JP2006239183A - 柱状体昇降具 - Google Patents

Abstract

【課題】 軽量で、山中等へ持ち運び容易で、樹木などの柱状体に容易に装着でき、安全帯との連携による優れた墜落防止機能を有する柱状体昇降具を提供する。
【解決手段】 柱状体昇降具１は、樹木などの柱状体Ａに装着される昇降具本体２と、作業者の安全帯Ｂに結合され未装着の昇降具本体２を保持するホルダー３とからなる。昇降具本体２は、長尺の主ベルト４、これに結合された複数の締め付けベルト５、複数の足場部材６，７で構成する。締め付けベルト５は、主ベルト４を柱状体Ａに縦方向に沿わせた状態で柱状体Ａの外周に固定できる。締め付けベルト５付近の足場部材６は、未装着時にホルダー３に係合できる。ホルダー３は、複数の足場部材６をその主ベルト４上の配置順に従って重ねて係合させて保持できる。作業者は、常に、安全帯Ｂ−ホルダー３−足場部材６−主ベルト４−締め付けベルト５を介して柱状体Ａに連結されているから墜落のおそれがない。
【選択図】 図１

Description

この発明は、樹木や電柱などの柱状体に装着して昇降を容易にするために用いられる昇降具に係り、特に安全帯との連携による墜落防止機能を有する柱状体昇降具に関する。

長く重い金属製の梯子を使用できない場合でも、樹木や電柱等の柱状体に安全に昇降し得る昇降具として、特許文献１に記載されたものが知られている。
この昇降具は、締付ベルトと、足場枠と、適宜長さの縄梯子の組合せから成る。締付ベルトは樹木の外周に締付具により締め付けて装着される。足場枠は鉄筋製で、不完全円形リングと垂直な矩形枠などにより構成され、締付ベルトにより樹木に固定される。縄梯子は足場枠に着脱自在に吊り下げられる。
この昇降具を使用する場合、まず作業者が樹木の所要高さ位置に足場枠を締付ベルトを締付けて固定する。固定した足場枠に縄梯子を吊り下げる。次に作業者は、第二段目用の昇降具の一組を持って第一段目の昇降具の足場枠上に昇る。そして、第一段目の時と同様にして第二段目の昇降具を樹木に装着する。こうして次々と昇降具の段数を増していく。
実開平６−５６４９８号公報

上記従来の柱状体昇降具においては、使用する複数段の昇降具がそれぞれ別個のものとして構成され、作業者が携帯することができないため、装着作業が繁雑になるし、使用方法及び構造上かなり大型のものとならざるを得ず、したがって、山間部のような作業現場への運搬は必ずしも容易でない。また、固有の墜落防止策は何ら講じられていない。
したがって、この発明は、作業者が山中等へ無理なく携帯して、樹木などの柱状体に容易に装着でき、安全帯との連携による優れた墜落防止機能を有する柱状体昇降具を提供することを目的とする。

上記課題を解決するため、この発明においては、樹木などの柱状体Ａに装着される昇降具本体と、作業者の安全帯Ｂに結合され未装着の昇降具本体を保持するホルダーとで柱状体昇降具を構成する。昇降具本体は、長尺の主ベルト、複数の締め付けベルト、複数の足場部材、複数の連結部材で構成する。締め付けベルトは、主ベルトに長さ方向に適宜相互間隔を置いて結合し、主ベルトを柱状体に縦方向に沿わせた状態で、柱状体の外周に着脱可能に構成する。足場部材は、主ベルトに長さ方向に適宜相互間隔を置いて結合し、柱状体への装着時に作業者に足場を提供するよう柱状体から突出させる。連結部材は、主ベルトに長さ方向に適宜相互間隔を置いて結合し、それぞれホルダーに係合離脱自在に構成する。ホルダーは、連結部材を係合させることによって、未装着状態の主ベルトを装着順に従って保持できるように構成する。
上記足場部材のうち、所定間隔毎のものを連結部材兼用とし、未装着状態において、作業者の安全帯に係止されたホルダーに対して係合離脱自在に構成し、ホルダーは、未装着状態の連結部材兼用の足場部材をその主ベルト上の配置順に従って重ねて係合させて保持できるように構成することができる。

