JP3180786U - 墜落防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運搬時や取付時の作業性が良く、安価で安全性に優れる墜落防止装置を提供する。
【解決手段】墜落防止装置は、一対の竹製の縦柱22,22と、この一対の縦柱22,22に対して直交するとともに長さ方向に所定の間隔をあけて配置され針金24を用いて縦柱22,22に固定された複数本の木製の横桟23からなる梯子21に取り付けられるものであり、梯子21の上部を架線20に係止させる一対の外れ止め手段1a,1aと、梯子21の長手方向に対して平行に親綱25を張設するための一対の親綱取付手段2,2を備えている。
【選択図】図1

Description

本考案は、架線の点検作業時等における作業者の墜落事故を防ぐために梯子に取り付けて使用される墜落防止装置に係り、特に、作業者が梯子を昇降する際や梯子上で作業を行う際の安全性に優れる墜落防止装置に関する。
線路の上方には、電車へ電気を供給するためのトロリー線が張られている。トロリー線の上方には吊架線が張られており、トロリー線は、ハンガーと呼ばれる金属線を介して吊架線によって吊持されている。
トロリー線はパンタグラフなどの集電装置と接触する構造であるため、摩耗し易い。そのため、定期的に保守点検が行われ、必要に応じて張り替えられる。このトロリー線の点検作業や張り替え作業は、一般に、吊架線に立て掛けた絶縁性の梯子の上で行われる。
このように、梯子の上で作業する場合、作業者は姿勢が不安定になり易い。また、移動時に発生する振動により梯子が吊架線から外れるおそれがある。そのため、上記作業においては、常に作業者が梯子から墜落する危険性があった。
そこで、作業者の墜落事故を防止する装置や方法について、従来、様々な提案がなされている。そして、それに関し、既に幾つかの発明や考案が開示されている。
例えば、特許文献1には、「トロリー線作業用梯子装置」という名称で、トロリー線の断線復旧や点検作業等において使用される梯子装置に関する考案が開示されている。
特許文献1に開示された考案は、軌道敷のレール上を走行自在に形成される車輪と、この車輪の上方へ立ち上がるように設けられる梯子本体と、この梯子本体の上端部をメッセンジャワイヤ(吊架線)に係脱させるフックと、メッセンジャワイヤに対してフックを係脱駆動させるフック操作機構と、車輪の回転を拘束する車輪ロック機構を備えるものである。
このような構造によれば、軌道敷のレールに梯子本体の下端の車輪を載置し梯子本体の上端をメッセンジャワイヤに立て掛けることで、足場が平坦となり梯子本体の姿勢が安定するという作用を有する。また、車輪ロック機構により梯子本体がレール上に確実に固定されるため、安定性が向上する。さらに、メッセンジャワイヤにフックを係止することで梯子本体の転倒が防止される。加えて、フック操作機構の操作によってフックのメッセンジャワイヤに対する係止状態が解除される機構となっているため、作業時の安全性が確保される。
また、特許文献2には、「親綱フック兼用吊線フック付き梯子」という名称で、トロリー線ではないが、電線や架空通信ケーブルの工事等の高所作業において使用される梯子に関する考案が開示されている。
特許文献2に開示された考案は、梯子本体の上端に吊線フックが取り付けられた梯子において、昇降用転落防止器具の親綱上端を着脱自在に連結接続するための接続金具が吊線フック下端に取り付けられたことを特徴とする。
このような構造によれば、梯子本体と昇降用転落防止器具の運搬と収納を一体化して行うことができる。また、作業用具点数及び作業工程の削減化が可能である。さらに、親綱フックを省略したため、梯子本体上端の重量が低減し、吊線に掛止する際に強い力を要しない。
特許文献3には、「墜落防止用垂直親綱装置」という名称で、通信線工事において使用する梯子と、その梯子に添って設ける垂直親綱からなり、作業者の墜落を防止できる装置に関する考案が開示されている。
特許文献3に開示された考案は、地上からの操作により係脱可能に梯子支柱上端に固定された梯子用フックと、この梯子用フックの一方の基台外側面に設けられた第1の係合金具と、梯子に添って垂下する垂直親綱用フックの側面に第1の係合金具に対応して係合可能に設けられる第2の係合金具を備えて、所定以上の荷重が加わった場合に第1の係合金具と第2の係合金具の係合が離脱する構成となっている。
