JP2006234755A - 免震建物のロック装置用地震センサー - Google Patents

免震建物のロック装置用地震センサー Download PDF

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Abstract

【課題】 電気的な故障が発生する虞のない機械的な構成であるにもかかわらず、地震時に、P波の上下方向の成分と水平方向の成分を拾い出することにより、P波を効率良く検知して、ロック装置をロック解除状態に確実に切り換えることができる免震建物のロック装置用地震センサーを提供する。
【解決手段】 免震層2の下部構造物1Bに、水平に配置された板バネ20の一端部を水平横軸21を介して枢支させ、板バネ他端部に上方へ折れ曲がった立上り板部22を設け、立上り板部の上端部にスイングウエイト23を連結する一方、上部構造物1A又は下部構造物に、吊下げバネ24を介して前記スイングウエイトを吊下げ支持させ、地震時のP波によるスイングウエイトの揺れに伴う板バネの水平横軸周りでの挙動により、ロック装置4がロック状態からロック解除状態に切り換わるように構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、免震建物における免震層での水平移動を拘束するロック状態と水平移動を許容するロック解除状態とに切換可能で且つ非地震時にはロック状態に維持されるロック装置を地震時にロック状態からロック解除状態に切換操作する地震センサーに関する。
地盤と建物の間や建物の中間階に免震層を設けて、免震層上部の建物に入力される地震力を減衰するようにした免震建物においては、地震によって地盤が揺れた際、免震層での相対的な水平移動によって建物の揺れを軽減できるが、免震層の存在により、強風時に免震層上部の建物が通常の建物よりも大きく揺れ、居住性が低下することがある。これを防ぐために、従来では、大型台風など、まれに起こる程度の強風時に生じる免震層のせん断力レベルまでは、鉛ダンパーなどのダンパー装置によって免震層での水平移動を拘束する方法がとられている。しかしながら、この方法では、そのせん断力レベルまでの小さな地震に対しては免震効果が発揮できないことになる。
このような問題の対策として、地盤と地上構造物との間に免震装置と、地盤に対する地上構造物の動的結合のロックおよびロック解除が可能なロック装置を設け、地上構造物には地上構造物に作用する風速を測定する風速計を設けて、当該風速計による測定値が設定値を超えた場合に上記動的結合のロックを行うことにより、風による地上構造物の揺動を阻止するように構成する一方、地盤側に地震センサーを設けて、風速計による測定値が設定値を超えた場合でも、地震が発生したときには、地震センサーの信号を優先させて、上記ロックを解除するように構成した免震建物のロック装置が特許文献1によって提案されている。
上記の従来例によれば、強風による建物の揺動を抑止でき、それでいて、強風時に地震が発生しても、地震センサーがこれを感知して、ロックを解除するので、免震効果が発揮され、ロック装置の破損も防止されることになる。しかしながら、この従来例による場合は、ロック装置を作動させるための電源の他、風速計や地震センサー、それらの制御回路など多くの電気部品を必要とし、それに伴って電気的な故障発生箇所が増えるため、免震装置が数十年に一度、発生するか、発生しないかも知れない異常事態に備えた設備であるにもかかわらず、信頼性を確保するために頻繁な保守点検が要求されることになる。
ところで、地震波のうち、P波(Primary−Wave)と呼ばれている粗密波(縦波)は、S波(Secondary−Wave)と呼ばれている捩れ波(横波)に比べると、構造物に直接被害を与えるような大きな振幅の地震波であることは少ないが、その波の性質上、S波よりも早く伝播する。
従って、上記の地震センサーとしては、P波を早期に検出して、S波が到達する前にロック装置を解除するように構成することが望ましい。しかしながら、従来の地震センサーでは、何れも、特許文献2〜4に見られるように、振動によりON・OFFする電気接点、振動に伴う変形により電気信号を発する圧電セラミックのストリップ(圧電素子型加速度センサー)、加速度に応じて電気信号を発するその他の加速度センサー(例えば、静電容量型加速度センサー、半導体型加速度センサーなど)を用いた電気式の地震センサーであるため、停電や漏電など不測な事態が発生しがちな地震時には、地震センサーやそれらの制御回路に電気的な故障が発生する可能性を否定できず、信頼性に欠けるという問題点がある。換言すれば、何が起きるか分からない地震時に確実にロック装置を解除動作させるためには、地震センサーからロック装置まで、電気部品に頼らない機械的な構成とする
