JP2006241994A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクロール圧縮機において、圧縮ガスに含有する循環油を確実に吸入室に戻すと共に装置の大型化及び複雑化を抑制する。
【解決手段】うず巻ラップ45を有する固定スクロール14をディスク44によりハウジング11に固定すると共に、うず巻ラップ51を有する旋回スクロール15このうず巻ラップ51が固定スクロール14のうず巻ラップ45に噛み合わせた状態で自転を阻止されつつ公転旋回可能にハウジング11に支持し、このハウジング11内をディスク44により仕切って吸入室39及び吐出室41を設けると共に、各スクロール14,15のうず巻ラップ45,51とが噛み合うことで圧縮室40を区画し、この圧縮室40に残留する潤滑油を吸入室39に戻す油戻し通路59を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に、車載用空調装置などに使用されて好適なスクロール圧縮機に関するものである。
一般的なスクロール圧縮機において、ハウジング内に、端板の一側面にうず巻状の壁体を立設した固定スクロールと、端板の一側面に固定スクロールの壁体と実質的に同一形状のうず巻状の壁体を立設した旋回スクロールとが組み合わされて収容されている。そして、この状態で固定スクロールに対して旋回スクロールを公転旋回運動させることで、各壁体間に形成した圧縮室の容積を漸次減少させ、この圧縮室内の流体を圧縮するようにしている。
また、このスクロール圧縮機では、吸入室にミスト状の潤滑油を含むガスが吸入され、圧縮機構によってこの流体ガスが圧縮されて吐出室に送られ、この吐出室でオイルセパレータにより流体ガスから潤滑油が分離されて下部に溜まる。そして、吐出室に溜まった潤滑油は、圧力差を駆動力として吸入室を仕切る仕切部材に形成された潤滑油通路を通して吸入室に戻される。
なお、一般的な従来のスクロール圧縮機としては、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された密閉型スクロール圧縮機は、固定スクロールを固定するフレームの台座面と鏡板との間に旋回スクロールの鏡板外周部を微小隙間を保って挾み込み、この旋回スクロールの鏡板外周部の側部空間と鏡板背部の背圧室を連通する給油溝を、旋回スクロールの鏡板外周部の背面部などに形成することにより、旋回スクロールの鏡板外周部の側部空間に生じる油圧変動を抑制し、圧縮機の動力低減作用をもたせるものである。
特開平06−193570号公報
上述した従来のスクロール圧縮機にあっては、ミスト状の潤滑油を含むガスを圧縮機構によって圧縮して吐出室に送り、この吐出室で流体ガスと潤滑油とを分離し、流体ガスを吐出口から排出する一方、潤滑油をこの吐出室に一時的に溜め、この溜まった潤滑油を圧力差を利用し、潤滑油通路を通して吸入室に戻している。そのため、圧縮したガスを流体ガスと潤滑油とを分離するために、所定の容積を有する吐出室が必要となり、吐出室の大型化を招いてしまう。また、この吐出室にオイルセパレータを設けた場合には、装置の更なる大型化を招くと共に、オイルセパレータを装着するためのハウジングの形状が複雑になり、構造の大幅な複雑化を招いてしまう。
なお、上述した特許文献1に記載された密閉型スクロール圧縮機では、旋回スクロールの鏡板に細孔や放射状孔を設けているが、この細孔や放射状孔は、背圧室の油を圧縮室に送ったり、圧縮室のガスを鏡板の側部空間に導入するものであり、吐出室で分離された潤滑油を吸入室に戻すものではない。
本発明はこのような問題を解決するものであって、圧縮ガスに含有する循環油を確実に吸入室に戻すと共に装置の大型化及び複雑化を抑制したスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するための請求項1の発明のスクロール圧縮機は、ハウジングと、うず巻状の壁板を有して端板が前記ハウジングに固定された固定スクロールと、うず巻状の壁体を有して該壁体が前記固定スクロールの壁体に噛み合わせた状態で自転を阻止されつつ公転旋回可能に支持された旋回スクロールと、該旋回スクロールを旋回駆動する駆動手段と、前記ハウジング内が前記固定スクロールの端板により仕切られて設けられた吸入室及び吐出室と、前記固定スクロールの壁体と前記旋回スクロールの壁体とが噛み合うことで区画された圧縮室と、該圧縮室に残留する潤滑油を前記吸入室に戻す油戻し通路とを具えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明のスクロール圧縮機では、前記油戻し通路は、前記旋回スクロールの端板における前記壁体の付根近傍に形成されたことを特徴としている。
請求項3の発明のスクロール圧縮機では、前記油戻し通路は、前記旋回スクロールの端板における段付部に形成されたことを特徴としている。
請求項4の発明のスクロール圧縮機では、前記固定スクロールの中心部に前記圧縮室と前記吐出室とを連通する吐出ポートが設けられ、前記油戻し通路は、前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールが旋回し、前記吐出ポートを開放する前に前記圧縮室と前記吸入室とを連通可能な位置に設けられたことを特徴としている。
請求項5の発明のスクロール圧縮機では、前記油戻し通路は、前記圧縮室に残留する潤滑油を前記吸入室における回転軸の軸受部に供給可能であることを特徴としている。
請求項6の発明のスクロール圧縮機では、前記油戻し通路は、前記旋回スクロールの端板及び壁体を貫通して形成されたことを特徴としている。
請求項7の発明のスクロール圧縮機では、前記油戻し通路は、前記旋回スクロールの中心から所定距離離間した位置に形成されたことを特徴としている。
