JP2006241625A - 熱エンボス加工された乾式不織布及びその製造方法 - Google Patents

熱エンボス加工された乾式不織布及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パルプなどのセルロース系繊維によりウエブが形成され、表層部の繊維のみがバインダーにより接合された熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布のドライ及びウエット時の強度を向上させると共に、濡れたときにおいても熱エンボスによる模様が簡単に崩れることなく、また、湿潤時、熱エンボス部が半透明模様として浮き出る前記エアレイド不織布からなる乾式不織布を提供する。また、前記乾式不織布を用いた濡れおしぼりなどのウエットペーパー、ワイパーなどを提供する。
【解決手段】セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布3、3’を複数枚積層した状態で、熱エンボスロール1、2により熱エンボスし、熱エンボス部において前記複数枚のエアレイド不織布を互いに熱融着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱エンボス加工された乾式不織布およびその製造方法に関し、特に、ドライ及びウエット時のいずれにおいても強度が大きく、また熱エンボスにより形成されたエンボス模様が湿潤時に容易に型崩れしない、パルプなどのセルロース系繊維によりウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を用いた熱エンボス加工された乾式不織布及びその製造方法に関する。
また、本発明は、適度に湿潤された場合にエンボス模様が透けて見える、パルプなどのセルロース系繊維によりウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を用いた熱エンボス加工された乾式不織布及びその製造方法に関する。
さらに、本発明は、前記熱エンボス加工された乾式不織布からなるワイパー、コースター、ランチョンマット、テーブルクロス、ドライタオル、シーツあるいはウエットペーパーに関する。
近年、ホテル、レストラン、喫茶店等においては、布製おしぼりに代わって、不織布などで作られた使い捨てのおしぼりが業務用として広く用いられている。業務用の使い捨ておしぼりとしては、(1)乾式不織布に熱エンボス加工したもの、(2)ティッシュ2枚の間にポリエチレンフィルムを挟んで熱エンボスしたもの(例えば、特許文献1参照)、(3)ティッシュと乾式不織布を重ねて熱エンボス加工したもの(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
特開昭49−13446号公報 特開昭60−155797号公報
使い捨ておしぼりに用いられる原紙に要求される品質特性としては、湿紙強度、手肉感、柔軟性、吸水性等を挙げることができる。特に、手肉感を出すためには、紙おしぼりなどは嵩高とされる必要があり、そのため2本の凹凸エンボスロールを用いての熱エンボス加工が行われるのが一般的である。原紙については、コスト的には、上記(2)がもっとも安いため、使用量が多い。(1)の乾式不織布を用いたおしぼりは、コスト的には高いものの、布製おしぼりの特性により近いことから、高級品として需要がある。その他、乾式不織布を用いた製品として、コースター、ランチョンマット、テーブルクロス、ドライタオルなども現在広く用いられている。また、家庭においても、乳幼児の排泄物、食卓上の食べこぼし等の水分を含んだ汚れの拭き取りや、手拭きに用いられる不織布で形成されたワイパーやウエットティッシュ、ウエットタオルなどが広く用いられるようになってきている。
このようなウエットペーパーやワイパー、さらにはコースター、ランチョンマット、テーブルクロス、ドライタオルなどのドライペーパーに用いられる不織布の材料としては、紙、パルプ、綿などの天然セルロース繊維、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の再生セルロース繊維、その他合成繊維が用いられている。コストの面では天然のセルロ−ス繊維は有利であるが、合成繊維に比べると湿潤強度が低く、柔軟性に欠ける点で不利である。湿潤強度を向上させるために薬品を添加すると柔軟性は更に低下する。従って原材料としては、セルロ−ス系繊維と合成繊維とを適宜組み合わせて、湿潤強度、柔軟性などの品質とコストとのバランスが取られているのが現状である。
他方、嵩高の乾式不織布では、凹凸エンボス加工を施すことなく、平らな表面のままで濡れおしぼりなどとして利用されることが一般的である。これらウエットペーパー原紙として用いられる嵩高の不織布としては、エアレイド不織布が広く用いられている。エアレイド不織布は、所定長さの繊維を解繊して空気の流れにのせて搬送し、金網又は細孔を有するスクリーンを通過させた後、ワイヤーメッシュ上に落下堆積させるエアレイ法によりウエブを形成し、該ウエブにおける前記繊維同士の交点をバインダー繊維により熱融着させたものであるか、又はエマルジョンバインダーで繊維交点を接合させて形成されたものである。