JP2006225864A - 複合型ダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】 構造の簡略化を図ることができ、部品の加工や組立を容易に行うことができて、製造工程を低減させることができるとともに、製造コストを低減させることができる複合型ダンパを提供すること。
【解決手段】 中央部に塑性部7hが設けられた一本の芯材7と、内部に少なくとも芯材7の中央部および他端部7eを収容するように構成された一対の補剛部材8,8とを備え、架構に低荷重かつ微小振幅の外力が加わった場合、振動エネルギーが芯材7の外表面と補剛部材8,8の内表面との間で摩擦エネルギーに変換され、架構に大荷重かつ大振幅の外力が加わった場合、芯材7と補剛部材8,8との間の相対移動距離が所定距離に達した後、これら芯材7と補剛部材8,8との相対移動が拘束手段8g,21により拘束され、塑性部7hが塑性変形させられることにより、振動エネルギーが吸収されて、架構の振動応答が減衰されることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 中央部に塑性部7hが設けられた一本の芯材7と、内部に少なくとも芯材7の中央部および他端部7eを収容するように構成された一対の補剛部材8,8とを備え、架構に低荷重かつ微小振幅の外力が加わった場合、振動エネルギーが芯材7の外表面と補剛部材8,8の内表面との間で摩擦エネルギーに変換され、架構に大荷重かつ大振幅の外力が加わった場合、芯材7と補剛部材8,8との間の相対移動距離が所定距離に達した後、これら芯材7と補剛部材8,8との相対移動が拘束手段8g,21により拘束され、塑性部7hが塑性変形させられることにより、振動エネルギーが吸収されて、架構の振動応答が減衰されることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建物の架構の構面内にブレースとして設置されるとともに、風外力(低荷重かつ微小振幅)および地震外力(大荷重かつ大振幅)の双方を吸収するダンパとしても機能する複合型ダンパに関するものである。
ブレースとしても機能する複合型ダンパとしては、大振幅用ダンパーと小振幅用ダンパーとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−280727号公報
上述した特許文献1に開示されている発明においては、小振幅用ダンパーとして弾塑性ダンパーや粘弾性ダンパー等が用いられている。しかしながら、これらダンパーは構造が複雑で、部品の加工や組立が容易ではなく、製造工程が増加するとともに、製造コストが嵩んでしまうといった問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、構造の簡略化を図ることができ、部品の加工や組立を容易に行うことができて、製造工程を低減させることができるとともに、製造コストを低減させることができる複合型ダンパを提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による複合型ダンパは、建物の架構の構面内にブレースとして設置されるとともに、建物の振動エネルギーを吸収するダンパとしても機能する複合型ダンパであって、前記架構に比較して降伏応力度の小さい材料によって形成されるとともに、一端部が前記架構の一部分に接合されるとともに、中央部に塑性部が設けられた一本の芯材と、一端部が前記架構の他の部分に接合されるとともに、内部に少なくとも前記芯材の中央部および他端部を収容するように構成された一対の補剛部材とを備え、前記架構に低荷重かつ微小振幅の外力が加わった場合、前記振動エネルギーが前記芯材の外表面と前記補剛部材の内表面との間で摩擦エネルギーに変換され、前記架構に大荷重かつ大振幅の外力が加わった場合、前記芯材と前記補剛部材との間の相対移動距離が所定距離に達した後、これら芯材と補剛部材との相対移動が拘束手段により拘束され、前記塑性部が塑性変形させられることにより、前記振動エネルギーが吸収されて、前記架構の振動応答が減衰されることを特徴とする。