ことが望ましいのである。
尚、特許文献3には、その図2に、機械式感震器に用いる全方位水平動振子として、倒立棒バネを介して支持された円柱状の振子重錘の外周に多数の加速度検出接点を環状に配置した全方位水平動振子が記載されているが、この全方位水平動振子は加速度検出接点を用いている点では、電気式地震センサーの一種であると言える。
特開平9−291721号公報 実用新案登録第3023645号公報 特開平10−132948号公報 特開2000−205921号公報
本発明は、上記の点に留意して成されたものであって、その目的とするところは、電気的な故障が発生する虞のない機械的な構成であるにもかかわらず、地震時に、P波の上下方向の成分だけでなくP波の水平方向の成分をも拾い出することにより、P波を効率良く検知して、ロック装置をロック解除状態に確実に切り換えることができる免震建物のロック装置用地震センサーを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明が講じた技術的手段は、次の通りである。即ち、請求項1に記載の発明は、免震建物における免震層での水平移動を拘束するロック状態と水平移動を許容するロック解除状態とに切換可能で且つ非地震時にはロック状態に維持されるロック装置を地震時にロック状態からロック解除状態に切換操作する地震センサーであって、免震層の下部構造物に、水平に配置された板バネの一端部を水平横軸を介して枢支させ、板バネの他端部に板バネに対して上方へ折れ曲がった立上り板部を設け、立上り板部の上端部にスイングウエイトを連結する一方、免震層の上部構造物又は下部構造物に、吊下げバネを介して前記スイングウエイトを吊下げ支持させ、地震時のP波によるスイングウエイトの揺れに伴う板バネの水平横軸周りでの挙動により、ロック状態からロック解除状態への切換操作が行われるように構成したことを特徴としている。
尚、地震時のP波によるスイングウエイトの揺れに伴う板バネの水平横軸周りでの挙動により、ロック状態からロック解除状態への切換操作が行われるように構成するにあたっては、請求項2に記載の発明のように、前記板バネの一端部に、当該一端部の水平横軸周りでの挙動により、ロック装置をロック状態からロック解除状態に切り換えるワイヤークラッチを設けてもよく、請求項3に記載の発明のように、前記板バネの一端部に固定された操作レバーを、免震層の下部構造物に固定されたブラケットに水平横軸周りで揺動自在に枢支させ、操作レバーとブラケットとにわたってトッグルバネを設け、前記板バネ一端部の水平横軸周りでの挙動により、操作レバーが揺動してトッグルバネが死点越えすることにより、ロック装置をロック状態からロック解除状態に切り換えるように構成してもよい。
また、前記ロック装置としては、電磁石などを用いた電気的な構成であってもよいが、上記の地震センサーと同じように、電気部品に頼らない機械的な構成とすることが信頼性を高め得る点で望ましい。そのため、請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の免震建物のロック装置用地震センサーにおいて、免震層の上部構造物に係止部が形成されたアッパープレートを設け、下部構造物に係止部と対向するサヤ管を設け、アッパープレートとサヤ管との間に上下両端部が係止部とサヤ管とに嵌合したロック状態と、上端部が係止部から外れ下端部がサヤ管に嵌合したロック解除状態とにわたって昇降自在で且つ下降付
勢されたダボピンを設け、ダボピンには下部構造物に設けたサポートヒンジの周りに揺動するサポートアームを枢支連結して、サポートヒンジを支点、ダボピンとの枢支連結部を作用点、端部を力点とする梃子を形成し、サポートアームの端部にワイヤーを吊り下げ、当該ワイヤーを前記ワイヤークラッチに保持させることによって、前記ロック装置を構成している。
