JP2006232902A - 硬化フェノール樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 平均粒径の小さな硬化フェノール樹脂粒子を有利に製造し得る方法を提供すること。
【解決手段】 フェノール樹脂合成触媒と共に、重量減少率が4.0%以下のアラビアゴムの存在下、フェノール類とアルデヒド類とを反応させて未硬化のフェノール樹脂粒子を製造した後、かかる未硬化フェノール樹脂を硬化せしめることにより、目的とする硬化フェノール樹脂粒子を得た。
【選択図】 な し

Description

本発明は、硬化フェノール樹脂粒子の製造方法に係り、特に、充填材、各種炭素材用の原料等として有用な硬化フェノール樹脂粒子を、有利に製造することが出来る方法に関するものである。
従来より、硬化フェノール樹脂粒子は、充填材(添加剤)として、また、活性炭等の炭素材用の原料等として、広く用いられてきており、その製造方法についても、様々な手法が提案されている。
例えば、特開平11−60664号公報(特許文献1)や特開2001−114852号公報(特許文献2)においては、水性媒体中で、縮合反応触媒たる所定のアルキルアミン化合物と、乳化分散剤たるグルコシド結合を有する高分子界面活性剤との存在下、フェノール類とアルデヒド類とを縮合反応させることを特徴とする球状フェノール樹脂の製造法が、明らかにされており、また、特公昭62−30211号公報(特許文献3)においては、縮合反応触媒として塩酸を用いた粉末状フェノール・ホルムアルデヒド系樹脂の製造法が、提案されている。
しかしながら、そのような手法に従って製造される硬化フェノール樹脂粒子は、窒素や塩素イオンを比較的多く含有するものであるため、かかる手法にて製造された硬化フェノール樹脂粒子に対して、別途、熱処理を施すと、粒子に含まれる窒素等から窒素酸化物や塩化物が生成し、これら窒素酸化物等が、設備を腐食したり、また、環境に対して悪影響を及ぼす等の問題があった。
一方、本願出願人は、先に、特開平3−7714号公報(特許文献4)において、炭素数10以上のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸及び保護コロイドの存在下に、フェノール類とアルデヒド類を反応させて、熱硬化性の樹脂粒子を形成させる工程1と、該工程1に継続又は分離して、該樹脂粒子を硬化させる工程2を含むことを特徴とする硬化フェノール樹脂粒子の製造方法を、提案した。この手法によれば、腐食性の低い酸触媒(アルキルベンゼンスルホン酸)が使用されるものであるところから、グラスライニングやハステロイ製などの高価な耐食性反応槽を必要とせず、既存のステンレス製設備をそのまま利用することが出来、また、緩やかな反応条件にて、安全に且つ高い収率をもって、硬化フェノール樹脂粒子を製造することが可能である特徴が発揮されることとなる。
しかしながら、かくの如き手法に従って得られる硬化フェノール樹脂粒子にあっては、その平均粒径が、約30μm程度と、比較的大きいものであったため、近年、平均粒径の小さい硬化フェノール樹脂粒子が、高密度充填性、表面積増大による単位体積当たりの性能向上性及び薄く広げることが出来ることによる薄型製品の作成性の点から、要求されている状況下においては、本願出願人が先に提案した手法には、未だ改良の余地が残されていたのである。
特開平11−60664号公報 特開2001−114852号公報 特公昭62−30211号公報 特開平3−7714号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、平均粒径の小さな硬化フェノール樹脂粒子を有利に製造し得る手法を提供することにある。
そして、本発明者は、そのような課題を解決すべく、先に特許文献4にて提案した手法を基にして、鋭意検討を重ねた結果、フェノール樹脂合成触媒と共に、保護コロイドとして、重量減少率が所定値以下のアラビアゴムを存在せしめた状態下において、フェノール類とアルデヒド類とを反応させることにより、平均粒径が比較的小さい(10μm程度)、未硬化のフェノール樹脂粒子が生成することを見出したのである。
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、フェノール樹脂合成触媒と共に、重量減少率が2.8%以下のアラビアゴムの存在下において、フェノール類とアルデヒド類とを反応させて未硬化のフェノール樹脂粒子を製造した後、該未硬化フェノール樹脂粒子を硬化せしめることを特徴とする硬化フェノール樹脂粒子の製造方法にある。ここで、本明細書及び特許請求の範囲における「重量減少率(%)」とは、秤量したPt容器内に、秤量したアラビアゴムを収容せしめ、TG−DTAを用いて、含酸素気流下で、かかるPt容器を、室温から105℃まで、30℃/minの昇温速度にて昇温し、105℃で10分間保持後、引き続き200℃まで30℃/minの昇温速度にて昇温し、200℃で10分間保持した時の、室温から105℃×10分間保持後までの重量減少率(%)と、105℃×10分保持後から200℃×10分保持後までの重量減少率(%)とを求め、下記の数式1より、算出されるものである。この値が0%に近い場合は、アラビアゴムから揮発する成分が少ないことを示す。
