JP2006243570A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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克仁 五味
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英樹 岡田
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Abstract

【課題】定着ローラのウォームアップ後の定着動作における定着不良の発生を防止しつつ、ウォームアップ期間を短縮することができる定着装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明の定着装置90は、互いに圧接回転する定着ローラ91および加圧ローラ92の間に、未定着像を担持する記録媒体を通過させて、該記録媒体を加熱・加圧することにより、未定着像を記録媒体に定着させる定着動作を行う定着装置であって、定着ローラ91を加熱するヒータ93と、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を調節する回転速度調節手段とを備え、ヒータ93を作動して定着ローラ91をウォームアップする際、回転速度調節手段は、定着ローラ91および加圧ローラ92が、定着動作を行うときよりも遅い回転速度で回転するように調節する。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式を採用するプリンタ、コピー、ファクシミリなどの画像形成装置には、トナーにより形成されたトナー像を未定着状態で担持する紙等の記録媒体に加熱することにより、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着装置が備えられている。
かかる定着装置は、ヒータを内蔵した定着ローラと、これと圧接しつつ回転する加圧ローラとにより形成されたニップに記録媒体を通紙することにより、前記記録媒体を加熱および加圧して、前記記録媒体上に形成されたトナー像を前記記録媒体に定着させる。
このような定着装置においては、電源投入後、定着ローラを所定の定着温度まで昇温させるウォームアップを行う。ウォームアップ中、定着ローラおよび加圧ローラの回転を停止させていると、加圧ローラは定着ローラとの接触箇所のみが加熱されてそれ以外の箇所が加熱されず、加圧ローラの円周方向に温度の不均一が生じ、これがウォームアップ終了後の定着動作において定着不良の原因となる。
そこで、ウォームアップ中、定着ローラおよび加圧ローラを定着動作時と同様に回転させて、加圧ローラを円周方向に均一に加熱する技術が採用されたが、この場合には、定着ローラから加熱ローラへ逃げる熱量が多くなり、ウォームアップに要する時間が長くなるという弊害を生じた。
この弊害を解決することを狙って、下記特許文献1には、定着ローラの温度が所定の第一設定温度に到達するまでは両ローラの回転を停止しておき、その後、両ローラの回転を開始してウォームアップを続行し、定着ローラを所定の定着温度まで加熱する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された方法を採用した場合、ウォームアップの途中までは両ローラの回転が停止しているので、その間に生じた加圧ローラの円周方向の不均一な温度分布がウォームアップ完了時点まで残存してしまい、定着不良の原因となるという問題があった。
特公昭61−31463号公報
本発明の目的は、定着ローラのウォームアップ後の定着動作における定着不良の発生を防止しつつ、ウォームアップ期間を短縮することができる定着装置および画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の定着装置は、互いに圧接回転する定着ローラおよび加圧ローラの間に、未定着像を担持する記録媒体を通過させて、該記録媒体を加熱・加圧することにより、前記未定着像を前記記録媒体に定着させる定着動作を行う定着装置であって、
前記定着ローラを加熱するヒータと、
前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度を調節する回転速度調節手段とを備え、
前記ヒータを作動して前記定着ローラをウォームアップする際、前記回転速度調節手段は、前記定着ローラおよび前記加圧ローラが、前記定着動作を行うときよりも遅い回転速度で回転するように調節することを特徴とする。
このような本発明によれば、ウォームアップ時、定着ローラおよび加圧ローラを回転させ続け、加圧ローラの全周が定着ローラに順次接触するので、加圧ローラは、その円周方向に沿って均一に加温される。よって、ウォームアップ完了後、加圧ローラの円周方向に温度ムラを生じるのを防止することができ、温度ムラに起因する定着不良や画像欠陥が発生するのを確実に防止することができる。
また、ウォームアップ時には、定着ローラおよび加圧ローラを、定着動作時よりも遅い回転速度で回転させるので、定着ローラおよび加圧ローラを定着動作時と同じ回転速度で回転させる場合と比較して、定着ローラから加圧ローラへ逃げる熱量が少なくなる。その結果、定着ローラの温度が早く上昇するので、ウォームアップに要する時間を短縮することができる。