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の免震建物のロック装置用地震センサーにおいて、免震層の上部構造物に係止部が形成されたアッパープレートを設け、下部構造物に係止部と対向するサヤ管を設け、アッパープレートとサヤ管との間に上下両端部が係止部とサヤ管とに嵌合したロック状態と、上端部が係止部から外れ下端部がサヤ管に嵌合したロック解除状態とにわたって昇降自在で且つ下降付勢されたダボピンを設け、ダボピンには下部構造物に設けたサポートヒンジの周りに揺動するサポートアームを枢支連結して、サポートヒンジを支点、ダボピンとの枢支連結部を作用点、端部を力点とする梃子を形成し、サポートアームの端部に係止孔を有するプレートを吊り下げ、下部構造物に設けた固定部材にはプレートの係止孔と対向する係止孔を設け、これらの係止孔に係合離脱可能なロックピンを前記操作レバーに連結させることによって、前記ロック装置を構成している。
請求項1に記載の発明によれば、免震層の下部構造物に一端部を枢支させた板バネの他端部に、板バネに対して上方へ折れ曲がった立上り板部を設け、立上り板部の上端部にスイングウエイトを連結したので、地震時のP波により、スイングウエイトが上下方向に揺れても、水平方向に揺れても、板バネが上下に震動し、ロック状態からロック解除状態への切換操作が行われることになる。
即ち、波動には遅く伝わる方向に曲がる性質があるので、地震波は地表に近づくにつれて地面に垂直な上向きに曲がり、地表には略真下から伝わってくることになる。そのため、P波は地表では主に縦揺れ(上下方向の揺れ)となるが、水平方向の揺れの成分も含んでいる。請求項1に記載の発明の構成によれば、P波の到来により、スイングウエイトは、主に上下方向に揺れるが、P波に含まれる水平方向の成分によって、水平方向にも揺れることが可能である。そして、スイングウエイトが水平方向にも揺れても、その揺れが立上り板部によって板バネに上下の震動として伝達されることになる。
また、微弱なP波でスイングウエイトを効率よく揺動させるためには、スイングウエイトが地盤の揺れに共振するようなバネ定数に設定することが望ましいが、板バネには、スイングウエイトの支持やロック解除操作のための強度が必要であるから、板バネだけでは、スイングウエイトの周期が地盤の一次周期(固有振動数)と合致するようなバネ定数に設定することが困難である。この点、請求項1に記載の発明によれば、免震層の上部構造物又は下部構造物に、吊下げバネを介して前記スイングウエイトを吊下げ支持させたので、この吊下げバネの選択により、全体としてのバネ定数を、スイングウエイトの周期が地盤の一次周期(固有振動数)と合致するような値(スイングウエイトが地盤の揺れに共振するようなバネ定数)に容易に設定できる。
これらの結果として、板バネ、吊下げバネ、スイングウエイト等を用いた電気的な故障が発生する虞のない機械的な構成であるにもかかわらず、地震時に、P波の上下方向の成分だけでなくP波の水平方向の成分をも効率よく拾い出して、P波を効率良く検知し、免震建物のロック装置をロック状態からロック解除状態に確実に切換操作できる。従って、風による建物の不快な揺れを防止でき、それでいて、小さな地震でも免震効果が発揮できることになる。
以下、基礎と建物下端との間に免震層を配置したいわゆる基礎免震の免震建物を例示する図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1において、1は免震建物、2は免震層である。免震層2には、例えば積層ゴムを用いて構成された免震装置3と、免震層2での水平移動を拘束するロック状態と水平移動を許容するロック解除状態とに切換可能で且つ非地震時にはロック状態に維持されるロック装置4が設置されている。
図2〜図6は、ロック装置4とロック装置4を地震時にロック状態からロック解除状態に切換操作する地震センサー5の詳細を示す。ロック装置4の具体的な構成を説明すると次の通りである。即ち、図2〜図4に示すように、免震層2の上部構造物(建物)1Aに凹部からなる係止部6が形成された鋼製のアッパープレート7が設けられ、下部構造物(基礎)1Bには前記係止部6と対向するサヤ管8が設けられている。アッパープレー7トとサヤ管8との間には、上下両端部が係止部6とサヤ管8とに嵌合したロック状態(図2参照)と、上端部が係止部6から外れ下端部がサヤ管8に嵌合したロック解除状態(図3参照)とにわたって昇降自在で且つ自重により下降付勢されたダボピン9が設けられている。