請求項8の発明のスクロール圧縮機では、前記油戻し通路は、絞り部を有することを特徴としている。
請求項1の発明のスクロール圧縮機によれば、うず巻状の壁板を有して端板がハウジングに固定された固定スクロールと、うず巻状の壁体を有してこの壁体が固定スクロールの壁体に噛み合わせた状態で自転を阻止されつつ公転旋回可能に支持された旋回スクロールとを設け、ハウジング内を固定スクロールの端板により仕切って吸入室及び吐出室を設けると共に、固定スクロールの壁体と旋回スクロールの壁体とが噛み合うことで圧縮室を区画し、圧縮室に残留する潤滑油を吸入室に戻す油戻し通路を設けたので、ミスト状の潤滑油を含んだガスは吸入室から圧縮室に導入され、旋回スクロールが旋回して圧縮室の容積が漸次減少することで圧縮され、このとき、ミスト状の潤滑油は流体ガスから分離されて圧縮室の壁面に付着するため、この潤滑油は各スクロールの噛み合い部によりかき集められ、油戻し通路を通して吸入室に戻される一方、流体ガスは吐出室に送られることとなり、吐出室にオイルセパレータなどを設ける必要がなく、圧縮ガスに含有する循環油を確実に吸入室に戻すことができると共に、装置の大型化及び複雑化を抑制することができる。
請求項2の発明のスクロール圧縮機によれば、油戻し通路を、旋回スクロールの端板における壁体の付根近傍に形成したので、圧縮室でガスから分離された潤滑油は、この圧縮室の壁面に付着しやすいため、油戻し通路を旋回スクロールの端板における壁体の付根近傍に形成することで、各スクロールの噛み合い部によりかき集められた潤滑油が油戻し通路から吸入室に戻りやすくなり、潤滑油を効率良く吸入室に戻すことができる。
請求項3の発明のスクロール圧縮機によれば、油戻し通路を、旋回スクロールの端板における段付部に形成したので、圧縮室でガスから分離された潤滑油は、この圧縮室の壁面、特に、段付部によどんでたまりやすいため、油戻し通路を旋回スクロールの端板における壁体の付根近傍に形成することで、各スクロールの噛み合い部によりかき集められた潤滑油が油戻し通路から吸入室に戻りやすくなり、潤滑油を効率良く吸入室に戻すことができる。
請求項4の発明のスクロール圧縮機によれば、固定スクロールの中心部に圧縮室と吐出室とを連通する吐出ポートを設け、油戻し通路を、固定スクロールに対して旋回スクロールが旋回して吐出ポートを開放する前に圧縮室と吸入室とを連通可能な位置に設けたので、圧縮室で圧縮されたガスが開放された吐出ポートから吐出室に送られる前に、圧縮室でガスから分離された潤滑油を油戻し通路を通して吸入室に戻すこととなり、潤滑油を吐出ポートから吐出室に排出することなく、吸入室に確実に戻すことができる。
請求項5の発明のスクロール圧縮機によれば、油戻し通路は、圧縮室に残留する潤滑油を吸入室における回転軸の軸受部に供給可能としたので、圧縮室でガスから分離された潤滑油を油戻し通路から吸入室に位置する回転軸の軸受部に積極的に戻すことで、この回転軸の潤滑を確実に行い、信頼性を向上することができる。
請求項6の発明のスクロール圧縮機によれば、油戻し通路を、旋回スクロールの端板及び壁体を貫通して形成したので、圧縮室でガスから分離された潤滑油は、この圧縮室の壁面、特に、固定スクロールにおける壁体の付根近傍に付着しやすいため、油戻し通路を旋回スクロールの端板及び壁体を貫通して形成することで、この固定スクロールにおける壁体の付根近傍に付着した潤滑油が油戻し通路から吸入室に戻りやすくなり、潤滑油を効率良く吸入室に戻すことができる。
請求項7の発明のスクロール圧縮機によれば、油戻し通路を、旋回スクロールの中心から所定距離離間した位置に形成したので、圧縮室でガスから分離された潤滑油を油戻し通路から吸入室の上方に積極的に戻すことで、戻された潤滑油が吸入されたガスと良好に混合し、吸入室全体に潤滑油を供給して潤滑性能を向上することができる。
請求項8の発明のスクロール圧縮機によれば、油戻し通路に絞り部を設けたので、圧縮室の圧力変動にかかわらず、所定量の潤滑油を吸入室に戻すことができ、常時安定した潤滑油の戻り量を確保することで、信頼性を向上することができる。
以下に、本発明に係るスクロール圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係るスクロール圧縮機を表す断面図、図2は、実施例1のスクロール圧縮機における固定スクロールの概略斜視図、図3は、実施例1のスクロール圧縮機における旋回スクロールの概略斜視図である。
実施例1のスクロール圧縮機は、主として車両用空調装置の冷媒を圧縮するために用いられるものである。このスクロール圧縮機は、図1に示すように、ハウジング11と、このハウジング11内に収容された圧縮部12と、この圧縮部12を駆動する駆動装置13とを有している。そして、圧縮部12は固定スクロール14と旋回スクロール15とからなり、この圧縮部12の旋回スクロール15と駆動装置13とは、回転軸16により伝導連結され、駆動装置13により圧縮部12を駆動することができる。
即ち、ハウジング11は横置きに配置されており、スクロール圧縮機全体を包む略円筒形状をなす密閉容器として構成されている。このハウジング11は、センタハウジング21と、このセンタハウジング21に隣接して配置されたコンプレッサハウジング22とから構成されている。そして、このセンタハウジング21にコンプレッサハウジング22が嵌合した状態で、複数の締結ボルト23により固定されている。
そして、センタハウジング21及びコンプレッサハウジング22により、駆動装置13と区画されて低圧室25が設けられており、この低圧室25に向けて開口する吸入口26,27が設けられている。この吸入口26,27は、駆動装置13と圧縮部12とを連結する回転軸16に向けて開口しており、この駆動装置13や圧縮部12とは対向しない位置に形成されている。吸入口26を駆動装置13と対向しないように開口させたのは、吸入口26からハウジング11内に取り込んだ冷媒ガスが駆動装置13の発熱により温度上昇し、これに起因する圧縮効率の低下や圧力損失の増大を抑制するためである。