このような構成によれば、墜落防止用親綱を容易に取り外すことができるため、梯子の運搬が容易である。また、梯子支柱から適度に離した状態で親綱を設置できるため、作業者が昇降中に誤って親綱を足に絡ませてしまうおそれがない。さらに、作業者が梯子から墜落した場合、親綱用フックが梯子用フックから外れるため、落下によって生じる衝撃荷重が梯子に直接作用しない。従って、作業者の落下のはずみで梯子用フックや梯子が通信線から外れることがなく安全である。
実開平5−86667号公報 実用新案登録第2566874号公報 実用新案登録第2565161号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された考案においては、作業者が梯子の昇降中に墜落する事故を防ぐことができないという課題があった。また、梯子の上に居る高所作業者は、地上に居る別の作業者の手助けがないと、たとえわずかの距離でも梯子を左右に移動させることができず、限られた範囲にしか手が届かないため、作業効率が悪いという課題があった。
また、特許文献2に開示された考案においては、作業者が梯子から落下した場合、その衝撃力が親綱を介して吊線フック下端の接続金具に加わるため、接続金具が破損するおそれがある。しかし、このような事態を防ぐために、接続金具を厚肉構造とすると、吊線フックの重量が増加し、運搬時や着脱時の作業性が低下してしまう。なお、吊線の高さまで梯子を昇った作業者は、手が届く範囲を少しでも広くするために、吊線を両手で掴んで体を安定させつつ、梯子を足で操作しながら接地箇所を軸にして振れさせ、梯子を左右に傾けようとすることがある。しかしながら、本考案に係る梯子においては、吊線フックが吊線から外れるおそれがあるため、作業者は、このような動作を十分に行うことができない。従って、作業効率が悪いという課題があった。
特許文献3に開示された考案においては、親綱を梯子用フックに係合させるための構造が複雑であり、軽量化が容易でなく、また、安価に製造できないという課題があった。さらに、接地箇所を軸にして梯子を左右に振れさせるという前述の動作を作業者が行うと、梯子が吊線から外れるおそれがある。すなわち、吊線の近くに居る高所作業者は梯子を左右に傾ける動作を十分に行うことができず、手の届く範囲が狭くならざるを得ないという課題があった。
本考案は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、運搬時や取付時の作業性が良く、安価で安全性に優れる墜落防止装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の考案は、一対の縦柱と、この縦柱の長手方向へ均等に配置される複数本の横桟を備えて架線に立て掛けた状態で使用される梯子に対して取り付けられる墜落防止装置であって、縦柱を保持可能に形成された円筒状の保持具と、この保持具の外周面に円筒軸と平行に設けられた係止具を備えた一対の外れ止め手段を有し、保持具は、開閉自在に一側縁が連結され平面視円弧状をなす一対の分割体と、この一対の分割体の他側縁からそれぞれ延設され板状をなす一対の連結部と、この一対の連結部を連結する連結部材を備え、係止具は、架線に対して係止可能に両端が側面視U字状にそれぞれ曲折された矩形状の板材からなり、一対の連結部は、一対の分割体が閉じられた状態で互いに平行をなすように形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の墜落防止装置においては、梯子の縦柱を両側から挟むように一対の分割体を配置し、連結部を連結部材で連結すると、一対の分割体によって係止具の縦柱に対する移動が抑制され、外れ止め手段が梯子に固定されるという作用を有する。
また、本考案の墜落防止装置が取り付けられた状態で架線に対して直交するように立て掛けられた梯子が傾いた場合、側面視U字状をなすように両端がそれぞれ曲折された外れ止め手段の係止具が架線に係止するため、梯子が架線から外れ難いという作用を有する。
さらに、外れ止め手段は軽量構造であるため、梯子に取り付けた状態でも運搬が容易である。すなわち、本考案の墜落防止装置を梯子に一旦取り付けると、移動の都度、取り外す必要がない。従って、作業性が良い。