ダボピン9には、図4に示すように、平面視形状が音叉状をなすサポートアーム10がダボピン9の両側部に設けた枢支ピン11を介して枢支連結されている。サポートアーム10は、下部構造物1Bに設けたサポートヒンジ12の周りで揺動自在であり、サポートヒンジ12を支点、ダボピン9との枢支連結部(枢支ピン11)を作用点、端部を力点とする梃子に形成されている。サポートアーム11の端部(力点)にはワイヤー13が吊り下げられており、当該ワイヤー13を、図2、図5に示すように、地震センサー5のワイヤークラッチ14に保持させることによって、サポートアーム10の端部を引き下げた状態に保持できるように構成されている。
図示の例では、サポートアーム10の長手方向中間部をサポートヒンジ12の上に載置してあるが、サポートヒンジ12としては、サポートアーム10の長手方向中間部を貫通する横軸を有する形式であってもよい。この場合には、サポートアーム10の長手方向中間部における横軸貫通部を長孔に形成するか、あるいは、サポートアーム10先端の枢支ピン11貫通部を長孔に形成することになる。
前記ダボピン9は、角型鋼管などによって形成された高剛性・高耐力のもので、軸線方向中間部で上下に分割されており、上下の分割体部分9a,9bの突合せ端に設けたフランジ同士を複数本のリリーフボルト15で連結することによって一体となっている。前記枢支ピン11は、図示の例では下側のフランジに設けられている。前記サヤ管8は、ダボピン9が昇降自在に嵌り込む角型鋼管によって構成されたもので、上下両端に溶接された鋼製の環状プレート16及びベースプレート17とそれらの間に打設されたコンクリート製のベースブロック18によって補強されており、ベースプレート17をアンカーボルト19で下部構造物1Bに固定するように構成してある。
前記地震センサー5の具体的な構成を説明すると次の通りである。即ち、図2、図3、図5、図6に示すように、免震層2の下部構造物1Bに、水平に配置された板バネ20の一端部を水平横軸21を介して枢支させ、板バネ20の他端部に板バネ20に対して上方へ折れ曲がった立上り板部22を設け、立上り板部22の上端部にスイングウエイト23を連結する一方、免震層2の上部構造物1Aに、上下に伸縮するコイルスプリングからなる吊下げバネ24を介して前記スイングウエイト23を吊下げ支持させ、地震時のP波によるスイングウエイト23の揺れに伴う板バネ20の水平横軸21周りでの挙動により、ワイヤークラッチ14によるワイヤー13の保持が緩み、サポートアーム10の端部が上に上がると共に、ダボピン9が自重によって下降し、ロック状態からロック解除状態への
切換操作が行われるように構成されている。
14aは、ワイヤークラッチ14のベースブロックであり、下部構造物1Bに固定されている。14bはベースブロック14aの側面に設けられた固定側のワイヤー挟持金具、14cは板バネ20の一端部に固定された可動側のワイヤー挟持金具であり、前記水平横軸21で回動自在に枢支されている。水平横軸21は固定側のワイヤー挟持金具14bに設けた軸受部14dに回転自在に枢支されている。
尚、立上り板部22は、板バネ20自体をL字状に屈曲させて形成してもよいが、図示の実施形態では、L字状金物25の水平板部を板バネ20に固定し、L字状金物25の垂直板部によって前記立上り板部22を構成している。26は、下部構造物1Bの板バネ下方位置に設置した緩衝材であり、過度の変形による板バネ20の破損を防止する役目を果たす。
上記の構成によれば、非地震時には免震建物1のロック装置4がロック状態(図2参照)に維持されるので、免震層2での水平移動が拘束され、風による建物の不快な揺れが防止されることになる。
地震時には、地震センサー5がP波の上下方向の成分だけでなくP波の水平方向の成分をも効率よく拾い出して、P波を効率良く検知し、免震建物1のロック装置4をロック状態からロック解除状態(図3参照)に確実に切換操作できるので、小さな地震であっても免震効果が発揮されることになる。
即ち、免震層2の下部構造物1Bに一端部を枢支させた板バネ20の他端部に、板バネ20に対して上方へ折れ曲がった立上り板部22を設け、立上り板部22の上端部にスイングウエイト23を連結したので、地震時のP波により、スイングウエイト23が上下方向に揺れても、P波に含まれる水平方向の成分によって水平方向に揺れても、その揺れが立上り板部22によって板バネ20に上下の震動として伝達され、板バネ20が上下に震動し、これによってワイヤークラッチ14によるワイヤー13の保持が緩むので、サポートアーム10の端部が上に上がると共に、ダボピン9が自重によって下降し、ロック解除状態への切換操作が行われることになる。
