JP2006239736A - Cvjアウターレースの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】寸法精度と耐摩耗性に優れたCVJアウターレースの製造方法を提供する。
【解決手段】出発材を概略形状のCVJアウターレース1に成形し、該CVJアウターレースのカップ部10の内周面に概略形状のボール溝11・12・13・14・15・16を成形し、かつ、該ボール溝の奥半部にそれぞれ肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16aを成形する鍛造工程200と、該鍛造工程において成形された肉厚部を冷間加工して最終形状のボール溝を成形するコイニング工程300と、該コイニング工程において最終形状のボール溝が成形されたCVJアウターレースの表面に焼入れを施す焼入れ工程500と、により、内周面にボール溝が成形されたカップ部を具備するCVJアウターレースを製造する。
【選択図】図3

Description

本発明は、等速ジョイント(Constant Velocity Joint;以下、本出願では「CVJ」と表記する)の技術に関する。
より詳細には、内周面に複数のボール溝が成形されたカップ部を具備するCVJアウターレースの製造方法に関する。
従来、自動車のドライブシャフトのジョイント部等に用いられるCVJの技術は公知となっている。CVJは軸線方向が変化し得る一対の回転軸を等速回転可能に連結するものであり、その用途に応じて多種多様な形式のものが存在する。
これらのCVJのうち、複数のボールと、該複数のボールがそれぞれ嵌合する複数のボール溝が内周面に成形されたカップ部を具備するCVJアウターレースと、該複数のボールがそれぞれ嵌合する複数のボール溝が外周面に成形されたCVJインナーレースと、を具備するいわゆるボールジョイント型のCVJの技術は公知となっている。
CVJを構成するボール、アウターレース、インナーレース等は、長期間の使用に渡って駆動力を効率良く伝達するために、高い寸法精度と耐摩耗性が要求される。
上記ボールジョイント型のCVJにおけるCVJアウターレースの製造方法としては、特許文献1および特許文献2に記載の方法が知られている。
従来の一般的なCVJアウターレースの製造方法は、鉄鋼材料からなる棒材(出発材)を所定の長さに切断する切断工程と、該所定の長さに切断された棒材を温間(または熱間)で鍛造してカップ部等の概略形状を成形する鍛造工程と、カップ部の内周面のボール溝の形状を成形するコイニング工程と、カップ部の内周面およびボール溝の最終形状を成形する機械加工工程と、表面の耐摩耗性を向上させるために焼入れを行う焼入れ工程と、を具備する。
ここで、CVJアウターレースには高い寸法精度が要求されるため、機械加工工程が煩雑なものとなり、CVJアウターレースの製造コストを削減する、あるいはサイクルタイムを短縮する(生産性を向上する)上での阻害要因となっている。
このような問題点を解消する方法の一つとしては、カップ部の内周面のボール溝の形状を成形するコイニング工程において、CVJアウターレースのボール溝を精度良く成形することにより機械加工工程を省略または機械加工工程内の工数を削減する、すなわちコイニング工程により最終形状のボール溝を成形することが考えられる。
特開昭59−93520号公報 特開2003−112228号公報
しかし、従来のCVJアウターレースの製造方法では、コイニング工程により最終形状のボール溝を成形した場合に、焼入れ工程後のCVJアウターレースのボール溝部分の寸法精度のばらつきが大きくなるという問題があった。
このような焼入れ工程後のCVJアウターレースのボール溝部分の寸法精度のばらつきは、以下の如きメカニズムにより起こると考えられる。
従来は、加工時の負荷が小さい温間または熱間での鍛造工程においてCVJアウターケース内周面のボール溝をほぼ最終形状に近い形状に成形していた。そのため、コイニング工程において内周面のボール溝に対応する部分に付与される変形量(加工歪み)は小さいものであった。このような場合、切断工程における切断寸法のばらつきや鍛造工程におけるプレス装置の下死点のばらつき等により、ボール溝に対応する部分に付与される残留応力のばらつきが大きくなる。そして、ボール溝に対応する部分の残留応力のばらつきが大きいと焼入れ工程における焼入れ時に解放される残留応力のばらつきも大きくなるため、焼入れ工程後のCVJアウターレースのボール溝部分の寸法精度のばらつきが生じる。
