JP2006249937A - 内接型ギヤポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 容積効率の低下およびキャビテーションの発生を抑える。
【解決手段】 外歯21が形成されたインナーロータ20と、外歯21と噛み合う内歯31が形成されたアウターロータ30と、流体が吸入される吸入ポート51および流体が吐出される吐出ポート52が形成されたケーシング50とを備え、外歯21および内歯31が噛み合って両ロータ20、30が回転されるときに、両ロータ20、30の歯面21b、31b間に形成されるセルCの容積変化により流体を吸入吐出することによって流体を搬送する内接型ギヤポンプ10であって、外歯21または/および内歯31の前記歯面のうち、前記噛み合う部分を回避した位置に、当該ロータ20、30の回転軸線O1、O2に直交し、かつ少なくとも吸入ポート51と対向する端面20a、30aに開口するポケット部23が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インナーロータとアウターロータとの歯面間に形成されるセルの容積変化によって流体を吸入吐出する内接型ギヤポンプに関するものである。
この種の内接型ギヤポンプは、従来から、自動車の潤滑油用ポンプや自動変速機用オイルポンプ等として広く利用されている(例えば下記特許文献1参照)。内接型ギヤポンプは、外歯が形成されたインナーロータと、該外歯と噛み合う内歯が形成されたアウターロータと、流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備え、両ロータが噛み合って回転するときに、両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により流体を吸入吐出することによって流体を搬送する構成とされている。
ところで、近年の内接型ギヤポンプにあっては、単位時間当たりの吐出量を低下させることなく小型化することが要求されている。このような要求を満たすための手段として、内接型ギヤポンプを小型化することにより、その分低下した吐出量を稼ぐために、インナーロータおよびアウターロータの回転速度を増大させる、つまりセルの移動速度を増大させることが考えられる。
特開平11−343985号公報
しかしながらこの場合、前記セルの吸入負圧が増大するばかりでなく、該セルの移動速度に対して、流体の、吸入ポートからセルへの流入が追従できず、当該移動により増大したセルの容積分を十分に満たす量の流体を該セルに吸入させることができなくなるおそれがあった。この場合、容積効率が低下するのみならず、セル内の流体中に気泡が発生するいわゆるキャビテーションが発生することとなる。そして、このような流体が吐出ポート側へ移動されると、吸入ポート側との差圧により気泡がつぶれることによって、発熱、あるいは騒音やエロージョンが発生するおそれがあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、インナーロータおよびアウターロータを高速で回転させてもキャビテーションの発生を抑えることが可能になり、吐出量を低下させることなく良好に小型化を図ることができる内接型ギヤポンプを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の内接型ギヤポンプは、外歯が形成されたインナーロータと、該外歯と噛み合う内歯が形成されたアウターロータと、流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備え、前記外歯および内歯が噛み合って前記両ロータが回転されるときに、両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により流体を吸入吐出することによって流体を搬送する内接型ギヤポンプであって、前記外歯または/および内歯の前記歯面のうち、前記噛み合う部分を回避した位置に、当該ロータの回転軸線に直交し、かつ少なくとも前記吸入ポートと対向する端面に開口するポケット部が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、前記ポケット部が形成されているので、吸入ポート内の流体がセル内に流入するための流入口を当該セルのみならず、ポケット部にも機能させることが可能になる。したがって、流体の、吸入ポートからセルへの流入抵抗を低減させることが可能になり、容積効率の低下およびキャビテーションの発生を抑制することができる。これにより、インナーロータおよびアウターロータを高速で回転させることにより吸引負圧が増大しても、容積効率の低下およびキャビテーションの発生を抑えることが可能になり、吐出量を低下させることなく良好に小型化を図ることができる内接型ギヤポンプを提供することが可能になる。
