JPH11169390A - 人工皮膚 - Google Patents

人工皮膚

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JPH11169390A
JPH11169390A JP9363132A JP36313297A JPH11169390A JP H11169390 A JPH11169390 A JP H11169390A JP 9363132 A JP9363132 A JP 9363132A JP 36313297 A JP36313297 A JP 36313297A JP H11169390 A JPH11169390 A JP H11169390A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】その物性が現実の人間等の生物の皮膚に近く、
メーキャップ化粧料の評価を直接的に行うことが可能な
人工皮膚を提供すること。 【解決手段】人工皮膚の表面を形成するウレタン系高分
子を主成分とする皮膜と、ウレタン系高分子を主成分と
して人工皮膚の内部を形成する擬似肉質部分とを積層し
てなり、かつその表面形状が生物の皮膚表面の凹凸を再
現した形状である人工皮膚を提供することにより、上記
の課題を解決し得ることを見出した。また、この人工皮
膚は、例えば皮膚のシリコーンレプリカを用いることに
より製造され得ることも見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工皮膚に関する
技術分野の発明である。より詳細には、皮膜と擬似肉質
部を有し、かつ「きめ」等,その表面が人間等の生物の
皮膚の表面に認められる凹凸が忠実に再現され、さらに
その物理的特性も生物の皮膚に類似した人工皮膚に関す
る発明である。この人工皮膚は、例えばメーキャップ化
粧料を使用した場合の効果を、人体を用いたパネルテス
トなしに容易に把握、評価することが可能である。ま
た、直接人体に施すことが不可能な測定機器に対して用
いることにより、例えばメーキャップ化粧料等を使用し
た場合の、化粧肌の微細な表面状態を容易に把握、評価
することが可能である。
【0002】
【従来の技術】通常は、ファンデーション等のメーキャ
ップ化粧料の化粧効果を把握して評価するためには、実
際に人の顔にそのメーキャップ化粧料を塗布するパネル
テストが行われている。しかしながら、確度の高い評価
を得るためには、できる限り常に同じパネルで評価する
ことが望ましいが、現実には非常に困難である。また、
同一のパネルであっても、常に肌状態が一定というわけ
ではなく、これも結果においてばらつきが生じる一因と
なっている。
【0003】このような理由から、上記パネルテストに
参加するパネル数は、少なくとも10人は必要であり、
必ずしも効率的ではない。また、近年においては、メー
キャップ化粧料を用いた際の評価として、さらに微細な
視点から評価をすることが必要になりつつあるが、この
微細な視点から評価するための機器の中には、人体をそ
のまま用いることには馴染まない機器も数多く存在す
る。上記のような理由から、メーキャップ化粧料を用い
た際の評価を的確に行うことが可能な人工皮膚が提供さ
れることが望まれているが、現在提供されている人工皮
膚は、その性能という点において十分とはいえない。
【0004】例えば、メーキャップ化粧料を合成皮革に
塗布して評価することが試みられているが、この合成皮
革の性質は実際の皮膚とはかなり異なっており、思わし
い結果をえることが困難であった。また、より好ましい
人工皮膚の提供を目指して、例えばウレタン系高分子製
のメーキャップ化粧料の評価に用いる人工皮膚も開発さ
れているが、その表面はエンボス加工がなされて皮膚の
表面とは大きく異なっており、所望するメーキャップ化
粧料の正確な評価を下すまでには至っていない。さら
に、歯科用にも用いられるアルギン酸カルシウムレプリ
カを用い、反転させて提供される人工皮膚も作出されて
いるが、これも皮膚の表面構造を十分に反映していると
は言い難かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
すべき課題は、上記のような欠点が認められない、その
物性が現実の人間等の生物の皮膚に近く、メーキャップ
化粧料の評価を直接的に行うことが可能な人工皮膚を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、皮膚の表面
状態をレプリカするレプリカ素材をシリコーンとし、さ
らに人工皮膚の表面を形成するウレタン系高分子を主成
分とする皮膜と、ウレタン系高分子を主成分として人工
