JP2006233754A - マンホール蓋枠取替え工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】予定されたマンホール蓋枠の取替え工事に際して、工事範囲を最小限とすると共に、転圧工程を不要とし、工事工程及び工事期間を削減/短縮し、振動及び騒音等の公害をもクリア出来るマンホール蓋枠取替え工法の提供。
【解決手段】球面状カッターを、マンホール蓋の外周外方に沿って旋回させて球面状切り込みを入れる舗装切断工程と、前記工程で形成された切り込みと、前記蓋を受ける蓋受枠との間の前記蓋受枠と舗装材の擬似円環状の切断片を形成する切断片形成工程と、前記工程で得られる切断片を除去する除去工程と、下桝の上面にアンカーボルトを設置してマンホール蓋受枠の高さを調整するアンカーボルト設置工程と、前記工程のアンカーボルトを介して、新しい蓋受枠を取付ける蓋受枠取り付け工程と、切断片を除去して形成される空間に、路盤材などを充填する材料充填工程と、より成ることを特徴とするマンホール蓋枠取替え工法。
【選択図】図1

Description

この発明は、電気、電信、ガス、及び上下水道系等におけるマンホール蓋枠取替え工法に関する。
従来、電気、電信、ガス、及び上下水道系等におけるマンホール蓋枠の取替え工事に際しては、平板状のカッター、コアカッター、等で四方形またはカット面がストレートな円版状に切断し、切断部を除去した後、補修部分に補修材を充填し、その後転圧機で転圧作業をして工事終了とするのが通例である。
また、開示されている舗装路面開口工法では、「舗装路面を開口予定部の周囲に沿って切断すると共にその切断された柱状舗装版を引上げて取り外す工程を含み、柱状舗装版に1又は2以上のアンカーが埋設され、柱状舗装版は円形、または四角形に切断され、四角形の場合は少なくとも対向する二辺は深さ方向に先細りとなるように切断され」、と記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
特公平2−15687号公報
然しながら、上述の従来例では、四角形に切断する場合は勿論のこと、円形切断の場合でも、前者の場合は四隅と底部全縁に、後者の場合は底部全縁に角張った隅部が発生し(図4(b)参照)、補修材等の充填材を充填しても前記隅部に前記充填材が十分に行き渡らず空隙が生じ、切断部が略垂直な壁面となり、切断部側面の摩擦力のみで支持されているのでずれて沈下し易い為、路面に生じた隙間から雨水等が浸透し易く、沈下を助長し、事故の原因を誘起することとなる。
また、四角形に切断する場合は、図4(b)に示すように4角部に余分なカットクロス部ができ、その分の補修も含まれることになる。
上述のように従来工法では、カットクロス部のような余分な補修工事が発生したり、補修工事の際に、後工程で転圧作業をしなければ、経時的に表層部及び路盤部が沈下し、路面に凹凸が発生する虞がある等の不都合な問題があった。
然も従来の充填材では、硬化時間も含めて工事期間が余り短縮できないという問題があり、更に騒音公害の点でも改善の余地がある、等々の課題がある。
本発明は、上述の状況に鑑みて成されたもので、予定されたマンホール蓋枠の取替え工事に際して、工事範囲を最小限とすると共に、転圧工程を不要とし、工事工程及び工事期間を削減/短縮し、振動及び騒音等の公害をもクリア出来るマンホール蓋枠取替え工法を提供することを目的とする。
本発明は、下記構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
(1)回転円弧状または球面状カッターを、マンホール蓋の中心を中心として、前記マンホール蓋の外周外方に沿って360°旋回させて回転円弧状または球面状切り込みを入れる舗装切断工程と、
前記舗装切断工程で形成された切り込みと、前記蓋を受ける蓋受枠との間の前記蓋受枠と舗装材を一体構造とした擬似円環状の切断片を形成する切断片形成工程と、