ここで、前記吸入ポートの開口面積は、前記吐出ポートの開口面積より大きくされて、前記ポケット部と当該吸入ポートとの対向面積が、前記ポケット部と前記吐出ポートとの対向面積より大きくされているのが望ましい。
この場合、前記流入抵抗をさらに低減させることが可能になり、容積効率の低下およびキャビテーションの発生を確実に抑えることができる。
また、前記吸入ポートは、前記ケーシングに、前記両ロータが回転されるときに容積が拡大する過程にある複数の前記セルに沿うようにこれらのセルに開口して形成されるとともに、前記容積の拡大する方向における前端側に位置する部分が、他よりも開口面積が大きくされていることが望ましい。
この場合、吐出ポート側へ移行する直前のセルにおける前記流入抵抗が確実に低減されることになるので、当該セルでキャビテーションが発生することを確実に抑えることが可能になり、内接型ギヤポンプにおいて、発熱、騒音およびエロージョンが発生することを抑制することができる。
さらに、前記ポケット部の開口面積は、容積が最大となったときの前記セルの開口面積の15%〜40%とされていることが望ましい。
この場合、外歯または/および内歯の破壊強度を維持しつつ、前記流入抵抗の低減を図ることができる。
この発明によれば、インナーロータおよびアウターロータを高速で回転させても容積効率の低下およびキャビテーションの発生を抑えることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1に示す内接型ギヤポンプ10は、n枚(nは自然数、本実施形態においてはn=9)の外歯21が形成されたインナーロータ20と、各外歯21と噛み合う(n+1)枚(本実施形態では10枚)の内歯31が形成されたアウターロータ30と、インナーロータ20に形成された取付け孔22に挿入された駆動軸60とを備え、これらがケーシング50の内部に収納された構成とされている。
そして、駆動軸60がその軸心O1回りに回転されることにより、取付け孔22にその回転駆動力が伝達されて、インナーロータ20も軸心O1回りに回転され、さらに、該ロータ20の回転駆動力が、外歯21が内歯31に噛み合うことによってアウターロータ30に伝達され、該ロータ30が軸心O2回りに回転されるようになっている。
この際、両ロータ20、30は、ケーシング50の内面50aと、両ロータ20、30の回転軸線O1、O2方向における両端面、言い換えると回転軸線O1、O2に直交する両端面20a、30a、およびアウターロータ30の外周面30bとが摺接しながら回転される。
ここで、インナーロータ20の歯面21bとアウターロータ30の歯面31bとの間には、両ロータ20、30の回転方向に沿ってセルCが複数形成されている。各セルCは、両ロータ20、30の回転方向前側と後側で、インナーロータ20の外歯21とアウターロータ30の内歯31とがそれぞれ接触することによって個別に仕切られ、かつ両側面をケーシング50の内面によって仕切られており、これによって独立した流体搬送室を形成している。そして、セルCは両ロータ20、30の回転に伴って回転移動し、1回転を1周期として容積の増大、減少を繰り返すようになっている。
なお、本実施形態の前記両ロータ20、30は、Cuを1wt%以上4wt%以下、Cを0.2wt%以上1.0wt%以下、少なくとも含有するFe−C−Cu系の焼結材、例えばFe−0.8C−3.0Cu、若しくはFe−0.8C−1.5Cu−4.0Ni−0.5Mo等により形成されている。Cuについては、1%未満になるとFeの固溶強化(硬さ、強度)が不十分となり、4%を超えると焼結時の膨張が大きくなり、ロータを高精度に形成するのが困難になる。Cについては、0.2%未満になるとFeへの固溶強化(硬さ、強度)が不十分になり、1.0%を超えると粉末成形時の粉末の流動性が低下し、ロータの密度を全域に亙って均等にすることが困難になる。
ケーシング50には、容積が拡大するときのセルCに開口して連通する吸入ポート51と、減少するときのセルCに開口して連通する吐出ポート52とが設けられ、吸入ポート51からセルCに吸入された流体が両ロータ20、30の回転に伴い搬送されて吐出ポート52から吐出されるようになっている。
以上の構成により、各セルCは外歯21と内歯31との噛み合いの過程において、その容積が最小となった後(周方向位置B)、吸入ポート51に沿って移動しながら容積を拡大させつつ、吸入ポート51から流体を吸入する。そして、セルCはその容積が最大となった後に(周方向位置A)、吐出ポート52に沿って移動しながら容積を減少させつつ、吐出ポート52から流体を吐出するようになっている。
