JP2006237276A - 立体的電子回路装置およびその中継基板 - Google Patents

立体的電子回路装置およびその中継基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 高密度実装を実現できると共に落下衝撃時のショックに対しても従来よりも強い立体的電子回路装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 第1の回路基板20と第2の回路基板30を中継基板10を介して接続した立体的電子回路装置であって、中継基板10は、第1の回路基板20と第2の回路基板30とを接続するための接続配線60,80電子部品を搭載できる窪み部16有し、さらに接続配線60,80は中継基板10の上下面に形成された凹部10gを有しており、この凹部10gに入った接続部材40を介して前記接続配線60,80と前記第1の回路基板20と前記第2の回路基板30を接続している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品を実装した回路モジュール等をベース回路基板上に実装した立体的電子回路装置に関する。
近年、絶縁回路基板上に抵抗、コンデンサや半導体素子等を実装する電子回路装置においては、モバイル機器の高機能化と軽薄短小化が進む中で、平面的な電子回路装置では、接続ピッチの微細化や隣接の部品間の間隔縮小等により実装密度の向上をはかるには限界がある。そのために3次元的にモジュール回路基板を積層して高密度化がはかられている。
例えば、下記の(特許文献1)などには図20に示すように、表面実装部品330や半導体ベアチップ340等が実装されたモジュール回路基板350を、ベースプリント回路基板310に実装する場合には、スペーサ360が使用されている。スペーサ360は、上下両面をビアホール320で導通するとともに球状半田380,390を付けて構成されており、このスペーサ360をベースプリント回路基板310とモジュール回路基板350間に仮固定した状態で一括してリフロー半田付けされている。
また、下記の(特許文献2)などには図21に示すように、表面実装部品450や半導体ベアチップ460等が実装された電子回路基板410,430を上下に積層して実装する場合には、耐熱性弾性体400が使用されている。耐熱性弾性体400は、外周囲を導電性の物質でコーティングされており、この耐熱性弾性体400を一方の電子回路基板410の接続用ランド420に半田付けし、他方の電子回路基板430の接続用ランド440にクリップやボルト470等で圧着されている。
さらに、下記の(特許文献3)などには図22に示すように、ICパッケージ510と受動部品520,530を実装したモジュール用回路基板500を、マザーボード540に実装する場合には、接続用チップ550が使用されている。
また、上記以外にも一般的な接続部品であるコネクタを用いて接合する方法等もある。
また、モバイル機器は持ち運びして使用することが前提であり、落下衝撃時のショックに対しても強いことが望まれている。従来、樹脂成形体表面に形成された金属薄膜の密着性は強くはなく、そこで金属との密着性と機械的強度の両立を目的として下記の(特許文献4)などでは、無電解めっきを容易に行うことができる易めっき性プラスチックス材料を用いた射出成形により回路部分を形成し、次に成形体のめっき不要部分を機械強度が高いが難めっき性プラスチックス材料を二次成形し、化学粗化処理後、金属メッキ層を形成している。
また、下記の(特許文献5)では、プラスチックス材料の射出成形の条件や金型形状によって、成形時に表面に多数の微少凹部を形成し、工程数を増やすことなく、金属との密着性の向上を図っている。
特開2001−177235号公報 特開2001−267715号公報 特開平6−260736号公報 特開2001−77512号公報 特開2002−347089号公報
このような前記スペーサ360および接続用チップ550は、中継端子の機能しか有しておらず、また、前記クリップやボルト470と耐熱性弾性体400を使用した場合には、固定や接続部材の占有する面積が増加してモジュール回路基板の接続に占める接続コネクタの面積が増大する。従って、モジュール回路基板間の接続面積の増大により実装密度を上げることができないという課題がある。
また、(特許文献4)などの技術では、成形後に化学粗化処理工程が必要なこと、表面粗化により、金属メッキにより形成される配線層に影響を与えることから、回路パターンのファイン化に限界がある。(特許文献5)などに記載の技術では、プラスチックス材料の射出成形の条件や金型形状によって、成形時に表面に多数の微少凹部を形成し、工程数を増やすことなく、金属との密着性の向上を図っているが、表面粗化による回路パターンへの影響はなくすことは出来ず、金属との密着性と回路パターンへの影響を、高いレベルでのバランス化は出来ていない。
