JP2006230703A - 擬似皮膚及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 人間の皮膚模様に近い表面状態を再現することができる擬似皮膚、及びその擬似皮膚を容易に製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】 シリコーン樹脂よりなる合成樹脂シート材12の表面に対してレーザ加工により複数の皮溝様溝13を加工して、各皮溝様溝13間に三角形状または菱形状の皮丘様丘14を形成する。必要に応じて、皮溝様溝13の深さに変化を付与する。皮丘様丘14には複数の微少すじ様すじ15を形成する。皮溝様溝13の交点あるいはその近傍には毛穴様穴16を形成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えばファンデーション等の化粧料の製造や販売に際して、実際に化粧料を塗布してパネルテスト等を行う場合に用いられる擬似皮膚、及びその擬似皮膚の製造方法に関するものである。
従来、このようなパネルテスト等に用いられる擬似皮膚の製造方法としては、例えば、特許文献1に開示されるような方法が知られている。すなわち、この従来方法においては、人間の皮膚模様の採取に基づいてシリコーン樹脂製のマスタモデルを作成する。そして、このマスタモデルを型枠内にセットした状態で、マスタモデル上にウレタン樹脂を塗布または吹き付けることにより、人工皮膚の表面層に皮膚様の凹凸を成形している。
また、特許文献2に開示された方法においては、皮膚表面からレプリカしたシリコーン型上に、ウレタンを主成分とする皮膜形成成分を薄層することにより、人工角層を製造する方法が開示されている。さらに、この特許文献2においては、シリコーン薄膜上にエッジング工作機械により凹凸を刻み込んで、シリコーン型とするという方法が開示されている。
特開平11−9339号公報 特開平11−169453号公報
前述の特許文献1及び特許文献2に記載の製造方法におけるマスタモデル及びレプリカシリコーン型においては、人間の皮膚を写し取るものであるため、手間がかかるばかりでなく、個人差がそのまま写し取られて、汎用的なマスタモデル及びレプリカシリコーン型を得るのは難しい。従って、年齢層や性別、あるいは個人差等に対応した人工皮膚を得るために、手間のかかる皮膚形状の採取を異なる多数の個人を対象に数多く実行する必要があり、製造コストの高騰を招く要因となった。
しかも、人間の皮膚模様を細かい皺の深さ等まで忠実に写し取るのはきわめて困難で、仮に忠実に写し取ることができても、マスタモデルあるいはレプリカシリコーン型に正確に再現するのはさらに困難である。
加えて、マスタモデルやレプリカシリコーン型の小突起は欠落しやすく、また、小さい隙間には塵やマスタモデル等の一部等が詰まりやすく、このため、数枚の人工皮膚や人工角層の表面層を成形する間に、マスタモデルやレプリカシリコーン型上の細部形状が崩れて、その型機能が大幅に低下する。従って、人工皮膚等の製造を重ねていくごとに再現性が低下し、一つマスタモデルやレプリカシリコーン型から製造できる人工皮膚や人工角層の枚数には制約あった。このため、マスタモデルやレプリカシリコーン型を頻繁に新旧交換しなければならず、前述の場合と同様に、製造コストを低下させることができなかった。
これに対処するために、マスタモデルやレプリカ型のかわりに、金属型を用いることも考えられるが、金属型は、それ自体かなり高価であるうえ、この金属型では、皮膚の狭い皺等を再現する突起の形状がはじめから丸みを帯びてしまうのを避けることができず、再現性に難があった。
さらに、マスタモデルやレプリカ型を用いた場合、それらの上にウレタン等を薄層したり、その薄層の硬化ための時間を要したり、あるいは、硬化後のウレタンを破れないように注意深く剥離したりというように、製造に手間がかかり、生産性に劣るものであった。