また、微弱なP波でスイングウエイト23を効率よく揺動させるためには、スイングウエイト23が地盤側(下部構造物1B)の揺れに共振するようなバネ定数に設定することが望ましいが、板バネ20には、スイングウエイト23の支持やロック解除操作のための強度が必要であるから、板バネ20だけでは、スイングウエイト23の周期が地盤の一次周期(固有振動数)と合致するようなバネ定数に設定することが困難である。しかしながら、上記の構成によれば、免震層の上部構造物1Aに、吊下げバネ24を介して前記スイングウエイト23吊下げ支持させたので、この吊下げバネ24の選択により、全体としてのバネ定数を、スイングウエイト23の周期が地盤側(下部構造物1B)の一次周期(固有振動数)と合致するような値(スイングウエイト23が地盤側の揺れに共振するようなバネ定数)に容易に設定できる。
これらの結果として、板バネ20、吊下げバネ24、スイングウエイト23等を用いた電気的な故障が発生する虞の殆どない機械的な構成であるにもかかわらず、地震時に、P波の上下方向の成分だけでなくP波の水平方向の成分をも効率よく拾い出して、P波を効率良く検知し、免震建物のロック装置4をロック状態からロック解除状態に確実に切換操作できる。従って、風による建物の不快な揺れを防止でき、それでいて、小さな地震でも免震効果が発揮できることになる。
万が一、想定を超える風荷重が建物に加わった場合や何らかの原因によって地震時にロック解除状態への切換が行われなかった場合には、ダボピン9に設定以上のせん断力が作用することによってリリーフボルト15が破断し、ダボピン9が上下に分割されるので、ロック装置全体に被害が及ばず、免震効果が発揮できることになる。
そして、地震が終了した後、建物管理者はダボピン9及びサポートアーム10を元の位置に戻し、ワイヤークラッチ14を再セットすることになる。
図7は他の実施形態を示す。この実施形態は、前記スイングウエイト23を免震層2の下部構造物1Bに吊下げバネ24を介して吊下げ支持させた点に特徴がある。27は吊下げ支持用のアームであり、下部構造物1Bに固定されている。その他の構成、作用は、図1〜図6の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図8は他の実施形態を示す。この実施形態は、地震時のP波によるスイングウエイト23の揺れに伴う板バネ20の水平横軸21周りでの挙動により、ロック状態からロック解除状態への切換操作が行われるように構成するにあたって、前記板バネ20の一端部に固定された操作レバー28を、免震層2の下部構造物1Bに固定されたブラケット29に水平横軸21周りで揺動自在に枢支させ、操作レバー28とブラケット29とにわたってトッグルバネ30を設け、サポートアーム10の端部に係止孔31aを有するプレート32を吊り下げ、下部構造物1Bに設けた固定部材33にはプレート32の係止孔31aと対向する係止孔31bを設け、これらの係止孔31a,31bに係合離脱可能なロックピン34を前記操作レバー28に連結させ、前記板バネ一端部の水平横軸21周りでの挙動により、操作レバー28が揺動してトッグルバネ30が死点越えすることにより、操作レバー28がロックピン34を引っ張って、係止孔31a,31bから抜き取ることで、ロック装置4をロック状態からロック解除状態に切り換えるように構成した点に特徴がある。その他の構成、作用は、図1〜図7の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
尚、図示の実施形態では、基礎と建物下端との間に免震層を配置したいわゆる基礎免震の免震建物を例にとって本発明を説明したが、中間階に免震層を配置したいわゆる中間階免震の免震建物に本発明を適用するなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明が種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
本発明に係る免震建物のロック装置用地震センサーを示す全体の概略側面図である。 ロック状態におけるロック装置と地震センサーを示す一部切欠き側面図である。 ロック解除状態におけるロック装置と地震センサーを示す一部切欠き側面図である。 ロック装置の要部の平面図である。 地震センサーを示す要部の側面図である。 図5のA−A線断面図である。 他の実施形態におけるロック装置と地震センサーを示す一部切欠き側面図である。 他の実施形態における地震センサーを示す要部の側面図である。