このように、電極パッドのピッチや配線パターンの微細化等による平面的な実装密度向上は限界がきている。また、3次元的に回路基板を積層して実装密度を向上させる場合にも接続部材の占有面積が増加する。それと共に、モバイル機器に特徴的な落下衝撃にも耐えうる実装構造が求められている。
本発明は、上記従来の課題を解決し、高密度実装を実現できると共に落下衝撃時のショックに対しても従来よりも強い立体的電子回路装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の立体的電子回路装置は、第1の回路基板と第2の回路基板を中継基板を介して接続した立体的電子回路装置であって、前記中継基板は、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とを接続するための接続配線と電子部品を搭載できる窪み部を有し、さらに前記接続配線中継基板の上下面に形成された凹部を有しており、この凹部に入った接続部材を介して前記接続配線と前記第1の回路基板と前記第2の回路基板を接続したことを特徴とする。
本発明の請求項2記載の立体的電子回路装置は、請求項1において、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板の少なくとも一方に電子部品が実装されていることを特徴とする。
本発明の請求項3記載の立体的電子回路装置は、請求項1または請求項2において、前記窪み部が前記中継基板の上下面の少なくとも一方の面に設けられ、前記窪み部に前記電子部品が実装されていることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の立体的電子回路装置は、請求項1または請求項2において、前記窪み部が前記中継基板の側面に設けられ、前記窪み部に前記電子部品が実装されていることを特徴とする。
本発明の請求項5記載の立体的電子回路装置は、請求項1または請求項2において、前記窪み部が前記中継基板の側面の少なくとも一部および上下面の少なくとも一部に設けられ、前記電子部品が前記窪み部に搭載されていることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の立体的電子回路装置は、請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、前記中継基板の側面に電気的ノイズを遮蔽するためのシールド電極が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の立体的電子回路装置は、請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、前記窪み部に搭載された前記電子部品がモールド樹脂により樹脂封止されていることを特徴とする。
本発明の請求項8記載の立体的電子回路装置は、請求項2から請求項5までのいずれかにおいて、前記第1の回路基板あるいは前記第2の回路基板に実装された前記他の電子部品と、対向する前記窪み部の前記電子部品とが、互いに重ならない位置に搭載されていることを特徴とする。
本発明の請求項9記載の立体的電子回路装置は、請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、前記中継基板の側面にインダクタまたはループアンテナが形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項10記載の立体的電子回路装置は、請求項1から請求項5までのいずれかにおいて、前記中継基板が複数個連結されて、前記第1の回路基板および前記第2の回路基板とが3次元的に接続されていることを特徴とする。
本発明の請求項11記載の立体的電子回路装置は、請求項1から請求項10までのいずれかにおいて、前記中継基板の側面に形成された第1の接続配線を介して前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とが接続されていることを特徴とする。
本発明の請求項12記載の立体的電子回路装置は、請求項1から請求項11までのいずれかにおいて、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板の少なくとも一方がフレキシブル回路基板からなることを特徴とする。
本発明の請求項13記載の中継基板は、第1の回路基板と第2の回路基板の接続に使用される中継基板であって、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とを接続するための接続配線と電子部品を搭載できる窪み部を有し、さらに前記接続配線は中継基板の上下面に形成された凹部を有していることを特徴とする。
本発明の請求項14記載の中継基板は、請求項13において、上下面の少なくとも一方の窪み部に前記電子部品が実装されていることを特徴とする。
本発明の請求項15記載の中継基板は、請求項13において、前記窪み部が側面に設けられ、前記窪み部に前記電子部品が実装されていることを特徴とする。