作業者は、安全帯に係止されたホルダーから連結部材を１つ外す毎に１スパンの主ベルトをホルダーから繰り出すことができる。繰り出した主ベルトを締め付けベルトで足場部材と共に柱状体の上部に固定し、足場部材を利用して柱状体に登ることができる。作業者が足場部材を踏み外しても、作業者は、安全帯のホルダーに係止されている連結部材を介して主ベルトに結合され、さらに主ベルトは下方で締め付けベルトにより柱状体に固定されているので、主ベルトに支持されて墜落を免れることができる。昇降具が安全具を兼ねるから、別の安全具を必要としない。足場部材の一部を連結部材兼用とし、ホルダーに対して係合離脱自在に構成すれば、構造の簡易化が図れる。

図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図１は本発明の昇降具の使用状態を示す説明図、図２は本発明の昇降具本体の設置状態の斜視図、図３は足場部材の斜視図、図４は本発明の昇降具の未装着状態の斜視図である。

図１において、昇降具１は、樹木などの柱状体Ａに装着される昇降具本体２と、作業者の安全帯Ｂに結合されるホルダー３とからなる。ホルダー３は、未装着の昇降具本体２を折り重ねて保持できる。

図２に示すように、昇降具本体２は、長尺の主ベルト４と、この主ベルト４に結合された複数の締め付けベルト５及び複数の足場部材６，７を具備する。昇降具本体２は、主ベルト４の両端の連結部４ａにおいて別の昇降具本体２と結合可能で、登るべき樹木の高さに応じて適宜数を連結して用いる。

締め付けベルト５は、主ベルト４に、長さ方向に適宜相互間隔（例えば１５０cm）を置いて、主ベルト４に直交する方向に伸びるように複数結合される。締め付けベルト５は、主ベルト４を柱状体Ａに縦方向に沿わせた状態で、柱状体Ａの外周に巻いて締め付け固定することができる。

足場部材６，７は、主ベルト４に長さ方向に適宜相互間隔（例えば５０cm）を置いて複数結合される。足場部材６，７は、柱状体Ａへの装着時に作業者に足場を提供するように柱状体Ａから突出する構成である。図示の実施形態において、所定間隔毎の足場部材６は、主ベルト４上に、締め付けベルト５と共に結合されるが、結合位置は締め付けベルト５と同位置である必要はない。この足場部材６は、ホルダー３に対する連結部材として機能する。すなわち、足場部材６は、ホルダー３に対して係合離脱自在で、柱状体Ａへの未装着状態において、ホルダー３に係合させて作業者が保持できる構成である。図示の実施形態において、足場部材６，７は、アルミ板をほぼＬ字状に屈曲させてなり、装着時に柱状体Ａの外周に当接する当接部６ａ，７ａと、作業者の足場を提供するステップ部６ｂ，７ｂとを有する。図３に示すように、所定間隔毎の足場部材６は、ステップ部６ｂに係合孔６ｃを備える。なお、足場部材７が足場部材６と同一形状のものであっても差し支えない。

図示の実施形態においては、所定間隔毎の足場部材６が、ホルダー３に対して係合離脱自在の連結部材を構成するが、環状金具のような単機能の連結部材を足場部材６と別に設けることもできる。

図４に示すように、ホルダー３は、未装着状態における複数の足場部材６を主ベルト４上の配置順に従って重ねて保持できるように構成される。すなわち、ホルダー３は、足場部材６の係合孔６ｃを係合させることができる開閉自在のフック８を備える。

