JP2006233260A - めっき装置 - Google Patents

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隆文 永井
Kazuhisa Fujii
和久 藤井
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Abstract

【課題】 効率よく拡散流体を再利用することができるめっき装置を提供する。
【解決手段】 混合分散部60は、CO2タンク21、界面活性剤タンク41及びめっき液タンク51のそれぞれから供給されたCO2、フッ素系界面活性剤及びめっき液を混合して分散させためっき分散体をめっき槽61に供給する。めっき槽61では、CO2を超臨界状態としてめっきが行われ、使用しためっき分散体をめっき液分離槽65に排出する。フッ素系界面活性剤を用いた場合には、めっき液と超臨界CO2の分散保持時間は短く、めっき液分離槽65において、めっき液及び超臨界CO2は、これらの比重差により、すぐに分離する。この分離したCO2は、冷却部70において冷却されて液相を含む状態となって、CO2再生装置71に排出され、不純物が除去された後、CO2タンク21に戻されて再利用される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば超臨界流体などの拡散性の高い拡散流体を用いてめっきを行うめっき装置に関する。
今日、良好なめっきを行うために、超臨界流体を用いためっき方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1においては、超臨界又は亜臨界状態の二酸化炭素と電解質溶液(めっき液)とを用いてめっきを行う。このめっきにおいては、粘度が小さく拡散力が高い超臨界流体を用いるため、めっき液が細部にまで回り込み、良好なめっきを行うことができる。また、この特許文献1において、超臨界流体は、使用後に再生されて、再利用される。
この超臨界流体の再利用を行うめっき装置には、図2に示すような構成を有するものがある。図2のめっき装置は、めっきを行うめっき槽100を備え、このめっき槽100には、CO2タンク101及び電解めっき液タンク103が接続される。CO2タンク101は、超臨界流体となるCO2を液状で収容し、めっき液タンク103はめっき液を収容する。なお、めっき槽100とCO2タンク101との間には、液状のCO2を超臨界状態にするために加圧及び加熱を行う液ポンプ及び加熱部が設けられる。
めっき槽100には、電解めっきを行うための一対の電極が設けられ、この電極の一方には、めっきを行う被めっき材が接続される。このめっき槽100には、攪拌機が設けられているとともに、ポンプ及び混合器を有する外部循環ユニットが設けられている。攪拌機及び外部循環ユニットは、めっき槽100内のめっき分散体を均一に混合して良好なめっきを行うために用いる。
更に、このめっき槽100は、加熱部104が設けられた排出管を介して、フラッシュ塔105に接続される。フラッシュ塔105においては、加熱部104における加熱により気化したCO2を、液体のめっき液と分離する。フラッシュ塔105は、触媒燃焼器106、水吸着カラム107、CO2再生装置108及び冷却部109を介して、CO2タンク101に接続されている。触媒燃焼器106においては、気化したCO2に不純物として含まれる水素ガス及び酸素ガスとを触媒燃焼させて水にする。水吸着カラム107においては、CO2に含まれる水分を吸着除去する。CO2再生装置108において、CO2は減圧され、冷却部109において冷却されて液化され、CO2タンク101に還流される。なお、フラッシュ塔105において分離されためっき液は、めっき液再生装置を介して、めっき液タンク103に還流される。
特開2004−60032号公報(第5頁〜第6頁)
ところで、超臨界CO2とめっき液とは比重が異なるため、そのままでは分離してしまう。そこで、超臨界CO2とめっき液とを均一に分散させるために、これらに界面活性剤を混合させている。図2に示すめっき装置では、界面活性剤を収容した界面活性剤タンク102が設けられ、この界面活性剤タンク102はめっき槽100に接続される。
従来、界面活性剤として、炭化水素系の界面活性剤が用いられていた。この炭化水素系の界面活性剤は、超臨界CO2とめっき液との分散保持状態が長時間持続するため、超臨界CO2とめっき液とが自然に分離するには、数日程度かかることもあった。従って、超
臨界CO2を循環して再利用するために、めっき液から自然に分離させることは難しく、上述したようにめっき分散体中のCO2を気化させる必要があった。