前記切断片形成工程で得られる切断片を除去する切断片除去工程と、
下桝の上面を清掃し、アンカーボルトを設置してマンホール蓋受枠の高さを調整するアンカーボルト設置工程と、
前記アンカーボルト設置工程のアンカーボルトを介して、新しい蓋受枠を取付ける蓋受枠取り付け工程と、
前記擬似円環状の切断片を除去して形成される空間に、路盤材、調整部材、表層材を充填する材料充填工程と、
より成ることを特徴とするマンホール蓋枠取替え工法。
以上説明したように、予定されたマンホール蓋枠の取替え工事に際して、工事範囲を最小限とすると共に、転圧工程を不要とし、工事工程及び工事期間を削減/短縮し、振動及び騒音等の公害をもクリア出来るマンホール蓋枠取替え工法を提供することが出来る。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
以下、本発明に係るマンホール蓋枠取替え工法の実施の形態について説明する。
図1は、回転円弧状または球面状カッターを有する路面用カッター装置を用いて予定されたマンホール蓋枠の周囲に回転円弧状または球面状に切り込みを入れた状況の一例を示す説明図、図2(a)は、切り込みを入れて分離除去可能とした切断片を除去した後の状況の一例を示す断面説明図、(b)は、切断片の模式的外観斜視図、図3は、マンホール蓋枠取替え後の最終工程施工状況の一例を示す詳細断面説明図、(a)は路盤材及び調整部材充填時の詳細断面説明図、(b)は表層材充填後の詳細断面説明図、図4は、本発明に係る本工法と従来から行われていた従来工法との比較説明図であり、(a)は本工法の回転円弧状(球面状)切断の場合、(b)は従来工法の四角形(四工程)切断、または円形切断の場合の例、図5(a)は、補強用鉄筋を網目状に配設した場合の状況を示す側断面図、(b)はA部拡大図である。
本実施例は、特開2001−295216号公報に開示の路面用カッター、または特願2002−60514号出願の路面用カッター装置を用いて施工した場合であって、切断面となる壁面を回転円弧状または球面状に、且つ必要最小限の範囲で切断施工が可能である。
前記装置を用いて、予定されたマンホール蓋枠の同心円上路面に所定深さの回転円弧状または球面状切り込み1を入れ、取替えを必要とする部分、例えば、蓋及び蓋受枠2′を交換し、切断片を分離除去した後の空間に、予め用意した、例えば、路盤材6となるカルシウム、サルフォ、アルミネート系等の金属系無収縮材を含有するモルタル類からなる自硬性を有する高流動性無収縮充填材を充填し、また路面の表層部に繊維質を含有する表層材8を、余分に盛り上げることをせず、既存の路面に合わせて仕上げればよい。
以下、図面を参照して実施例について詳細に説明する。
図1において、a 先ず、交換を必要とする蓋受枠2′の径dが654mmの場合、切断する直径Dは1000mmとし、予め用意した回転円弧状または球面状カッターを備えた路面用カッター装置の車輪角度を設定(ワンタッチ操作)し、装置を360°旋回して回転円弧状または球面状切り込み1を入れ(舗装切断)、b 次いで、図2(b)に示すように疑似円環状(ドーナツ状)の切断片を除去し、図2(a)に示すような疑似円環状(ドーナツ状)の空間を形成させ、旧い蓋受枠2′を取り外した後、下桝3の上面を清掃し、次に、c 高さ調整部付きアンカーボルト5(後施工型アンカーボルト)を設置し(図3(a)、(b)参照)、高さ調整し、新しい蓋受枠2、及び内型枠4を取り付ける。次に、d 路盤材6及び調整部材7を充填し、養生時間(約19分)経過後、e 表層材8を、例えば、厚み50mm(h)に充填し、そして仕上げ作業を行い、表層材8の養生時間約30分で実作業を終了する。
本実施例では、実際の合計作業時間は2時間14分であった。
路盤材6及び調整部材7は、前述したように、カルシウム、サルフォ、アルミネート系等の金属系無収縮材を含有するモルタル類からなる自硬性を有する高流動性無収縮充填材を使用している。