この昇降具１を用いて樹木Ａに登る場合には、まず地上において作業者が樹木Ａの所定の高さ位置に昇降具本体２の下端側の締め付けベルト５を巻いて締め付け固定する。昇降具本体２の未装着部分の足場部材６は、下方に配置されるものを上方に配置されるものより上に重ねて、すなわち、下方に配置されるものから順次取り外せるように、ホルダー３のフック８に係合させておく。したがって、昇降具本体２の未装着部分は、作業者の安全帯Ｂに吊り下げられる。作業者は、安全帯ロープＣを併用し、これを上方へずらしつつ、足場部材７を足がかりにして樹木Ａを登っていく。安全帯ロープＣは、樹木Ａを包囲して両端が安全帯Ｂに結合されている。樹木Ａに固定された締め付けベルト５の位置の足場部材６まで登ったら、ここで、作業者は、安全帯ロープＣに身をあずけて安定した状態で、次に固定する新たな足場部材６だけをフック８から外し、締め付けベルト５を樹木Ａの所定の高さ位置に巻いて締め付け固定する。同様に、作業者は、安全帯ロープＣを上方へずらしつつ、足場部材７を足がかりにして樹木Ａを登り、足場部材６に到達したら、同様の作業を繰り返して樹木Ａの所要高さ位置まで登り、所要の作業を行う。下降時には、その逆に、下方の足場部材６に到達する毎に、締め付けベルト５を解いて上方の足場部材６を順次取り外し、ホルダー３のフック８に係合させていく。こうすれば作業者は、フック８に係止した足場部材６とこれにつながる主ベルト４を介して、常に締め付けベルト５で樹木につながれているので、万一、足場部材６，７を踏み外しても、直下の締め付けベルト５で止められ、地上まで墜落することはない。

この発明は、例えば、送電線の保守作業時等において、近隣樹木の枝打ち等の作業を行う際の樹木への昇降のために利用される。

本発明の昇降具の使用状態を示す説明図である。 本発明の昇降具本体の設置状態の斜視図である。 本発明の昇降具本体における足場部材の斜視図である。 本発明の昇降具の未装着状態の斜視図である。

符号の説明

１ 昇降具
２ 昇降具本体
３ ホルダー
４ 主ベルト
５ 締め付けベルト
６ 足場部材（連結部材）
６ａ 当接部
６ｂ ステップ部
６ｃ 係合孔
７ 足場部材
７ａ 当接部
７ｂ ステップ部
８ フック
Ａ 樹木（柱状体）
Ｂ 安全帯
Ｃ 安全帯ロープ

Claims (4)

1. 樹木などの柱状体に装着される昇降具本体と、作業者の安全帯に結合され未装着の前記昇降具本体を保持するホルダーとからなり、
   前記昇降具本体は、長尺の主ベルトと、この主ベルトに長さ方向に適宜相互間隔を置いて結合され主ベルトを柱状体に縦方向に沿わせた状態で柱状体の外周に着脱可能な複数の締め付けベルトと、主ベルトに長さ方向に適宜相互間隔を置いて結合される複数の足場部材と、主ベルトに長さ方向に適宜相互間隔を置いて結合され前記ホルダーに係合離脱自在の複数の連結部材とを具備し、
   前記足場部材は、前記柱状体への装着時に作業者に足場を提供するように柱状体から突出し、
   前記ホルダーは、前記連結部材を係合させることによって、未装着状態の前記主ベルトを装着順に従って保持できるように構成されることを特徴とする柱状体昇降具。
2. 前記複数の足場部材の少なくとも一部が、前記連結部材を兼ねることを特徴とする請求項１に記載の柱状体昇降具。
3. 前記複数の足場部材の所定間隔毎のものが前記連結部材を兼ね、それぞれ前記ホルダーに対する係合部を備え、
   前記ホルダーは、前記連結部材を兼ねる足場部材の係合部を係合離脱させることができる開閉自在のフックを具備することを特徴とする請求項２に記載の柱状体昇降具。
4. 前記昇降具本体は、前記主ベルトの両端において別の昇降具本体と結合可能に構成されることを特徴とする請求項１に記載の柱状体昇降具。

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