JP2006249325A - 金属加工用油剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金属加工用油剤は、不飽和脂肪酸エステルと、マレイン化された不飽和脂肪酸エステルであるマレイン化エステルとを含有する。この金属加工用油剤の酸価は、1(mgKOH/g)以上である。この酸価は60(mgKOH/g)以下であることが好ましく、30(mgKOH/g)以下であることがさらに好ましい。加えて、この酸価は6〜10(mgKOH/g)であることが最も好ましい。
【選択図】 なし
Description
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の金属加工用油剤において、前記酸価が30(mgKOH/g)以下であることを要旨とする。
以下、本発明の「作用」について説明する。
金属加工用油剤は、不飽和脂肪酸エステルと、マレイン化された不飽和脂肪酸エステルであるマレイン化エステルとを含有して構成される。この金属加工用油剤の酸価は、1(mgKOH/g)以上である。この金属加工用油剤は、金属材料の機械加工における加工液として、金属材料に対する工具の潤滑や工具の冷却を目的として使用される。この金属加工用油剤を加工液として機械加工された金属加工品は、合成樹脂製部材と接触した状態で各種部品として利用される。
この金属加工用油剤を加工液として加工された金属加工品は、適宜洗浄された後、例えばインサート成形等により合成樹脂製部材で被覆されて製品化される。ここで、金属加工品の表面に残留していた金属加工用油剤と合成樹脂製部材とが接触した状態となる。合成樹脂製部材、すなわち合成樹脂材料に対する金属加工用油剤の浸透力が高い場合、合成樹脂部材の成形に際し、残留している残留応力が金属加工用油剤の浸透によって緩和されると推測され、その結果、合成樹脂製部材において、変形や亀裂といった現象に代表される不具合が発生することになる。本実施形態の金属加工用油剤は、合成樹脂材料に対する浸透力が低下されると推測され、金属加工品と接触する合成樹脂製部材への影響を低減することができるようになる。
(1) この実施形態の金属加工用油剤は、不飽和脂肪酸エステルと、マレイン化エステルとを含有してなり、酸価が1(mgKOH/g)以上であるため、合成樹脂材料に対する浸透力を低下させることができると推測され、その結果、金属加工品と接触する合成樹脂製部材に対する不具合の発生を低減することができる。
・ 40℃における動粘度が40〜120(mm2/s)である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の金属加工用油剤。この場合、金属材料の機械加工、特に切削加工に好適な金属加工用油剤を提供することができる。
<マレイン化エステルの合成>
温度計及びリービッヒ冷却管を装着したセパラブルフラスコに無水マレイン酸20質量部及び菜種油500質量部を入れた後、200℃で3時間加熱攪拌した。なお、無水マレイン酸と菜種油とのモル比は、無水マレイン酸(分子量=98)のモル:菜種油(平均分子量=885:菜種油の脂肪酸組成をすべてオレイン酸と仮定し、オレイン酸トリグリセリドとして算出)のモル=1:3である。冷却した後、反応生成物を分液ロートにてイオン交換水で洗浄した。この洗浄は廃液が中性になるまで行った。洗浄後の反応生成物は、多量の水によって乳化状態となっているため、70℃に加温してエバポレータによって水分を除去することにより、透明な反応生成物を得た。得られた反応生成物を濾過することによって、最終生成物であるマレイン化菜種油を得た。このマレイン化菜種油の物性は以下の通りであった。
ケン化価:220(mgKOH/g)
ヨウ素価:85(gI2/100g)
水分:0.20%以下
(実施例1)
得られたマレイン化菜種油3質量部と、菜種油(酸価0.08(mgKOH/g))97質量部とを攪拌機にて混合することによって金属加工用油剤を調製した。得られた金属加工用油剤の酸価、及び40℃における動粘度を表1に示す。
マレイン化菜種油及び菜種油の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様にして金属加工用油剤を調製した。得られた金属加工用油剤の酸価、及び及び40℃における動粘度を表1に示す。
菜種油(酸価0.08(mgKOH/g))を比較例1とした。
(比較例2)
マレイン化菜種油及び菜種油の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様にして金属加工用油剤を調製した。
合成エステル油(酸価0.02(mgKOH/g))を比較例3とした。
合成樹脂製の試験片(サイズ:縦5インチ(127mm)×横1/2インチ(12.7mm)×厚さ1/4インチ(6.4mm))を準備し、その試験片が所定のたわみ量となるように試験片の長手方向両端を支持した。その状態の試験片において、引張応力が生じる側の面に、各例の金属加工用油剤を塗布した後、その試験片を75℃で3時間放置した。金属加工用油剤を塗布した塗布面について、クラックの有無を実体顕微鏡で確認した。試験片のたわみ量δとクラックの有無とから表2に示す評価基準に従って評価した評価点によって採点した。
金属材料としてのマグネシウム合金(JIS H 5303に記載のAZ91D)を超硬ソリッドスクエアエンドミル(φ20mm)により、下記の条件で加工液を使用せずにピックフィード加工を行ったときに発生する切りくずを利用して評価を行った。
各例の金属加工用油剤を油膜とする水滴を切りくず5gの全体にゆきわたるように20秒間吹き付けた後、その切りくずをガラス容器内に入れ、切りくずから発生する水素ガス量を水上置換法によって測定した。なお、各例の金属加工用油剤を油膜とする水滴は、圧縮気体を利用して金属加工用油剤と水とを噴霧する噴霧装置を用い、その噴霧装置へ金属加工用油剤を10mL/h、水を20mL/min、エアーを60NL/minの条件で供給することにより霧状にする。ここで、実施例1〜3の金属加工用油剤の酸価は、30(mgKOH/g)以下に設定されているため、それら金属加工用油剤の動粘度も100(mm2/s)以下の値を示している(表1参照)。その結果、実施例1〜3の金属加工用油剤は、特に安定性の優れる霧状の形態にすることができた。
Claims (4)
- 不飽和脂肪酸エステルと、マレイン化された不飽和脂肪酸エステルであるマレイン化エステルとを含有してなり、酸価が1(mgKOH/g)以上であることを特徴とする金属加工用油剤。
- 前記酸価が60(mgKOH/g)以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属加工用油剤。
- 前記酸価が30(mgKOH/g)以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属加工用油剤。
- 前記酸価が6〜10(mgKOH/g)であることを特徴とする請求項1に記載の金属加工用油剤。
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- 2005-03-11 JP JP2005069612A patent/JP2006249325A/ja active Pending
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