JP2006230190A - インバータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な制御ソフトにより、電源ライン電流センサ一つのみで、キャリア周期毎に2相分以上の電流検出、電流波形歪キャンセルができるインバータ装置の提供を目的とする。
【解決手段】キャリア周期内において特定の1相に通電期間を加算し、以降のキャリア周期内において、前記特定の1相以外の2相全てに、前記加算通電期間と同一の通電期間を加算して、キャリア周期毎に2相分以上の相電流を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、PWM変調を行うインバータ装置の相電流検出方法に関するものである。
従来、この種の相電流検出方法として、直流電源とインバータ回路間の電流から相電流を検出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この相電流検出方法について以下説明する。
図7にインバータ装置とその周辺の電気回路を示す。インバータ装置21の制御回路8は、電源ラインに設けられたシャント抵抗6からの電圧により、キャリア周期ごとに少なくとも2相分の相電流を検出する。残りの相の相電流は、当該2個の電流値から演算する(固定子巻線4の中性点において、キルヒホッフの電流の法則を適用する)。これら3相分の電流値に基き、センサレスDCブラシレスモータ11(以降モータ11と称す)を構成する磁石回転子5による固定子巻線4の誘起電圧を演算し、磁石回転子5の位置検出を行う。そして、回転数指令信号(図示せず)等に基づき、インバータ回路10を構成するスイッチング素子2(IGBT等が用いられる)を制御し、バッテリー1からの直流電圧をPWM変調でスイッチングすることにより、正弦波状の交流電流をモータ11を構成する固定子巻線4へ出力する。インバータ回路10を構成するダイオード3は、固定子巻線4に流れる電流の循環ルートとなる。スイッチング素子2について、上アームスイッチング素子をU、V、W、下アームスイッチング素子をX、Y、Zと定義し、また、各スイッチング素子U、V、W、X、Y、Zに対応するダイオードを、3U、3V、3W、3X、3Y、3Zと定義する。
図8に最大変調100%の2相変調を示す。U相端子電圧41、V相端子電圧42、W相端子電圧43、中性点電圧29を表している。これらの電圧はPWM変調にて縦軸に示すDuty(%)で実現される。中性点電圧29は、各相の端子電圧の和を求め3で除した値である。また、相電圧は、端子電圧から中性点電圧を引いた値であり、正弦波になる。
図9に、シャント抵抗6により検出できる相電流を示す。図9は、図8の最大変調100%の2相変調における位相90度、105度、120度、135度、150度においての1キャリア内(キャリア周期)での上アームスイッチング素子U、V、WのON(通電)状態を中央から均等に振り分け表示している。
U相の通電期間を細実線で表わし、V相の通電期間を中実線で表わしている。そして、各通電期間の下に矢印で示したU,WはそれぞれU相の電流検出可能期間とW相の電流検出可能期間を示している。
1相のみ上アームスイッチング素子がON(通電)の時は、当該相が電源ラインと導通するので、当該相の相電流がシャント抵抗6により検出できる。また、2相の上アームスイッチング素子がON(通電)の時は、下アーム側で当該2相以外の相が電源ラインと導通するので、当該2相以外の相の相電流がシャント抵抗6により検出できる。
位相90度においては、図8より、U相変調は87%であるので、キャリア周期を100%として、U相(細実線)の変調(通電期間)87%を中央から均等に振り分け表示している。V相の変調は0%であるので表示されない。これらは、三角波とマイコンのタイ
マ機能により具現化される変調を想定している。他の位相においても同様である。
90度〜150度としたのは、通電する相は異なるが、この通電パターンの繰り返しになっているからである。
ここで、図9の位相90度においてはV相が通電されておらず、位相150度においては2相の通電時間が一致しているために、1相分の電流しか検出できない状況になっている。この場合、前回検出された電流値を再度使用たり、推定したり、通電時間を意図的に変更したりする等の対処が必要となる。
しかしながら、位置検出が不正確になる、電流波形が歪む等の問題が発生する。位相90度においては、V相に電流検出可能な通電期間を追加すれば、その通電期間にW相の電流を検出出来るようになる。但し、変調が変わり、電流波形が歪むこととなるので、以降の極力近いキャリアにて、V相から前記追加した通電時間を削減し、電流波形歪を相殺しキャンセルする必要がある。しかしながら、以降の近いキャリアでは、V相の通電期間は0に近いので削減できない。