皮膚の内部を形成する擬似肉質部とを積層した、重層構
造とした人工皮膚は、化粧料を塗布した場合のつきが皮
膚に塗布した場合に酷似しており、化粧料の評価におい
て非常に優れていることを見出して、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明者は本願において以下の
発明を提供するを提供する。請求項1において、人工皮
膚の表面を形成するウレタン系高分子を主成分とする皮
膜と、ウレタン系高分子を主成分として人工皮膚の内部
を形成する擬似肉質部とを積層してなり、かつその表面
形状が生物の皮膚表面の凹凸を再現した形状である人工
皮膚を提供する。
【0008】請求項2において、きめの三角形を形成す
る辺の長さが50〜1000μm であり、かつ溝の深さ
が10〜200μm である、前記請求項1記載の人工皮
膚を提供する。
【0009】請求項3において、擬似肉質部が生物の皮
膚に似せた色彩を有する、前記請求項1又は請求項2記
載の人工皮膚を提供する。
【0010】請求項4において、全体の厚さが2mm〜1
00mmで、かつ硬度が15〜100である、前記請求項
1乃至請求項3のいずれかの請求項記載の人工皮膚を提
供する。
【0011】なお、本発明において、人工皮膚の硬度
は、測定する人工皮膚の厚さを1.5cmとし、不動化学
工業製のレオメーターで5.6mmのアタッチメントを付
け、スピード2cm/秒で1mmの深さまで人工皮膚の表面
を押圧したときの応力(gW)を意味する。
【0012】請求項5において、皮膜に含まれるウレタ
ン系高分子が一液型のウレタン系高分子であり、かつ擬
似肉質部のウレタン系高分子が二液型のウレタン系高分
子である、前記請求項1乃至請求項4のいずれかの請求
項記載の人工皮膚を提供する。
【0013】請求項6において、皮膜の厚さが10〜1
00μm である、前記請求項1乃至請求項5のいずれか
の請求項記載の人工皮膚を提供する。
【0014】請求項7において、そのL値が40〜90
である、前記請求項1乃至請求項6のいずれかの請求項
記載の人工皮膚を提供する。
【0015】請求項8において、皮膜と擬似肉質部との
間に、皮膚内部構造を模した着色及び/又は構造を介在
させてなる、前記請求項1乃至請求項7のいずれかの請
求項記載の人工皮膚を提供する。
【0016】請求項9において、生物の皮膚表面からレ
プリカしたシリコーン型上に、ウレタン系高分子を主成
分とする皮膜形成成分を薄層してシリコーン型上に皮膜
を形成させ、さらにその上にウレタン系高分子を主成分
とする擬似肉質部形成成分を重層する、前記請求項1乃
至請求項8のいずれかの請求項記載の人工皮膚の製造方
法を提供する。
【0017】請求項10において、前記請求項9記載の
人工皮膚の人工皮膚の製造方法において、シリコーン型
上に皮膜を形成させた後、この皮膜上に皮膚内部構造を
模した着色及び/又は微細構造を施し、さらにこの皮膜
上にウレタン系高分子を主成分とする擬似肉質部形成成
分を重層する人工皮膚の製造方法を提供する。
【0018】請求項11において、人工皮膚の表面を形
成するウレタン系高分子を主成分とする皮膜と、ウレタ
ン系高分子を主成分として人工皮膚の内部を形成する擬
似肉質部とを積層してなり、かつそのL値が40〜90
である人工皮膚を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関わる人工皮膚
(以下、本発明人工皮膚という)の実施の形態を説明す
る。上述のごとく、本発明人工皮膚は、人工皮膚の表面
を形成するウレタン系高分子を主成分とする皮膜と、ウ
レタン系高分子(以下、特に断わらない限り「ウレタ
ン」という)を主成分として人工皮膚の内部を形成す
る、生物の皮膚に似せた色彩を有する擬似肉質部とを積
層してなり、かつその表面形状が生物の皮膚表面の凹凸
を再現した形状の人工皮膚である。本発明人工皮膚にお
いてその凹凸が再現されるべき生物の種類は、およそ皮
膚を有している生物であれば、本発明人工皮膚を用いる
目的に応じて選択することが可能であり、特に限定され
ず、例えば哺乳類,爬虫類等の皮膚表面を模倣すること
が可能であるが、通常は人間の皮膚が模倣の対象とな
る。
【0020】本発明人工皮膚は、例えば生物の皮膚表面
からレプリカしたシリコーン型上に、ウレタンを主成分
とする皮膜形成成分を薄層してシリコーン型上に皮膜を
形成させ、さらにその上にウレタンを主成分とする擬似
肉質部形成成分を重層することにより製造することがで
きる。
【0021】なお、シリコーンレプリカから石膏等によ
って反転させた像から、さらにシリコーン型を作成し
て、これをレプリカ型として用いてもよい。かかる場