また、請求項2記載の考案は、請求項1記載の墜落防止装置において、先端にフックが設けられた支持綱と、この支持綱の基端が連結された結合環と、親綱を配置可能にU字溝が形成された親綱保持具と、親綱を跨ぐようにU字溝の上部に設置された支軸と、揺動自在に支軸によって中央部を支持され一端に結合環が設けられたレバーと、揺動に伴って親綱を押圧可能に、このレバーの他端に設けられた親綱止爪を備えた支持綱連結手段と、円筒軸を含む仮想平面と平行をなすように保持具の外周面に立設され親綱の端部を固定可能に貫通孔が設けられた固定具とともに保持具を備えた一対の親綱取付手段を有し、親綱止爪は、押圧により親綱を制動可能に形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の墜落防止装置においては、請求項1記載の考案の作用に加えて、親綱取付手段が軽量構造であるため、運搬が容易であるという作用を有する。また、腰部に巻着した安全帯等に支持綱のフックを掛着した状態で梯子を昇降する作業者が横桟を踏み外すなどして梯子から墜落しそうになった場合、支持綱が引っ張られることで親綱止爪が作動し、親綱保持具が親綱に対し移動不能に固定されるという作用を有する。このとき、梯子に連結された親綱は、支持綱を介して作業者の墜落を引き留めるように作用する。
さらに、親綱が縦柱に添うようにして梯子の外側に張設されることになるため、作業者が梯子を昇降する際や梯子を手で持って運搬する際に親綱が邪魔になるおそれがない。
また、請求項3記載の考案は、請求項1又は請求項2に記載の墜落防止装置において、係止具は、正面視して両端及びその近傍が互いに重なるように形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の墜落防止装置においては、請求項1又は請求項2に記載の考案の作用を有することに加え、特に、梯子が架線から外れ難いという作用がより一層発揮される。
請求項4記載の考案は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の墜落防止装置において、連結部材はボルトであり、一対の連結部は、一方にボルトの挿通孔が形成され、他方にボルトに螺合する雌ネジが形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の墜落防止装置においては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の考案の作用に加えて、保持具の構造が簡単になるという作用を有する。
請求項5記載の考案は、請求項4記載の墜落防止装置において、挿通孔は、円筒軸に平行な方向よりも連結部が延設される方向に対して長く形成されたことを特徴とするものである。
このような構造の墜落防止装置においては、請求項4記載の考案の作用に加えて、一対の分割体を完全には閉じることができないために一対の連結部が完全な平行状態にはなっていない場合でも、連結部材により一対の分割体の側縁が連結され得るという作用を有する。
以上説明したように、本考案の請求項1記載の墜落防止装置によれば、梯子に対する着脱が容易であるため、梯子への着脱を迅速に行い、トロリー線の点検や張り替え等における作業効率を高めることができる。また、本考案の墜落防止装置によれば、係止具の上部と下部の双方が架線に係止可能であるため、架線からの梯子の離脱が確実に阻止され、作業者が梯子を昇降する際や梯子上で高所作業を行う際の安全性が高まる。さらに、外れ止め手段が簡単な構造であるため、安価に製造することが可能である。
本考案の請求項2記載の墜落防止装置によれば、請求項1記載の考案の効果に加えて、梯子に張設された親綱に支持綱連結手段を取り付けることで、梯子の昇降中についても作業者の安全を確保できるという効果を奏する。また、親綱取付手段が簡単な構造であるため、安価に製造することができる。
本考案の請求項3記載の墜落防止装置によれば、作業者が梯子を昇降する際や梯子の上で高所作業を行う際の安全性を、請求項1又は請求項2に記載の考案の場合よりもさらに高めることができる。
