JP2006241858A - 足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】形状及び寸法を正確な精度で大量生産しうるとともに、優れた機械的強度を有する足場パイプ用ソケットユニット、同製造方法及びこれを用いた足場パイプを提供する。
【解決手段】ソケット部11〜14において、2つの側壁111〜141、112〜142は、底部壁115〜145の両側で垂直に立ち上がり、互いに相対向する。ソケット部11〜14は90度ずつ異ならせて配置され、隣接する端縁113〜143で連結されている。パイプ挿入孔16は、ソケット部11〜14によって囲まれている。溶接孔17は、連結部分15において貫通して備えられている。
上述した足場パイプ用ソケットユニット10は、パイプ部材20と組み合わせて、足場パイプとして用いられる。パイプ部材20はパイプ挿入孔16に挿入されており、溶接孔16を通じて足場パイプ用ソケットユニット10が溶接されている。
【選択図】 図1
【解決手段】ソケット部11〜14において、2つの側壁111〜141、112〜142は、底部壁115〜145の両側で垂直に立ち上がり、互いに相対向する。ソケット部11〜14は90度ずつ異ならせて配置され、隣接する端縁113〜143で連結されている。パイプ挿入孔16は、ソケット部11〜14によって囲まれている。溶接孔17は、連結部分15において貫通して備えられている。
上述した足場パイプ用ソケットユニット10は、パイプ部材20と組み合わせて、足場パイプとして用いられる。パイプ部材20はパイプ挿入孔16に挿入されており、溶接孔16を通じて足場パイプ用ソケットユニット10が溶接されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプに関する。
建築物の外装工事など高所作業を行う場合、建築物の外壁に沿って、足場が設置される。この種の足場に用いられる足場パイプは、例えば特許文献1及び2に記載されているように、楔タイプのブラケット又は足場布板(以下、ブラケット等と称する)を受けるため、パイプ部材の外周面に4つの楔受け用ソケット部が備えられる。そして足場パイプにブラケット等を設置するにあたっては、ブラケット等に備えられた楔を足場パイプのソケット部に打ち込んで固定する。
この種の足場パイプは、その用途から、高所作業者の身体及び生命の安全を充分に確保しうる構造を備えていることが重要となる。具体的に、足場パイプは、各構成部分の形状及び寸法が正確な精度で成形されており、ブラケット等の楔をソケット部に打ち込んだ場合、両者の結合状態を安定的に確保し得ることが重要となる。
例えば、足場パイプを構成するパイプ部材及びソケット部の形状及び寸法が、正確な精度で成形されていないと、足場の設置時において、ブラケット等の楔を確実にソケット部の内部に配置することができない不都合を生じる。
また、足場パイプは、足場の一部として長期間に渡って設置され、使用されるものである。従って、一旦、楔をソケット部に配置し得たとしても、パイプ部材及びソケット部の形状及び寸法が、正確な精度で成形されていないと、例えば、作業員が足場を移動することにより生じる振動等により楔がソケット部から浮き上がり、ブラケット等のがたつきや脱落事故が生じるなど、楔とソケット部との結合状態を安定的に確保することができない不都合を生じる。
さらに、足場パイプは、作業員が移動するブラケット等を支持するために用いられるものであるから、優れた機械的強度を備え、パイプ部材及びソケット部に破断や脱落等の不具合が生じないことが重要となる。
上述した技術的課題について、特許文献1及び2に記載の従来技術では、充分にこれを解決することができなかった。
例えば、特許文献1の足場パイプにおいて、ソケット部は一枚板を多数箇所でプレス成形して得られるものであるから、ソケット部の各角部の直角が出しにくく、しかも、各辺にゆがみが生じる不都合を回避することができない。ソケット部にこのような欠陥が生じると、製品の寸法や形状の精度に狂いを生じてしまい、楔を打ち込んでも、確実に固定し、且、固定し続けることが困難である。
また、ソケット部は一枚板を多数箇所でプレス成形して得られるものであるから、金属疲労を生じる折り曲げ箇所が多数存在することとなる。ソケット部にこのような欠陥が生じると、金属疲労による強度劣化が生じ、ブラケット等と組み合わせた場合に、ソケット部の破断によるブラケット等の脱落事故が発生する問題を生じる。