エアレイド不織布においては、パルプなどのセルロース系繊維と合成繊維を混抄し、配合された合成繊維(熱融着性繊維)の熱溶融特性を利用して繊維を結着させることにより紙力の増強を図ることができるものの、このようなエアレイド不織布は、原料としてパルプなどのセルロース系繊維のみでウエブを形成し、これにエマルジョンバインダーを噴霧することにより繊維交点を接合させる方法により製造されたものに比べると、コスト的に高いという問題がある。一方、エマルジョンバインダーで繊維交点を接合させて形成されたセルロース繊維からなるエアレイド不織布は、ドライ並びにウエット時の強度が弱く、また、エンボス模様を形成したとしても、エアレイド不織布が濡らされると、不織布の厚さ方向中心部の繊維がバインダーにより接合されていないことから、小さな引張り力によっても容易にエンボス模様が崩れる、あるいは消失するという問題がある。したがって、パルプなどのセルロース繊維によりウエブが形成されたバインダーとしても機能する熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を用い、嵩高で、紙力が大きく、湿潤強度もあるワイパーあるいはウエットペーパーに適し、また湿潤時においても容易にエンボス模様が消失しない不織布が要望されている。
さらに、従来の濡れおしぼり、ウエットティッシュ、ウエットタオルなどに用いられる不織布は、乾いた状態でも濡れた状態でも全体が均一な白色状を呈するものが一般的である。使い捨ておしぼり、特に紙おしぼりにおいては、手肉感を出すために、必要に応じ原紙全体に均一な凹凸エンボス加工を施すことも行われているが、任意の形をした模様などを入れることは通常行われていないし、例え熱エンボス加工により模様を付したとしても、従来のウエットペーパー原紙においては、通常乾いた状態及び濡れた状態の何れにおいても全体は同じ白色状のままである。このため、紙おしぼりにエンボス模様を付けたとしても、模様の視認は表面の風合いの違いあるいは凹凸に基づく影の有無などによりなされるもので、付された模様は視認しづらく、使用者の注意がおしぼりの模様に向けられることはほとんどない。一方、嵩高なエアレイド不織布をウエットペーパーとして用いる場合、凹凸エンボス加工などを付すことは通常行われていないし、エンボスによる模様付けも行われてはいない。特に湿潤時の強度の弱い、パルプなどのセルロース系繊維によりウエブが形成された嵩高なエアレイド不織布の強度を改善することができ、また簡単な製法により、例えば使い捨ておしぼりが通常使用されるような適度の湿潤状態において容易に視認することのできる模様を入れることができれば、使い捨ておしぼりを広告媒体として利用することができ、また意匠性にも富んだおしぼりを安価に提供することが可能となることから、パルプなどのセルロース系繊維によりウエブが形成されたエアレイド不織布の利用が促進されるという効果も期待できる。また、湿潤時に模様が浮き出て見えるコースター、ランチョンマット、テーブルクロス、タオル、シーツなどのドライペーパー製品を提供することができれば、使用時にこれら製品が濡れた場合に今まで気付かなかった模様が浮き出ることにより、これ製品における新たな意匠性の付加、宣伝効果などを含む新たな機能性の付加を図ることができることが考えられる。
本発明は、このような要望に応えることができる、パルプなどのセルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を用いた乾式不織布を提供することを目的とするもので、具体的には、ドライ及びウエット時のいずれにおいても強度が大きく、湿潤された際にエンボス模様の崩れがなく、また適度の湿潤状態にある場合、原紙の白色を背景に、例えば企業名、商品名などのロゴマーク、花模様、幾何学的な模様などのエンボス模様が透かし部として浮き出て見える、ワイパーやコースター、ランチョンマット、テーブルクロス、タオル、シーツなどのドライペーパー製品、並びにウエットティッシュ、ウエットタオル、濡れおしぼりなどのウエットペーパーの材料として好適に用いられる、パルプなどのセルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を用いた熱エンボス加工された乾式不織布を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記特性を有するエンボス模様が形成された、パルプなどのセルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を用いた熱エンボス加工された乾式不織布を製造する方法を提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、上記乾式不織布により形成された、おしぼりなどのウエットペーパー、ワイパー、更にはコースター、ランチョンマット、テーブルクロス、タオル、シーツなどの乾式不織布製品を提供することを目的とするものである。
本発明者は、鋭意検討、研究を重ねた結果、セルロース系繊維からウエブが形成され熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を複数枚重ね、所望の模様を有する熱エンボスロールを用いて熱エンボスを行うことにより、熱エンボス部においてエアレイド不織布間に熱融着が起こり、エアレイド不織布のドライ並びにウエット時の湿潤強度が向上し、また湿潤時のエンボス模様の崩れも容易に起こらず、さらに熱エンボス時の加熱及び加圧条件を適度に制御して、熱エンボス部において毛細管現象が起こる程度の微細な孔、すなわち繊維間の隙間が形成されるように熱エンボスすることにより、不織布を濡らしたとき、この微細な孔に水が満たされることによりエンボス加工部が半透明となり、他方、周りは白色のままであるため、エンボス加工部の半透明部が浮き出して見え、エンボス加工部が模様として容易に視認できることを見出した。また、湿潤時の模様の視認は、セルロース系繊維からウエブが形成され熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布と熱融着性繊維を含むエアレイド不織布とを重ね、所望の模様を有する熱エンボスロールを用いて熱エンボスを行うことによっても可能であることをも見出し、これらの知見に基づいて本発明がなされたものである。