本発明の定着装置では、ウォームアップ時の前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度は、前記定着動作時の回転速度の0.1倍〜0.7倍であることが好ましい。
これにより、ウォームアップ時間をより効果的に短縮しつつ、加圧ローラの円周方向に沿った温度ムラが発生することも確実に防止することができる。
本発明の定着装置では、前記回転速度調節手段は、ウォームアップ時の前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度を無段階または多段階に調節可能であることが好ましい。
これにより、環境条件などに応じてウォームアップ時の定着ローラおよび加圧ローラの回転速度を微調整することができるので、ウォームアップ時間をより効果的に短縮しつつ、加圧ローラの円周方向に沿った温度ムラが発生することも確実に防止することができる。
本発明の定着装置では、前記定着ローラの温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された前記定着ローラの温度に基づいて前記定着ローラのウォームアップ時の経時的な温度上昇勾配を検出する温度上昇勾配検出手段とをさらに備え、
前記定着ローラのウォームアップ時、前記回転速度調節手段は、前記温度上昇勾配検出手段により検出された温度上昇勾配が大きいほど前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度が速く、温度上昇勾配が小さいほど前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度が遅くなる傾向となるように、前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度を調節することが好ましい。
これにより、環境条件の変化によって定着ローラの温度上昇勾配が変化した場合であっても、その温度上昇勾配を補正することができるので、ウォームアップ完了後の定着動作開始タイミングにおける定着ローラの温度を目標定着温度に可及的に近づけることができる。よって、定着不良の発生を確実に防止することができる。
本発明の定着装置では、前記回転速度調節手段は、前記定着ローラのウォームアップ開始時から所定時間後の時として定められた定着動作開始タイミングにおける前記定着ローラの温度が目標温度に可及的に近くなるように、前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度を調節することが好ましい。
これにより、環境条件の変化によって定着ローラの温度上昇勾配が変化した場合であっても、その温度上昇勾配を補正することができるので、ウォームアップ完了後の定着動作開始タイミングにおける定着ローラの温度を目標定着温度に可及的に近づけることができる。よって、定着不良の発生を確実に防止することができる。
本発明の画像形成装置は、本発明の定着装置を備えることを特徴とする。
このような本発明によれば、ウォームアップ時、定着ローラおよび加圧ローラを回転させ続け、加圧ローラの全周が定着ローラに順次接触するので、加圧ローラは、その円周方向に沿って均一に加温される。よって、ウォームアップ完了後、加圧ローラの円周方向に温度ムラを生じるのを防止することができ、温度ムラに起因する定着不良や画像欠陥が発生するのを確実に防止することができる。
また、ウォームアップ時には、定着ローラおよび加圧ローラを、定着動作時よりも遅い回転速度で回転させるので、定着ローラおよび加圧ローラを定着動作時と同じ回転速度で回転させる場合と比較して、定着ローラから加圧ローラへ逃げる熱量が少なくなる。その結果、定着ローラの温度が早く上昇するので、ウォームアップに要する時間を短縮することができる。
以下、本発明の定着装置および画像形成装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の実施形態を示す全体構成の模式的断面図である。
本発明の定着装置を説明する前に、図1に基づいて、本発明の定着装置を備えた画像形成装置の全体構成について説明する。
図1に示す画像形成装置10は、潜像を担持し図示矢印方向に回転する感光体20を有し、その回転方向に沿って順次、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像ユニット50、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75が配設されている。また、画像形成装置10は、図1にて下部に、紙などの記録媒体Pを収容する給紙トレイ82を有し、その給紙トレイ82に対して記録媒体Pの搬送方向下流に、二次転写ユニット80、定着装置90が順次配設されている。
感光体20は、円筒状の導電性基材(図示せず)と、その外周面に形成された感光層(図示せず)とを有し、その軸線まわりに図1中矢印方向に回転可能となっている。
帯電ユニット30は、コロナ帯電などにより感光体20の表面を一様に帯電するための装置である。
