JP2006240560A - カウルパネル変形構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 格別の部品を配設することなく、簡素な構造のカウルパネルにても充分に衝撃吸収が可能なカウルパネル変形構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 フェンダ間に渡設されバルク1前面にてカウルパネル2が接合されるカウルパネル変形構造において、前記バルク1とカウルパネル2との接合部3に対して所定距離δを離間した折曲部4を前記カウルパネル2の下端部近傍に形成したことにより、本来は抗力が上がるところのバルク1前面でのカウルパネル2の接合部3に対して、カウルパネル2の下端部近傍における折曲部4が所定距離δを離間してオフセットしていて、カウルパネル2に加わる衝撃荷重によってカウルパネル2の折曲部4が座屈して変形し易くなり、衝撃を緩和することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 フェンダ間に渡設されバルク1前面にてカウルパネル2が接合されるカウルパネル変形構造において、前記バルク1とカウルパネル2との接合部3に対して所定距離δを離間した折曲部4を前記カウルパネル2の下端部近傍に形成したことにより、本来は抗力が上がるところのバルク1前面でのカウルパネル2の接合部3に対して、カウルパネル2の下端部近傍における折曲部4が所定距離δを離間してオフセットしていて、カウルパネル2に加わる衝撃荷重によってカウルパネル2の折曲部4が座屈して変形し易くなり、衝撃を緩和することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フェンダ間に渡設されバルク前面にてカウルパネルが接合されるカウルパネル変形構造に関する。
従来、自動車等の車両が歩行者と衝突した際には、歩行者保護の観点から、主として歩行者の頭部が打ち付けられる機会が多いフロントフード後端部近傍やカウルパネルの構成部材を容易に変形させて衝撃を吸収し、歩行者が受ける衝撃を少しでも緩和する構成が採用されている。そのようなカウルパネルの構成部材の変形ひいてはフロントフードの変形を促進する技術として、下記特許文献1に開示された車両の歩行者保護構造が提案された。
特開2004−34841号公報(請求項1参照)。
図2を用いて、前記特許文献1に開示された車両の歩行者保護構造について説明する。図2(A)に示すように、ウインドシールドガラス26の下端縁部26Aが固定されたカウルアッパパネル20の上端部20Aが、強化ガラス12によって支持されている。また、カウルトップ40の前部上面40Aには、シール42を介してフロントフード44の後部が当接している。
このため、図2(B)に示すように、歩行者頭部等の衝突体Mが、ウインドシールドガラス26の下端縁部26Aの近傍に当接し、カウルアッパパネル20の上壁部20Aが車体内側へ変形し、強化ガラス12に所定値以上の荷重が作用した場合には、強化ガラス12は、その表面に形成された残留圧縮応力層の働きにより、瞬時に全面均一に細かい破片に粉砕されるように構成されている。これにより、カウルトップ40の前部上面40Aは容易に変形し、歩行者頭部等の衝突体Mを衝撃から緩和できる。
しかしながら、このような従来の車両の歩行者保護構造にあっては、衝撃吸収部材としての強化ガラス12を、カウルアッパパネル20とカウルパネル底部との間に配設する必要があり、構造が複雑になる上に組付け作業も面倒であった。さらに、衝撃吸収時に粉砕された強化ガラス12の回収にも手間を要した。
そこで本発明は、このような従来の車両の歩行者保護構造としてのカウルパネル変形構造の課題を解決して、格別の部品を配設することなく、簡素な構造のカウルパネルにても充分に衝撃吸収が可能なカウルパネル変形構造を提供することを目的とする。
このため本発明は、フェンダ間に渡設されバルク前面にてカウルパネルが接合されるカウルパネル変形構造において、前記バルクとカウルパネルとの接合部に対して所定距離を離間した折曲部を前記カウルパネルの下端部近傍に形成したことを特徴とする。また本発明は、前記カウルパネルの側面視断面形状がジグザグ状に形成されたことを特徴とする。また本発明は、前記折曲部が鋭角であることを特徴とする。また本発明は、前記カウルパネルは、少なくともフロントガラス側の後側部材と前記バルク側の前側部材とからなり、前記折曲部は前記前側部材の一部であり、前記前側部材は前記後側部材よりも薄肉に形成されたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