本発明の請求項16記載の中継基板は、請求項13において、側面の少なくとも一部および上下面の少なくとも一部に窪み部が設けられ、電子部品が前記窪み部に搭載されていることを特徴とする。
本発明の請求項17記載の中継基板は、請求項13から請求項16までのいずれかにおいて、側面に電気的ノイズを遮蔽するためのシールド電極が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項18記載の中継基板は、請求項13から請求項17までのいずれかにおいて、前記窪み部に搭載された前記電子部品がモールド樹脂により樹脂封止されていることを特徴とする。
本発明の請求項19記載のモバイル機器は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の立体的電子回路装置を用いたことを特徴とする。
本発明の立体的電子回路装置は、第1の回路基板と第2の回路基板を中継する中継基板の窪み部に電子部品を搭載することにより、回路基板間の接続面積を確保しながら高密度実装を実現できる。
また、第1の回路基板と第2の回路基板とを接続するための接続部が上下面に形成された凹み形状を有する接続電極であることにより、落下衝撃時のショックに対しても強い接続を有する高密度実装を実現できる。
さらに、中継基板の側面にシールド電極またはシールド層を設けることにより不要輻射ノイズを減らすことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図6は、本発明の第1の実施の形態に係る立体的電子回路装置を示す。
図1(a)に示すようにこの立体的電子回路装置は、第1の回路基板20と第2の回路基板30が中継基板10により接続部材40を介して電気的、機械的に接続される3次元接続構造である。
図1(b)は中継基板10の斜視図を示し、図1(a)は図1(b)のA−A’からみた断面図であり、中継基板10を使用した第1の回路基板20と第2の回路基板30の接続状態を表している。
つまり、中継基板10は、外周壁10aを有する枠型で内側には隔壁10bが形成されている。外周壁10aの上面10cから外面10dを経て下面10eにかけて複数の第1の配線60が形成されている。また、図2は図1(b)のB−B’から見た断面図であり、外周壁10aの上面10cから内面10fを経て隔壁10bにかけて複数の第2の配線80が形成されている。同様に、外周壁10aの下面10eから内面10fを経て隔壁10bにかけても複数の第2の配線80が形成されている。
第1の回路基板20は、他の回路基板と接続される接続配線基板の一部であってもよく、また第2の回路基板30は、いわゆるマザーボードの一部であってもよい。
なお、図1(a),図2の中継基板10は、内部を詳細に示すために誇張して示しているが、基本的に図1(b)と図3の中継基板10と異なるものではない。また、以下の各実施の形態においても同様である。
ここで、接続部材40は、半田や導電性接着剤が用いられる。そして、接続部材40を介して、中継基板10と第1の回路基板20や第2の回路基板30とが加熱により接続される。
中継基板10をさらに詳しく説明する。
図1(b)と図3の部分拡大斜視図に示すように、中継基板10の隔壁10dと隔壁10aの内面10fとで囲まれた窪み部16には、電子部品50が第2の配線80の一端に実装されている。外周壁10aの上面10cと下面10eには、第1,第2の配線60,80に対応して凹部10gが形成されており、第1の配線10の端部ならびに第2の配線80の他端はこの凹部10gの内面上に延長されている。例えば、凹部10gの具体的な断面形状は、側壁10hの傾きが底部から開口部に向かって広くなる傾斜角45°程度に形成されている。 図4は、図3のC−C’からみた断面図である。
第1,第2の回路基板20,30は、電極90,導電性ビア100と絶縁基材95から構成される、または、さらに他の電子部品110,120を実装して構成される両面基板または多層配線基板である。各電子部品50,110,120の電極は半田または導電性接着剤等の接続部材130により、それぞれの対応する電極と電気的に接続されている。ここで、各電子部品50,110,120は、IC、LSI等の半導体素子や抵抗、コンデンサ、インダクタ等の一般の受動部品である。また、ベアチップ形状の電子部品をフリップチップ実装またはワイヤボンディング接続で実装することも可能である。
なお、第1,第2の回路基板20,30には、一般の樹脂基板や無機基板を用いることができる。特に、ガラスエポキシ基板やアラミド基材を用いた基板やビルドアップ基板、ガラスセラミック基板、アルミナ基板等が好ましい。中継基板10は、一般の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を用いる。熱可塑性樹脂の場合、射出成形や加工によって所望の形状に成型することが可能である。また、熱硬化性樹脂の場合、トランスファモールドで成形したり、硬化物を切削加工することで所望の形状にすることができる。すなわち、凹部10gの形状も同時に形成することが出来る。