また、前記特許文献2に記載のように、エッジング工作機械を用いて人工角層を製造する場合には、どのような種類の刃物工具を用いても、人間の皮膚の皺を削り出すのは、ほとんど不可能であり、人間の皮膚の形状から大きく離れた人工角層しか実現できない。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、人間の皮膚模様に近い表面状態を再現することができるとともに、製造コストを低減できる擬似皮膚、及びその擬似皮膚を容易に製造することができる製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の擬似皮膚に係る発明は、合成樹脂シート材の表面に対してレーザ加工により複数の溝を加工して、各溝間に多角形上状の皮丘様丘を形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記溝の深さに変化を付与したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記皮丘様丘に複数の微少すじ様すじを形成したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記皮丘様溝の交点あるいはその近傍に毛穴様穴を形成したことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明においては、請求項4に記載の発明において、前記毛穴様穴が貫通孔として形成されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明においては、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記皮丘様丘が三角形状をなすように前記皮溝様溝を形成したことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記合成樹脂シート材がシリコーン樹脂よりなることを特徴とするものである。
請求項8に記載の擬似皮膚の製造方法に係る発明は、ローラの外周面に支持された合成樹脂シート材に対して溝加工のためのレーザ光を照射することにより、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の擬似皮膚を製造することを特徴としたものである。
(作用)
請求項1に記載の擬似皮膚の発明においては、人間の皮膚模様に基づきレーザ加工により、合成樹脂シート材の表面に複数の皮溝様溝が加工されて、各皮溝様溝間に多角形状の皮丘様丘が形成されている。このため、擬似皮膚の表面状態を、人間の皮膚における複数の皮溝の深さ、及びそれらの皮溝間に形成された三角形状または菱形状等の多角形状をなす皮丘の形状や大きさまで、ほぼ忠実に擬似的に再現して形成することができる。
請求項2に記載の発明においては、合成樹脂シート材上の皮溝様溝の深さに、人間の皮膚における皮溝に相当する変化が付与されているため、擬似皮膚の表面状態を人間の皮膚模様により近付けて再現することができる。
請求項3に記載の発明においては、各皮溝様溝間の皮丘様丘に、人間の皮膚における皮丘上の細かい縦すじに相当する複数の微少すじ様すじが形成されているため、擬似皮膚の表面状態を人間の皮膚模様にいっそう近付けて再現することができる。
請求項4に記載の発明においては、皮溝様溝の交点あるいはその近傍に、人間の皮膚における皮溝の交点付近の毛穴に相当する毛穴様穴が形成されているため、擬似皮膚の表面状態を人間の皮膚模様にいっそう近付けて再現することができる。
請求項5に記載の発明においては、貫通させた毛穴様穴の裏面側から表面側に皮脂成分を染み出させたりする等、より人間の皮膚に近いモデルとして使うことができる。
請求項6に記載の発明においては、皮丘様丘が三角形状をなすため、人間の皮膚状態をほぼ忠実に再現した擬似皮膚を製造できる。
請求項7に記載の発明においては、合成樹脂シート材としてシリコーン樹脂が用いられているため、擬似皮膚として人間の皮膚により近い質感を再現することができる。
請求項8に記載の発明においては、ローラの外周面に合成樹脂シート材を支持した状態で、その合成樹脂シート材上にレーザ光を照射しているため、人間の皮膚模様に基づいて皮溝様溝の加工を効率よく施すことができる。