このような複合型ダンパによれば、建物の架構に加わる外力が低荷重かつ微小振幅の場合には、架構の振動エネルギーが芯材と補剛部材との間で摩擦エネルギーに変換されて、架構の振動応答が減衰されることとなる。
また、建物の架構に加わる外力が大荷重かつ大振幅の場合には、芯材と補剛部材との間の相対移動が、所定距離に達するまでは架構の振動エネルギーが芯材と補剛部材との間で摩擦エネルギーに変換され、芯材と補剛部材との間の相対移動が、所定距離を越えようとすると芯材と補剛部材との間の相対移動が拘束され、架構を構成する柱および梁に比較して降伏応力度の低い芯材の塑性部が架構に先行して降伏し、塑性変形を生じることにより、架構の振動エネルギーが吸収されて、架構の振動応答が減衰されることとなる
本発明による複合型ダンパは、建物の架構の構面内にブレースとして設置されるとともに、建物の振動エネルギーを吸収するダンパとしても機能する複合型ダンパであって、前記架構に比較して降伏応力度の小さい材料によって形成されるとともに、一端部が前記架構の一部分に接合されるとともに、中央部に塑性部が設けられた一本の芯材と、一端部が前記架構の他の部分に接合されるとともに、内部に少なくとも前記芯材の中央部および他端部を収容するように構成された一対の補剛部材とを備え、前記架構に低荷重かつ微小振幅の外力が加わった場合、前記振動エネルギーが前記芯材の外表面と前記補剛部材の内表面との間で摩擦エネルギーに変換され、前記架構に大荷重かつ大振幅の外力が加わった場合、前記芯材と前記補剛部材との間の相対移動距離が所定距離に達した後、これら芯材と補剛部材との相対移動が拘束手段により拘束され、前記塑性部が塑性変形させられることにより、前記振動エネルギーが吸収されて、前記架構の振動応答が減衰されることを特徴とする。
このような複合型ダンパによれば、建物の架構に加わる外力が低荷重かつ微小振幅の場合には、架構の振動エネルギーが芯材と補剛部材との間で摩擦エネルギーに変換されて、架構の振動応答が減衰されることとなる。
また、建物の架構に加わる外力が大荷重かつ大振幅の場合には、芯材と補剛部材との間の相対移動が、所定距離に達するまでは架構の振動エネルギーが芯材と補剛部材との間で摩擦エネルギーに変換され、芯材と補剛部材との間の相対移動が、所定距離を越えようとすると芯材と補剛部材との間の相対移動が拘束され、架構を構成する柱および梁に比較して降伏応力度の低い芯材の塑性部が架構に先行して降伏し、塑性変形を生じることにより、架構の振動エネルギーが吸収されて、架構の振動応答が減衰されることとなる
本発明による複合型ダンパは、前記芯材の外表面および/または前記補剛部材の内表面に、安定した摩擦係数を得るための表面処理が施されていることを特徴とする。
このような複合型ダンパによれば、芯材と補剛部材との間の摺動がより安定したものとなり、安定した履歴特性を発揮させることができるとともに、信頼性を向上させることができる。
このような複合型ダンパによれば、芯材と補剛部材との間の摺動がより安定したものとなり、安定した履歴特性を発揮させることができるとともに、信頼性を向上させることができる。
本発明による複合型ダンパは、前記拘束手段が緩衝部材を備えているとともに、前記芯材と前記補剛部材との間の相対移動距離が所定距離に達した際、前記芯材と前記補剛部材との衝突による衝撃力が吸収されるようになっていることを特徴とする。
このような複合型ダンパによれば、芯材と補剛部材との間の衝撃力が大幅に低減され、安定した履歴特性を発揮させることができるとともに、信頼性を向上させることができる。
このような複合型ダンパによれば、芯材と補剛部材との間の衝撃力が大幅に低減され、安定した履歴特性を発揮させることができるとともに、信頼性を向上させることができる。
本発明による複合型ダンパによれば、構造の簡略化を図ることができ、部品の加工や組立を容易に行うことができて、製造工程を低減させることができるとともに、製造コストを低減させることができるという効果を奏する。