熱可塑性樹脂としてはPPA(ポリフタル酸アミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(エステル系樹脂)、LCP(液晶ポリマー)、熱硬化性樹脂としては通常のエポキシ樹脂等を用いることが好ましい。中継基板10にヤング率の小さい樹脂材料を用いることにより、第1の回路基板20と第2の回路基板30の間の熱膨張係数の差によって生じる応力を緩和することができる。
また、中継基板10における第1,第2の配線60,80の立体配線は、導電性ペーストを用いた印刷法や基板面に貼り付けられた金属箔または基板面に析出させたメッキ層をレーザー加工する等の方法で作製される。配線材料としてはAg、Sn、Zn、Pd、Bi、Ni、Au、Cu、C、Pt、Fe、Ti、Pbの金属が用いられる。
このように、中継基板10に電子部品50を実装できるため回路基板間の接続面積を確保しながら高密度実装を実現できる。また、第1の回路基板20または第2の回路基板30に実装した他の電子部品110,120と中継基板10に搭載した電子部品50とを最短距離で接続することにより、立体的電子回路装置の周波数特性が向上し、機器の高速動作を実現できる。
さらに、中継基板10の上下の窪み部16の電子部品50または中継基板10の上下の窪み部16の第2の配線80の間を接続するために、窪み部16にビアホールを設け、引き出し配線60等と接続することもできる。
さらに、第1の回路基板20と第2の回路基板30を接続する必要がなければ、第2の配線80を形成しなくてもよい。
また、図5に示すように凹部10gの周りに平面電極部10iを残して構成することもできる。
なお、図3,図5では第1,第2の配線60,80の凹部10gの形状は、一つの配線の端部毎に1つであったが、図6に示すように、2つであっても良いし、更に多くても良い。
なお、第1の回路基板20には、他の電子部品110を実装せず、配線基板だけであってもよい。
また、接続強度向上や信頼性確保のために、各電子部品50,110,120や窪み部16をモールド樹脂でモールドする構成としてもよい。
さらに、単一の窪み部16に複数の電子部品を搭載することもできる。
上記の各例では、第1の配線60が、第1,第2の回路基板20,30の間を接続するように中継基板10に設けた配線、第2の配線80が、第1の回路基板20または第2の回路基板30と窪み部16に実装された電子部品50との間を接続する配線として区別して説明したが、第1の配線60と第2の配線80とが接続されていても良い。
また、窪み部16を隔壁10bの上下面の両方に設けたが、一方にだけ設けて構成することもできる。
(第2の実施の形態)
図7(a)と図7(b)は(第1の実施の形態)の別の例に係る立体的電子回路装置の構造図である。図7(a)は図7(b)のB−B’からみた断面図、図7(b)は図7(a)の中継基板10の斜視図である。図2と同じ構成要素については、同一の符号をつけて説明する。
(第1の実施の形態)では中継基板10の側面には電子部品が搭載されていなかったが、この(第2の実施の形態)では電子部品125が搭載されている点だけが異なっている。具体的には、側面のサイズより小さい電子部品であれば、どんな電子部品でも搭載することが可能であるが、特にチップコンデンサやチップ抵抗の実装に適している。
(第3の実施の形態)
図8(a)と図8(b)は(第1の実施の形態)の別の例に係る立体的電子回路装置の構造図である。図8(a)は図8(b)のB−B’からみた断面図、図8(b)は図8(a)の中継基板10の斜視図である。図2と同じ構成要素については、同一の符号をつけて説明する。
(第1の実施の形態)では中継基板10の窪み部16には電子部品50が一段だけ搭載されていたが、この(第3の実施の形態)では中継基板10の同じ窪み部16の中に薄板状またはチップ状の電子部品50を積み重ねて搭載されている点だけが異なっている。積み重ねて搭載された上側の電子部品50は配線の後にモールド樹脂150で封止されている。
(第4の実施の形態)
図9(a)と図9(b)および図9(c)は(第1の実施の形態)の別の例に係る立体的電子回路装置の構造図である。図9(a)は図9(c)のB−B’からみた断面図、図9(b)は図9(a)中の中継基板10のモールド樹脂150で封止する前後の状態を示す斜視図である。図2と同じ構成要素については、同一の符号をつけて説明する。
(第1の実施の形態)では隔壁10bには孔が穿設されていなかったが、この(第4の実施の形態)では隔壁10bに上下の窪み部16を連通する孔160が穿設されている点が異なっている。
このように構成すると、隔壁10bの上側の窪み部16への樹脂モールドを実行することによって、孔160を介して隔壁10bの下側の窪み部16へ樹脂が流入することによって、下側の窪み部16をモールド樹脂150でほぼ完全に充填するものである。これにより、中継基板10と第2の回路基板30との付着強度の向上と共に、電子部品50をモールド樹脂150で封止することにより、信頼性が向上する。