この対応方法を次に示す。シャント抵抗6が電流検出するために必要な最小時間をδとする。
図10(a)は、図9の位相90度の場合を示している。前記の如く、V相が通電されていない。
図10(b)において、U相の通電時間に2δを通電期間前半及び後半に均等に追加する。また、通電時間0のV相に同様に2δを追加する。更に、変調されていないW相にも同様に2δを追加する。W相の通電期間を太実線で表わしている。キャリア周期中央の通電期間2δでは、3相ともに上アームがONとなるので、電源から固定子巻線4へは電力供給されない。そのため、変調は変わらない。
図10(c)において、W相の通電期間をキャリア周期の前半側へδだけ移動させる。これにより、電流検出するために必要な最小時間δを確保できるので、V相及びW相2相分の電流を検出可能となる。
特開2004−282885号公報(第12頁、第12図)
上記のように、従来のインバータ装置の相電流検出方法においては、電源ラインに設けられた電流センサ一つのみであり小型軽量化信頼性向上に効果があるが、追加した通電期間を移動させる必要があり、制御ソフトが複雑になってしまう。
また、前回検出された電流値を再度使用する、推定する、通電時間を意図的に変更する等の対処方法では、位置検出が不正確になる、電流波形が歪む等の問題が発生する。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、電源ラインに設けられた電流センサ一つのみで、追加した通電期間を移動させる必要のない簡単な制御ソフトにより、キャリア周期毎に2相分以上の相電流検出が可能で、電流波形歪キャンセルができるインバータ装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインバータ装置は、キャリア周期内において特定
の1相に通電期間を加算し、以降のキャリア周期内において、前記特定の1相以外の2相全てに前記加算通電期間と同一の通電期間を加算して、キャリア周期毎に2相分以上の相電流を電源ラインに設けられた電流センサにより検出するものである。
また、キャリア周期内において特定の2相に同一の通電期間を加算し、以降のキャリア周期内において、前記特定の2相以外の1相に前記加算通電期間と同一の通電期間を加算して、キャリア周期毎に2相分以上の相電流を電源ラインに設けられた電流センサにより検出するものである。
制御ソフトは、通電期間の加算のみであり、通電期間の移動は無いので簡単である。また、以降のキャリア周期において電流波形歪キャンセルができる。そして、キャリア周期毎に2相分以上の電流検出が可能となる。
従って、簡単な制御ソフトにより、電源ライン電流センサ一つのみでのキャリア周期毎2相分以上の相電流検出、電流波形歪キャンセルができる。
本発明のインバータ装置は、簡単な制御ソフトにより、電源ライン電流センサ一つのみでキャリア周期毎に2相分以上の相電流検出、電流波形歪キャンセルができる。
第1の発明は、直流電源の直流電圧をスイッチングすることにより交流電流を出力するインバータ回路と、直流電源とインバータ回路間の電流を検出する電流センサとを備え、キャリア周期内において特定の1相に通電期間を加算し、以降のキャリア周期内において、当該特定の1相以外の2相全てに、当該加算通電期間と同一の通電期間を加算して、キャリア周期毎に2相分以上の相電流を電流センサにより検出するものである。
これにより、制御ソフトは通電期間の加算のみであり、通電期間の移動は無いので簡単である。また、以降のキャリア周期において、電流波形歪キャンセルができるとともに、2相分以上の電流検出が可能となる。従って、簡単な制御ソフトにより、電源ライン電流センサ一つのみでキャリア周期毎に2相分以上の相電流検出、電流波形歪キャンセルができる。
第2の発明は、直流電源の直流電圧をスイッチングすることにより交流電流を出力するインバータ回路と、直流電源とインバータ回路間の電流を検出する電流センサとを備え、キャリア周期内において特定の2相に同一の通電期間を加算し、以降のキャリア周期内において、当該特定の2相以外の1相に、当該加算通電期間と同一の通電期間を加算して、キャリア周期毎に2相分以上の相電流を電流センサにより検出するものである。
これにより、制御ソフトは通電期間の加算のみであり、通電期間の移動は無いので、簡単である。また、以降のキャリア周期において、電流波形歪キャンセルができるとともに、2相分以上の電流検出が可能となる。従って、簡単な制御ソフトにより、電源ライン電流センサ一つのみでキャリア周期毎に2相分以上の相電流検出、電流波形歪キャンセルができる。