以下、本発明による複合型ダンパの一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図7は、建物の架構1の構面2内に設置された複合型ダンパ3,3の外観を示す図である。図7に示すように、複合型ダンパ3,3は、架構1を構成する柱4,4と梁5,5によって囲まれた開口部6内において、例えば、一対のブレースとして、略ハ字状に設置されている。
図7は、建物の架構1の構面2内に設置された複合型ダンパ3,3の外観を示す図である。図7に示すように、複合型ダンパ3,3は、架構1を構成する柱4,4と梁5,5によって囲まれた開口部6内において、例えば、一対のブレースとして、略ハ字状に設置されている。
図1、図3および図7に示すように、複合型ダンパ3は、一本の芯材7と、この芯材7の表面7aおよび裏面7bに配置された一対の補剛部材8,8とを主たる要素として構成されたものである。
芯材7は、例えば、極軟鋼によって形成された平面視略矩形を呈する板状部材であり、その降伏応力度は、通常の鉄骨もしくは鉄筋コンクリート等により形成された柱4,4および梁5,5に比較して小さいものとなっている。
芯材7の一端部7cには、表面(外表面)7aおよび裏面(外表面)7bと直交する方向に沿って延びるフランジ7dが設けられている。これら一端部7cおよびフランジ7dはそれぞれ、開口部6の上縁の略中央に設けられて上側の梁5の下面に固定された、十字型のガセットプレート(架構の一部分)9に、連結部材9aおよび高力ボルト9bを介して結合されている。
一方、芯材7の他端部7eには、丸孔7fおよび長孔7gが設けられている。丸孔7fは、芯材7の中央部寄りに、芯材7の長さ方向に沿って二列、各列二つずつの計四つ設けられていて、ストッパ(拘束手段)21の軸部が貫通するようになっている。また、長孔7gは、丸孔7fから他端側に少し離間した位置に二列、各列一つずつの計二つ設けられていて、高力ボルト22の軸部が貫通するとともに、この高力ボルト22の軸部が長孔7gに沿って移動できるようになっている。
芯材7の長さ方向における中央部には、芯材7の端部7c,7eよりもその幅寸法(図において上下方向の長さ)が小さくなるように切り欠かれた塑性部(降伏部)7hが設けられている。
芯材7は、例えば、極軟鋼によって形成された平面視略矩形を呈する板状部材であり、その降伏応力度は、通常の鉄骨もしくは鉄筋コンクリート等により形成された柱4,4および梁5,5に比較して小さいものとなっている。
芯材7の一端部7cには、表面(外表面)7aおよび裏面(外表面)7bと直交する方向に沿って延びるフランジ7dが設けられている。これら一端部7cおよびフランジ7dはそれぞれ、開口部6の上縁の略中央に設けられて上側の梁5の下面に固定された、十字型のガセットプレート(架構の一部分)9に、連結部材9aおよび高力ボルト9bを介して結合されている。
一方、芯材7の他端部7eには、丸孔7fおよび長孔7gが設けられている。丸孔7fは、芯材7の中央部寄りに、芯材7の長さ方向に沿って二列、各列二つずつの計四つ設けられていて、ストッパ(拘束手段)21の軸部が貫通するようになっている。また、長孔7gは、丸孔7fから他端側に少し離間した位置に二列、各列一つずつの計二つ設けられていて、高力ボルト22の軸部が貫通するとともに、この高力ボルト22の軸部が長孔7gに沿って移動できるようになっている。
芯材7の長さ方向における中央部には、芯材7の端部7c,7eよりもその幅寸法(図において上下方向の長さ)が小さくなるように切り欠かれた塑性部(降伏部)7hが設けられている。
補剛部材8は、断面視コ字形を呈する溝形鋼からなり、図3の各断面を示す図4に示すように、その内表面が芯材7の表面7aまたは裏面7bとそれぞれ当接するように(面接触するように)、芯材7の両側にそれぞれ一つずつ配置されている。