(第5の実施の形態)
図10(a)と図10(b)は(第1の実施の形態)の別の例に係る立体的電子回路装置の構造図である。図10(a)は図10(b)のB−B’からみた断面図、図10(b)は図10(a)中の中継基板10の斜視図である。図2と同じ構成要素については、同一の符号をつけて説明する。
この(第5の実施の形態)では中継基板10の側面に電磁的シールド効果を果たすシールド電極170を備えている点が異なっている。
シールド電極170は、第2の配線80の内のグランド(接地)配線だけを側面まで延長して形成したり、第1の配線60のうち、グランド(接地)配線を束ねることにより形成される。この構成により、電子部品50からの不要輻射の低減や外来ノイズによる回路の誤動作を防止できる。
(第6の実施の形態)
図11(a)と図11(b)はそれぞれ(第1の実施の形態)の別の例に係る中継基板10の斜視図である。図1(b)と同じ構成要素については、同一の符号をつけて説明する。
この(第6の実施の形態)では中継基板10の側面に図11(a)または図11(b)に示すように第2の配線80のうち、グランド(接地)につながる配線を中継基板10の側面で面状にしてシールド電極172にすることによって、電子部品50等からの不要輻射を抑制する効果が一層高められる。
(第7の実施の形態)
図12(a)と図12(b)は、本発明の(第7の実施の形態)に係る立体的電子回路装置の構造図である。図12(a)は図12(b)のA−A’からみた断面図、図12(b)は図12(a)中の中継基板12の斜視図である。図2と同じ構成要素については同じ符号をつけて説明する。
(第1の実施の形態)の中継基板10では、凹部10gを外周壁10aの上面10cと下面10eに形成し、隔壁10bを第1,第2の回路基板20,30と並行に配置して接続部材40を介して電気的、機械的に接続される3次元接続したが、この実施の形態では隔壁10bを第1,第2の回路基板20,30と垂直に配置して窪み部16を側面に形成し、上面12aと下面12bに前記凹部10gに相当する凹部12gを形成して、接続部材40を介して3次元接続した点だけが異なっている。モールド樹脂150の表面を平坦化し、その表面にグランド(接地)電極に接続されるシールド電極を形成することもできる。
この構成により、ノイズ源や外来ノイズに弱い電子部品50等を分離してシールドすることができるため、信頼性が向上する。また、この構成の中継基板10により、第1の回路基板20と第2の回路基板30を接続すると共に、電子部品50,50を側面に実装することができる。
なお、第1,第2の回路基板20,30は共に電極90、導電性ビア100と絶縁基材95を備えた多層回路基板としているが、両面回路基板でもよい。
また、窪み部16を隔壁10bの左右面の両方に設けたが、一方にだけ設けて構成することもできる。
(第8の実施の形態)
図13(a)と図13(b)は、それぞれ本発明の(第8の実施の形態)における中継基板12の別の例を示している。
図13(a)の中継基板の斜視図に示すように、中継基板12の対向する側面の基板接続配線140のグランド電極を相互に接続する側面接続配線85を、上下面12a,12bに形成することも可能である。これによって、複数のグランド(接地)電極につながる配線間を接続してグランドを強化して電気的なノイズをシールドすることができる。
さらに図13(b)の斜視図に示すように、中継基板12の上面12aまたは下面12bにベタ(面状)のシールド電極180を形成することで、グランド(接地)電極を強化したり、例えば電子部品50等からの電気的なノイズをシールドすることも可能である。なお、第1の回路基板20、第2の回路基板30、および中継基板10の構造、材料や形成法および接続部材40などは第1の実施の形態と同じである。
(第9の実施の形態)
図14(a)と図14(b)は、それぞれ本発明の(第9の実施の形態)における中継基板12の別の例を示している。図14(a)は図14(b)のB−B’からみた断面図、図14(b)は図14(a)中の中継基板12の斜視図である。図12と同じ構成要素については同じ符号をつけて説明する。
この立体的電子回路装置の中継基板12は、(第7の実施の形態)における中継基板12の上面12aと下面12bにも窪み部16を形成し、それらの窪み部16に電子部品50,57を搭載した点だけが異なっている。
上記の3次元接続構造より、他の電子部品120を実装した第1,第2の回路基板20,30と共に、中継基板12の上下の窪み部16および側面の窪み部16にも電子部品50,57を実装することにより、さらなる高密度実装を同時に達成できる。
なお、この実施の形態では窪み部16が中継基板12の上下面の両方と左右面の両方に形成されていたが、窪み部16が中継基板12の側面の少なくとも一部および上下面の少なくとも一部に設けられ、電子部品がその窪み部に搭載されていてもよい。
(第10の実施の形態)