さらに、特許文献1は、前記プレス成形後の板状体を湾曲させ、両端部を結合してソケットを形成する。この構成によると、前記折り曲げ箇所に、再度曲げ圧力が加えられることとなるから、金属疲労による強度劣化の危険性が増大する問題を生じる。
加えて、特許文献1の足場パイプにおいて、ソケット部と、パイプ部材とは、上下両端縁でのみ溶接せざるをえないから、溶接箇所及び溶接量が少なく、ソケット部とパイプ部材との結合強度が不十分であって、ブラケット等と組み合わせた場合に、ソケット部の脱落によるブラケット等の脱落事故が発生する問題を生じる。
一方、特許文献2の足場パイプは、4つのソケット部をそれぞれ足場パイブに溶接するから、パイプ部材に対するソケット部の溶接箇所及び溶接量が過多となる。通常、ソケット部の壁厚は4.3mm程度であるのに対し、パイプ部材の壁厚は2.6mm程度である。従って、溶接箇所及び溶接量が多くなりすぎると、パイプ部材が溶接時の熱膨張により変形や湾曲する不都合を生じる。パイプ部材にこのような欠陥が生じると、ソケット部にブラケット等の楔を打ち込むことが困難となるため、従来は溶接後にパイプ部材に生じた変形や湾曲を整形する必要があった。しかし、このような整形作業は作業効率上の問題を生じるとともに、金属疲労による強度劣化の原因となるため回避しなければならない。
特開2004−116237号公報
特開2003−120016号公報
本発明の課題は、各構成部分の形状及び寸法を正確な精度で成形することができる足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプを提供することである。
本発明のもう1つの課題は、優れた機械的強度を確保しうる足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプを提供することである。
本発明のさらにもう1つの課題は、製造効率を向上することができる足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプを提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットは、4つのソケット部と、パイプ挿入孔と、溶接孔とを含む。ソケット部のそれぞれは、2つの側壁と、底部壁とを含む。2つの側壁は、底部壁の両側で垂直に立ち上がるとともに、互いに相対向する。4つのソケット部は、90度ずつ異ならせて順次に隣接して配置され、隣接する2つのソケット部が、側壁の端縁で相互に連結されている。パイプ挿入孔は、4つのソケット部によって囲まれている溶接孔は、側壁の連結部分において、外面から内面に貫通して備えられている。
上述した足場パイプ用ソケットユニットは、パイプ部材と組み合わせて、足場パイプとして用いられる。パイプ部材は、足場パイプ用ソケットユニットのパイプ挿入孔に挿入され、溶接孔を通じて足場パイプ用ソケットユニットが溶接される。
ここで、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットは、4つのソケット部を含んでおり、4つのソケット部は、90度ずつ異ならせて順次に隣接して配置され、隣接する2つのソケット部が、側壁の端縁で相互に連結されている。つまり、ソケットユニットとして完成している点で、パイプ部材の上でソケットユニットを構成する特許文献2とは異なる。従って、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットによると、足場パイプにおいて、パイプ部材に対するソケット部の溶接箇所及び溶接量を適正範囲まで低減し、パイプ部材が溶接時の熱膨張により変形や湾曲する不都合を解消することができるから、足場パイプを構成するパイプ部材及びソケットユニットの形状及び寸法を、正確な精度で成形することができる。
また、パイプ部材が溶接時の熱膨張により変形や湾曲する不都合を解消することにより、溶接後のパイプ部材の整形作業が不要となる。従って、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニット、及び、これを用いた足場パイプによると、製造効率を向上し得るとともに、整形作業による金属疲労の発生を回避することができる。
本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットは、パイプ挿入孔を含む。パイプ挿入孔は、4つのソケット部によって囲まれているから、パイプ部材をパイプ挿入孔に案内することができる。