以上のように、この発明によれば、人間の皮膚模様に近い表面状態を再現することができる擬似皮膚を容易に、かつ低コストで製造することができる。
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、この実施形態の擬似皮膚11においては、合成樹脂シート材12の表面に、人間の皮膚模様を模式化した表面パターンが形成されている。この表面パターンにおいては、レーザ加工により複数の皮溝様溝13が加工されて、各皮溝様溝13間に三角形状の皮丘様丘14が形成されている。なお、図1及び図2においては、シート材12の面積に比して表面パターンの皮溝様溝13の配列ピッチを大きく描いたが、実際には皮溝様溝13は、はるかに密に表れる。前記合成樹脂シート材12として、硬度20〜70(JIS A)、引張り強度0.4〜8.2MPa、伸び130〜740%、引裂強度20〜210N/cm、シボ付き;面粗度Rz=10〜15μm(JIS B 0601−1982)の常温硬化型のシリコーン樹脂が用いられている。なお、この合成樹脂シート材12として、表面にシボ付きのものを用いることにより、より擬似的な皮膚となるばかりでなく、静電気を防いでゴミ、チリ等の付着を少なくすることができる。
ところで、人間の皮膚の表面は以下のようになっている。すなわち、まず人間の皮膚模様を撮影して、拡大するとともに画像処理にて単純化すると、図5(a)に示すような図形が作られる。この図形から明らかなように、人間の皮膚の表面は、いわゆる皺である複数の皮溝21と、それらの皮溝21で囲まれた凸部である皮丘22と、各皮溝21の交点付近に形成された毛が伸びている毛穴23とを備えている。そして、皮丘22の多くは三角形状で、ところにより菱形状をなしている。また、その三角形または菱形のサイズは、一辺の長さが平均0.1〜0.7mm程度で、周囲の皮溝21の深さが約10〜200μm程度となっている。さらに、各皮丘22の表面には、図5(a)の一部分に示すように、皺状の複数の微少すじ24が不規則に見えるように形成されている。また、人間の皮膚は年齢を経るごとの老化あるいは乾燥等の変化によって、その皮丘22が大きくなるまたは変形する等のサイズの変化が生じるとともに、皮溝21の深さも大きくなったり、逆に浅くなったりする傾向にある。言い換えると、老化により皺が深く深く刻まれることになるが、乾燥等により浅くなることもある。
そこで、前記擬似皮膚11の表面パターンは、以下のような方法で作成されている。
すなわち、前記擬似皮膚11の表面パターンの作成に際しては、図5(a)に示すような人間の皮膚模様に基づく図形を簡略化してパターン化することにより、図5(b)に示すような図形のデータが作られる。さらに、この図5(b)の図形を模式化することにより、図5(c)に示すようなモデルパターンのデータが作られる。この図5(c)のモデルパターンのデータは、3方向へ平行に延びる複数の線により形成される複数の正三角形を整列配置した構成となっている。
そして、この実施形態の擬似皮膚11では、前記のようなモデルパターンを表面パターンとして用いて、合成樹脂シート材12の表面に人間の皮膚の皮溝21に相当する複数(多数)の皮溝様溝13が加工されて、人間の皮膚の皮丘22に相当する複数(多数)の三角形状の皮丘様丘14が形成されている。この場合、図2及び図3(a)に示すように、人間の年齢に応じて、皮丘様丘14を形成する三角形状の一辺の長さL1が0.05〜2.50mmの範囲内、皮丘様丘14の周囲の皮溝様溝13の深さL2が10〜200μmの範囲内となるように設定される。ここで、前記長さL1が短いと鮮明な皮丘が形成されず、逆に長さL1が長いと擬似皮膚としての印象が低下する。
また、図1〜図3に示すように、この実施形態の擬似皮膚11においては、人間の皮膚における皮溝21の深さの変化に対応して、合成樹脂シート材12上の皮溝様溝13の深さL2に変化が付与されている。さらに、各皮溝様溝13間の皮丘様丘14には、人間の皮膚における皮丘22上の微少すじ24に相当する溝状の複数の微少すじ様すじ15が形成されている。しかも、各皮溝様溝13の交点あるいはその近傍には、人間の皮膚における皮溝21の交点付近の毛穴23に相当する複数の毛穴様穴16が形成されている。