すなわち、本発明は、セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布が複数枚積層されたエアレイド不織布積層体が、熱エンボス加工により、熱エンボス部で互いに熱融着されていることを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布に関する。
また、本発明は、セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布と、セルロース系繊維と熱融着性繊維からウエブが形成されたエアレイド不織布とが積層されたエアレイド不織布積層体が熱エンボス加工により、熱エンボス部で互いに熱融着されていることを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布に関する。
また、本発明は、上記熱エンボス加工された乾式不織布において、熱エンボス部には不織布繊維間に毛細管現象が起こる微細孔が面状に形成されていることを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布に関する。
また、本発明は、上記エアレイド不織布が、セルロース系繊維からなるウエブ表面にバインダーエマルジョンを噴霧することに不織布表層部の繊維間のみが点接合されたものであることを特徴とする上記熱エンボス加工された乾式不織布に関する。
また、本発明は、上記いずれかの熱エンボス加工された乾式不織布に、水が含浸されてなる使い捨ておしぼりなどのウエットペーパーに関する。
また、本発明は、上記いずれかの熱エンボス加工された乾式不織布からなるワイパー、コースター、ランチョンマット、テーブルクロス、タオル又はシーツに関する。
また、本発明は、セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を複数枚積層した状態で、熱エンボスロールにより熱エンボス加工を行い、熱エンボス部において前記複数枚のエアレイド不織布を互いに熱融着することを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布の製造方法に関する。
また、本発明は、セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布とセルロース系繊維および熱融着性繊維からウエブが形成されたエアレイド不織布とを積層した状態で、熱エンボスロールにより熱エンボス加工を行い、熱エンボス部において前記不織布を互いに熱融着することを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布の製造方法に関する
また、本発明は、上記熱エンボス加工された乾式不織布の製造方法において、熱エンボス部には不織布繊維間に毛細管現象が起こる微細孔が面状に形成されていることを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布の製造方法に関する。
本発明の好ましい態様においては、上記エアレイド不織布はセルロース系繊維がパルプからなるものである。また、本発明の他の好ましい態様においては、上記ウエットペーパーは濡れおしぼり、ウエットティッシュ、ウエットタオルである。さらに、本発明の他の好ましい態様においては、熱エンボス加工は、200〜500kg/cmの圧力下、120〜180℃、20〜60m/分の送り速度で行われる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明においては、不織布として、セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布が用いられ、必要に応じセルロース系繊維と熱融着性繊維とからウエブが形成されたエアレイド不織布が用いられる。本発明の熱融着性繊維を含む不織布は、前記熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布のみを用いて形成された熱エンボス加工された乾式不織布の強度、特に湿潤時の強度を補強したいような場合に熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布と共に用いられるものである。本発明の乾式不織布に用いられるセルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布は、所定長さのセルロース系繊維を解繊して空気の流れにのせて搬送し、金網又は細孔を有するスクリーンを通過させた後、ワイヤーメッシュ上に落下堆積させるエアレイ法によりウエブを形成し、エマルジョンバインダーを噴霧することにより前記ウエブの表層部の繊維のみの交点を接合することにより製造されたものである。また、セルロース系繊維と熱融着性繊維とからウエブが形成されたエアレイド不織布は、所定長さのこれら繊維を解繊して空気の流れにのせて搬送し、金網又は細孔を有するスクリーンを通過させた後、ワイヤーメッシュ上に落下堆積させるエアレイ法によりウエブを形成し、該ウエブにおける前記繊維同士の交点をバインダー繊維である熱溶融性繊維により熱融着させたものであるか、又はエマルジョンバインダーで繊維交点を接合させて形成されたものである。