合、最初に転写するシリコーンレプリカを薄く作った場
合には、それを平板に張り付ければ多少ゆがみが皮膚と
異なるが、製造された人工皮膚を評価するときには、平
坦なので測定しやすいという面を有する。その一方、肌
の湾曲も含めて、本発明人工皮膚において再現するに
は、3mm〜10mm程度の厚さのレプリカを用いて本発明
人工皮膚を製造するのが好ましい。
【0022】シリコーンのレプリカ型は、通常レプリカ
型を形成する際に用いられるシリコーンレプリカ剤を用
いて作出することができる。具体的な商品としては、例
えば「SILFLO」として知られているシリコーンレプリカ
剤を用いることができる。このシリコーンレプリカ剤を
用いて、直接皮膚をレプリカして、所望するシリコーン
型を作出することができる。
【0023】このシリコーン型上に薄層する皮膜形成成
分の主成分であるウレタンは、乾式用ウレタン、すなわ
ち一液型ウレタン又は二液型ウレタンを用いることが可
能であり、湿式型ウレタンやエマルジョン型,乾式発泡
型等の特殊型ウレタンは除外される。この皮膜形成成分
の主成分として用いるウレタンとしては、特に一液型の
ウレタンを用いることが好ましい。すなわち、二液型の
ウレタンは、二液反応の際に残存する未反応のポリオー
ルが滲出するおそれがあり、特に皮膜の素材としては好
ましくない。一液型のウレタンであれば、ポリオールは
すでに完全に反応しているので、このような滲出のおそ
れがなく好ましい。
【0024】本発明においては、一液型のウレタンとし
て、ラッカー型,湿気硬化型,ブロックイソシアネート
硬化型のいずれの型のものも用いることができる。この
一液型ウレタン高分子は、溶剤、具体的にはメチルエチ
ルケトン,酢酸エチル,ジオキサン,トルエン,イソプ
ロピルアルコール,ジメチルホルムアミド,テトラヒド
ロフラン等を必要に応じて適宜組み合わせた有機溶剤中
に溶解して用いることができる。
【0025】この皮膜形成成分としては、ウレタンの他
に必要に応じて、発泡剤,界面活性剤,難燃剤,充填
剤,可塑剤,安定剤,離型剤,触媒等の成分を加えて用
いることができる。シリコーン型上における、この皮膜
形成成分の薄層方法としては、特に限定されず、例えば
刷毛やスプレーにより薄層することができる。
【0026】型上に形成されるべき皮膜の厚さは、10
〜100μm であることが好ましい。この膜厚が10μ
m 以下では、皮膜に十分な強度が得られず好ましくな
く、100μm を超えてしまうと、皮膜表面の柔軟性が
欠如して大きくしわになってしまう故好ましくない。か
かるウレタン皮膜の膜厚は、薄層する皮膜形成成分の量
を適宜調整することや,成膜操作の回数を調整すること
により選択することができる。
【0027】このようにして、シリコーン型上に薄層し
たウレタンを主成分とする皮膜の上に、人工皮膚の内部
を形成するべきウレタンを主成分とする擬似肉質形成成
分を積層する。
【0028】この擬似肉質形成成分の主成分であるウレ
タンとしては、上記乾式用ウレタン、さらには特殊型ウ
レタンのうち乾式発泡型のウレタンを用いることができ
る。湿式用ウレタンや乾式発泡型以外の特殊型ウレタン
は除外される。
【0029】ここで用いられるウレタンは、上記と同様
に一液型のウレタンを用いることが可能であるが、一液
型のウレタンは、擬似肉質として用いるには硬度が高す
ぎることが多い故、二液型のウレタンを用いることも大
きな不利益なしに可能である。
【0030】この二液型のウレタンは、イソシアネート
とポリオールを主反応させて形成されるウレタンであ
る。イソシアネートとしては、例えばポリメリックMD
I、ピトリレンジイソシアネートTODIやジフェニル
メタンジイソシアネートMDI、ジアニシジンイソシア
ネートDADL、パラフェニレンジイソソアネートPP
DI等が挙げられる。これらのイソシアネートにおいて
は、芳香族タイプよりも脂肪族タイプのイソシアネート
を選択する方が、作出されるウレタンの黄変が少ないと
いう点において好ましい。
【0031】また、ポリオールとしては、例えばポリプ
ロピレングリコールPPG、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコールPTMG、ポリマーポリオール等のポリエ
ーテル系;ポリ炭酸エステル、アジペート系ポリオー
ル、ポリカプロラクトン系ポリオール、ポリカーボネー
トポリオール等のエステル系;その他ポリブタジエンポ
リオール、アクリルポリオール等が挙げられる。なお、
これらのポリオールの中でエステル系ポリオールとエー
テル系ポリオールとでは、作出される二液型ウレタンの
黄変が起こりにくいという点において、エステル系ポリ