次に、前記のような構成の擬似皮膚11の製造装置について説明する。
図4に示すように、この製造装置においては、円筒状の支持ローラ17が一方向へ回転可能に配設されている。そして、この支持ローラ17の外周面には、前記合成樹脂シート材12が粘着剤を有する貼着固定シート18を介して、着脱可能に巻き付け貼着されて支持されるようになっている。支持ローラ17の近傍には、合成樹脂シート材12の表面にレーザ光を照射するためのレーザ加工機のレーザヘッド19が支持ローラ17の軸線方向へ移動可能に対向配置されている。レーザ加工機としては、炭酸ガスレーザ、赤外線レーザ等、各種のレーザ加工機を用いることができる。また、レーザ光は、連続波、パルス波のいずれであってもよい。
そして、前記支持ローラ17の外周面に合成樹脂シート材12が支持された状態で、支持ローラ17が正方向または逆方向に回転されるとともに、レーザヘッド19が支持ローラ17の軸線方向へ移動されながら、レーザヘッド19から合成樹脂シート材12の表面にレーザ光が照射される。これにより、図1〜図3に示すように、合成樹脂シート材12の表面に複数の皮溝様溝13がレーザ加工されて、各皮溝様溝13間に三角形状の皮丘様丘14が形成される。なお、前記レーザヘッド19の近傍には、レーザ加工にともなって発生する煙や塵を吸引するための吸引装置が設けられている。
前記レーザ加工の場合、図5(c)に示すようなモデルパターンを表面パターンとして用いる。そして、その表面パターンを所定のデータとして図示しない制御装置に入力することで、支持ローラ17の回転、レーザヘッド19の移動及びレーザヘッド19からのレーザ光の照射出力等を制御する。これによって、合成樹脂シート材12の表面には、表面パターンに基づく所要深さL2の複数の皮溝様溝13がレーザ加工されて、各皮溝様溝13間に一辺が所定長さL1の三角形状の皮丘様丘14が形成される。
また、この合成樹脂シート材12のレーザ加工時には、レーザヘッド19からのレーザ光の照射出力が変動されることにより、皮溝様溝13の深さL2に溝延長方向において浅深変化が付与される。さらに、各皮溝様溝13の交点あるいはその近傍には、レーザヘッド19からのレーザ光の照射出力が局部的に強められることにより、複数の毛穴様穴16が形成される。しかも、微少すじ様すじ15の形成の有無は、レーザ加工装置の制御部に所定のデータを入力することにより、随時形成することができる。なお、毛穴様穴16の形成、微少すじ様すじ15の形成等の各加工は、製造装置を1回動作させることで1度に行ってもよいし、各加工ごとに製造装置を動作させてもよい。
以上のように、この実施形態の擬似皮膚11においては、レーザ加工により、合成樹脂シート材12の表面に人間の皮膚模様を変遷させた複数の皮溝様溝13が加工されて、各皮溝様溝13間に三角形状の皮丘様丘14が形成されている。このため、擬似皮膚11の表面状態を、人間の皮膚における皮溝21の深さ、及びそれらの皮溝21間に形成された三角形状をなす皮丘22の形状や大きさまで、擬似的に再現して形成することができる。よって、この擬似皮膚11にファンデーション等の化粧料を塗布してパネルテスト等を行った場合、人間の皮膚と同様に擬似皮膚11の表面に化粧料を均一に塗布することができる。
また、この擬似皮膚11の表面パターンとしては、人間の皮膚模様を単純化して、パターン化及びモデル化して作成したモデルパターンが用いられている。このため、モデルパターンのデータを変更するのみで、皮丘様丘14を形成する三角形状の一辺の長さL1や、皮丘様丘14の周囲の皮溝様溝13の深さL2を、特定の人間の年齢や性別に見立てて任意に設定することができる。従って、多数の個人から皮膚形状を採取したりする面倒さを避けることができる。その上、特殊な皮膚形状や、あるいは理想的な皮膚形状を簡易に何度でも再現することができる。