第3の発明は、第1から第2いずれかの発明のインバータ装置において、交流電流は正弦波状とするものである。電流波形歪キャンセルができるので、歪の少ない正弦波状交流電流を得ることができる。
第4の発明は、第3の発明のインバータ装置において、キャリア周期内において、通電
期間を加算する特定の1相または特定の2相は、同一の相に固定されないように適宜変更するものである。これにより、電流バランスの良い3相正弦波交流電流を得ることができる。
第5の発明は、第1から第4の発明のインバータ装置において、交流電流はセンサレスDCブラシレスモータへ出力するものである。電流波形歪キャンセルしつつ、2相分以上の相電流を検出できるので、低騒音低振動で、キャリア毎に磁石回転子の位置検出を行うことができる。
第6の発明は、第5の発明のインバータ装置において、センサレスDCブラシレスモータにより駆動される電動圧縮機に搭載されるものである。電動圧縮機に搭載されるインバータ装置は、取付スペースに制約があり小型化が必要で、モータからの振動に対して耐振性が必要であるため、電流センサ1個のみにより2相分以上の相電流を検出する本インバータ装置は有用である。
第7の発明は、第1から第6いずれかの発明のインバータ装置において、車両に搭載するものである。車両用においては、搭載スペースに制約があり小型化が必要で、走行による振動に対する耐振性も必要なため、電流センサ1個のみにより2相分以上の相電流を検出する本インバータ装置は有用である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電流検出の説明図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る電源ラインのシャント抵抗で相電流を検出するインバータ装置とその周辺の電気回路図である。背景技術における図7との相違点は、制御回路8の制御ソフトのみが変更された制御回路7が用いられている点である。その他に関しては、図7と同一であり、記号等はそのまま適用する。
図1において、キャリア周期2回分に渡る電流検出を示している。通電期間、電流検出可能期間の表示は、背景技術における図9、図10と同じである。最初のキャリア周期を第1キャリア周期とし、次のキャリア周期を第2キャリア周期とし、左から右へキャリア周期が更新してゆく。
また、本発明の実施の形態1に係る電流検出による通電期間を加算した後の状態を下側に加算後として示している。通電期間を加算する前の状態を上側に加算前として、背景技術の図9の位相90度を例に示している。
加算前は、第1キャリア周期と第2キャリア周期とで、同じ状態に示している。これは、モータの回転周期(例えば100mS)などの電流周期に対して、キャリア周期(例えば0.1mS)が充分小さく、隣り合うキャリア周期では位相の変化が小さいためである。但し、変化があるとしても、本発明の電流検出の原理は変わらず適用できる。また、第1キャリア周期と第2キャリア周期ともに、シャント抵抗6により、検出することができる相電流はU相のみである。
加算後について説明する。第1キャリア周期では、加算前の状態に対し、V相即ち上アームスイッチング素子Vに通電期間を加算している。この加算通電期間は、シャント抵抗6が電流検出するために必要な最小時間δとしている。加算通電期間はδ以上あれば良い。これにより、第1キャリア周期では、シャント抵抗6によりU相及びW相の相電流を検
出することができる。
第2キャリア周期では、加算前の状態に対し、第1キャリア周期で通電期間を加算したV相以外即ちU相(上アームスイッチング素子U)とW相(上アームスイッチング素子W)に、第1キャリア周期での加算通電期間と同一の値δを加算している。これにより、第2キャリア周期では、シャント抵抗6によりU相及びV相の相電流を検出することができる。
従って、第1キャリア周期と第2キャリア周期ともに、シャント抵抗6により2相分の相電流を検出することができるようになる。
次に、電流波形歪キャンセルについて説明する。
第1キャリア周期では、加算前の状態に対し、V相即ち上アームスイッチング素子Vに通電期間δを加算している。そのため、加算前の状態に比べて電流が変化している。この電流変化は次の第2キャリア周期でキャンセルされる必要がある。これを定量的に説明する。
第1キャリア周期の中央δの期間において、加算前の通電は図3(a)の状態にある。この時のU相の電流変化を、中性点へ流れる電流の極性を+とし、+1とする。これにより、V相の電流変化は−0.5、W相の電流変化も−0.5となる。中性点へ流れる電流を実線矢印で、中性点から流れ出る電流を破線矢印で示す。また、電流変化の大きさを矢印の長さで示している。