Figure 2006232902
なお、かかる本発明に従う硬化フェノール樹脂粒子の製造方法における、好ましい態様の一つにおいては、前記フェノール樹脂合成触媒として、アルキルベンゼンスルホン酸が用いられる。
また、本発明の硬化フェノール樹脂粒子の製造方法における、別の好ましい態様の一つにおいては、前記アラビアゴムが、加熱処理を施されたものであり、かかる加熱処理は、有利には、110℃以上にて実施されることとなる。
このような本発明に従う硬化フェノール樹脂粒子の製造方法にあっては、フェノール樹脂合成触媒と共に、重量減少率が2.8%以下のアラビアゴムの存在下において、フェノール類とアルデヒド類とを反応せしめるものであるところから、そのような所定のアラビアゴムによって、フェール類とアルデヒド類との反応により生成した未硬化フェノール樹脂粒子の複合化や塊状化が効果的に抑制され、平均粒径が10μm程度の比較的小さな未硬化フェノール樹脂粒子が得られるのであり、そして、そのような樹脂粒子を硬化せしめることにより、平均粒径の小さな硬化フェノール樹脂粒子が有利に製造されるのである。
特に、本発明においては、フェノール樹脂合成触媒として、アルキルベンゼンスルホン酸を用いる場合や、加熱処理が施されたアラビアゴムを用いる場合において、上述の如き優れた効果を、より有利に享受することが出来ることとなる。
また、アルキルベンゼンスルホン酸は、腐食性が低いため、本発明におけるフェノール樹脂合成触媒として、アルキルベンゼンスルホン酸を用いると、硬化フェノール樹脂粒子の製造に際して、高価な耐食性の反応槽は必要とされず、通常の反応槽を利用することが可能であり、また、反応自体も緩やかに進行し、反応槽の汚れも有利に抑制されるところから、製造時の安全性や硬化フェノール樹脂粒子の高収率が確保され得、しかも、目的の用途に応じて実施される中和・洗浄工程の簡素化も、有利に図られる。
そして、そのような本発明の製造方法に従って得られる硬化フェノール樹脂粒子にあっては、例えば、樹脂材料の軽量化や難燃化等を目的として、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、ゴム・エラストマー等に充填材として配合されたり、また、摩擦調整材、カーボンやイオン交換樹脂用の原料等として、好適に用いることが可能である。
ところで、本発明に従う硬化フェノール樹脂粒子の製造方法においては、所定の化合物の存在下において、フェノール類とアルデヒド類とを反応せしめるものであるが、そこにおいて、先ず、本発明における一方の反応原料であるフェノール類としては、従来よりフェノール樹脂粒子の製造の際に用いられている公知の各種のものであれば、何れも用いることが可能である。そのようなフェノール類としては、通常、その分子内にアルデヒド類に対する反応部位を3個以上有するフェノール類(以下、単に多官能性フェノール類という。)や、多官能性フェノール類の製造時に副生するフェノール系精製残渣等が使用されるが、必要に応じて、2官能性フェノール類(分子内にアルデヒド類に対する反応部位を2個有するフェノール類)や、1官能性フェノール類(分子内にアルデヒド類に対する反応部位を1個有するフェノール類)等も、本発明の目的を阻害しない範囲内において、多官能性フェノール類と共に使用することも可能である。
ここで、かかる多官能性フェノール類としては、フェノールの他に、m−クレゾール、m−ブチルフェノール、3,5−キシレノール、m−ニトロフェノール、m−アミノフェノール、m−プロペニルフェノール、m−フェニルフェノール、m−クロロフェノール、m−ブロモフェノール等のm−置換フェノール類、レゾルシノールや、カテコール、ピロガロール、フロログルシノール、カシュナットシェルオイル等の多価フェノール類、ビスフェノールAや、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類、ナフトール等の多縮合環フェノール類、及びこれらの混合物等が例示される。また、フェノール系精製残渣としては、クレゾール残渣、レゾルシノール残渣、カテコール残渣、ビスフェノールA残渣、及びこれらの混合物等が例示される。なお、本発明においては、ここに例示したもの以外の多官能性フェノール類やフェノール系精製残渣を用い得ることは、言うまでもないところであり、また、目的とするフェノール樹脂粒子等に応じて、多官能性フェノール類若しくはフェノール系精製残渣を単独で使用しても、或いはそれらを併用することも可能である。