本発明は以上の如き状況に鑑み、寸法精度と耐摩耗性に優れたCVJアウターレースの製造方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
内周面に複数のボール溝が成形されたカップ部を具備するCVJアウターレースの製造方法であって、
出発材を概略形状のCVJアウターレースに成形し、該CVJアウターレースのカップ部の内周面に概略形状の該複数のボール溝を成形し、かつ、該複数のボール溝の奥半部にそれぞれ肉厚部を成形する鍛造工程と、
該鍛造工程において成形された肉厚部を冷間加工して最終形状の該複数のボール溝を成形するコイニング工程と、
該コイニング工程において最終形状の該複数のボール溝が成形されたCVJアウターレースの表面に焼入れを施す焼入れ工程と、
を具備するものである。
請求項2においては、
前記コイニング工程において、前記カップ部の外周面奥半部を拘束するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、寸法精度と耐摩耗性に優れたCVJアウターレースを製造することが可能である。
請求項2においては、CVJアウターレースの寸法精度が向上する。
以下では、図1から図9を用いて本発明に係るCVJアウターレースの製造方法の実施例について説明する。
なお、本発明はいわゆるボールジョイント型のCVJアウターレースに広く適用可能であって、本実施例のCVJアウターレース1に限定されるものではない。
図1に示す如く、本発明に係るCVJアウターレースの実施の一形態であるCVJアウターレース1はいわゆるボールジョイント型のCVJを構成する部材の一つである。
CVJアウターレース1は、主としてカップ部10とジョイント部20とを具備する。
カップ部10は一方に開口した略カップ状の形状を有し、その内部に図示せぬCVJインナーレースおよび複数のボールを収容する。カップ部10の内周面には開口部から内周面の奥部に向かって延びたボール溝11・12・13・14・15・16が成形されている。ボール溝11・12・13・14・15・16には、図示せぬ複数のボールがそれぞれ嵌合する。
また、カップ部10の内周面の最奥部(底部)には、後述する機械加工工程における基準となる基準面17が成形されている。
なお、本実施例のCVJアウターレース1の内周面には計六本のボール溝11・12・13・14・15・16が成形されるが、ボール溝の本数は六本に限定されず、CVJの用途や大きさ等に応じて適宜選択することが可能である。
ジョイント部20はカップ部10の底部からカップ部10の開口方向と逆の方向に突出した略円柱状の部分であり、その先端部には図示せぬ駆動力伝達軸等に固定するための雄ネジ21が形成される。
図2に示す如く、本実施例のCVJアウターレースの製造方法は、主に切断工程100、鍛造工程200、コイニング工程300、機械加工工程400、焼入れ工程500等を具備する。
切断工程100は、本実施例のCVJアウターレース1を製造するための原材料を所定の大きさに切断した出発材を得る工程である。
ここで、本出願における「原材料」は、通常はクロム、モリブデン、ボロン等を必要に応じて適宜添加した中炭素鋼や高炭素鋼である。
また、本出願における「出発材」は原材料を所定の大きさに切断したものであり、本実施例の場合、所定の直径を有する棒材を所定の長さに切断したものである。
切断工程100が終了したら、鍛造工程200に移行する。
鍛造工程200は、切断工程100において得られた出発材を温間または熱間で鍛造し、概略形状のCVJアウターレース1を成形する工程である。
ここで、本出願における「概略形状のCVJアウターレース」は、各部の寸法が最終製品としての寸法精度をまだ十分に確保していない状態のCVJアウターレースを指す。
図3に示す如く、本実施例の鍛造工程200が終了した時点でのCVJアウターレース1の内周面には、概略形状のボール溝11・12・13・14・15・16が成形されている。
ここで、本出願における「概略形状のボール溝」は、最終製品としての寸法精度をまだ十分に確保していない状態のボール溝を指す。
また、概略形状のボール溝11・12・13・14・15・16の奥半部、すなわちボール溝11・12・13・14・15・16においてカップ部10の開口部から遠い略半部には肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16a(図3において肉厚部15a・16aは図示せず)がそれぞれ形成されている。
肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16aは、それぞれ最終形状のボール溝11・12・13・14・15・16(図3において点線で示す)の奥半部からカップ部10の内側に向かって突出した余剰の部分である。
ここで、本出願における「最終形状のボール溝」は、最終製品としての寸法精度が十分に確保された形状のボール溝を指す。
鍛造工程200が終了したら、コイニング工程300に移行する。
コイニング工程300は、鍛造工程200において概略形状に成形されたCVJアウターレース1の概略形状のボール溝11・12・13・14・15・16、特に肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16aを冷間加工して最終形状のボール溝11・12・13・14・15・16を成形する工程である。
本実施例のコイニング工程300は、図4に示すコイニング装置30を用いて行われる。
コイニング装置30は、主としてベース部材31、下部支持部材32、下部リング部材33、上部リング部材34、コイニングパンチ35等を具備する。
ベース部材31はコイニング装置30を構成する他の部材のうち、下部リング部材33および上部リング部材34を固定するための部材である。
ベース部材31は略中央部に上下に貫通する孔31aが形成されている。
下部支持部材32は略円筒状の部材であり、その上端面には孔32aの開口部が形成されている。
下部支持部材32はベース部材31の孔31aに貫装され、図示せぬアクチュエータ(油圧シリンダ等)により、上下方向に移動可能である。
下部リング部材33は略リング状の部材であり、その略中央部には孔33aが形成されている。
下部リング部材33は、ベース部材31の上面に固定される。このとき、下部リング部材33の孔33aの中心線とベース部材31の孔31aの中心線とが一致し、下部リング部材33の孔33aには下部支持部材32が上下に移動可能に貫装される。
上部リング部材34は略リング状の部材であり、その略中央部には孔34aが形成されている。
上部リング部材34は、下部リング部材33の上端面に固定される。このとき、上部リング部材34の孔34aの中心線と下部リング部材33の孔33aの中心線とが一致する。
コイニングパンチ35はCVJアウターレース1のカップ部10の内周面に押し当てられる部材であり、その先端部中央にはCVJアウターレース1の基準面17に対応する形状の突起35aが形成され、先端部周縁にはそれぞれ最終形状のボール溝11・12・13・14・15・16に対応する形状の突起35b・35c・35d・35e・35f・35gが形成されている。
コイニングパンチ35は、図示せぬアクチュエータ(油圧シリンダ等)により、コイニングパンチ35の先端部が上部リング部材34の孔34aに進入した位置(印圧位置)と、コイニングパンチ35の先端部が上部リング部材34の孔34aから退避した位置(退避位置)と、の間で上下に移動可能である。
以下では、図4および図6を用いてコイニング工程300の作業手順の詳細を説明する。
まず、鍛造工程200が施されたCVJアウターレース1をコイニング装置30にセットする。このとき、CVJアウターレース1のジョイント部20を下部支持部材32の孔32aに貫装し、CVJアウターレース1のカップ部10を下部支持部材32の上端面に支持した状態で下部支持部材32を下方に移動させ、下部支持部材32の上端面を下部リング部材33の上端面と略同じ高さとする。その結果、CVJアウターレース1は、カップ部10の外周面が上部リング部材34の孔34aの内周面に当接した状態で上部リング部材34の孔34aに収容される。
次に、図4に示す如く、コイニングパンチ35を退避位置から印圧位置に移動させ、コイニングパンチ35をCVJアウターレース1の内周面に押し当てる。このとき、コイニングパンチ35の突起35aによりCVJアウターレース1の内周面の最奥部(底部)が冷間加工されて基準面17が成形される。また、コイニングパンチ35の突起35b・35c・35d・35e・35f・35gにより、概略形状のボール溝11・12・13・14・15・16、特に肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16aがそれぞれ冷間加工されて、最終形状のボール溝11・12・13・14・15・16が成形される。