さらに、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットは、溶接孔を含む。溶接孔は、側壁の連結部分において、外面から内面に貫通して備えられている。パイプ部材は、パイプ挿入孔に挿入されており、溶接孔を通じて足場パイプ用ソケットユニットが溶接されている。即ち、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットは、上下両端縁に加え、溶接孔の内部でパイプ部材と溶接することができる。従って、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニット、及び、これを用いた足場パイプは、特許文献1とは異なって、パイプ部材と足場パイプ用ソケットユニットとの溶接構造において、充分な溶接箇所を確保することができる。
本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットの製造方法は、第1の工程と、第2の工程とを含む。第1の工程は、金属板を成形して側壁の端縁に切欠を有するソケット用部材を製造する。第2の工程は、4つのソケット用部材を順次連結する。
上述した足場パイプ用ソケットユニットの製造方法によると、第1の工程において、4つのソケット用部材が、それぞれ別々に製造されているから、各角部の直角や切欠の成形を高精度で実行し、各辺にゆがみが生じる不都合を回避することができる。
しかも、第1の工程により製造された4つのソケット用部材は、第2の工程において順次連結されるから、ソケット用部材の各構成部分の精度を損なうことなくソケットニットとして完成させることができる。
また、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットの製造方法によると、4つのソケット用部材は、第2の工程において順次連結されるから、特許文献1とは異なって、金属疲労を生じる折り曲げ箇所を低減することができる。従って、足場パイプ用ソケットユニットは、優れた機械的強度を備えることができる。
さらに、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットの製造方法によると、4つのソケット用部材は、第2の工程において順次連結されるから、特許文献1とは異なって、第1の工程において形成された折り曲げ箇所に再度曲げ圧力が加えられることはない。従って、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットは、優れた機械的強度を備えることができる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)各構成部分の形状及び寸法を正確な精度で成形することができる足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプを提供することができる。
(2)優れた機械的強度を確保しうる足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプを提供することができる。
(3)製造効率を向上することができる足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプを提供することができる。
(1)各構成部分の形状及び寸法を正確な精度で成形することができる足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプを提供することができる。
(2)優れた機械的強度を確保しうる足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプを提供することができる。
(3)製造効率を向上することができる足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプを提供することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る足場パイプ用ソケットユニットの斜視図、図2は図1に示した足場パイプ用ソケットユニットの平面図、図3は図1に示した足場パイプ用ソケットユニットの正面図である。
図1乃至図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る足場パイプ用ソケットユニットは、第1のソケット部11と、第2のソケット部12と、第3のソケット部13と、第4のソケット部14と、パイプ挿入孔16と、溶接孔17とを含む。
第1のソケット部11は、第1の側壁111と、第2の側壁112と、底部壁115とを含み、好ましくは金属材料を用いて構成されている。