また、必要に応じて、それら多官能性フェノール類及び/又はフェノール系精製残渣と共に用いられる2官能性フェノール類や1官能性フェノール類としては、例えば、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、2,5−ジアミノフェノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール等が挙げられる。
一方、本発明において用いられる他方の反応原料たるアルデヒド類は、特に限定されるものではなく、一般的に反応性や原料価格等の観点から、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサン、アセタール等のホルムアルデヒド供給物質、グリオキザール、及びこれらの混合物等が、好適に用いられ得る。その他にも、必要に応じて、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロオキシベンズアルデヒド、アクロレイン、フルフラール等も使用可能である。
なお、本発明に従って硬化フェノール樹脂粒子を製造するに際しては、かかるアルデヒド類は、一般に、フェノール類:1molに対して、アルデヒド類:1.0mol以上の割合となるような量において、より望ましくは、製造時の臭気や経済性等の観点から、アルデヒド類:1.1〜1.3molの割合となるような量的範囲において、使用されることとなる。
そして、本発明に係る硬化フェノール樹脂粒子の製造方法においては、上述の如きフェノール類及びアルデヒド類が、フェノール樹脂合成触媒と共に、重量減少率が2.8%以下のアラビアゴムの存在下において、反応せしめられるのである。
すなわち、フェノール樹脂合成触媒と、所定のアラビアゴムとを併存させた状況の下、フェノール類とアルデヒド類とを反応せしめると、かかるアラビアゴムが、反応の生成物たるフェノール樹脂粒子の凝集化や複合化、塊状化等を効果的に抑制するのであり、以て、平均粒径の小さな未硬化のフェノール樹脂粒子が有利に得られることとなるのである。
ここで、本発明において用いられるアラビアゴムは、その重量減少率が2.8%以下、好ましくは2.5%以下、更に好ましくは2.2%以下のものであれば、如何なるものであっても使用することが可能であり、そのようなアラビアゴムとしては、例えば、市販されている状態で重量減少率が2.8%以下のアラビアゴムや、加熱、減圧或いは乾燥等の各種処理が施されることによって重量減少率が2.8%以下とされたアラビアゴム等を挙げることが出来る。
アラビアゴムの重量減少率を2.8%以下とするための処理方法としては、加熱、減圧、乾燥等の各処理を単独で実施することや、それらを2種以上組み合わせて実施すること等を例示することが出来るが、本発明においては、それら以外の各種処理方法を採用することは勿論、可能であり、要するに、結果的にアラビアゴムの重量減少率を2.8%以下とすることが可能な処理方法であれば、如何なる方法であっても良いという趣旨である。そのような各種の処理の中でも、処理操作が容易である等の観点から、加熱処理が有利であり、本発明においては、加熱処理が施されたことによって重量減少率が2.8%以下とされたアラビアゴムが、好適に用いられ得るのである。
なお、アラビアゴムに対して加熱処理を行なう際の各種条件(加熱温度、加熱時間等)は、処理が施されるアラビアゴムの種類等に応じて、適宜に決定されることとなるが、例えば、アラビアゴムを、110〜200℃程度、好ましくは150〜195℃程度、更に好ましくは170〜190℃程度に設定された恒温槽内に、30分〜2時間程度、静置することにより、実施されることとなる。
また、本発明においては、上述の如き特定のアラビアゴムを単独で用いることは勿論のこと、本発明の目的を阻害しない範囲において、必要に応じて、かかるアラビアゴムと共に、従来より保護コロイドとして用いられている各種化合物の1種又は2種以上を併用することも可能である。そのような保護コロイドとしては、ガッチゴム、ヒドロキシアルキルグアルゴム、部分加水分解ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子化合物等を、例示することが出来る。なお、アラビアゴム及び必要に応じて使用される保護コロイドの使用量は、目的とするフェノール樹脂粒子の大きさ等に応じて、適宜に決定されるが、一般には、フェノール類の0.1〜10重量%の割合となるように、好ましくは、0.5〜5.0重量%の割合となるような量において、使用されることとなる。更に、本発明においては、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性イオン系界面活性剤等の界面活性剤を併用することも、可能である。