続いて、図6に示す如く、コイニングパンチ35を印圧位置から退避位置に移動させ、下部支持部材32を上方に移動させてCVJアウターレース1を上部リング部材34の上方に移動させ、取り出す。
コイニング工程300が終了したら、機械加工工程400に移行する。
機械加工工程400は、コイニング工程300において最終形状のボール溝11・12・13・14・15・16が成形されたCVJアウターレース1のカップ部の内周面のアンダーカット部を成形したり、ジョイント部20の先端部に雄ネジ21を成形したりする等、最終的な仕上げ加工(切削加工等)を施す工程である。なお、CVJアウターレース1の大きさや材質等によっては、ボール溝11・12・13・14・15・16の仕上げ加工を行う場合もある。
機械加工工程400が終了したら、焼入れ工程500に移行する。
焼入れ工程500は、コイニング工程300において最終形状のボール溝11・12・13・14・15・16が成形され、機械加工工程400において最終的な仕上げ加工が施されたCVJアウターレース1の表面に焼入れを施し、CVJアウターレース1の表面に耐摩耗性に優れたマルテンサイト層を形成する工程である。
本実施例の焼入れ工程500は、高周波誘導加熱によりCVJアウターレース1を昇温しつつCVJアウターレース1の表面に浸炭処理を施し、その後CVJアウターレース1を油槽に浸漬することにより行われる。
なお、本発明に係る焼入れ工程は、CVJアウターレースの表面にマルテンサイト層を形成可能であれば上記焼入れ工程500に限定されず、他の方法でも良い。すなわち、CVJアウターレースの表面にマルテンサイト層を形成可能であれば、浸炭の有無、昇温の方法、昇温時の温度、CVJアウターレースを浸漬する油または水の種類等は特に限定されるものではない。
以上の如く、本実施例のCVJアウターレースの製造方法は、
出発材を概略形状のCVJアウターレース1に成形し、該CVJアウターレース1のカップ部10の内周面に概略形状のボール溝11・12・13・14・15・16を成形し、かつ、ボール溝11・12・13・14・15・16の奥半部にそれぞれ肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16aを成形する鍛造工程200と、
鍛造工程200において成形された肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16aを冷間加工して最終形状のボール溝11・12・13・14・15・16を成形するコイニング工程300と、
コイニング工程300において最終形状のボール溝11・12・13・14・15・16が成形されたCVJアウターレース1の表面に焼入れを施す焼入れ工程500と、
を具備するものである。
このように構成することは、以下の如き効果を奏する。
すなわち、鍛造工程200において、敢えてボール溝11・12・13・14・15・16の奥半部にそれぞれ肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16aを成形することにより、コイニング工程300におけるボール溝11・12・13・14・15・16の奥半部の冷間加工による歪みの付与量が大きくなる。そのため、その後の焼入れ工程500において焼入れを行った場合に、ボール溝11・12・13・14・15・16の奥半部は既に大きな歪みが付与されており、焼入れによる歪み変形を抑制する(歪み変形量を小さくする)ことが可能である。
結果として、寸法精度と耐摩耗性に優れたCVJアウターレース1を製造することが可能である。
また、CVJアウターレース1において最も高い寸法精度が要求される部分の一つであるボール溝11・12・13・14・15・16がコイニング工程300において最終形状に成形されるため、その後の機械加工工程400の工数を削減することが可能であり、作業性、生産性に優れる。
図7に本発明に係るCVJアウターレースの実施の一形態であるCVJアウターレース1と、従来のCVJアウターレースとのボール溝の各部の寸法精度を比較した結果を示す。
ここで、図7における「従来のCVJアウターレース」は、切断工程、鍛造工程、コイニング工程、機械加工工程、焼入れ工程を経て製造されるという点では本実施例のCVJアウターレース1と基本的には同じであるが、鍛造工程において肉厚部を成形しない、すなわち鍛造工程においてボール溝をほぼ最終形状に近い形状に成形し、コイニング工程においてボール溝の部分に小さい歪みを付与するという点で本実施例のCVJアウターレース1と大きく異なる。