図15(a)と図15(b)は、それぞれ本発明の(第10の実施の形態)を示し、(第1の実施の形態)における中継基板10を2段重ねにして第1,2の回路基板20,30を実装したものと同様である。この中継基板11は、図1の中継基板10よりも厚みが薄く、その外面10dに図15(b)に示すように第1,第2の配線60,80が形成された中継基板11a,11bを2段重ねに半田付けして構成されている。このことは前記各実施の形態の中継基板10,12においても同様に実施できる。
なお、中継基板11a,11bの間の連結方法は、これに限らず、電極どうしの圧接接合あるいは接触、導電性樹脂で接合してもよい。
本実施の形態では、中継基板11a,11bが2段に積み重ねられているが、必要に応じてさらに多くの中継基板を積み重ねることもできる。
(第11の実施の形態)
図16は本発明の(第11の実施の形態)を示す。
図1に示した実施の形態では中継基板10の窪み部16に実装された電子部品50は、第1,2の回路基板20,30に実装された電子部品110,120とは平面的には重なる位置に実装されていたが、この実施の形態では図16に示すように、中継基板10の隔壁10bの上側の窪み部16に実装されている電子部品50は、第1の回路基板20に実装された電子部品110a,110bの間の平面的に重ならない位置に実装されている。同様に、中継基板10の隔壁10の下側の窪み部16に実装されている電子部品50は、第2の回路基板30に実装された電子部品120a,120bの間の平面的に重ならない位置に実装されている。このことは前記各実施の形態の中継基板10,11,12においても同様に実施できる。特に、中継基板11の場合には、上側の中継基板11aの下面側に実装された電子部品50と、下側の中継基板11bの上面側に実装された電子部品50とが、さらに平面的に重ならない位置に実装される。
この構成により、立体的電子回路装置の高さ、または厚さを削減することができる。また、第1の回路基板20と第2の回路基板30とを接続し、電子部品50も立体的に実装した中継基板10により、立体的回路装置の低背化と高密度実装を同時に実現できる。
(第12の実施の形態)
図17は本発明の(第12の実施の形態)を示す。
上記の各実施の形態の中継基板は、いずれも隔壁を有する形状であったが、この図17に示す中継基板13は、隔壁を有しない枠型形状で、上面と下面には、先の実施の形態と同様に凹部10gと第1,第2の配線60,80が形成されている。
さらに、中継基板13の内側側面にはチップ状の電子部品51が実装され、外側側面にはノイズ防止のための導電性のシールド層210が形成されている。
なお、中継基板13の高さは、第1の回路基板20の下面と第2の回路基板30の上面に実装される他の電子部品110,120の高さと接続部材130の高さの和よりも高くしている。この構成により、中継基板13は単なるスペーサとしての機能と共に、内側側面に電子部品51を実装することによって実装密度を上げることができる。また、第1の回路基板20または第2の回路基板30に搭載した他の電子部品110,120と中継基板13に搭載した電子部品51とを最短距離で接続することにより、立体的電子回路装置の周波数特性が向上し、機器の高速化を実現できる。
(第13の実施の形態)
図18は本発明の(第13の実施の形態)を示し、中継基板13の外側側面に、インダクタやループアンテナ230が形成されている点だけが図17とは異なっている。
一般的に、インダクタやループアンテナは大きなスペースが必要である。そこで、中継基板13を周回形状を有するインダクタやループアンテナ230のボビンとして用いることにより、立体的電子回路装置のサイズを小型化するものである。なお、中継基板13の側面に金属膜を形成した後、これをコイル状にパターン化することによって、インダクタやループアンテナ230を形成することもできる。
上記構成により、この立体的電子回路装置は、無線で情報の授受をするICチップ、つまりICタグ等の実装に用いることができる。
また、中継基板13は射出成形可能な樹脂材料を用いることにより、枠状で、かつ外側側面に巻き線用の溝を形成することも容易である。
この(第13の実施の形態)では隔壁を有しない枠型形状の中継基板13においてインダクタやループアンテナ230を形成したが、前記隔壁を有する中継基板10,12等についても外側側面に、インダクタやループアンテナを形成することもできる。
また、第1の回路基板20がセラミック基板で、第2の回路基板30がガラスエポキシ基板である場合、中継基板13にヤング率の小さい樹脂材料を用いることにより、セラミック基板とガラスエポキシ基板間の熱膨張係数の差によって生じる応力を緩和することができる。
