JP2006230338A - 魚釣用電動リール - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で高トルク且つ高速回転で巻取り操作を行うと共に、巻取り操作に用いる駆動力以外の駆動力を利用した機能を操作者に提供する魚釣用電動リールを提供する。
【解決手段】リール本体3に回転自在に支持された釣糸巻取り用のスプール6を回転駆動する駆動モータ7と、駆動モータ7からの回転駆動力を受ける入力軸上に設けられたインプット歯車33の回転方向に応じてスプール6の回転速度を変化させる変速装置30と、駆動モータ7の一方向の回転をインプット歯車33の二方向の回転に変換する回転方向変換装置20とを有する。そして、回転方向変換装置20を、駆動モータ7と変速装置30との間に設けたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】リール本体3に回転自在に支持された釣糸巻取り用のスプール6を回転駆動する駆動モータ7と、駆動モータ7からの回転駆動力を受ける入力軸上に設けられたインプット歯車33の回転方向に応じてスプール6の回転速度を変化させる変速装置30と、駆動モータ7の一方向の回転をインプット歯車33の二方向の回転に変換する回転方向変換装置20とを有する。そして、回転方向変換装置20を、駆動モータ7と変速装置30との間に設けたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、リール本体に回転自在に支持されたスプールを回転駆動する駆動モータを備えた魚釣用電動リールに関する。
一般に、魚釣用電動リールは、状況に応じた巻取り操作を行なうべく、変速装置を備えている。このような変速装置としては、駆動モータへ供給される電流量を制御して、モータ出力の増減調節を行ない、これによってスプールの回転速度を変化させる電気式の変速装置が一般的に知られている。
しかし、電気式の変速装置では、噛み合う歯車のギヤ比を高速状態に設定するか低速状態に設定するかによって、低速回転時にトルクが不足したり、高速巻取り性能が劣ったりするという課題が指摘されている。すなわち、魚が掛かったときは、大きいトルクで巻取り操作が行なえ、また、単に仕掛けを回収する際には、高速で巻取り操作が行なえるようになっていることが好ましいが、上記した電気式の変速装置では、設定したギヤ比によっては、いずれかの操作性を向上させると、他方の操作性が劣ってしまうという問題が生じる。
そこで、例えば、特許文献1に開示されているように、駆動モータの回転を減速する遊星歯車からなる減速機構の駆動系統の一部を、外部操作によってON/OFFして、噛み合う歯車のギヤ比を変化させて、スプールの回転速度を機械的に低速状態と高速状態の2段階に切り換える機械式の変速装置が提案されている。
また、例えば、特許文献2には、駆動モータの回転方向を切り換えることで、高速用と低速用の動力伝達機構を選択するようにした変速装置が提案されている。この変速装置の構成は、駆動モータの回転方向で変速装置の高速と低速を切り換える構成であり、駆動モータの回転方向の制御のみで切り換えが行なえるため、ソレノイドやカムのような別体の切換機構が不要になり、構造が簡素化されるという優れた効果が得られる。
一方、特許文献3には、駆動モータの逆転駆動力を用いてクラッチのON/OFFを自動的又は選択的に切り換えるクラッチ機構を備える魚釣用電動リールが提案されている。この魚釣用電動リールでは、駆動モータの逆転駆動力を用いてクラッチ機構の切り換えを行えるため、クラッチ機構の切換操作用のモータ等の増設が不要になり、魚釣用電動リールの小型化、軽量化及び低価格化が図れるという優れた効果が得られる。
実開昭64−41270号公報
特開2001−148978号公報
特開2001−25342号公報
上記した特許文献1に開示されているような機械式の変速装置では、減速機構の駆動系統をON/OFFするための構造が必要となるため、部品点数が多くなって構造が複雑化し、リール全体が大型化、重量化して携帯性が低下してしまう。特に、多数枚の遊星機構を重ねた構造であることから、ギヤ等の組み込み性がきわめて悪く、また、低回転駆動時にはハンドルの巻取り操作ができない構造であることから、トラブルを誘発したり、巻取り及び繰り出し等の魚釣操作性が低下してしまう等の問題がある。