前記エアレイド不織布のウエブを構成するセルロース系繊維としては、従来不織布を製造する際に用いられているセルロース系繊維のいずれであってもよく、要求される吸水性、不織布強度などに応じ適宜のものを採用すればよい。セルロース系繊維の例としては、コットン、パルプ、麻等の天然セルロース繊維や、レーヨン繊維、テンセル繊維、キュプラ等の再生セルロース繊維を挙げることができる。これらのセルロース系繊維は1種又は2種以上を用いることができる。これらのセルロース系繊維のうち、不織布の肌触りの向上の点からコットン、レーヨン繊維、パルプ又はテンセル繊維を用いることが好ましいが、模様を付与する観点、コストの観点からはパルプが好ましい。
本発明の熱エンボス加工された乾式不織布を構成するエアレイド不織布において好ましく用いられるパルプは、通常紙を抄紙する際に用いられているセルロースパルプの何れであってもよく、例えば、針葉樹、広葉樹などの木材繊維、マニラ麻、ケナフ、バガスなどの非木材繊維等が挙げられる。セルロース繊維のパルプ化には、クラフトパルプ法、亜硫酸パルプ法等の化学パルプ法、セミ化学パルプ法、機械パルプ法などが知られているが、何れの方法によるものでもよい。またセルロース系繊維は通常採用される方法で、晒したまたは半晒したもの、あるいは未晒しのものが採用でき、これらは単独で用いられてもよいし、二種以上が併用されてもよい。なお、パルプを用いて前記熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を作成すると、不織布表面層のみがバインダーにより接合されていることから湿潤強度の問題、エンボス模様を形成した際の不織布湿潤時の模様の崩れあるいは消失の問題が特に顕著に生じることになるが、本発明によりこのような問題は解決される。
一方、熱融着性繊維としては、不織布の製造過程において溶融・融着が可能な熱可塑性繊維であればよく、ポリエステル、ビニロン、ナイロンなどの単体繊維、あるいは芯がポリエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエステルで、鞘がポリエステル、エチレン・酢ビのような所謂芯−鞘型の複合繊維などを単独で用いてもよいし、あるいはこれらの二種以上を併用してもよい。熱融着性繊維をエアレイ法によりパルプなどのセルロース系繊維と乾式混抄すると、加熱により熱溶融性繊維が溶融軟化され、熱溶融性繊維がセルロース系繊維、例えばパルプと点接着され、これによって嵩高の不織布が形成されるとともに紙力が向上する。そして合成繊維の溶融軟化によりセルロース系繊維は互いに接合されているため、吸水した場合においても不織布の一部が剥がれることはない。熱融着性繊維は、通常短繊維ステープルファイバー(繊維長20〜51mm)の形態で用いられ、繊度は、得られる不織布の風合い等に応じて適宜選択され、例えば1.0〜3.0デニール程度のものが用いられる。セルロース系繊維、例えばパルプなどと熱融着性繊維の配合比率は、吸水性、強度、及び熱エンボス加工性などを考慮して適宜の比率とすればよい。例えば、セルロース系繊維が50〜90重量%、熱融着性繊維が50〜10重量%とされるのが一般である。熱融着合成繊維の配合率が10重量%未満では、例えばおしぼりとしての紙力が不足する場合があり、一方、50重量%より多いと例えばおしぼりとしての柔軟性が失われる上、コストの増加を招くので適していない。
一方、不織布の製造で用いられるエマルジョンバインダーとしては、アクリル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ビニルアセテート・エチレン共重合体、ビニルアセテート・アクリル共重合体、酢酸ビニル単独重合体、アクリロニトリルポリマーなど種々のポリマーが知られている。本発明において用いられるエアレイド不織布においては、不織布に必要とされる特性に応じ適宜のものが選択される。
本発明においては、熱エンボスロールを用いて複数枚の積層されたエアレイド不織布を加熱、加圧することによりエアレイド不織布の表層部に含まれるバインダー樹脂を溶融させ、エアレイド不織布相互の融着を図るものである。従来セルロース系繊維からウエブが形成された熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布においては、エアレイド不織布に熱エンボス加工により模様を付与すること自体行われていないが、これは前記エアレイド不織布に模様を付した場合、白い背景に白いエンボス模様が形成されることから、模様自体注意してみないと確認できず、装飾効果、宣伝効果などの目的を達成するには十分なものでなかったことによるものである。また、これに加えて、エンボス模様が付されたとしても、不織布の中間層はバインダーにより繊維間の接合がなされていないことから、不織布が湿潤された場合、湿潤強度が充分でなく、例えばおしぼりなどとして使用する際に、湿潤状態で軽く引っ張るなどの力が加わると模様が崩れるあるいは消失するなどの問題があったことによるものである。