本考案の請求項4記載の墜落防止装置によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の考案の効果を奏することに加え、特に、製造コストを安くできるという効果がより一層発揮される。
本考案の請求項5記載の墜落防止装置によれば、請求項4記載の考案の効果に加えて、保持具を取り付けることができる縦柱の外径の許容範囲が広くなるという効果を奏する。この場合、梯子に対する保持具の取り付け作業が容易となる。
(a)は本考案の実施の形態に係る墜落防止装置を取り付けた梯子の外観を示す斜視図であり、(b)は図1(a)のA方向矢視図である。 (a)は外れ止め手段の側面図であり、(b)は図2(a)のB方向矢視図である。 (a)は親綱取付手段の側面図であり、(b)は図3(a)のC方向矢視図である。 支持綱連結手段の外観図である。 図1(a)の墜落防止装置を取り付けた梯子の使用状態を示す図である。 (a)及び(b)は図1(a)及び図1(b)においてそれぞれ外れ止め手段が架線に係止した状態を示す図である。 (a)は本考案の変形例を構成する外れ止め手段の側面図であり、(b)は図7(a)のD方向矢視図である。
本考案の墜落防止装置は、トロリー線の点検や張り替え等の作業において吊架線(以下、単に架線という。)に立て掛けた状態で使用される絶縁性の梯子に取り付けられるものである。以下の説明では、竹製の梯子を例にとっているが、絶縁性を有するものであれば、梯子の材質は竹以外であっても良い。また、支持綱を親綱に連結する手段は、公知技術であるため、その詳細な説明は省略する。
まず、本実施例の墜落防止装置の構造について図1乃至図5を用いて説明する。
図1(a)は本実施例の墜落防止装置が取り付けられた梯子を架線に立て掛けた様子を示しており、図1(b)は図1(a)の梯子をA方向に見た状態を示している。
図2(a)は図1に示した墜落防止装置を構成する外れ止め手段の側面図であり、図2(b)は図2(a)の外れ止め手段をB方向に見た状態を示す図である。また、図3(a)は図1に示した墜落防止装置を構成する親綱取付手段の側面図であり、図3(b)は図3(a)の親綱取付手段をC方向に見た状態を示している。なお、図2及び図3では、梯子の縦柱や横桟を破線で示している。
図4は作業者が梯子を昇降する際に使用する支持綱連結手段の外観を示す図である。また、図5は図1(a)に示した墜落防止装置を取り付けた梯子を作業者が支持綱と親綱を連結した状態で昇る様子を示している。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施例の墜落防止装置は、梯子21の上部を架線20に係止させる一対の外れ止め手段1a,1aと、梯子21の長手方向に対して平行に親綱25を張設するための一対の親綱取付手段2,2からなる。梯子21は、一対の竹製の縦柱22,22と、この一対の縦柱22,22に対して直交するとともに長さ方向に所定の間隔をあけて配置される複数本の木製の横桟23からなる。なお、横桟23は針金24を用いて縦柱22に固定されている。
図2(a)及び図2(b)に示すように、外れ止め手段1aは、略円筒状をなし内周面3aに緩衝材としてゴム5が貼設された保持具3と、この保持具3の円筒軸3cに対して平行をなすように外周面3bに設けられた係止具4からなる。
保持具3は、開閉自在に一側縁が蝶番6によって連結され平面視円弧状をなす一対の分割体7a,7aと、円筒軸3cを含む仮想平面と平行をなすように分割体7a,7aの他側縁から延設される一対の連結部7b,7bからなる。また、連結部7b,7bは、一方にボルト8を挿通する挿通孔8aが形成され、他方にボルト8に螺合する雌ネジ8bが形成されている。また、ゴム5は、縦柱22を間に挟んだ状態で分割体7a,7aを閉じた場合に、分割体7a,7aの挟持力が縦柱22に加わるような厚さに設定されている。
すなわち、梯子21の縦柱22を両側から挟むように分割体7a,7aを閉じると、連結部7b,7bが略平行に配置される構造となっている。そして、保持具3と縦柱22の間に配置されるゴム5はスペーサとして機能する。
従って、縦柱22を両側から挟むように分割体7a,7aを配置し、挿通孔8aにボルト8を挿通するとともに雌ネジ部8bに締結すると、閉じられた状態で側縁を連結された分割体7a,7aにより、係止具4の縦柱22に対する移動が抑制され、外れ止め手段1aが梯子21に固定されるという作用を有する。