センタハウジング21は略円筒状をなし、端部に縮径したリング形状をなす支持部28が形成されている。また、このセンタハウジング22の内周部には、軸受29,30が装着されており、この軸受29,30により回転軸16が回転自在に支持されている。また、軸受29,30との間にて、センタハウジング22の内周部には回転軸16との隙間を仕切ることで冷媒ガスの漏洩を防止するラバー31が取付けられている。
一方、駆動装置13において、回転軸16の先端部には、回転板32が連結ボルト33により固定されており、この回転板32の外周部には、リング形状をなす支持リング34が複数の連結ピン35により連結されている。そして、この支持リング34に従動プーリ36の端面が固定され、軸受37を介してセンタハウジング21の支持部28に回転自在に支持されており、この従動プーリ36内に電磁石38が装着されることでマグネットクラッチが構成されている。なお、この従動プーリ36には、図示しない駆動ベルトを介して駆動源(例えば、エンジン)が連結されている。
コンプレッサハウジング22は略円筒形状をなし、圧縮部12が収容されている。このコンプレッサハウジング22は、圧縮部12との間に空間として、低圧室25に連通する吸入室39が形成されると共に、圧縮部12自身によって区画された圧縮室40が形成されている。また、コンプレッサハウジング22は、圧縮部12との間に空間として、高圧室としての吐出室41が形成され、この吐出室41には吐出口42が形成されている。
圧縮部12は、スクロール式圧縮機構であり、吸入口26,27から吸収された冷媒ガスを圧縮するものである。この冷媒ガスは、スクロール圧縮機のハウジング11内の各部を潤滑するための潤滑油がミスト状に含有された潤滑ミストを含有する気体となっている。この圧縮部12は、前述したように、固定スクロール14と旋回スクロール15とから構成されている。
固定スクロール14は、図1及び図2に示すように、コンプレッサハウジング22の内周面に嵌合し、締結ボルト43によりこのコンプレッサハウジング22に固定されたディスク(端板)44と、このディスク44の片面に形成されたうず巻状ラップ(壁体)45とを有している。そして、このディスク44の中央には、圧縮室40と吐出室41とを連通する吐出ポート46が設けられ、この吐出ポート46は吐出弁47により開閉可能となっている。また、ディスク44は、うず巻状ラップ45によって形成される底部が中心側において高くなる浅底部44aと、外周端側で低くなる深底部44bとが形成されることで、円弧形状をなす底部側段付部48が形成されている。また、このディスク44の底部側段付き部48に対応して、うず巻状ラップ45の上縁には、中心部側が低く外周端側が高い壁体側段付部49が形成されている。
旋回スクロール15は、図1及び図3に示すように、ディスク(端板)50と、このディスク50の片面に形成されたうず巻状ラップ(壁体)51とを有している。また、ディスク50は、うず巻状ラップ51によって形成される底部が中心側において高くなる浅底部50aと、外周端側で低くなる深底部50bとが形成されることで、円弧形状をなす底部側段付部52が形成されている。また、このディスク50の底部側段付き部51に対応して、うず巻状ラップ51の上縁には、中心部側が低く外周端側が高い壁体側段付部53が形成されている。
そして、固定スクロール14のうず巻状ラップ45に対して、旋回スクロール15のうず巻状ラップ51が噛み合うように組み合わされており、各ラップ45,51の間の空間が圧縮室40となっている。
また、図1に示すように、旋回スクロール15におけるディスク50の反対側の面にはボス53が設けられている。一方、回転軸16の他端部には所定量だけ偏心した位置に偏心軸54が設けられており、この偏心軸54はドライブブッシュ55及び軸受56介してボス53に回動自在に支持されている。これにより、旋回スクロール15は、回転軸16の回転によって公転旋回運動することができる。また、センタハウジング21と旋回スクロール15との間には、自転阻止機構57が介装され、この旋回スクロール15は自転を阻止されつつ、公転旋回運動可能となっている。更に、回転軸16には、旋回スクロール15に与えられたアンバランス量を打ち消すためのバランスウェイト58が固定されている。
ところで、上述したスクロール圧縮機では、吸入室39にミスト状の潤滑油を含むガスが吸入され、圧縮部12によってこの流体ガスが圧縮されて吐出室41に送られると共に、流体ガスから潤滑油が分離されることとなりことから、流体ガスから分離された潤滑油を、吸入室39側に戻す必要がある。
そこで、本実施例では、固定スクール14と旋回スクロール15とで形成された圧縮室40で流体ガスから潤滑油が分離されるため、この圧縮室40に残留する潤滑油を吸入室39(低圧室25)に戻す油戻し通路を旋回スクロール15に設けている。
即ち、図1及び図3に示すように、旋回スクロール15は、ディスク50にうず巻ラップ51により浅底部50a及び深底部50bが設けられており、この浅底部50aに油戻し通路59が形成されている。この油戻し通路59は、旋回スクロール15のディスク50におけるうず巻ラップ51の付根近傍に形成されており、一端が圧縮室40に開口し、他端が吸入室39(低圧室25)における回転軸16の軸受部、つまり、偏心軸54、ドライブブッシュ55、軸受56の近傍に開口している。
ここで、上述した本実施例のスクロール圧縮機の作用について説明する。
駆動源を駆動すると、駆動力が駆動装置13の従動プーリ36に伝達され、回転軸16が回転し、この回転力が偏心軸56等を介して旋回スクロール15に伝達され、この旋回スクロール15が自転阻止機構57によって自転を阻止されながら公転軌道上を旋回する。すると、潤滑油のミストを含む低温の冷媒ガスが吸入口26、27からハウジング11の低圧室25に吸い込まれ、この冷媒ガスは低圧室25から吸入室39を経て圧縮室40内に吸い込まれる。