然も本工法では、補修材となる充填材は、短時間で所定強度に硬化するので、施工を開始してから完工するまで、所要の施工合計時間は3時間以内であり(季節及び環境条件によって多少変動あり)、作業時間を従来法と比較して略1/2以下に短縮することが出来る。
尚、本工法の最大の特徴は、切断部の壁面を従来の様な柱状ではなく、回転円弧状または球面状切断部1aとすることが出来るので、図4(a)に示すように、補修材(充填材)が、球面状を形成する切断部の摩擦力に加えて求心方向支持力により、例えば、図4(a)に示すように、上方からの圧力、即ち車両等の荷重Pを受ければ受けるほど、充填材と切断部1aの密着性が高まり、従来法での柱状切断壁面のように隙間からの雨水の浸透等による補修部の沈下現象(図4(b)参照)等を防止出来、トラブルを回避して全く安全且つ迅速なマンホール蓋枠取替え工事を行うことが出来る。
(その他の実施例1)
その他の実施例1において、前述の実施例と異なる点は、高流動性無収縮充填材として、主として金属性骨材を含まない非金属系無収縮材を含むモルタル類からなることである。
(その他の実施例2)
その他の実施例2は、高流動性無収縮充填材を充填する際に、補強用鉄筋を網目状に配設したことである。
図5(a)、(b)に示すように、高流動性無収縮充填材となる路盤材の内部に所定太さの鉄筋を所定ピッチで網目状に配設することにより、万一周辺の路盤が崩壊しても、影響を受けず、安全を維持することが出来る。
尚、本実施例では、高流動性無収縮充填材を指定して用いたが、本工法において、転圧もしくは転圧締め固め工程の必要の無い材料、または手作業程度の加圧操作で済む材料であれば良く、限定するものではない。
回転円弧状または球面状カッターを有する路面用カッター装置を用いて予定されたマンホール蓋枠の周囲に回転円弧状または球面状に切り込みを入れた状況の一例を示す説明図 (a)切り込みを入れて分離除去可能とした切断片を除去した後の状況の一例を示す断面説明図、(b)切断片の模式的外観斜視図 マンホール蓋枠取替え後の最終工程施工状況の一例を示す詳細断面説明図、(a)路盤材及び調整部材充填時詳細断面説明図、(b)は表層材充填後の詳細断面説明図 本発明に係る本工法と従来から行われていた従来工法との比較説明図、(a)本工法の回転円弧状(球面状)切断の場合、(b)従来工法の四角形(四工程)切断、または円形切断の場合の例 (a)補強用鉄筋を網目状に配設した場合の状況を示す側断面図、(b)A部拡大図
符号の説明
1 回転円弧状または球面状切り込み
1a 回転円弧状または球面状切断部
2、2′ 蓋受枠
3 下桝
4 内型枠
5 高さ調整部付きアンカーボルト(後施工形アンカーボルト)
6 路盤材
7 調整部材
8 表層材

Claims (1)

  1. 回転円弧状または球面状カッターを、マンホール蓋の中心を中心として、前記マンホール蓋の外周外方に沿って360°旋回させて回転円弧状または球面状切り込みを入れる舗装切断工程と、
    前記舗装切断工程で形成された切り込みと、前記蓋を受ける蓋受枠との間の前記蓋受枠と舗装材を一体構造とした擬似円環状の切断片を形成する切断片形成工程と、
    前記切断片形成工程で得られる切断片を除去する切断片除去工程と、
    下桝の上面を清掃し、アンカーボルトを設置してマンホール蓋受枠の高さを調整するアンカーボルト設置工程と、
    前記アンカーボルト設置工程のアンカーボルトを介して、新しい蓋受枠を取付ける蓋受枠取り付け工程と、
    前記擬似円環状の切断片を除去して形成される空間に、路盤材、調整部材、表層材を充填する材料充填工程と、
    より成ることを特徴とするマンホール蓋枠取替え工法。
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