挿通孔8aは保持具3の円筒軸3cに平行な方向よりも直交する方向へ長く形成されている。このような構造によれば、分割体7a,7aを完全には閉じることができず、連結部7b,7bが完全な平行状態ではない場合でも、ボルト8を締結して分割体7a,7aの側縁を連結することができる。この場合、保持具3を取り付けることができる縦柱22の外径の許容範囲が広くなる。従って、梯子21に対する外れ止め手段1aの取り付け作業を容易に行うことができる。
係止具4は、架線20に対して係止可能に両端が側面視U字状をなすようにそれぞれ曲折された矩形状の板材からなり、その内周面4bには緩衝材としてゴム5が貼設されている。そして、端縁4a,4aが架線20の外径よりも大きな間隔をあけて対向配置された形状となっている。
すなわち、係止具4は、保持具3を縦柱22に取り付けた場合、縦柱22と平行をなすように配置される。また、係止具4の内部に架線20が配置されるように、梯子21を架線20に立て掛けると、側面視U字状をなすように曲折された係止具4の上部と下部は、いずれも架線20に対して係止可能な構造となっている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、親綱取付手段2は、略円筒状をなし内周面3aに緩衝材としてゴム5が貼設された保持具3と、この保持具3の円筒軸3cを含む仮想平面と平行をなすように外周面3bに立設される固定具9からなる。
保持具3は、開閉自在に一側縁が蝶番6によって連結され平面視円弧状をなす一対の分割体7a,7aと、円筒軸3cを含む仮想平面と平行をなすように分割体7a,7aの他側縁から延設される一対の連結部7b,7bからなる。また、連結部7b,7bは、一方にボルト8を挿通する挿通孔8aが形成され、他方にボルト8に螺合する雌ネジ8bが形成されている。また、ゴム5は、縦柱22を間に挟んだ状態で分割体7a,7aを閉じた場合に、分割体7a,7aの挟持力が縦柱22に加わるような厚さに設定されている。なお、挿通孔8aは保持具3の円筒軸3cに平行な方向よりも直交する方向へ長く形成されている。
すなわち、親綱取付手段2は外れ止め手段1aと同様に保持具3を備えているため、外れ止め手段1aと同様の方法で梯子21へ取り付けることができる。
固定具9には、親綱25の端部を固定するための貫通孔9aが設けられている。なお、本実施例では、親綱25を固定具9に固定する際に、親綱25の端部を貫通孔9aに挿通させて結ぶことを想定して、貫通孔9aの内径が親綱25の外径よりも大きく形成されている。しかし、このような方法に限らず、例えば、親綱25の端部にフック等を結合し、このフック等を貫通孔9aに掛止することにより、親綱25を固定具9に固定することもできる。この場合には、貫通孔9aの内径は親綱25の外径より小さくても良い。
図4に示すように、支持綱連結手段10は、親綱25が摺動可能に挿設される親綱保持具11のU字溝(図示せず)の上部に支軸12が跨設されている。そして、支軸12によって、両端に結合環13と親綱止爪14が設けられたレバー15が揺動自在に中央部を支持されている。また、結合環13には、先端16aにフック17が取り付けられた支持綱16の基端16bが結着されている。
すなわち、支持綱連結手段10は、支持綱16を介して結合環13が引っ張られると、レバー15が揺動し親綱止爪14が親綱25を押圧する構造となっている。このような構造によれば、支持綱16が引っ張られると、親綱25が親綱保持具11のU字溝内で摺動しないように親綱止爪14によって固定されるという作用を有する。
図5に示すように梯子21の昇降を行う場合、作業者18は地上において親綱25を親綱取付手段2を用いて梯子21に張設し、支持綱連結手段10の親綱保持具11を親綱25に取り付ける。そして、作業者18は、腰部に巻着した安全帯19に支持綱16のフック17(図4参照)を掛着した状態で梯子21の昇降を行う。
この場合、作業者18が横桟23を踏み外すなどして梯子21から墜落しそうになると、支持綱16が引っ張られることで親綱止爪14(図4参照)が作動し、親綱保持具11が親綱25に対し移動不能に固定される。その結果、梯子21に連結された親綱25が支持綱16を介して作業者18の墜落を引き留めるように作用する。