そして、本実施形態では、前記外歯21の歯面21bのうち、前記噛み合う部分を回避した位置に、当該ロータ20の回転軸線O1に直交し、かつ少なくとも吸入ポート51と対向する端面20aに開口するポケット部23が形成されている。図示の例では、全ての外歯21についてポケット部23が形成されている。
図3に示す例では、ポケット部23は、外歯21の歯面21bにおいて、インナーロータ20の両端面20a、20aに各々連なり、かつ前記回転軸線O1方向に互いに分断された二つの領域に各別に形成され、これらのポケット部23、23が前記両端面20a、20aに各別に開口するようになっている。すなわち、図示のポケット部23、23は、インナーロータ20の回転軸線O1方向に貫通せずに、所定の深さをもって形成された溝部とされている。さらに、ポケット部23、23は、前記端面20aに連なる径方向内方端から、歯面21bに連なる径方向外方端へ向けて漸次その深さが深くなる凹曲面状に形成されている。
また、インナーロータ20をその回転軸線O1方向から見た平面視において、ポケット部23は、両ロータ20、30の回転方向前側に位置する部分が、前記歯面21bから回転方向後側に向けて延び、前記回転方向後側に位置する部分が、前記歯面21bに向けて回転方向に直交する方向に延びた構成とされている。さらに前記平面視において、ポケット部23は、前記前側に位置する部分の方が後側に位置する部分よりも長さが長くなっている。
さらにまた、ポケット部23、23の開口面積SLは、容積が最大となったときのセルC(周方向位置A)の開口面積Smaxの15%〜40%とされている。本実施形態では、ポケット部23、23が、インナーロータ20の両端面20a、20a側に各々形成されているので、2つのポケット部23、23の開口面積SLの合計が、前記セルCの開口面積Smaxの15%〜40%とされている。
ここで、前記歯面21bの前記噛み合う部分とは、外歯21および内歯31の形状によって異なるが、一般に、外歯21のうち、その歯先頂部k1から回転方向前側の領域において、当該頂部k1の直近に位置する歯底部k3を基準とした、外歯21の歯丈T1の2%以上80%以下の位置k2から、当該歯先頂部k1までの部分(図2の2点鎖線で示す部分、以下「噛み合い部分21a」という)をいう。
また、本実施形態の吸入ポート51の開口面積は、吐出ポート52の開口面積より大きくされて、ポケット部23と当該吸入ポート51との対向面積が、ポケット部23と吐出ポート52との対向面積より大きくされている。ここで、ポケット部23と吸入ポート51との対向面積とは、外歯21と内歯31との噛み合いの過程において、1つのポケット部23が前記周方向位置Bから前記周方向位置Aに移動する際に、吸入ポート51と対向する面積値の合計をいう。また、ポケット部23と吐出ポート52との対向面積とは、外歯21と内歯31との噛み合いの過程において、1つのポケット部23が前記周方向位置Aから前記周方向位置Bに移動する過程において、吐出ポート52と対向する面積値の合計をいう。
特に、図1に示す吸入ポート51は、両ロータ20、30の回転方向における前端側に位置する部分51aが、他よりも開口面積が大きくされている。具体的には、吸入ポート51の前記前端側に位置する部分51aは、他よりも径方向内方へ向けて大きく張り出しており、前記両ロータ20、30が回転する過程において、前記周方向位置Aに到達する直前のセルCおよびポケット部23の全域が、吸入ポート51の前記前端側に位置する部分51aと対向するようになっている。
以上説明したように本実施形態に係る内接型ギヤポンプ10によれば、外歯21にポケット部23が形成されているので、吸入ポート51内の流体がセルC内に流入するための流入口を当該セルCのみならず、ポケット部23にも機能させることが可能になる。したがって、流体の、吸入ポート51からセルCへの流入抵抗を低減させることが可能になり、容積効率の低下およびキャビテーションの発生を抑制することができる。これにより、インナーロータ20およびアウターロータ30を高速で回転させることにより、吸引負圧が増大しても、容積効率の低下およびキャビテーションの発生を抑えることが可能になり、吐出量を低下させることなく良好に小型化を図ることができる内接型ギヤポンプを提供することが可能になる。
また、吸入ポート51の開口面積は、吐出ポート52の開口面積より大きくされているので、前記流入抵抗をさらに低減させることが可能になり、容積効率の低下およびキャビテーションの発生を確実に抑えることができる。
さらに、吸入ポート51は、その前記前端側に位置する部分51aが、他よりも開口面積が大きくされているので、吐出ポート52側へ移行する直前のセルCにおける前記流入抵抗が確実に低減されることになり、当該セルCでキャビテーションが発生することを確実に抑えることが可能になる。これにより、内接型ギヤポンプ10において、発熱、騒音およびエロージョンが発生することを抑制することができる。