そして、旋回スクロール14が旋回し続けると、これに伴って圧縮室40が次第に狭められ、内部の冷媒ガスが圧縮されつつ中央部に至り、吐出ポート46を通って吐出室41へ吐き出される。吐出弁47は、圧縮室40と吐出室41との差圧により開閉する。即ち、圧縮室40の冷媒ガスの圧力が吐出室41の圧力よりも高くなると、吐出弁47を押し開いて高圧の冷媒ガスが吐出室41に流出する。その後、高圧の冷媒ガスは、吐出室41から吐出口42を経て外部に吐き出される。
このとき、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスは圧縮室40に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室40の容積が漸次減少することで圧縮されるが、この圧縮室40では、冷媒ガスからミスト状の潤滑油が分離される。そして、この分離した潤滑油は、固定スクロール14に対して旋回スクロール15が回転することで、その噛み合い部によりかき集められ、圧縮室40の圧力により油戻し通路59を通して吸入室39(低圧室25)側に戻される。
即ち、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが圧縮室40で圧縮されると、冷媒ガスから分離された潤滑油は、この圧縮室40の内壁面に付着しやすい。そのため、旋回スクロール15が回転することで、この旋回スクロール15のうず巻ラップ51が各スクロール15,15の表面に付着している潤滑油をかき集めて油戻し通路59に導き、圧力差により吸入室39側に潤滑油を送り出すことができる。
従って、圧縮室40で冷媒ガスから分離された潤滑油を、吐出室41に送ることなく吸入室39に直接戻すことができ、この吸入室39に戻された潤滑油は、回転軸16の軸受部、つまり、偏心軸54、ドライブブッシュ55、軸受56の近傍に供給されることとなり、この回転軸16の潤滑を確実に行うことができる。
このように実施例1のスクロール圧縮機にあっては、うず巻ラップ45を有する固定スクロール14をディスク44によりハウジング11に固定すると共に、うず巻ラップ51を有する旋回スクロール15このうず巻ラップ51が固定スクロール14のうず巻ラップ45に噛み合わせた状態で自転を阻止されつつ公転旋回可能にハウジング11に支持し、このハウジング11内をディスク44により仕切って吸入室39及び吐出室41を設けると共に、各スクロール14,15のうず巻ラップ45,51とが噛み合うことで圧縮室40を区画し、この圧縮室40に残留する潤滑油を吸入室39に戻す油戻し通路59を設けている。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだガスは吸入室39から圧縮室40に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室40の容積が漸次減少することで圧縮され、このとき、ミスト状の潤滑油は冷媒ガスから分離されて圧縮室40の壁面に付着するため、この潤滑油は各スクロール14,15の噛み合い部によりかき集められ、油戻し通路59を通して吸入室39に戻される一方、高圧の冷媒ガスは吐出室41に送られることとなり、吐出室41にオイルセパレータなどを設ける必要がなく、高圧の冷媒ガスに含有する循環油を確実に吸入室39に戻すことができ、また、装置の大型化及び複雑化を抑制することができる。
また、油戻し通路59を旋回スクロール15のディスク50におけるうず巻ラップ51の付根近傍に形成している。従って、圧縮室40でガスから分離された潤滑油は、この圧縮室40の壁面に付着しやすいため、油戻し通路59を旋回スクロール15のディスク51におけるうず巻ラップ51の付根近傍に形成することで、各スクロール15,15の噛み合い部によりかき集められた潤滑油が油戻し通路59から吸入室39に戻りやすくなり、潤滑油を効率良く吸入室に戻すことができる。
更に、油戻し通路59により圧縮室40に残留する潤滑油を吸入室39における回転軸16の軸受部に供給可能としている。従って、圧縮室40でガスから分離された潤滑油は、油戻し通路59から吸入室39に位置する回転軸16の軸受部、つまり、偏心軸54、ドライブブッシュ55、軸受56の近傍に積極的に戻されることとなり、この回転軸16の潤滑を確実に行い、信頼性を向上することができる。
図4は、本発明の実施例2に係るスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2のスクロール圧縮機において、図4に示すように、旋回スクロール15は、ディスク50にうず巻ラップ51により浅底部50a及び深底部50bが設けられており、この浅底部50aと深底部50bの間に設けられた円弧形状をなす底部側段付部52に油戻し通路61が形成されている。この油戻し通路59は、旋回スクロール15のディスク50におけるうず巻ラップ51の付根近傍に形成されており、一端が圧縮室に開口し、他端が吸入室における回転軸の軸受部の近傍に開口している。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスは圧縮室に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室の容積が漸次減少することで圧縮されるが、この圧縮室では、冷媒ガスからミスト状の潤滑油が分離される。そして、この分離した潤滑油は、固定スクロールに対して旋回スクロール15が回転することで、その噛み合い部によりかき集められ、圧縮室の圧力により油戻し通路61を通して吸入室側に戻される。