上記構造の墜落防止装置では、梯子21に張設された親綱25に支持綱連結手段10を取り付けることで、梯子21の昇降中においても作業者18の安全を確保することができる。また、親綱25が縦柱22に添うようにして梯子21の外側に張設されるため、作業者18が梯子21の昇降する際や梯子21を手で持って運搬する際に親綱25が邪魔になるおそれがない。
さらに、外れ止め手段1aと親綱取付手段2はいずれも簡単な構造であるため、安価に製造することができる。また、ともに軽量構造であるため、梯子21に取り付けた状態で運搬することができる。すなわち、本考案の墜落防止装置を梯子21に一旦取り付けると、移動の都度、取り外す必要がない。従って、作業性が良い。
加えて、外れ止め手段1aと親綱取付手段2は、ともに保持具3を備えており、梯子21の縦柱22に対する着脱が容易である。従って、本考案の墜落防止装置によれば、梯子21への着脱を迅速に行い、トロリー線の点検や張り替え等における作業効率を高めることができる。
図6(a)及び図6(b)は、本実施例の墜落防止装置を取り付けた梯子21の上部を架線20に立て掛けた状態を示している。なお、以下の説明において、図1〜図5に示した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6(a)に示すように、本実施例の墜落防止装置を取り付けた状態で架線20に対して直交するように立て掛けられた梯子21が傾くと、側面視U字状をなすように両端がそれぞれ曲折された外れ止め手段1aの係止具4が架線20に係止する。
すなわち、作業者18(図5参照)の移動に伴って発生した振動の影響で梯子21の上部が架線20に添って横滑りした場合でも、外れ止め手段1aの係止具4が架線20に係止するため、梯子21が架線20から外れ難い。特に、本考案の墜落防止装置においては、図6(b)に拡大して示すように、係止具4の上部と下部の双方が架線20に係止可能であるため、架線20から梯子21がより一層外れ難くなるという作用を有する。従って、本考案の墜落防止装置を梯子21に取り付けることにより、作業者18が梯子21を昇降する際や梯子21の上で高所作業を行う際の安全性が高まる。
前述したように、架線20の高さまで梯子21を昇って高所作業を行う作業者18は、手が届く範囲を少しでも広くするために、架線20を両手で掴んで体を安定させつつ、梯子21を足で操作しながら接地箇所を軸にして振れさせ、梯子21を左右に傾ける場合がある。このような場合でも、本考案の墜落防止装置を取り付けた梯子21であれば、外れ止め手段1aの係止具4を架線20に係止させることで、梯子21を意図的に傾けた場合でも架線20から外れてしまうおそれがない。すなわち、本考案の墜落防止装置を用いることによれば、作業者18は接地箇所を軸にして梯子21を左右に振れさせるように傾けて、手の届く範囲を広くすることができる。これにより、作業効率が高まる。
図7(a)及び図7(b)は本実施例の変形例を示す図である。すなわち、図7(a)は図2(a)の変形例に相当する。また、図7(b)は図7(a)のD方向矢視図である。なお、以下の説明において、図1〜図5に示した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7(a)及び図7(b)に示すように、外れ止め手段1bは外れ止め手段1aにおいて、係止具4が、正面視した場合に両端及びその近傍が互いに重なるように形成された構造となっている。すなわち、係止具4を正面視した場合、図7(b)に示すように、端縁4a,4aが重なっているため、架線20を係止具4の正面側から内部に挿入することはできない。
ただし、係止具4は、側面視すると、図7(a)に示すように、端縁4a,4aが保持具3の半径方向へ架線20の外径よりも大きな間隔をあけて配置された形状となっている。従って、架線20は係止具4の下側からであれば、その内部へ挿入することができる。
このような構造の外れ止め手段1bにおいては、外れ止め手段1aに比べて、係止具4が架線20から外れ難いという作用がより一層発揮される。従って、外れ止め手段1bを備えた墜落防止装置を用いることによれば、外れ止め手段1aを備えた墜落防止装置を用いる場合に比べて、作業者18が梯子21を昇降する際や梯子21の上で高所作業を行う際の安全性をさらに高めることができる。