一方、第1キャリア周期の中央δの期間において、加算後の通電は図3(b)の状態にある。この時のU相の電流変化は+0.5、V相の電流変化も+0.5となる。W相の電流変化は−1となる。加算前の電流変化と加算後の電流変化とを比較すると、U相は+1から+0.5、V相は−0.5から+0.5、W相は−0.5から−1となる。
結果として、第1キャリア周期において、加算前の通電から加算後の通電への変動は、U相は−0.5、V相は+1、W相は−0.5となる。
第2キャリア周期では、加算前の状態に対し、U相とW相に通電期間δを加算している。この場合、第2キャリア周期の中央δの期間と加算後におけるU相の通電期間両端(加算前より長い部分)との2つの場合について調べる必要がある。第2キャリア周期の中央δの期間において、加算前の通電は図3(a)の状態にある。そのため、U相の電流変化は+1、V相の電流変化は−0.5、W相の電流変化も−0.5となる。
一方、第2キャリア周期の中央δの期間において、加算後の通電は、図4(a)の状態にある。この時のU相の電流変化は+0.5、V相の電流変化は−1、W相の電流変化は+0.5となる。従って、第2キャリア周期の中央δの期間において、加算前の通電から加算後の通電への変動は、U相は−0.5、V相は−0.5、W相は+1となる。
第2キャリア周期の加算後におけるU相の通電期間両端(加算前より長い部分)において、加算前の通電は、上アームスイッチング素子U,V,Wがともに通電されておらず、下アームスイッチング素子X,Y,Zがともに通電されている。これは、図4(b)の状態にある。そのため、U相の電流変化は0、V相の電流変化は0、W相の電流変化も0となる。
一方、第2キャリア周期の加算後におけるU相の通電期間両端(加算前より長い部分)
において、加算後の通電は図3(a)の状態にある。この時のU相の電流変化は+1、V相の電流変化は−0.5、W相の電流変化も−0.5となる。従って、第2キャリア周期の加算後におけるU相の通電期間両端において、加算前の通電から加算後の通電への変動は、U相は+1、V相は−0.5、W相は−0.5となる。
結果として、第2キャリア周期において、加算前の通電から加算後の通電への変動は、中央δの期間の場合とU相の通電期間両端の場合との和を求め、U相は+0.5、V相は−1、W相は+0.5となる。
上記により、第1キャリア周期における加算前の通電から加算後の通電への変動U相−0.5、V相+1、W相−0.5は、第2キャリア周期における加算前の通電から加算後の通電への変動U相+0.5、V相−1、W相+0.5によりキャンセルされる。
従って、簡単な制御ソフトにより、電源ライン電流センサ一つのみで、キャリア周期毎に2相分以上の電流検出、電流波形歪キャンセルができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る電流検出の説明図である。背景技術の図9の位相150度を例に示している。電源ラインのシャント抵抗で相電流を検出するインバータ装置とその周辺の電気回路図は、図2をそのまま適用する。
本発明の実施の形態2に係る電流検出による通電期間を加算した後の状態を下側に加算後として、通電期間を加算する前の状態を上側に加算前として示している。加算前において、第1キャリア周期と第2キャリア周期とを、同じ状態に示していることは、実施の形態1と同じ理由による。また、第1キャリア周期と第2キャリア周期ともに、シャント抵抗6により、検出することができる相電流はW相のみである。
加算後について説明する。第1キャリア周期では、加算前の状態に対し、U相即ち上アームスイッチング素子Uに通電期間を加算している。この加算通電期間は、シャント抵抗6が電流検出するために必要な最小時間δの2倍としている。加算通電期間は2δ以上あれば良い。これにより、第1キャリア周期では、シャント抵抗6によりU相及びW相の相電流を検出することができる。
第2キャリア周期では、加算前の状態に対し、第1キャリア周期で通電期間を加算したU相以外即ちV相(上アームスイッチング素子V)とW相(上アームスイッチング素子W)に、第1キャリア周期での加算通電期間と同一の値2δを加算している。これにより、第2キャリア周期では、シャント抵抗6により、V相及びW相の相電流を検出することができる。
従って、第1キャリア周期と第2キャリア周期ともに、シャント抵抗6により2相分の相電流を検出することができるようになる。
次に、電流波形歪キャンセルについて説明する。