本発明によれば、フェンダ間に渡設されバルク前面にてカウルパネルが接合されるカウルパネル変形構造において、前記バルクとカウルパネルとの接合部に対して所定距離を離間した折曲部を前記カウルパネルの下端部近傍に形成したことにより、本来は抗力が上がるところのバルク前面でのカウルパネル接合部に対して、カウルパネルの下端部近傍における折曲部が所定距離を離間してオフセットされ、カウルパネルに加わる衝撃荷重によってカウルパネルの折曲部が座屈して変形し易くなり、衝撃を緩和することができる。
また、前記カウルパネルの側面視断面形状がジグザグ状に形成された場合は、カウルパネル全体が変形し易くなって、衝撃荷重をカウルパネル全体に分散することが可能となる。さらに、前記折曲部が鋭角である場合は、接合部からオフセットされた折曲部がさらに変形し易くなる。
さらにまた、前記カウルパネルは、少なくともフロントガラス側の後側部材と前記バルク側の前側部材とからなり、前記折曲部は前記前側部材の一部であり、前記前側部材は前記後側部材よりも薄肉に形成された場合は、カウルパネルの前側部材と後側部材との肉厚差に基づく境界部での割れ等を促進するとともに、前側部材の座屈も促進され、効果的に衝撃が緩和される。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明のカウルパネル変形構造の1つの実施例で、要部の側断面図である。本発明のカウルパネル変形構造の基本的な構成は、図1に示すように、フェンダ間に渡設されバルク1の前面にてカウルパネル2が接合されるカウルパネル変形構造において、前記バルク1とカウルパネル2との接合部に対して所定距離δを離間した折曲部4を前記カウルパネル1の下端部近傍に形成したことを特徴とする。
図1に示すように、フェンダ(図示省略)間に渡設(図面の紙背から手前にかけた車幅方向に)されるカウルパネル2は、その後部縁がフロントガラス7の下縁側に装着され、シール部材9を介設してフロントフード8の後部縁を封止する。カウルパネル2は、フロントガラス7とフロントフード8との間を接続する形態にてバルク1の上部に配設される。前記バルク1とカウルパネル2との接合部3は、バルク1とカウルパネル2の前面に配置され、カウルパネル2の側面視断面形状がジグザグ状に形成されている。
カウルパネル2の上面の前後方向(図面で左右方向)の中間部にシール部材9が車幅方向に設置されている。側面視断面形状がジグザグ状に形成されたカウルパネル2は、例えば、バルク1とカウルパネル2との接合部3からほぼ水平状に所定距離δを隔てて後方にオフセットされた第1折曲部4が形成され、該第1折曲部4の上方に該第1折曲部4と折曲方向を逆にした第2折曲部5が形成され、さらにその上方に第2折曲部5と折曲方向が逆な第3折曲部6が形成される。該第3折曲部6のすぐ上部にシール部材9が配置される。
前記バルク1とカウルパネル2との接合部3からほぼ水平状に所定距離δを隔てて後方にオフセットされた第1折曲部4は、好適には、鋭角に形成される。このように構成することによって、本来は抗力が上がるところのバルク1の前面でのカウルパネル接合部3に対して、接合部3からオフセットされた折曲部4がより変形し易くなる。また、カウルパネル2は、少なくともフロントガラス7側の後側部材2Bと前記バルク1側の前側部材2Aとからなり、前記折曲部4は前側部材2Aの一部であり、前側部材2Aは前記後側部材2Bよりも薄肉に形成される。したがって、接合部3から後方にオフセットされた前記折曲部4が配設された前側部材2Aはさらに変形し易くなる。
かくして、歩行者等との衝突により、歩行者頭部からの衝撃荷重がフロントフード8の後部縁に矢印のように加わると、シール部材9を介して、カウルパネル2が二点鎖線のように変形する。本実施例においては、カウルパネル2の前側部材2Aにおいて荷重が付加されたフロントフード8に最も近い第3折曲部6において著しく屈曲し、割れ等が促進されるとともに、ジグザグ状に形成されたカウルパネル2全体の座屈も促進され、衝撃荷重をカウルパネル全体に分散することが可能となる。
さらに、前記折曲部が鋭角である場合は、接合部からオフセットされた折曲部がさらに変形し易くなる。特に、接合部3からほぼ水平状に所定距離δを隔てて後方にオフセットされた第1折曲部4に上方から伝達されてくる荷重によって、所定距離の腕の長さδの存在により接合部3に作用するモーメントによって、接合部3近傍および第1折曲部4が容易に変形するので、効果的に衝撃が緩和される。カウルパネル2、その前側部材2A、後側部材2B、第1折曲部4、第2折国部5および第3折曲部6の変形後の位置が、それぞれ2’、2A’、2B’、4’、5’および6’で示されている。