なお、本実施例では、保持具3に設けられる一対の連結部7b,7bが、円筒軸3cを含む仮想平面と平行をなすように分割体7a,7aの他側縁から延設されているが、このような構造に限定されるものではない。すなわち、連結部7b,7bは、少なくとも分割体7b,7bが閉じられた状態で互いに平行をなすように形成されていれば良い。そして、挿通孔8aは円筒軸3cに平行な方向よりも保持具3が延設される方向に対して長く形成されていれば良い。
また、本実施例では、ボルト8を連結部材として用いているが、これに限らず、例えば、紐状体を連結部材として用いることもできる。ただし、連結部材にボルト8を用いた場合、外れ止め手段1aや親綱取付手段2の保持具3の構造が簡単になるため、製造コストを安くすることができる。
請求項1乃至請求項5に記載された考案は、線路の上方に設置されるトロリー線に限らず、電柱の間に張設された各種の通信線について点検作業等を行う際に使用される梯子に対しても適用可能である。
1a,1b…外れ止め手段 2…親綱取付手段 3…保持具 3a…内周面 3b…外周面 3c…円筒軸 4…係止具 4a…端縁 4b…内周面 5…ゴム 6…蝶番 7a…分割体 7b…連結部 8…ボルト 8a…挿通孔 8b…雌ネジ 9…固定具 9a…貫通孔 10…支持綱連結手段 11…親綱保持具 12…支軸 13…結合環 14…親綱止爪 15…レバー 16…支持綱 16a…先端 16b…基端 17…フック 18…作業者 19…安全帯 20…架線 21…梯子 22…縦柱 23…横桟 24…針金 25…親綱

Claims (5)

  1. 一対の縦柱と、この縦柱の長手方向へ均等に配置される複数本の横桟を備えて架線に立て掛けた状態で使用される梯子に対して取り付けられる墜落防止装置であって、
    前記縦柱を保持可能に形成された円筒状の保持具と、
    この保持具の外周面に円筒軸と平行に設けられた係止具を備えた一対の外れ止め手段を有し、
    前記保持具は、
    開閉自在に一側縁が連結され平面視円弧状をなす一対の分割体と、
    この一対の分割体の他側縁からそれぞれ延設され板状をなす一対の連結部と、
    この一対の連結部を連結する連結部材と、を備え、
    前記係止具は、
    前記架線に対して係止可能に両端が側面視U字状にそれぞれ曲折された矩形状の板材からなり、
    前記一対の連結部は、
    前記一対の分割体が閉じられた状態で互いに平行をなすように形成されたことを特徴とする墜落防止装置。
  2. 先端にフックが設けられた支持綱と、
    この支持綱の基端が連結された結合環と、
    親綱を配置可能にU字溝が形成された親綱保持具と、
    前記親綱を跨ぐように前記U字溝の上部に設置された支軸と、
    揺動自在に前記支軸によって中央部を支持され一端に前記結合環が設けられたレバーと、
    揺動に伴って前記親綱を押圧可能に、このレバーの他端に設けられた親綱止爪を備えた支持綱連結手段と、
    前記円筒軸を含む仮想平面と平行をなすように前記保持具の外周面に立設され前記親綱の端部を固定可能に貫通孔が設けられた固定具とともに前記保持具を備えた一対の親綱取付手段を有し、
    前記親綱止爪は、
    押圧により前記親綱を制動可能に形成されたことを特徴とする請求項1記載の墜落防止装置。
  3. 前記係止具は、正面視して前記両端及びその近傍が互いに重なるように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の墜落防止装置。
  4. 前記連結部材はボルトであり、
    前記一対の連結部は、一方に前記ボルトの挿通孔が形成され、他方に前記ボルトに螺合する雌ネジが形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の墜落防止装置。
  5. 前記挿通孔は、前記円筒軸に平行な方向よりも前記連結部が延設される方向に対して長く形成されたことを特徴とする請求項4記載の墜落防止装置。
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