オールを選択することが好ましい。
【0032】このウレタンの形成に際しては、上記のイ
ソシアネートとポリオールの他に、必要に応じて発泡
剤、界面活性剤、難燃剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離
型剤、触媒、マイカ,タルク,ナイロン,PMMA,シ
リカ等の粉末成分等の添加剤を適宜選択して用いること
ができる。
【0033】この擬似肉質形成成分を、例えば上記のよ
うにシリコーン型上に薄層させた皮膜上に、場合によっ
てはウレタン形成反応をさせつつ適当量流し込んで、固
化させることにより、所望する本発明人工皮膚を得るこ
とができる。
【0034】皮膚からレプリカを作成するときの素材と
しては特に制約はないがキメを忠実に再現するためには
シリコーンレプリカが望ましい。歯科医療用のアルギン
酸系レプリカではキメの再現性が劣る。
【0035】人工皮膚全体として、本発明人工皮膚の厚
さは、2〜100mmであることが好ましい。2mm未満の
厚さであると、人工皮膚全体として、現実の皮膚に近い
十分な弾力性を得ることが困難であり好ましくない。逆
に100mmを超えると、種々の測定機器を用いることが
サイズ的に困難になり好ましくない。
【0036】また、人工皮膚全体としての硬度は、上記
測定基準において15〜100であることが好ましい。
この硬度が15未満であると、人工皮膚全体としての弾
性が認められなくなり、皮膜部分においてしわが形成さ
れる傾向が強くなり好ましくなく、100を超えると実
際の皮膚に比べて過度に硬すぎて、柔軟性が認められな
くなり、化粧品試験のモデルとしての許容範囲を逸脱し
てしまう。
【0037】この硬度は、主に本発明人工皮膚の擬似肉
質部を構成するウレタンの硬度に依存する。よって、必
要に応じてこの擬似肉質部を構成するウレタンを適宜選
択することによって、所望する硬度の本発明人工皮膚が
提供され得る。例えば、擬似肉質部を構成するウレタン
として、二液型のウレタンを用いる場合には、反応させ
るポリオールの量を多くすることにより、作出されるウ
レタンの柔軟性をより付与することが可能であるが、余
り多くのポリオールを添加すると、未反応のポリオール
が滲出することになり好ましくない。しかしながら、そ
のポリオール量が過剰でない限り、この擬似肉質部にお
いて滲出するポリオールは、皮膜によりブロックされて
しまうので大きな問題とはならない。
【0038】本発明人工皮膚は、その色彩においても、
似せる対象となる生物の皮膚に近似していることが好ま
しい。具体的に、このような色彩は、通常擬似肉質部の
着色により表現され、所望する色彩に着色した擬似肉質
形成成分を、本発明人工皮膚の製造工程において用いる
ことにより、本発明人工皮膚に所望する色彩や透明感を
付与することができる。
【0039】この擬似肉質形成成分を着色する場合に
は、例えば有機又は無機の着色料を用いることができ
る。肌色に着色する場合には通常酸化鉄や酸化チタン顔
料が用いられる。この際、シリコーンや脂肪酸又はチタ
ネート系の表面処理剤等で、着色料を処理して、例えば
これらの着色料の擬似肉質形成成分における分散性を向
上させることも可能である。
【0040】なお、上記の着色にあたっては、例えば二
剤型ウレタンを擬似肉質形成成分として用いる場合に
は、着色剤をポリオールに予め添加混合してから、イソ
シアネートと混合して反応させることにより、所望の色
彩に着色されたウレタンを作出することが好ましい。
【0041】また、全く着色を施さない本発明人工皮膚
は、その外見においては、実際の皮膚とは異なるもの
の、例えば化粧料の「つき」の度合いを試験する場合に
は、この化粧料を塗布した部分が一目で分かるという利
点を有している。また、ファンデーションにおける顔料
を検出する場合においては、人工皮膚の着色成分中の顔
料成分の存在がノイズとなってしまい好ましくない場合
も想定されるが、無着色の場合にはこのような懸念は生
じないので好ましい。
【0042】本発明人工皮膚においは、皮膜と擬似肉質
部との間に、皮膚内部構造、例えばシミ,アザ,血管等
を模した着色及び/又は構造を介在させることにより、
あたかもこれらの皮膚内部構造を伴うようなものにする
ことが可能である。
【0043】このような皮膚内部構造を伴う本発明人工
皮膚は、生物の皮膚表面からレプリカしたシリコーン型
上に、ウレタンを主成分とする皮膜形成成分を薄層して
シリコーン型上に皮膜を形成させ、さらにその上にウレ
タンを主成分とする、生物の皮膚に似せて着色した擬似
肉質部形成成分を重層することにより製造することがで
きる。
【0044】このようにして製造される本発明人工皮膚