しかし、本発明においては、複数枚のセルロース系繊維からなるエアレイド不織布を積層し、これらを熱エンボス加工することにより、全体として乾式不織布のドライ及びウエット時の強度が改善されたもので、従来このように複数枚のセルロース系繊維からなるエアレイド不織布を積層した状態で熱エンボスすることにより模様を付すことは行われておらず、複数枚のセルロース系繊維からウエブが形成された熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を単に熱エンボス加工することにより、ドライ並びにウエット時の不織布全体の強度が大きく向上し、また熱エンボス模様も容易に崩れたり消失したりしない効果が奏されることは、予想もできないことであった。なお、熱エンボス加工された乾式不織布の強度を更に補強したいような場合には、必要であれば熱融着性繊維を含むエアレイド不織布を熱エンボス加工された不織布を製造するための原紙としてセルロース系繊維からなり熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布と共に用いてもよい。前記熱融着性繊維を含むエアレイド不織布を用いる場合、1枚の熱融着性繊維を含まないセルロース系繊維からなるエアレイド不織布と1枚の熱融着性繊維を含むエアレイド不織布とを積層して熱エンボス加工してもよいし、熱融着性繊維を含むエアレイド不織布を挟んで熱融着性繊維を含まないセルロース系繊維からなるエアレイド不織布を積層し、熱エンボス加工するなどその組み合わせの態様は自由である。
さらに、本発明において熱エンボスを行う際、適度の押圧力、加熱温度、通紙速度で熱エンボスを行うことにより、不織布の緻密化と熱エンボス部におけるバインダー樹脂の溶融により、熱エンボス部に毛細管現象が起こる微細孔を有する領域を面状に形成し、この熱エンボス加工領域あるいは該加工領域の組み合わせにより模様を形成することにより、本発明の熱エンボス加工された乾式不織布を水により適度に湿潤した際、熱エンボス部が半透明図柄として観察可能となる。これは、熱エンボス加工された乾式不織布が、熱融着性繊維を含まないセルロース系繊維からウエブが形成されエアレイド不織布のみからなる場合でも、熱融着性繊維を含まないセルロース系繊維からウエブが形成されたエアレイド不織布と熱融着性繊維を含むエアレイド不織布が組み合わせ用いられた場合でも同様である。
熱エンボス加工を行う際のエンボス面の大きさは、適宜の大きさでよい。透明図柄を得ることを目的とする場合には、個々のエンボス領域が水を含み半透明状態となったときに、目視により明確に視認できる大きさであればよい。形状は円形でも、線状でも、その他の任意の形状のものでもよい。例えば模様を形成する熱エンボス加工領域が円形の場合、エンボス部の直径が1〜2ミリ程度以上あることが好ましい。また、線図形である場合であれば、線幅が1ミリ程度以上あることが好ましい。
不織布への模様付けのための熱エンボス加工を、図1を参照して簡単に説明すると、所望の社名などの文字、ロゴあるいは模様などの凸模様が表面に形成された熱ロール1と表面平滑な熱ロール2との間に、2枚のセルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布原反3、3’が送り込まれ、ロール対向部において熱エンボス加工が行われる。図1におけるエンボスロールは、凸模様を有するロールと平滑ロールとの組み合わせからなっているが、本発明における熱エンボス加工の態様はこれに限られるものではない。例えば、互いの凸模様がロール対向部において重なり合うように形成した二本の凸模様ロールを用い、この二本のロール間に不織布原反を送り込み、不織布を加熱、加圧するようにしてもよい。またロール状でなく、平板状の型を用いてもよい。また、平滑な表面を有する熱ロール2は表面に弾性層を有していてもよい。図1においては、同じエアレイド不織布原反2枚が用いられているが、これら原反は同じものである必要はなく、例えばセルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布であって、互いに坪量の異なるものであってもよいし、2枚でなく3枚以上とされてもよい。また、使用されるエアレイド不織布は、セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布と熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布との組み合わせであってもよい。
本発明で用いられるセルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布は、嵩高性を保持するため、表面に近い部分(表層部)の繊維の交点のみがバインダーにより接合されるような量でウエブの両表面からエマルジョンバインダーが噴霧される。したがって、図2に示されるように、バインダー34は不織布表層部31、33に存在するものの中心層32には通常存在していない。
図3に熱エンボス加工された不織布の平面部分図を示す。図3においては、小さな丸い点から構成される2方向の斜め斜線からなるエンボス加工領域5と花弁模様のエンボス加工領域6からなる複合模様が付されている。図3は、単に模様の一例を示すものにすぎず、エンボス加工ロールの模様を変えることにより、任意の模様を不織布に付すことができる。