第1キャリア周期では、加算前の状態に対し、U相即ち上アームスイッチング素子Uに通電期間2δを加算している。そのため、加算前の状態に比べて電流が変化している。この電流変化は、次の第2キャリア周期でキャンセルされる必要がある。これを定量的に説明する。
第1キャリア周期の加算後におけるU相の通電期間両端(加算前より長い部分)におい
て、加算前の通電は、上アームスイッチング素子U,V,Wがともに通電されておらず、下アームスイッチング素子X,Y,Zがともに通電されている。これは、図4(b)の状態にある。そのため、U相の電流変化は0、V相の電流変化は0、W相の電流変化も0となる。
一方、第1キャリア周期の加算後におけるU相の通電期間両端(加算前より長い部分)において、加算後の通電は図3(a)の状態にある。また、通電期間は2δである。そのため、U相の電流変化は+1×2、V相の電流変化は−0.5×2、W相の電流変化も−0.5×2となる。加算前の電流変化と加算後の電流変化とを比較すると、U相は0から+2、V相は0から−1、W相は0から−1となる。
結果として、第1キャリア周期において、加算前の通電から加算後の通電への変動は、U相は+2、V相は−1、W相は−1となる。
第2キャリア周期では、加算前の状態に対し、V相とW相に通電期間2δを加算している。この場合、第2キャリア周期の中央2δの期間と加算後におけるV相の通電期間両端(加算前より長い部分)との2つの場合について調べる必要がある。
第2キャリア周期の中央2δの期間において、加算前の通電は図3(b)の状態にある。この時のU相の電流変化は+0.5×2、V相の電流変化も+0.5×2となる。W相の電流変化は−1×2となる。
一方、第2キャリア周期の中央2δの期間において、加算後の通電は、上アームスイッチング素子U,V,Wがともに通電されている。これは、図6(a)の状態にある。そのため、U相の電流変化は0、V相の電流変化は0、W相の電流変化も0となる。従って、第2キャリア周期の中央2δの期間において、加算前の通電から加算後の通電への変動は、U相は−1、V相は−1、W相は+2となる。
第2キャリア周期の加算後におけるV相の通電期間両端(加算前より長い部分)において、加算前の通電は、上アームスイッチング素子U,V,Wがともに通電されておらず、下アームスイッチング素子X,Y,Zがともに通電されている。これは、図4(b)の状態にある。そのため、U相の電流変化は0、V相の電流変化は0、W相の電流変化も0となる。
一方、第2キャリア周期の加算後におけるV相の通電期間両端(加算前より長い部分)において、加算後の通電は図6(b)の状態にある。この時のU相の電流変化は−0.5×2、V相の電流変化は+1×2、W相の電流変化は−0.5×2となる。従って、第2キャリア周期の加算後におけるV相の通電期間両端(加算前より長い部分)において、加算前の通電から加算後の通電への変動は、U相は−1、V相は+2、W相は−1となる。
結果として、第2キャリア周期において、加算前の通電から加算後の通電への変動は、U相は−2、V相は+1、W相は+1となる。
上記により、第1キャリア周期における加算前の通電から加算後の通電への変動U相+2、V相−1、W相−1は、第2キャリア周期における加算前の通電から加算後の通電への変動U相−2、V相+1、W相+1によりキャンセルされる。
従って、簡単な制御ソフトにより、電源ライン電流センサ一つのみで、キャリア周期毎に2相分以上の電流検出、電流波形歪キャンセルができる。
(実施の形態3)
実施の形態1、実施の形態2においては、キャリア周期内において特定の1相に通電期間を加算し、次のキャリア周期内において、前記特定の1相以外の2相全てに前記加算通電期間と同一の通電期間を加算する場合を示した。
一方、キャリア周期内において特定の2相に同一の通電期間を加算し、次のキャリア周期内において、前記特定の2相以外の1相に前記加算通電期間と同一の通電期間を加算する場合が考えられる。
これは、実施の形態1、実施の形態2において、第1キャリア周期と第2キャリア周期とを入れ替えた場合に相当する。この場合においても、第1キャリア周期と第2キャリア周期ともに、シャント抵抗6により、2相分の相電流を検出することができること、第1キャリア周期における加算前の通電から加算後の通電への各相の変動は、第2キャリア周期における加算前の通電から加算後の通電への各相の変動によりキャンセルされることは同じである。このため、同様の作用効果を得られるのは明白である。
(実施の形態4)
実施の形態1から実施の形態3にて、キャリア周期内において、通電期間を加算する特定の1相または特定の2相は、同一の相に固定されないように適宜変更する。