符号の説明
1 免震建物
1A 上部構造物
1B 下部構造物
2 免震層
3 免震装置
4 ロック装置
20 板バネ
21 水平横軸
23 スイングウエイト
24 吊下げバネ

Claims (5)

  1. 免震建物における免震層での水平移動を拘束するロック状態と水平移動を許容するロック解除状態とに切換可能で且つ非地震時にはロック状態に維持されるロック装置を地震時にロック状態からロック解除状態に切換操作する地震センサーであって、免震層の下部構造物に、水平に配置された板バネの一端部を水平横軸を介して枢支させ、板バネの他端部に板バネに対して上方へ折れ曲がった立上り板部を設け、立上り板部の上端部にスイングウエイトを連結する一方、免震層の上部構造物又は下部構造物に、吊下げバネを介して前記スイングウエイトを吊下げ支持させ、地震時のP波によるスイングウエイトの揺れに伴う板バネの水平横軸周りでの挙動により、ロック状態からロック解除状態への切換操作が行われるように構成したことを特徴とする免震建物のロック装置用地震センサー。
  2. 請求項1に記載の免震建物のロック装置用地震センサーであって、前記板バネの一端部に、当該一端部の水平横軸周りでの挙動により、ロック装置をロック状態からロック解除状態に切り換えるワイヤークラッチを設けたことを特徴とする免震建物のロック装置用地震センサー。
  3. 請求項1に記載の免震建物のロック装置用地震センサーであって、前記板バネの一端部に固定された操作レバーを、免震層の下部構造物に固定されたブラケットに水平横軸周りで揺動自在に枢支させ、操作レバーとブラケットとにわたってトッグルバネを設け、前記板バネ一端部の水平横軸周りでの挙動により、操作レバーが揺動してトッグルバネが死点越えすることにより、ロック装置をロック状態からロック解除状態に切り換えるように構成したことを特徴とする免震建物のロック装置用地震センサー。
  4. 請求項2に記載の免震建物のロック装置用地震センサーであって、前記ロック装置が、免震層の上部構造物に係止部が形成されたアッパープレートを設け、下部構造物に係止部と対向するサヤ管を設け、アッパープレートとサヤ管との間に上下両端部が係止部とサヤ管とに嵌合したロック状態と、上端部が係止部から外れ下端部がサヤ管に嵌合したロック解除状態とにわたって昇降自在で且つ下降付勢されたダボピンを設け、ダボピンには下部構造物に設けたサポートヒンジの周りに揺動するサポートアームを枢支連結して、サポートヒンジを支点、ダボピンとの枢支連結部を作用点、端部を力点とする梃子を形成し、サポートアームの端部にワイヤーを吊り下げ、当該ワイヤーを前記ワイヤークラッチに保持させることによって構成されていることを特徴とする免震建物のロック装置用地震センサー。
  5. 請求項3に記載の免震建物のロック装置用地震センサーであって、前記ロック装置が、免震層の上部構造物に係止部が形成されたアッパープレートを設け、下部構造物に係止部と対向するサヤ管を設け、アッパープレートとサヤ管との間に上下両端部が係止部とサヤ管とに嵌合したロック状態と、上端部が係止部から外れ下端部がサヤ管に嵌合したロック解除状態とにわたって昇降自在で且つ下降付勢されたダボピンを設け、ダボピンには下部構造物に設けたサポートヒンジの周りに揺動するサポートアームを枢支連結して、サポートヒンジを支点、ダボピンとの枢支連結部を作用点、端部を力点とする梃子を形成し、サポートアームの端部に係止孔を有するプレートを吊り下げ、下部構造物に設けた固定部材にはプレートの係止孔と対向する係止孔を設け、これらの係止孔に係合離脱可能なロックピンを前記操作レバーに連結させることによって構成されていることを特徴とする免震建物のロック装置用地震センサー。
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JP2009091774A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Toyoshiki:Kk 風による揺れ止め装置及びその装置を使用した免震構造
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CN110242796A (zh) * 2019-07-11 2019-09-17 西安安森智能仪器股份有限公司 一种传动装置及油水抽排设备

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