露光ユニット40は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータから画像情報を受けこれに応じて、一様に帯電された感光体20上に、レーザを照射することによって、静電的な潜像を形成する装置である。
現像ユニット50は、ブラック現像装置51と、マゼンタ現像装置52と、シアン現像装置53と、イエロー現像装置54との4つの現像装置を有し、これらの現像装置を感光体20上の潜像に対応して選択的に用いて、前記潜像をトナー像として可視化する装置である。ブラック現像装置51はブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52はマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53はシアン(C)トナー、イエロー現像装置54はイエロー(Y)トナーを用いて現像を行う。
本実施形態におけるYMCK現像ユニット50は、前述の4つの現像装置51、52、53、54を選択的に感光体20に対向するように、回転可能となっている。具体的には、このYMCK現像ユニット50は、軸50aを中心として回転可能な保持体の4つの保持部55a、55b、55c、55dにそれぞれ4つの現像装置51、52、53、54が保持されており、前記保持体の回転により、4つの現像装置51、52、53、54が相対位置関係を維持したまま、感光体20に選択的に対向するようになっている。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色のトナー像を中間転写体70に転写するための装置である。
中間転写体70は、エンドレスのベルトであり、図1に示す矢印方向に、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。中間転写体70上には、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのうちの少なくとも1色のトナー像が担持され、例えばフルカラー画像の形成時に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のトナー像が順次重ねて転写されて、フルカラーのトナー像が形成される。
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色やフルカラーなどのトナー像を、紙、フィルム、布等の記録媒体Pに転写するための装置である。
定着装置90は、前記トナー像の転写を受けた記録媒体Pを加熱および加圧することにより、前記トナー像を記録媒体Pに融着させて永久像として定着させるための装置である。なお、定着装置90については、後に詳述する。
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間で感光体20の表面に当接するゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
次に、このように構成された画像形成装置10の動作を説明する。
まず、図示しないホストコンピュータからの指令により、感光体20、現像ユニット50に設けられた現像ローラ(図示せず)、および中間転写体70が回転を開始する。そして、感光体20は、回転しながら、帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が前記領域に形成される。
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。このとき、YMCK現像ユニット50は、イエロー現像装置54が、前記現像位置にて感光体20と対向している。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。このとき、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。なお、この間、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
前述の処理と同様の処理が、第2色目、第3色目および第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
一方、記録媒体Pは、給紙トレイ82から、給紙ローラ84、レジローラ86によって二次転写ユニット80へ搬送される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって記録媒体Pに転写される。このとき、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。
記録媒体Pに転写されたフルカラートナー像は、定着装置90によって加熱および加圧されて記録媒体Pに融着される。
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75のクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75内の残存トナー回収部に回収される。