補剛部材8の一端部8aには、フランジ7dと同じ方向に延びるフランジ8bが設けられている。これら一端部8aおよびフランジ8bはそれぞれ、開口部6の下隅に配置されて柱4および下側の梁5に固定された、H型のガセットプレート(架構の他の部分)10に、連結部材10aおよび高力ボルト10bを介して結合されている。また、補剛部材8の一端部8aには、長孔8cおよび丸孔8dが設けられている。長孔8cは、芯材7の丸孔7fに対応して計四つ設けられており、ストッパ21の軸部が貫通するとともに、この軸部が長孔8cに沿って移動できるようになっている。丸孔8dは、芯材7の長孔7gに対応して設けられており、高力ボルト22の軸部が貫通するようになっている。
一方、補剛部材8の他端部8eには、フランジ7dを受け入れるための凹所8fが設けられており、フランジ7dがこの凹所8f内を長手方向に移動できるようになっている。
また、補剛部材8の外表面には長手方向に沿って一本、長手方向と直交する方向に沿って三本の補強リブ8gが設けられている。長手方向と直交する方向に沿って設けられた三本の補強リブ8gのうち、ストッパ21とストッパ21との間に位置するように設けられた補強リブ(拘束手段)8gの両側面には、例えば、ゴム、発泡剤、軟鋼などから作られた衝撃緩衝用のクッション材(緩衝部材)11が設けられている。
補剛部材8の一端部8aには、フランジ7dと同じ方向に延びるフランジ8bが設けられている。これら一端部8aおよびフランジ8bはそれぞれ、開口部6の下隅に配置されて柱4および下側の梁5に固定された、H型のガセットプレート(架構の他の部分)10に、連結部材10aおよび高力ボルト10bを介して結合されている。また、補剛部材8の一端部8aには、長孔8cおよび丸孔8dが設けられている。長孔8cは、芯材7の丸孔7fに対応して計四つ設けられており、ストッパ21の軸部が貫通するとともに、この軸部が長孔8cに沿って移動できるようになっている。丸孔8dは、芯材7の長孔7gに対応して設けられており、高力ボルト22の軸部が貫通するようになっている。
一方、補剛部材8の他端部8eには、フランジ7dを受け入れるための凹所8fが設けられており、フランジ7dがこの凹所8f内を長手方向に移動できるようになっている。
また、補剛部材8の外表面には長手方向に沿って一本、長手方向と直交する方向に沿って三本の補強リブ8gが設けられている。長手方向と直交する方向に沿って設けられた三本の補強リブ8gのうち、ストッパ21とストッパ21との間に位置するように設けられた補強リブ(拘束手段)8gの両側面には、例えば、ゴム、発泡剤、軟鋼などから作られた衝撃緩衝用のクッション材(緩衝部材)11が設けられている。
ストッパ21は、芯材7の丸孔7fおよび補剛部材8の長孔8cを貫通する軸部と、この軸部の両端に設けられた頭部とを有するものであり、芯材7が補剛部材8に対して移動すると、芯材7と同じ方向に同じ距離だけ移動するようになっている。
高力ボルト22は、芯材7の長孔7gおよび補剛部材8の丸孔8dを貫通する軸部と、この軸部の一端に設けられた頭部とを有するものであり、軸部の他端に設けられたねじ部にナット23が締結されることにより芯材7と補剛部材8,8とを結合するものである。高力ボルト22とナット23との締め付け力を調整することにより、芯材7と補剛部材8との間の摩擦力、特に、高力ボルト22とナット23の近傍に位置する芯材7の他端部7eの表面7aおよび裏面7bと補剛部材8の一端部8aの内表面との摩擦力を調整することができるようになっている。また、摩擦力が発生する部分には、安定した摩擦係数を得ることができる表面処理(例えば、青銅を主体に錫、鉛に加え黒鉛を粉体の状態で混合したものを表面に散布し、焼結させた後、圧延しさらに二次焼結させる)が施されている。
補剛部材8と補剛部材8とは、二枚の板状部材12によっても結合されており、これにより補剛部材8,8の剛性が高められているとともに、芯材7および補剛部材8,8の摩擦面(摺動面)が汚れてしまうのを防止し、安定した履歴特性が長期間維持されるようになっている。