また、触媒燃焼器106においては、気化したCO2に不純物として含まれる水素ガスや酸素ガスとを触媒燃焼させて水にする。このときに、めっき添加物(ハロゲンや硫黄等の触媒を被毒する成分)が気化したCO2に含まれていると、燃焼媒体が劣化し、水素ガスや酸素ガスなどの除去分離能力が低下する。この結果、めっき処理に不要な水素ガスや酸素ガスが、再生するCO2に多く残留してしまうという問題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、効率よく拡散流体を再利用することができるめっき装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、めっき液と、このめっき液の拡散力を高める拡散流体と、これらを分散状態にするための界面活性剤とを混合しためっき分散体を用いて被めっき材にめっきを施すためのめっき槽と、このめっき槽において用いられた前記めっき分散体から前記拡散流体を分離する拡散流体分離手段とを備えためっき装置において、前記拡散流体分離手段は、前記めっき液と前記拡散流体との比重差を用いて、前記拡散流体を前記めっき槽において使用された前記拡散流体の状態又は液相を含む状態で前記めっき液から分離することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のめっき装置において、前記めっき槽に前記拡散流体を供給し、前記拡散流体分離手段において分離された拡散流体が還流される拡散流体供給手段を更に備えたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のめっき装置において、前記拡散流体分離手段は、分離された前記拡散流体を排出するための不純物分離手段に接続されており、この不純物分離手段において、不純物が除去された拡散流体を前記拡散流体供給手段に供給することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のめっき装置において、前記不純物分離手段は、前記拡散流体分離手段から排出される拡散流体が、気相及び液相の2相状態となるように温度又は圧力を調整する液相調整部を備え、この液相調整部により冷却されて液相となった拡散流体のみを前記拡散流体供給手段に供給することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載のめっき装置において、前記拡散流体は、超臨界流体又は亜臨界流体であることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のめっき装置において、前記拡散流体は、二酸化炭素であることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載のめっき装置において、前記界面活性剤は、親水性部分と、フッ素基から構成された親CO2性部分とを有するフッ素系界面活性剤であることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、めっき液と、このめっき液の拡散力を高める拡散流体と、これらを分散状態にするための界面活性剤とを混合しためっき分散体を用いて、めっきを行う。なお、「界面活性剤」とは、めっき液と拡散流体とに作用することで、本来混ざり合わない物質を均一な分散状態に混合させる能力を有する物質をいう。従って、拡散流体を用いているので、めっき液の拡散力が高くなり、めっき皮膜の付き回りがよくなり
、ピンホールを抑制して良好なめっきを行うことができる。また、めっき槽において用いられためっき分散体から、拡散流体を分離する拡散流体分離手段は、めっき液と拡散流体との比重差を用いて、拡散流体を、めっき槽において使用された拡散流体の状態又は液相を含む状態で、めっき液から分離する。このため、めっき液から拡散流体を分離するために、拡散流体のすべてを気化させる必要がなく、そのための加熱が不要になり、更に再生のために圧縮(又は圧縮及び冷却)する必要がなくなる。従って、再生に必要なエネルギーを省略することができるので、従来の気化分離よりも効率よく、拡散流体をめっき液から分離して再生することができる。
請求項2に記載の発明によれば、拡散流体供給手段により、拡散流体分離手段において分離された拡散流体が還流される。このため、短時間で拡散流体を再生して再利用することができる。従って、再生した拡散流体を効率よく使用することができる。
請求項3に記載の発明によれば、不純物分離手段は、拡散流体分離手段において分離された拡散流体を不純物分離手段に排出する。この不純物分離手段において、不純物が除去された拡散流体を拡散流体供給手段に供給する。めっき処理における副反応生成物やめっき液の添加物が、めっき液と混合していた拡散流体に残留して不純物となることがある。従って、拡散流体分離手段により分離した拡散流体から、これに残存している不純物を分離することにより、不要な成分を除去して、効率的に拡散流体を再利用することができる。