上記した特許文献2に開示されているような変速装置では、高速用と低速用の動力伝達機構を切り換えるために駆動モータの回転方向を二方向に駆動するため、手動ハンドルによる巻取り駆動力が駆動モータに伝達されるのを阻止する一方向クラッチを、駆動モータ軸上に配設することができず、駆動モータ軸と異なる軸上に許容トルクの大きな一方向クラッチを配設する必要がある。一方向クラッチは、一般に許容トルクの大きさに応じて大型化するため、このような大型化した一方向クラッチを収容するスペースが必要となり、リール自体を小型化するのに限界があるという問題がある。
上記した特許文献3に開示されているような魚釣用電動リールでは、駆動モータの逆転駆動力を用いてクラッチのON/OFFを切り換えるため、巻取り操作には駆動モータの正転駆動力を用いることとなるが、駆動モータの一方向の回転を用いて巻取り操作を行う場合には、上述した特許文献1のような、スプールの回転速度を2段階に切り換える機械式の変速装置等を備える必要がある。しかし、このような変速装置等を備える場合には、構造が複雑化し、リール全体が大型化、重量化して携帯性が低下する問題等が同様に発生する。
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、簡単な構造で高トルク且つ高速回転で巻取り操作を行うと共に、巻取り操作に用いる駆動力以外の駆動力を利用した機能を操作者に提供することができる魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体に回転自在に支持された釣糸巻取り用のスプールを回転駆動する駆動モータと、前記駆動モータからの回転駆動力を受ける入力軸上に設けられたインプット歯車の回転方向に応じて前記スプールの回転速度を変化させる変速装置と、前記駆動モータの一方向の回転を前記インプット歯車の二方向の回転に変換する変換装置と、を備え、前記変換装置を、前記駆動モータと変速装置との間に設けたことを特徴とする。
上記した構成の魚釣用電動リールによれば、駆動モータの一方向の回転を前記インプット歯車の二方向の回転に変換する変換装置を、駆動モータと変速装置との間に設けたことから、変速装置は、駆動モータの一方向の回転から得られる回転駆動力を利用してスプールの回転速度を変化させることができる。これにより、駆動モータの一方向の回転を用いて高トルク且つ高速回転で巻取り操作を行うことが可能となる。また、駆動モータの他方向の回転は、巻取り操作に制限されることなくあらゆる機能に利用することができるので、巻取り操作に用いる駆動力以外の駆動力を利用した機能を操作者に提供することが可能となる。
また、変換装置に、駆動モータの回転駆動力を変速装置の入力軸に伝達する複数の動力伝達経路を備えさせ、これらの複数の動力伝達経路を切り換えて、駆動モータの一方向の回転を二方向の回転に変換するようにすれば、ソレノイド等による簡単な制御で駆動モータの一方向の回転をインプット歯車の二方向の回転に変換することが可能となる。上記複数の動力伝達経路は、例えば、駆動モータの回転駆動力を変速装置の入力軸に伝達する複数の伝達歯車を組み合わせて形成することができる。
さらに、変速装置に、ギヤ比の異なる複数の動力伝達機構を備えさせ、複数の動力伝達機構のいずれか一つを選択的に動力伝達可能として出力軸の回転速度を変化させることが好ましい。この場合、この複数の動力伝達機構は、インプット歯車の回転方向に応じていずれか一つを選択することで、変速装置における動力伝達経路を切り換えるだけで、スプールの回転速度を切り換えることが可能となる。
本発明によれば、簡単な構造で高トルク且つ高速回転で巻取り操作を行うと共に、巻取り操作に用いる駆動力以外の駆動力を利用した機能を操作者に提供することができる魚釣用電動リールが得られるようになる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施態様に係る魚釣用電動リールの回転方向変換装置及び変速装置が配設される部分を示す部分断面平面図を示している。
本実施形態の魚釣用電動リール1は、手動ハンドル2が取り付けられたリール本体3を備えている。このリール本体3を構成する左右のフレーム4a,4bの間には、軸受を介してスプール軸5が回転可能に支持されるとともに、このスプール軸5を囲繞するようにしてスプール6が配置されている。
また、左右のフレーム4a,4bの間には、スプール6よりも前側(釣糸繰出方向側)に、回転方向の切り換えが可能な駆動用モータ7が保持されている。駆動モータ7は、左右のフレーム4a,4b間を一体的に連結するように形成された筒体8aと、右フレーム4bから一定間隔を空けて立設された仕切り壁8bとで形成される空間内に設置されている。駆動モータ7は、ロータ(図示せず)によって回転駆動される駆動軸9を備えている。駆動軸9の一端は、仕切り壁8bに形成された開口部8cから左フレーム4a側に突出し、その先端に駆動歯車9aが装着されている。駆動軸9の他端は、右フレーム4bに形成された軸支部4cに回転可能に支持されている。
