JP2006248270A - 検出機器の取付状態検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車体の所定部位に取り付けられ第一検出手段1bを有する検出器1と、該検出器1の配置部位とは異なる部位2に取り付けられる第二検出手段2bと、前記第一検出手段1bによって検出される前記検出器1の傾斜角度信号と前記第二検出手段2bによって検出される前記車体の傾斜角度信号とを比較して両傾斜角度差が所定値を超えるか否かを判定する判定手段2cと、この判定手段2cの判定結果に基づいて、前記傾斜角度差が所定値を超える場合に報知信号を出力する報知手段5を備える。
【選択図】 図2
Description
このように構成することで、第二検出手段を基準にして第一検出手段の検出結果により検出器自体の傾斜角度を検出することが可能となる。また、第一検出手段によって検出される前記検出器の傾斜角度信号と第二検出手段によって検出される前記車体の傾斜角度信号とを比較しているため、坂道のように車体自体が傾斜している状態であっても検出器の傾斜角度を正確に演算できる。
このように構成することで、小型化が可能となり最も効果的に衝突を検出できるバンパー等のように外部を覆われた部分への配置を容易化することができる。また、従来から用いられている乗員保護装置用の加速度センサとの共用化が可能となる。
このように構成することで、車両の旋回等による遠心力や路面からの振動などによる影響を低減でき一層正確な検出を行なうことができる。
図1〜図5はこの発明の第1実施形態を示し、エアバッグシステムに適用したものである。図1に示すように、車体前端部に後述するバンパービームが取り付けられ、このバンパービームに衝突センサ(検出器)1が取り付けられている。この衝突センサ1からの出力信号はECU2に入力され、このECU(部位)2にて衝突判定を行い、その結果衝突と判定された場合に衝突安全装置3、具体的にはエアバッグを作動させるようになっている。
センサ傾斜判定部2cは取付角度用加速度センサ1bの部品傾斜と車体角度用加速度センサ2bの車体傾斜、及び後述する初期補正値メモリ2eからの初期補正値に基づいて衝突センサ1が車体に対して傾いた状態で取り付けられているか否かを判断する。具体的には、センサ傾斜判定部2cは加速度差演算部2ceとしきい値比較部2chを備えている。取付角度用加速度センサ1bが車体に対して傾いていると判断した場合には警報手段5を作動させ、運転者にセンサ取付状態が異常でありシステムが正しく機能しない状態であることを知らせる。ここで、この警報手段はアラームのような音声での警報に限られず、メーターパネルへの警告表示でもよく、これらを組合わせてもよい。尚、前述したように加速度差により傾斜角度が検出できるのは、重力加速度は鉛直下方に作用するため、衝突センサ1が傾いて取り付けられていると重力方向の成分の影響が取付角度用加速度センサ1bの出力値に変化を与えるからである。したがって、後述する加速度差ΔGは傾斜角度差に置きかえることができる値である。但し、重力加速度の重力方向の成分と傾斜角度はリニアな特性ではないため、誤差が生じる。これを解消する方法として重力加速度を角度に演算してから角度差を求める方法もある。
初期補正値演算部2dは取付角度用加速度センサ1bと車体角度用加速度センサ2bにより最初に加速度(取付角度用加速度センサ1b及び車体角度用加速度センサ2bの両者とも平均値)が検出された場合に、これらから取付角度用加速度センサ1bと車体角度用加速度センサ2bとの傾斜角度差を演算するものである。この初期補正値演算部2dには電源オフ後も記憶可能な初期補正値メモリ2eが接続され、この初期補正値メモリ2eに初期補正値演算部2dにより演算された初期補正値が記憶され、この初期補正値はセンサ傾斜判定部2cの加速度差演算部2ceにおいて用いられる。
ここで、前記初期補正値演算部2dが角度差を演算するのは、製造後の第1回目の電源オン時と、主として車両補修時等に、外部通信装置やスイッチ等の外部演算命令手段6により演算命令信号が出力されたときに限られる。
ステップS1において、取付角度用加速度センサ1bの検出値(加速度)Gsと車体角度用加速度センサ2bの検出値(加速度)Gcとを同時に読み込む。次にステップS2において、前記初期補正値演算部2dにより演算され初期補正値メモリ2eに記憶されている初期補正値Ghの読み込みを行う。
そして、ステップS3において、取付角度用加速度センサ1bの検出値Gsと車体角度用加速度センサ2bの検出値Gcとの差に初期補正値Ghを加味して補正した絶対値ΔGを算出する。この算出処理は加速度差演算部2ceにより行なわれる。