第1及び第2の側壁111、112は、底部壁115の両側で垂直程度に立ち上がるとともに、互いに相対向する。即ち、第1のソケット部11は、第1及び第2の側壁111、112と、底部壁115により形成される内部空間110を有している。内部空間110は、矢印Lで示す長手方向の両端に開口部117、117を有する(図2参照)。
図1乃至図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る足場パイプ用ソケットユニットにおいて、底部壁115は、長手方向Lの一端側に傾斜して延びており、内部空間110は、第1及び第2の側壁111、112と、底部壁115とにより広口の楔状に形成されている。
第2〜第4のソケット部12〜14は、第1のソケット部11と同様の基本的構成を備えることができる。以下、第1のソケット部11の構成を踏まえ簡潔に述べる。
第2のソケット部12は、第1の側壁121と、第2の側壁122と、底部壁125とを含む。第1及び第2の側壁121、122は、底部壁125の両側で垂直程度に立ち上がるとともに、互いに相対向する。即ち、第2のソケット部12は、第1及び第2の側壁121、122と、底部壁125により形成される内部空間120を有しており、内部空間110は、長手方向Lの両端に開口部127、127を有する(図2参照)。
第3のソケット部13は、第1の側壁131と、第2の側壁132と、底部壁135とを含む。第1及び第2の側壁131、132は、底部壁135の両側で垂直程度に立ち上がるとともに、互いに相対向する。即ち、第3のソケット部13は、第1及び第2の側壁131、132と、底部壁135により形成される内部空間130を有しており、内部空間110は、長手方向Lの両端に図示しない開口部(137、137)を有する。
第4のソケット部14は、第1の側壁141と、第2の側壁142と、底部壁145とを含む。第1及び第2の側壁141、142は、底部壁145の両側で垂直程度に立ち上がるとともに、互いに相対向する。即ち、第4のソケット部14は、第1及び第2の側壁141、142と、底部壁145により形成される内部空間140を有しており、内部空間110は、長手方向Lの両端に開口部147、147を有する(図2参照)。
第1〜第4のソケット部11〜14は、90度ずつ異ならせて順次に隣接して配置され、隣接する2つのソケット部の連結部分15が、溶接部18により予め相互に溶接されて、ソケットユニットとして完成されている。第1〜第4のソケット部11〜14は、基本的には、上端面が同一位置にあるように配置される。これとは異なって、段違いに配置してもよい。
本発明の一実施形態に係る足場パイプ用ソケットユニットは、パイプ挿入孔16を含む。パイプ挿入孔16は、第1〜第4のソケット部11〜14によって囲まれており、第1〜第4のソケット部11〜14の相対向面間を、長手方向Lに沿って伸びている。
本発明の一実施形態に係る足場パイプ用ソケットユニットは、溶接孔17を含む。溶接孔17は、第1〜第4のソケット部11〜14の連結部分15において、外面から内面に貫通して備えられている。
図1乃至図3を参照して説明した足場パイプ用ソケットユニットは、パイプ部材と組み合わされて、足場パイプを構成する。次に、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットを用いた足場パイプについて説明する。図4は、本発明に係る足場パイプについて一部を省略して示す斜視図である。図4において、図1乃至図3に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図4を参照すると、本発明の一実施形態に係る足場パイプは、足場パイプ用ソケットユニット10と、パイプ部材20とを含む。足場パイプ用ソケットユニット10は、図1乃至図3を参照して説明したものでなる。
パイプ部材20は、パイプ挿入孔16(図2参照)に挿入されており、足場パイプ用ソケットユニット10の上端及び下端部分の二点に溶接部18が形成されるとともに、溶接孔17の内部に溶接部18が形成されている。即ち、足場パイプ用ソケットユニット10は、三点に備えられた溶接部18により、内周面が、パイプ部材20の外周面21に溶接されて連結固定される。なお、通常は溶接作業の簡略化を図るため、上述した三点の溶接部18は一体的に形成されるが、ソケットユニット10とパイプ部材20との溶接箇所及び溶接量は、図4に示した態様と同一である。