図2は、図1に示す画像形成装置10に備えられた定着装置90のブロック図、図3は、図2に示す定着装置90の各モードでの定着ローラの回転速度を示すグラフ、図4は、図2に示す定着装置90のウォームアップ時の制御動作を示すフローチャート、図5は、ウォームアップ時に定着ローラおよび加圧ローラの回転速度を一定とした場合における定着ローラの温度上昇勾配を示すグラフである。
以下、これら図に基づいて、定着装置90について詳細に説明する。
図2に示すように、定着装置90は、互いに圧接しつつ回転する定着ローラ91および加圧ローラ92と、定着ローラ91を加熱するためのヒータ93と、定着ローラ91の表面温度を検出する温度検出手段としての温度サーミスタ94と、制御系96と、記憶手段としてのメモリ97と、給紙センサ13とを有している。
定着ローラ91は、円筒状をなし、その軸線まわりに回転可能となっている。また、定着ローラ91の内部空間には、ヒータ93が配設され、定着ローラ91は、ヒータ93により加熱される。
加圧ローラ92は、円筒状または円柱状をなし、その軸線まわりに回転可能となっているとともに、定着ローラ91に圧接している。この加圧ローラ92には、ヒータが設置されていない。
定着ローラ91は、モータおよび動力伝達機構を備えた駆動系98によって、回転駆動される。加圧ローラ92は、定着ローラ91に伴い、従動回転する。駆動系98の作動は、制御系96により制御される。
このような定着装置90は、定着ローラ91および加圧ローラ92の圧接により形成されるニップNに対し、図2にて左方から、未定着像を担持する記録媒体がニップNへ搬送され、この記録媒体を加熱および加圧することにより、未定着像を記録媒体に定着させる。
ヒータ93は、SSR(ソリッドステートリレー)99を介して、交流電源11に接続されている。SSR99は、制御系96に接続されている。制御系96から入力される制御信号に基づき、SSR99は、交流電源11からヒータ93への通電を断接する。
温度サーミスタ94は、定着ローラ91の周面に接触または近接するように、支持部95により支持されている。温度サーミスタ94が出力した温度検出信号は、A/D変換回路12によりデジタル信号に変換されて、制御系96に入力される。
メモリ97は、制御系96に読み取り可能な記憶媒体を有している。この記憶媒体は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HD(Hard Disk)などで構成されている。
このメモリ97には、制御系96を、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を調節する回転速度調節手段として機能させるためのプログラムや、定着ローラ91のウォームアップ時の経時的な温度上昇勾配(昇温速度)を検出する温度上昇勾配検出手段として機能させるためのプログラムその他の各種プログラムと、各種データとが予め記憶されている。また、メモリ97は、各プログラムで処理されたデータおよび制御系96に接続された各部からの入力データ等を記憶することもできる。
制御系96は、CPU(Central Processing Unit)を有しており、メモリ97に記憶された各種プログラムおよびデータを必要に応じて読み出し、そのプログラムおよびデータに基づき、SSR99を介してヒータ93への通電の断接を制御したり、駆動系98を介して定着ローラ91および加圧ローラ92の回転/停止を制御したり、その回転速度を調節したりする他、後述するような定着装置90の動作を実現させるように制御する。
制御系96の制御に基づき、定着装置90は、ウォームアップモード、スタンバイモード、定着動作モードおよび節電モードの各モード状態をとる。図3を参照し、各モードでの制御内容について説明する。
図3のグラフの横軸は、時間を示しており、この横軸の原点は、画像形成装置10の電源投入時を示している。電源投入直後から定着装置90はウォームアップモードとなる。ウォームアップモードでは、ヒータ93に通電し、定着ローラ91を所定の目標定着温度まで加熱する。
また、ウォームアップモードでは、ヒータ93に通電している間、定着ローラ91および加圧ローラ92を回転させ続ける。これにより、ウォームアップの間、加圧ローラ92の全周が定着ローラ91に順次接触するので、加圧ローラ92は、その円周方向に沿って均一に加温され、円周方向に温度ムラを生じるのを防止することができる。
定着ローラ91が目標定着温度まで加熱されたら、ウォームアップモードを終了し、スタンバイモードとなる。スタンバイモードでは、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転を停止する。また、温度サーミスタ94で検出された定着ローラ91の温度に基づいて、ヒータ93へ通電する状態と、通電を遮断する状態とを交互に繰り返し、定着ローラ91および加圧ローラ92を定着可能な温度に維持する。
図示しないホストコンピュータからの印刷命令が画像形成装置90に入力されると、記録媒体Pが給紙トレイ82から搬出される。記録媒体Pが搬出されたことを給紙センサ13が検出すると、定着装置90は、定着動作モードとなる。定着動作モードでは、定着ローラ91および加圧ローラ92を所定の回転速度で回転させるとともに、温度サーミスタ94で検出された定着ローラ91の温度に基づいて、ヒータ93へ通電する状態と、通電を遮断する状態とを交互に繰り返し、定着ローラ91および加圧ローラ92を目標定着温度付近に維持する。