実施の形態1においては、1例として、第1キャリア周期においてV相に通電期間を加算するが、第3キャリア周期においてはW相に通電期間を加算する。
実施の形態2においては、1例として、第1キャリア周期においてU相に通電期間を加算するが、第3キャリア周期においてはV相に通電期間を加算する。
これにより、電流バランスの良い3相正弦波交流電流を得ることができる。
尚、上記各実施の形態において2相変調を例に挙げたが、これに限るものではなく、3相変調にも適用できる。また、電流センサとしてシャント抵抗を例に挙げたが、これに限るものではなく、ホール素子を用いたもの等でも良い。また、交流電流を正弦波電流としたが、これに限るものではなく、矩形波との混合電流等にも適用できる。また、モータをセンサレスDCブラシレスモータとしたが、リラクタンスモータや誘導モータ等にも適用できる。
さらには、電流波形歪キャンセルのための通電期間の加算を次のキャリアとしたが、次以降のキャリアでも良い。また、直流電源をバッテリーとしたが、これに限るものではなく、商用交流電源を整流した直流電源でもよい。また、3相の場合を例に挙げたが、多相においても応用できる。上記各各実施の形態において、電流で考察したが電圧で考察しても良い。例えば、図3(a)において、U相の相電圧を、中性点への電圧の極性を+とし、+1とする。これにより、V相の相電圧は−0.5、W相の相電圧も−0.5となる。他も同様にして、各相の相電圧変化が同じであることを導くことができる。
以上のように、本発明にかかるインバータ装置は、簡単な制御ソフトで、小型で耐振性高く相電流の検出ができるので、各種民生用製品、各種産業用機器に適用できる。負荷としてモータ以外の交流機器にも適用可能である。
本発明の実施の形態1に係る電流検出の説明図 同電源ラインのシャント抵抗で相電流を検出するインバータ装置とその周辺の電気回路図 (a)固定子巻線のU相のみプラス側通電時の電流変化説明図(b)固定子巻線のU相とV相がプラス側通電時の電流変化説明図 (a)固定子巻線のU相とW相がプラス側通電時の電流変化説明図(b)固定子巻線の全相がマイナス側通電時の電流変化説明図 本発明の実施の形態2に係る電流検出の説明図 (a)固定子巻線の全相がプラス側通電時の電流変化説明図(b)固定子巻線のV相のみプラス側通電時の電流変化説明図 電源ラインのシャント抵抗で相電流を検出するインバータ装置とその周辺の電気回路図 正弦波2相変調における各相の変調を示す波形図 正弦波2相変調の位相毎における上アームの通電と検出可能電流を示す説明図 従来の正弦波2相変調における相電流検出方法を示す説明図
符号の説明
1 バッテリー
2 スイッチング素子
3 ダイオード
4 固定子巻線
5 磁石回転子
6 シャント抵抗
7 制御回路
10 インバータ回路
11 センサレスDCブラシレスモータ
20 インバータ装置

Claims (7)

  1. 直流電源の直流電圧をスイッチングすることにより交流電流を出力するインバータ回路と、前記直流電源と前記インバータ回路間の電流を検出する電流センサとを備え、キャリア周期内において特定の1相に通電期間を加算し、以降のキャリア周期内において、前記特定の1相以外の2相全てに、前記加算通電期間と同一の通電期間を加算して、キャリア周期毎に2相分以上の相電流を前記電流センサにより検出するインバータ装置。
  2. 直流電源の直流電圧をスイッチングすることにより交流電流を出力するインバータ回路と、前記直流電源と前記インバータ回路間の電流を検出する電流センサとを備え、キャリア周期内において特定の2相に同一の通電期間を加算し、以降のキャリア周期内において、前記特定の2相以外の1相に、前記加算通電期間と同一の通電期間を加算して、キャリア周期毎に2相分以上の相電流を前記電流センサにより検出するインバータ装置。
  3. 前記交流電流は正弦波状である請求項1または請求項2のいずれかに記載のインバータ装置。
  4. キャリア周期内において、通電期間を加算する特定の1相または特定の2相は、同一の相に固定されないように、適宜変更される請求項3に記載のインバータ装置。
  5. 前記交流電流はセンサレスDCブラシレスモータへ出力される請求項1から請求項4のいずれかに記載のインバータ装置。
  6. 前記センサレスDCブラシレスモータを駆動源とする電動圧縮機に搭載される請求項5に記載のインバータ装置。
  7. 車両に搭載される請求項1から請求項6のいずれかに記載のインバータ装置。

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