は、従来から提供されている人工皮膚に比べて、その表
面の凹凸が現実の皮膚に極めて近似している。具体的に
は、人間の皮膚を模倣する場合、本発明人工皮膚表面に
おける、きめの三角形を形成する辺の長さが50〜10
00μm であり、かつ溝の深さが10〜200μm の範
囲であり、現実の人間の皮膚表面の凹凸状態に酷似して
いる。
【0045】なお、本発明人工皮膚は、上述したような
工程を経て製造され得るが、他の手段、例えばシリコー
ン皮膜の上から、例えばエッチング工作機で所望する形
状の皮膚の微細形状を反映したエッチングを行って、シ
リコーン型を作成し、このシリコーン型を、上述の工程
におけるシリコーンレプリカとして用いることによって
も製造することが可能である。
【0046】また、本発明は、その表面形状が生物の皮
膚表面の凹凸を再現した形状である人工皮膚のみなら
ず、人工皮膚の表面を形成するウレタンを主成分とする
皮膜と、ウレタンを主成分として人工皮膚の内部を形成
する擬似肉質部とを積層してなり、かつそのL値が40
〜90である人工皮膚をも提供する。
【0047】このような態様の本発明人工皮膚は、上記
のレプリカ工程を経ずに、例えば一液型ウレタン等を用
いて製造した皮膜上に、二液型ウレタン等を主成分とす
る擬似肉質部成分を重層することにより製造することが
できる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、この実施例により、本発明の技術的範囲
が限定されるものではない。なお、本実施例において、
配合量は特に断わらない限り、配合される対象の全重量
に対する重量%である。
【0049】〔実施例1〕 本発明人工皮膚の製造
(1) 石鹸で2回洗顔した25才の女性パネルの顔に、わずか
にローションを塗って皮膚を調えた。次いで、市販のシ
リコーンレプリカ剤「SILFLO」により、この女性パネル
の頬のレプリカを作成した(レプリカの作り方は,この
シリコーン剤のマニュアルに従った)。なお、皮膚の形
状を保つために、シリコーンレプリカの厚さが5mmにな
るようにした。このレプリカを型にして、これに1液型
のコーティング用ウレタン〔ME−88NFLP :大日
精化工業(株)製〕を溶剤(メチルエチルケトン:ジメ
チルホルムアミド:トルエン=35:35:30)で2
倍に希釈し、これを刷毛でレプリカ表面に塗布し、成膜
後、さらにもう一度塗布して、70℃で2分及び100
℃で3分のキュアリングを行って成膜した。
【0050】その後、2液型ウレタン〔大日精化工業
(株)製の,脂肪族タイプのイソチアネートとエーテル
系のポリオールを反応させることにより生成する二液型
ウレタン〕を混合時に皮膚の色に似せて着色した後、こ
れを、成膜したレプリカ上の皮膜上に、脱気・乾燥下流
し込み、60℃で1時間硬化させた後、型から剥がし本
発明人工皮膚を得た(実施例1)。
【0051】この際、上記の二液型ウレタンの製造過程
において、ポリオールの添加量を調節することによっ
て、種々の硬度の人工皮膚を製造した。すなわち、上記
硬度基準で、10(実施例1A),15(実施例1
B),30(同1C),60(同1D),90(同1
E),100(同1F)及び120(同1G)の人工皮
膚を製造した。これらの人工皮膚のうち、硬度が15〜
100の実施例1B〜1Fの人工皮膚は、それぞれ実際
の皮膚にその触感が近い物であった、同硬度が10の人
工皮膚(比較例1A)はフニャフニャしているうえに表
面にシワが認められた。また、同硬度が120の人工皮
膚(比較例1B)は、硬すぎてその触感が実際の皮膚と
かけ離れていた。
【0052】また、上記の硬度が60の本発明人工皮膚
の製造する際の着色工程において、擬似肉質部を形成す
る二液型ウレタンにおける肌色の着色顔料の添加量を調
整した。すなわち、この着色顔料の添加量を、0.2%
(実施例1a),0.5%(同1b),1.0%(同1
c),3.0%(同1d),6.0%(同1e)に調整
した、本発明人工皮膚を製造した。
【0053】〔実施例2〕本発明人工皮膚の製造(2) 実施例1bの本発明人工皮膚の製造工程において、一液
型ウレタンとして、ME−88NFLPに代えて、大日
精化工業(株)製のNE−302HVを用いて製造した
本発明人工皮膚を、実施例2の本発明人工皮膚とした
〔ただし、溶剤はイソプロピルアルコール:トルエン=
50:50であり、キュアリングは,70℃で2分及び
120℃で3分行った〕
【0054】〔実施例3〕 本発明人工皮膚の製造
(3) 実施例2で得られたシリコーンレプリカに対して、さら
に石膏で型どりを行い、この石膏型表面に再びシリコー
ンレプリカで型を起こして、実施例2と同じ溶媒に希釈