そして、ステップS4において、この加速度差の絶対値ΔGがしきい値を超えているか否かを判定する。この比較処理はしきい値比較部2chにより行なわれる。ステップS4における判定の結果、加速度差の絶対値ΔGがしきい値以下である場合にはステップS1に戻り、加速度差の絶対値ΔGがしきい値を超えている場合にはステップS5において警報手段5に警報を出力し処理を終了する。
ここで、図8のフローチャートに基づいて、前記初期補正値Ghを設定する処理について説明する。この設定処理は、製造工程やサービス工場で行われる。初期化フラグが正常である場合には、適正な初期補正値Ghが設定されたこととなり、逆に初期化フラグが異常である場合、適正な初期補正値Ghが設定されていないため、再度設定し直すことが必要となる。
ステップS21において、取付角度用加速度センサ1bの検出値Gsと車体角度用加速度センサ2bの検出値Gcとを同時に読み込む。ここで、この検出値Gsと検出値Gcの読み込みは所定時間内に複数回行われ、各々複数個の検出値が読み込まれる。次にステップS22において読み込まれたデータが正常か否かを判定する。これはデータが一定の範囲外である場合には、初期補正値として適切ではないからである。ステップS22における判定の結果、読み込みデータが正常である場合はステップS23に進む。ステップS22における判定の結果、読み込みデータが異常である場合はステップS25に進み、このステップS25で初期化フラグに「失敗」を設定して処理を終了する。ステップS23では、読み込まれた取付角度用加速度センサ1bの出力値Gsの平均値(複数個の平均値)から車体角度用加速度センサ2bの検出値Gcの平均値(複数個の平均値)を減じたものを初期補正値Ghとして記憶し、次にステップS24で初期化フラグに「正常」を設定して処理を終了する。尚、後述する第2実施形態においても、この第1実施形態(図8参照)に準じた初期補正値の設定処理が行われる。
このように、衝突センサ1が車両に対して傾くことなく正しい姿勢で取り付けられている場合には、坂道や車両の速度変化にかかわらず、加速度差はゼロとなりしきい値を超えないため警報は出力されない。
また、仮に取付角度用加速度センサ1bと車体角度用加速度センサ2bとの位置にずれがあっても、取付初期における位置ずれは初期補正処理によりキャンセルされるので、加速度差はゼロとなりしきい値を超えないため、この位置ずれのみが原因となって警報は出力されることはない。
また、このことは車両が傾斜している坂道であっても同様であり、取付角度用加速度センサ1bにより正確に衝突センサ1の車体に対する傾斜角度を検出できるため、正確に衝突時の加速度を検出することができる。
更に、加速度センサを用いることで小型化が可能となり、最も効果的に衝突を検出できるバンパー等のように外部を覆われた部分、例えばこの実施形態のようにバンパービーム4への配置を容易化することができるため、様々な取付状態を監視したい部品への取付が可能となる。
この実施形態は、前述したバンパービーム4の中央部と左右に1個ずつ合計3個の衝突センサ11,12,13が取り付けられているものである(図示は省略する)。
図6のブロック図に示すように、各衝突センサ11,12,13からの出力信号はECU2に入力され、このECU2にて衝突判定を行い、その結果衝突と判定された場合に衝突安全装置3、具体的にはエアバッグを作動させるようになっている。
ECU2は、前述した実施形態と同様に衝突判定部2aとセンサ傾斜判定部2cを備え、衝突安全装置3及び警報手段5に接続されている。尚、前述した実施形態のように車体角度用加速度センサ2bは備えていない。
センサ傾斜判定部2cは第1取付角度用加速度センサ11b、第2取付角度用加速度センサ12b及び第3取付角度用加速度センサ13bの何れかの部品傾斜と、残りの取付角度用加速度センサの部品傾斜、及び後述する初期補正値メモリ21e〜23eからの初期補正値に基づいて衝突センサ11〜13の何れかが車体に対して傾いた状態で取り付けられているか否かを判断する。第1取付角度用加速度センサ11b〜第3取付角度用加速度センサ13bの何れかが車体に対して傾いていると判断した場合には警報手段5を作動させ、運転者にセンサ取付状態が異常でありシステムが正しく機能しない状態であることを知らせる。この警報手段がアラームのような音声以外に、メーターパネルへの警告表示でもよいことは第1実施形態と同様である。