なお、本発明の各実施の形態では、中継基板の上下面に第1の回路基板と第2の回路基板を配置する構成で述べたが、これに限られず、第1の回路基板と第2の回路基板が略L字形状等に中継基板で中継する構成としてもよい。具体的には、図23に示すように第1の回路基板20と第2の回路基板30を中継基板Rで中継して連結するような場合を挙げることができる。さらに、中継基板を平面的に連結する構成や離散的に配置する構成としてもよい。これにより、第1の回路基板と第2の回路基板を安定して接続できる。具体的には、図24に示すように第1の回路基板20と第2の回路基板30を中継基板R1,R2で中継して連結するような場合を挙げることができる。
また、本発明で述べた各実施の形態は、相互に適用できることはいうまでもない。
上記の各実施の形態では中継基板における第1,第2の回路基板との接続の凹部10gの断面形状はいずれも図4に示したように、側壁10hの傾きが底部から開口部に向かって広くなる傾斜角45°程度に形成されていたが、図19の(a)〜(c)の何れかに構成することもできる。具体的には、図19の(a)では側壁10hが垂直壁で構成されており、 図19の(b)では側壁10hの傾きが底部から開口部に向かって狭くなる傾斜辺で構成されており、図19の(c)では側壁10hが開口部よりも底部にかけて内側が広くなる例えば局面に形成されている。なお、特に、側壁10hが傾斜した場合には、第1,第2の回路基板20,30の積層方向から中継基板に作用した外力が、分力に分散されるため、落下などの衝撃に対する第1の配線60と接続部材40との接合強度、第2の配線80と接続部材40との接合強度を高めることができる。
また、上記の各実施の形態において、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板の両方に電子部品が実装されていたが、少なくとも一方に電子部品が実装されていればよい。
また、上記の各実施の形態において、窪み部16が前記中継基板の上下面の両方に設けられていたが、少なくとも一方の面に設けられ、前記窪み部に前記電子部品が実装されていてもよい。
また、上記の各実施の形態において前記第1,第2の回路基板の少なくとも一方がフレキシブル回路基板であってもよい。
本発明の立体的電子回路装置は、第1の回路基板と第2の回路基板を中継基板または中継枠を介して接続する3次元接続構造であり、回路基板間を接合すると共に高密度実装を実現できる。そのため、高機能、多機能でコンパクト化が要望される携帯電話機等をはじめとする各種のモバイル機器に広く利用できる。
本発明の第1の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図と中継基板の斜視図 同実施の形態の断面図 同実施の形態の中継基板の部分拡大斜視図 同実施の形態の中継基板と第1の回路基板との接続箇所の部分拡大断面図 同実施の形態の中継基板の別の例を示す部分拡大斜視図 同実施の形態の中継基板の更に別の例を示す部分拡大斜視図 本発明の第2の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図と中継基板の斜視図 本発明の第3の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図と中継基板の斜視図 本発明の第4の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図と中継基板のモールド前の斜視図とモールド後の斜視図 本発明の第5の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図と中継基板の斜視図 本発明の第6の実施の形態に係る中継基板の斜視図 本発明の第7の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図と中継基板の斜視図 本発明の第8の実施の形態に係る中継基板の斜視図 本発明の第9の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図と中継基板の斜視図 本発明の第10の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図と中継基板の斜視図 本発明の第11の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図 本発明の第12の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図 本発明の第13の実施の形態に係る立体的電子回路装置の断面図 凹部10gの別の例の断面図 第1の従来例の断面図 第2の従来例の断面図 第3の従来例の断面図 本発明の具体例を示す斜視図 本発明の別の具体例を示す斜視図
符号の説明
10 中継基板
10a 外周壁
10b 隔壁
10c 上面
10d 外面
10e 下面
10f 内面
10g 凹部
10h 側壁
10i 平面電極部
11a,11b 中継基板
12 中継基板
16 窪み部
20 第1の回路基板
30 第2の回路基板
40 接続部材
50,51 電子部品
60 第1の配線
80 第2の配線
85 側面接続配線
140 基板接続配線
150 モールド樹脂
160 孔
170 シールド電極