した一液型ウレタンをウレタン用のスプレーガンでシリ
コーンレプリカ上に吹き付け塗装を行った。溶剤が乾燥
したらさらに吹き付けを行い、製膜させた。同様にして
5回吹き付けを行い、製膜後肌色に着色した二液型ウレ
タン(実施例2と同様)を流し込み、60℃で1時間硬
化させた後、さらに120℃で3分処理して離型し、本
発明人工皮膚を得た(実施例3)。
【0055】〔実施例4〕 本発明人工皮膚の製造
(3) 実施例2の本発明人工皮膚の製造工程において、シリコ
ーンレプリカをとる際に、このレプリカの厚さが約2mm
になる程度の量のレプリカ剤を用い、皮膚上に塗布後、
硬化する前に5×5cmのスライドガラスで、この皮膚に
塗布したレプリカ剤の表層部から軽く押し付け、そのま
ま硬化させた。このようにして作成したレプリカを、そ
の表面が平坦なガラス上に平らに静置した。
【0056】次に、このレプリカに対して、流し込む二
液型ウレタンの量を、人工皮膚の全体の厚さが5mmにな
るように調整して、実施例2と同様にして、平板状の本
発明人工皮膚(実施例4)を得た。この実施例4の人工
皮膚は、扁平であるけれども、人間の皮膚の表面の凹凸
が忠実に反映していた〔下記の、SEM,ハイパーマイ
クロスコープ及び表面形状測定顕微鏡(VF−750
0、以下同様である)での観察による〕。
【0057】なお、実施例2と同様の方法で、シリコー
ンレプリカに代えて、アルギン酸系レプリカを用い作成
し、このアルギン酸系レプリカに対して、さらに石膏で
型どりを行い、この石膏型表面に再びシリコーンレプリ
カで型を起こして、実施例2と同様の方法で吹き付け回
数を5回行い、皮膜を乾燥させた後、この皮膜上から二
液型のウレタンを重層して、人工皮膚を得た。しかしな
がら、この人工皮膚は人間の皮膚の表面の凹凸とは、掛
け離れた表面形状であった(下記の、SEM,ハイパー
マイクロスコープ及び表面形状測定顕微鏡での観察によ
る)。
【0058】〔試験例〕 1.皮膚のキメの再現性についての試験 人工皮膚における皮膚のキメの再現性の評価は、SEM
観察により行った。すなわち、以下に示す評点を指標と
して、人工皮膚における皮膚のキメの再現性を評価し
た。
【0059】<評価> ◎:非常に忠実に皮膚のキメが再現されている。 ○:ある程度皮膚のキメが再現されている。 ×:全く皮膚のキメが再現されていない。 この試験を実施例2と実施例3の本発明人工皮膚につい
て行ったところ、両者とも評価は「◎」であった。
【0060】また、これらの実施例の本発明人工皮膚の
表面の「きめ」の三角形を形成する辺の長さを、ハイパ
ーマイクロスコープHV−6200(キーエンス社製)
で解析したところ、200〜500μm であり、溝の深
さを同じくキーエンス社製の表面形状測定顕微鏡で解析
したところ10〜40μm であった。
【0061】さらに、実施例2の本発明人工皮膚の表面
状態をSEM観察した結果を、参考写真に表す(参考写
真1:レプリカを取った人間の頬の皮膚の表面の写真,
参考写真2:実施例2の本発明人工皮膚の表面の写真,
参考写真3:牛革製のグローブの表面の写真,参考写真
4:エンボス加工を施した合成皮革の表面の写真)であ
る。これらの写真により、実施例2の本発明人工皮膚の
表面は、レプリカした皮膚の表面の凹凸を忠実に反映し
ていることが明確にわかる。
【0062】2.皮膚の内部反射についての試験 皮膚の内部反射は、光ファイバーによりキセノンランプ
の光を半径3.9mmのリング状の照射部と、中心に位置
する半径1.0mmの受光部でできたアタッチメントを人
工皮膚に接触させて測定した。測定値は受けた光をLa
b値に直して、そのL値(明度項)で評価した。校正
は、4mmの半透明アクリル製の板の下に標準白色版おい
たものとブラックボックスを用いて行った(本発明にお
けるL値とは,ここにいうL値を意味するものであ
る)。
【0063】人間の皮膚においては、このL値は40〜
90であることが望ましく、本発明人工皮膚のL値も、
この40〜90の範囲内であることが好ましい。L値が
大きければ光の内部反射の度合いが大きいことを意味す
る。上記のL値の領域を逸脱する場合は、過度に透明で
あったり、過度に不透明である等、通常の人間の皮膚の
透明感とは掛け離れてしまう。
【0064】この試験を実施例1a〜1eの本発明人工
皮膚において行った。その結果、実施例1aの人工皮膚
のL値は75、1bは76、1cは60、1dは16、
1eは0であった。
【0065】この結果より、通常の肌色着色用顔料の場
合、本発明人工皮膚中には概ね0.1〜1.0%の範囲
で配合することで、人間の肌と同様の内部反射能を有す