請求項4に記載の発明によれば、不純物分離手段は、拡散流体分離手段から排出される拡散流体が、気相及び液相の2相状態となるように温度又は圧力を調整する液相調整部を備え、この液相調整部により調整されて液相を含む拡散流体のみを拡散流体供給手段に供給する。従って、拡散流体分離手段において、拡散流体が超臨界状態又は亜臨界状態で、めっき液と分離した場合であっても、液相調整部の温度又は圧力の調整により、液相を含む状態の拡散流体とすることができる。この場合には、超臨界状態又は亜臨界状態の拡散流体に不純物のガスが含まれていた場合には、気相となった拡散流体を除去することにより、効率よく不純物のガスを排気することができる。
請求項5に記載の発明によれば、拡散流体として、超臨界状態又は亜臨界状態の流体を用いる。このため、めっき液の拡散を効率よく行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、拡散流体は、二酸化炭素である。従って、拡散流体として用いるCO2は、めっきの副反応によって発生した水素を溶解するので、ピンホールの発生を抑えて、いっそう良好なめっきを行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、界面活性剤は、親水性部分と、フッ素基から構成された親CO2性部分とを有するフッ素系界面活性剤である。この界面活性剤は、めっき液と拡散流体を均一に分散させる機能を持つが、安定した分散状態を維持している時間が短い。このため、めっき分散体は、拡散流体とめっき液とに短時間で分離する。従って、めっき液と拡散流体とを短時間に分離させることができるので、拡散流体を効率よく循環させて再利用することができる。
本発明によれば、効率よく拡散流体を再利用することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1に基づいて説明する。本実施形態では、拡散流体を用いて電解めっきを行うめっき装置を想定して説明する。ここで、拡散流体としては、二酸化炭素(以下、「CO2」と記載する)を用いる。なお、CO2の臨界点は、
31℃で7.4MPaである。
図1に示すように、本実施形態のめっき装置は、拡散流体供給手段としてのCO2タンク21、高純度CO2タンク26、洗浄液タンク31、界面活性剤タンク41、めっき液タンク51を有している。また、本実施形態のめっき装置は、これら各タンク(21,26,31,41,51)に接続される混合分散部60と、これに接続されるめっき液分離槽65とを有する。以下に、本実施形態のめっき装置の構成について、図1を用いて詳述する。
図1に示すように、CO2タンク21は、液体のCO2を収容する。このCO2タンク21は、後述する混合分散部60にCO2供給管を介して接続されている。このCO2供給管には、液ポンプ22、加熱部23及び供給弁24が設けられている。液ポンプ22はCO2を加圧するために用いられる。加熱部23は、CO2を加熱するために用いられる。供給弁24は、開閉制御されることにより、CO2タンク21と混合分散部60との連通・遮断を行い、加圧及び加熱により超臨界状態となったCO2の混合分散部60への供給又は供給停止を制御する。
高純度CO2タンク26は、高純度の液体CO2を収容する。高純度CO2タンク26には、CO2のリサイクルパスを設けない。そして、この高純度CO2タンク26は、CO2タンク21と並列に設けられ、液ポンプ22に接続されている。それぞれのCO2タンク(21,26)と上述した液ポンプ22との間には、開閉弁27,28があり、ラインに供給するCO2を切り替えることができる。通常のめっき操作ではCO2タンク21から供給を行い、めっき物やリサイクルライン全体をCO2で洗浄する場合には、高純度CO2タンク26側の開閉弁28を開き、他方のCO2タンク21の開閉弁27を閉じて高純度CO2を供給する。
洗浄液タンク31には、被めっき材W、混合分散部60及びめっき槽61を洗浄するための洗浄液が収容される。この洗浄液タンク31は、洗浄液供給管を介して混合分散部60に接続されている。この洗浄液供給管には、液ポンプ32、加熱部33及び供給弁34が設けられている。液ポンプ32は洗浄液を加圧し、加熱部33は洗浄液を加熱する。供給弁34は、開閉制御されることにより、洗浄液タンク31と混合分散部60との連通・遮断を行い、界面活性剤の混合分散部60への供給又は供給停止を制御する。
界面活性剤タンク41は、界面活性剤を収容するタンクである。本実施形態では、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を用いる。