本発明の一実施形態に係る足場パイプにおいて、パイプ部材20は、足場パイプ用ソケットユニット10に挿入されている。足場パイプ用ソケットユニット10は、第1〜第4のソケット部11〜14が、90度ずつ異ならせて順次に隣接して配置され、隣接する2つのソケット部の連結部分15が、溶接部18により予め相互に溶接されている。つまり、第1〜第4のソケット部11〜14は、ソケットユニットとして完成している点で、パイプ部材20の上でソケットユニットを構成する特許文献2とは異なる。従って、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニット10によると、足場パイプにおいて、パイプ部材20に対する第1〜第4のソケット部11〜14の溶接箇所及び溶接量を適正範囲まで低減しし、パイプ部材20が溶接時の熱膨張により変形や湾曲する不都合を解消することができるから、足場パイプを構成するソケットユニット10及びパイプ部材20の形状及び寸法を、正確な精度で成形することができる。
また、パイプ部材20が溶接時の熱膨張により変形や湾曲する不都合を解消することにより、溶接後のパイプ部材20の整形作業が不要となる。従って、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニット10、及び、これを用いた足場パイプによると、整形作業による金属疲労による強度劣化を回避し、優れた機械的強度を備えることができる。
また、足場パイプ用ソケットユニット10は、パイプ挿入孔16を含む。パイプ挿入孔16は、第1〜第4のソケット部11〜14によって囲まれており、長手方向Lに貫通して備えられているから、予め用意しておいたパイプ部材20をパイプ挿入孔16に案内することができる。
さらに、足場パイプ用ソケットユニット10は、溶接孔17を含む。溶接孔17は、連結部分15において、外面から内面に貫通して備えられている。パイプ部材20は、パイプ挿入孔16(図2参照)に挿入されており、足場パイプ用ソケットユニット10の上端及び下端部分の二点に溶接部18が形成されるとともに、溶接孔17の内部に8が形成されている。即ち、足場パイプ用ソケットユニット10は、三点に備えられた溶接部18により、内周面が、パイプ部材20の外周面21に溶接されて連結固定されている。従って、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニット、及び、これを用いた足場パイプは、特許文献1とは異なって、足場パイプ用ソケットユニット10とパイプ部材20との溶接構造において、必要充分、且、適当な溶接箇所及び溶接量を確保することができる。
パイプ部材20は、パイプ挿入孔16に挿入されている。即ち、パイプ部材20は、足場パイプ用ソケットユニット10とは別個の部材であるから、予め足場パイプ用ソケットユニット10と、パイプ部材20とは別々に効率よく、且、高精度で製造することができる。
パイプ部材20は、パイプ挿入孔16に挿入されており、パイプ本体の外周面21に足場パイプ用ソケットユニット10が備えられているから、具体的な施工条件に追従してパイプ部材20に、足場パイプ用ソケットユニット10を組み合わせることができる。
図5は本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットの製造方法を示す斜視図、図6は図5に示した工程の後の工程を示す斜視図、図7は図6に示した工程の後の工程を示す斜視図である。図5乃至図7において、図1乃至図4に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図5乃至図7を参照すると、本発明の一実施形態に係る足場パイプ用ソケットユニットの製造方法は、第1の工程と、第2の工程とを含む。4つのソケット用部材は、端的には図1乃至図3を参照して説明した第1〜第4のソケット部11〜14である。以下、説明の都合上、4つのソケット用部材のそれぞれに、11〜14と符号を付して説明する。
図5を参照すると、第1の工程では、金属板を成形して第1及び第2の側壁111、121の端縁113に切欠170を有するソケット用部材11を製造する。さらに詳細に説明すると、金属板を所望の長さで切断するとともに、長さ方向の両端に切欠170を形成し、更にプレス成形して、第1及び第2の側壁111、121を成形する。金属板の切断、切欠170の形成、及び、プレス成形は、そのいくつか、又は全体を同一のプレス工程において同時に行ってもよいし、別々のプレス工程において実行してもよい。