筒体8aの内側であって、仕切り壁8bより左フレーム4a側に、後述する回転方向変換装置20が配設されている。回転方向変換装置20は、仕切り壁8bと、仕切り壁8bと一定間隔を空けて対向するように配置された側壁10とに支持されている。回転方向変換装置20は、駆動軸9の一方向の回転(例えば、正転方向の回転)を、後述する変速装置30の入力軸31に二方向の回転(正転/逆転方向の回転)に変換して動力伝達する。なお、以下の説明では、図1の左方側からみた状態で時計回り方向の回転を正転とし、反時計回り方向の回転を逆転とする。
変速装置30は、側壁10と左フレーム4aに取り付けられる支持板4dとの間に配設されている。変速装置30は、ギヤ比の異なる複数の動力伝達機構を備えており、いずれかの動力伝達機構が選択されることで、スプール6の回転速度を変化させるように構成されている。本実施形態では、変速装置30を構成する入力軸(後述する回転軸22)の回転方向に応じてスプール6の回転速度を変化させるように構成されている。
支持板4dには、変速装置30のアウトプット歯車(後述する大径歯車37)と順次噛合する歯車11,12が軸受13,14を介して回転可能に支持されており、歯車12には、上記したスプール軸5が取り付けられている。また、スプール軸6の手動ハンドル2側の端部には、遊星歯車を備えた公知の遊星歯車を二重重合させた減速機構15が配設されており、その遊星歯車は、スプール6の内周面に刻設された内歯に噛合されている。
図2は、回転方向変換装置20及び変速装置30周辺の拡大断面図を示している。
同図に示すように、回転方向変換装置20は、仕切り壁8bと側壁10に軸受け8d,10aを介して回転可能に支持される回転軸21と、側壁10を貫通し軸受け10bを介して回転可能に支持される回転軸22と、回転軸21に固定され駆動歯車9aと噛合する歯車23と、回転軸22の駆動モータ7側の先端に装着された歯車24と、回転軸21の軸芯を支点として一定範囲を上下に揺動可能に取り付けられたプレート25と、プレート25から後ろ側(釣糸巻取方向側)に延出形成されたアーム部26と、アーム部26の端部を保持しプレート25を揺動させるソレノイド27と、を備えている。なお、回転軸22は、変速装置30側に突出した先端において変速装置30の入力軸を構成する。
側に突出する
側に突出する
プレート25は、側壁10に対向して取り付けられており、仕切り壁8b側の所定位置に3つの伝達歯車25a〜25c(図2に不図示)が取り付けられている。3つの伝達歯車25a〜25cのうち、伝達歯車25a及び25bは、回転軸21に装着された歯車21aと噛合する位置に取り付けられている。伝達歯車25cは、伝達歯車25bと噛合する位置に取り付けられている。回転軸21に装着された歯車21a及び3つの伝達歯車25a〜25cは、プレート25から一定距離を空けて歯車24と同一平面上に配置されている。また、ソレノイド27による揺動動作に応じて伝達歯車25a及び伝達歯車25cは、歯車24と噛合するように配置されている。
図3は、回転方向変換装置20を側面側(右フレーム4b側)から見た拡大図を示している。なお、図3においては、ソレノイド27によりプレート25を下限位置まで移動させた場合について実線で示し、ソレノイド27によりプレート25を上限位置まで移動させた場合のアーム部26について二点鎖線で示している。
図3に示すように、プレート25は略円形の形状を有し、中央より僅かにアーム部26寄りの位置に、回転軸22が挿通可能な長穴部28が形成されている。また、アーム部26の反対側(釣糸繰出方向)の所定位置に3つの伝達歯車25a〜25cが取り付けられている。伝達歯車25aは、図4に示すように、プレート25に固定された支軸25dに回転可能に取り付けられている。伝達歯車25b及び25cについても同様にプレート25に取り付けられている。
伝達歯車25aは、回転軸21に固定された歯車21aの上方側であって歯車21aに噛合する位置に取り付けられている。伝達歯車25bは、歯車21aの下方側であって歯車21aに噛合する位置に取り付けられている。伝達歯車25cは、伝達歯車25bよりも下方側且つアーム部26側であって伝達歯車25bと噛合する位置に取り付けられている。
ソレノイド27によりプレート25を下限位置まで移動させた場合、伝達歯車25aが歯車24と噛合する一方、伝達歯車25cは歯車24と噛合する位置から退避する(図3に示す状態)。逆に、ソレノイド27によりプレート25を上限位置まで移動させた場合、伝達歯車25cが歯車24と噛合する一方、伝達歯車25aは歯車24と噛合する位置から退避する。