特に本実施形態の吸入ポート51は、その前記前端側に位置する部分51aが、他よりも径方向内方へ向けて大きく張り出し、前記両ロータ20、30が回転する過程において、前記周方向位置Aに到達する直前のセルCおよびポケット部23の全域が、吸入ポート51の前記部分51aと対向するようになっているので、吸入ポート51から前記直前のセルCへの流体の流入抵抗を確実に低減させることが可能になり、内接型ギヤポンプ10に発熱、騒音およびエロージョンが発生することを確実に抑制することができる。
また、ポケット部23の開口面積SLは、容積が最大となったときの前記セルCの開口面積Smaxの15%〜40%とされているので、ポケット部23を形成したことによる外歯21の破壊強度の低下を最小限に抑えることが可能になり、破壊強度を維持しつつ前記流入抵抗の低減を図ることができる。
さらに、インナーロータ20をその回転軸線O1方向から見た平面視において、ポケット部23の、両ロータ20、30の回転方向前側に位置する部分が、前記歯面21bから回転方向後側に向けて延び、かつ当該ポケット部23の前記回転方向後側に位置する部分よりも長さが長くなっているので、両ロータ20、30が回転する過程において、ポケット部23が吸入ポート51と対向した際に、当該ポケット部23の前記前側に位置する部分から、吸入ポート51の流体を抵抗少なく当該ポケット部23内に流入させることが可能になる。しかも、ポケット部23の前記回転方向後側に位置する部分が、前記歯面に向けて回転方向に直交する方向に延びているので、前記流入した流体は、当該ポケット部23およびセルCに確実に保持されるとともに、当該後側に位置する部分により、吸入ポート51の流体が掻き取られることになる。これにより、容積効率の向上、およびキャビテーションの発生の抑制を確実に図ることができる。
さらにまた、ポケット部23が前記凹曲面状の溝形状とされているので、このインナーロータ20を圧粉体に基づいて形成する場合に、粉末成形時において、良好な粉流れを実現することが可能になり、均質なインナーロータ20を容易に形成することが可能になる。また、ポケット部23が前記凹曲面状であることから、ポケット部23を形成したことによる外歯21の破壊強度の低下を確実に抑えることが可能になる。すなわち、ポケット部23の前記凹曲面状に起因して、外歯21とポケット部23との境界部分に応力が集中することを最小限に抑えることができる。
ここで、前述の作用効果のうち、容積効率(実吐出量/理論吐出量)の低減抑制について検証試験を実施した。
実施例として、ポケット部23の開口面積SLを、前記周方向位置AにおけるセルCの開口面積Smaxの15%、20%、30%、および40%とした4種類のインナーロータ10を採用し、比較例として、ポケット部23を有さない従来からあるインナーロータと、ポケット部23の開口面積SLを、前記周方向位置AにおけるセルCの開口面積Smaxの10%および50%とした2種類のインナーロータとを採用した。
結果を図4に示す。この結果、前記10%のインナーロータでは、前記従来からあるインナーロータとほとんど容積効率に変化が見られず、前記15%以上のインナーロータにおいて、前記従来からあるインナーロータに対して、回転数6000rpmのときに、容積効率が約10%以上向上していることが確認される。なお、前記50%のインナーロータでは、容積効率の向上は図れるものの、破壊強度が大幅に低下するため、実使用に耐えられない。
以上により、前記15%以上40%以下のポケット部23を有するインナーロータ10は、破壊強度を維持しつつ容積効率の低下を抑えることが可能になることが確認された。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、外歯21および内歯31の歯数は前記実施形態に限られるものではない。また、ポケット部23は全ての外歯21について形成しなくてもよい。例えば、外歯21の歯数が偶数個であれば、1個置きに形成してもよい。
さらに、ポケット部23、23を前記凹曲面状の溝形状とするのに代えて、図5(a)に示すように、前記端面20aに連なる径方向内方端から、前記歯面21bに連なる径方向外方端へかけた全領域を略同一の深さとしてもよい。さらにまた、図3および図5(a)に示すポケット部23、23に代えて、図5(b)に示すように、ポケット部23をインナーロータ20の回転軸線O1方向に貫通させて、1つのポケット部23を前記両端面20a、20aに開口させるようにしてもよい。また、ポケット部23は、インナーロータ20の両端面20a、20aのうち、少なくとも吸入ポート51と対向する側の端面20aに開口するように形成すればよく、必ずしも両端面20a、20aに開口するように形成する必要はない。