ソケット用部材は、足場パイプ用ソケットユニットの組み合わせにおいて4つ1組が用意される。4つのソケット用部材11〜14は全て、ソケット用部材11と同様の基本的構成を有する。4つのソケット用部材11〜14は、端縁113〜143の側に開放端面を有する。
図6を参照すると、第2の工程は、4つのソケット用部材11〜14を順次配置する。4つのソケット用部材11〜14は、端縁113〜143の側を向けて、90度ずつ異ならせて順次に隣接して配置され、開放端面の側において、第1の側壁111〜141、又は、第2の側壁112〜142の一方端縁113〜143が、隣接する第1の側壁111〜141、又は、第2の側壁112〜142の他方端縁113〜143と相互に組み合わされる。一方端縁113〜143に備えられた切欠170は、組み合わされる他方端縁113〜143に備えられた切欠170とともに、溶接孔17を形成する。
図6に示す4つのソケット用部材11〜14の組み合わせ状態は、さらに第2の工程において、順次連結される。即ち、図7に示すように、4つのソケット用部材11〜14は、隣接する2つのソケット用部材11〜14の連結部分15に、溶接部18が形成され、一体的に連結される。従って、4つのソケット用部材11〜14が、第1〜第4のソケット部11〜14として構成される。
図5乃至図7を参照して説明した製造方法によると、足場パイプ用ソケットユニットは、図1乃至図3を参照して説明した利点を全て有するとともに、第1の工程において、4つのソケット用部材11〜14が、それぞれ別々に製造されているから、各角部の直角や切欠の成形を高精度で実行し、各辺にゆがみが生じる不都合を回避することができる。
しかも、第1の工程により製造された4つのソケット用部材11〜14は、第2の工程において順次連結されるから、ソケット用部材11〜14の各構成部分の精度を損なうことなくソケットニットとして完成させることができる。
また、第1の工程により製造された4つのソケット用部材11〜14は、第2の工程において順次連結されるから、特許文献1とは異なって、金属疲労を生じる折り曲げ箇所を低減することができる。従って、足場パイプ用ソケットユニットは、優れた機械的強度を備えることができる。
さらに、4つのソケット用部材は、第2の工程において順次連結されるから、特許文献1とは異なって、第1の工程において形成された折り曲げ箇所に再度曲げ圧力が加えられることはない。従って、本発明に係る足場パイプ用ソケットユニットは、優れた機械的強度を備えることができる。
図8は本発明に係る足場パイプの製造方法を示す斜視図、図9は図8に示した工程の後の工程を示す斜視図である。
まず図8に示すように、パイプ部材20は、足場パイプ用ソケットユニット10のパイプ挿入孔16に挿入される。足場パイプ用ソケットユニット10は、図1乃至図3に示す足場パイプ用ソケットユニットであって、図5乃至図7を参照して説明した製造方法によって予め製造されている。
次に、図9に示すように、足場パイプ用ソケットユニット10は、好ましくは冶具(図示しない)を用いてパイプ部材20の所望の位置に仮留めされるとともに、足場パイプ用ソケットユニット10の上端及び下端部分の二点と、溶接孔17の内部との三点に溶接部18が形成される。即ち、足場パイプ用ソケットユニット10は、三点に備えられた溶接部18により、内周面が、パイプ部材20の外周面21に溶接されて連結固定される。
図8及び図9を参照して説明した足場パイプの製造方法によると、図1乃至図3を参照して説明した足場パイプ用ソケットユニットの利点と、図4に示した足場パイプの利点を全て含む足場パイプを提供することができる。
図4、図8及び図9を参照して説明した足場パイプは、ブラケット等と組み合わされて、足場装置を構成する。次に、本発明に係る足場パイプを用いた足場装置について説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る足場パイプの使用状態について一部を省略して示す平面図である。図10において、図1乃至図9に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図10を参照すると、本発明の一実施形態に係る足場装置は、足場パイプ1と、ブラケット30と、足場布板40とを含む。
足場パイプ1は、図1乃至図9を参照して説明した足場パイプ用ソケットユニット10と、パイプ部材20とにより構成されている。足場パイプ用ソケットユニット10は、第1〜第4のソケット部11〜14のそれぞれが、内部空間110〜140を有しており、内部空間110〜140は長手方向Lの両端に開口部117〜147を有する。