本発明においては、熱エンボス加工の際に、不織布3、3’の表層部31、33、31’,33’のバインダー34が溶融され、上下の不織布が融着されることが必要とされる。また、本発明の熱エンボス加工された乾式不織布においては、エンボス加工部に毛細管現象が起こる大きさの微細孔、すなわち微細隙間が繊維間に形成されることが好ましい。このため、熱エンボスの際のロール加熱温度、エンボス圧力、通紙速度が調整される。熱エンボス加工による模様付けは、不織布に用いられるバインダーの種類や量、原紙の厚みなど種々の条件によっても異なるが、通常200〜500kg/cmの圧力下、120〜180℃のロール温度、20〜60m/分の通紙速度で行われる。なお、エンボス圧力は、通常エンボス部のロール間の隙間により調整される。好ましいロール温度、ロール間隙及び通紙速度は、150〜170℃程度の加熱温度、0.2〜0.5mm程度の熱エンボス部のロール間隙、20〜60m/分程度の通紙速度である。しかし、これは単なる例示にすぎず、エンボス加工条件が前記のものに限られるものではないことは勿論である。例えば、バインダー樹脂の溶融温度が低いものであれば、送り速度を早くすることもできるし、不織布の厚み、坪量によっては、ロール間隙を大きくしても小さくしてもよい。要するに、模様付けのための熱エンボス加工条件は、熱エンボス加工の際に、積層したエアレイド不織布が熱融着され、より好ましくは不織布のエンボス加工部に毛細管現象が起こる大きさの微細孔、すなわち隙間が繊維間に形成される条件であればよいのである。
このようにして、エンボス加工により形成された本発明の熱エンボス加工された乾式不織布を図4に示す。2枚のエアレイド不織布は、熱エンボス部7において互いに熱融着されると共に不織布の密度が高められる。これにより、エアレイド不織布のドライ並びにウエット時の強度が向上し、また熱エンボス加工された乾式不織布に形成された熱エンボス模様が湿潤され軽いテンションをかけられた際のエンボス模様の崩れ或いは消失が防止できる。これは、熱エンボス加工により2枚のエアレイド不織布が熱融着されたこと、および熱エンボスにより不織布の緻密化がなされたことによるものと推測される。この他、これに加えて、熱エンボス条件によっては、不織布内部の今までバインダーにより接合されていなかった繊維も溶融したバインダーにより、より内部まで接合される場合もあることも考えられる。このとき熱エンボス部7において、不織布を形成する繊維間に毛細管現象が起こる大きさの微細孔が形成されると、エンボス加工された不織布に水が含浸された場合、微細孔が形成されたエンボス加工部は毛細管現象により水が繊維間の微細孔を満たし、これにより熱エンボス部7に半透明部が形成される。一方、非エンボス部8は、毛細管現象が膜平面方向にはほとんど起こらないことから、ある程度の水分量以下であれば白色のままであり、白色非透明部となる。
模様の浮き出しを、おしぼりを例として説明すると、使い捨ておしぼりは、通常不織布の重さの500%程度の水分が含有される。本発明の熱エンボス加工された乾式不織布がこのような含水量とされている場合、エンボス加工によりつぶされた不織布の部分(図3の5、6、図4の7)には毛細管現象により繊維間に水が入り込み、繊維間の微細空孔を満たす。これによりエンボス加工部は半透明となるのに対し、非エンボス部は毛細管現象が生じないことから、繊維間が水により完全に充填された状態とはされず、白色のままである。このため、不織布本来の白色の地色を背景に、半透明模様が明確に浮き出て見える。例えば、濡れおしぼりの模様を企業名やロゴマークなどにすれば、使用前には企業名やロゴマークがおしぼりに浮き出て見え、宣伝効果が得られるし、また花模様や幾何学模様などの繰り返し模様が付されていれば、使用している人に美的な効果、あるいは高級おしぼり感を与えることができる。なお、不織布が不織布の重さに対し500%前後の水を含む場合には、原紙の種類によっては、非エンボス部が完全な白色状態ではなく幾分半透明となり、模様が幾分ではあるがボケた状態で見えることもある。しかし、このような場合でも、おしぼりを袋から取り出し、手などを拭いて、例えば水分含量が300%程度になると、模様がはっきりと浮かび上がってくる。いずれの場合でも、さらにおしぼりから水分が蒸発すると、今まで半透明であった模様部からも水分が蒸発することにより、エンボス加工部も白色となり、最終的には半透明模様が消える。このため、おしぼりの使用中に模様が現れたり、消えたりすることから、おしぼりを使用している人に、意外感が与えることができ、企業名、ロゴ、模様などの強い印象を与えることができる。
さらに、不織布の含水量を増やしていくと、非エンボス部も水で完全に湿潤された状態となるため、おしぼり全体が半透明となる。しかし、このように全体が半透明状態となった本発明の模様が付されたおしぼりは、最初はおしぼり全体が半透明であるものの、使用しているうちにおしぼりから水分がなくなり、前記したようにしだいに非エンボス部は白色不透明となるのに対し、エンボス加工部は半透明状態で保持されたままとなる。このため、このような場合においても、使用しているうちに、おしぼりに模様が浮き出してくる。
これまでおしぼりを例に挙げて本発明の模様入りの不織布の使用態様を述べたが、これらは、ウエットペーパーがウエットティッシュあるいはウエットタオルの態様で用いられる際にも同様である。