さらに、吸入ポート51の前記前端側に位置する部分51aを、他よりも開口面積を大きくしたが、前記回転方向における全長に亙って同等に吸入ポート51の開口面積を吐出ポート52よりも大きくするようにしてもよい。
さらにまた、ポケット部23の前記平面視した形状は、前記実施形態に限られるものではない。
インナーロータ20に形成されたポケット部23に代えて、図6から図8に示されるような、アウターロータ30に形成されたポケット部32を採用してもよい。すなわち、インナーロータ20にポケット部23を形成せずに、アウターロータ30にポケット部32を形成してもよい。具体的には、前記内歯31の歯面31bのうち、前記噛み合う部分を回避した位置に、当該ロータ30の回転軸線O2に直交し、かつ少なくとも吸入ポート51と対向する端面30aに開口するポケット部32を形成してもよい。以下、この構成の詳細について説明するが、図1から図5で示した前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すポケット部32は、内歯31の歯面31bにおいて、アウターロータ30の両端面30a、30aに各々連なり、かつ前記回転軸線O2方向に互いに分断された二つの領域に各別に形成され、これらのポケット部32、32が前記両端面30a、30aに各別に開口されている。すなわち、図示のポケット部32、32は、アウターロータ30の回転軸線O2方向に貫通せずに、所定の深さをもって形成された溝部とされている。さらに、ポケット部32、32は、前記端面30aに連なる径方向外方端から、前記歯面31bに連なる径方向内方端へ向けて漸次その深さが深くなる凹曲面状に形成されている。
また、アウターロータ30をその回転軸線O2方向から見た平面視において、ポケット部32は、両ロータ20、30の回転方向前側に位置する部分が、前記歯面31bから回転方向後側に向けて延び、前記回転方向後側に位置する部分が、前記歯面31bに向けて回転方向に直交する方向に延びた構成とされている。さらに当該平面視において、ポケット部32は、前記回転方向後側に位置する部分の方が前側に位置する部分よりも長さが長くなっている。
さらにまた、ポケット部32、32の開口面積SLは、容積が最大となったときのセルC(周方向位置A)の開口面積Smaxの15%〜40%とされている。本実施形態では、ポケット部32、32が、アウターロータ30の両端面30a、30a側に各々形成されているので、2つのポケット部32、32の開口面積SLの合計が、前記セルCの開口面積Smaxの15%〜40%とされている。
ここで、前記歯面31bの前記噛み合う部分とは、外歯21および内歯31の形状によって異なるが、一般に、内歯31のうち、その歯先頂部k6から回転方向後側の領域において、当該頂部k6の直近に位置する歯底部k4を基準とした、内歯31の歯丈T2の2%以上80%以下の位置k5から、当該歯底部k4までの部分(図7の2点鎖線で示す部分、以下「噛み合い部分31a」という)をいう。
本実施形態の吸入ポート53は、内接型ギヤポンプ11をその回転軸線方向から見た平面視において、その開口面積が、両ロータ20、30の回転方向における全域に亙って、吐出ポート52の開口面積より大きくされた構成とされている。そして、当該平面視において、前記両ロータ20、30が回転する過程において、吸入ポート53と対向する各ポケット部32の全域が、この吸入ポート53と対向するようになっている。
以上説明した実施形態においても、図1から図5で示した実施形態と同様の作用効果を有することができる。特に、本実施形態では、アウターロータ30をその回転軸線O2方向から見た平面視において、ポケット部32の、両ロータ20、30の回転方向後側に位置する部分が、前記歯面31bに向けて回転方向に直交する方向に延び、かつ前記回転方向前側に位置する部分よりも長さが長くなっているので、両ロータ20、30が回転する過程において、ポケット部32が吸入ポート53と対向した際に、当該ポケット部32の前記後側に位置する部分により、吸入ポート53の流体を確実に掻き取らせることが可能になる。これにより、容積効率の向上、およびキャビテーションの発生の抑制を確実に図ることができる。
なお、本実施形態では、吸入ポート53として、前記平面視において、その開口面積が、両ロータ20、30の回転方向における全域に亙って、吐出ポート52の開口面積より大きくされた構成を示したが、これに限らず、例えば、吸入ポート53の、両ロータ20、30の回転方向における前端部のみを吐出ポート52よりも開口面積を大きくしてもよい。さらにこの場合、前記平面視において、吸入ポート53の前記前端部を径方向外方へ他よりも大きく張り出させるようにしてもよい。