フッ素系界面活性剤は、フッ素基から構成された親CO2性部分と親水性部分とを有する。本発明で使用されるフッ素系界面活性剤として望ましいものには、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。このフッ素系ノニオン界面活性剤は高圧CO2中で良好な界面活性機能を発現する。
また、フッ素基としては、直鎖或いは枝分かれを有するペルフルオロアルキル基、またはペルフルオロポリエーテル基を始めとした炭素鎖中にヘテロ原子を含むものが挙げられる。これらのうちでも炭素鎖長がペルフルオロアルキル基では3〜15程度、炭素鎖中にヘテロ原子を含むものでは3〜50程度のものが使用可能である。
また、親水性基にはエーテル、エステル、チオエーテル、チオエステル、アミド、アルコール基が挙げられる。これらのうちでも本実施例で挙げたフッ素基がペルフルオロポリエーテル基であり、親水性基が短鎖のポリエチレングリコール基であるものが特に優れている。
また、従来の炭化水素系の界面活性剤は長鎖のポリエチレングリコール基を有しているため化学的な安定性に課題があった。これに比べて、フッ素系界面活性剤はより安定なため、長期間の繰り返し使用に対する耐久性を期待できる。また界面活性剤の分解物由来の異物混入可能性も少なくなる。
フッ素系界面活性剤は、疎水性のフッ素基であるため、CO2とめっき液とが安定した分散状態を維持している時間(分散保持時間)が短く、めっき液とCO2との分離が容易であり、操作性の面でも優れている。この界面活性剤を用いた場合、分散操作を停止すると例えば数秒〜数十秒程度で、めっき分散体はCO2とめっき液に分離する。
界面活性剤供給管には、液ポンプ42、加熱部43及び供給弁44が設けられている。液ポンプ42は、界面活性剤を加圧するために用いられる。加熱部43は、界面活性剤を加熱するために用いられる。供給弁44は、開閉制御されることにより、界面活性剤タンク41及び混合分散部60との連通・遮断を行い、混合分散部60への供給又は供給停止を制御する。
めっき液タンク51には、めっき皮膜となる金属原子を含む水溶液(めっき液)が収容されている。本実施形態のめっき液の比重は、1.0〜1.3(g/cm)程度である。また、めっき液タンク51は、加熱・保温手段を備え、めっき液を所定の温度になるように加熱し保温する。めっき液タンク51は、混合分散部60にめっき液供給管を介して接続されている。めっき液供給管には、液ポンプ52及び供給弁54が設けられている。液ポンプ52は、めっき液を加圧するために用いられる。また、供給弁54は、開閉制御されることにより、めっき液の混合分散部60への供給及び供給停止を制御する。また、めっき液供給管においては、めっき液の成分が析出しない温度以上に常時保温されている。
一方、混合分散部60は、めっき液、CO2及び界面活性剤をCO2の臨界点以上の温度圧力条件で、めっき処理に適した比率で混合し、攪拌して分散状態のめっき分散体を形成する。本実施形態では、この混合分散部60は、上流側の混合器と、これに接続された下流側の分散機とを含んで構成されている。混合器は、供給弁24,34,44,54のうち2つ以上が選択されて開かれると、洗浄液を含む洗浄分散体又はめっき液を含むめっき分散体を生成する。分散機は、めっきに適するめっき分散体とするために、その成分を分散状態にする。分散機は、その内部に、永久磁石に取り付けられたメッシュのロータが配置され、その外部に、コイルが取り付けられたステータが配置されている。このステータに流す電流の制御により、磁場を発生させ、この磁場の強さでロータの回転速度及び回転方向が制御される。この回転されるロータのメッシュ等により、混合機器から供給されためっき混合液をせん断することで、めっきに適した分散体を形成する。
混合分散部60は、めっき槽61に接続されている。このめっき槽61は、混合分散部60から供給されるめっき分散体を用いてめっきを行う。このめっき槽61には、めっきを行う被めっき材Wが収容されている。また、めっき槽61の内部には、一対の電極が配設され、このうちのマイナス電極に被めっき材Wが接続される。更に、このめっき槽61には、図示しないブロックヒータが設けられている。このブロックヒータを用いて、めっき液の成分が析出しない温度(例えば50℃程度)に設定する。
このめっき槽61には排出管を介してめっき液分離槽65が接続されている。このめっき液分離槽65は、本実施形態では拡散流体分離手段として機能する。このめっき液分離槽65は、めっき分散体を、界面活性剤を含む超臨界〜亜臨界の状態にあるCO2とめっき液とを、これらの比重差を用いて分離する。めっき液分離槽65は、上部に設けられた配管を介してCO2を排出するCO2再生装置71に接続されているとともに、底部に設