即ち、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが圧縮室で圧縮されると、冷媒ガスから分離された潤滑油は、この圧縮室の内壁面、特に、旋回スクロール15の底部側段付部52の近傍によどんでたまりやすい。そのため、旋回スクロール15が回転することで、この旋回スクロール15のうず巻ラップ51が各スクロール15の表面、特に、旋回スクロール15の底部側段付部52、この底部側段付部52に対応した固定スクロールの底部側段付部に付着している潤滑油をかき集めて油戻し通路61に導き、圧力差により吸入室側に潤滑油を送り出すことができる。そして、圧縮室で冷媒ガスから分離された潤滑油は、回転軸の軸受部に供給されることとなる。
このように実施例2のスクロール圧縮機にあっては、旋回スクロール15にて、ディスク50にうず巻ラップ51により浅底部50aと深底部50bを設けることで円弧形状をなす底部側段付部52を設け、この底部側段付部52に油戻し通路61を設けている。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだガスは吸入室から圧縮室に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室の容積が漸次減少することで圧縮されるとき、ミスト状の潤滑油が冷媒ガスから分離されて圧縮室の壁面、特に、旋回スクロール15の底部側段付部52の近傍によどんでたまりやすいため、この旋回スクロール15の回転によりこの潤滑油は各スクロール15の噛み合い部によりかき集められ、油戻し通路61を通して吸入室に戻される一方、高圧の冷媒ガスは吐出室に送られることとなり、高圧の冷媒ガスに含有する循環油を効率良く吸入室に戻すことができる。
なお、この実施例2では、旋回スクロール15底部側段付部52にて、外側のうず巻ラップ51の付根近傍に油戻し通路61を形成したが、底部側段付部52における内側のうず巻ラップ51の付根近傍に油戻し通路61を形成してもよい。また、円弧状をなす底部側段付部52上において、外側のうず巻ラップ51の付根近傍と底部側段付部52における内側のうず巻ラップ51の付根近傍の間のいずれの箇所にも油戻し通路61を形成してもよい。
図5は、本発明の実施例3に係るスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3のスクロール圧縮機において、図5に示すように、固定スクロール14は、ハウジングに固定されたディスク44と、このディスク44の片面に形成されたうず巻状ラップ45とを有しており、ディスク44の中央には吐出室41に連通する吐出ポート46が設けられている。一方、旋回スクロール15は、ディスク50と、このディスク50の片面に形成されたうず巻状ラップ51とを有しており、固定スクロール14のうず巻状ラップ45に対して旋回スクロール15のうず巻状ラップ51が噛み合うように組み合わされ、各ラップ45,51の間に圧縮室40が形成されている。
そして、固定スクロール14に対して旋回スクロール15が旋回することで圧縮室40内の冷媒ガスが圧縮され、所定の圧力になると吐出ポート46が開放して高圧の冷媒ガスを吐出室に吐出するが、本実施例では、この吐出ポート46を開放する前に圧縮室40と吸入室とを連通可能な位置に油戻し通路62が形成されている。この油戻し通路62は、旋回スクロール15のディスク50におけるうず巻ラップ51の付根近傍に形成されており、一端が圧縮室40に開口し、他端が吸入室における回転軸の軸受部の近傍に開口している。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスは圧縮室40に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室40の容積が漸次減少することで圧縮されるが、この圧縮室40では、冷媒ガスからミスト状の潤滑油が分離される。そして、この分離した潤滑油は、固定スクロール14に対して旋回スクロール15が回転することで、その噛み合い部によりかき集められ、吐出ポート46が開放それる前に、圧縮室40の圧力により油戻し通路61を通して吸入室側に戻される。
即ち、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが圧縮室40で圧縮されると、冷媒ガスから分離された潤滑油は、この圧縮室40の内壁面に付着しやすい。そのため、吐出ポート46が閉止した状態で旋回スクロール15が回転することで、この旋回スクロール15のうず巻ラップ51が各スクロール14,15の表面に付着している潤滑油をかき集めて油戻し通路62に導き、圧力差により吸入室側に潤滑油を送り出すことができる。そして、潤滑油を油戻し通路62により吸入室側に送り出した後、吐出ポート46が開放されることで、圧縮室40の高圧冷媒ガスが吐出室に吐出されることとなる。
このように実施例3のスクロール圧縮機にあっては、固定スクロール14に対して旋回スクロール15が旋回することで圧縮室40内の冷媒ガスが圧縮され、その後に吐出ポート46が開放する前に圧縮室40と吸入室とを連通するように、旋回スクロール15の所定の位置に油戻し通路62を設けている。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだガスは吸入室から圧縮室40に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室40の容積が漸次減少することで圧縮されるとき、ミスト状の潤滑油が冷媒ガスから分離されて圧縮室40の内壁面に付着しやすいため、この旋回スクロール15の回転によりこの潤滑油は各スクロール15の噛み合い部によりかき集められ、吐出ポート46が開放する前に油戻し通路62が開放して潤滑油が吸入室に戻される一方、その後に吐出ポート46が開放されると、高圧の冷媒ガスが吐出室に送られることとなり、潤滑油を吐出ポート46から吐出室に排出することなく、吸入室に確実に戻すことができる。