一方、本発明において用いられるフェノール樹脂合成触媒としては、従来より、フェノール樹脂を合成する際に用いられている各種触媒であれば、何れも用いることが可能であり、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、各種アミン化合物、塩酸等を挙げることが出来る。それら各種のフェノール樹脂合成触媒の中でも、フェノール樹脂粒子製造時の安全性等の観点から、好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸が、より好ましくは、炭素数が10以上のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸が、好適に用いられる。そのような炭素数が10以上のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸としては、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、及びこれらの混合物等を例示することが出来るが、これらの中でも、経済性や入手容易性、触媒機能等の観点から、ドデシルベンゼンスルホン酸が、特に有利に用いられる。
それらフェノール樹脂合成触媒の使用量は、触媒の種類、反応原料の配合条件、反応条件等に応じて、適宜に決定されることとなる。例えば、上述の如きアルキルベンゼンスルホン酸を用いる場合には、フェノール類の0.5〜2.0重量%程度の割合となるような量において、使用される。なお、本発明におけるフェノール樹脂合成触媒として、アルキルベンゼンスルホン酸を用いると、その使用量は、従来のアルキルアミン化合物等を触媒として使用する場合の使用量と比較して、比較的少量で足りるのであり、得られるフェノール樹脂粒子も、不純物の含有量が比較的少ないものとなる。尤も、アルキルベンゼンスルホン酸の存在下において、フェノール樹脂の生成反応が進行することから、得られるフェノール樹脂粒子にあっては、硫黄化合物等の不純物を若干量、含有するものとなる。
そして、本発明に従う硬化フェノール樹脂粒子の製造方法にあっては、上述した所定のアラビアゴム及びフェノール樹脂合成触媒が存在せしめられた状態の下、フェノール類とアルデヒド類とが反応せしめられることとなるのであるが、有利には、以下のような手法に従って実施される。
先ず、還流冷却器、温度計、攪拌機を備えた通常の反応槽内に、反応原料たるフェノール類及びアルデヒド類、フェノール樹脂合成触媒、所定のアラビアゴム(及びその他の保護コロイド)、更に、必要に応じて、希釈水(蒸留水)や各種変性剤(例えば、尿素、メラミン、グアナミン、アニリン、トール油等)を投入する。
ここで、アラビアゴムの反応系への投入(添加)時期は、縮合物(反応生成物)が硬化する前であれば良く、特に制限されるものではないが、一般的には、樹脂化(乳化)時又はそれ以前に添加することが好ましく、特に、作業の簡素化等の観点から、反応開始時より配合しておくことが望ましい。また、本発明において、造粒を円滑に実施せしめ、且つ生成した未硬化フェノール樹脂粒子の凝集化を防止するためには、反応系中の水分量を、フェノール類に対して80重量%以上の割合となるように、好ましくは、100〜180重量%程度の割合となるように調整することが、廃液処理や生産効率等の点においても有利である。なお、かかる水分量の調整時期としては、反応開始時又はアラビアゴムの添加時が適当である。
次いで、反応槽内のフェノール類等を攪拌しながら、反応槽内を、0.5〜2.0℃/min程度の昇温速度にて加熱し、通常70℃以上、好ましくは90℃以上の温度(反応温度)にて、所定時間、フェノール類とアルデヒド類とを反応させて、可融性の未硬化フェノール樹脂粒子を生成せしめる(工程1)。そして、引き続いて、反応温度と同温度、若しくは若干低めの温度にて、所定時間、反応を継続させることにより、不融性の硬化フェノール樹脂粒子とするのである(工程2)。なお、これら一連の反応に要する時間は、通常、0.5〜6時間程度である。
しかる後、反応槽内を冷却し、必要に応じてフェノール樹脂合成触媒を中和した後、濾過又は遠心分離器等の固液分離手段によって、生成した硬化フェノール樹脂粒子を分離する。そして、分離された硬化フェノール樹脂粒子を、必要に応じて洗浄し、従来より公知の各種乾燥方法、例えば、風乾や加熱乾燥(例えば、加熱、熱風循環、振動、流動層等)等によって乾燥させることにより、平均粒径の小さな硬化フェノール樹脂粒子を得ることが出来るのである。
なお、本発明においては、上記工程1に従って生成した可融性の未硬化フェノール樹脂を、更にハンドリング可能な状態まで反応させた後、上記した手法と同様の手法に従って、分離、及び必要に応じて洗浄した後、上記した加熱乾燥手法を用いて熱硬化させることによって、不融性の硬化フェノール樹脂粒子とすることも可能である。