ここで、前記第1初期補正値演算部21d(後述する第2、3初期補正値演算部22d,23dにおいても同様)が角度差を演算するのは、第1回目の電源オン時と外部通信装置やスイッチ等の外部演算命令手段6により演算命令信号が出力されたときに限られる。また、第1初期補正値演算部21dと同様に、第1取付角度用加速度センサ11bと第3取付角度用加速度センサ13bとの傾斜角度差を演算する第2初期補正値演算部22d及びこれに接続された第2初期補正値メモリ22eが設けられ、更に、第3取付角度用加速度センサ13bと第2取付角度用加速度センサ12bとの傾斜角度差を演算する第3初期補正値演算部23d及びこれに接続された第3初期補正値メモリ23eが設けられている。尚、前記外部演算命令手段6はこれら第2初期補正値演算部22d、第3初期補正値演算部23dに接続されている。
つまり、この実施形態では車両前部のデザインに沿ってバンパービーム4が中央部がより前側に突出するように湾曲した形状であれば、軽衝突時に壁等のように車両幅よりも大きなものに衝突してバンパービーム4が変形したとしても、すべての衝突センサ、つまり第1衝突センサ11、第2衝突センサ12及び第3衝突センサ13の取付位置で同じようにバンパービーム4が変形することはないため、第1〜第3衝突センサ11〜13のいずれかが他の衝突センサとの間で傾きに差が生じる。この差に基づいて、いずれかの衝突センサ11〜13が車体に対して傾いていると判断するのである。尚、第1実施形態のように車体角度用加速度センサ2bを設け、これを基準にして第1〜第3衝突センサ11〜13のいすれかが車体に対して傾いていると判断し警報手段5を作動させるようにしてもよい。
ステップS11において、第1取付角度用加速度センサ11bの検出値(加速度)G1と第2取付角度用加速度センサ12bの検出値(加速度)G2と第3取付角度用加速度センサ13bの検出値(加速度)G3とを同時に読み込む。
そして、ステップS13において、第1取付角度用加速度センサ11bの検出値G1と第2取付角度用加速度センサ12bの検出値G2との差に初期補正値Gh1を加味した絶対値ΔG1を算出する。この算出処理は第1加速度差演算部21ceにより行なわれる。同様にしてステップS14において、第1取付角度用加速度センサ11bの検出値G1と第3取付角度用加速度センサ13bの検出値G3との差に初期補正値Gh2を加味して補正した絶対値ΔG2を算出する。この算出処理は第2加速度差演算部22ceにより行なわれる。そして、ステップS15において、第2取付角度用加速度センサ12bの検出値G2と第3取付角度用加速度センサ13bの検出値G3との差に初期補正値Gh3を加味した絶対値ΔG3を算出する。この算出処理は第3加速度差演算部23ceにより行なわれる。
つまり、車両のピッチングを考えると車速が大きければ大きいほど車両の前端部の方が車体の中央部よりも振幅が大きくなるため、これを考慮して例えば第1実施形態の車体角度用加速度センサ2bと取付角度用加速度センサ1bとの差分(初期補正値Ghを含む)の比較対象であるしきい値を変化させてもよい。具体的には、車速がゼロである停車時に近いほどしきい値を低く、車速が大きいほどしきい値を高く設定することができる。このしきい値の変更は車速ゼロの閾値とそれ以外の車速の時のしきい値の2つを持ち替えてもよく、車速ゼロから車速が上がるほど徐々に増加させるように連続的に設定してもよい。
このように車速に応じてしきい値を変化させることで、走行時の外乱に影響されない正確なECU2による判定を行ないつつ、取付角度良否の正確な判定を行なうことができる。また、車速に関する入力を加えるだけでよいため、既存のハードウエアを用いて低コストで対応できるメリットがある。
1b 取付角度用加速度センサ(第一検出手段)
2 ECU(部位)
2b 車体角度用加速度センサ(第二検出手段)
2c センサ傾斜判定部(判定手段)
4 バンパービーム(所定部位)
5 警報手段(報知手段)
Claims (3)
- 車体の所定部位に取り付けられ第一検出手段を有する検出器と、該検出器の配置部位とは異なる部位に取り付けられる第二検出手段と、前記第一検出手段によって検出される前記検出器の傾斜角度信号と前記第二検出手段によって検出される前記車体の傾斜角度信号とを比較して両傾斜角度差が所定値を超えるか否かを判定する判定手段と、この判定手段の判定結果に基づいて、前記傾斜角度差が所定値を超える場合に報知信号を出力する報知手段を備えることを特徴とする検出機器の取付状態検出装置。
- 前記第一検出手段及び前記第二検出手段は加速度センサであることを特徴とする請求項1記載の検出機器の取付状態検出装置。
- 前記所定値は車速と舵角の少なくとも一方に応じて変化することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検出機器の取付状態検出装置。
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