また、図7におけるP1、P2、P3はそれぞれボール溝の寸法精度を測定した位置を示し、P1はボール溝の手前側端部(カップ部の開口部寄りの端部)、P2はボール溝の略中央部、P3はボール溝の奥側端部を示す(図1参照)。
図7に示す如く、本発明に係るCVJアウターレースの実施の一形態であるCVJアウターレース1は、従来のCVJアウターレースに比べてP1、P2、P3のいずれの位置においても高い残留応力が付与されており、焼入れ後のCVJアウターレース、すなわち最終製品のボール溝へのボールの接触角のばらつきが小さい。
図8は、ボール溝12へのボール40の接触角を示す模式図である。本実施例のCVJアウターレース1のボール溝は、接触角の規定値が38.5度であり、許容誤差が±4.5度である。ボール溝へのボールの接触角のばらつきが小さい程、ボール溝へのボールの接触角を許容誤差の範囲内に収めることが容易となり、歩留まりの向上とそれに伴う再加工(修正)工数を削減することも可能である。
また、図9に示す如く、コイニング装置30に拘束部材36を付加することも可能である。拘束部材36は、コイニング工程300において、CVJアウターレース1の外周面奥半部、すなわち肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16aが成形されている内周面の奥半部に対応する部分を拘束する部材である。
以上の如く、本実施例のCVJアウターレースの製造方法は、
コイニング工程300において、カップ部10の外周面奥半部を拘束するものである。
このように構成することは、以下の如き利点を有する。
すなわち、CVJアウターレースを軽量化するために、使用時の強度に影響を与えない範囲でカップ部は極力薄く構成される。しかし、コイニング工程においては大きな力が付与されるために、CVJアウターレース1の外周面奥半部に隙間があると、カップ部10が撓む(弾性変形する)場合がある。このような撓みが起こると、肉厚部11a・12a・13a・14a・15a・16aを冷間加工する際にボール溝11・12・13・14・15・16に付与される歪みが相対的に小さくなる。
拘束部材36によりCVJアウターレース1の外周面奥半部を拘束し、当該部位の隙間を無くす(小さくする)ことにより、コイニング工程300においてボール溝11・12・13・14・15・16に付与される歪みをより大きくすることが可能であり、CVJアウターレース1の寸法精度が向上する。
本発明に係るCVJアウターレースを示す斜視図。 本発明に係るCVJアウターレースの製造方法を示すフロー図。 鍛造工程終了時の本発明に係るCVJアウターレースを示す側面断面図。 コイニング工程途中の本発明に係るコイニング装置を示す側面断面図。 本発明に係るコイニングパンチを示す斜視図。 コイニング工程終了時の本発明に係るコイニング装置を示す側面断面図。 コイニング工程においてボール溝に付与された残留応力の大きさとボール溝とボールとの接触角のばらつきとの関係を示す図。 ボール溝とボールとの接触角を示す模式図。 本発明に係るコイニング装置の別実施例を示す側面断面図。
符号の説明
1 CVJアウターレース
10 カップ部
11・12・13・14・15・16 ボール溝
11a・12a・13a・14a・15a・16a 肉厚部
200 鍛造工程
300 コイニング工程
500 焼入れ工程

Claims (2)

  1. 内周面に複数のボール溝が成形されたカップ部を具備するCVJアウターレースの製造方法であって、
    出発材を概略形状のCVJアウターレースに成形し、該CVJアウターレースのカップ部の内周面に概略形状の該複数のボール溝を成形し、かつ、該複数のボール溝の奥半部にそれぞれ肉厚部を成形する鍛造工程と、
    該鍛造工程において成形された肉厚部を冷間加工して最終形状の該複数のボール溝を成形するコイニング工程と、
    該コイニング工程において最終形状の該複数のボール溝が成形されたCVJアウターレースの表面に焼入れを施す焼入れ工程と、
    を具備することを特徴とするCVJアウターレースの製造方法。
  2. 前記コイニング工程において、前記カップ部の外周面奥半部を拘束することを特徴とする請求項1に記載のCVJアウターレースの製造方法。
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