエロージョンが発生することを抑制することができる。
また、ポケット部23の開口面積SLは、容積が最大となったときの前記セルCの開口面積Smaxの15%〜40%とされているので、ポケット部23を形成したことによる外歯21の破壊強度の低下を最小限に抑えることが可能になり、破壊強度を維持しつつ前記流入抵抗の低減を図ることができる。
実施例として、ポケット部23の開口面積SLを、前記周方向位置AにおけるセルCの開口面積Smaxの15%、20%、30%、および40%とした4種類のインナーロータ10を採用し、比較例として、ポケット部23を有さない従来からあるインナーロータと、ポケット部23の開口面積SLを、前記周方向位置AにおけるセルCの開口面積Smaxの10%および50%とした2種類のインナーロータとを採用した。
以上により、前記15%以上40%以下のポケット部23を有するインナーロータ10は、破壊強度を維持しつつ容積効率の低下を抑えることが可能になることが確認された。
例えば、外歯21および内歯31の歯数は前記実施形態に限られるものではない。また、ポケット部23は全ての外歯21について形成しなくてもよい。例えば、外歯21の歯数が偶数個であれば、1個置きに形成してもよい。
さらにまた、ポケット部23の前記平面視した形状は、前記実施形態に限られるものではない。
ここで、前記歯面31bの前記噛み合う部分とは、外歯21および内歯31の形状によって異なるが、一般に、内歯31のうち、その歯先頂部k6から回転方向後側の領域において、当該頂部k6の直近に位置する歯底部k4を基準とした、内歯31の歯丈T2の2%以上80%以下の位置k5から、当該歯底部k4までの部分(図7の2点鎖線で示す部分、以下「噛み合い部分31a」という)をいう。
この場合、ポケット部23、32を形成したことにより、前記歯面21b、31bがセルCを個別に仕切ることができなくなることを回避するために、両ロータ20、30に形成されたポケット部23、32を互いに対向させないように、両ロータ20、30において、ポケット部23、32を互いに周方向位置を異ならせて形成することが望ましい。
また、ポケット部32の前記平面視した形状は、前記実施形態に限られるものではない。
20 インナーロータ
20a インナーロータの端面
21 外歯
21a、31a 噛み合う部分
21b 外歯の歯面
23、32 ポケット部
30 アウターロータ
30a アウターロータの端面
31 内歯
31b 内歯の歯面
50 ケーシング
51、53 吸入ポート
52 吐出ポート
C セル
SL ポケット部の開口面積
Smax 容積が最大となったときのセルの開口面積
Claims (4)
- 外歯が形成されたインナーロータと、該外歯と噛み合う内歯が形成されたアウターロータと、流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備え、前記外歯および内歯が噛み合って前記両ロータが回転されるときに、両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により流体を吸入吐出することによって流体を搬送する内接型ギヤポンプであって、
前記外歯または/および内歯の前記歯面のうち、前記噛み合う部分を回避した位置に、当該ロータの回転軸線に直交し、かつ少なくとも前記吸入ポートと対向する端面に開口するポケット部が形成されていることを特徴とする内接型ギヤポンプ。 - 請求項1記載の内接型ギヤポンプにおいて、
前記吸入ポートの開口面積は、前記吐出ポートの開口面積より大きくされて、前記ポケット部と当該吸入ポートとの対向面積が、前記ポケット部と前記吐出ポートとの対向面積より大きくされていることを特徴とする内接型ギヤポンプ。 - 請求項1または2に記載の内接型ギヤポンプにおいて、
前記吸入ポートは、前記ケーシングに、前記両ロータが回転されるときに容積が拡大する過程にある複数の前記セルに沿うようにこれらのセルに開口して形成されるとともに、前記容積の拡大する方向における前端側に位置する部分が、他よりも開口面積が大きくされていることを特徴とする内接型ギヤポンプ。 - 請求項1から3のいずれかに記載の内接型ギヤポンプにおいて、
前記ポケット部の開口面積は、容積が最大となったときの前記セルの開口面積の15%〜40%とされていることを特徴とする内接型ギヤポンプ。
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