このような構成を有する回転方向変換装置20によれば、プレート25が下限位置の場合に形成される動力伝達経路(伝達歯車25aを介して形成される経路)では、歯車21aと歯車24とが同一方向に回転駆動される一方、プレート25が上限位置の場合に形成される動力伝達経路(伝達歯車25b及び伝達歯車25cを介して形成される経路)では歯車21aと歯車24とが反対方向に回転駆動される。
なお、回転方向変換装置20は、駆動軸9からの単一方向の回転駆動力を、相反する二方向の回転駆動力にして単一の出力軸(回転軸22)から出力できるように構成されたものであれば良く、全く異なる経路で動力を伝達するよう構成したものであっても良い。
図2に戻り、変速装置30内に配設される動力伝達機構の構成について説明する。変速装置30には、所定距離離間させて2つの回転軸31及び回転軸32が設置されており、各回転軸31,32の両端部は、夫々側壁10側の軸受10c,10d及び支持板4d側の軸受4e,4fによって回転可能に支持されている。これらの回転軸31,32は、上記した異なる動力伝達経路を構成しており、回転軸31及び回転軸32には、夫々、入力軸(回転軸22)に装着されたインプット歯車33に噛合する歯車34,35が設けられている。
歯車34と回転軸31との間には、一方向クラッチ34aが配設されており、歯車35と回転軸32との間には、一方向クラッチ35aが配置されている。これらの一方向クラッチ34a,35aは、互いの向きが異なる状態で設置されており、入力軸(回転軸22)の回転方向の切り換え(正転/逆転)によって、インプット歯車33に噛合する歯車34,35を介して、いずれか一方の回転軸に駆動力が伝達されるようになっている。
具体的には、入力軸(回転軸22)が正転駆動されると、その駆動力は、歯車33及び歯車35を介して一方向クラッチ35aに伝達される。このとき、一方向クラッチ35aの作用によって駆動力は、回転軸32にのみ伝達され、回転軸31には伝達されない。一方、入力軸(回転軸22)が逆転駆動されると、その駆動力は、歯車33及び歯車34を介して一方向クラッチ34aに伝達される。このとき、一方向クラッチ34aの作用によって駆動力は、回転軸31にのみ伝達され、回転軸32には伝達されない。
回転軸31には、小径歯車36が固定されており、回転軸32には小径歯車36に噛合するように、大径歯車37が固定されている。大径歯車37と小径歯車36との間の噛合関係は、その径差によるギヤ比によって、駆動軸31の回転を減速して大径歯車37に伝達する。
このような構成を有する変速装置30によれば、入力軸(回転軸22)を正転、或いは逆転させた場合においても、それぞれ駆動力は、回転軸31,32を備えた2つの動力伝達機機構のいずれか一方を介して伝達され、最終的に大径歯車37(アウトプット歯車)を一定の方向(反時計回り方向)に駆動する。具体的には、入力軸(回転軸22)を正転させたとき、駆動軸32側から駆動力が伝達され、大径歯車37が減速されることなく駆動される(高速モード)。一方、入力軸(回転軸22)を逆転させたとき、駆動軸31側から駆動力が伝達され、小径歯車36を介して大径歯車37が減速された状態で駆動される(低速モード)。
なお、大径歯車37と小径歯車36とのギヤ比は、高速モードにおけるスプール6の回転速度と、低速モードにおけるスプール6の回転速度との比率が所望の値となるように設定される。
変速装置30内に収容されたギヤ比の異なる複数の動力伝達機構は、入力軸31からの回転駆動力を、異なる回転特性にして単一の出力軸から出力できるように構成されたものであれば良く、全く異なる経路で動力を伝達するよう構成したものであっても良い。本実施形態では、動力伝達経路の一部を共用する2つの動力伝達機構を備えており、入力軸(回転軸22)の回転方向を切り換える(正転/逆転)ことで、いずれかの動力伝達機構を選択し、回転速度の異なる出力(高速モード/低速モード)が得られるように構成されている。
以上のように構成された魚釣用電動リールにおける回転方向変換装置20及び変速装置30の動力伝達経路について図5〜図8を用いて説明する。図5及び図6は低速モードにおける動力伝達経路について示すものであり、図7及び図8は高速モードにおける動力伝達経路について示すものである。
[低速モード]
低速モードにおいては、ソレノイド27によりアーム部26が引き下げられ、プレート25を下限位置まで移動させる。下限位置までプレート25が移動すると、図5に示すように、プレート25に取り付けられた伝達歯車25aが回転軸22に固定された歯車24と噛合する位置に移動する一方、伝達歯車25cが歯車24と噛合する位置から退避する。