けられた配管を介してめっき液を排出するめっき液排出部66に接続されている。ここで、界面活性剤を含むCO2の比重は、1.0(g/cm)よりも小さく、めっき液の比重よりも小さい。従って、めっき液分離槽65においては、界面活性剤を含む超臨界〜亜臨界の状態にあるCO2が上層に、めっき液が下層になるように分離する。このため、めっき液分離槽65は、上層に分離されたCO2をCO2再生装置71に排出し、下層に分離されためっき液をめっき液排出部66に排出する。
めっき液排出部66は、排出切換弁67を介して、めっき液再生装置68又は廃液タンク69に接続されている。排出切換弁67は、めっき液を再生する場合には、めっき液排出部66とめっき液再生装置68とを連通するように切り換えられ、めっき液を排出する場合には、めっき液排出部66と廃液タンク69とを連通するように切り換えられる。めっき液再生装置68は、排出しためっき液から固体の不純物を沈殿除去し、溶解した有機物などの不純物を除去する。更に、めっき液の各成分を調整し、めっき液を再び使用可能となるように再生する装置である。このめっき液再生装置68は、めっき液タンク51に接続されており、再生しためっき液をめっき液タンク51に供給する。なお、めっき液分離槽65からめっき液再生装置68を介してめっき液タンク51に到る配管は、めっき液の成分が析出しない温度で常時保温されている。
一方、めっき液分離槽65からCO2再生装置71に接続される配管には冷却部70が設けられている。この冷却部70は、液相調整部であって、CO2を冷却し、臨界状態を脱した気液の2相状態にする。なお、この冷却部70は、加熱部23,33,43と熱交換を行うヒートポンプによって冷却する。
CO2再生装置71は、底部が漏斗状になっており、CO2に溶解していた比重の重い不純物を底部に沈殿させてCO2から除去する。このCO2再生装置71は、上部から気体を排気できる構造になっており、水素ガスや酸素ガスなどの不純物のガスが溶解している気体のCO2を排気する。また、CO2再生装置71は、中央部に、CO2タンク21に連通する再生管が接続されており、この再生管を介して液体CO2がCO2タンク21に供給される。この再生管には、CO2に含まれている有機物を除去する活性炭が充填されたカラムと、図示しない吸着脱水材が充填されCO2に溶存している水分を除去するカラムとが設けられている。
次に、上述しためっき装置を用いためっき方法について、図1及び図2を参照して説明する。
めっき処理を開始するときには、各液ポンプ22,42,52を駆動し、加熱部23,43及びめっき液タンク51において加熱を行い、供給弁24,44,54を開く。これにより、CO2タンク21からのCO2が、加圧及び加熱された超臨界状態となって混合分散部60に供給される。これとともに、界面活性剤タンク41からの界面活性剤と、めっき液タンク51からめっき液とが、加圧及び加熱された状態で、混合分散部60に供給される。混合分散部60では、供給された超臨界状態のCO2、界面活性剤及びめっき液が混合される。なお、各液ポンプ22,42,52は、混合分散部60において生成されるめっき分散体が、めっき槽61を流れきるように、各ポンプを制御する。更に、混合部の攪拌子を回転させる。これにより、CO2、界面活性剤及びめっき液のめっき分散体が、より均一に混合分散されて、めっき槽61に供給される。
めっき槽61においては、内部に配設された電極に電圧が印加される。従って、めっき槽61にめっき分散体が供給されると、電解めっきを行う。そして、めっき処理に使用されためっき分散体は、めっき槽61からめっき液分離槽65に排出される。ここで、めっき槽61から排出された使用後のめっき分散体は、分散保持時間が短く、めっき液分離槽65に至るとすぐに、それらの比重差により分離する。これにより、分離しためっき液は
、めっき液分離槽65の下部に停留し、超臨界状態のCO2は、めっき液分離槽65の上部に停留する。
そこで、めっき液分離槽65の下部に停留しためっき液は、めっき液排出部66を介してめっき液再生装置68に供給される。めっき液再生装置68では、各成分が調整されてめっき液が再生され、このめっき液はめっき液タンク51に戻される。
一方、めっき液分離槽65の上部に停留した超臨界状態のCO2は、冷却部70で冷却されて、気液2相となり、CO2再生装置71に供給される。CO2再生装置71では、液体CO2に溶解している比重の重い不純物が沈殿除去され、水素ガス及び酸素ガス等が含まれた気体のCO2が排気される。そして、不純物の除去された液体CO2は、再生管を介してCO2タンク21に戻される。