図6は、本発明の実施例4に係るスクロール圧縮機を表す断面図、図7は、実施例4のスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4のスクロール圧縮機において、図6及び図7に示すように、固定スクロール14は、ハウジング11に固定されたディスク44と、このディスク44の片面に形成されたうず巻状ラップ45とを有し、ディスク44の中央に吐出ポート46が設けられている。一方、旋回スクロール15は、ディスク50と、このディスク50の片面に形成されたうず巻状ラップ51とを有し、固定スクロール14のうず巻状ラップ45に対して旋回スクロール15のうず巻状ラップ51が噛み合うように組み合わされ、各ラップ45,51の間に圧縮室40が形成されている。
そして、固定スクロール14に対して旋回スクロール15が旋回することで圧縮室40内の冷媒ガスが圧縮され、所定の圧力になると吐出ポート46が開放して高圧の冷媒ガスを吐出室に吐出する。本実施例では、旋回スクロール15のディスク50及びうず巻状ラップ51を貫通して油戻し通路71が形成されている。即ち、旋回スクロール15にて、一端部が吸入室39(低圧室25)に開口する第1通路72がディスク50の軸心方向に沿って形成され、この第1通路71の他端部は、ディスク44に径方向に沿って形成された第2通路73の一端部に連通し、この第2通路73の他端部は、一端部が圧縮室40側に開口してうず巻状ラップ51に軸心方向に沿って形成された第3通路74の他端部に連通しており、この互いに連通する3つの通路71,72,73により油戻し通路71が構成されている。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスは圧縮室40に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室40の容積が漸次減少することで圧縮されるが、この圧縮室40では、冷媒ガスからミスト状の潤滑油が分離される。そして、この分離した潤滑油は、固定スクロール14に対して旋回スクロール15が回転することで、その噛み合い部によりかき集められ、圧縮室40の圧力により油戻し通路71を通して吸入室39側に戻される。
即ち、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが圧縮室40で圧縮されると、冷媒ガスから分離された潤滑油は、この圧縮室40の内壁面、特に、固定スクロールにおけるうず巻ラップ45の付根近傍に付着しやすい。そのため、旋回スクロール15が回転することで、この旋回スクロール15のうず巻ラップ51が固定スクロール15の表面に付着している潤滑油をかき集めて油戻し通路71に導き、圧力差により吸入室39側に送り出すことができる。そして、圧縮室40で冷媒ガスから分離された潤滑油は、回転軸16の軸受部に供給されることとなる。
このように実施例4のスクロール圧縮機にあっては、旋回スクロール15にて、旋回スクロール15のディスク50及びうず巻状ラップ51を貫通し、うず巻状ラップ51の先端側で圧縮室40に開口する油戻し通路71を設けている。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだガスは吸入室から圧縮室40に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室40の容積が漸次減少することで圧縮されるとき、ミスト状の潤滑油が冷媒ガスから分離されて圧縮室40の内壁面、特に、固定スクロール14のうず巻ラップ45の付根近傍に付着しやすいため、この旋回スクロール15の回転によりこの潤滑油は各スクロール15の噛み合い部によりかき集められ、うず巻状ラップ51の先端側から油戻し通路71に入り込み、この油戻し通路71を通して吸入室39に戻される一方、高圧の冷媒ガスは吐出室に送られることとなり、高圧の冷媒ガスに含有する循環油を効率良く吸入室に戻すことができる。
図8は、本発明の実施例5に係るスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5のスクロール圧縮機において、図8に示すように、旋回スクロール15は、ディスク50と、このディスク50の片面に形成されたうず巻状ラップ51とを有し、このうず巻状ラップ51の上縁に中心部側が低く外周端側が高い壁体側段付部53が形成され、壁体側段付部53を挟んでうず巻状ラップ51の各上縁にチップシール51a,51bが形成されている。そして、固定スクロールのうず巻状ラップに対して旋回スクロール15のうず巻状ラップ51が噛み合うように組み合わされることで、両者の間に圧縮室が形成されている。そして、旋回スクロール15のディスク50及びうず巻状ラップ51を貫通して油戻し通路76が形成され、この油戻し通路76は、一端部が外周端側の高いチップシール51b内に開口している。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが圧縮室で圧縮されると、冷媒ガスから分離された潤滑油は、この圧縮室の内壁面、特に、固定スクロールにおけるうず巻ラップの付根近傍に付着しやすい。そのため、旋回スクロール15が回転することで、この旋回スクロール15のうず巻ラップ51が固定スクロールの表面に付着している潤滑油をかき集めて油戻し通路76に導き、圧力差により吸入室側に送り出すことができる。そして、圧縮室で冷媒ガスから分離された潤滑油は、回転軸の軸受部に供給されることとなる。