定着動作モードを終了すると、定着装置90は、前述したスタンバイモードとなる。スタンバイモードにおいて図示しないホストコンピュータからの印刷命令が来ない状態が所定時間継続した場合には、節電モードとなる。節電モードでは、ヒータ93への通電を遮断することにより、消費電力を低減する。
図3のグラフの縦軸は、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を、定着動作モードでの回転速度を1としたときの割合(倍率)で示したものである。
図3のグラフから分かるように、本発明の定着装置90では、ウォームアップモードの際、定着ローラ91および加圧ローラ92を、定着動作モードのときよりも遅い回転速度で回転させることとしている。これにより、定着ローラ91および加圧ローラ92を定着動作モード時と同じ回転速度で回転させる場合と比較して、定着ローラ91から加圧ローラ92へ逃げる熱量が少なくなる。その結果、定着ローラ91の温度が早く上昇するので、ウォームアップに要する時間を短縮することができる。
また、前述したように、ウォームアップを行う間は、ずっと定着ローラ91および加圧ローラ92を回転させ続けるので、ウォームアップ完了後の加圧ローラ92の温度を円周方向に沿って均一にすることができる。よって、定着動作を行った際、定着不良による画像欠陥が発生するのを確実に防止することができる。
ウォームアップモードにおいて定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を調節する方法は、特に限定されず、いかなる方法でも良い。本実施形態では、定着ローラ91を駆動する駆動系98が駆動源として備えるDCモータへ印加する駆動電圧を変えることによりDCモータの回転速度を変え、これにより、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を調節する。
制御系96は、DCモータへ印加する駆動電圧を無段階に制御することができるように構成されており、これにより、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を無段階(または多段階)に調節可能になっている。すなわち、図3中でハッチングを付した範囲において、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を調節可能になっている。
ウォームアップ時の定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度と、定着動作時の定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度との比率は、特に限定されないが、ウォームアップ時の回転速度は、定着動作時の回転速度の0.1倍〜0.7倍であるのが好ましく、0.15倍〜0.5倍であるのがより好ましい。このような範囲とすることにより、ウォームアップ時間を効果的に短縮することができるとともに、加圧ローラ92の円周方向に沿った温度ムラが発生することも確実に防止することができる。
さて、本実施形態の定着装置90は、ウォームアップ時間短縮という第1の目的に加えて、さらに次のような第2の目的を有している。すなわち、定着装置90は、ウォームアップ完了直後に印刷をする場合において、定着動作開始時の定着ローラ91の温度を目標定着温度にできるだけ近づけることを第2の目的としており、そのために、制御系96は、ウォームアップ時における定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を微調整する。
定着装置90の上記第2の目的の理解を容易にするため、まず、ウォームアップ時に定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を一定とした場合の問題について、図5に基づき説明する。
定着装置90では、定着ローラ91のウォームアップが完了して印刷動作を許可するタイミング、すなわち定着動作開始タイミングT1は、ウォームアップ開始時から所定時間後の時として、予め定められている(図5中の点線参照)。
図5中の細線は、交流電源11の電圧(以下、「電源電圧」と言う)が規定値(ここでは100ボルトとする)だった場合の定着ローラ91の温度上昇勾配を示す。制御系96は、定着ローラ91の温度が所定の目標定着温度に到達するとヒータ93への通電を遮断するが、定着ローラ91は、その温度上昇が急には止まらずにその後も何秒間かは温度上昇し続けるので、目標定着温度をオーバーシュートし(行き過ぎ)、その後、温度が低下し始める。上記の定着動作開始タイミングT1は、この場合に定着ローラ91の温度が最高到達温度から下がり始めて目標定着温度に到達するようなタイミングとなるように設計されている。よって、図5中の細線で示すように、電源電圧が100ボルトだった場合には、定着ローラ91の温度が目標定着温度にほぼ等しくなっている瞬間から定着動作を開始することができる。