その後、各ポンプを駆動して、混合分散させためっき分散体を、めっき槽61において供給・排出を継続し、所定のめっき膜を形成するための要する時間のめっき処理を継続する。この完了時には、液ポンプ42,52の駆動を停止し、供給弁24,44,54を閉じる。これにより、CO2タンク21、界面活性剤タンク41、めっき液タンク51からのCO2、界面活性剤及びめっき液の混合分散部60への供給が停止する。以上により、めっき処理が完了する。
次に、後工程として洗浄を行う。まず、開閉弁27を閉じ、開閉弁28及び供給弁24を開けて高純度CO2を混合分散部に供給する。これにより、めっき槽61に残留するめっき分散体の排出を行う。その後、供給弁34を開けて、液ポンプ32及び加熱部33を駆動し、洗浄液タンク31から洗浄液を混合分散部60に供給する。混合分散部60では、
超臨界状態のCO2と洗浄液とが混合分散されて、めっき槽61に供給される。この超臨界状態のCO2と洗浄液との混合分散体により、被めっき材Wやめっき槽61が洗浄される。その後、被めっき材Wが十分に洗浄されると、めっき槽61内を洗浄したCO2及び洗浄液の分散体は、めっき液分離槽65に排出され、CO2が洗浄液と分離される。洗浄液は、排出切換弁67を介して廃液タンク69に排出される。一方、分離されたCO2は、CO2再生装置71を介して再生されてCO2タンク21に供給される。以上により、めっき後の洗浄が完了する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態では、CO2及びめっき液を分散状態に混合するために、フッ素系界面活性剤を用いた。このため、めっき分散体の分散保持時間は短く、めっき槽61から排出されるめっき分散体は、めっき液分離槽65に停留している間に、CO2及びめっき液の比重差により、積層状態となって自然に分離する。従って、従来と異なり、CO2のすべてを気化させて分離する必要がないので、加熱や保存状態に戻すための圧縮(圧縮又は冷却)を不要とすることができる。このため、省エネルギーで、CO2を効率よく再生することができる。
また、めっき分散体にフッ素系界面活性剤を用いてめっきを行なった場合、実験結果では、炭化水素系界面活性剤を用いた場合に比べてより平坦な皮膜を形成することができた。従って、良好なめっきを得ることができる。
・ 本実施形態では、めっき液と超臨界状態のCO2と界面活性剤とを介して混合させためっき分散体を用いて、めっき槽61でめっき処理を行う。従って、めっき処理で使用されるめっき分散体の超臨界状態のCO2によってめっき液の拡散がよくなるため、めっき液の被めっき材Wへの付き回りがよくなり、良好なめっきを行うことができる。また、
本実施形態では、混合分散されためっき分散体を、めっき槽61に継続して供給しながらめっきを行う。このため、めっき分散体中に溶解した水素が溶解したCO2や被めっき材Wの表面から剥離した不純物は、速やかにめっき槽61から排出されて、被めっき材Wの表面に再付着することを極力回避できる。従って、被めっき材Wに残留する水素が原因となっていたピンホールの発生を抑制して、被めっき材Wに良好なめっきを行うことができる。また、拡散流体として、超臨界状態のCO2を用いる。このCO2は、めっきの副反応によって発生した水素を溶解するので、ピンホールの発生を抑えて、いっそう良好なめっきを行うことができる。
・ 本実施形態では、めっき液分離槽65において分離されたCO2は、冷却部70を介してCO2再生装置71に導入される。冷却部70では、めっき液分離槽65において超臨界状態で分離されたCO2を冷却して、気相及び液相を含む2相状態とする。CO2再生装置71は、2相状態のCO2のうち、中央に接続されている再生管を介して、液相のCO2をCO2タンク21に戻す。このため、めっき処理において副反応により生成された水素ガスや酸素ガスの不純物が含まれた気相のCO2を排気することができる。また、めっき液分離槽65で分離した超臨界状態のCO2に、この液相のCO2よりも比重の大きいめっき添加物などの不純物が含まれていた場合には、その不純物を沈殿除去することができる。従って、不純物をより多く除去したCO2をCO2タンク21に戻すことができる。
・ 本実施形態では、加熱部23,33,43において、めっき槽61に供給するCO2、洗浄液、界面活性剤を加熱し、冷却部70において、めっき槽61から排出されためっき分散体を冷却する。これら冷温及び加温を1台のヒートポンプで行った。従って、めっき装置の加熱及び冷却をいっそう省エネルギーで効率よく行うことができる。