さらに、この擬似皮膚11においては、合成樹脂シート材12上の皮溝様溝13の深さに、人間の皮膚における皮溝21に相当する変化が付与されている。しかも、各皮溝様溝13間の皮丘様丘14には、人間の皮膚における皮丘22上の微少すじ24に相当する複数の微少すじ様すじ15が形成されるとともに、皮溝様溝13の交点あるいはその近傍には、人間の皮膚における皮溝21の交点付近の毛穴23に相当する毛穴様穴16が形成されている。よって、擬似皮膚11の表面状態を人間の皮膚模様によりいっそう擬似的に近付けて再現することができる。そして、皮溝様溝13の深さの変化や、毛穴様穴16の有無等をレーザ光の照射出力を変更するのみで、得ることができて、きわめて簡単である。また、図3(b)に示すように、毛穴様穴16をレーザ出力変更により貫通させることもできる。さらに、貫通させた毛穴様穴16の裏面側(図3(b)の下側)から表面側に皮脂成分を染み出させたりする等、より人間の皮膚に近いモデルとして使うこともできる。
また、この実施形態の擬似皮膚11の製造方法においては、支持ローラ17の外周面に合成樹脂シート材12を支持した状態で、その合成樹脂シート材12上にレーザ光を照射するのみで皮溝様溝13の加工を行っている。このため、所要の表面状態の擬似皮膚11を容易かつ短時間で製造することができる。
この実施形態における効果を列挙すれば以下の通りである。
・ 人間の皮膚を擬似的に再現でき、化粧料のパネルテスト等を行う場合、人間の皮膚と同様な作用あるいは現象を得ることができ、そのパネルテスト等を効果的に行うことができる。
・ 表面パターンとして、単純化したモデルパターンが用いられているため、モデルパターンのデータを変更するのみで、人間の年齢や性別に対応した擬似皮膚を簡単に製造できる。
・ 擬似皮膚の製造をレーザ加工により行っているため、モデルパターンを具現化した擬似皮膚を簡単かつ迅速に製造でき、同一パターンのものであっても、異なるパターンのものであっても、連続して効率よく製造できる。
・ 擬似皮膚の製造をレーザ加工により行っているため、レーザ出力を変更するのみで、皮溝様溝13の深さや毛穴様穴16に形成において、人間の皮膚に近い形状を与えることができる。従って、より人間の皮膚に近い擬似皮膚としての機能を付加することができる。
・ レーザ加工に際して合成樹脂シート材12を支持ローラ17に支持するのみで、微少すじ様すじ15を形成でき、その微少すじ様すじ15の形成がきわめて簡単である。
図6(a)及び(b)に示すような実施例1,2の擬似皮膚を作成し、これらの擬似皮膚と、図7(a)〜(c)に示すような表面パターンを有する比較例1〜3の合成皮革、及び図示しない参考例としての人間の皮膚と比較試験を行ったところ、次のような結果が得られた。なお、図6及び図7の表面パターンは、50倍拡大のマイクロスコープによる写真を模式化したものである。
すなわち、実施例1及び実施例2の擬似皮膚11は、常温硬化型シリコーン樹脂(株式会社イノアックコーポレーション製の登録商標「マサシート」)であって、硬度20(JIS A)、引張り強度3.4MPa、伸び740%、引裂強度90N/cm、シボ付き;面粗度Rz=15μm(JIS B 0601−1982)のものを用いた。そして、実施例1の擬似皮膚11としては、図6(a)に示すように、皮丘様丘14が正三角形格子状で、その三角形状の一辺の長さL1が0.14mm、皮丘様丘14の周囲の皮溝様溝13の深さL2が40μmで、皮丘様丘14上の微少すじ様すじ15は無しのものを作成した。また、実施例2としては、図6(b)に示すように、皮丘様丘14が正三角形格子状で、その三角形状の一辺の長さL1が0.14mm、皮丘様丘14の周囲の皮溝様溝13の深さL2が40μm、皮丘様丘14上に微少すじ様すじ15が5〜20本あるものを作成した。
これに対して、比較例1〜3としては、合成皮革であって、図7(a)〜(c)に示すように、散点状に突起40が形成されたもの、不規則な爛れ模様状の凹凸41が形成されたもの、散点状ではあるが図7(a)の場合よりも大きな突起40を有するものを用意した。また、参考例の人間の皮膚としては、年齢30代の女性の左手甲の皮膚表面を用いた。