また、本発明に従って得られる硬化フェノール樹脂粒子は、元来、未硬化分が少ない不融性粒子ではあるが、未硬化分が極めて少ないフェノール樹脂粒子が要求される用途向きに、更に熱処理あるいは溶剤抽出を行うことも可能である。
さらに、本発明に従って製造された硬化フェノール樹脂粒子を、従来より公知の手法に従ってアセチル化することにより、粒子中のフェノール性水酸基の一部がアセチル化された、淡色の硬化フェノール樹脂粒子を得ることが出来る。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、本実施例において、得られた硬化フェノール樹脂粒子の平均粒径の測定は、以下のようにして行なった。
−平均粒径の測定−
株式会社堀場製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置:LA−500(測定範囲:0.1〜200μm、分散媒として0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を使用)を用いて、マニュアルフロー方式で粒度分布を測定し、50%積算頻度値(メジアン)をもって平均粒度(μm)とした。
先ず、市販されているセネガル種のアラビアゴム(伊那食品工業株式会社製、商品名:イナゲルアラビアガムA)を準備し、その一部を、内部が110℃、130℃、150℃、170℃、180℃又は190℃の何れかに保たれた恒温槽内に、30分間、静置することにより、アラビアゴムに対して加熱処理を行なった。かかる加熱処理がされていないアラビアゴム、及び各温度における加熱処理後のアラビアゴムの重量減少率を、下記表1に示す。
還流冷却器、温度計、及び攪拌機を備えた5L反応フラスコ内にて、フェノール:300g、92%パラホルムアルデヒド:124.8gと共に、予め準備した、未処理の、若しくは加熱処理後のアラビアゴムと、ドデシルベンゼンスルホン酸(竹本油脂株式会社製、商品名:A40S)の10%水溶液を、下記表1に掲げる割合において配合し、更に、416.6gの希釈水(蒸留水)を加えた。
次いで、フラスコ内を攪拌しながら、フラスコ内の温度が還流温度となるまで、約1℃/minの昇温速度にて昇温(加熱)し、還流温度にて保持したまま、反応を進行させ、フェノール樹脂粒子の生成から45分経過以後は、生成した粒子の複合化を防止するために、フラスコ内の温度を若干下げて、更に4時間、保持することにより、生成したフェノール樹脂粒子を硬化せしめた。
そして、フラスコ内を水酸化ナトリウムにて中和し、冷却、濾過の後、洗浄(湯洗−メタノール洗浄)し、更に、減圧加熱乾燥することにより、8種類の硬化フェノール樹脂粒子(試料No.1〜8)を製造した。得られたフェノール樹脂粒子の平均粒径を、上記手法に従って測定し、その結果を、下記表1に併せて示す。
Figure 2006232902
かかる表1の結果からも明らかなように、本発明の手法の如く、加熱処理によって重量減少率が2.8%以下とされたアラビアゴムの存在下、フェノールとパラホルムアルデヒドとを反応せしめて得られた硬化フェノール樹脂粒子(試料No.2〜7)にあっては、重量減少率が2.8%を超えるアラビアゴムを用いて得られた粒子(試料No.1)と比較して、その平均粒径が小さくなることが確認されたのであり、特に、重量減少率のより低いアラビアゴムを用いると、得られるフェノール樹脂粒子の平均粒径も、より小さくなることが認められたのである。

Claims (4)

  1. フェノール樹脂合成触媒と共に、重量減少率が2.8%以下のアラビアゴムの存在下において、フェノール類とアルデヒド類とを反応させて未硬化のフェノール樹脂粒子を製造した後、該未硬化フェノール樹脂粒子を硬化せしめることを特徴とする硬化フェノール樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記フェノール樹脂合成触媒として、アルキルベンゼンスルホン酸を用いることを特徴とする請求項1に記載の硬化フェノール樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記アラビアゴムが、加熱処理の施されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬化フェノール樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記加熱処理が、110℃以上にて実施されることを特徴とする請求項3に記載の硬化フェノール樹脂粒子の製造方法。
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