高力ボルト22は、芯材7の長孔7gおよび補剛部材8の丸孔8dを貫通する軸部と、この軸部の一端に設けられた頭部とを有するものであり、軸部の他端に設けられたねじ部にナット23が締結されることにより芯材7と補剛部材8,8とを結合するものである。高力ボルト22とナット23との締め付け力を調整することにより、芯材7と補剛部材8との間の摩擦力、特に、高力ボルト22とナット23の近傍に位置する芯材7の他端部7eの表面7aおよび裏面7bと補剛部材8の一端部8aの内表面との摩擦力を調整することができるようになっている。また、摩擦力が発生する部分には、安定した摩擦係数を得ることができる表面処理(例えば、青銅を主体に錫、鉛に加え黒鉛を粉体の状態で混合したものを表面に散布し、焼結させた後、圧延しさらに二次焼結させる)が施されている。
補剛部材8と補剛部材8とは、二枚の板状部材12によっても結合されており、これにより補剛部材8,8の剛性が高められているとともに、芯材7および補剛部材8,8の摩擦面(摺動面)が汚れてしまうのを防止し、安定した履歴特性が長期間維持されるようになっている。
このように構成された複合型ダンパ3に、風外力等により低荷重かつ微小振幅の力が加わった場合には、架構1の振動エネルギーが芯材7と補剛部材8との摩擦エネルギーに変換されて、架構1の振動応答が減衰されることとなる。このときの履歴状態を図5に示す。
また、地震外力等により大荷重かつ大振幅の力が加わった場合、図2に示すように、ストッパ21がクッション材11に当接するまでは架構1の振動エネルギーが芯材7と補剛部材8との摩擦エネルギーに変換され、それ以上大きな力が加わった場合には、架構1を構成する柱4,4および梁5,5に比較して降伏応力度の低い芯材7の塑性部7hが架構1に先行して降伏し、塑性変形を生じることにより、架構1の振動エネルギーが吸収され、架構1の振動応答が減衰されることとなる。このときの履歴状態を図6に示す。
また、地震外力等により大荷重かつ大振幅の力が加わった場合、図2に示すように、ストッパ21がクッション材11に当接するまでは架構1の振動エネルギーが芯材7と補剛部材8との摩擦エネルギーに変換され、それ以上大きな力が加わった場合には、架構1を構成する柱4,4および梁5,5に比較して降伏応力度の低い芯材7の塑性部7hが架構1に先行して降伏し、塑性変形を生じることにより、架構1の振動エネルギーが吸収され、架構1の振動応答が減衰されることとなる。このときの履歴状態を図6に示す。
上述したように、本発明による複合型ダンパ3は、一本の芯材7と、一対の補剛部材8,8とを主たる要素として構成されており、その構成の簡略化を図ることができて、部品の加工を容易なものとすることができるので、製造工程を低減させることができるとともに、製造コストを低減させることができる。
また、本発明による複合型ダンパ3は、一本の芯材7と、一対の補剛部材8,8とを主たる要素として構成されているので、容易に組み立てることができて、組立作業あるいは取付作業に要する時間を短縮することができる。
さらに、芯材7と補剛部材8,8との間の摩擦力の調整は、高力ボルト22およびナット23の締付力を変えるだけで容易に行うことができるので、取付時の調整やメンテナンス時の調整をより簡略化することができる。
さらにまた、取り付け後も必要があれば現場で容易に取り外して分解することができるので、メンテナンス性を向上させることができるとともに信頼性を向上させることができる。
さらにまた、芯材7と補剛部材8との間において摩擦力が発生する部分には、安定した摩擦係数を得ることができる表面処理が施されているので、摺動をより安定したものとすることができて、安定した履歴特性を発揮させることができるとともに、信頼性を向上させることができる。
さらにまた、芯材7と補剛部材8との衝突、より詳しくは芯材7とともに移動するストッパ21と補剛部材8に取り付けられたクッション材11との衝突による衝撃力が、クッション材11により吸収されるようになっているので、芯材7と補剛部材8との間の衝撃力が大幅に低減され、安定した履歴特性を発揮させることができるとともに、信頼性を向上させることができる。