しかしながら、電源電圧は常に正確に100ボルトであるとは限らず、同じ交流電源11によって作動する他の機器の影響などによって、100ボルトより低くなったり高くなったりする場合がある。
図5中の太線は、電源電圧が90ボルトだった場合の定着ローラ91の温度上昇勾配を示す。この場合には、電源電圧が100ボルトだった場合と比べ、ヒータ93の発熱量が少なくなり、定着ローラ91の温度上昇が遅れるので、定着ローラ91の温度が目標定着温度をオーバーシュートしている最中に定着動作開始タイミングT1が訪れてしまう。このため、目標定着温度より高い温度で定着動作が開始されてしまい、定着不良を生じるおそれがある。
逆に、電源電圧が規定値より高い場合(例えば110ボルト)には、図示を省略するが、ヒータ93の発熱量が多くなり、定着ローラ91の温度上昇が速まるので、定着動作開始タイミングT1が訪れたときには、定着ローラ91の温度は、オーバーシュートの状態を過ぎて、目標定着温度より低くなってしまう。このため、目標定着温度より低い温度で定着動作が開始されてしまい、定着不良を生じるおそれがある。
このような問題を解決するため、定着装置90は、ウォームアップ時、次のように定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を調節する。
定着装置90では、ウォームアップの初期に、定着ローラ91の温度上昇勾配を検出する。そして、温度上昇勾配が大き過ぎる場合、すなわち電源電圧が100ボルトより高い場合には、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を速くするように制御する。定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を速くすると、定着ローラ91から加圧ローラ92へ逃げる熱量が多くなり、定着ローラ91の温度上昇が遅くなるので、温度上昇勾配を寝かせて、電源電圧が100ボルトのときの温度上昇勾配と同じになるように補正することができる。
逆に、温度上昇勾配が小さ過ぎる場合、すなわち電源電圧が100ボルトより低い場合には、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を遅くするように制御する。定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を遅くすると、定着ローラ91から加圧ローラ92へ逃げる熱量が少なくなり、定着ローラ91の温度上昇が速くなるので、温度上昇勾配を立たせて、電源電圧が100ボルトのときの温度上昇勾配と同じになるように補正することができる。
定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度(以下、単に「ローラ回転速度」と言う)を具体的にどの程度にするのがよいかは、設計段階において実験により求めればよい。下記表1は、本発明者が実験により得たデータである。
Figure 2006243570
表1に示すように、定着装置90は、ウォームアップ時、電源電圧が正規値である100ボルトの場合には、定着動作時に対するローラ回転速度倍率Vを0.25倍とし、このとき、温度上昇勾配ΔTは1.93℃/secとなる。
これに対し、電源電圧が90ボルトに下がっている場合には、ローラ回転速度倍率Vが0.25倍のままであると、温度上昇勾配は1.61℃/secとなる。これを1.93℃/secに補正するには、ローラ回転速度倍率Vを0.18倍まで遅くすることが必要であった。
逆に、電源電圧が110ボルトに上がっている場合には、ローラ回転速度倍率Vが0.25倍のままであると、温度上昇勾配は2.23℃/secとなる。これを1.93℃/secに補正するには、ローラ回転速度倍率Vを0.32倍まで速くすることが必要であった。
このような結果から、ウォームアップ時のローラ回転速度の、定着動作時に対する倍率Vを、V=0.22×ΔT−0.17なる式で算出される値にすることにより、温度上昇勾配を正規の値に補正することができる。
以下、図4に示すフローチャートに基づいて、上述したようなローラ回転速度の調節を実現するための、ウォームアップ時における制御系96の具体的な制御動作について説明する。
ウォームアップモードが開始されると、ヒータ93をオンするとともに、定着動作時の0.25倍の速度で定着ローラ91および加圧ローラ92を回転させる(ステップS01)。
次いで、制御系96は、温度サーミスタ94により検出された定着ローラ91の温度を所定時間間隔で複数回サンプリングし、それらの値に基づいた演算を行うことにより、定着ローラ91の温度上昇勾配ΔTを測定する(ステップS02)。
そして、測定された温度上昇勾配ΔTに基づいて、前述した式V=0.22×ΔT−0.17より、温度上昇勾配を正規の値に補正するために必要なローラ回転速度倍率Vを算出し、この算出された値となるように、定着ローラ91および加圧ローラ92の回転速度を調節する(ステップS03)。
その後、制御系96は、経過時間Tが定着動作開始タイミングT1に到達したか否かの判断を繰り返し行い(ステップS04)、定着動作開始タイミングT1が到来したら、ヒータ93をオフするとともに定着ローラ91および加圧ローラ92を回転停止させる(ステップS05)。以上により、ウォームアップが完了する(ステップS06)。