この実施例1,2の擬似皮膚、比較例1〜3の合成皮革及び参考例の人間皮膚の表面に、粉体化粧品としてのパウダーファンデーションを塗布して、それらの塗布状態を外観観察により比較した。その結果、参考例の人間の皮膚の表面では、ファンデーション塗布後に、ファンデーション粒子が皮膚の皮溝に沿って均一に入り込んで、ファンデーションの塗りが良好な状態にあることがわかった。ファンデーションの塗りが良好である状態とは、ファンデーション粒子が皮溝を埋めて皮膚表面を平滑にするとともに、皮丘の表面に均一に分布して付着されていることをいう。
一方、実施例1の擬似皮膚では、ファンデーション塗布後に、人間の皮膚の皮溝に相当する複数の皮溝様溝13中にファンデーション粒子が均一に存在して、ファンデーションの塗りが人間の皮膚に対する塗布状態に近いことが判った。また、実施例2の擬似皮膚でも、ファンデーション塗布後に、ファンデーション粒子が皮溝様溝13中に均一に存在するとともに、皮丘様丘14の表面の微少すじ様すじ15中にも均一に分布して残留し、人間の皮膚に対する塗布状態に極めて類似していることが判った。
これに対して、比較例1〜3の人工皮革では、いずれも表面パターンの溝の中にファンデーション粒子が入り込んではいるが、その入り込み状況が均一でなく荒れており、人工皮革の表面にはほとんど残留していないで、人間の皮膚に対する塗布状態には程遠いことが判った。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 皮丘様丘14上の微少すじ様すじ15をレーザ加工により施すこと。
・ 図8に示すように、複数の皮溝様溝13間に主として菱形状の皮丘様丘14が形成されるように皮溝様溝13を形成すること。あるいは、五角形や六角形等の多角形の皮丘様丘14が形成されるようにすること。
・ 人間の皮膚の皮溝等が忠実に再現されるように、皮溝様溝13を模式化することなく再現すること。この場合には、例えば人間の皮膚を撮影して、それを画像処理することにより皮溝データを抽出し、その皮溝データに従ってレーザ加工により皮溝様溝13を形成する。
一実施形態の擬似皮膚を示す斜視図。 図1の擬似皮膚の拡大平面図。 (a)は、図2の3−3線における部分拡大断面図、(b)は、毛穴様穴を貫通させた例を示す断面図。 擬似皮膚の製造装置を示す斜視図。 (a)〜(c)は、擬似皮膚の表面パターンの作成方法を示す図。 (a),(b)は、比較試験に使用した実施例1及び2の擬似皮膚を示す平面図。 (a)〜(c)は、比較試験に使用した比較例1〜3の合成皮革を示す平面図。 実施形態の擬似皮膚の変更例を示す平面図。
符号の説明
11…擬似皮膚、12…合成樹脂シート材、13…溝、14…皮丘様丘、15…微少すじ様すじ、16…毛穴様穴、L2…溝の深さ。

Claims (8)

  1. 合成樹脂シート材の表面に対してレーザ加工により複数の皮溝様溝を加工して、各皮溝様溝間に多角形状の皮丘様丘を形成したことを特徴とする擬似皮膚。
  2. 前記皮溝様溝の深さに変化を付与したことを特徴とする請求項1に記載の擬似皮膚。
  3. 前記皮丘様丘に複数の微少すじ様すじを形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の擬似皮膚。
  4. 前記皮溝様溝の交点あるいはその近傍に毛穴様穴を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の擬似皮膚。
  5. 前記毛穴様穴が貫通孔として形成されていることを特徴とする請求項4に記載の擬似皮膚。
  6. 前記皮丘様丘が三角形状をなすように前記皮溝様溝を形成したことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の擬似皮膚。
  7. 前記合成樹脂シート材がシリコーン樹脂よりなることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載の擬似皮膚。
  8. ローラの外周面に支持された合成樹脂シート材に対して皮溝様溝加工のためのレーザ光を照射することにより、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の擬似皮膚を製造することを特徴とした擬似皮膚の製造方法。
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