低速モードにおいては、ソレノイド27によりアーム部26が引き下げられ、プレート25を下限位置まで移動させる。下限位置までプレート25が移動すると、図5に示すように、プレート25に取り付けられた伝達歯車25aが回転軸22に固定された歯車24と噛合する位置に移動する一方、伝達歯車25cが歯車24と噛合する位置から退避する。
この状態で駆動モータ7が正転駆動されると、駆動軸9に装着された駆動歯車9aも正転駆動され、これに噛合する歯車23は逆転駆動される。歯車23の逆転駆動に応じて回転軸21及び歯車21aも逆転駆動され、歯車21aに噛合する伝達歯車25aが正転駆動され、さらに、これに噛合する歯車24及び回転軸22が逆転駆動される。なお、歯車21aの逆転駆動に応じて伝達歯車25b及び25cは、夫々正転駆動及び逆転駆動するが、伝達歯車25cは歯車24から離間しているため、この駆動力が歯車24に伝達されることはない。
回転軸22が逆転駆動されると、図6に示すように、インプット歯車33も逆転駆動され、その駆動力は、歯車34を介して一方向クラッチ34aに伝達される。このとき、一方向クラッチ34aの転がり部材は楔領域に移行し、駆動力を回転軸31に伝達する(駆動軸31は正転駆動される)。一方、歯車35は、正転駆動されるが、一方向クラッチ35aの転がり部材は、フリースペースに移行するため、駆動力を回転軸32に伝達することはない。駆動軸31が正転駆動することにより、その駆動力は、小径歯車36を介して大径歯車37に伝達され、大径歯車37を減速した状態で逆転駆動させる。大径歯車37が逆転駆動することにより、その駆動力は、減速した状態で歯車11を正転駆動させ、歯車12を逆転駆動させる。
[高速モード]
高速モードにおいては、ソレノイド27によりアーム部26が押し上げられ、プレート25を上限位置まで移動させる。上限位置までプレート25が移動すると、図7に示すように、プレート25に取り付けられた伝達歯車25cが回転軸22に固定された歯車24と噛合する位置に移動する一方、伝達歯車25aが歯車24と噛合する位置から退避する。
高速モードにおいては、ソレノイド27によりアーム部26が押し上げられ、プレート25を上限位置まで移動させる。上限位置までプレート25が移動すると、図7に示すように、プレート25に取り付けられた伝達歯車25cが回転軸22に固定された歯車24と噛合する位置に移動する一方、伝達歯車25aが歯車24と噛合する位置から退避する。
この状態で駆動モータ7が正転駆動されると、駆動軸9に装着された駆動歯車9aも正転駆動され、これに噛合する歯車23は逆転駆動される。歯車23の逆転駆動に応じて回転軸21及び歯車21aも逆転駆動される。歯車21aが逆転駆動すると、伝達歯車25b及び25cが夫々正転駆動及び逆転駆動し、伝達歯車25cに噛合する歯車24及び回転軸22が正転駆動される。なお、歯車21aの逆転駆動に応じて伝達歯車25aは逆転駆動するが、伝達歯車25aは歯車24から離間しているため、この駆動力が歯車24に伝達されることはない。
回転軸22が正転駆動されると、図8に示すように、インプット歯車33も正転駆動され、その駆動力は、歯車35を介して一方向クラッチ35aに伝達される。このとき、一方向クラッチ35aの転がり部材は楔領域に移行し、駆動力を回転軸32に伝達する(駆動軸32は逆転駆動される)。一方、歯車34は、逆転駆動されるが、一方向クラッチ34aの転がり部材は、フリースペースに移行するため、駆動力を回転軸31に伝達することはない。駆動軸32が逆転駆動することにより、その駆動力は、大径歯車37を減速することなく逆転駆動させる。大径歯車37が逆転駆動することにより、その駆動力は、減速することなく歯車11を正転駆動させ、歯車12を逆転駆動させる。
以上のように、低速モード/高速モードのいずれの場合においても、最終的に駆動力を伝達する大径歯車37は、逆転駆動された状態となる。この大径歯車37の逆転駆動は、支持板4d側に配設された歯車11,12を介してスプール軸5を逆転駆動する。そして、スプール軸5が逆転駆動される際、減速機構15を構成する各遊星歯車を支持しているキャリアは固定されており、スプール軸5の逆転駆動は、スプール軸5に取り付けられた太陽歯車、及び遊星歯車を介してスプール6の端面に刻設された内歯に伝達され、スプール6を正転駆動(釣糸巻取り方向の駆動)する。