る人工皮膚が提供され得ることが判明した(着色用顔料
を0.1%添加した場合のL値は76であった)。
【0066】3.接触角の測定試験 接触角の測定は、測定対象を中性洗剤で2回洗浄後、こ
れをイオン交換水で洗浄して、室温で15分間乾燥させ
てから行った。接触角は、自動接触角計CA−Z型(協
和界面科学社製)を用いて測定した。なお、接触角は、
大きい程撥水性が大きいことを意味する。
【0067】測定対象は、人間の皮膚,実施例2の本発
明人工皮膚,シリコーンレプリカ及び合成皮革の順で行
った。結果を第1表に示す。第1表中「皮脂塗布」とあ
るのは、上記洗浄箇所に皮脂(鼻の油)を付着させたこ
とを意味し、「不可」とは測定対象の表面に撥水性が殆
ど認められず接触角を測定することができなかったこと
を意味する。
【0068】
【表1】 この第1表により、本発明人工皮膚の濡れ特性は、皮膚
にかなり近似していることが判明した。
【0069】4.化粧品の塗り特性の試験 実施例2の本発明人工皮膚上に、市販のパウダリーフ
ァンデーションを塗布した状態をSEM観察した。その
結果を表した電子顕微鏡写真を、第1図及び第2図(第
2図は,第1図の拡大写真である)に示す。これらの図
において、塗布したパウダリーファンデーションが、
「きめ」の間に凝集し、さらに一部が粉浮きしているこ
とが示されている。この表面状態は、人間の皮膚にパウ
ダリーファンデーションを塗布した場合の「やや粉っぽ
い使用感」が感じられる原因として指摘されている事項
を如実に表している。
【0070】実施例2の本発明人工皮膚上に、市販の
W/O乳化型ファンデーションを塗布した状態を、SE
M観察した。その結果を表した電子顕微鏡写真を、第3
図及び第4図(第4図は,第3図の拡大写真である)に
示す。これらの図において、塗布したW/O乳化型ファ
ンデーションには、上記パウダリーファンデーションの
場合のような粉浮きが認められず、粉末成分が油の中
に、いわばスラリー状態で入っていることが示されてい
る。この表面状態は、人間の皮膚にW/O乳化型ファン
デーションを塗布した場合の「しっとりとした使用感触
が認められるが、仕上がりが油っぽい」原因として指摘
されている事項を如実に表している。
【0071】実施例2の本発明人工皮膚上に、ひまし
油型の日焼け止め化粧料〔ひまし油90%及び0.02
μm の微粒子酸化チタン10%を,ローラーで混練した
もの〕を塗布して、その表面状態をハイパービデオマイ
クロスコープで観察した。その結果を表した顕微鏡写真
を、第5図・参考写真1(100倍)及び第6図・参考
写真2(500倍)に示す。これらの図面において、日
焼け止め化粧料が「皮溝部分」に流れ込み、通常の人間
の皮膚において認めれるのと同様の現象が起きているこ
とが判明した。
【0072】実施例2の本発明人工皮膚上に、皮膜型
の日焼け止め化粧料〔シリコーン樹脂5%,揮発性油分
43%,0.02μm の微粒子酸化チタン10%,スク
ワランを10%,乳化剤2%及びイオン交換水30%
を,ローラーで混練したもの〕を塗布して、その表面状
態をハイパービデオマイクロスコープで観察した。その
結果を表した顕微鏡写真を、第7図・参考写真3(10
0倍)及び第8図・参考写真4(500倍)に示す。こ
れらの図面において、日焼け止め化粧料が「皮溝部分」
のみならず、「皮丘」全体に皮膜が形成され、通常の人
間の皮膚において認めれるのと同様の現象が起きている
ことが判明した。
【0073】乾性肌と脂性肌との皮膚の表面状態の差
異が、本発明人工皮膚においても反映され得るか否かを
検討するために、乾性肌のパネルと脂性肌のパネル双方
からレプリカを取って、実施例2と同様の工程で本発明
人工皮膚を製造して、それぞれのパネルの皮膚と、その
表面状態をハイパービデオマイクロスコープで検討した
(第9図・参考写真5は,乾性肌についての結果を表す
顕微鏡写真であり、第10図・参考写真6は,脂性肌に
ついての結果を表す顕微鏡写真である:これらの顕微鏡
写真において,左上の顕微鏡像は皮膚を100倍に拡大
した顕微鏡像であり,右上の顕微鏡像は人工皮膚を10
0倍に拡大した顕微鏡像であり,左下の顕微鏡像は皮膚
を500倍に拡大した顕微鏡像であり,右下の顕微鏡像
は人工皮膚を500倍に拡大した顕微鏡像である)。そ
の結果、乾性肌と脂性肌との皮膚の表面状態の差異(脂
性肌の方がキメが荒い)が、本発明人工皮膚においても
反映されていることが判明した。
【0074】レプリカを取る対象のパネルを10〜6
0歳の各年齢(10歳毎)に設定して、実施例2と同様
の工程で本発明人工皮膚を製造して、それぞれそのパネ
ルの皮膚と、その表面状態をハイパービデオマイクロス
コープで比較した。その結果、加齢によって生じる皮膚