このように実施例5のスクロール圧縮機にあっては、旋回スクロール15にて、旋回スクロール15のディスク50及びうず巻状ラップ51を貫通し、うず巻状ラップ51の先端のチップシール51bで圧縮室に開口する油戻し通路76を設けている。従って、旋回スクロール15の回転によりこの潤滑油は各スクロール15の噛み合い部によりかき集められ、うず巻状ラップ51のチップシール51b近傍から油戻し通路76に入り込み、この油戻し通路76を通して吸入室に戻されることとなり、高圧の冷媒ガスに含有する循環油を効率良く吸入室に戻すことができる。
図9は、本発明の実施例6に係るスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例6のスクロール圧縮機において、図9に示すように、旋回スクロール15は、ディスク50とうず巻状ラップ51とを有し、このうず巻状ラップ51の上縁に壁体側段付部53を挟んでチップシール51a,51bが形成されている。本実施例では、旋回スクロール15のディスク50及びうず巻状ラップ51を貫通して油戻し通路77が形成され、この油戻し通路77は、一端部が外周端側の低いチップシール51a内に開口している。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが圧縮室で圧縮されると、冷媒ガスから分離された潤滑油は、この圧縮室の内壁面、特に、固定スクロールにおけるうず巻ラップの付根近傍に付着しやすい。そのため、旋回スクロール15が回転することで、この旋回スクロール15のうず巻ラップ51が固定スクロールの表面に付着している潤滑油をかき集めて油戻し通路77に導き、圧力差により吸入室側に送り出すことができる。そして、圧縮室で冷媒ガスから分離された潤滑油は、回転軸の軸受部に供給されることとなる。
このように実施例6のスクロール圧縮機にあっては、旋回スクロール15にて、旋回スクロール15のディスク50及びうず巻状ラップ51を貫通し、うず巻状ラップ51の先端のチップシール51aで圧縮室に開口する油戻し通路77を設けている。従って、旋回スクロール15の回転によりこの潤滑油は各スクロール15の噛み合い部によりかき集められ、うず巻状ラップ51のチップシール51b近傍から油戻し通路77に入り込み、この油戻し通路77を通して吸入室に戻されることとなり、高圧の冷媒ガスに含有する循環油を効率良く吸入室に戻すことができる。
図10は、本発明の実施例7に係るスクロール圧縮機を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例7のスクロール圧縮機において、図10に示すように、固定スクロール14は、ハウジング11に固定されたディスク44と、このディスク44に形成されたうず巻状ラップ45と、ディスク44の中央に形成された吐出ポート46とを有している。一方、旋回スクロール15は、ディスク50と、このディスク50に形成されたうず巻状ラップ51とを有し、固定スクロール14のうず巻状ラップ45に対して旋回スクロール15のうず巻状ラップ51が噛み合うように組み合わされ、両者の間に圧縮室40が形成されている。
そして、本実施例では、旋回スクロール15の軸中心に位置して、ディスク50を貫通する油戻し通路59が形成されると共に、ディスク50の軸中心に形成された油戻し通路59から所定距離離間した位置に、ディスク50を貫通する別の油戻し通路81が形成されている。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが圧縮室40に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室40で圧縮されると、冷媒ガスからミスト状の潤滑油が分離され、この分離した潤滑油は圧縮室40の内壁面に付着しやすい。そのため、旋回スクロール15が回転することで、この旋回スクロール15のうず巻ラップ51が圧縮室40の内壁面に付着している潤滑油をかき集めて各油戻し通路59,81に導き、圧力差により吸入室39側に送り出すことができる。この場合、圧縮室40で冷媒ガスから分離された潤滑油は、油戻し通路59により吸入室39(低圧室25)の中心部に戻されると共に、油戻し通路81により吸入室39(低圧室25)の外周部に戻される。即ち、油戻し通路59から吸入室39に戻された潤滑油は、回転軸16の軸受部に供給され、油戻し通路81から吸入室39に戻された潤滑油は、自転阻止機構57の近傍に供給されることとなる。また、油戻し通路81から吸入室39に戻された潤滑油は、吸入口26,27から吸入された冷媒ガスと良好に混合し、ハウジング11内の摺動部分全体に供給される。
このように実施例7のスクロール圧縮機にあっては、旋回スクロール15にて、軸中心に位置する油戻し通路59を設けると共に、軸中心から所定距離離間して位置する別の油戻し通路81を設けている。従って、複数の油戻し通路59,81により圧縮室40で分離された潤滑油を吸入室39の積極的に戻すと共に、油戻し通路81により潤滑油を吸入室39の上方に戻して吸入口26,27から吸入された冷媒ガスと良好に混合することで、潤滑油をハウジング11内の摺動部分全体に供給して潤滑性能を向上することができる。
図11は、本発明の実施例8に係るスクロール圧縮機を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例8のスクロール圧縮機において、図11に示すように、固定スクロール14は、ハウジング11に固定されたディスク44と、このディスク44に形成されたうず巻状ラップ45と、ディスク44の中央に形成された吐出ポート46とを有している。一方、旋回スクロール15は、ディスク50と、このディスク50に形成されたうず巻状ラップ51とを有し、固定スクロール14のうず巻状ラップ45に対して旋回スクロール15のうず巻状ラップ51が噛み合うように組み合わされ、両者の間に圧縮室40が形成されている。