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態においては、めっき液の成分が析出しない温度(例えば50℃程度)で、めっき液と超臨界CO2とを分離するため、めっき液分離槽65においてCO2は超臨界状態のまま分離した。超臨界流体の臨界温度以下でも、めっき液の成分が析出しないようなめっき液を用いる場合には、超臨界流体を臨界状態から脱した状態にして、めっき液と分離してもよい。具体的には、めっき槽61とめっき液分離槽65との間に、冷却部を設ける。この冷却部により、めっき分散体に含まれる超臨界状態のCO2を、液相及び気相の2相状態に冷却する。そして、めっき液分離槽65において、この2相状態のCO2をめっき液から分離する。なお、この場合、めっき液分離槽65から、液相のCO2を取り出してCO2タンク21に戻すようにしてもよい。
○ 上記実施形態においては、界面活性剤の大部分はCO2に溶解している状態でCO2とともに還流し再利用している。これに限らず界面活性剤の種類によっては、CO2再生装置71で分離されることがある。この場合、CO2再生装置71の底部より回収して再利用してもよい。
また、界面活性剤は、その混合比率によっては、CO2とは異なる界面活性剤の層としてめっき液分離槽65において分離することがある。フッ素系界面活性剤は、めっき液よりも重いため、めっき液よりも下層に分離される。この場合、界面活性剤を、めっき液及びCO2とは分離して、再利用してもよい。なお、界面活性剤は、ほとんどがCO2に溶解しているため、分離される量は少ない。従って、めっき液分離槽65を、すり鉢状形状にすることにより、少量の界面活性剤を効率よくめっき液分離槽65から排出することができる。
○ 上記実施形態において、フッ素系界面活性剤を例示した。フッ素系化合物の界面活
性剤は、これに限定されず、フッ素基から構成された親CO2性部分と親水性部分とを有するフッ素系界面活性剤であれば、何でもよい。
○ 上記実施形態においては、めっき槽61に一対の電極を設け、めっき槽61内で電解めっきを行った。これに代えて、めっき槽61内で無電解めっきを行うように、めっき液タンク51に、無電解めっき液を収容してもよい。
○ 上記実施形態においては、拡散流体として超臨界状態のCO2を用いた。これに限らず、亜臨界状態のCO2を用いてもよい。更に、CO2に限らず、亜臨界状態又は超臨界状態の他の流体を用いてもよい。
実施形態における電解めっきを行うめっき装置のシステム配管の概略図。 従来技術におけるめっき装置のシステム配管の概略図。
符号の説明
W…被めっき材、21…拡散流体供給手段としてのCO2タンク、61…めっき槽、65…拡散流体分離手段としてのめっき液分離槽、70…不純物分離手段を構成する冷却部、71…不純物分離手段を構成するCO2再生装置。

Claims (7)

  1. めっき液と、このめっき液の拡散力を高める拡散流体と、これらを分散状態にするための界面活性剤とを混合しためっき分散体を用いて被めっき材にめっきを施すためのめっき槽と、
    このめっき槽において用いられた前記めっき分散体から前記拡散流体を分離する拡散流体分離手段と
    を備えためっき装置において、
    前記拡散流体分離手段は、前記めっき液と前記拡散流体との比重差を用いて、前記拡散流体を前記めっき槽において使用された前記拡散流体の状態又は液相を含む状態で前記めっき液から分離することを特徴とするめっき装置。
  2. 前記めっき槽に前記拡散流体を供給し、前記拡散流体分離手段において分離された拡散流体が還流される拡散流体供給手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のめっき装置。
  3. 前記拡散流体分離手段は、分離された前記拡散流体を排出するための不純物分離手段に接続されており、
    この不純物分離手段において、不純物が除去された拡散流体を前記拡散流体供給手段に供給することを特徴とする請求項2に記載のめっき装置。
  4. 前記不純物分離手段は、前記拡散流体分離手段から排出される拡散流体が、気相及び液相の2相状態となるように温度又は圧力を調整する液相調整部を備え、この液相調整部により冷却されて液相となった拡散流体のみを前記拡散流体供給手段に供給することを特徴とする請求項3に記載のめっき装置。
  5. 前記拡散流体は、超臨界流体又は亜臨界流体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のめっき装置。
  6. 前記拡散流体は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項5に記載のめっき装置。
  7. 前記界面活性剤は、親水性部分と、フッ素基から構成された親CO2性部分とを有するフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のめっき装置。
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