さらに、ペーパータオルのように、乾いた状態で不織布を用い、乾いた不織布により例えば水に濡れた手などをふくと、不織布に半透明の模様が浮き出してくるという効果も期待できる。このような効果を利用する他の例としては、例えばペットシーツなどが挙げられる。ロゴマークなどの模様が付された本発明の乾式不織布を用いると、シーツが濡れると直ちにロゴマークが現れるので、シーツの取替えを遅滞なく行うことができるという効果が得られる。さらに、コースター、ランチョンマット、テーブルクロスなどでは、コースターの上に冷たい飲み物などを置いた場合、コップの周りにできる水滴によりコースターが濡れ、この水滴によりコースターが濡らされると、ロゴマーク、メッセージなどの模様が浮き出てくる。ランチョンマット、テーブルクロスでは、前記コースターと同様の効果が期待できるし、また、たまたま水によって濡れたような場合、その部分にロゴマーク、模様などが浮き出てくることから、使用者に意外感を与えることができる。
また、本発明の模様入り不織布においては、加工部は密度が高くなっているため、毛細管現象が横方向に働き、乾式不織布の特徴である、縦吸収によるフィルター効果に加えて、全面均等吸水が可能となる。この特性は、ウエットタオルなどにおいて、薬剤を均等に含ませる際に有効である。
本発明の模様入り乾式不織布を濡れおしぼり、ウエットティッシュ、ウエットタオルなどのウエットペーパーとして用いる際には、湿潤液には従来と同様、香料、殺菌剤、抗菌剤などの薬液を含ませることができる。また、濡れおしぼり、ウエットティッシュ、ウエットタオルなどの製造は、従来と同様に行なえばよい。例えば、濡れおしぼりの製造は、乾式不織布原紙に熱エンボス加工により模様の型付けを行った後、折り畳み、さらに薬液の入った水シャワーをかけ、カッターにて所定の大きさに切断し、丸折りではロール状とし、平折りでは更に二つ折りにしてフイルムに袋詰めするなどの方法により行われる。
以下に本発明の実施例を説明するが、これにより本発明は何ら限定されるものではない。
実施例1
本例においては、パルプからウエブを形成し、このウエブの両面にエマルジョンバインダーを噴霧することによって製造された、中心部はバインダーによる繊維間の接合がないエアレイド不織布であるキノクロスKOB40(王子キノクロス株式会社製;米坪40g/m2)を原紙として用いた。熱エンボス装置として、模様が凸状に設けられたロール1(エンボス面積比率8%)と平滑ロール2とがエンボス部で0.15mmの間隙で対向する図1に示すごとき装置を用い、前記キノクロスKOB40を2枚重ねた状態で、前記熱エンボス装置に供給し、160℃に加熱された前記2本のエンボスロール1、2間を40m/分の通紙速度で通して、キノクロスKOB40の熱エンボスを行い、2枚のキノクロスKOB40が重ねた状態で熱エンボス加工された乾式不織布積層体を得た。この乾式不織布積層体のドライ及びウエット時の引張強度を下記の強度測定試験条件で測定した。結果を表1に示す。
また、この熱エンボス加工された乾式不織布積層体を用いて、従来と同様の工程を経て、使い捨て濡れおしぼりを製造した。濡れおしぼりには、半透明模様がくっきりと現出していた。
<強度測定試験>
不織布のドライ及びウエット(保水量;300%)時の引張強度を、ショッパー式試験機(チャック間180mm)を用いて測定した。試験片は50mm幅にて測定した。試験結果は、5回の試験の平均値として算出した(単位はg)。
比較例1及び2
実施例1で得られた熱エンボス加工された乾式不織布と比較するため、実施例1のキノクロスKOB40と同様の製法で作られた、パルプからウエブが形成されたエアレイド不織布、キノクロスKOB80(王子キノクロス株式会社製;米坪80g/m2)1枚(熱エンボス加工されていないもの)及び熱エンボス加工されていないキノクロスKOB40(王子キノクロス株式会社製)2枚を用いてのドライ及びウエット時の引張強度を、実施例1と同様の条件で測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006241625
上記表1から、熱エンボス加工をすることによりドライ及びウエット時のいずれにおいても不織布の強度が大きく改善されていることが分かる。また、本発明の熱エンボス加工された乾式不織布の加工部は、湿潤時において多少引っ張ったくらいでは型崩れはしなかった。さらに、熱エンボス加工が行われた後もエアレイド不織布のバルキー性は何ら変わらないものであった。なお、キノクロスKOB80を実施例1と同様の条件で熱エンボス加工したものは、湿潤時軽く引っ張ることにより、熱エンボス部の模様が崩れてしまった。
実施例2
キノクロスKOB40と熱融着性繊維を含むパルプエアレイド不織布であるハイクロスHAZ40(王子キノクロス株式会社製;米坪40g/m)を用い、キノクロスKOB40を上層として実施例1と同様の条件で熱エンボス加工を行った。これにより、キノクロスKOB40のみを用いた場合に比べ、さらに強度の大きい熱エンボス加工された乾式不織布が得られた。また、湿潤時には、半透明模様がくっきりと浮かび出た。
[発明の効果]
本発明の熱エンボス加工により模様付けされた乾式不織布は、パルプなどのセルロース系繊維によりウエブが形成され、表面部の繊維のみがバインダーにより接合されたエアレイド不織布が用いられているにもかわらず、ドライ及びウエット時のいずれにおいても引っ張り強度が大きく改善され、また熱エンボス模様も湿潤時に少しぐらい引っ張っても消失するようなことはない。