172 シールド電極
180 シールド電極
210 シールド層
230 インダクタンスやループアンテナ

Claims (19)

  1. 第1の回路基板と第2の回路基板を中継基板を介して接続した立体的電子回路装置であって、
    前記中継基板は、前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とを接続するための接続配線と電子部品を搭載できる窪み部を有し、さらに前記接続配線は中継基板の上下面に形成された凹部有しており、この凹部に入った接続部材を介して前記接続配線と前記第1の回路基板と前記第2の回路基板を接続した
    立体的電子回路装置。
  2. 前記第1の回路基板と前記第2の回路基板の少なくとも一方に電子部品が実装されていることを特徴とする
    請求項1に記載の立体的電子回路装置。
  3. 前記窪み部が前記中継基板の上下面の少なくとも一方の面に設けられ、前記窪み部に前記電子部品が実装されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の立体的電子回路装置。
  4. 前記窪み部が前記中継基板の側面に設けられ、前記窪み部に前記電子部品が実装されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の立体的電子回路装置。
  5. 前記窪み部が前記中継基板の側面の少なくとも一部および上下面の少なくとも一部に設けられ、前記電子部品が前記窪み部に搭載されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体的電子回路装置。
  6. 前記中継基板の側面に電気的ノイズを遮蔽するためのシールド電極が形成されていることを特徴とする
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の立体的電子回路装置。
  7. 前記窪み部に搭載された前記電子部品がモールド樹脂により樹脂封止されていることを特徴とする
    請求項1から請求項6のいずれかに記載の立体的電子回路装置。
  8. 前記第1の回路基板あるいは前記第2の回路基板に実装された前記他の電子部品と、対向する前記窪み部の前記電子部品とが、互いに重ならない位置に搭載されていることを特徴とする
    請求項2から請求項5のいずれかに記載の立体的電子回路装置。
  9. 前記中継基板の側面にインダクタまたはループアンテナが形成されていることを特徴とする
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の立体的電子回路装置。
  10. 前記中継基板が複数個連結されて、前記第1の回路基板および前記第2の回路基板とが3次元的に接続されていることを特徴とする
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の立体的電子回路装置。
  11. 前記中継基板の側面に形成された第1の接続配線を介して前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とが接続されていることを特徴とする
    請求項1から請求項10のいずれかに記載の立体的電子回路装置。
  12. 前記第1の回路基板と前記第2の回路基板の少なくとも一方がフレキシブル回路基板からなることを特徴とする
    請求項1から請求項11のいずれかに記載の立体的電子回路装置。
  13. 第1の回路基板と第2の回路基板の接続に使用される中継基板であって、
    前記第1の回路基板と前記第2の回路基板とを接続するための接続配線と電子部品を搭載できる窪み部を有し、さらに前記接続配線は中継基板の上下面に形成された凹部を有している
    中継基板。
  14. 上下面の少なくとも一方の窪み部に前記電子部品が実装されていることを特徴とする
    請求項13に記載の中継基板。
  15. 前記窪み部が側面に設けられ、前記窪み部に前記電子部品が実装されていることを特徴とする
    請求項13に記載の中継基板。
  16. 側面の少なくとも一部および上下面の少なくとも一部に窪み部が設けられ、電子部品が前記窪み部に搭載されていることを特徴とする
    請求項13に記載の中継基板。
  17. 側面に電気的ノイズを遮蔽するためのシールド電極が形成されていることを特徴とする
    請求項13から請求項16のいずれかに記載の中継基板。
  18. 前記窪み部に搭載された前記電子部品がモールド樹脂により樹脂封止されていることを特徴とする
    請求項13から請求項17のいずれかに記載の中継基板。
  19. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の立体的電子回路装置を用いたモバイル機器。
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