なお、このとき手動ハンドル2は、公知の逆転防止機構によって回転駆動されることはない。また、手動ハンドル2を釣糸巻取り方向に回転駆動すると、スプール軸5に固定された太陽歯車は、変速装置30や、歯車11等の動力伝達経路に配設される一方向クラッチ(不図示)によって正転駆動が阻止されていることから回転駆動することはなく、手動ハンドル2の巻取り駆動力は太陽歯車の回りを公転する遊星歯車を介して、スプール6の端面に刻設された内歯に伝達され、スプール6を正転駆動(釣糸巻取り方向の駆動)する。
以上説明したように、本実施形態の魚釣用電動リール1は、駆動軸9の一方向の回転を、変速装置30の入力軸(回転軸22)に二方向の回転に変換して動力伝達する回転方向変換装置20を設けたため、駆動モータ7の一方向の回転を用いる場合においても、回転方向を切り換えることでスプール6の回転速度を変化させる変速機構を使用することができる。これにより、駆動モータ7の一方向の回転を用いてスプール6の回転速度を変化させることができるので、高トルク且つ高速回転で巻取り操作を行うことが可能となる。
また、巻取り操作を行う際、駆動モータ7を一方向の回転のみを使用するため、他方向の回転駆動力を他の用途に使用することができる。例えば、巻取り操作に用いる回転方向と他方向の回転駆動力を用いてクラッチのON/OFFを行うことが可能となり、より利便性に優れた魚釣用電動リールを提供することができる。
さらに、駆動モータ7を一方向に駆動するため、手動ハンドル2による巻取り駆動力が駆動モータ7に伝達されるのを阻止する一方向クラッチの配設位置が駆動モータ7を二方向に駆動する場合のように制限されることはなく、駆動モータ7の駆動軸9上に配設することができる。このため、このような一方向クラッチを収容するスペースを設ける位置に制限がなくなり、リール本体3内の任意の位置に設計することができるので、よりリール本体3の小型化を実現することが可能となる。
そして、上記した構成の回転方向変換装置20は、駆動モータ7の回転駆動力を変速装置30の入力軸(回転軸22)に伝達する複数の動力伝達経路を備え、これらの複数の動力伝達経路を切り換えて、駆動モータ7の一方向の回転を二方向の回転に変換している。このため、ソレノイド27等を用いた簡単な制御で駆動モータ7の一方向の回転をインプット歯車33の二方向の回転に変換することが可能となる。
特に、回転方向変換装置20は、駆動モータ7の回転駆動力を変速装置30の入力軸(回転軸22)に伝達する複数の伝達歯車25a〜25cを備え、これらの伝達歯車25a〜25cを組み合わせて上記複数の動力伝達経路を形成するので、安価且つ簡単な構造で駆動モータ7の回転駆動力を変速装置30の入力軸(回転軸22)に伝達することが可能となる。
また、上記した構成の変速装置30では、インプット歯車33の回転方向を切換制御するだけで、スプール6の回転速度を高速モードと低速モードとに切り換えることができるようになっている。すなわち、歯車の噛み合い状態を変化させる(ギヤ比を変える)ための特別な操作機構を設けることなく、単に、インプット歯車33の回転方向を切り換えて一方向クラッチ34a,35aの連結作用を利用することにより、高速用歯車機構と低速用歯車機構のいずれか一方に、駆動モータ7の回転駆動力を選択的に伝達させるようになっているため、簡単な構造で高トルク且つ高速回転で巻取り操作を行うことが可能となっている。
さらに、上記した構成の変速装置30は、噛み合う歯車のギヤ比が、高速状態または低速状態のいずれか一方のみに設定されているのではなく、低速用歯車機構と高速用歯車機構の両方を兼ね備えているため、低速回転時にトルクが不足したり、高速巻取り性能が劣ったりするといった問題が生じることはない。
なお、上記した回転方向変換装置20では、駆動モータ7の回転駆動力を歯車23に直接入力し、ソレノイド27により動力伝達経路を変更することで、駆動モータ7の一方向の回転を二方向の回転に変換している。しかし、駆動モータ7の回転駆動力を入力する際には減速機構を介在させるようにしてもよい。このような減速機構を介して駆動モータ7の駆動力を入力した場合には、二方向に変換する際に発生する衝撃が大幅に軽減されるので、歯車の係脱による回転方向変換機構を用いた場合でも歯部の変形や欠損を防止することができ、耐久性を向上させることが可能となる。また、変換動作がスムーズとなり、操作者に不快感を与える事態を防止することが可能となる。
本発明は、駆動モータの一方向の回転を、変速装置のインプット歯車の二方向の回転に変換することにより、駆動モータの一方向の回転を用いて高トルク且つ高速回転で巻取り操作を行うと共に、巻取り操作に用いる駆動力以外の駆動力を利用した機能を操作者に提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