また、本発明の熱エンボス加工により模様付けされた乾式不織布は、水分の含有量により熱エンボス加工部が半透明あるいは不透明白色となり、使い捨ておしぼりなどのウエットペーパーとして用いると、適度の含水量である場合にはエンボス加工部が白色の不織布の地色の中に、半透明模様となって現出し、装飾効果が得られるとともに、企業名あるいはロゴマークなどをエンボス加工により付しておくことにより、使い捨ておしぼりなどのウエットペーパーを宣伝媒体として利用することも可能となる。
さらに、ドライのペーパータオル、ナプキン、ワイピングペーパー、シーツ、コースター、ランチョンマット、テーブルクロスなどとして本発明の熱エンボス加工された乾式不織布が用いられると、これらが水に濡れた際に不織布にロゴマークなどの模様が浮き出てくることから、宣伝効果を含め新しい付加価値をこれらペーパー類に付与することができるし、またシーツなどでは現出したマークをみて、濡れたシーツを遅滞なく取り替えることができ、清潔な環境を整備できるという効果も奏される。
さらに、乾式不織布が有する厚み方向への吸収特性に加え、加工部においては不織布の面方向の吸収も可能となることから、ウエットタオルなどの不織布に薬剤を均等に含ませることができるという効果がある。
本発明の熱エンボス加工された乾式不織布を製造する方法を説明する説明図である。 本発明の熱エンボス加工された乾式不織布を製造する際に用いられる、セルロース系繊維によりウエブが形成され、表面部の繊維のみがバインダーにより接合されたエアレイド不織布の断面模式図である。 熱エンボス加工により模様が付された、本発明の熱エンボス加工された乾式不織布の平面部分図である。 本発明の熱エンボス加工された乾式不織布の断面模式図である。
符号の説明
1 凸模様を有する熱ロール
2 表面平滑な熱ロール
3、3’ エアレイド不織布
4 熱エンボス加工により模様が形成された乾式不織布
5 点状の熱エンボス加工部
6 花弁状の熱エンボス加工部
7 熱エンボス部
8 非エンボス部
31、31’、33、33’ 表層部(バインダーによる繊維接合部)
32、32’ 中心部(バインダーによる繊維非接合部)
34 バインダー

Claims (11)

  1. セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布が複数枚積層されたエアレイド不織布積層体が熱エンボス加工により、熱エンボス部で互いに熱融着されていることを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布。
  2. セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布と、セルロース系繊維と熱融着性繊維からウエブが形成されたエアレイド不織布とが積層されたエアレイド不織布積層体が熱エンボス加工により、熱エンボス部で互いに熱融着されていることを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布。
  3. 前記熱エンボス部において、不織布繊維間に毛細管現象が起こる微細孔が面状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱エンボス加工された乾式不織布。
  4. 前記セルロース系繊維がパルプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱エンボス加工された乾式不織布。
  5. 前記エアレイド不織布は、セルロース系繊維からなるウエブ表面にバインダーエマルジョンを噴霧することに不織布表層部の繊維間のみが点接合されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱エンボス加工された乾式不織布。
  6. 上記請求項1〜5のいずれかに記載された熱エンボス加工された乾式不織布に、水が含浸されてなることを特徴とするウエットペーパー。
  7. 前記ウエットペーパーがおしぼりであることを特徴とする請求項6に記載のウエットペーパー。
  8. 上記請求項1〜5のいずれかに記載された熱エンボス加工された乾式不織布からなるワイパー、コースター、ランチョンマット、テーブルクロス、タオル又はシーツ。
  9. セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布を複数枚積層した状態で、熱エンボスロールにより熱エンボス加工を行い、熱エンボス部において前記複数枚のエアレイド不織布を互いに熱融着することを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布の製造方法。
  10. セルロース系繊維からウエブが形成され、熱融着性繊維を含まないエアレイド不織布と、セルロース系繊維と熱融着性繊維とからウエブが形成されたエアレイド不織布とを積層した状態で、熱エンボスロールにより熱エンボス加工を行い、熱エンボス部において前記不織布を互いに熱融着することを特徴とする熱エンボス加工された乾式不織布の製造方法。
  11. 前記熱エンボス部には、不織布繊維間に毛細管現象が起こる微細孔が面状に形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の熱エンボス加工された乾式不織布の製造方法。
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