そして、本実施例では、旋回スクロール15のほぼ軸中心に位置して、ディスク50を貫通する油戻し通路91が形成されており、この油戻し通路91は、吐出室41に開口する開口部92と、この開口部92と吸入室39(低圧室25)とを連通して開口部92の内径より小さい内径の絞り部93とから構成されている。
従って、ミスト状の潤滑油を含んだ冷媒ガスが圧縮室40に導入され、旋回スクロール15が旋回して圧縮室40で圧縮されると、冷媒ガスからミスト状の潤滑油が分離され、この分離した潤滑油は圧縮室40の内壁面に付着しやすい。そのため、旋回スクロール15が回転することで、この旋回スクロール15のうず巻ラップ51が圧縮室40の内壁面に付着している潤滑油をかき集めて油戻し通路91に導き、圧力差により吸入室39側に送り出すことができる。この場合、油戻し通路91に絞り部93が設けられているため、圧縮室40の圧力変動にかかわらず、潤滑油を確実に吸入室39に戻される。
このように実施例8のスクロール圧縮機にあっては、旋回スクロール15のディスク50に絞り部93を有する油戻し通路91を設けている。従って、圧縮室40の圧力変動にかかわらず、所定量の潤滑油を吸入室39に確実に戻すことができ、常時安定した潤滑油の戻り量を確保することで、信頼性を向上することができる。
なお、上述した各実施例において、油戻し通路59,61,62,71,76,77,81,91の形状、個数、位置などは実施例に限定されるものではなく、適宜、スクロール圧縮機の形式、形状、用途などに応じて設定すればよいものである。
本発明に係るスクロール圧縮機は、圧縮室に残留する潤滑油を吸入室に戻す油戻し通路を設けるものであり、内部に一対のスクロールを有する圧縮機に適用して有用である。
本発明の実施例1に係るスクロール圧縮機を表す断面図である。 実施例1のスクロール圧縮機における固定スクロールの概略斜視図である。 実施例1のスクロール圧縮機における旋回スクロールの概略斜視図である。 本発明の実施例2に係るスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。 本発明の実施例3に係るスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。 本発明の実施例4に係るスクロール圧縮機を表す断面図である。 実施例4のスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。 本発明の実施例5に係るスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。 本発明の実施例6に係るスクロール圧縮機における旋回スクロールの正面図である。 本発明の実施例7に係るスクロール圧縮機を表す断面図である。 本発明の実施例8に係るスクロール圧縮機を表す断面図である。
符号の説明
11 ハウジング
12 圧縮部
13 駆動装置
14 固定スクロール
15 旋回スクロール
16 回転軸
25 低圧室
26,27 吸入口
39 吸入室
40 圧縮室
41 吐出室
42 吐出口
46 吐出ポート
50 ディスク(端板)
51 うず巻ラップ(壁体)
52 底部側段付部
54 偏心部
59,61,62,71,76,77,81,91 油戻し通路
93 絞り部

Claims (8)

  1. ハウジングと、うず巻状の壁板を有して端板が前記ハウジングに固定された固定スクロールと、うず巻状の壁体を有して該壁体が前記固定スクロールの壁体に噛み合わせた状態で自転を阻止されつつ公転旋回可能に支持された旋回スクロールと、該旋回スクロールを旋回駆動する駆動手段と、前記ハウジング内が前記固定スクロールの端板により仕切られて設けられた吸入室及び吐出室と、前記固定スクロールの壁体と前記旋回スクロールの壁体とが噛み合うことで区画された圧縮室と、該圧縮室に残留する潤滑油を前記吸入室に戻す油戻し通路とを具えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記油戻し通路は、前記旋回スクロールの端板における前記壁体の付根近傍に形成されたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項2に記載のスクロール圧縮機において、前記油戻し通路は、前記旋回スクロールの端板における段付部に形成されたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記固定スクロールの中心部に前記圧縮室と前記吐出室とを連通する吐出ポートが設けられ、前記油戻し通路は、前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールが旋回し、前記吐出ポートを開放する前に前記圧縮室と前記吸入室とを連通可能な位置に設けられたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記油戻し通路は、前記圧縮室に残留する潤滑油を前記吸入室における回転軸の軸受部に供給可能であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記油戻し通路は、前記旋回スクロールの端板及び壁体を貫通して形成されたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記油戻し通路は、前記旋回スクロールの中心から所定距離離間した位置に形成されたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  8. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記油戻し通路は、絞り部を有することを特徴とするスクロール圧縮機。
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