1 魚釣用電動リール
3 リール本体
5 スプール軸
6 スプール
7 駆動モータ
9 駆動軸
15 減速機構
20 変速装置
21,22 回転軸
25 プレート
25a〜25c 伝達歯車
30 回転方向変換装置
31,32 回転軸
33 インプット歯車
37 大径歯車(アウトプット歯車)
3 リール本体
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6 スプール
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25 プレート
25a〜25c 伝達歯車
30 回転方向変換装置
31,32 回転軸
33 インプット歯車
37 大径歯車(アウトプット歯車)
Claims (5)
- リール本体に回転自在に支持された釣糸巻取り用のスプールを回転駆動する駆動モータと、前記駆動モータからの回転駆動力を受ける入力軸上に設けられたインプット歯車の回転方向に応じて前記スプールの回転速度を変化させる変速装置と、前記駆動モータの一方向の回転を前記インプット歯車の二方向の回転に変換する変換装置と、を備え、前記変換装置を、前記駆動モータと変速装置との間に設けたことを特徴とする魚釣用電動リール。
- 前記変換装置は、前記駆動モータの回転駆動力を前記変速装置の入力軸に伝達する複数の動力伝達経路を備え、前記複数の動力伝達経路を切り換えることで前記駆動モータの一方向の回転を前記インプット歯車の二方向の回転に変換することを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
- 前記変換装置は、前記駆動モータからの回転駆動力を前記変速装置の入力軸に伝達する複数の伝達歯車を備え、前記複数の伝達歯車を組み合わせて前記複数の動力伝達経路を形成することを特徴とする請求項2に記載の魚釣用電動リール。
- 前記変速装置は、ギヤ比の異なる複数の動力伝達機構を備え、前記複数の動力伝達機構のいずれか一つを選択的に動力伝達可能として前記スプールの回転速度を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
- 前記複数の動力伝達機構は、前記インプット歯車の回転方向に応じていずれか一つが選択されることを特徴とする請求項4に記載の魚釣用電動リール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005052702A JP2006230338A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | 魚釣用電動リール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005052702A JP2006230338A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | 魚釣用電動リール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006230338A true JP2006230338A (ja) | 2006-09-07 |
Family
ID=37038657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005052702A Pending JP2006230338A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | 魚釣用電動リール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006230338A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107468096A (zh) * | 2017-08-18 | 2017-12-15 | 浙江贝特日用品有限公司 | 可快速转换搅切力大小的手动食品搅碎机 |
-
2005
- 2005-02-28 JP JP2005052702A patent/JP2006230338A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107468096A (zh) * | 2017-08-18 | 2017-12-15 | 浙江贝特日用品有限公司 | 可快速转换搅切力大小的手动食品搅碎机 |
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