ブラケット30は、楔状掛止部31を有し、楔状掛止部31が、足場パイプ用ソケットユニット10のソケット部11〜14に挿入され、パイプ部材20に支持される。一方、足場布板40は、ブラケット30により支持されている。
上述したように、本発明の一実施形態に係る足場部材は、足場パイプ1と、ブラケット30とを含む。足場パイプ1は、図1乃至図9に示した足場パイプ用ソケットユニット10と、パイプ部材20とにより構成されているから、図1乃至図9を参照して説明した利点を全て有する。例えば、足場パイプ1において足場パイプ用ソケットユニット10は、第1〜第4のソケット部11〜14の形状及び寸法を正確な精度で成形することができるから、楔状掛止部31とソケット部11〜14との結合状態を安定的に確保し、且、維持することができる。
足場パイプ用ソケットユニット10は、第1〜第4のソケット部11〜14のそれぞれが、内部空間110〜140を有しており、内部空間110〜140は長手方向Lの両端に開口部117〜147を有する。従って、足場パイプ用ソケットユニット10は、楔状掛止部31を上側の開口部117〜147から内部空間110〜140に案内することができる。
ブラケット30は楔状掛止部31を有し、楔状掛止部31が、足場パイプ用ソケットユニット10のソケット部11〜14に挿入され、パイプ部材20に支持される。
ソケット部11〜14は、好ましくは内部空間110〜140において、底部壁115〜145が、長手方向Lに沿った傾斜面を有するから、楔状掛止部31を内部空間110〜140に沿って確実に保持し、且、ブラケット30を確実に支持することができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
1 足場パイプ
10 足場パイプ用ソケットユニット
11〜14 第1〜第4のソケット部(ソケット用部材)
111〜141 第1の側壁
112〜142 第2の側壁
113〜143 側壁の端縁
115〜145 底部壁
15 側壁の連結部分
16 パイプ挿入孔
17 溶接孔
170 切欠
10 足場パイプ用ソケットユニット
11〜14 第1〜第4のソケット部(ソケット用部材)
111〜141 第1の側壁
112〜142 第2の側壁
113〜143 側壁の端縁
115〜145 底部壁
15 側壁の連結部分
16 パイプ挿入孔
17 溶接孔
170 切欠
Claims (3)
- 4つのソケット部と、パイプ挿入孔と、溶接孔とを含む足場パイプ用ソケットユニットであって、
前記ソケット部のそれぞれは、2つの側壁と、底部壁とを含み、
前記2つの側壁は、前記底部壁の両側で垂直に立ち上がるとともに、互いに相対向しており、
前記4つのソケット部は、90度ずつ異ならせて順次に隣接して配置され、隣接する2つの前記ソケット部が、前記2つの側壁の端縁で相互に連結されており、
前記パイプ挿入孔は、前記4つのソケット部によって囲まれており、
前記溶接孔は、前記側壁の連結部分において、外面から内面に貫通して備えられている、
足場パイプ用ソケットユニット。 - 請求項1に記載された足場パイプ用ソケットユニットの製造方法であって、第1の工程と、第2の工程とを含み、
前記第1の工程では、金属板を成形して側壁の端縁に切欠を有するソケット用部材を製造し、
前記第2の工程では、前記4つのソケット用部材を順次連結する、
足場パイプ用ソケットユニットの製造方法。 - 足場パイプ用ソケットユニットと、パイプ部材とを含む足場パイプであって、
前記足場パイプ用ソケットユニットは、請求項1に記載されたものでなり、
前記パイプ部材は、前記足場パイプ用ソケットユニットの前記パイプ挿入孔に挿入されており、前記溶接孔を通じて前記足場パイプ用ソケットユニットが溶接されている、
足場パイプ。
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JP2005059551A JP2006241858A (ja) | 2005-03-03 | 2005-03-03 | 足場パイプ用ソケットユニット、足場パイプ用ソケットユニットの製造方法、及び、これを用いた足場パイプ |
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-
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- 2005-03-03 JP JP2005059551A patent/JP2006241858A/ja active Pending
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