以上、本発明の各実施の形態について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、フェンダへのカウルパネルの渡設形態、カウルパネルの形状(側面視断面形状がジグザグ状に形成されるなら、複数の折曲部間の長さは不揃いでも均等でもよく、適宜選定できる。また、複数の折曲部の折曲角度も適宜形成されるが、通常時にはある程度の剛性を確保する必要があることから、接合部に最も近い折曲部を除いて、好適には鈍角の折曲部とされる)、形式、バルクの形状、形式、バルクとカウルパネルとの接合部の接合形態(ほぼ水平面でのクリップ接合、ボルト固定、やや傾斜させた接合面とさらなる大きな荷重による接合部の離脱構成と組み合わせてもよい)、接合部からの折曲部までの距離(接合部に対して折曲部に作用する力により充分なモーメントが作用する長さが確保される)、折曲部(第1)の角度(好適には鋭角であるが、略直角でもよい)、カウルパネルにおける後側部材と前側部材との間の肉厚差、シール部材の形状、形式およびカウルパネルへの設置形態等については適宜選定できる。
1 バルク
2 カウルパネル
2A 前側部材
2B 後側部材
3 接合部
4 折曲部(第1)
5 第2折曲部
6 第3折曲部
7 フロントガラス
8 フロントフード
9 シール部材
2 カウルパネル
2A 前側部材
2B 後側部材
3 接合部
4 折曲部(第1)
5 第2折曲部
6 第3折曲部
7 フロントガラス
8 フロントフード
9 シール部材
Claims (4)
- フェンダ間に渡設されバルク前面にてカウルパネルが接合されるカウルパネル変形構造において、前記バルクとカウルパネルとの接合部に対して所定距離を離間した折曲部を前記カウルパネルの下端部近傍に形成したことを特徴とするカウルパネル変形構造。
- 前記カウルパネルの側面視断面形状がジグザグ状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のカウルパネル変形構造。
- 前記折曲部が鋭角であることを特徴とする請求項1または2に記載のカウルパネル変形構造。
- 前記カウルパネルは、少なくともフロントガラス側の後側部材と前記バルク側の前側部材とからなり、前記折曲部は前記前側部材の一部であり、前記前側部材は前記後側部材よりも薄肉に形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカウルパネル変形構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005061882A JP2006240560A (ja) | 2005-03-07 | 2005-03-07 | カウルパネル変形構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005061882A JP2006240560A (ja) | 2005-03-07 | 2005-03-07 | カウルパネル変形構造 |
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ID=37047379
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JP2005061882A Pending JP2006240560A (ja) | 2005-03-07 | 2005-03-07 | カウルパネル変形構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009090787A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Kanto Auto Works Ltd | カウル構造 |
JP2015168277A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 三菱自動車工業株式会社 | デッキガーニッシュ |
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-
2005
- 2005-03-07 JP JP2005061882A patent/JP2006240560A/ja active Pending
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