また、本発明による複合型ダンパ3は、一本の芯材7と、一対の補剛部材8,8とを主たる要素として構成されているので、容易に組み立てることができて、組立作業あるいは取付作業に要する時間を短縮することができる。
さらに、芯材7と補剛部材8,8との間の摩擦力の調整は、高力ボルト22およびナット23の締付力を変えるだけで容易に行うことができるので、取付時の調整やメンテナンス時の調整をより簡略化することができる。
さらにまた、取り付け後も必要があれば現場で容易に取り外して分解することができるので、メンテナンス性を向上させることができるとともに信頼性を向上させることができる。
さらにまた、芯材7と補剛部材8との間において摩擦力が発生する部分には、安定した摩擦係数を得ることができる表面処理が施されているので、摺動をより安定したものとすることができて、安定した履歴特性を発揮させることができるとともに、信頼性を向上させることができる。
さらにまた、芯材7と補剛部材8との衝突、より詳しくは芯材7とともに移動するストッパ21と補剛部材8に取り付けられたクッション材11との衝突による衝撃力が、クッション材11により吸収されるようになっているので、芯材7と補剛部材8との間の衝撃力が大幅に低減され、安定した履歴特性を発揮させることができるとともに、信頼性を向上させることができる。
1 架構
2 構面
3 複合型ダンパ
7 芯材
7c 一端部
7e 他端部
7h 塑性部
8 補剛部材
8a 一端部
8e 他端部
8g 補強リブ(拘束手段)
9 ガセットプレート(架構の一部)
10 ガセットプレート(架構の他の部分)
11 クッション材(緩衝部材)
21 ストッパ(拘束手段)
2 構面
3 複合型ダンパ
7 芯材
7c 一端部
7e 他端部
7h 塑性部
8 補剛部材
8a 一端部
8e 他端部
8g 補強リブ(拘束手段)
9 ガセットプレート(架構の一部)
10 ガセットプレート(架構の他の部分)
11 クッション材(緩衝部材)
21 ストッパ(拘束手段)
Claims (3)
- 建物の架構の構面内にブレースとして設置されるとともに、建物の振動エネルギーを吸収するダンパとしても機能する複合型ダンパであって、
前記架構に比較して降伏応力度の小さい材料によって形成されるとともに、一端部が前記架構の一部分に接合されるとともに、中央部に塑性部が設けられた一本の芯材と、
一端部が前記架構の他の部分に接合されるとともに、内部に少なくとも前記芯材の中央部および他端部を収容するように構成された一対の補剛部材とを備え、
前記架構に低荷重かつ微小振幅の外力が加わった場合、前記振動エネルギーが前記芯材の外表面と前記補剛部材の内表面との間で摩擦エネルギーに変換され、
前記架構に大荷重かつ大振幅の外力が加わった場合、前記芯材と前記補剛部材との間の相対移動距離が所定距離に達した後、これら芯材と補剛部材との相対移動が拘束手段により拘束され、前記塑性部が塑性変形させられることにより、前記振動エネルギーが吸収されて、前記架構の振動応答が減衰されることを特徴とする複合型ダンパ。 - 前記芯材の外表面および/または前記補剛部材の内表面に、安定した摩擦係数を得るための表面処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の複合型ダンパ。
- 前記拘束手段が緩衝部材を備えているとともに、前記芯材と前記補剛部材との間の相対移動距離が所定距離に達した際、前記芯材と前記補剛部材との衝突による衝撃力が吸収されるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の複合型ダンパ。
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2005
- 2005-02-15 JP JP2005037720A patent/JP2006225864A/ja active Pending
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