また、ポケット部32、32を前記凹曲面状の溝形状とするのに代えて、図9(a)に示すように、前記端面30aに連なる径方向外方端から、前記歯面31bに連なる径方向内方端へかけた全領域を略同一の深さとしてもよい。さらにまた、図8および図9(a)に示すポケット部32、32に代えて、図9(b)に示すように、ポケット部32をアウターロータ30の回転軸線O2方向に貫通させて、1つのポケット部32を前記両端面30a、30aに開口させるようにしてもよい。また、ポケット部32は、アウターロータ30の両端面30a、30aのうち、少なくとも吸入ポート53と対向する側の端面30aに開口するように形成すればよく、必ずしも両端面30a、30aに開口するように形成する必要はない。
さらに、図1から図9で示した実施形態では、ポケット部23、32をインナーロータ20またはアウターロータ30に形成したが、これらの両ロータ20、30の双方にポケット部23、32を形成してもよい。
この場合、ポケット部23、32を形成したことにより、前記歯面21b、31bがセルCを個別に仕切ることができなくなることを回避するために、両ロータ20、30に形成されたポケット部23、32を互いに対向させないように、両ロータ20、30において、ポケット部23、32を互いに周方向位置を異ならせて形成することが望ましい。
また、ポケット部32の前記平面視した形状は、前記実施形態に限られるものではない。
インナーロータおよびアウターロータを高速で回転させても、容積効率の低下およびキャビテーションの発生を抑えることができる。
本発明に係る第1実施形態として示したポンプロータを有する内接型ギヤポンプの断面平面図である。 図1に示す内接型ギヤポンプの一部拡大図である。 図2に示す内接型ギヤポンプのX−X線矢視断面図である。 図1に示す内接型ギヤポンプの容積効率の低減抑制効果に係る検証試験結果を示す図である。 図2に示す内接型ギヤポンプのX−X線矢視断面図であって、他の形態を示す図である。 本発明に係る第2実施形態として示したポンプロータを有する内接型ギヤポンプの断面平面図である。 図6に示す内接型ギヤポンプの一部拡大図である。 図7に示す内接型ギヤポンプのY−Y線矢視断面図である。 図7に示す内接型ギヤポンプのY−Y線矢視断面図であって、他の形態を示す図である。
符号の説明
10、11 内接型ギヤポンプ
20 インナーロータ
20a インナーロータの端面
21 外歯
21a、31a 噛み合う部分
21b 外歯の歯面
23、32 ポケット部
30 アウターロータ
30a アウターロータの端面
31 内歯
31b 内歯の歯面
50 ケーシング
51、53 吸入ポート
52 吐出ポート
C セル
SL ポケット部の開口面積
Smax 容積が最大となったときのセルの開口面積

Claims (4)

  1. 外歯が形成されたインナーロータと、該外歯と噛み合う内歯が形成されたアウターロータと、流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備え、前記外歯および内歯が噛み合って前記両ロータが回転されるときに、両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により流体を吸入吐出することによって流体を搬送する内接型ギヤポンプであって、
    前記外歯または/および内歯の前記歯面のうち、前記噛み合う部分を回避した位置に、当該ロータの回転軸線に直交し、かつ少なくとも前記吸入ポートと対向する端面に開口するポケット部が形成されていることを特徴とする内接型ギヤポンプ。
  2. 請求項1記載の内接型ギヤポンプにおいて、
    前記吸入ポートの開口面積は、前記吐出ポートの開口面積より大きくされて、前記ポケット部と当該吸入ポートとの対向面積が、前記ポケット部と前記吐出ポートとの対向面積より大きくされていることを特徴とする内接型ギヤポンプ。
  3. 請求項1または2に記載の内接型ギヤポンプにおいて、
    前記吸入ポートは、前記ケーシングに、前記両ロータが回転されるときに容積が拡大する過程にある複数の前記セルに沿うようにこれらのセルに開口して形成されるとともに、前記容積の拡大する方向における前端側に位置する部分が、他よりも開口面積が大きくされていることを特徴とする内接型ギヤポンプ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の内接型ギヤポンプにおいて、
    前記ポケット部の開口面積は、容積が最大となったときの前記セルの開口面積の15%〜40%とされていることを特徴とする内接型ギヤポンプ。

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