このような制御を行うことにより、定着装置90では、電源電圧が正規値より低かったり高かったりしたことによって、定着ローラ91の温度上昇勾配が変化した場合であっても、その温度上昇勾配を補正することができるので、ウォームアップ完了後の定着動作開始タイミングT1における定着ローラ91の温度を目標定着温度に可及的に近づけることができる。よって、定着不良の発生を確実に防止することができる。
以上、本発明の定着装置および画像形成装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、定着装置および画像形成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
本発明にかかる画像形成装置の実施形態を示す全体構成の模式的断面図。 図1に示す画像形成装置に備えられた定着装置のブロック図。 図2に示す定着装置の各モードでの定着ローラの回転速度を示すグラフ。 図2に示す定着装置のウォームアップ時の制御動作を示すフローチャート。 ウォームアップ時に定着ローラおよび加圧ローラの回転速度を一定とした場合における定着ローラの温度上昇勾配を示すグラフ。
符号の説明
10……画像形成装置 11……交流電源 12……A/D変換回路 13……給紙センサ 20……感光体 30……帯電ユニット 40……露光ユニット 50……現像ユニット 50a……軸 51……ブラック現像装置 52……マゼンタ現像装置 53……シアン現像装置 54……イエロー現像装置 55a〜55d……保持部 60……一次転写ユニット 70……中間転写体 75……クリーニングユニット 76……クリーニングブレード 80……二次転写ユニット 82……給紙トレイ 84……給紙ローラ 86……レジローラ 90……定着装置 91……定着ローラ 92……加圧ローラ 93……ヒータ 94……温度サーミスタ 95……支持部 96……制御系 97……メモリ 98……駆動系 99……SSR P……記録媒体 N……ニップ

Claims (6)

  1. 互いに圧接回転する定着ローラおよび加圧ローラの間に、未定着像を担持する記録媒体を通過させて、該記録媒体を加熱・加圧することにより、前記未定着像を前記記録媒体に定着させる定着動作を行う定着装置であって、
    前記定着ローラを加熱するヒータと、
    前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度を調節する回転速度調節手段とを備え、
    前記ヒータを作動して前記定着ローラをウォームアップする際、前記回転速度調節手段は、前記定着ローラおよび前記加圧ローラが、前記定着動作を行うときよりも遅い回転速度で回転するように調節することを特徴とする定着装置。
  2. ウォームアップ時の前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度は、前記定着動作時の回転速度の0.1倍〜0.7倍である請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記回転速度調節手段は、ウォームアップ時の前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度を無段階または多段階に調節可能である請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ローラの温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された前記定着ローラの温度に基づいて前記定着ローラのウォームアップ時の経時的な温度上昇勾配を検出する温度上昇勾配検出手段とをさらに備え、
    前記定着ローラのウォームアップ時、前記回転速度調節手段は、前記温度上昇勾配検出手段により検出された温度上昇勾配が大きいほど前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度が速く、温度上昇勾配が小さいほど前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度が遅くなる傾向となるように、前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度を調節する請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記回転速度調節手段は、前記定着ローラのウォームアップ開始時から所定時間後の時として定められた定着動作開始タイミングにおける前記定着ローラの温度が目標温度に可及的に近くなるように、前記定着ローラおよび前記加圧ローラの回転速度を調節する請求項4に記載の定着装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014164183A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Ricoh Co Ltd 定着装置、画像形成装置、定着制御方法及び定着制御プログラム

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