表面の差異が、本発明人工皮膚においてもそのまま反映
されていることが明らかになった。これらの結果によ
り、本発明人工皮膚に化粧料を塗布した場合に、ほぼ人
間の皮膚と同様の現象が認められ、本発明人工皮膚が、
化粧料の評価をする場合に極めて有用なことが判明し
た。
【0075】
【発明の効果】本発明により、その物性が現実の人間等
の生物の皮膚に近く、メーキャップ化粧料の評価を直接
的に行うことが可能な人工皮膚が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工皮膚上にパウダリーファンデーションを塗
布した状態を表す電子顕微鏡写真である。
【図2】人工皮膚上にパウダリーファンデーションを塗
布した状態を表す、より拡大倍率が高い電子顕微鏡写真
である。
【図3】人工皮膚上にW/O乳化型ファンデーションを
塗布した状態を表す電子顕微鏡写真である。
【図4】人工皮膚上にW/O乳化型ファンデーションを
塗布した状態を表す、より拡大倍率が高い電子顕微鏡写
真である。
【図5】人工皮膚上に、ひまし油型の日焼け止め化粧料
を塗布した状態を表す、拡大倍率が100倍の顕微鏡写
真である。
【図6】人工皮膚上に、ひまし油型の日焼け止め化粧料
を塗布した状態を表す、拡大倍率が500倍の顕微鏡写
真である。
【図7】人工皮膚上に、皮膜型の日焼け止め化粧料を塗
布した状態を表す、拡大倍率が100倍の顕微鏡写真で
ある。
【図8】人工皮膚上に、皮膜型の日焼け止め化粧料を塗
布した状態を表す、拡大倍率が500倍の顕微鏡写真で
ある。
【図9】乾性肌の皮膚についての人工皮膚の有用性示す
顕微鏡写真である。
【図10】脂性肌の皮膚についての人工皮膚の有用性示
す顕微鏡写真である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人工皮膚の表面を形成するウレタン系高分
    子を主成分とする皮膜と、ウレタン系高分子を主成分と
    して人工皮膚の内部を形成する擬似肉質部分とを積層し
    てなり、かつその表面形状が生物の皮膚表面の凹凸を再
    現した形状である人工皮膚。
  2. 【請求項2】きめの三角形を形成する辺の長さが50〜
    1000μm であり、かつ溝の深さが10〜200μm
    である請求項1記載の人工皮膚。
  3. 【請求項3】擬似肉質部分が生物の皮膚に似せた色彩を
    有する、請求項1又は請求項2記載の人工皮膚。
  4. 【請求項4】全体の厚さが2mm〜100mmで、かつ硬度
    が15〜100である請求項1乃至請求項3のいずれか
    の請求項記載の人工皮膚。
  5. 【請求項5】皮膜に含まれるウレタン系高分子が一液型
    のウレタン系高分子であり、かつ擬似肉質部分のウレタ
    ン系高分子が二液型のウレタン系高分子である、請求項
    1乃至請求項4のいずれかの請求項記載の人工皮膚。
  6. 【請求項6】皮膜の厚さが10〜100μm である、請
    求項1乃至請求項5のいずれかの請求項記載の人工皮
    膚。
  7. 【請求項7】そのL値が40〜90である、請求項1乃
    至請求項6のいずれかの請求項記載の人工皮膚。
  8. 【請求項8】皮膜と擬似肉質部分との間に、皮膚内部構
    造を模した着色及び/又は構造を介在させてなる、請求
    項1乃至請求項7のいずれかの請求項記載の人工皮膚。
  9. 【請求項9】生物の皮膚表面からレプリカしたシリコー
    ン型上に、ウレタン系高分子を主成分とする皮膜形成成
    分を薄層してシリコーン型上に皮膜を形成させ、さらに
    その上にウレタン系高分子を主成分とする擬似肉質部形
    成成分を重層する、請求項1乃至請求項8のいずれかの
    請求項記載の人工皮膚の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項9記載の人工皮膚の人工皮膚の製
    造方法において、シリコーン型上に皮膜を形成させた
    後、この皮膜上に皮膚内部構造を模した着色及び/又は
    微細構造を施し、さらにこの皮膜上にウレタン系高分子
    を主成分とする擬似肉質部形成成分を重層する人工皮膚
    の製造方法。
  11. 【請求項11】人工皮膚の表面を形成するウレタン系高
    分子を主成分とする皮膜と、ウレタン系高分子を主成分
    として人工皮膚の内部を形成する擬似肉質部とを積層し
    てなり、かつそのL値が40〜90である人工皮膚。
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